JPH09199075A - 電子管 - Google Patents

電子管

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JPH09199075A
JPH09199075A JP494196A JP494196A JPH09199075A JP H09199075 A JPH09199075 A JP H09199075A JP 494196 A JP494196 A JP 494196A JP 494196 A JP494196 A JP 494196A JP H09199075 A JPH09199075 A JP H09199075A
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electron
photoelectrons
electrode
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実 新垣
Toru Hirohata
徹 廣畑
Tomoko Suzuki
智子 鈴木
Hirobumi Suga
博文 菅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過型光電面に入射する被検出光の減衰を抑
え、微弱光検出できる電子管の提供を目的とする。 【解決手段】 ガラス面板(10)に反射防止膜(2
0)介してメサ型透過型光電面(30)が配置されてい
る。ガラス面板(10)は透過型光電面(30)を真空
管(11)内に向けて真空管(11)の一端に支持され
ている。真空管(11)内の透過型光電面(30)側か
ら、光電子(e-)を収束する収束電極(60)、光電
子を2次電子増倍するダイノード部(61)、そして陽
極(40)が順次配設されている。ステムピン(54
a,b)、電気リード(53a,b)、金属配線(5
2)、第1電極(50)及び第2電極(51)を介し
て、透過型光電面(30)はバイアス電圧VBが印加さ
れている。上記構成によると、検出対象である被検出光
が減衰せずに透過型光電面(30)に効率よく入射で
き、従来より多くの光電子が放出され、検出される信号
電流も多くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過型光電面を用い
た電子管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子管の一例として図13に示す光電子
増倍管がある。この光電子増倍管は、真空管11の一方
の端部にガラス面板10が支持されており、検出対象で
ある被検出光(hν)が矢印に示すように入射される。
真空管11内部には、ガラス面板10側から、半導体基
板60によって支持された透過型光電面30、光電子
(e-)を収束する収束電極70、光電子を2次電子増
倍するダイノード部71、そして陽極40が順次配設さ
れている。そして、透過型光電面30表面には、例えば
メッシュ形状等により光電子を透過可能にした第1電極
50が接続して形成され、半導体基板60の裏面側周縁
部には第2電極51がオーミック接続して形成されてい
る。また、真空管11の陽極40寄りの端面を貫通する
ステムピン54aの一端が電気リード53aを介して第
1電極50と電気的に接続されており、同様に、別のス
テムピン54bの一端が電気リード53b及び真空管1
1側壁から延びている金属配線52を介して第2電極5
1と接続されている。各ステムピン54a,bの他端は
バイアス電圧VBに接続されて、透過型光電面30にバ
イアス電圧VBを印加できるようにしている。なお、図
13では陽極40、収束電極70、及びダイノード部7
1に接続される電気リード等は省略されている。
【0003】図14は図13に示す透過型光電面30の
拡大断面図である。透過型光電面30は、被検出光を吸
収して光電子を発生させる光吸収層32と、光吸収層3
2からの光電子を透過型光電面30表面にドリフトさせ
る電子放出層31とが半導体基板60表面に順に積層し
て形成され、電子放出層31表面には光電子が透過可能
な第1電極50がショットキ接合して形成されている。
また、半導体基板60の裏面側周縁部には第2電極51
がオーミック接触して形成されている。
【0004】第1電極50と第2電極51とを介して逆
方向のバイアス電圧VBが透過型光電面30に印加され
ると、電子放出層31と第1電極50との界面の空乏層
が拡大する。空乏層中では第1電極50から電子放出層
31に向かって電界が形成されているので、光吸収層3
2からの光電子が拡散により電子放出層31に到達する
と、光電子は上記電界によって加速され、第1電極50
に向かって拡散・ドリフトして真空中に容易に放出され
る。被検出光が透過型光電面30に入射したことによる
光電子が透過型光電面30内部の空乏層の電界によって
加速され、さらに高いエネルギー帯へ遷移された後真空
中に放出されるので、遷移電子型光電面と呼ばれてお
り、USPAT3958143号公報やJ.S.Escher and
R.SakaranAppl.Phys.Lett.,29,2,87(1976)によって開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の透過型
光電面において、第2電極51は半導体基板60の裏面
側周縁部に形成されているため、この部分での被検出光
の入射を少なからず阻害してしまう。また、図13に示
すように、半導体基板60によって支持された透過型光
電面30は金属配線52によって真空管11内に支持さ
れているため、ガラス面板10と半導体基板60との間
に空隙が生じ、ここおいて多重反射が生じて光強度が減
衰する。さらに、透過型光電面30の機械的な強度を保
持するために半導体基板60は比較的厚くされているの
で、半導体基板60自体によって光吸収層32に到達す
る光強度は減衰する。
【0006】上記のような光の減衰は、通常の光検出器
や撮像装置では大きな問題とはならないが、例えば光電
子増倍管や光増強管(イメージインテンシファイヤ)の
ような極微弱光を検出をしたりする装置では、非常に重
要な問題となる。特に、被検出光を光子レベルで観測す
るフォトンカウンティング方式の装置では、被検出光が
減衰すると検出時間が長くなり、動きのある物体(例え
ば生体試料)を観測できなくなる。
【0007】そこで本発明は、被検出光の減衰を抑えて
検出できる電子管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子管は、
検出対象である被検出光が入射するガラス面板と、ガラ
ス面板を側壁端部に支持して内部が真空状態に保たれた
真空管と、ガラス面板の内面上に密着するように設けら
れ、被検出光の反射を防止する反射防止膜と、反射防止
膜上に配置され、被検出光の受容により真空管の内部空
間に光電子を放出する透過型光電面と、真空管内部に設
置され、透過型光電面に対して正の電圧を保持する陽極
とを備えた電子管であって、透過型光電面は、p型化合
物半導体によって反射防止膜上に形成され、被検出光よ
り短波長の光を遮断する窓層と、窓層よりもバンドギャ
ップエネルギが小さいp型化合物半導体によって窓層上
にメサ型形状に形成され、被検出光を吸収して光電子を
発生させる光吸収層と、p型化合物半導体によって光吸
収層上に形成され、光吸収層から光電子をドリフトさせ
る電子放出層と、金属又は合金によって電子放出層上に
接続して形成された、光電子が透過可能な第1電極と、
金属又は合金によって窓層の周縁部上面に接続して形成
された第2電極とを有していることを特徴とする。これ
によって、透過型光電面に被検出光が入射する際、阻害
するものはなくなり、また、ガラス面板と透過型光電面
との間の空隙はなくなって、被検出光の減衰を抑制でき
る。
【0009】また、第1電極は金属又は合金が電子放出
層上にほぼ均一に分布することによりパターン形状に形
成されて、電子放出層がほぼ均一に露出することを特徴
とする。これによって、電子放出層からの光電子が真空
管内部空間に一様に放出される。
【0010】また、電子放出層と第2電極との間にはn
型化合物半導体からなるコンタクト層が介在して形成さ
れていることを特徴とする。これによって、電子放出層
とコンタクト層とがpn接合することにより空乏層が形
成され、空乏層中ではコンタクト層から電子放出層に向
かって電界が形成される。
【0011】また、光吸収層が窓層及び電子放出層と格
子整合するInxGa1-xAsyP1-y(0<x<1,0<y<1)からな
り、窓層は光吸収層よりも大きいバンドギャップエネル
ギを有する化合物半導体又はその混晶からなる。格子整
合によって、光電子の拡散長が長くなり、そして、光吸
収層の原子組成比を任意に変化させることによりバンド
ギャップエネルギを任意に変化させることができる。
【0012】また、光吸収層が少なくとも2種類以上の
半導体多層膜の量子井戸構造から形成され、量子井戸構
造の伝導帯に形成されるサブバンド間において被検出光
を吸収して光電子を発生させることを特徴とする。これ
によって、半導体多層膜の種類・厚さを任意に変化させ
ることによりサブバンド間のギャップエネルギを任意に
変化させることができる。
【0013】また、透過型光電面は遷移電子型であるこ
とを特徴とする。これによって、光電子を透過型光電面
内部の空乏層の電界により加速させ、さらに高いエネル
ギー帯へ遷移させた後に真空中に放出させることができ
る。
【0014】また、透過型光電面と陽極との間には、透
過型光電面から放出された光電子を2次電子増倍する増
倍手段が備えられていることを特徴とする。これによっ
て、放出された光電子の信号を増倍させることができ
る。
【0015】また、透過型光電面と陽極との間には被検
出光の2次元光学像に対応して透過型光電面から放出さ
れた2次元光電子像を2次電子増倍する増倍手段が備え
られており、陽極は増倍手段で2次電子増倍された2次
元電子像を受容することによって発光する蛍光膜である
ことを特徴とする。これによって、被検出光の2次元光
学像を増強させた2次元光学像を観測することができ
る。
【0016】最後に、陽極は透過型光電面に入射した被
検出光の2次元光学像に対応した2次元電子像を受容す
ることによって2次元光学像に対応した電気信号を出力
する固体撮像デバイスであることを特徴とする。これに
よって、2次元光学像を電気信号に変換することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
て実施形態毎に説明する。
【0018】電子管の第1実施形態 図1はいわゆるラインフォーカス型光電子増倍管の側断
面図を示したものである。図1において、真空管11の
本体を構成する筒体の一方の端部にはガラス面板10が
支持されており、検出対象である被検出光(hν)が矢
印に示すように入射される。真空管11を構成する筒体
の他方の端部もガラスを用いて気密に封止され、真空管
11内部を真空状態に保持している。図2を参照して後
述するように、ガラス面板10の内面には反射防止膜2
0が密着するように設けられ、反射防止膜20上には半
導体からなる断面がメサ型形状の透過型光電面30が配
置されており、その頂上面には第1電極50、周縁部上
面には第2電極51が接続して形成されている。
【0019】真空管11内の他方の端部には陽極40が
設置されており、透過型光電面30と陽極40との間の
うち、透過型光電面30寄りに光電子(e-)を収束す
る収束電極70が設置され、かつ、陽極40寄りにこの
透過型光電面30から放出された光電子を順次増倍する
ための複数段のダイノード71a〜71hからなるダイ
ノード部71(増倍手段)が曲面状の電極を多段繰り返
して設置されている。真空管30の陽極40寄り端面を
貫通したステムピン54aの一端が真空管11内の電気
リード53aを介して第1電極50と接続されており、
また、別のステムピン54bの一端が真空管11の陽極
40寄り端面を貫通して電気リード53bの一端に接続
され、電気リード53bの他端は真空管11内壁にある
金属配線52を介して第2電極51と接続されている。
各ステムピン54a,bの他端はバイアス電圧VBに接
続されて、各ステムピン54a,bを通して透過型光電
面30にバイアス電圧VBを印加できるようにしてい
る。また、図1では図示しないが、透過型光電面30、
収束電極70、ダイノード部71、及び陽極40には、
ブリーダ回路及び電気リードを介して、透過型光電面3
0に対して正のブリーダ電圧が陽極40に近づくにつれ
て段毎に増加するように分配して印加されている。
【0020】つぎに、本実施形態の要部、すなわちガラ
ス面板10に対する透過型光電面30の設置状態につい
て図2を参照して詳しく説明する。
【0021】図2に矢印で示すように、被検出光(h
ν)はガラス面板10の下面側から入射される。ガラス
面板10上には被検出光の波長に応じた膜厚でSiO2とSi
3N4とが順次積層された反射防止膜20が密着するよう
に設けられ、被検出光の反射を防止している。反射防止
膜20上にp+型InAlGaAsからなる窓層33が密着する
ように形成されており、被検出光より短波長の光を遮断
している。このように、ガラス面板10と窓層33が反
射防止膜20を介して密着しているので、被検出光は多
重反射されずに、またその強度も減衰することなく効率
よく透過型光電面30を構成する窓層33に入射され
る。
【0022】窓層33上には、窓層33よりもバンドギ
ャップエネルギが小さいp-型InGaAsからなる光吸収層
32が窓層33よりも狭い範囲で堆積され、断面形状が
メサ型状に形成されている。したがって、窓層33の周
縁部上面は露出することになるので、ガラス面板10と
窓層33との間に反射防止膜20を介在させて密着させ
た状態で、ここにAuZnからなる第2電極51がオーミッ
ク接触により容易かつ歩留りよくに形成できるようにな
っている。また、第2電極51が光吸収層32へ向かう
被検出光を妨げることがないため、効率よく被検出光を
吸収して光電子を発生させることができ、したがって、
透過型光電面30を構成する光吸収層32内で発生する
光電子も従来よりも多くなる。
【0023】光吸収層32上にはp-型InPからなる電子
放出層31が形成され、電子放出層31上にはこれとシ
ョットキ接合する第1電極50が設けられている。そし
て、第1電極50は図示しないワイヤ等を介して図1の
電気リード53aに接続され、他方、前述の第2電極5
1はガラス面板10の内面の導電パターンを介して電気
リード53bに接続され、バイアスが印加されるように
なっている。したがって、このバイアスが印加されるこ
とによりショットキ接合界面に形成された空乏層中で
は、第1電極50から電子放出層31に向かって電界が
形成されているので、光吸収層32からの光電子を電子
放出層31を通って第1電極50側に拡散・ドリフトさ
せることができる。また、この第1電極50は、ほぼ均
一に極薄く分布することによって、第1電極50が島状
のパターン形状に形成され、したがって、電子放出層3
1がほぼ均一に露出することとなり、これによって電子
放出層31からの光電子を外部に一様に放出できる。
【0024】図2に示す特徴を有する図1の光電子増倍
管は下記のように作用する。
【0025】ガラス面板10から入射されて、ほとんど
減衰されることなく窓層33に到達した光のうち、被検
出光よりも短波長の光が遮断され、窓層33を透過した
被検出光のみが第2電極51に妨げられずに光吸収層3
2に到達する。光吸収層32に到達した被検出光のう
ち、光吸収層32のバンドギャップエネルギ以上の被検
出光が吸収されることによって、光電子が生じる。ま
た、第1電極50と第2電極51とを介して透過型光電
面30に逆方向のバイアス電圧VBが印加されているの
で、光電子は第1電極50側に拡散・ドリフトし、第1
電極が有するパターンの隙間を介して真空管11の内部
空間へ容易に放出される。
【0026】真空中へ放出された光電子(e-)は収束
電極70によって収束され、第1ダイノード71aに加
速して入射される。入射した光電子数に対して数倍の数
の2次電子が放出され、第2ダイノード71bに加速し
て入射する。第2ダイノード71bにおいても第1ダイ
ノード71aと同様に入射した電子数に対して数倍の2
次電子が放出される。これを8回繰り返すことによっ
て、透過型光電面30から放出された光電子は第8ダイ
ノード71hにおいて約100万倍程度に最終的に2次
電子増倍して放出される。そして、第8ダイノード71
hから放出された増倍2次電子が陽極40で集められ出
力信号電流として取り出される。
【0027】前述したとおり、透過型光電面30から放
出される光電子が多くなるので、陽極40から最終的に
出力される信号電流も大きくなって、従来のラインフォ
ーカス型光電子増倍管と比較してより微弱な被検出光を
検出することができる。
【0028】上記光電子増倍管を構成する透過型光電面
30を製造方法でもって説明する。図3(a)〜(i)
は図2のA−A線断面図を工程順に示したものである。
【0029】まず、n型InPからなる半導体基板60を
用意する。つぎに、エピタキシャル成長装置(図示せ
ず)を用いてn型InP半導体基板60上にp-型InGaAsか
らなる厚さ1μmのエッチストップ層61、p-型InPか
らなる厚さ1μmの電子放出層31、p-型InGaAsから
なる厚さ2μmの光吸収層32、そしてp+型InAlGaAs
からなる厚さ4μmの窓層33を順次エピタキシャル成
長させ、図3(a)に示すような半導体多層膜を形成さ
せる。このとき、エッチストップ層61、電子放出層3
1、及び光吸収層32のキャリア濃度は1〜10×1016cm
-3であることが望ましく、窓層33のキャリア濃度は1
×1018cm-3以上が望ましいが、必ずしもこれらの値に限
られるものではない。また、エッチストップ層61、電
子放出層31、光吸収層32、及び窓層33の厚さも上
記の厚さに限定されるものではない。
【0030】そして、図3(b)に示すように、窓層3
3上に、被検出光の波長に応じた膜厚でもってSi3N4,Si
O2の順にCVD法を用いて堆積させて反射防止膜20を
形成させる。
【0031】つぎに、真空中又は不活性ガス中でガラス
面板10を約550℃に加熱して、反射防止膜20の形
成面で半導体多層膜と熱圧着させ、ガラス面板10を室
温まで冷却すると、図3(c)に示すように、反射防止
膜20はガラス面板10と密着して、被検出光の多重反
射を抑制するようにする。この状態でもって、図3
(d)に示すように、半導体基板60をHCl溶液を用い
てエッチング除去すると、エッチストップ層61におい
て自動的に停止し、エッチストップ層61下面が露出す
る。
【0032】つぎに、下面が露出したエッチストップ層
61をH2SO4,H2O2,H2O溶液を用いてエッチング除去する
と、電子放出層31において自動的に停止し、図3
(e)に示すように、電子放出層31下面が露出する。
【0033】つぎに、電子放出層31にフォトレジスト
80を塗布し、所定のマスクを用いて光リソグラフィを
行ない、図3(f)に示すように、電子放出層31下面
周縁部が露出したマスクパターンを形成する。
【0034】この状態でもって、王水を用いて電子放出
層31及び光吸収層32の周縁部をエッチング除去する
と、図3(g)に示すように、窓層33の下面周縁部は
露出し、電子放出層31及び光吸収層32は窓層33に
対してメサ型形状となる。その後、図3(h)に示すよ
うに、電子放出層31下面に塗布されたフォトレジスト
80を取り除く。
【0035】つぎに、機械的マスクによってメサ型部分
をマスキングする。そして、蒸着装置(図示せず)を用
いてガラス面板10、反射防止膜20、及び窓層33の
下面露出部に厚さ500nmのAuZn合金からなる第2電
極51を蒸着して形成させ、歩留りよく窓層33とオー
ミック接触させる。最後に、厚さ500nmのAlからな
る第1電極50を所定のマスクを用いて電子放出層31
上に島状に均一に分布させながら蒸着して形成させ、電
子放出層31とショットキ接合させる。ここで機械的な
マスクを取り除くと、図3(i)に示すように、電子放
出層31がほぼ均一に露出し、光電子が透過可能になっ
たパターン形状となった透過型光電面30が形成され、
図1に示す光電子増倍管に組込まれる。
【0036】電子管の第2実施形態 図4はいわゆる近接型光電子増倍管の側断面図を示した
ものである。電子管の第1実施形態に述べたようにガラ
ス面板10内面には反射防止膜20を介して透過型光電
面30が密着して設けられており、この図2のものと同
様にされたガラス面板10が、Inシール部13及びIn溜
め14からなる封止部材を用いることによって真空管1
1の本体を構成する筒体の上端部に支持されており、検
出対象である被検出光(hν)が矢印で示されるように
入射される。
【0037】また、真空管11の本体を構成する筒体の
下端部には、底板部12が支持され、真空管11を気密
に封止して真空管11内部を真空状態に保持させてい
る。底板部12上面では透過型光電面30と対向して、
光電子が打ち込まれたとき増倍作用を有しているフォト
ダイオード41が設置されている。このフォトダイオー
ド41に接続されたステムピン54の一端が底板部12
を貫通して延びており、それを介して、このフォトダイ
オード41には逆バイアス電圧が印加されており、また
同様にステムピン54と透過型光電面に接続された電気
リード(図示せず)とを介して、透過型光電面30とフ
ォトダイオード41との間に+数kVの電圧が印加され
ている。なお、第1電極50及び第2電極51と接続さ
れた電気リード等は図示を省略している。
【0038】上記光電子増倍管に被検出光が入射する
と、電子管の第1実施形態に述べたように被検出光は効
率よく透過型光電面30に入射し、ここから光電子(e
-)が放出される。そして、放出された光電子はフォト
ダイオード41に加速して打ち込まれることによって、
光電子1つに対し数1000倍に増倍された2次電子が
生成される。そして、フォトダイオード41内で生成さ
れた2次電子がステムピン54を介して出力信号として
取り出される。
【0039】したがって、透過型光電面から放出される
光電子が多くなるので、従来の電子打ち込み型の光電子
増倍管に比較し、より微弱な信号を検出できる。また、
ダイノード部を必要とせず、また、後述する静電収束型
光電子増倍管と比較して収束電極を要しないことから、
小型化が可能である。
【0040】電子管の第3実施形態 図5はいわゆる静電収束型光電子増倍管の側断面図を示
したものである。この光電子増倍管が、第2実施形態と
異なる点は、透過型光電面30とフォトダイオード41
との間に、一対の収束電極70が設置されていることで
ある。そして、一対の収束電極70と接続された各電気
リード53a,bの一端が真空管30側壁を貫通して延
びており、これら電気リード53a,bを介して収束電
極70に所定の電圧を印加できるようにしている。
【0041】本実施形態によれば、収束電極70によっ
て光電子が収束されるので、透過型光電面の有効面積よ
り小さいフォトダイオード41を用いることができる。
また、フォトダイオード41を小型化ができるので、高
速応答が可能となる。
【0042】電子管の第4実施形態 図6は画像増強管の側断面図を示したものである。本実
施形態が第2乃至第3実施形態と異なる点は、真空管1
1の本体を構成する筒体の中央には、2次元電子を2次
電子増倍できるように直径10μm程度のガラス孔を多
数束ねて構成されるマイクロチャンネルプレート(以下
「MCP」という)(増倍手段)72が設置されている
ことである。そして、透過型光電面30及びMCP72
に接続される各電気リード(図示せず)を介して、透過
型光電面30とMCP72との間には+数100Vの電
圧が印加されている。また、MCP72と接続された各
電気リード53a,bの一端が真空管11の側壁を貫通
して延び、それらを介して、MCP72の上面側(以下
「入力側」という)とMCP72の下面側(以下「出力
側」という)との間には増倍用の電圧が印加されてい
る。
【0043】また、本実施形態では、前述の実施形態と
は異なり、真空管11の本体を構成する筒体の下端部に
はファイバープレート42が支持され、その内面上に蛍
光体43(蛍光膜)が配置されている。そして、蛍光体
43に接続された電気リード53cとMCP72に接続
された上記と別の電気リード(図示せず)を介して、M
CP72に対して+数kV程度の電圧が蛍光体43に印
加されるようにしている。なお、第1電極50及び第2
電極51と接続された電気リードは図示を省略してい
る。
【0044】したがって、画像増強管に被検出光が図6
のように入射すると、2次元光学像に対応する2次元光
電子像(e-)が透過型光電面30から真空管11の内
部空間へ放出され、MCP72入力側に加速して入射さ
れる。MCP72によって2次元光電子像は約100万
倍に2次電子増倍され、MCP72の出力側から入射位
置に対応した2次元電子像が放出され、蛍光体43に加
速して入射される。蛍光体43上では2次元電子像に対
応した2次元画像が増強して発光表示される。2次元画
像は蛍光体43を支持しているファイバープレート42
を通して外部に取り出され、観測される。
【0045】本実施形態は上記光電子増倍管に述べた透
過型光電面30を用いていることから、被検出光を従来
よりも効率よく取り入れることができるので、透過型光
電面30からの2次元光電子が従来より多く放出され
る。したがって、増倍された2次元電子によって蛍光体
43から発する光も従来より強くなるので、従来の画像
増強管に比較してより微弱な2次元光学像を観測するこ
とができ、すなわち限界解像度を向上させた高品質な2
次元画像特性を得ることができる。
【0046】電子管の第5実施形態 図7はいわゆる近接型撮像管の側断面図を示したもので
ある。この撮像管では、第2実施形態におけるフォトダ
イオード41に代えて、撮像デバイスである電荷蓄積素
子(以下「CCD」という)44が用いられている。透
過型光電面30とCCD44との間には放出された光電
子を増倍するための電圧が印加され、これにより加速さ
れた光電子がCCD44に入射することにより光電子像
が増倍される。CCD44の各画素に蓄積される電荷
は、ステムピン54を介して時系列に外部に出力され
る。
【0047】本実施形態においても、透過型光電面から
の2次元光電子が従来よりも多く放出されることから、
CCD44の各画素に蓄積される増倍電子の数も従来よ
り多い。よって、従来より微弱な2次元の光学像を電気
的に検出することが可能となり、限界解像度が向上した
高品質な2次元画像特性が得られる。
【0048】なお、本発明に係る電子管の第1乃至第3
実施形態において、増倍手段としてダイノード又はフォ
トダイオードを用いたものを説明したが、増倍手段は上
記のものに必ずしも限らず、MCP等その他の増倍手段
を用いてもよい。また、電子管の第5実施形態において
近接型撮像管を説明したが、透過型光電面とCCDとの
間に収束電極を設けた静電収束型撮像管などでも構わな
い。さらに、電子管の第5実施形態において撮像デバイ
スとしてCCDを用いた場合を説明したが、これに限定
されるべきものではなく位置検出機能を有する固体検出
器、例えば位置検出型のフォトダイオード等でも構わな
いことはもちろんである。最後に、本発明において電子
管として光電子増倍管、画像増強管及び撮像管を説明し
たが、これらを備えるストリーク管等のその他光検出装
置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0049】ところで、本発明に係る電子管の第1乃至
第5実施形態において、透過型光電面は図2に示したも
の用いて説明したが、透過型光電面は上記のものに必ず
しも限るものではない。よって以下においては、本発明
に係る電子管が備える透過型光電面の変形例について説
明する。
【0050】透過型光電面の第1変形例 透過型光電面の第1変形例が上記透過型光電面と異なる
点は、図8に示すように、電子放出層31上にこれとシ
ョットキ接合するAlからなる第1電極50がほぼ均一に
メッシュ状に分布して形成され、電子放出層31をほぼ
均一に露出させたパターン形状を有していることであ
る。第1変形例においては、図8に示すように、第1電
極50を端部で電気リード53aに容易に接続させるこ
とができるので、上記透過型光電面より光電子を外部に
一様に放出させることが容易となる。
【0051】つぎに、透過型光電面の第1変形例を製造
方法でもって説明する。図9(i)〜図9(n)は、図
8のA−A線断面図を工程順に示したものであるが、電
子管の第1実施形態に述べた透過型光電面と同等の工程
は省略されている。すなわち、図3(h)示すように、
窓層33及び光吸収層32をメサ型形状にエッチングし
た後、エピタキシャル多層膜の電子放出層31に塗布さ
れているフォトレジスト80を除去する工程までは図示
及び説明を省略する。
【0052】図3(h)までの工程後、図9(i)に示
すように、電子放出層31下面にAlからなる第1電極5
0を厚さ約20μm蒸着させ、電子放出層31とショッ
トキ接合させる。
【0053】つぎに、第1電極50下面にフォトレジス
ト80を塗布し、所定のマスクを用いて光リソグラフィ
を行なうと、図9(j)に示すように、第1電極50が
メッシュ状のマスクパターンが形成される。つぎに、こ
の状態で、第1電極50をH2SO4溶液を用いてエッチン
グ除去し(図9(k)参照)、第1電極50下面に塗布
されたフォトレジスト80を取り除くと(図9(l)参
照)、電子放出層31が均一に露出するパターンメッシ
ュ状の第1電極50が形成される。
【0054】しかる後、AuZn合金からなる第2電極51
を窓層33下面周縁部に蒸着させる工程を行なうと、図
9(m)に示すように、上記各実施形態に述べた電子管
に組込み可能な透過型光電面が得られる。
【0055】透過型光電面の第2変形例 透過型光電面の第2変形例が第1変形例と異なる点は、
図10に示すように、電子放出層31上にこれとpn接
合したn+型InPからなるコンタクト層34がメッシュ状
のパターンに形成され、このコンタクト層34上にこれ
とオーミック接合したAuGeからなる第1電極50が同様
にメッシュ状のパターンに形成され、結果として電子放
出層31がほぼ均一に露出させていることである。よっ
て、上記pn接合の界面に形成された空乏層中にはコン
タクト層34から電子放出層31へ向かう電界が生じ
る。したがって、第1電極50及び第2電極51を介し
て本変形例の透過型光電面30に逆方向のバイアス電圧
が印加されるならば、電子管の第1実施形態に述べたよ
うに、空乏層は拡大して光吸収層32からの光電子は電
子放出層31側に容易に拡散・ドリフトし、透過型光電
面30の外部に容易に飛び出すことができる。
【0056】つぎに、透過型光電面の第2変形例を製造
方法でもって説明する。図11(a)〜(g)及び図1
2(h)〜(m)は図10のA−A線断面図を工程順に
示したものである。
【0057】本変形例において半導体多層膜の形成工程
は図3(a)に示す第1実施形態と異なり、図11
(a)に示すように、n型InGaAsエッチストップ層61
上にn+型InPからなる厚さ0.5μmのコンタクト層34
をエピタキシャル成長させた後、n+InPコンタクト層3
4上にp-型InP電子放出層31をエピタキシャル成長さ
せて両者がpn接合するようにしている。このとき、コ
ンタクト層34のキャリア濃度は1×1018cm-3以上が望
ましいが、必ずしもこれらの値に限られるものではな
く、また、その厚さも上記に限定されない。
【0058】つぎに第1実施形態に述べたように、反射
防止膜20を形成(図11(b)参照)して、反射防止
膜の形成面で半導体多層膜とガラス面板10を熱圧着さ
せ、(図11(c)参照)、引続いて半導体基板60及
びエッチストップ層61をエッチング除去すると(図1
1(d),(e)参照)、コンタクト層34下面が露出
する。
【0059】そして、光リソグラフィによりコンタクト
層34の下面周縁部が露出したマスクパターンをフォト
レジスト80を用いて形成し(図11(f)参照)、こ
の状態でもって、王水を用いてコンタクト層34、電子
放出層31及び光吸収層32の周縁部をエッチング除去
すると、窓層33の下面周縁部は露出し、電子放出層3
1及び光吸収層32の他にコンタクト層34が窓層33
に対してメサ型形状となる(図11(g)参照)。その
後、コンタクト層34下面のフォトレジスト80を取り
除く(図11(h)参照)。
【0060】つぎに、コンタクト層34下面にAuGeから
なる第1電極50を厚さ約80μm蒸着させ、コンタク
ト層34と第1電極50をオーミック接触させる(図1
2(i)参照)。
【0061】つぎに、第1変形例に述べたメッシュ状の
マスクパターンを形成する工程でもて、メッシュ状のマ
スクパターンをフォトレジスト80を用いて形成した後
(図12(j)参照)、第1電極50及びコンタクト層
34を本変形例ではHCl溶液を用いてエッチング除去し
て(図12(k)参照)、フォトレジスト80を取り除
くと(図12(l)参照)、第1電極50及びコンタク
ト層34がメッシュ状になったパターンが形成され、電
子放出層31が均一に露出する。
【0062】しかる後、AuZn合金からなる第2電極51
を窓層33下面周縁部に蒸着させる工程を行なうと、図
12(m)に示すように、上記各実施形態に述べた電子
管に組込み可能な透過型光電面が得られる。
【0063】なお、上記透過型光電面の実施形態及び各
変形例においてp-型InGaAsからなる光吸収層32が用
いられたが、これに限られた訳ではなく、InxGa1-xAsyP
1-y(0<x<1,0<y<1)からなる光吸収層32が、電子放
出層31及び光吸収層32よりもバンドギャップエネル
ギが大きい化合物半導体又はその混晶からなる窓層33
と格子整合して形成されていてもよい。これによって、
この光吸収層32内では結晶欠陥が抑制され、光電子の
拡散長が長くなることから、透過型光電面30の感度が
向上した電子管を提供できる。そして、原子組成比を任
意に変化させると、光吸収層32のバンドギャップエネ
ルギが任意に変化でき、この透過型光電面30を組込ん
だ電子管は分光感度特性が任意に変化できる。
【0064】また、光吸収層32は2種類以上の半導体
多層膜の量子井戸構造から形成され、その量子井戸構造
の伝導帯に形成されるサブバンド間で光を吸収して光電
子を発生させてもよい。これによって、種類・厚さが任
意に変化した半導体多層膜ではサブバンド間のギャップ
エネルギが任意に変化できるので、透過型光電面30の
分光感度特性が任意に変化できる電子管を提供できる。
【0065】さらに、Cs2O等のアルカリ金属酸化物
又はアルカリ金属が電子放出層31露出面に形成される
ことによって、電子放出層31露出部分の仕事関数を減
らして光電子を一層容易に外部に放出させることができ
るので、透過型光電面30の感度が向上した電子管を提
供できる。
【0066】
【発明の効果】本発明の電子管によれば、真空管の端部
に支持されたガラス面板上に、透過型光電面が反射防止
膜を介して密着するように配置され、また、光吸収層及
び電子放出層がメサ型形状に形成された窓層の周縁部上
面に電極が形成されている。よって、ガラス面板と透過
型光電面との間に多重反射はなく、また、透過型光電面
に被検出光が入射する際に阻害するものはなく、被検出
光の減衰が抑制されているので、従来の電子管と比較し
てより微弱な光を検出できる電子管を提供でき、特に2
次元光学像を検出する際には限界解像度が向上した電子
管を提供できる。
【0067】そして、電子放出層上にほぼ均一に分布す
ることによりパターン形状された第1電極は、電子放出
層をほぼ均一に露出させるので、透過型光電面からの光
電子を一様に真空管内部に放出させることができる電子
管を提供でき、特に2次元光学像を検出する際には高品
質な2次元画像特性が得られる電子管を提供できる。
【0068】また、透過型光電面を遷移電子型にするこ
とによって、透過型光電面30から容易に光電子を放出
させることができるので、陽極から最終的に出力される
出力信号も大きくなって、従来の電子管と比較してより
微弱な光を検出できる電子管を提供でき、特に2次元光
学像を検出する際には限界解像度が向上した電子管を提
供できる。
【0069】さらに、光吸収層がその組成を変えること
により窓層及び電子放出層と格子整合したり、量子井戸
構造にしたりすることによって、分光感度特性が任意に
高感度でもって変化できる電子管を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子管の第1実施形態の側断面を
示した図である。
【図2】本発明に係る電子管が備える透過型光電面の第
1実施形態の斜視図であって、その一部を断面にて示し
た図である。
【図3】図2のA−A線断面図について製造工程を示し
た図である。
【図4】本発明に係る電子管の第2実施形態の側断面を
示した図である。
【図5】本発明に係る電子管の第3実施形態の側断面を
示した図である。
【図6】本発明に係る電子管の第4実施形態の側断面を
示した図である。
【図7】本発明に係る電子管の第5実施形態の側断面を
示した図である。
【図8】本発明に係る電子管が備える透過型光電面の第
1変形例の斜視図であって、その一部を断面にて示した
図である。
【図9】図8のA−A線断面図について製造工程を示し
た図である。
【図10】本発明に係る電子管が備える透過型光電面の
第2変形例の斜視図であって、その一部を断面にて示し
た図である。
【図11】図10のA−A線断面図について製造工程を
示した図である。
【図12】図10のA−A線断面図について図11の製
造工程の続きを示した図である。
【図13】従来の電子管のの側断面を示した図である。
【図14】図14に示した電子管の備えた透過型光電面
の拡大断面図である。
【符号の説明】
10・・・ガラス面板、11・・・真空管、12・・・
底板部、13・・・Inシール部、14・・・In溜め、2
0・・・反射防止膜、30・・・透過型光電面、31・
・・電子放出層、32・・・光吸収層、33・・・窓
層、34・・・コンタクト層、40・・・陽極、41・
・・フォトダイオード、42・・・蛍光体、43・・・
ファイバープレート、44・・・電荷蓄積素子、50・
・・第1電極、51・・・第2電極、53・・・金属配
線、53、53a,b,c・・・電気リード、54、5
4a,b・・・ステムピン、60・・・半導体基板、6
1・・・エッチストップ層、70・・・収束電極、71
・・・ダイノード部、71a・・・第1ダイノード、7
1b・・・第2ダイノード、71c・・・第3ダイノー
ド、71d・・・第4ダイノード、71e・・・第5ダ
イノード、71f・・・第6ダイノード、71g・・・
第7ダイノード、71h・・・第8ダイノード、72・
・・マイクロチャンネルプレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅 博文 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象である被検出光が入射するガラ
    ス面板と、 前記ガラス面板を側壁端部に支持して内部が真空状態に
    保たれた真空管と、 前記ガラス面板の内面上に密着するように設けられ、前
    記被検出光の反射を防止する反射防止膜と、 前記反射防止膜上に配置され、前記被検出光の受容によ
    り前記真空管の内部空間に光電子を放出する透過型光電
    面と、 前記真空管内部に設置され、前記透過型光電面に対して
    正の電圧を保持する陽極と、を備えた電子管であって、
    前記透過型光電面は、 p型化合物半導体によって前記反射防止膜上に形成さ
    れ、前記被検出光より短波長の光を遮断する窓層と、 前記窓層よりもバンドギャップエネルギが小さいp型化
    合物半導体によって前記窓層上にメサ型形状に形成さ
    れ、前記被検出光を吸収して前記光電子を発生させる光
    吸収層と、 p型化合物半導体によって前記光吸収層上に形成され、
    前記光吸収層から前記光電子をドリフトさせる電子放出
    層と、 金属又は合金によって前記電子放出層上に接続して形成
    された、前記光電子が透過可能な第1電極と、 金属又は合金によって前記窓層の周縁部上面に接続して
    形成された第2電極と、を有していることを特徴とする
    電子管。
  2. 【請求項2】 前記第1電極は、金属又は合金が前記電
    子放出層上にほぼ均一に分布することによりパターン形
    状に形成されて、前記電子放出層がほぼ均一に露出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子管。
  3. 【請求項3】 前記電子放出層と前記第1電極との間に
    はn型化合物半導体からなるコンタクト層が介在して形
    成されていることを特徴とする請求項1又2に記載の電
    子管。
  4. 【請求項4】 前記光吸収層が前記窓層及び前記電子放
    出層と格子整合するInxGa1-xAsyP1-y(0<x<1,0<y<1)
    からなり、前記窓層は前記光吸収層よりも大きいバンド
    ギャップエネルギを有する化合物半導体又はその混晶か
    らなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子管。
  5. 【請求項5】 前記光吸収層が少なくとも2種類以上の
    半導体多層膜の量子井戸構造から形成され、前記量子井
    戸構造の伝導帯に形成されるサブバンド間において前記
    被検出光を吸収して光電子を発生させることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子管。
  6. 【請求項6】 前記透過型光電面は遷移電子型であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    電子管。
  7. 【請求項7】 前記透過型光電面と前記陽極との間には
    前記透過型光電面から放出された光電子を2次電子増倍
    する増倍手段が備えられていることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の電子管。
  8. 【請求項8】 前記透過型光電面と前記陽極との間に
    は、前記被検出光の2次元光学像に対応して前記透過型
    光電面から放出された2次元光電子像を2次電子増倍す
    る増倍手段が備えられており、前記陽極は前記増倍手段
    で2次電子増倍された2次元電子像を受容することによ
    って発光する蛍光膜であることを特徴とする請求項1乃
    至7のいずれか1項に記載の電子管。
  9. 【請求項9】 前記陽極は前記透過型光電面に入射した
    被検出光の2次元光学像に対応した2次元電子像を受容
    することによって前記2次元光学像に対応した電気信号
    を出力する固体撮像デバイスであることを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子管。
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