JPH09208793A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH09208793A
JPH09208793A JP4418196A JP4418196A JPH09208793A JP H09208793 A JPH09208793 A JP H09208793A JP 4418196 A JP4418196 A JP 4418196A JP 4418196 A JP4418196 A JP 4418196A JP H09208793 A JPH09208793 A JP H09208793A
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flame
rubber
polymer
resin composition
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JP4418196A
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Tatsunori Hashiya
龍紀 橋谷
Takeshi Wakao
剛 若尾
Masahiko Noro
雅彦 野呂
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は難燃性に優れた樹脂組成物の提供を目
的とする。 【解決手段】ゴム状重合体(a)の存在下に、芳香族ビ
ニル化合物 及び芳香族ビニル化合物とこれに共重合可
能な他の単量体からなる単量体成分(b)を重合したゴ
ム強化樹脂(A−1)及び/叉は(b)成分を重合して
得られる重合体(A−2)から成る熱可塑性樹脂
(A)、ハロゲン含有化合物(B)、スズ含有化合物
(C)から成る組成物であって、該組成物[(A)+
(B)+(C)=100重量%]中に、(B)成分に由
来するハロゲン元素を0.5〜25重量%、(C)成分
を1〜15重量%含有することを特徴とする難燃性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術利用分野】本発明は難燃性に優れた
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】火災の発生と被害を低減するため、OA機
器、家電などの分野では難燃樹脂材料が使用されてい
る。樹脂材料を難燃化する手法としては、難燃剤を添加
することが周知の事実である。特にスチレン系樹脂組成
物の難燃化には、臭素や塩素などのハロゲン元素を含有
する化合物が効果的であるとされている。またハロゲン
系難燃剤に合わせて三酸化アンチモンを使用することに
よりその難燃効果は向上することが知られている。現在
使用される高い難燃性能を有するハロゲン系難燃性樹脂
材料の多くには、難燃剤多量添加に伴う高比重化と物性
低下を避ける意味で、三酸化アンチモンが併用されてい
る。昨今、環境や人間の健康・衛生に与える被害・悪影
響を極力低減することが化学製品に要求されるようにな
った。難燃性樹脂材料に使用される三酸化アンチモン
は、混練加工段階での作業衛生的観点からその使用が望
ましくないという指摘を受けるに至っている。この動き
は特に欧州で活発であり、ドイツ調査協会(Deutche Fo
rshungsgeminschaft)の作業環境物質調査委員会による
報告(List ofMAK and BAT Values)においては、作業
中に人が被爆する状況を想定した動物実験において発ガ
ン性が確認された化合物群に三酸化アンチモンは位置づ
けられている。火災被害の低減、作業衛生、工業的利用
の観点から、三酸化アンチモン以外の難燃助剤を使用し
た難燃性に優れた樹脂材料が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は難燃性に優れ
た樹脂組成物に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (A)成分:ゴム状重合体(a)の存在下に、芳香族ビ
ニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれに共重合可
能な他の単量体からなる単量体成分(b)を重合したゴ
ム強化樹脂(A−1)及び/または(b)成分を重合し
て得られる重合体(A−2)から成る熱可塑性樹脂 (B)成分:ハロゲン含有化合物 (C)成分:スズ含有化合物 から成る組成物であって、該組成物[(A)+(B)+
(C)=100重量%]中に、(B)成分に由来するハ
ロゲン元素を0.5〜25重量%、(C)成分を1〜1
5重量%含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物、
を提供するものである。本発明に使用される(A)成分
は、ゴム強化樹脂(A−1)及び/または重合体(A−
2)から成る熱可塑性樹脂である。上記(A−1)成分
はゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル化合物ま
たは芳香族ビニル化合物とこれに共重合可能な他の単量
体から成る単量体成分(b)を重合して得られるゴム強
化樹脂である。また上記(A−2)成分は、上記単量体
成分(b)を重合して得られる重合体である。
【0005】上記ゴム状重合体(a)としては、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイソプ
レン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、イソプレン−
イソブチレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレンラジアルブロック共重合体、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、SEBSなど
の水素添加ジエン系(ブロック、ランダム、およびホ
モ)重合体、ポリウレタンゴム、ポリオルガノシロキサ
ンなどが挙げられる。これらのなかで、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体、水素添加ジエン系重合体
およびポリオルガノシロキサン、アクリルゴムが好まし
い。
【0006】難燃性樹脂組成物にあってはゴム状重合体
(a)としてヨウ素価が70以下のゴム状重合体脂を少
なくとも一つ含有することが好ましい。ヨウ素価70以
下のゴム状重合体を用いることによる効果を発揮させる
ために、全ゴム状重合体中のヨウ素価70%以下のゴム
状重合体の使用比率は好ましくは5〜100重量%、さ
らに好ましくは30〜100重量%である。複数のゴム
状重合体を含む難燃性樹脂組成物を得る場合、それぞれ
のゴム状重合体から得たゴム強化樹脂を混合・混練して
もよいし、複数のゴム状重合体の存在下に(b)成分を
重合して得たゴム強化樹脂を用いてもよく、ゴム状重合
体を共存させる手段に制限はない。ヨウ素価は、原理的
にはJIS K3331 6.5項に準拠したヨードメト
リーにより測定され、ゴム状重合体100gとの反応に
よって消費されるヨウ素の重量(g)を意味する。本発
明の難燃性樹脂組成物は後に詳述する(B)成分と
(C)成分の使用により優れた難燃性を発現するが、
(C)成分の中には難燃性樹脂組成物を茶色に着色させ
るものがある。この場合淡色系の成形品に使用するには
多量の白色顔料となり、耐衝撃性を低下させる。この問
題を解決する手段としてヨウ素価が70以下のゴム状重
合体を使用することで、(C)成分による難燃性樹脂組
成物の着色の程度が低減され、高い耐衝撃性の樹脂材料
を得ることができる。
【0007】ヨウ素価が70以下のゴム状重合体(a)
としては、ヨウ素価が70以下であるという条件を満た
している限り、グラフト鎖が生成するのに必要な二重結
合を含んでもよいし、また変性されたものであってもよ
い。具体的には、(変性)ポリオルガノシロキサン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−
非共役ジエン共重合体、アクリルゴム、水素添加ジエン
系重合体などが挙げられる。また、難燃性樹脂組成物に
あってはゴム状重合体(a)としてポリオルガノシロキ
サンを少なくとも一つ含有することが好ましい。この場
合もポリオルガノシロキサンを主構成とする限りにおい
て、二重結合及び/または官能基を有するような変性ゴ
ム状重合体であってもよい。ポリオルガノシロキサンで
あれば特に限定しないが、ポリジメチルシロキサンが好
ましい。ポリオルガノシロキサンをゴム状重合体として
含有することにより、(B)成分及び(C)成分の存在
下においてより良好な難燃性を得ることができる。複数
のゴム状重合体を含む難燃性樹脂組成物を得る場合、ゴ
ム状重合体を共存される手段に制限を設けない。全ゴム
状重合体中のポリオルガノシロキサンの使用比率は、好
ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは30〜1
00重量%である。この範囲であるとポリオルガノシロ
キサン使用効果が十分発揮される。
【0008】ゴム強化樹脂(A−1)および重合体(A
−2)を重合するのに用いる単量体成分(b)は、芳香
族ビニルまたは芳香族ビニルとこれに共重合可能な他の
単量体とからなる成分である。上記芳香族ビニル化合物
としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−ヒドロキシスチレン、α−エチルスチレン、メチル
−α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチ
レン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロル
スチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、ス
チレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これら
のなかでスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレンが好ましい。芳香族ビニルに共重合可能な他の単
量体としては、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイミド系化合物、無水マレイン酸な
どが挙げられる。
【0009】上記シアン化ビニル化合物としては、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。
これらのなかでアクリロニトリルが好ましい。また、上
記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
などが挙げられる。これらのなかでメタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルが好ましい。さらに、上記マレイ
ミド系化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N
−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(4
−カルボキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロ
キシフェニル)マレイミド、N−(4−ブロモフェニ
ル)マレイミド、トリブロモフェニルマレイミド、N−
(4−クロルフェニル)マレイミドなどが挙げられる。
これらのなかで、N−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)
マレイミド及びトリブロモフェニルマレイミドが好まし
い。
【0010】ゴム強化樹脂(A−1)を形成する、ゴム
状重合体(a)と単量体成分(b)の割合は、ゴム状重
合体(a)が好ましくは、5〜70重量%、さらに好ま
しくは、15〜65重量%であり、 単量体(b)が好
ましくは、95〜30重量%、さらに好ましくは85〜
35重量%[ただし、ゴム状重合体(a)+重合体
(b)=100重量%]である。ゴム強化樹脂(A−
1)中のゴム状重合体(a)の含有割合が5重量%未満
では十分な耐衝撃性が発現せず、他方70重量%を越え
ると、樹脂成形品の表面光沢性の低下、ならびに成形加
工性の低下などの難点が現れる。
【0011】本発明は難燃性樹脂組成物中に含まれるゴ
ム状重合体(a)の含有量を特に制限することなく使用
できるが、難燃性樹脂組成物の耐衝撃性と成形加工性の
バランスからは、難燃性樹脂組成物[(A)+(B)+
(C)=100重量%]中のゴム状重合体(a)の含有量
は、4〜30重量%が好ましく、5〜25重量部がさら
に好ましい。特に、前述のヨウ素価が70以下のゴム状
重合体(a)の含有量は、難燃性樹脂組成物の着色を低
減するに十分な量であればよく、好ましくは難燃性樹脂
組成物[(A)+(B)+(C)=100重量%]中に
おける、ヨウ素価が70以下であるゴム状重合体の含有
率は0.5〜30重量%であり、さらに好ましくは1〜
25重量%である。0.5以下では(C)成分による難
燃性樹脂組成物の着色度合を十分に低減することができ
ない。またポリオルガノシロキサンを使用する場合、そ
の含有量には特に制約を設けないが、難燃性樹脂組成物
[(A)+(B)+(C)=100重量%]中のポリオ
ルガノシロキサンの含有率が0.5〜40重量%が好ま
しく、1〜30重量%がさらに好ましい。0.5以下で
は十分に難燃性を向上させることができない。
【0012】ゴム強化樹脂(A−1)のグラフト率は好
ましくは20〜160%、さらに好ましくは25〜15
5%、さらにより好ましくは30〜150%である。こ
こでグラフト率とは、ゴム状重合体(a)の100重量
部に対する、ゴム状重合体(a)にグラフト重合した単
量体成分(b)の重量の割合であり、百分率で表したも
のである。特にここでのグラフト率は、1gのゴム強化
樹脂(A−1)に含まれるゴム状重合体(a)の重量を
s(g)、1gのゴム強化樹脂(A−1)をメチルエチ
ルケトン中に溶解させた場合の不溶分重量をt(g)と
したとき、以下の式で求められるものである。 グラフト率(%)=100 ×(t−s)/s ゴム状重合体(a)は、グラフト率が20%未満の場合
には耐衝撃性が低下する。他方グラフト率が160%を
越える場合は、流動性が低下し成形加工性が低下する。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂(A)はゴム強化樹
脂(A−1)(A−2)それぞれ単独、あるいは(A−
1)と(A−2)を併用して成るが、熱可塑性樹脂
(A)のうち、ゴム状重合体(a)にグラフトしていな
い重合体をマトリクス重合体と呼ぶとき、30℃でのメ
チルエチルケトン中で測定されるマトリクス重合体の極
限粘度[η]は0.1〜1.5 dl/gが好ましく、
さらに0.1〜1.0 dl/g が好ましい。極限粘
度[η]が0.1 dl/g 未満であると十分な耐衝
撃性が発現せず、1.5 dl/g を越えると成形加
工性が著しく低下する。
【0014】(B)成分はハロゲン含有化合物であり、
一般にハロゲン系難燃剤として市販されているものはす
べて用いることができる。具体的にはテトラブロモビス
フェノール−A、ハロゲン化エポキシオリゴマー、ハロ
ゲン化ポリカーボネートオリゴマー、エチレンビス(テ
トラブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタ
ルイミド、ハロゲン含有トリアジン化合物などが挙げら
れ、またハロゲン含有リン化合物系難燃剤も含まれる。
(B)成分は、難燃性樹脂組成物[(A)+(B)+
(C)=100重量%]中に(B)成分に由来するハロ
ゲン元素を0.5〜25重量%、好ましくは5〜20重
量%、さらに好ましくは8〜17重量%含有するように
配合することができる。(B)成分に由来するハロゲン
元素が0.5重量%以下では十分な難燃性は発現しな
い。また25重量%以上であると熱安定性が低下する。
(B)成分を上記配合量で使用する限り、トリフェニル
ホスフェイトやトリフェニルホスファイトなど有機リン
系難燃剤や赤リンなどのハロゲン元素を含まない他の難
燃剤を併用することができる (B)成分として、
【化1】 で表されるハロゲン化エポキシオリゴマーを使用するの
が好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】ここでXは、臭素、塩素などのハロゲン元
素である。高い難燃効果を得るには臭素が好ましい。ま
た −R− は、 −C(CH32−、−CH2−の群か
ら選ばれる同種あるいは異種の基である。iは1〜4の
範囲にある整数で、2が好ましい。また、nは0以上の
整数であるが、nの数平均値は好ましくは0〜30、よ
り好ましくは0〜20、さらに好ましくは0〜15であ
る。さらに、−R' 及び −R" は、
【0017】
【化2】
【0018】の群から選ばれる同種あるいは異種の基で
ある。ここで −Z は、フェノール系化合物、カルボン
酸系化合物、アミン系化合物などエポキシ基に開環付加
可能な試薬を反応させた場合に生ずる基であるが、以下
の構造のものが好ましい。
【0019】
【化3】
【0020】ここで Xは臭素、塩素などハロゲン原子
を表す。高い難燃効果を得るには、Xが臭素であること
が好ましい。またjは0〜5の範囲の整数であり、0〜
3が好ましく、2〜3がさらに好ましい。jが3を越え
ると熱安定性と耐光性が低下する。上記のハロゲン化エ
ポキシオリゴマーを使用するとき、難燃性、力学特性、
耐衝撃性、成形加工性に優れた難燃性樹脂組成物を得る
ことができる。
【0021】(C)成分はスズ含有化合物である。具体
的には二酸化スズ、メタスズ酸が挙げられ、さらにスズ
と、亜鉛、ビスマス、アルカリ金属、アルカリ土類金属
などとの複合酸化物、およびそれらの水和物が挙げられ
る。またこれら化合物の粒子径としては特に限定しない
が、耐衝撃性の低下を避ける意味で平均粒子径が10μm
以下のものが好ましい。(C)成分としては二酸化スズ
が好ましい。この場合、(B)成分の存在下での難燃
性、さらに(B)成分及びポリオルガノシロキサン系ゴ
ム状重合体の存在下での難燃性のいづれもが、他のスズ
含有化合物に比べて良好である。(C)成分の添加量
は、難燃性樹脂組成物[(A)+(B)+(C)=10
0重量%]中に1〜15重量%、好ましくは1.5〜1
0重量%である。(C)成分が0.5重量%以下では十
分な難燃性は発現しない。また15重量%以上であると
耐衝撃性が低下する。
【0022】樹脂組成物は燃焼時に溶融し炎を伴って滴
下するため、火災の被害が甚大となる。この燃焼時の樹
脂滴下を抑制するため難燃性樹脂組成物には耐ドリップ
剤が使用される場合がある。本発明の難燃性樹脂組成物
においても、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル、ポリテ
トラフルオロエチレンなどのハロゲン化ポリオレフィ
ン、ポリフェニレンオキサイドやフェノール樹脂など燃
焼時に架橋反応が進行する化合物を使用することができ
る。この中でハロゲン化ポリオフィンが好ましい。ハロ
ゲン化ポリオレフィンのうち、ポリテトラフルオロエチ
レン、塩素化ポリエチレンがより好ましい。
【0023】さらに本発明の難燃性樹脂組成物100重
量部に対して、必要に応じて他の熱可塑性樹脂組成物、
例えばポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、ポリア
ミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレートなどの各種合成樹脂、また必要に応じてこれ
らの分散性や相溶性を向上されるグラフト共重合体やブ
ロック共重合体等の相溶化剤などを配合することができ
る。
【0024】また本発明の難燃性樹脂組成物100重量
部に対して各種の配合剤を、その効果が発現するのに必
要に応じて添加することができる。これらの配合剤とし
ては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6
−ジメチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4
−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チ
オビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニル
フェニル)ホスファイトなどの酸化防止剤;p−t−ブ
チルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ
−4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール
などの紫外線吸収剤; ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケートなどの耐光剤;
ポリオレフィン系ワックス、エチレンビスステアリルア
ミド、水添硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリル、モ
ンタン酸ワックス、酸化ポリエチレンワックスなどの滑
剤; スズマレート、ステアリン酸カルシウムなどの熱
安定剤; ハイドロタルサイト、ゼオライトなどのハロ
ゲン捕捉剤; ステアロアミドプロピルジメチル−β−
ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートなどの帯電防
止剤; 酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤;
炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラ
ス球、カーボン繊維などの充填剤; 顔料などを挙げる
ことができる。なお、本発明の難燃性樹脂組成物は、通
常の混合方法を用いて得られる。例えば、ミキサーで各
成分を混合した後、押出機で溶融、混練し造粒する。さ
らに簡単に各成分を直接、成形機内で溶融混練し、成形
品とすることもできる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げてさらに具体
的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例に何ら制約されるものではない。実施例及び比較例に使用した難燃性樹脂組成物の配合成
実施例と比較例において以下のゴム強化樹脂(A−1)
成分イ〜ニを用いた。(A−1)成分 イ 及び ロ はポ
リブタジエン(ヨウ素価470)をゴム状重合体として
用い、この存在下でスチレンとアクリロニトリルを重合
したゴム強化樹脂である。(A−1)成分 イ は、グラ
フト率が60であり、スチレンとアクリロニトリルの共
重合体に占めるアクリロニトリルの重量割合(以後、ア
クリロニトリル含有率と記す)が25重量%、ゴム成分
含有率は40重量%であった。(A−1)成分 ロ は、
グラフト率が110%であり、アクリロニトリル含有率
が30重量%、ゴム成分含有率は40重量%であった。
(A−1)成分 ハ はエチレン-プロンピレン−エチリ
デンノルボルネン三元共重合体(ヨウ素価20)をゴム
状重合体として用い、この存在下でスチレンとアクリロ
ニトリルを重合したゴム強化樹脂である。グラフト率は
60%であり、アクリロニトリル含有率が25重量%、
ゴム成分含有率は40重量%であった。(A−1)成分
ニ は、オクタメチルシクロテトラシロキサンとp−ビ
ニルフェニルメチルジメトキシシランから得た変性ポリ
ジメチルシロキサン(ヨウ素価10)をゴム状重合体と
して用い、この存在下でスチレンとアクリロニトリルを
重合したゴム強化樹脂である。グラフト率は60%であ
り、アクリロニトリル含有率が25重量%、ゴム成分含
有率は40重量%であった。
【0026】実施例と比較例において重合体(A−2)
イ 及び ロ を用いた。これらはスチレンとアクリロニ
トリルの共重合体で、重合体(A−2)イはアクリロニ
トリル含有率が25重量%であり、重合体(A−2)ロ
は30重量%であった。実施例と比較例において以下の
臭素化エポキシオリゴマー (B)成分 イ 及び ロ を
難燃剤として用いた。(B)成分 イ はテトラブロモビ
スフェノール−Aのジグリシジルエーテルとテトラブロ
モビスフェノール−Aとの重合体である。臭素含量(重
合体中に占める臭素の重量百分率)は51%であり、エ
ポキシ当量は800(g/当量)であった。(B)成分
ロ は テトラブロモビスフェノール−Aのジグリシジ
ルエーテルとテトラブロモビスフェノール−Aとの重合
体に、トリブロモフェノールを反応して得たものであ
る。臭素含量は57%であり、エポキシ当量は1000
0(g/当量)であった。(C)成分 イ 及び ロ はい
ずれも二酸化スズであり、イの平均粒子径が5μmであ
り、ロ の平均粒子径は1μmであった。
【0027】難燃性樹脂組成物の作成及び評価方法 表1および2に示す配合に従い、バレル内径50mmの
押出機を用いて温度190〜220゜Cで溶融混練し、
ペレットとして実施例および比較例に使用する難燃性樹
脂組成物を作成した。以下に本発明を具体的に説明する
ために用いた評価について述べる。難燃性評価 (1)酸素指数 JIS K 7201 に準処して評価した。試験片寸法は長さ125
mm、幅6.5mm、厚さ3.0mmであった。 (2)燃焼試験 UL-94 に準拠して評価した。 試験片寸法は、長さ125m
m、幅13mm、厚さ2mm であった。着色度 難燃性評価に使用した成形品の着色の度合を目視で判定
し、5段階に分類した。茶色の着色度合が最も大きい分
類を5で、着色の最も小さい分類を1で表した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例と比較例による本発明の説明 表1の実施例1〜7は本発明の請求項の範囲内にあり、
良好な難燃性を有している。表1の比較例1〜3は本発
明の請求項の範囲外であり、実施例1〜7の難燃性に至
っていない。また表1及び2から明らかのように、実施
例8〜14ではポリオルガノシロキサンを含有すること
により著しい難燃性が向上している。さらに表1の実施
例7と表2の実施例8〜14では、スズ含有化合物によ
る難燃性樹脂組成物の着色がヨウ素価の低いゴム状重合
体の存在により低減している。
【0031】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は従来の三酸
化アンチモンを使用しない組成物にして十分に良好な難
燃性を示す。このため本発明の難燃性樹脂組成物は、火
災の被害を低減する目的を達成するとともに、有害な三
酸化アンチモンを含まないという作業環境上の観点か
ら、工業的価値が極めて高く産業上極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分 :ゴム状重合体(a)の存在
    下に、芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物と
    これに共重合可能な他の単量体からなる単量体成分
    (b)を重合したゴム強化樹脂(A−1)及び/または
    (b)成分を重合して得られる重合体(A−2)から成
    る熱可塑性樹脂 (B)成分 : ハロゲン含有化合物 (C)成分 : スズ含有化合物 から成る組成物であって、該組成物[(A)+(B)+
    (C)=100重量%]中に、(B)成分に由来するハ
    ロゲン元素を0.5〜25重量%、(C)成分を1〜1
    5重量%含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001152021A (ja) * 1999-12-01 2001-06-05 Asahi Kasei Corp 耐薬品性難燃性樹脂組成物
KR20040042354A (ko) * 2002-11-14 2004-05-20 제일모직주식회사 난연성 스티렌계 수지 조성물

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