JPH09213205A - 光電子放出面及びそれを用いた電子管 - Google Patents

光電子放出面及びそれを用いた電子管

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JPH09213205A
JPH09213205A JP2012296A JP2012296A JPH09213205A JP H09213205 A JPH09213205 A JP H09213205A JP 2012296 A JP2012296 A JP 2012296A JP 2012296 A JP2012296 A JP 2012296A JP H09213205 A JPH09213205 A JP H09213205A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は結晶欠陥が解消された活性層を備え
る高感度な光電子放出面とそれを用いた電子管を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 本発明の光電子放出面では、ガラス面板
(10)上に反射防止膜(20)を介して(AlyGa1-y)x'
In1-x'Pからなる窓層(31)とGaxIn1-xPからなる活性
層(32)の順に積層したエピタキシャル層が密着する
ように設けられ、また、活性層(32)上面の中央部及
び周縁部にはCs2Oからなる極薄の表面層(33)と
Crからなる電極(40)とが形成されている。原子組
成比xが0<x≦0.75の範囲で窓層の原子組成比x'とほぼ
等しい活性層(32)内では結晶欠陥が解消され、検出
対象である被検出光が活性層(32)に入射することに
よって発生した光電子の拡散長が長くなる。よって、光
電子放出面は従来より高感度となって、それを用いた電
子管は従来よりも微弱な光も検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はIII−V族化合物
半導体からなる光電子放出面及びそれを用いた電子管に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の負の電子親和力を有した光電子放
出面はAlGaAsからなる窓層31とGaAsからなる活性層3
2とが順に積層されたエピタキシャル層が、AlGaAs窓層
31上面から反射防止膜20を介してガラス面板10を
熱圧着して支持されており(図8参照)、その製造方法
が特開昭51−73379号公報に開示されている。上
記のような光電子放出面は近赤外領域、特に600nmか
ら900nmまでの波長範囲で一般的に高い感度を有し、
暗視管等の電子管に用いられている。
【0003】また、近赤外領域より短かい波長領域、特
に可視光領域で高い感度を有した光電子放出面もまた開
示され、GaAsよりバンドギャップエネルギの大きいGaAs
Pからなる活性層を備えており、以下のように作製され
る。はじめに、GaAsからなる半導体基板上にAlGaAsPか
らなるエッチストップ層、GaAsPからなる活性層、そし
てAlGaAsPからなる窓層を順次エピタキシャル成長させ
る。つぎに、窓層上にSi3N4及びSiO2からなる反射防止
膜を形成させ、反射防止膜形成面でガラス面板を熱圧着
させる。この状態でもって、半導体基板とエッチストッ
プ層とをそれぞれNH4OH,H2O2溶液及びHF溶液を用いて選
択エッチング除去し、活性層を露出させることによっ
て、光電子放出面の原型が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような光
電子放出面を作製する際、上記各エピタキシャル層と半
導体基板とは格子定数の違いにより格子不整が生じ、活
性層内にはこれに起因した結晶欠陥が導入されるので、
活性層の品質を著しく低下させる。したがって、上記の
ような活性層を具備した光電子放出面の感度が低下す
る。このため、半導体基板とエッチストップ層との間に
超格子層を介在させたり、エッチストップ層の組成を傾
斜させた傾斜組成層を介在させたりして、活性層と半導
体基板との間の格子不整を極力抑えてきたが、本質的な
解決には至っていない。実際に、GaAsPからなる活性層
を構成した光電子放出面では、光電変換量子効率がせい
ぜい40%程度であって、期待される値には及ばない。よ
って、このような光電子放出面を組込んだ光電子増倍管
等の電子管を用いて極微弱光の計測を行なうと、1回あ
たりの測定時間が長くなってしまう。
【0005】そこで本発明者は、半導体基板と各エピタ
キシャル層との間に格子不整がほとんど存在しない材料
構成について種々の組合わせを検討した結果、窓層をAl
GaInP系の材料を用いることで、また、活性層をGaInP系
の材料を用いることで上記問題点を本質的に解決できる
ことを見出した。本発明は、係る知見に基づき完成され
たもので、可視光領域で高感度な負の電子親和力光電子
放出面、及びそれを用いた電子管を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光電子放出
面は、ガラス面板上に、検出対象である被検出光の反射
防止膜を介して密着するように設けられた光電子放出面
において、反射防止膜上に(AlyGa1-y)x'In1-x'Pによっ
て形成され、被検出光よりも短波長の光を遮断する窓層
と、窓層上に、窓層よりもバンドギャップエネルギが小
さい、キャリア濃度が1×1018cm-3以上のp型GaxIn1-xP
によって形成され、被検出光を吸収して光電子を発生さ
せる活性層と、活性層上面にアルカリ金属又はその酸化
物又はそのフッ化物によって形成され、活性層の仕事関
数を低下させる表面層とを備え、活性層の原子組成比x
が0<x≦0.75の範囲内で窓層の原子組成比x'と等しいこ
とを特徴とする。これによって、半導体基板とこの上に
エピタキシャル成長された活性層及び窓層の間に格子不
整合が生じることは少なく、しかも可視光によってGaIn
P活性層は効率良く光電子を生成させるので、係る光電
子放出面は高効率で光電子を外部に放出させることがで
きる。
【0007】また、活性層の原子組成比xの範囲が0.45
<x<0.55であることを特徴としてもよい。これによっ
て、活性層の結晶欠陥はさらに抑制される。
【0008】本発明に係る上記光電子放出面を用いた電
子管は、上記光電子放出面と、ガラス面板を側壁端部に
支持して内部が真空状態に保たれた真空容器と、真空容
器内部に設置され、光電子放出面に対して正の電圧を保
持する陽極とを備える。これによって、光電子放出面か
らの光電子信号を電気信号に変換することができる。
【0009】また、光電子放出面と陽極との間には光電
子放出面から放出された光電子を2次電子増倍する増倍
手段が備えられていることを特徴としてもよい。これに
よって、放出された光電子の信号を増倍させることがで
きる。
【0010】また、陽極は被検出光の2次元光学像に対
応する2次元電子像を受容することによって発光する蛍
光膜であることを特徴としてもよい。これによって、被
検出光の2次元光学像を増強させた2次元光学像を観測
することができる。
【0011】また、光電子放出面と陽極との間には光電
子放出面から放出された光電子を時間経過と共に増大又
は減少する電界により偏向させて電極上で光電子を掃引
させる偏向手段が備えられていることを特徴としてもよ
い。これによって、被検出光の時間的変化を位置に変換
して測定できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
て実施形態毎に説明する。
【0013】図1は本発明の光電子放出面に係る実施形
態の断面図である。ガラス面板10上には、検出対象で
ある被検出光の波長に応じた膜厚でもってSiO2及びSi3N
4が積層した反射防止膜20が密着して形成されてい
る。反射防止膜20上には、In1-x'(AlyGa1-y)x'Pから
なる窓層31が厚さ0.03μm以上のエピタキシャル層と
して形成されており、ガラス面板10からの不純物を拡
散させないようにしているだけでなく、図1の矢印で示
すように被検出光(hν)がガラス面板10及び反射防
止膜20を減衰することなく窓層31に到達したとき、
被検出光よりも短波長の光を遮断している。
【0014】窓層31上には窓層31よりもバンドギャ
ップエネルギが小さいp型GaxIn1-xPからなる活性層3
2が、その原子組成比xを0<x≦0.75の範囲で窓層32
の原子組成比x'と等しいエピタキシャル層として形成さ
れており、窓層31を透過した被検出光を吸収して光電
子を発生させている。上述したx=0.75という限界値は図
2に示すように、GaxIn1-xP活性層32が直接遷移半導
体となり得る限界の組成であって、x>0.75となったGax
In1-xP活性層32は間接遷移半導体となるので吸収係数
は急激に低下し、光電子放出面の感度は急激に低下する
ことが予想される。
【0015】そこで、本発明者はGaxIn1-xPの活性層3
2を試作し、光電感度の指標の一つである量子効率を測
定した。図3は0≦x≦0.8の範囲対して、波長500nmに
おける量子効率を測定した結果である。理論的に予想さ
れるように、x=0.8でのGaxIn1-xP活性層では光電子が発
生しなくなり、x≧0.75では量子効率も急激に低下する
ことが確認できた。
【0016】しかも、図3の実験結果に示されるよう
に、試作されたGaxIn1-xP活性層32の量子効率は0.45
≦x≦0.55の範囲で最大となることが明らかとなった。
したがって、上記範囲内ではGaxIn1-xP活性層32内に
結晶欠陥がほとんど導入されることなく、可視光領域で
非常に高感度な光電子放出面が実現可能となっている。
【0017】上記のようにGaxIn1-xP活性層32の原子
組成比xの値が変化すると、活性層32のエネルギーギ
ャップがそれに応じて変化する。すなわち、分光感度特
性の長波長側において光電面感度が落ち込む波長が任意
に変化できる。しかしこのとき、GaxIn1-xP活性層32
と、光電子放出面を作製する際それがエピタキシャル成
長する場であって、後述するGaAs半導体基板との間の格
子不整の度合いが0.5%を超えると、それに起因した結
晶欠陥が活性層32に導入され、光電面感度の低下は免
れない。けれども、それらの間の格子不整の度合いが0.
5%以内であれば、そのとき活性層32を構成する格子
の内部に存在する歪応力は格子の変形によって緩和され
るので、結晶欠陥が導入されないことがある。よって上
記にしたがうと、本発明のGaxIn1-xP活性層32のxの範
囲は0.45<x<0.55となり、実験結果とよく一致してい
る。
【0018】なお、活性層32の厚さは被検出光を十分
吸収できる程度の厚さであればよく、実質的には約1μ
m以上厚さがあればよい。
【0019】活性層32上面中央部にはCsO2からな
る表面層33が形成されて活性層32上面の仕事関数を
低下させている。したがって、光電子は、上記厚さによ
ってポテンシャル障壁としても作用する窓層31の方へ
拡散することなく、表面層33近傍に達し、外部に容易
に放出される。活性層32上面周縁部にはCrからなる
電極40が接続して形成されている。
【0020】以上のように本発明の光電子放出面では、
結晶欠陥が抑制された高品質な窓層31及び活性層32
がエピタキシャル成長して形成されていることから、光
電感度が高い。すなわち、本発明の光電子放出面からは
同一の被検出光に対して従来より多くの光電子が放出さ
れる。
【0021】つぎに、このような光電子放出面を製造方
法でもって説明する。図4(a)〜(f)は図1に示し
た光電子放出面の断面図を工程順に示している。
【0022】まず、GaAsからなる半導体基板50を用意
する。つぎに、エピタキシャル成長装置(図示せず)を
用いてGaAs半導体基板50上に(AlyGa1-y)xIn1-xPから
なる厚さ1μmのエッチストップ層51、GaxIn1-xPか
らなる厚さ約1μmの活性層32を順次エピタキシャル
成長させる。さらに活性層32の上に、(AlyGa1-y)x'In
1-x'Pからなる厚さ約0.1μmの窓層31を、GaxIn1-xP
活性層のxと(AlyGa1-y)x'In1-x'P窓層31のx'とをほぼ
等しくしてエピタキシャル成長させ、図4(a)に示す
ような半導体多層膜を形成させる。そして、図4(b)
に示すように、窓層31上に、被検出光の波長に応じた
膜厚でもってSi3N4,SiO2をCVD法を用いて順次堆積さ
せ、反射防止膜20を形成させる。なお、(AlyGa1-y)xI
n1-xPエッチストップ層51の原子組成比yは、後述する
半導体基板50の選択的なエッチング除去を行なうため
に、0.3以上が望ましい。
【0023】つぎに、真空中又は不活性ガス中におい
て、活性層32の熱膨張係数に近い値を有するガラス面
板10を加熱して反射防止膜20の形成面で半導体多層
膜と熱圧着させ、ガラス面板10を室温まで冷却する
と、図4(c)に示すように、反射防止膜20はガラス
面板10と密着して、被検出光の多重反射を抑制する。
また上述したように、ガラス面板からの不純物は反射防
止膜20及び窓層31の存在によって活性層32に拡散
することはない。この状態でもって、図4(d)に示す
ように、半導体基板50をNH4OH,H2O2溶液を用いてエッ
チング除去し、さらに、エッチストップ層51をHF溶液
を用いてエッチング除去すると、エッチストップ層51
において自動的に停止し、図4(e)に示すように、活
性層32表面が露出する。
【0024】しかる後、図4(f)に示すように、活性
層32表面にCr電極40を蒸着して光電子放出面を電
気的に接続できるようにする。そして最後に、これを光
電子増倍管や画像増強管等の電子管を構成する真空管
(図示せず)に組み込み、真空管の脱ガス及びベーキン
グを行なって活性層32露出部を約580℃で清浄化し
た後、Cs及びO2を真空管に導入して活性層32露出
部に蒸着させることによって、活性層32露出面の仕事
関数を低下させた図1に示す光電子放出面が得られる。
【0025】したがって、本実施形態の光電子放出面で
は活性層32及び窓層31の原子組成比を適当な範囲で
変えても活性層32には結晶欠陥が導入される可能性は
少ないので、光電子が再結合により消滅せずに外部に多
く放出され、実際に、可視光領域において40%以上の量
子効率を有している。
【0026】つぎに、本発明に係る光電子放出面を用い
た電子管の実施形態について説明する。
【0027】電子管の第1実施形態 図5はいわゆるラインフォーカス型光電子増倍管の側断
面図を示したものである。図5において、光電子放出面
30が内面に反射防止膜を介して密着するようにして設
けられたガラス面板10が真空管11の本体を構成する
筒体の一方の端部に支持されており、被検出光(hν)
が矢印に示すように入射される。真空管11を構成する
筒体の他方の端部もガラスを用いて気密に封止され、真
空管11内部を真空状態に保持している。
【0028】真空管11内の他方の端部には陽極60が
設置されており、光電子放出面30と陽極60との間の
うち、光電子放出面30寄りに光電子を収束する一対の
収束電極70が設置され、かつ、陽極60寄りにこの光
電子放出面30から放出された光電子を順次増倍するた
めの複数段のダイノード71a〜71hからなるダイノ
ード部71(増倍手段)が曲面状の電極を多段繰り返し
て設置されている。図示しないが、光電子放出面30、
収束電極70、ダイノード部71、そして陽極60に
は、ブリーダ回路及び電気リードを介して、光電子放出
面30に対して正のブリーダ電圧が陽極60に近づくに
つれて段毎に増加するように分配して印加されている。
【0029】よって被検出光が光電子増倍管に入射する
と、上記光電子放出面30から光電子(e-)が従来よ
り多く放出される。放出された光電子は収束電極70に
よって加速して収束され、第1ダイノード71aに入射
される。入射した光電子数に対して数倍の数の2次電子
が放出され、引続き第2ダイノード71bに加速して入
射する。第2ダイノード71bにおいても第1ダイノー
ド71aと同様に入射した電子数に対して数倍の2次電
子が放出される。これを8回繰り返すことによって、光
電子放出面30から放出された光電子は約100万倍程
度に最終的に2次電子増倍され、第8ダイノードhから
増倍して放出された2次電子が陽極60で集められ出力
信号電流として取り出される。
【0030】本実施形態では光電子放出面30から光電
子が従来よりも多く放出されるので、陽極60から最終
的に出力される信号電流も大きくなる。実際にその検出
限界は従来のラインフォーカス型光電子増倍管と比較し
て約1桁向上し、光電変換量子効率も50%以上となるの
で、より微弱な被検出光が上記光電子増倍管によって検
出され得る。
【0031】電子管の第2実施形態 図6はいわゆる画像増強管の側断面図を示したものであ
る。反射防止膜20と光電子放出面30とが光電子放出
面の実施形態と同様にされたガラス面板10が、Inシー
ル部12及びIn溜め13からなる封止部材を用いて真空
管11の本体を構成する筒体の上端部に封止して支持さ
れている。
【0032】真空管11の本体を構成する筒体の中央に
は、2次元電子を2次電子増倍できるように直径10μ
m程度のガラス孔を多数束ねて構成されるマイクロチャ
ンネルプレート(以下「MCP」という)(増倍手段)
72が設置されている。そして、光電子放出面30及び
MCP72に接続される各電気リード(図示せず)を介
して、光電子放出面30とMCP72との間には+数1
00Vの電圧が印加されている。また、MCP72と接
続された各電気リード41a,bの一端が真空管11の
側壁を貫通して延び、それらを介して、MCP72の上
面側(以下「入力側」という)とMCP72の下面側
(以下「出力側」という)との間には増倍用の電圧が印
加されている。
【0033】真空管11の本体を構成する筒体の下端部
にはファイバープレート61が支持され、その内面上に
蛍光体62(蛍光膜)が配置されている。そして、蛍光
体62に接続された電気リード41cとMCP72に接
続された上記と別の電気リード(図示せず)を介して、
MCP72に対して+数kV程度の電圧が蛍光体62に
印加されるようにしている。
【0034】したがって、画像増強管に被検出光(h
ν)が図の矢印で示すように入射すると、2次元光学像
に対応する2次元光電子像(e-)が光電子放出面30
から真空管11の内部空間へ放出され、MCP72入力
側に加速して入射される。MCP72によって2次元光
電子像は約100万倍に2次電子増倍され、MCP72
の出力側から入射位置に対応した2次元電子像が放出さ
れ、蛍光体43に加速して入射される。蛍光体62上で
は2次元電子像に対応した2次元画像が増強して発光表
示される。2次元画像は蛍光体43を支持しているファ
イバープレート62を通して外部に取り出され、観測さ
れる。
【0035】本実施形態は結晶欠陥が抑制された上記光
電子放出面を用いていることから、従来よりも多くの2
次元光電子像が放出されるので、蛍光体62は増倍され
た2次元電子によって従来より強く発光される。よっ
て、従来の画像増強管に比較しより微弱な2次元光学像
が感度よく直接観察され得る。
【0036】電子管の第3実施形態 図7はいわゆるストリーク管の側断面図を示したもので
ある。真空管11を構成する筒体の一方の端部には、反
射防止膜20及び光電子放出面30が光電子放出面の実
施形態と同様にされたガラス面板10が支持され、一端
がその端部を通って延びた電気リード41aが電極40
を介して光電子放出面30に接続されている。また、こ
の他方の端部には蛍光体62が支持され、上記電気リー
ド41aと同様にされた電気リード41bと接続されて
いる。真空管11内部には、その管軸に沿って光電子放
出面30側からメッシュ状の加速電極63、第1収束電
極70a、アパチャー電極64、一対の垂直偏向電極8
0a及び水平偏向電極80b(偏向手段)、第2収束電
極70b、そしてMCP72が順に配設され、一端が真
空管11の側壁を貫通して延びた電気リード41c〜4
1fと接続されている(ただし、水平偏向電極80bに
接続された電気リードは図示せず)。そして、メッシュ
状の加速電極63、第1収束電極70a、及びアパチャ
ー電極64には、光電子放出面30に対して正の電圧が
印加され、また、MCP72にはアパチャー電極64と
同一の電位が与えられている。なお、MCP72の入力
側と出力側との間の電圧及びMCP72と蛍光体62と
の間の電圧は電子管の第2実施形態と同様に印加されて
いる。
【0037】よって、ストリーク管に光量が時間的に変
化する被検出光(hν)がスリット及びレンズ(いずれ
も図示せず)を通って図の矢印で示すように入射する
と、上記光電子放出面30から光電子(e-)が従来よ
り多く放出される。放出された光電子が拡散する前に、
光電子放出面に対して正の電圧が印加された加速電極6
3によって加速される。第1収束電極70aにより光電
子は収束してアパチャー電極64を通過する。このアパ
チャー電極64を通過した光電子は高速に掃引された電
圧が印加された垂直偏向電極80a及び水平偏向電極8
0bの各間隙を通過している間に偏向されるので、その
後MCPで増倍された、従来より多い2次電子が蛍光体
62上で走査されながら入射させられる。したがって、
被検出光の時間情報が位置情報に変換された光学像、い
わゆるストリーク像が従来より感度よく得られる。
【0038】
【発明の効果】本発明の光電子放出面によれば、適当な
組成のInx'(AlyGa1-y)1-x'Pからなる窓層及びGaxIn1-xP
からなる活性層を用いることにより、結晶欠陥のない活
性層が得られるので、可視光領域で非常に高感度な光電
子放出面が得られる。
【0039】本発明の光電子放出面を用いた電子管によ
れば、本発明の光電子放出面を用いた電子管は微弱な光
を従来よりも感度よく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電子放出面の実施形態の断面図
である。
【図2】(AlyGa1-y)x'In1-x'P4元混晶の格子定数(破
線)と禁制帯幅(実線)との関係を表した図である。
【図3】活性層の原子組成比xと、波長500nmにおける
光電面の量子効率との関係を示した図である。
【図4】図1の光電子放出面の実施形態の製造方法を工
程順に断面にて示した図である。
【図5】図1の光電子放出面を用いた光電子増倍管の実
施形態の側断面図である。
【図6】図1の光電子放出面を用いた画像増強管の実施
形態の側断面図である。
【図7】図1の光電子放出面を用いたストリーク管の実
施形態の側断面図である。
【図8】従来の光電子放出面の断面図を示したものであ
る。
【符号の説明】
10・・・ガラス面板、11・・・真空容器、12・・
・In溜め、13・・・Inシール部、20・・・反射防止
膜、30・・・光電子放出面、31・・・窓層、32・
・・活性層、33・・・表面層、40・・・電極、50
・・・半導体基板、51・・・エッチストップ層、60
・・・陽極、61・・・ファイバプレート、62・・・
蛍光体、63・・・加速電極、64・・・アパチャー電
極、70・・・収束電極、70a・・・第1収束電極、
70b・・・第2収束電極、71・・・ダイノード部、
71a・・・第1ダイノード、71b・・・第2ダイノ
ード、71c・・・第3ダイノード、71d・・・第4
ダイノード、71e・・・第5ダイノード、71f・・
・第6ダイノード、71g・・・第7ダイノード、71
h・・・第8ダイノード、72・・・マイクロチャンネ
ルプレート、80a・・・垂直偏向電極、80b・・・
水平偏向電極。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス面板上に、検出対象である被検出
    光の反射防止膜を介して密着するように設けられた光電
    子放出面において、 前記反射防止膜上に(AlyGa1-y)x'In1-x'Pによって形成
    され、前記被検出光よりも短波長の光を遮断する窓層
    と、 前記窓層上に、前記窓層よりもバンドギャップエネルギ
    が小さい、キャリア濃度が1×1018cm-3以上のp型GaxIn
    1-xPによって形成され、前記被検出光を吸収して光電子
    を発生させる活性層と、 前記活性層上面にアルカリ金属又はその酸化物又はその
    フッ化物によって形成され、前記活性層の仕事関数を低
    下させる表面層と、を備え、前記活性層の原子組成比x
    が0<x≦0.75の範囲内で前記窓層の原子組成比x'とほぼ
    等しいことを特徴とする光電子放出面。
  2. 【請求項2】 前記活性層の原子組成比xの範囲が0.45
    <x<0.55であることを特徴とする請求項1に記載の光
    電子放出面。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載の光電
    子放出面と、 前記ガラス面板を側壁端部に支持して内部が真空状態に
    保たれた真空容器と、 前記真空容器内部に設置され、前記光電子放出面に対し
    て正の電圧を保持する陽極と、を備えた電子管。
  4. 【請求項4】 前記光電子放出面と前記陽極との間には
    前記光電子放出面から放出された光電子を2次電子増倍
    する増倍手段が備えられていることを特徴とする請求項
    3に記載の電子管。
  5. 【請求項5】 前記陽極は前記被検出光の2次元光学像
    に対応する2次元電子像を受容することによって発光す
    る蛍光膜であることを特徴とする請求項3又は4のいず
    れかに記載の電子管。
  6. 【請求項6】 前記光電子放出面と前記陽極との間には
    前記光電子放出面から放出された光電子を時間経過と共
    に増大又は減少する電界により偏向させて前記電極上で
    前記光電子を掃引させる偏向手段が備えられていること
    を特徴とする請求項5に記載の電子管。
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