JPH09202901A - TiNi系合金焼結体の製造方法 - Google Patents

TiNi系合金焼結体の製造方法

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JPH09202901A
JPH09202901A JP8010169A JP1016996A JPH09202901A JP H09202901 A JPH09202901 A JP H09202901A JP 8010169 A JP8010169 A JP 8010169A JP 1016996 A JP1016996 A JP 1016996A JP H09202901 A JPH09202901 A JP H09202901A
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JP
Japan
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powder
tini
sintered body
based alloy
alloy sintered
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JP8010169A
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Akihisa Furukawa
明久 古川
Hiroshi Ishikawa
洋 石川
Etsuo Oogai
悦夫 大概
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TiNi単相が得られ,90%を越える相対
密度を有するTiNi焼結体の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 TiNi系合金焼結体の製造方法におい
て,Ti粉末とNi粉末とをTiが49〜51原子%
で,残部が実質的にNiの組成比となるように混合した
後,機械的合金化法により合金化し,その粉末をプレ
ス,焼結することよりTiNi系合金焼結体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,形状記憶及び超弾
性材料であるTi−Ni(チタンニッケル)系合金焼結
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでは,TiNi系合金製造の主流
は溶解鋳造法であるが,必ず溶解工程を経ることから,
製造ロット毎及び製造ロット内の組成の均一性が悪いこ
とはよく知られているところである。
【0003】実際に,TiNi系の形状記憶合金や超弾
性合金の場合に機能として変態温度の制御が特に重要で
あるが,溶解鋳造法の場合,Ni組成が0.1%は変動
するが,その場合の変態温度も10℃程変動する。工業
的な観点に立つと変態温度は±2℃程度に抑えたいとこ
ろである。そこで,このような溶解鋳造法による組成制
御性の悪さを改善するために,粉末冶金法の一種である
素粉末混合法により,Ti粉末とNi粉末の混合粉末を
プレス・焼結してTiNi系形状記憶合金を製造するこ
とが検討されている。
【0004】例えば,チューブのように複雑形状の製品
の場合,粉末冶金法による製造の検討は,非常に工業的
であり,現在においても検討は,様々に進んでいると考
えられるが,現在でも成功したものを目にしたことはな
い。これまでのTiNi系合金製造の主流である溶解鋳
造法によって,そのような複雑形状は,できないことか
ら,その必要性がさらに高まってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,実際T
i粉末とNi粉末の混合粉末の使用を検討をしてみると
TiNiの焼結過程において,中間生成物であるTi2
NiやTiNi3 が生成し,それらが焼結終期にも存在
することとなり,TiNi単相がうまく得られなかった
り,TiとNiの相互拡散係数の違いから,気孔も発生
しやすく,相対密度が90%を越えるようなものは得ら
れていない。したがって,TiNi焼結体を製造するこ
とは困難と思われていた。
【0006】そこで,本発明の技術的課題は,Ti−N
i系合金を素粉末混合法のように,TiNi単相が得ら
れない,相対密度90%程度であるというような従来技
術の欠点を解消し,TiNi単相が得られるとともに,
90%を越える相対密度が得られるTiNi焼結体の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】まず,TiNi合金を製
造するに際し,素粉末を使用せず,TiNi合金粉末を
使用することでTiNi合金焼結体が得られる。ここ
で,アトマイズ法等によってTiNi合金粉末を製造す
ることが考えられるが,アトマイズ法の場合はまず溶解
鋳造法によってTiNi合金を製造しなければならない
ことから,従来の技術で述べた組成制御性が悪いという
問題がある。
【0008】そこで,本発明では,TiNi系合金焼結
体の製造方法において,Ti粉末とNi粉末とをTiが
49〜51原子%で,残部が実質的にNiの組成比(形
状記憶を示す組成範囲)で混合した後,機械的合金化法
により得られたTiNi系合金粉末を使用し,その粉末
をプレス,焼結することによって組成の均一なTiNi
系合金焼結体が得られた。
【0009】即ち,本発明によれば,TiNi系合金焼
結体の製造方法において,Ti粉末とNi粉末とをTi
が49〜51原子%で,残部が実質的にNiの組成比と
なるように混合した後,機械的合金化法により合金化
し,その粉末をプレス,焼結することを特徴とするTi
Ni系合金焼結体の製造方法が得られる。
【0010】また,本発明によれば,前記TiNi系合
金焼結体の製造方法において,前記Niの一部をCr,
Fe,Co,Cu,V,Mnからなる群から選択された
少くとも1種を1原子%以下で置換したことを特徴とす
るTiNi系合金焼結体の製造方法が得られる。
【0011】また,本発明によれば,前記TiNi系合
金焼結体の製造方法において,前記機械的合金化法は不
活性又は還元雰囲気中でボールミルを用いて行うことを
特徴とするTiNi系合金焼結体の製造方法が得られ
る。
【0012】また,本発明によれば,前記TiNi系合
金焼結体の製造方法において,前記Ti粉末はアトマイ
ズ法によって製造されており,前記Ni粉末はカルボニ
ル法によって製造されていることを特徴とするTiNi
系合金焼結体の製造方法が得られる。
【0013】また,本発明によれば,前記TiNi系合
金焼結体の製造方法において,前記Ti粉末は平均粒径
100μm以下であり,前記Ni粉末は,前記Ti粉末
の平均粒径よりも小さな平均粒径を備えていることを特
徴とするTiNi系合金焼結体の製造方法が得られる。
【0014】また,本発明によれば,前記TiNi系合
金焼結体の製造方法において,前記ボールミルは100
rpmで少くとも50Hr行うことを特徴とするTiN
i系合金焼結体の製造方法が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0016】まず,本発明の第1の実施の形態について
説明する。
【0017】本発明の第1の実施の形態において,機械
的合金化法は回転式ボールミル法によって行い,ポット
はSUS304,使用ボール(直径17mm)はSUJ
−2のものを使用した。使用した粉末はアトマイズ法に
よって,製造された粒径が45μmであるTi粉末と,
カルボニル法によって製造された粒径が平均4μmであ
るNi粉末とであり,それらの粉末を50:50(at
%)の割合で混合したTi−Ni混合粉末で,アルゴン
ガス雰囲気において100rpmの回転速度で機械的合
金化を10〜300Hr行った。混合粉末の全重量とボ
ールの全重量との全重量比は1:50とした。このよう
にして得られたTi−Ni合金粉末はアルゴンガス雰囲
気で合金化したために酸素の混入量を少量(0.1%以
下)に抑制することができた。また,これを熱処理(7
00℃×30分:急熱水冷)にて結晶化させた試料につ
いてX線回折を行ったところ,ミル時間が50Hrまで
は合金化が不十分でTiNi単相に至ってはいないこと
がわかった。一方,ミル時間が50Hr以上になるとほ
ぼTiNi単相となっている。ミル時間が300Hrの
試料は明らかにTiNi単相しか検出されなかった。こ
のことから,ミル時間が50Hr以上であれば合金化は
ほぼ十分であるが300Hr以上が望ましいことが判明
した。各ミル時間での試料粉末のX線回折結果及び焼結
体の相対密度を,下記表1に示す。
【0018】
【表1】 また,さらに得られた合金粉末を1.5トン/cm2
プレスした後,1200℃×20Hr(真空中)焼結し
た試料の相対密度については,ミル時間が20Hr以下
では82%以下と低く,ミル時間が50Hr以上になる
と95%以上と高い値を示し,実用に供することができ
ると考えられる。
【0019】本発明の第1の実施の形態により得られた
焼結体を,さらに加工を施し溶体化処理を行った後,実
際に形状回復温度を調べると,約80℃であった。
【0020】次に,本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0021】本発明の第2の実施の形態において,機械
的合金化法は回転式ボールミル法によって行い,ポット
はSUS304,使用ボール(直径17mm)はSUJ
−2のものを使用した。使用した粉末はアトマイズ法に
よって製造された粒径が45μmであるTi粉末を用意
した。さらに,Ni−X,X=Cr,Fe,Co,C
u,V,Mnからなるグループから選択された少なくと
も一種の金属で置換したNi−X合金粉末(溶解鋳造法
で得られた合金を粗粉砕及び微粉砕し,水素中で300
℃で熱処理した粒径10μmのNi−X(X=1%)粉
末)を用意した。それらのTi粉末とNiX合金粉末と
を50:50(at%)の割合で混合したTi−Ni−
X混合粉末(Ti50Ni50合金のNiの一部をXで
置換したもの)で,アルゴンガス雰囲気において100
rpmの回転速度で機械的合金化法を300Hr行っ
た。ここで,混合粉末の全重量とボールの全重量との全
重量比は1:50とした。このようにして得られたTi
−Ni−X合金粉末は酸素の混入量を第1の実施の形態
のように少量(0.1%以下)に抑制することができ
た。また,さらに得られた合金粉末を1.5トン/cm
2 でプレスした後,1200℃×20Hr(真空中)焼
結した試料のそれぞれの相対密度を下記表2に示す。下
記表2に示すように,いずれの合金焼結体も95%以上
と高い値を示すことから,Niの一部を第3元素で置換
しても充分実用に供することが判明した。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上,説明したように本発明によれば,
機械的合金化法により作製したTiNi系合金粉末をプ
レス及び焼結して焼結体を製造すると実用に供すること
のできる相対密度の高い,酸素含有量も溶解鋳造法のも
のと同等のTiNi系合金焼結体が製造できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiNi系合金焼結体の製造方法におい
    て,Ti粉末とNi粉末とをTiが49〜51原子%
    で,残部が実質的にNiの組成比となるように混合した
    後,機械的合金化法により合金化し,その粉末をプレ
    ス,焼結することを特徴とするTiNi系合金焼結体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のTiNi系合金焼結体の
    製造方法において,前記Niの一部をCr,Fe,C
    o,Cu,V,Mnからなる群から選択された少くとも
    1種を1原子%以下で置換したことを特徴とするTiN
    i系合金焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のTiNi系合金焼結体の
    製造方法において,前記機械的合金化法は不活性又は還
    元雰囲気中でボールミルを用いて行うことを特徴とする
    TiNi系合金焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のTiNi系合金焼結体の
    製造方法において,前記Ti粉末はアトマイズ法によっ
    て製造されており,前記Ni粉末はカルボニル法によっ
    て製造されていることを特徴とするTiNi系合金焼結
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のTiNi系合金焼結体の
    製造方法において,前記Ti粉末は平均粒径100μm
    以下であり,前記Ni粉末は,前記Ti粉末の平均粒径
    よりも小さな平均粒径を備えていることを特徴とするT
    iNi系合金焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のTiNi系合金焼結体の
    製造方法において,前記ボールミルは100rpmで少
    くとも50Hr行うことを特徴とするTiNi系合金焼
    結体の製造方法。
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