JP2002241573A - 難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性スチレン系樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な難燃性を持ち、燃焼時の赤熱燃焼時間
を減少できる難燃性スチレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂と、
(B)臭素系難燃剤と、(C)アンチモンを含む酸化物
とを含有し、(A)のテトラヒドロフラン可溶分中、分
子量2,000〜50,000の範囲のものの比率X(重量%)が2
5重量%以下であり、この比率Xと分子量1,000,000以上
のものの比率Y(重量%)とがX/Y1.5≦10.5の関係
を満たし、臭素含有量が8.5重量%以上、アンチモン含
有量が1.0〜4.0重量%である難燃性スチレン系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は良好な難燃性を持つ
スチレン系樹脂組成物に関するものであり、特に燃焼時
に赤熱燃焼(glowing)時間を減少できる樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン系樹脂組成物に難燃性を
もたらすために組成物中にハロゲン系、燐系又は無機系
などの難燃剤が添加される。UL-94 V-Oレベルに要求さ
れる難燃効果は、一般に難燃剤を添加するほど向上する
が、大量の難燃剤使用によって樹脂の比重が増え、成形
加工品の単位体積当たりの重量とコストが高くなる。一
方、組成物自身にとっては大量の難燃剤がその樹脂の衝
撃強度を低下させるだけでなく、熱安定性などの物性を
悪くする原因にもなる。また、難燃剤の大量添加によっ
て生産コストも上昇する。
【0003】難燃剤については、例えば、特開昭59−16
6552号には、特定粘度(0.4dl/g超)のスチレン系樹脂
中にハロゲン系難燃剤、酸化アンチモン(Sb2O3)組成
物、及び少量のエチレンビスステアリルアミド(EBA)
を添加することが開示されている。この方法では、難燃
性は改良されるものの、燃焼時の赤熱燃焼現象の時間が
長くなる欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、良好な難燃性を持ち、燃焼時の赤熱燃焼時間を減少
できるスチレン系樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の欠点を
解決するために鋭意研究を行った結果、スチレン系樹脂
のテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布を特定するこ
とにより、及び組成物中のハロゲン(特に臭素)及びア
ンチモンの含有量を特定することにより、樹脂組成物に
良好な難燃性をもたらし、かつ燃焼時の赤熱燃焼時間を
減少させることを見出した。
【0006】本発明は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂
〔以下、(A)成分という〕と、(B)臭素系難燃剤
〔以下、(B)成分という〕と、(C)アンチモンを含
む酸化物〔以下、(C)成分という〕とを含有する難燃
性スチレン系樹脂組成物であって、(A)のテトラヒド
ロフラン可溶分中、分子量2,000〜50,000の範囲のもの
の比率X(重量%)が25重量%以下であり、この比率X
と分子量1,000,000以上のものの比率Y(重量%)とが
X/Y1.5≦10.5の関係を満たし、且つ組成物中の臭素
含有量(臭素原子として)が8.5重量%以上、アンチモ
ン含有量(アンチモン原子として)が1.0〜4.0重量%で
ある難燃性スチレン系樹脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】(A)成分のゴム変性スチレン系
樹脂は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニルモノマー
と該モノマーと共重合可能な他のモノマーとをグラフト
重合して得られたグラフト共重合体を含有するものであ
り、上記の各モノマーを共重合して出来た熱可塑性樹脂
と上記のグラフト共重合体とを混練して得られたものを
使用することもできる。重合方式としては塊状重合法、
溶液重合法、塊状溶液重合法と懸濁重合法の併用などが
挙げられる。
【0008】芳香族ビニルモノマーとしては、スチレ
ン、オルトメチルスチレン、パラメチルスチレン、メタ
メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、パラ-t-ブチルスチレンなどのアルキル置換のスチ
レン、α-メチルスチレン、α-メチル-パラメチルスチ
レンなどのα-アルキル置換のスチレン、及びブロムス
チレン、ジブロムスチレン、2,4,6-トリブロムスチレン
などのブロム置換のスチレンが挙げられる。これらの中
でスチレンとα-メチルスチレンがより好ましい。上記
のスチレン系モノマーは単独使用又は多種併用が出来
る。
【0009】本発明において、芳香族ビニルモノマー、
好ましくはスチレン系モノマーのユニットは、好ましく
は(A)成分の98〜60重量%を占め、より好ましくは96
〜70重量%である。
【0010】また、芳香族ビニルモノマーと共重合可能
なその他のモノマーとしては、不飽和ニトリル類(例え
ばアクリロニトリル)、(メチル)アクリル酸エステル
類(例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル)、
アクリル酸、無水マレイン酸、マレイミド(例えばN-フ
ェニルマレイミド)などが挙げられる。その他の共重合
可能なモノマーのユニットは、好ましくは(A)成分の
0〜20重量%を占める。
【0011】また、ゴム状重合体は、耐衝撃性スチレン
系樹脂に適用される一般的なゴムで良く、例えば天然ゴ
ム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム状共重合体、ブ
チルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロ
ピレン−ジエンゴムなどが挙げられ、ブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン
−プロピレン−ジエンゴムが好ましい。これらのゴム重
合体は一種又は一種以上の併用が出来る。この中で、ポ
リブタジエンゴムにはシス-1,4結合含量の高いハイシス
タイプとシス含量の低いローシスタイプのものがある。
ゴム状重合体は、好ましくは(A)成分中の2〜20重量
%を占め、好ましくは4〜15重量%である。
【0012】本発明の(A)成分のゴム変性スチレン系
樹脂は、(A)成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶
分中、分子量2,000〜50,000の範囲のものの比率X(重
量%)が25重量%以下であり、この比率XとTHF可溶分
中の分子量1,000,000以上のものの比率Y(重量%)と
がX/Y1.5≦10.5の関係を満たす。比率Xは、好まし
くは23重量%以下、より好ましくは21重量%以下であ
る。また、好ましくはX/Y 1.5≦10.0、より好ましく
はX/Y1.5≦9.0である。比率Xが25重量%を越える或
いはX/Y1.5>10.5となる場合、燃焼試験時に火焔消
滅後に赤熱燃焼現象が生じ易くなる。なお、この分子量
は重量平均分子量である。
【0013】本発明者らの鋭意研究の結果、赤熱燃焼の
原因は(A)成分中の低分子量部分と高分子量部分の複
合影響によるものと分かった。即ち、(A)成分中に低
分子量部分が多すぎたり又は高分子量部分が少なすぎる
と赤熱燃焼現象が生じてくる。また、本発明で低分子部
分の比率Xを25重量%以下と制限する理由としては、こ
の比率が25重量%を超えると全体の粘度が下がり、高分
子量部分の比率Yを高めても改質効果は良くならないか
らである。従って、X/Y1.5≦10.5且つXが25重量%
以下の関係を同時に満足して始めて樹脂組成物の赤熱燃
焼現象を有効に防止する効果を発現する。
【0014】本発明において、(A)成分のTHF可溶分
とは、(A)成分のゴム変性スチレン系樹脂をTHFに溶
かし、フィルターでTHFに溶けない不溶物質(又はゲル
状のもの)を除いて得られるものである。
【0015】本発明において、組成物中の(A)成分の
比率は40〜95重量%、更に50〜90重量%、特に60〜85重
量%が好ましい。
【0016】本発明(B)成分の臭素系難燃剤として
は、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビス
フェノールAビス(2-ヒドロキシエチルエーテル)、テ
トラブロムビスフェノールAビス(2,3-ジブロムフェニ
ルエーテル)などのテトラブロムビスフェノールA誘導
体などが挙げられる。また、ヘキサブロムジフェニルエ
ーテル、オクタブロムジフェニルエーテル、デカブロム
ジフェニルエーテル(略称DE-83)、ビス(トリブロム
フェノキシ)エタン、ヘキサブロムサイクロドデカンな
ど、又はブロム化エポキシ型樹脂難燃剤がある。このブ
ロム化エポキシ型樹脂難燃剤は、ブロム化ビスフェノー
ルAと3-クロロ-1,2-エポキシプロパンとを反応させて
得られたものである。また、臭素を含むエポキシ樹脂と
臭素を含むビスフェノールAとを反応させて得られた末
端にエポキシ基又はフェノール基を持つ高分子量ブロム
化エポキシ樹脂も本発明に使用できる。その他、ブロム
化エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基と、フェノール、
アルキルフェノール、ブロム化フェノール、トリブロム
フェノール、トリクロロフェノール、ペンタブロムフェ
ノール、ペンタクロロフェノールなどと反応して得られ
る末端基がフェニルエーテル化のものも用いられる。
【0017】本発明(B)成分の臭素系難燃剤として
は、下記の構造式で表されるものが好ましい。
【0018】
【化1】
【0019】上記構造式中のRは水素原子又は下記の基
である。
【0020】
【化2】
【0021】ここで、R’は低級(好ましくは炭素数1
〜5)アルキル基又は臭素原子置換したフェニル基、X
は臭素原子、iは1〜4の整数、nは0〜30の整数を表
す。
【0022】本発明に用いられるその他の臭素系難燃剤
としては、ブロムフェノール、トリブロムフェノール、
ペンタブロムフェノール、トリブロムクレゾール、ジブ
ロムイソプロピルフェノール、テトラブロムビスフェノ
ールS、ブロム化トリメチルフェニルインダンなどが挙
げられる。
【0023】本発明では、UL-94 V-Oレベルの難燃性基
準を達成するために、組成物中の臭素含有量は8.5重量
%以上であり、好ましくは9.0〜18重量%、より好まし
くは9.5〜13重量%である。臭素含有量が8.5重量%より
低くなると燃焼試験時に燃焼秒数が急速に増加されUL-9
4 V-Oレベルの難燃性に達しない。
【0024】本発明(C)成分のアンチモンを含む酸化
物は難燃助剤として用いられるが、アンチモン含有量は
樹脂組成物の1.0〜4.0重量%を占め、好ましくは1.5〜
3.7重量%、より好ましくは2.0〜3.5重量%である。具
体的なアンチモン酸化物としては、三酸化二アンチモ
ン、五酸化二アンチモンなどが挙げられるが、その効用
はブロム化合物が燃焼機構を抑制する時に補助効果を発
揮するもので、組成物中にアンチモン含有量が不足とな
るとUL-94 V-Oレベルの要求に達しないが、ある一定の
比率以上にあれば明確な効果を表わす。しかし、逆にそ
の比率が高すぎると、例えば樹脂組成物中の4.0重量%
を超えると、赤熱燃焼現象は反って増加する。そのメカ
ニズムについては定かではないが金属イオンに熱量が累
積した結果による現象と考えられ、凝集のアンチモン酸
化物が熱量集中点を形成して赤熱燃焼現象が継続的に発
生するためと思われる。
【0025】本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物には
必要に応じて他の添加剤を添加することが出来る。例え
ば、黒色の成型品を製造する際に樹脂中にカーボンブラ
ックなどを添加する。しかし組成物中にカーボンブラッ
クを添加すると樹脂組成物の赤熱燃焼現象はより顕著と
なるため、添加するカーボンブラックの量は、一般的に
組成物中0.125〜2.0重量%が好ましい。他の添加物とし
ては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、可塑
剤及び帯電防止剤などがある。
【0026】本発明に用いられる酸化防止剤としては例
えば2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、トリノニ
ルフェニルホスファイト、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジ
エチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロ
シンナメート)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチ
ル-4−ハイドロキシハイドロシンナメート)]メタン、2,
4−ビス[(オクチルチオ)メチル]オルトクレゾール、
トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ジ−
ラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプ
ロピオネート、トリエチレングリコールビス3−(3−t-
ブチル−4−ハイドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オネート、1,1-ビス(2-メチル−4−ハイドロキシ−5−t
-ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。
【0027】また、本発明に用いられる滑剤としてはス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリル酸亜鉛などの金属石鹸、エチレンビスステアリ
ルアミド(略称EBA)、メチレンビスステアリルアミ
ド、パルミチルアミド、ステアリン酸ブチル、ステアリ
ン酸パルミチル、ポリプロピレングリコールモノステア
レート、ベヘン酸、ステアリン酸などの化合物、ポリエ
チレンワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。
【0028】本発明の樹脂組成物は(A)成分のスチレ
ン系樹脂、(B)成分の臭素系難燃剤、(C)成分のア
ンチモン酸化物及びその他の添加物を混練することによ
って得られる。本発明の樹脂組成物を得るための混練方
法としては、ヘンシェルミキサーなどでドライブレンド
した後に、例えば押出機、ニーダー、又はバンバリーミ
キサーなどの混練機により溶融混練する方法などがあ
る。
【0029】以上の混合方法で溶融混練を行う時に、又
は後述の成形方法で成形をする時に本発明の樹脂組成物
に熱履歴がかかるため、熱分解又は脱ハロゲン化水素反
応を引起こす恐れがあるので、混練温度及び成形加工温
度は180〜250℃の範囲内に保つ必要がある。本発明の樹
脂組成物を用いて成形を行う時に一般的に適用する成形
加工方法は、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法及び
中空成形法などがある。
【0030】
【実施例】<物性試験> (1)平均分子量及び分子量分布 (A)成分について、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)に基づいて下記の条件下で測定した。 カラム:KD-806M 検出器:RI-410、UV-486 移動相:テトラヒドロフラン(THF)、流速1.0c.c./min GPC測定チャートにおいて分子量2,000〜12,000,000の積
分総面積を100%とし、その中で分子量2,000〜50,000の
範囲の積分面積をX、分子量1,000,000以上の積分面積
をYとする。
【0031】(2)衝撃強度(IZ) ASTM D-256(ノッチ付き、厚さ1/8インチ)、に従
う。単位はkg-cm/cm。
【0032】(3)引張強度(Tsy) ASTM D-638規定に従い測定する。単位はkg/cm2
【0033】(4)燃焼試験 UL−94 V-Oの測定基準に従って、難燃性スチレン系樹脂
組成物の試験片(125mm×13mm×2.5mm)を用いて火炎燃
焼してその燃焼時間を測定し、パスしたものは「○」、
パスできないものは「×」と表わす。
【0034】(5)赤熱燃焼時間 燃焼試験時において余焔火花の燃焼秒数で表わす。即
ち、燃焼試験を行う時に試験片上の火焔が消滅した後に
残余の火花が継続的に燃焼して完全消滅するまでの秒数
のことである。
【0035】<製造例> 製造例1〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−1)の製造〕 86重量%のスチレンモノマー、7重量%のエチルベンゼ
ン、6.675重量%のポリブタジエンゴム(ローシスブタ
ジエンゴム、そのMooney粘度は35cps、分子量は450,00
0、ビニル基構造のものは12重量%)、0.3重量%の2,6-
ジ-t-ブチル-4-クレゾール、及び0.025重量%の開始剤
(t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート)から
なる配合原料を、ポンプで一時間50リットルの流量で体
積が共に110リットルの三個プラグフロー式の反応槽へ
送る。反応温度は105℃から徐々に175℃まで上げて行
く。最終転化率が72重量%の生成物が得られる。上記生
成物に脱溶剤の処理を行った後、ゴム変性スチレン系樹
脂(A−1)を得た。
【0036】製造例2〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−
2)の製造〕 85.7重量%のスチレンモノマー、7重量%のエチルベン
ゼン、7.035重量%のポリブタジエンゴム(製造例1と
同じもの)、0.25重量%のオクタデシル-3-(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオレート、0.015
重量%の開始剤からなる配合原料を、ポンプで一時間50
リットルの流量で体積が共に110リットルの三個プラグ
フロー式の反応槽へ送る。反応温度は105℃から徐々に1
90℃まで上げて行く。最終転化率が81重量%の生成物が
得られる。上記生成物に脱溶剤の処理を行った後、ゴム
変性スチレン系樹脂(A−2)を得た。
【0037】製造例3〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−
3)の製造〕 製造例2と同じ製法だが、配合原料中のスチレンモノマ
ーを84.7重量%に変え、1.0重量%の高分子量(分子量
1,700,000)ポリスチレンを加えて、ゴム変性スチレン
系樹脂(A−3)を得た。
【0038】製造例4〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−
4)の製造〕 製造例2と同じ製法だが、配合原料中のスチレンモノマ
ーを84.7重量%に変え、1.0重量%の高分子量(分子量
1,700,000)ポリスチレンを加えて、また第三反応槽の
温度を205℃まで上昇させ、最終転化率90重量%のゴム
変性スチレン系樹脂(A−4)を得た。
【0039】製造例5〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−
5)の製造〕 製造例2と同じ組成と製法だが、原料組成物中のスチレ
ンモノマーを80.7重量%に変え、5.0重量%の中分子量
ポリスチレン(分子量420,000)を加えて、ゴム変性ス
チレン系樹脂(A−5)を得た。
【0040】製造例6〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−
6)の製造〕 85.4重量%のスチレンモノマー、4重量%のエチルベン
ゼン、7.5重量%のポリブタジエンゴム(ハイシスゴ
ム、台湾合成ゴム社のTaipol-015H)、0.05重量%のオ
クタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオレート、3.02重量%のミネラルオイル、及
び0.03重量%の開始剤を原料組成物とし、製造例1と同
様に反応させてゴム変性スチレン系樹脂(A−6)を得
た。
【0041】製造例7〔ゴム変性スチレン系樹脂(A−
7)の製造〕 製造例2と同じ組成と製法だが、配合原料中の開始剤を
0.015重量%、スチレンモノマーを85.415重量%に変
え、第三反応槽の温度を185℃まで上昇させ、最終転化
率は約85%としてゴム変性スチレン系樹脂(A−7)を
得た。
【0042】<実施例> 実施例1 78.5重量%のスチレン系樹脂(A−1)、17.0重量%の
ブロム化エポキシ樹脂(以下EC-14と称する。大日本イ
ンキ社製、臭素含有量58.5%、分子量1,400の難燃
剤)、3.5重量%の三酸化二アンチモン(Sb2O3)、及び1.
0重量%のカーボンブラックを押出機にて均一に溶融混
練する。混練した後にストランドダイから溶融樹脂を押
出し、水槽で冷却後カッティングしてペレット状にす
る。このペレットを予備乾燥してから射出成形機で1/1
0インチのUL燃焼試験片及び物性試験片を成形して上記
各物性及び燃焼試験を行う。結果を表1に示した。
【0043】実施例2 実施例1と同じ製法だが、スチレン系樹脂としてA−6
を使用した。評価結果を表1に示した。
【0044】実施例3 実施例1と同じ製法だが、79.0重量%のスチレン系樹脂
(A−3)を使用し、三酸化二アンチモンの使用量を3.
0重量%に変えた。評価結果を表1に示した。
【0045】実施例4 実施例1と同じ製法だが、原料組成を、84.1重量%のス
チレン系樹脂(A−1)、10.8重量%のデカブロムジフ
ェニルエーテル(難燃剤、以下ではDE-83と称する)、
4.1重量%の三酸化二アンチモン、及び1.0重量%のカー
ボンブラックとした。評価結果を表1に示した。
【0046】実施例5 実施例4において原料組成を、スチレン系樹脂(A−
1)は82.0重量%、DE-83は14.0重量%、三酸化二アン
チモンは3.0重量%とした。評価結果を表1に示した。
【0047】実施例6 実施例4において原料組成を、スチレン系樹脂(A−
1)は83.0重量%、DE-83は14.0重量%、三酸化二アン
チモンは3.0重量%とし、且つカーボンブラックは使用
しない。評価結果を表1に示した。
【0048】比較例1 実施例1と同じ製法だが、スチレン系樹脂としてA−2
を使用した。評価結果を表1に示した。
【0049】比較例2 実施例1と同じ製法だが、スチレン系樹脂としてA−7
を使用した。評価結果を表1に示した。
【0050】比較例3 実施例1と同じ製法だが、原料組成中のスチレン樹脂は
(A−1)から79.0重量%の(A−4)に変え、且つ三
酸化二アンチモンの使用量は3.0重量%に変えた。評価
結果を表1に示した。
【0051】比較例4 実施例1と同じ製法だが、原料組成中のスチレン樹脂
(A−1)の使用量は77.0重量%に変え、且つ三酸化二
アンチモンの使用量は5.0重量%に変えた。評価結果を
表1に示した。
【0052】比較例5 実施例1と同じ製法だが、原料組成は74.9重量%のスチ
レン樹脂(A−6)、20.0重量%のEC-14、4.1重量%の
三酸化二アンチモン、及び1.0重量%のカーボンブラッ
クとした。評価結果を表1に示した。
【0053】比較例6 実施例4と同じ製法だが、原料組成中のスチレン樹脂
(A−1)の使用量は82.7重量%に変え、且つ三酸化二
アンチモンの使用量は5.5重量%に変えた。評価結果を
表1に示した。
【0054】比較例7 実施例4と同じ製法だが、原料組成は82.0重量%のスチ
レン樹脂(A−2)、14.0重量%のDE-83、3.0重量%の
三酸化二アンチモンとした。評価結果を表1に示した。
【0055】比較例8 実施例4と同じ製法だが、原料組成は79.2重量%のスチ
レン樹脂(A−4)、16.0重量%のDE-83、3.8重量%の
三酸化二アンチモン、及び1.0重量%のカーボンブラッ
クとした。評価結果を表1に示した。
【0056】比較例9 実施例4と同じ製法だが、原料組成は82.0重量%のスチ
レン樹脂(A−5)、14.0重量%のDE-83、3.0重量%の
三酸化二アンチモン、及び1.0重量%のカーボンブラッ
クとした。評価結果を表1に示した。
【0057】比較例10 実施例4と同じ製法だが、原料組成は80.2重量%のスチ
レン樹脂(A−4)、16.0重量%のDE-83、3.8重量%の
三酸化二アンチモンとした。評価結果を表1に示した。
【0058】比較例11 実施例1と同じ製法だが、原料組成は83.5重量%のスチ
レン樹脂(A−1)、12.0重量%の難燃剤EC-14(ブロ
ム含有量7.0重量%)、3.5重量%の三酸化二アンチモ
ン、及び1.0重量%のカーボンブラックとした。得られ
た試験片を評価したところ、燃焼結果では、燃焼性が不
足で且つドロップ燃え現象があり、UL−94V-O燃焼試験
にパスできないことがわかった。
【0059】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂と、
    (B)臭素系難燃剤と、(C)アンチモンを含む酸化物
    とを含有する難燃性スチレン系樹脂組成物であって、
    (A)のテトラヒドロフラン可溶分中、分子量2,000〜5
    0,000の範囲のものの比率X(重量%)が25重量%以下
    であり、この比率Xと分子量1,000,000以上のものの比
    率Y(重量%)とがX/Y1.5≦10.5を満たし、且つ組
    成物中の臭素含有量(臭素原子として)が8.5重量%以
    上、アンチモン含有量(アンチモン原子として)が1.0
    〜4.0重量%である難燃性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記比率Xが23重量%以下であり、且つ
    比率XとYとがX/Y1.5≦10.0を満たす請求項1記載
    の難燃性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アンチモンの含有量が1.5〜3.5重量%で
    ある請求項1又は2記載の難燃性スチレン系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 (A)が、ゴム状重合体の存在下に芳香
    族ビニルモノマーと該モノマーと共重合可能な他のモノ
    マーとをグラフト重合して得られたグラフト共重合体を
    含有する請求項1〜3の何れか1項記載の難燃性スチレ
    ン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ゴム状重合体が、ブタジエンゴム、スチ
    レン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム及びエチレン−
    プロピレン−ジエンゴムから選択されるジエン系ゴムで
    ある特許請求項4記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
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