JP3565526B2 - 光電子放出面及びそれを用いた電子管 - Google Patents

光電子放出面及びそれを用いた電子管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はIII−V族化合物半導体からなる光電子放出面及びそれを用いた電子管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の負の電子親和力を有した光電子放出面はAlGaAsからなる窓層31とGaAsからなる活性層32とが順に積層されたエピタキシャル層が、AlGaAs窓層31上面から反射防止膜20を介してガラス面板10を熱圧着して支持されており(図8参照)、その製造方法が特開昭51−73379号公報に開示されている。上記のような光電子放出面は近赤外領域、特に600nmから900nmまでの波長範囲で一般的に高い感度を有し、暗視管等の電子管に用いられている。
【0003】
また、近赤外領域より短かい波長領域、特に可視光領域で高い感度を有した光電子放出面もまた開示され、GaAsよりバンドギャップエネルギの大きいGaAsPからなる活性層を備えており、以下のように作製される。はじめに、GaAsからなる半導体基板上にAlGaAsPからなるエッチストップ層、GaAsPからなる活性層、そしてAlGaAsPからなる窓層を順次エピタキシャル成長させる。つぎに、窓層上にSi及びSiOからなる反射防止膜を形成させ、反射防止膜形成面でガラス面板を熱圧着させる。この状態でもって、半導体基板とエッチストップ層とをそれぞれNHOH,H溶液及びHF溶液を用いて選択エッチング除去し、活性層を露出させることによって、光電子放出面の原型が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような光電子放出面を作製する際、上記各エピタキシャル層と半導体基板とは格子定数の違いにより格子不整が生じ、活性層内にはこれに起因した結晶欠陥が導入されるので、活性層の品質を著しく低下させる。したがって、上記のような活性層を具備した光電子放出面の感度が低下する。このため、半導体基板とエッチストップ層との間に超格子層を介在させたり、エッチストップ層の組成を傾斜させた傾斜組成層を介在させたりして、活性層と半導体基板との間の格子不整を極力抑えてきたが、本質的な解決には至っていない。実際に、GaAsPからなる活性層を構成した光電子放出面では、光電変換量子効率がせいぜい40%程度であって、期待される値には及ばない。よって、このような光電子放出面を組込んだ光電子増倍管等の電子管を用いて極微弱光の計測を行なうと、1回あたりの測定時間が長くなってしまう。
【0005】
そこで本発明者は、半導体基板と各エピタキシャル層との間に格子不整がほとんど存在しない材料構成について種々の組合わせを検討した結果、窓層をAlGaInP系の材料を用いることで、また、活性層をGaInP系の材料を用いることで上記問題点を本質的に解決できることを見出した。本発明は、係る知見に基づき完成されたもので、可視光領域で高感度な負の電子親和力光電子放出面、及びそれを用いた電子管を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光電子放出面は、ガラス面板上に、検出対象である被検出光の反射防止膜を介して密着するように設けられた光電子放出面において、反射防止膜上に(AlGa1−yx’In1−x’Pによって形成され、被検出光よりも短波長の光を遮断する窓層と、窓層上に、窓層よりもバンドギャップエネルギが小さい、キャリア濃度が1×1018cm−3以上のp型GaIn1−xPによって形成され、被検出光を吸収して光電子を発生させる活性層と、活性層上面にアルカリ金属又はその酸化物又はそのフッ化物によって形成され、活性層の仕事関数を低下させる表面層とを備え、活性層の原子組成比xが0<x≦0.75の範囲内で窓層の原子組成比x’と等しいことを特徴とする。これによって、半導体基板とこの上にエピタキシャル成長された活性層及び窓層の間に格子不整合が生じることは少なく、しかも可視光によってGaInP活性層は効率良く光電子を生成させるので、係る光電子放出面は高効率で光電子を外部に放出させることができる。
【0007】
また、活性層の原子組成比xの範囲が0.45<x<0.55であることを特徴としてもよい。これによって、活性層の結晶欠陥はさらに抑制される。
【0008】
本発明に係る上記光電子放出面を用いた電子管は、上記光電子放出面と、ガラス面板を側壁端部に支持して内部が真空状態に保たれた真空容器と、真空容器内部に設置され、光電子放出面に対して正の電圧を保持する陽極とを備える。これによって、光電子放出面からの光電子信号を電気信号に変換することができる。
【0009】
また、光電子放出面と陽極との間には光電子放出面から放出された光電子を2次電子増倍する増倍手段が備えられていることを特徴としてもよい。これによって、放出された光電子の信号を増倍させることができる。
【0010】
また、陽極は被検出光の2次元光学像に対応する2次元電子像を受容することによって発光する蛍光膜であることを特徴としてもよい。これによって、被検出光の2次元光学像を増強させた2次元光学像を観測することができる。
【0011】
また、光電子放出面と陽極との間には光電子放出面から放出された光電子を時間経過と共に増大又は減少する電界により偏向させて電極上で光電子を掃引させる偏向手段が備えられていることを特徴としてもよい。これによって、被検出光の時間的変化を位置に変換して測定できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して実施形態毎に説明する。
【0013】
図1は本発明の光電子放出面に係る実施形態の断面図である。ガラス面板10上には、検出対象である被検出光の波長に応じた膜厚でもってSiO及びSiが積層した反射防止膜20が密着して形成されている。反射防止膜20上には、In1−x’(AlGa1−yx’Pからなる窓層31が厚さ0.03μm以上のエピタキシャル層として形成されており、ガラス面板10からの不純物を拡散させないようにしているだけでなく、図1の矢印で示すように被検出光(hν)がガラス面板10及び反射防止膜20を減衰することなく窓層31に到達したとき、被検出光よりも短波長の光を遮断している。
【0014】
窓層31上には窓層31よりもバンドギャップエネルギが小さいp型GaIn1−xPからなる活性層32が、その原子組成比xを0<x≦0.75の範囲で窓層32の原子組成比x’と等しいエピタキシャル層として形成されており、窓層31を透過した被検出光を吸収して光電子を発生させている。上述したx=0.75という限界値は図2に示すように、GaIn1−xP活性層32が直接遷移半導体となり得る限界の組成であって、x>0.75となったGaIn1−xP活性層32は間接遷移半導体となるので吸収係数は急激に低下し、光電子放出面の感度は急激に低下することが予想される。
【0015】
そこで、本発明者はGaIn1−xPの活性層32を試作し、光電感度の指標の一つである量子効率を測定した。図3は0≦x≦0.8の範囲対して、波長500nmにおける量子効率を測定した結果である。理論的に予想されるように、x=0.8でのGaIn1−xP活性層では光電子が発生しなくなり、x≧0.75では量子効率も急激に低下することが確認できた。
【0016】
しかも、図3の実験結果に示されるように、試作されたGaIn1−xP活性層32の量子効率は0.45≦x≦0.55の範囲で最大となることが明らかとなった。したがって、上記範囲内ではGaIn1−xP活性層32内に結晶欠陥がほとんど導入されることなく、可視光領域で非常に高感度な光電子放出面が実現可能となっている。
【0017】
上記のようにGaIn1−xP活性層32の原子組成比xの値が変化すると、活性層32のエネルギーギャップがそれに応じて変化する。すなわち、分光感度特性の長波長側において光電面感度が落ち込む波長が任意に変化できる。しかしこのとき、GaIn1−xP活性層32と、光電子放出面を作製する際それがエピタキシャル成長する場であって、後述するGaAs半導体基板との間の格子不整の度合いが0.5%を超えると、それに起因した結晶欠陥が活性層32に導入され、光電面感度の低下は免れない。けれども、それらの間の格子不整の度合いが0.5%以内であれば、そのとき活性層32を構成する格子の内部に存在する歪応力は格子の変形によって緩和されるので、結晶欠陥が導入されないことがある。よって上記にしたがうと、本発明のGaIn1−xP活性層32のxの範囲は0.45<x<0.55となり、実験結果とよく一致している。
【0018】
なお、活性層32の厚さは被検出光を十分吸収できる程度の厚さであればよく、実質的には約1μm以上厚さがあればよい。
【0019】
活性層32上面中央部にはCsOからなる表面層33が形成されて活性層32上面の仕事関数を低下させている。したがって、光電子は、上記厚さによってポテンシャル障壁としても作用する窓層31の方へ拡散することなく、表面層33近傍に達し、外部に容易に放出される。活性層32上面周縁部にはCrからなる電極40が接続して形成されている。
【0020】
以上のように本発明の光電子放出面では、結晶欠陥が抑制された高品質な窓層31及び活性層32がエピタキシャル成長して形成されていることから、光電感度が高い。すなわち、本発明の光電子放出面からは同一の被検出光に対して従来より多くの光電子が放出される。
【0021】
つぎに、このような光電子放出面を製造方法でもって説明する。図4(a)〜(f)は図1に示した光電子放出面の断面図を工程順に示している。
【0022】
まず、GaAsからなる半導体基板50を用意する。つぎに、エピタキシャル成長装置(図示せず)を用いてGaAs半導体基板50上に(AlGa1−yIn1−xPからなる厚さ1μmのエッチストップ層51、GaIn1−xPからなる厚さ約1μmの活性層32を順次エピタキシャル成長させる。さらに活性層32の上に、(AlGa1−yx’In1−x’Pからなる厚さ約0.1μmの窓層31を、GaIn1−xP活性層のxと(AlGa1−yx’In1−x’P窓層31のx’とをほぼ等しくしてエピタキシャル成長させ、図4(a)に示すような半導体多層膜を形成させる。そして、図4(b)に示すように、窓層31上に、被検出光の波長に応じた膜厚でもってSi,SiOをCVD法を用いて順次堆積させ、反射防止膜20を形成させる。なお、(AlGa1−yIn1−xPエッチストップ層51の原子組成比yは、後述する半導体基板50の選択的なエッチング除去を行なうために、0.3以上が望ましい。
【0023】
つぎに、真空中又は不活性ガス中において、活性層32の熱膨張係数に近い値を有するガラス面板10を加熱して反射防止膜20の形成面で半導体多層膜と熱圧着させ、ガラス面板10を室温まで冷却すると、図4(c)に示すように、反射防止膜20はガラス面板10と密着して、被検出光の多重反射を抑制する。また上述したように、ガラス面板からの不純物は反射防止膜20及び窓層31の存在によって活性層32に拡散することはない。この状態でもって、図4(d)に示すように、半導体基板50をNHOH,H溶液を用いてエッチング除去し、さらに、エッチストップ層51をHF溶液を用いてエッチング除去すると、エッチストップ層51において自動的に停止し、図4(e)に示すように、活性層32表面が露出する。
【0024】
しかる後、図4(f)に示すように、活性層32表面にCr電極40を蒸着して光電子放出面を電気的に接続できるようにする。そして最後に、これを光電子増倍管や画像増強管等の電子管を構成する真空管(図示せず)に組み込み、真空管の脱ガス及びベーキングを行なって活性層32露出部を約580℃で清浄化した後、Cs及びOを真空管に導入して活性層32露出部に蒸着させることによって、活性層32露出面の仕事関数を低下させた図1に示す光電子放出面が得られる。
【0025】
したがって、本実施形態の光電子放出面では活性層32及び窓層31の原子組成比を適当な範囲で変えても活性層32には結晶欠陥が導入される可能性は少ないので、光電子が再結合により消滅せずに外部に多く放出され、実際に、可視光領域において40%以上の量子効率を有している。
【0026】
つぎに、本発明に係る光電子放出面を用いた電子管の実施形態について説明する。
【0027】
電子管の第1実施形態
図5はいわゆるラインフォーカス型光電子増倍管の側断面図を示したものである。図5において、光電子放出面30が内面に反射防止膜を介して密着するようにして設けられたガラス面板10が真空管11の本体を構成する筒体の一方の端部に支持されており、被検出光(hν)が矢印に示すように入射される。真空管11を構成する筒体の他方の端部もガラスを用いて気密に封止され、真空管11内部を真空状態に保持している。
【0028】
真空管11内の他方の端部には陽極60が設置されており、光電子放出面30と陽極60との間のうち、光電子放出面30寄りに光電子を収束する一対の収束電極70が設置され、かつ、陽極60寄りにこの光電子放出面30から放出された光電子を順次増倍するための複数段のダイノード71a〜71hからなるダイノード部71(増倍手段)が曲面状の電極を多段繰り返して設置されている。図示しないが、光電子放出面30、収束電極70、ダイノード部71、そして陽極60には、ブリーダ回路及び電気リードを介して、光電子放出面30に対して正のブリーダ電圧が陽極60に近づくにつれて段毎に増加するように分配して印加されている。
【0029】
よって被検出光が光電子増倍管に入射すると、上記光電子放出面30から光電子(e)が従来より多く放出される。放出された光電子は収束電極70によって加速して収束され、第1ダイノード71aに入射される。入射した光電子数に対して数倍の数の2次電子が放出され、引続き第2ダイノード71bに加速して入射する。第2ダイノード71bにおいても第1ダイノード71aと同様に入射した電子数に対して数倍の2次電子が放出される。これを8回繰り返すことによって、光電子放出面30から放出された光電子は約100万倍程度に最終的に2次電子増倍され、第8ダイノードhから増倍して放出された2次電子が陽極60で集められ出力信号電流として取り出される。
【0030】
本実施形態では光電子放出面30から光電子が従来よりも多く放出されるので、陽極60から最終的に出力される信号電流も大きくなる。実際にその検出限界は従来のラインフォーカス型光電子増倍管と比較して約1桁向上し、光電変換量子効率も50%以上となるので、より微弱な被検出光が上記光電子増倍管によって検出され得る。
【0031】
電子管の第2実施形態
図6はいわゆる画像増強管の側断面図を示したものである。反射防止膜20と光電子放出面30とが光電子放出面の実施形態と同様にされたガラス面板10が、Inシール部12及びIn溜め13からなる封止部材を用いて真空管11の本体を構成する筒体の上端部に封止して支持されている。
【0032】
真空管11の本体を構成する筒体の中央には、2次元電子を2次電子増倍できるように直径10μm程度のガラス孔を多数束ねて構成されるマイクロチャンネルプレート(以下「MCP」という)(増倍手段)72が設置されている。そして、光電子放出面30及びMCP72に接続される各電気リード(図示せず)を介して、光電子放出面30とMCP72との間には+数100Vの電圧が印加されている。また、MCP72と接続された各電気リード41a,bの一端が真空管11の側壁を貫通して延び、それらを介して、MCP72の上面側(以下「入力側」という)とMCP72の下面側(以下「出力側」という)との間には増倍用の電圧が印加されている。
【0033】
真空管11の本体を構成する筒体の下端部にはファイバープレート61が支持され、その内面上に蛍光体62(蛍光膜)が配置されている。そして、蛍光体62に接続された電気リード41cとMCP72に接続された上記と別の電気リード(図示せず)を介して、MCP72に対して+数kV程度の電圧が蛍光体62に印加されるようにしている。
【0034】
したがって、画像増強管に被検出光(hν)が図の矢印で示すように入射すると、2次元光学像に対応する2次元光電子像(e)が光電子放出面30から真空管11の内部空間へ放出され、MCP72入力側に加速して入射される。MCP72によって2次元光電子像は約100万倍に2次電子増倍され、MCP72の出力側から入射位置に対応した2次元電子像が放出され、蛍光体43に加速して入射される。蛍光体62上では2次元電子像に対応した2次元画像が増強して発光表示される。2次元画像は蛍光体43を支持しているファイバープレート62を通して外部に取り出され、観測される。
【0035】
本実施形態は結晶欠陥が抑制された上記光電子放出面を用いていることから、従来よりも多くの2次元光電子像が放出されるので、蛍光体62は増倍された2次元電子によって従来より強く発光される。よって、従来の画像増強管に比較しより微弱な2次元光学像が感度よく直接観察され得る。
【0036】
電子管の第3実施形態
図7はいわゆるストリーク管の側断面図を示したものである。真空管11を構成する筒体の一方の端部には、反射防止膜20及び光電子放出面30が光電子放出面の実施形態と同様にされたガラス面板10が支持され、一端がその端部を通って延びた電気リード41aが電極40を介して光電子放出面30に接続されている。また、この他方の端部には蛍光体62が支持され、上記電気リード41aと同様にされた電気リード41bと接続されている。真空管11内部には、その管軸に沿って光電子放出面30側からメッシュ状の加速電極63、第1収束電極70a、アパチャー電極64、一対の垂直偏向電極80a及び水平偏向電極80b(偏向手段)、第2収束電極70b、そしてMCP72が順に配設され、一端が真空管11の側壁を貫通して延びた電気リード41c〜41fと接続されている(ただし、水平偏向電極80bに接続された電気リードは図示せず)。そして、メッシュ状の加速電極63、第1収束電極70a、及びアパチャー電極64には、光電子放出面30に対して正の電圧が印加され、また、MCP72にはアパチャー電極64と同一の電位が与えられている。なお、MCP72の入力側と出力側との間の電圧及びMCP72と蛍光体62との間の電圧は電子管の第2実施形態と同様に印加されている。
【0037】
よって、ストリーク管に光量が時間的に変化する被検出光(hν)がスリット及びレンズ(いずれも図示せず)を通って図の矢印で示すように入射すると、上記光電子放出面30から光電子(e)が従来より多く放出される。放出された光電子が拡散する前に、光電子放出面に対して正の電圧が印加された加速電極63によって加速される。第1収束電極70aにより光電子は収束してアパチャー電極64を通過する。このアパチャー電極64を通過した光電子は高速に掃引された電圧が印加された垂直偏向電極80a及び水平偏向電極80bの各間隙を通過している間に偏向されるので、その後MCPで増倍された、従来より多い2次電子が蛍光体62上で走査されながら入射させられる。したがって、被検出光の時間情報が位置情報に変換された光学像、いわゆるストリーク像が従来より感度よく得られる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の光電子放出面によれば、適当な組成のInx’(AlGa1−y1−x’Pからなる窓層及びGaIn1−xPからなる活性層を用いることにより、結晶欠陥のない活性層が得られるので、可視光領域で非常に高感度な光電子放出面が得られる。
【0039】
本発明の光電子放出面を用いた電子管によれば、本発明の光電子放出面を用いた電子管は微弱な光を従来よりも感度よく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電子放出面の実施形態の断面図である。
【図2】(AlGa1−yx’In1−x’P4元混晶の格子定数(破線)と禁制帯幅(実線)との関係を表した図である。
【図3】活性層の原子組成比xと、波長500nmにおける光電面の量子効率との関係を示した図である。
【図4】図1の光電子放出面の実施形態の製造方法を工程順に断面にて示した図である。
【図5】図1の光電子放出面を用いた光電子増倍管の実施形態の側断面図である。
【図6】図1の光電子放出面を用いた画像増強管の実施形態の側断面図である。
【図7】図1の光電子放出面を用いたストリーク管の実施形態の側断面図である。
【図8】従来の光電子放出面の断面図を示したものである。
【符号の説明】
10・・・ガラス面板、11・・・真空容器、12・・・In溜め、13・・・Inシール部、20・・・反射防止膜、30・・・光電子放出面、31・・・窓層、32・・・活性層、33・・・表面層、40・・・電極、50・・・半導体基板、51・・・エッチストップ層、60・・・陽極、61・・・ファイバプレート、62・・・蛍光体、63・・・加速電極、64・・・アパチャー電極、70・・・収束電極、70a・・・第1収束電極、70b・・・第2収束電極、71・・・ダイノード部、71a・・・第1ダイノード、71b・・・第2ダイノード、71c・・・第3ダイノード、71d・・・第4ダイノード、71e・・・第5ダイノード、71f・・・第6ダイノード、71g・・・第7ダイノード、71h・・・第8ダイノード、72・・・マイクロチャンネルプレート、80a・・・垂直偏向電極、80b・・・水平偏向電極。

Claims (6)

  1. ガラス面板上に、検出対象である被検出光の反射防止膜を介して密着するように設けられた光電子放出面において、
    前記反射防止膜上に(AlGa1−yx’In1−x’Pによって形成され、前記被検出光よりも短波長の光を遮断する窓層と、
    前記窓層上に、前記窓層よりもバンドギャップエネルギが小さい、キャリア濃度が1×1018cm−3以上のp型GaIn1−xPによって形成され、前記被検出光を吸収して光電子を発生させる活性層と、
    前記活性層上面にアルカリ金属又はその酸化物又はそのフッ化物によって形成され、前記活性層の仕事関数を低下させる表面層と、
    を備え、前記活性層の原子組成比xが0<x≦0.75の範囲内で前記窓層の原子組成比x’とほぼ等しいことを特徴とする光電子放出面。
  2. 前記活性層の原子組成比xの範囲が0.45<x<0.55であることを特徴とする請求項1に記載の光電子放出面。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の光電子放出面と、
    前記ガラス面板を側壁端部に支持して内部が真空状態に保たれた真空容器と、前記真空容器内部に設置され、前記光電子放出面に対して正の電圧を保持する陽極と、
    を備えた電子管。
  4. 前記光電子放出面と前記陽極との間には前記光電子放出面から放出された光電子を2次電子増倍する増倍手段が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の電子管。
  5. 前記陽極は前記被検出光の2次元光学像に対応する2次元電子像を受容することによって発光する蛍光膜であることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の電子管。
  6. 前記光電子放出面と前記陽極との間には前記光電子放出面から放出された光電子を時間経過と共に増大又は減少する電界により偏向させて前記電極上で前記光電子を掃引させる偏向手段が備えられていることを特徴とする請求項5に記載の電子管。
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