JPH09193350A - 印刷機の胴ばりの締め付け引っ張り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半径が異なる空隙縁部への胴ばりの折り曲げ
部分の平滑な取り付けを可能にする低コストの締め付け
引っ張り装置を提供する。 【解決手段】 この装置は、好ましくは胴外周で軸方向
に延びた空隙内に配置されて張り部材によって操作可能
な２つのくわえ部材（締め付け板７．１、７．２）を包
含している。このくわえ部材は空隙縁部１ａを回って空
隙１内に入っている胴ばり３の端部をくわえ、胴ばり端
部を保持する。張り部材によって操作されると、胴ばり
３の折り曲げ部分４をくわえたくわえ部材は胴空隙１内
に向かって動き、空隙縁部１ａを回って胴ばり３を引っ
張るように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１の前提部
に記載された印刷機の胴ばりの締め付け引っ張り装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】枚葉紙輪転印刷機の版胴上での刷版の折
り曲げ後縁に対する公知の締め付け引っ張り装置を開示
したドイツ特許発明明細書第４２２７６８３Ｃ２号によ
ると、締め付け板がフレーム内に配置されていて、締め
付け板のあご面で締め付け力によって互いに押し付ける
ことができ、フレームは胴空隙内で胴軸に対し半径方向
に可動に案内されていて、締め付け板のあご面によって
形成された締め付けスリットはその半径方向外側の境界
が少なくとも胴断面の外周輪郭まで外方に移動でき、刷
版の後縁部の締め付けられた折り曲げ部分と一緒に版胴
の輪郭内で後方に移動して刷版に引っ張り作用を及ぼ
す。この公知の配置構成では、２つの締め付け板は互い
に向き合ってそれぞれフレームに対して、したがって版
胴に対して支持されている。この場合、１つの締め付け
板に作用する調節部材が締め付け力をあご面に加え、別
の２つの調節部材は版胴の外周方向でフレームに作用す
る張り力を引き起こす。さらに、版が胴上に平らに載る
ように取り付けるための追加の押し付けローラを有す
る。したがって、このような締め付け引っ張り装置は比
較的高いコストを必要とする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、一般
に胴ばりの前縁部および後縁部のいずれにも適し、場合
によっては半径が異なる空隙縁部への胴ばりの折り曲げ
部分の平滑な取り付けを可能にする、低コストの締め付
け引っ張り装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は請求項１に記載された特徴を有する締め付け引っ
張り装置によって解決される。

【０００５】この装置の特別の長所は、締め付け動作と
同時に、胴ばりの張り方向に引っ張り運動が行われるの
で、胴空隙の縁部を回って縁部半径と異なる湾曲をして
通される胴ばりが、胴縁部に対して引っ張られることで
ある。本発明の特徴により、胴ばりを空隙縁部を回って
引っ張り通すことが可能である。その結果として、胴空
隙の縁部半径と胴ばりの折り曲げ部分の湾曲半径との間
には間隙が残っていないので、胴ばりの折り曲げ部分に
外周に向かってふくらみが形成されるのを避けることが
できる。

【０００６】本発明による上記の課題の解決は、基本的
に、可動に配置された締め付け板とこれに対して胴空隙
内に定置されたあご面とからなるくわえ部材によってな
される。

【０００７】しかしながら、本発明の好適な実施態様
は、請求項３に記載されているように、２つの締め付け
板を備えている。

【０００８】これらの特徴を有する締め付け引っ張り装
置は、刷版、ゴムブランケット、および好ましくは枚葉
紙輪転印刷機で用いられるその他の胴ばりに適してい
る。この装置は胴ばりの前縁部と後縁部のいずれの締め
付けにも、また同時に胴ばり端部を引っ張るのにも用い
ることができる。また、構成として非常にわずかなスペ
ース内に格納され、故障しやすい機構は含んでいない。

【０００９】本発明の対象の本質的な特徴は、請求項３
ないし１１に記載されている。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】本発明の締め付け引っ張り装置は、印刷
機、好ましくは枚葉紙印刷機の胴２の空隙１内に配置さ
れており、この空隙は外周側が開いていて軸方向に延び
ている。胴外周に設けられた胴ばり３はその先端部に、
締め付けスリット５内に公知の仕方で係合する折り曲げ
部分４を有する。２つの締め付け板７．１および７．２
は胴空隙１の凹部６に設けられている。一方の締め付け
板７．１はフック形断面を有しており、そのウェブによ
ってばね８上に置かれている。他方の締め付け板７．２
は凹部６によって形成された支え部９に支持されてい
る。締め付け板７．１および７．２のあご面１０．１お
よび１０．２は、胴ばり３の折り曲げ部分４の内側端部
とそれぞれ互いに向き合う側で密着している。一方の締
め付け板７．１はあご面１０．１と反対側の端部で、胴
２内に可動に組み込まれた支え部９．１に支持されてい
る。胴２に設けられた締め付け板７．１および７．２の
支え部と、あご面１０．１および１０．２と折り曲げ部
分４の内側端部との接触とが、締め付け板７．１および
７．２相互間の角度位置を規定し、その頂点は張り方向
と反対方向に向いている。断面図では２つの締め付け板
７の一方の締め付け板７．１はフック形をしており、折
り曲げ部分４の内側縁部を包囲して、締め付け板７．２
に係合して支えている。この締め付け板７．１の外側面
に向って締め付けねじ１５が横材１１の雌ねじにねじ込
み可能であるので、締め付けねじ１５によって２つの締
め付け板７．１および７．２を互いに真っ直ぐとなる方
向に力をかけることができる。その結果として、締め付
け力は折り曲げ部分４の内側端部に作用し、それと同時
に引っ張り力が胴ばり３の張り方向に作用するので、胴
ばり３は空隙縁部１ａの回りにぴんと引っ張られて、そ
の湾曲が空隙縁部の半径と異なる場合に残る可能性のあ
る空気は除去される。締め付け板７．２のあご面１０．
２と折り曲げ部分４との間の摩擦による接着を確保する
ために、締め付け板７．２は、ばね８より基本的に弱い
ばね１３によって張り方向に荷重をかけられている。締
め付けねじ１５を緩めると、ばね８は締め付け板７．１
を押し、こうして締め付け板７．２をも弱いばね１３に
抗して上方に押すので、あご面１０．１および１０．２
は折り曲げ部分４の内側端部を解放する。この時、もし
自動的に引っ張りが解放されないならば、２つの締め付
け板７．１と７．２の間の角度を拡大するために、なん
らかの調節部材１６によって可動支え部９．１を動かす
ことができる。あるいは、これは偏心器２０によっても
実現できる。

【００１２】別の解決手段が図２および図３に示されて
いる。この実施態様においては、締め付け板７は円形断
面を有するロール体または回転体として構成されてい
て、胴２内に回転可能に組み込まれている。締め付け板
７の外周に幾つかの鋸歯状突起部１７が設けられてお
り、締め付け板７を回すと、これらの突起部１７は胴ば
り３の折り曲げ部分に形成された１つ以上の切り込み１
８と係合する。張り作業の間、回転方向に見て、締め付
け板７の外周に設けた突起部１７の前縁部は、折り曲げ
部分４に形成された切り込み１８の１つの境界と接触す
るので、張り力が胴ばり３に対して作用する。突起部１
７が胴２と接触するのは、胴２内に形成された凹部１９
により防がれる。締め付け板７を回転させるには、調節
駆動装置例えば図１で説明したねじやウォーム歯車装置
が適している。図２は解放された位置を示し、図３は締
め付けた位置を示す。

【００１３】単純化した実施態様によれば、締め付け板
は、力の作用を受けると胴２内に設けた軸受内を回転で
きる部材の外周に配置され、この部材の回転軸は折り曲
げ部分とほぼ平行に延びている。必要ならば、締め付け
板は弾性が制限され摩擦係数の大きい材料によって作る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、胴空隙に設けた締め付け引っ張り装置
の実施形態の断面図である。

【図２】図２は、本発明のその他の実施形態の断面図で
ある。

【図３】図３は、図２に従う締め付け位置を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 胴空隙 １ａ 空隙縁部 ２ 胴 ３ 胴ばり ４ 折り曲げ部分 ５ 締め付けスリット ６、１９ 凹部 ７ 締め付け板（７．１および７．２） ８、１２、１３ ばね ９ 支え部 １０ あご面（１０．１および１０．２） １１ 横材 １５ 締め付けねじ １６ 調節部材 １７ 突起部 １８ 切り込み ２０ 偏心器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ (72)発明者 ベルント ルフ ドイツ連邦共和国 64331 ヴァイテルシ ュタット フェルトベルクシュトラーセ 11

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機の胴ばりの締め付け引っ張り装置
   であって、前記装置は胴外周で軸方向に延びた空隙内に
   配置されていて張り部材によって操作可能なくわえ部材
   よりなり、前記くわえ部材は空隙縁部を回って空隙内に
   延びている胴ばりの端部をくわえて保持する、印刷機の
   胴ばりの締め付け引っ張り装置において、 張り部材によって操作されると、胴ばり（３）の端部を
   くわえたくわえ部材（７）が胴の空隙（１）内に向って
   動き、空隙の角（１ａ）を回って胴ばり（３）を引っ張
   ることを特徴とする印刷機の胴ばりの締め付け引っ張り
   装置。
2. 【請求項２】 前記くわえ部材は、張り方向に可動で張
   り部材によって押し当てられる少なくとも１つの締め付
   け板（７）と、胴（２）に設けた支え部の固定あご面
   （１０）とからなり、前記締め付け板は、胴ばりの折り
   曲げ部分の法線に対して所定の角度位置に配置されてい
   てこの折り曲げ部分と接触している縁部を有する、請求
   項１に記載の締め付け引っ張り装置。
3. 【請求項３】 前記締め付け板（７．１、７．２）は、
   あご面（１０．１、１０．２）を互いに向き合わせ、胴
   （２）に設けられたそれぞれの支え部（９）に支持され
   ていて、胴（２）に設けた支え部（９）と、あご面と胴
   ばり（３）の折り曲げ部分（４）との接触によって規定
   された角度位置に、この角度の頂点を張り方向と反対方
   向に向けて互いに向き合って配置されており、張り部材
   の張り力が、２つの締め付け板（７．１、７．２）が互
   いに真っ直ぐになる方向に少なくとも１つの締め付け板
   （７．１）に向ってかけられている、請求項２に記載の
   締め付け引っ張り装置。
4. 【請求項４】 一方の締め付け板（７．１）は他方の締
   め付け板（７．２）を支持していて、張り部材の作用方
   向と反対方向に作用するばね（８）に支えられている、
   請求項３に記載の締め付け引っ張り装置。
5. 【請求項５】 一方の締め付け板（７．１）はフック形
   断面を有しており、他方の締め付け板（７．２）の支え
   部（９）とは反対側でこの他方の締め付け板（７．２）
   を支えるフック先端部が、両あご面（１０．１、１０．
   ２）の間にある胴ばり（３）の折り曲げ部（４）の端部
   の縁を包みこんでいる、請求項４記載の締め付け引っ張
   り装置。
6. 【請求項６】 一方の締め付け板（７．１）のフック先
   端部に支持された他方の締め付け板（７．２）は、締め
   付け板（７．１）の下方に設けられているばね（８）よ
   り実質的に弱いばね（１３）によってフック先端部に対
   して当てつけられている、請求項５に記載の締め付け引
   っ張り装置。
7. 【請求項７】 ２つの支え部（９）の少なくとも１つ
   が、調節部材によってそれぞれ他方の支え部に向かって
   可動に配置されている、請求項１ないし６のいずれか１
   項に記載の締め付け引っ張り装置。
8. 【請求項８】 締め付け板（７．１）に作用する張り部
   材が、締め付けねじ（１５）からなる、請求項１ないし
   ７のいずれか１項に記載の締め付け引っ張り装置。
9. 【請求項９】 張り力を加えることができる締め付け板
   （７）はあご面に突起部（１７）を有していて、突起部
   （１７）は胴ばり（３）の折り曲げ部分（４）を締め付
   けるとき折り曲げ部分（４）の少なくとも１つの切り込
   み部（１８）と係合し、または、締め付け板（７）は前
   記折り曲げ部分の突起部の後方に張り方向に係合する、
   請求項１ないし８のいずれか１項に記載の締め付け引っ
   張り装置。
10. 【請求項１０】 あご面は、胴の凹部（６）内でそれ自
    身の縦方向軸の回りを回転できるように支持された締め
    付け板（７）の外周に配置されていて、、かつ、該締め
    付け板はねじ駆動装置と連動している、請求項１ないし
    ９のいずれか１項に記載の締め付け引っ張り装置。
11. 【請求項１１】 前記ねじ駆動装置がウォーム歯車装置
    からなり、そのウォームは工具によって回転できるよう
    に胴（２）内に設置され、さらにそのウォーム歯車は円
    形断面を有する締め付け板（７）に連結されている、請
    求項１０に記載の締め付け引っ張り装置。