JPH09199328A - 積層インダクタ部品およびその製造方法 - Google Patents

積層インダクタ部品およびその製造方法

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JPH09199328A
JPH09199328A JP634596A JP634596A JPH09199328A JP H09199328 A JPH09199328 A JP H09199328A JP 634596 A JP634596 A JP 634596A JP 634596 A JP634596 A JP 634596A JP H09199328 A JPH09199328 A JP H09199328A
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ceramic
conductor portion
laminated
support
sheet
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JP634596A
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Osamu Makino
治 牧野
Hironobu Chiba
博伸 千葉
Hidekazu Uryu
英一 瓜生
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子回路の直流電源ラインに発生するノイズ
を抑制するノイズ対策部品において、インピーダンス特
性の安定した積層インダクタ部品およびその製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 上面に導体部12を設けたセラミックシ
ート11を複数枚積層してなる内部導体部13と、この
内部導体部13の上・下面のそれぞれに設けられたセラ
ミック積層体15と、少なくとも内部導体部13の両端
に電気的に接続する端面電極17とを備えている。この
内部導体部13の断面方向の厚みと幅との比を0.5〜
2の範囲とすることにより平均磁路長が短く、効率の良
い磁路が形成でき、安定したインピーダンス値が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型デジタル電子
機器の高密度実装回路基板に用いられ、電子回路の直流
電源ラインに発生するノイズを抑制する積層インダクタ
部品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、積層インダクタ部品は、デジタル
機器の小型・薄形化に伴う高密度実装回路基板からのノ
イズを抑制するノイズ対策部品として用途が拡大されて
いる。
【0003】以下、従来の積層インダクタ部品として、
チップインダクタを例にとり説明する。
【0004】従来のチップインダクタは、実願昭63−
36183号(実開平1−139412号)のマイクロ
フィルムに、蛇行状に形成された導体部を上面に有する
セラミックシートが複数枚積層されてなる内部導体部
と、この内部導体部の上・下面のそれぞれに、セラミッ
クシートのみが複数枚積層されてなる第2の積層体と、
この内部導体部と第2の積層体とを圧着してなる一体積
層物の対向する両端面に外部電極を設けたチップインダ
クタが開示されている。
【0005】以下に、従来のチップインダクタについ
て、図面を参照しながら説明する。図7は従来のチップ
インダクタの断面図であり、図8は同要部である導体部
を有するセラミックシートの上面図である。
【0006】図において、1はチップインダクタの断面
の中央部に設けられたフェライトからなるセラミックシ
ートである。2はセラミックシート1の上面に銀パラジ
ウム等の金属ペーストを蛇行状に印刷して形成すると共
に、その対向する両端部に一対の側面電極3を有してな
る導体部である。4はセラミックシート1を複数枚積層
してなる内部導体部である。5は内部導体部4の上・下
面のそれぞれに設けられた複数枚のセラミックシート1
を積層してなるセラミック積層体である。6は内部導体
部4と、内部導体部4の上・下面のそれぞれに積層され
たセラミック積層体5とを一体にしたセラミック焼結体
である。7はセラミック焼結体6の対向する端面に側面
電極3を介して導体部2と電気的に接続される端面電極
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、セラミックシート1の上面に導体部2を
印刷したものを積層するため、積層の熱圧着時に、セラ
ミックシート1より突起している蛇行状パターンの導体
部2に積層圧力が集中して加わり、導体部2のパターン
同士が反発して、上面に導体部2が印刷されているセラ
ミックシート1の各層間でパターンのズレが起こり、イ
ンピーダンス特性のばらつきが生じてしまうため、精度
良く導体部を複数層に印刷することが要求されている。
【0008】本発明は、セラミックシートの積層時に導
体部のパターンがズレることなく、インピーダンス特性
が安定した積層インダクタ部品を提供することを目的と
するものである。
【0009】また、導体部がセラミックシートから突起
することなく磁性体に覆われるように形成されるため、
導体部を複数層に印刷することが容易である積層インダ
クタ部品の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内部導体部の断面方向の厚みと幅との比が
0.5〜2の範囲であるように構成するものである。
【0011】また、導体部を印刷した支持体の上面に少
なくともこの導体部を覆うように磁性体スラリーを塗布
してこの導体部が埋め込まれるように中間層生シートを
形成するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、上面に導体部を設けたセラミックシートを複数枚積
層してなる内部導体部と、この内部導体部の上・下面の
それぞれに設けられたセラミック積層体と、少なくとも
前記内部導体部の両端に電気的に接続された端面電極と
を備え、前記内部導体部の断面方向の厚みと幅との比が
0.5〜2の範囲であるものである。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、まず第1
の支持体の上面に磁性体スラリーをシート状に塗布・乾
燥した後前記第1の支持体を剥離してセラミック生シー
トを形成し、次に前記セラミック生シートを第2の支持
体の上面に複数枚積層して第1のセラミック積層体を形
成し、次に第3の支持体の上面に導電性ペーストを蛇行
形状に印刷して導体部を形成し、次に前記第3の支持体
の上面に少なくとも前記導体部を覆うように磁性体スラ
リーを塗布して前記導体部が埋め込まれかつ上面が平面
になるように中間層生シートを形成し、次に前記第1の
セラミック積層体の上面に前記中間層生シートを圧着し
て前記第3の支持体を剥離する転写・積層を繰り返して
断面方向の厚みと幅との比が0.5〜2となるように内
部導体部を形成し、次に前記セラミック生シートを複数
枚積層して第2のセラミック積層体を形成し、次に転写
・積層された前記中間層生シートの上面に前記第2のセ
ラミック積層体を積層して一体積層物を形成し、次に前
記一体積層物を個片に裁断して前記第2の支持体を取り
除いた後に焼成してセラミック焼結体を形成し、最後に
前記セラミック焼結体の対向する端面に前記内部導体部
と電気的に接続するように端面電極を形成するものであ
る。
【0014】上述した請求項により、積層時の導体部の
パターンのズレやこれに伴う特性のばらつきが少ないも
のが得られるという作用を有するものである。
【0015】以下、本発明の一実施の形態における積層
インダクタ部品である積層チップインダクタおよびその
製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0016】図1(a)は本発明の一実施の形態におけ
る積層チップインダクタの内部構造を透視した斜視図、
図1(b)は図1(a)の一部を分解した分解斜視図で
ある。図において、11はフェライトを主成分とする第
1のセラミックシートである。12は第1のセラミック
シート11の上面に埋め込まれた銀等の導電体からなる
複数の蛇行状の導体部である。13は導体部12を埋め
込んだ第1のセラミックシート11を複数枚積層してな
る内部導体部である。15はフェライトを主成分とする
第2のセラミックシート14を複数枚積層してなるセラ
ミック積層体である。16は内部導体部13の上・下面
のそれぞれに設けられたセラミック積層体15を積層し
てなるセラミック焼結体である。17はセラミック焼結
体16の対向する端面に内部導体部13と電気的に接続
するように設けられた銀等の導電体からなる端面電極で
ある。
【0017】以上のように構成された積層チップインダ
クタについて、以下にその製造方法を図面を参照しなが
ら説明する。
【0018】図2、図3は本発明の一実施の形態におけ
る積層チップインダクタの製造方法を示す工程図であ
る。
【0019】まず、積層チップインダクタの製造の準備
工程として、磁性体原料となるNiO、ZnO、CuO
およびFe23の、粒径が0.2〜1.0μmである粉
末を、ボールミル中で約20時間湿式混合してスプレー
ドライヤーで乾燥した後、約600℃〜900℃の温度
で空気中で仮焼成し、ある程度砕いて粉末状にしたあと
ボールミルにより約20時間湿式粉砕した後、スプレー
ドライヤーで再度乾燥し、平均粒径が1μm前後のNi
−Zn−Cuフェライトの仮焼粉を作製する。この仮焼
粉を、有機バインダとしてのポリビニールブチラール樹
脂(PVB)と、可塑剤としてのフタル酸を酢酸ブチル
等の有機溶剤に溶解した有機ビークルとに混練して磁性
体スラリーを作製する。
【0020】次に、図2(a)に示すように、PETフ
ィルム等の片面に離型処理してなる第1の支持体18上
に、磁性体スラリーをドクターブレード法によりシート
状に塗布形成後、約70℃で乾燥し、有機溶剤成分を除
去して厚みが約0.1mmのセラミック生シート19を
作製した後、このセラミック生シート19を第1の支持
体18から剥離し、複数枚積層して約60〜100℃で
熱圧着し、図2(b)に示すように第2の支持体20の
上面に積層して第1のセラミック積層体21を作製す
る。
【0021】次に図2(c)に示すように、PETフィ
ルム等の片面に離型処理してなる第3の支持体22の上
面に、銀ペースト等の導電性ペーストを複数、蛇行状に
スクリーン印刷し、約120℃で乾燥させて、導体部2
3を形成する。このとき、図1(a)に示す内部導体部
13を形成することを考慮して、内部導体部の断面方向
の厚みTと幅Wとの比W/Tが0.5〜2の範囲になる
ように、導体部23の断面方向の厚みは10〜30μ
m、幅80〜200μmとなるように形成する。
【0022】次に、図2(d)に示すように、前工程で
作製した導体部23を覆うように、300メッシュ以上
のスクリーン版を用いて、磁性体スラリーを印刷し、中
間層生シート24を作製する。この磁性体スラリーは、
ペースト状であり、導体部23の上面だけでなく側面に
も流れ込むため、中間層生シート24は、導体部23を
埋め込みかつ上面が平面となるように形成される。
【0023】次に、図2(c)および図2(d)の工程
を繰り返して、複数枚の中間層生シートを作製する。
【0024】次に、図2(e)に示すように、第2の支
持体20に積層された第1のセラミック積層体21の上
面に中間層生シート24を圧着するため、約60〜10
0℃で熱圧着し、第3の支持体22のみを剥離して、第
1のセラミック積層体21の上面に中間層生シート24
を積層する。
【0025】次に、図3(a)に示すように、図2
(e)で示した前工程を繰り返して、第1のセラミック
積層体21の上面に導体部23が埋め込まれた中間層生
シート24を導体部23が重なり合うように位置合わせ
をし、約60〜100℃で熱圧着し、中間積層体25お
よび内部導体部26を形成する。
【0026】また、中間層生シート24の厚みを、予め
形成された導体部23を壊さず、かつ導体部23の厚み
とほぼ同じ10〜30μm前後に合わせるためには、磁
性体スラリーの粘度や印刷スキージ条件などを調整しな
ければならず、磁性体スラリーの粘度は100〜100
0ポイズとし、スキージ条件としては、印刷面とスクリ
ーン版間のギャップは0.1〜1mmとし、印刷スキー
ジ圧を1kg以上に調整する。また、磁性体スラリー中
に含有される有機溶剤に、導体部23に含まれる導電性
ペーストのバインダが溶融すると導体体23の形状が崩
れやすくなるので、導体部23の形状を保持するため、
導電性ペーストに用いられる有機バインダとしては、ス
チレン系樹脂等のように、磁性体スラリーに含まれる酢
酸ブチル等の溶剤成分に溶融しにくいものを用いること
が好ましい。
【0027】次に、図3(b)に示すように、第1のセ
ラミック積層体21の作製と同様の工程で、複数枚のセ
ラミック生シート19を約60〜100℃で熱圧着し、
積層して、第2のセラミック積層体26を作製する。
【0028】次に、図3(c)に示すように、中間積層
体25の上面に第2のセラミック積層体26を約60〜
100℃で熱圧着し、積層して一体積層物27を作製す
る。
【0029】次に、図3(d)に示すように、一体積層
物27の縦横に超硬刃を用いて切断溝を形成し、所定サ
イズの個片に裁断して第2の支持体20を取り除き、約
900℃で焼成してセラミック焼結体28を作製する。
【0030】最後に、図3(e)に示すように、セラミ
ック焼結体28の対向する端面に、内部導体部26と電
気的に接続するように銀系の導電性ペーストを塗布し、
約850℃で焼成して端面電極29を形成し、本発明の
積層チップインダクタを製造するものである。
【0031】なお、上述した製造方法では、セラミック
生シート19をあらかじめ複数枚積層して、第1のセラ
ミック積層体21と第2のセラミック積層体26とを形
成してから圧着・積層したが、セラミック生シート19
を1枚ずつ順次圧着・積層して製造してもよい。
【0032】また、セラミック生シート19は、Ni−
Zn−Cu系のフェライト磁性材料をスラリー化し、こ
のフェライト磁性材料からなるセラミックシートを複数
枚熱圧着して作製したものを用いたが、この材料系に限
らず、導体部23の材料と同時焼成できるセラミック材
料であればよく、内部導体部26の材料としては、銀ペ
ーストに限らずパラジウム、銅あるいはこれらの合金な
ど、低抵抗でセラミック材と同時焼成できる材料であれ
ばよい。
【0033】また、スクリーン印刷法など、他の成膜方
法でセラミック生シート19を形成してもよく、導体部
23の形成方法もスクリーン印刷に限らず、薄膜法や、
金属箔のエッチング法など支持体の上面に蛇行形状のパ
ターンが形成できる方法であればよい。
【0034】以下に、従来の積層チップインダクタと、
本発明の一実施の形態における積層チップインダクタと
の特性を比較して示す。
【0035】(比較例1)従来の積層チップインダクタ
として導体部の幅と内部導体部の層数とを変えて、焼結
後の内部導体部の幅Wと内部導体部の断面方向の厚みT
との比W/Tが、本発明の範囲外である0.1〜0.4
9および2.01〜3.2のものと、本発明の0.5〜
2.0の範囲にある積層チップインダクタとを、上述の
一実施の形態と同様の製造方法で作製し、比較したもの
を(表1)に示す。
【0036】この(表1)において、サンプル番号1〜
8までは、従来の積層チップインダクタを、サンプル番
号9〜10は本発明の一実施の形態における積層チップ
インダクタを示すものである。
【0037】
【表1】
【0038】また、(表2)は、(表1)に示す従来の
積層チップインダクタと本発明の一実施の形態における
積層チップインダクタとを、それぞれ1000個ずつ、
高周波インピーダンスアナライザを用いて100MHz
でのインピーダンス値(Z100)と、直流通電時の内
部導体部の導体抵抗値(Rdc)とを比較したものであ
る。
【0039】
【表2】
【0040】(表2)から明らかなように、本発明の一
実施の形態における積層チップインダクタの導体抵抗値
(Rdc)は48mΩ〜55mΩ、その平均値は51m
Ωであり、従来の導体抵抗値(Rdc)の平均値である
55mΩと同程度に低くなっている。これに対して、本
発明の一実施の形態における積層チップインダクタのイ
ンピーダンス値(Z100)は平均値が70Ωであり、
従来の平均値である38Ωに比べて大きくなっている。
特に大電流に対してノイズ抑制するためには、インピー
ダンス値は約50Ω以上必要であり、本発明の積層チッ
プインダクタは高いノイズ抑止力を有しているものであ
る。
【0041】また、インピーダンス値の最大値と最小値
との差を考慮すると、インピーダンス値の特性のばらつ
きがわかる。(表2)において、インピーダンス値の最
大値から最小値を引くと、従来のばらつきは25となる
のに対して、本発明のインピーダンス値のばらつきは7
と非常に小さくなっている。これは、内部導体部23を
埋め込んだ中間層生シート24は、従来のように内部導
体部が突出しているものに比べて平滑であるため、これ
を熱圧着して積層する時、内部導体部26のみに圧力が
集中せず、均等に中間層生シート24を圧着することが
でき、導体部23間のパターンのズレが起こりにくいた
めである。
【0042】このように、本発明の積層チップインダク
タは、多量に生産したときの歩留りがよく、大電流型で
ノイズ対策部品として優れた特性を有しているものであ
る。
【0043】以下に、従来の積層チップインダクタと本
発明一実施の形態における積層チップインダクタとの内
部導体部の構造について図面を参照しながら説明する。
【0044】図4(a)は従来の積層チップインダクタ
の焼成前の導体部の一部を示す分解断面図、図4(b)
は図4(a)の焼成後に形成された内部導体部の一部を
示す断面図である。また、図5(a)は本発明の一実施
の形態における積層チップインダクタの焼成前の導体部
の一部を示す分解断面図、図5(b)は図5(a)の焼
成後に形成された内部導体部の一部を示す断面図であ
る。
【0045】図4(a)に示すように、従来の導体部2
は第1のセラミックシート1より突出しており、図5
(b)に示すように、セラミックシート1よりに突出し
た状態で積層するため、焼成後の内部導体部の断面方向
の厚みが厚く、平均磁路長32が長くなり、その結果低
いインピーダンス値のものしか得られない。
【0046】これに対し、図5(a)に示すように、本
発明の導体部23は、中間層生シート24に埋め込ま
れ、ほぼ平滑になっている。導体部23を埋め込んだ中
間層生シート24を積層することによって、導体部23
がほぼ重なり合い、焼成過程で焼結収縮が起こり、図5
(b)に示すように一体化して内部導体部26が形成さ
れる。
【0047】すなわち、複数層の導体部23が、焼成後
はあたかも1層の内部導体部26が内層されているのと
等価であり、内部導体部26の断面の幅Wに対して断面
の厚みTが小さくなり、平均磁路長31については、短
くて効率の良い磁路が形成できるため、高いインピーダ
ンス値が得られるものである。
【0048】(比較例2)上述した比較例1で用いられ
た本発明と従来との積層チップインダクタのサンプルの
中で、(表1)に示す導体抵抗値(Rdc)がほぼ等し
く、内部導体部の断面方向の厚みTと幅Wとの比(W/
T)が異なるものを用いて、この比(W/T)とインピ
ーダンス値(Z100)との関係を調べたものを図6に
示す。
【0049】図6において、インピーダンス値の実線部
分は、本発明の製造方法で得られた68〜75Ωの範囲
である積層チップインダクタのものであり、点線部分は
従来の積層チップインダクタのものである。
【0050】図6から、同じ導体抵抗値であっても、イ
ンピーダンス値が本発明の68Ω以上となるものは、W
/Tの比が0.5から2.0の範囲であり、逆にその比
が0.5よりも小さく、2.0よりも大きいものでは、
インピーダンス値は68Ωよりも低下することがわか
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、磁性体積層時に
導体部のパターンがほとんどズレることがなく、特性の
ばらつきの少ない、インピーダンス特性が安定した積層
インダクタ部品を提供することができるものである。
【0052】また、導体部がセラミックシートから突起
することなく磁性体に覆われるように形成されるため、
積層間のパターンのズレがほとんどなく、導体部を複数
層に印刷することが容易である積層インダクタ部品の製
造方法を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態における積層チッ
プインダクタの内部構造を透視した図 (b)同一部を分解した分解斜視図
【図2】同製造方法を示す工程図
【図3】同製造方法を示す工程図
【図4】(a)従来の積層チップインダクタの要部であ
る内部導体部の一部を示す分解断面図 (b)同断面図
【図5】(a)本発明の一実施の形態における積層チッ
プインダクタの要部である内部導体部の一部を示す分解
断面図 (b)同断面図
【図6】従来と本発明の一実施の形態における積層チッ
プインダクタの要部である内部導体部の断面本発明の厚
みTと幅Wとの比(W/T)とインピーダンス値との関
係を示す図
【図7】従来のチップインダクタの断面図
【図8】同要部の上面図
【符号の説明】
11 第1のセラミックシート 12 導体部 13 内部導体部 14 第2のセラミックシート 15 セラミック積層体 16 セラミック焼結体 17 端面電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に導体部を設けたセラミックシート
    を複数枚積層してなる内部導体部と、この内部導体部の
    上・下面のそれぞれに設けられたセラミック積層体と、
    少なくとも前記内部導体部の両端に電気的に接続された
    端面電極とを備え、前記内部導体部の断面方向の厚みと
    幅との比が0.5〜2の範囲である積層インダクタ部
    品。
  2. 【請求項2】 まず第1の支持体の上面に磁性体スラリ
    ーをシート状に塗布・乾燥した後前記第1の支持体を剥
    離してセラミック生シートを形成し、次に前記セラミッ
    ク生シートを第2の支持体の上面に複数枚積層して第1
    のセラミック積層体を形成し、次に第3の支持体の上面
    に導電性ペーストを蛇行形状に印刷して導体部を形成
    し、次に前記第3の支持体の上面に少なくとも前記導体
    部を覆うように磁性体スラリーを塗布して前記導体部が
    埋め込まれかつ上面が平面になるように中間層生シート
    を形成し、次に前記第1のセラミック積層体の上面に前
    記中間層生シートを圧着して前記第3の支持体を剥離す
    る転写・積層を繰り返して断面方向の厚みと幅との比が
    0.5〜2となるように内部導体部を形成し、次に前記
    セラミック生シートを複数枚積層して第2のセラミック
    積層体を形成し、次に転写・積層された前記中間層生シ
    ートの上面に前記第2のセラミック積層体を積層して一
    体積層物を形成し、次に前記一体積層物を個片に裁断し
    て前記第2の支持体を取り除いた後に焼成してセラミッ
    ク焼結体を形成し、最後に前記セラミック焼結体の対向
    する端面に前記内部導体部と電気的に接続するように端
    面電極を形成してなる積層インダクタ部品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299123A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Sumitomo Special Metals Co Ltd 積層型インダクタンス素子
JP2009259933A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Panasonic Corp 磁性シートおよびその製造方法
CN113363048A (zh) * 2021-06-02 2021-09-07 横店集团东磁股份有限公司 一种叠层电感的内电极、其制备方法及叠层电感

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