JPH0919252A - 水性殺虫剤用吸液芯、ならびにこれを用いた加熱蒸散殺 虫方法 - Google Patents

水性殺虫剤用吸液芯、ならびにこれを用いた加熱蒸散殺 虫方法

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JPH0919252A
JPH0919252A JP20267895A JP20267895A JPH0919252A JP H0919252 A JPH0919252 A JP H0919252A JP 20267895 A JP20267895 A JP 20267895A JP 20267895 A JP20267895 A JP 20267895A JP H0919252 A JPH0919252 A JP H0919252A
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insecticide
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sucking
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Hiroshi Asai
洋 浅井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 吸液芯の薬液容器内部に収納された部分の略
全側面を保護チューブで密着被覆した水性殺虫剤用吸液
芯、ならびにこれを水性殺虫剤中に浸漬し、該芯に殺虫
剤を底面から吸液せしめ、該芯の上部を100〜180
℃に加熱して、該殺虫剤に含有されるピレスロイド化合
物、界面活性剤ならびに水を共に蒸散させる加熱蒸散殺
虫方法。 【効果】 本発明は、水性殺虫剤の着色を防止する水性
殺虫剤用吸液芯を提供し、また、殺虫効力、安全性、使
用性はもちろん、火気に対する危惧のない非常に有用な
加熱蒸散殺虫方法を提供するのでその実用性は極めて高
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液容器内に収容され
た水性殺虫剤中に吸液芯の一部を浸漬して該芯に薬液を
吸液させると共に、該芯の上部をその周囲に配設した発
熱体によって加熱することにより吸液された薬液を蒸散
させる方式に適用される水性殺虫剤用吸液芯、ならびに
これを用いた加熱蒸散殺虫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薬液中に吸液芯の一部を浸漬して該芯に
薬液を吸液させると共に、該芯の上部を加熱することに
より吸液された薬液を蒸散させる加熱蒸散方式は公知で
ある。この方式に用いられる加熱蒸散装置の基本構成
は、薬液を収容する薬液容器に中栓を介して多孔質の吸
液芯を装填し、これを装置本体の所定位置に装着後、吸
液芯の上端部周辺に配設された発熱体によって吸液芯上
端部を100〜180℃に加熱して、吸液芯に吸液され
た薬液を装置本体上部に設けた開口部から蒸散させるも
のである。
【0003】前記多孔質吸液芯としては、一般にクレ
ー、タルク、カオリン、パーライト、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、石綿、ケイソウ土、石膏、ベントナ
イト、ガラスファイバー、シリカ、アルミナ、シリカア
ルミナ、木粉、活性炭、セルロース、パルプ、リンタ
ー、高分子樹脂等の無機粉末及び/又は有機粉末をデン
プン、CMC等の糊剤で固着成形したもの(粘結芯)や
これら粉体の成形品をさらに焼成したもの(焼成芯)が
よく用いられる。また、その中心に繊維からなる吸液層
と、その周囲に繊維の編組物からなる被覆層を有し、か
つ前記繊維編組物がシリコーンワニス等によって塗膜さ
れている吸液芯(編組芯)も、折損の恐れがないことか
ら最近一般的に使用される傾向にある。
【0004】ところで、吸液芯の性能は、薬液が油性で
あるか、水性であるかによって影響を受ける。例えば、
薬液として、有効成分を石油等で溶解した油性殺虫剤を
用いた場合、前記粘結芯、焼成芯、編組芯の性能は、折
損の問題を除けばいずれも格別大きな支障を生じない。
一方、水性殺虫剤に適用した場合には、粘結芯は当然の
ことながら糊剤の溶解、膨潤等の問題から不適当で、前
記したタイプのなかでは焼成芯、もしくは編組芯が好適
であることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼成芯
や編組芯を、水性殺虫剤、特に、 (イ)有効成分としてのピレスロイド化合物を0.3〜
10.0重量% (ロ)100〜180℃の加熱温度で蒸散する界面活性
剤の1種又は2種以上を10.0〜70.0重量%、お
よび (ハ)水 を含有する水性殺虫剤中に浸漬して用いた時に、焼成芯
中に含まれる無機物質及び/又は有機物質、あるいは編
組芯中のシリコーンワニス等の成分が溶出し、長期経時
品のなかには水性殺虫剤液が幾分着色するという間題も
あった。この現象は有効成分の分解とは無関係で殺虫効
力の低下を招くものではないが、商品の見栄えの点から
改善が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は吸液芯の薬液容器内部に収納され
た部分の略全側面を保護チューブで密着被覆した水性殺
虫剤用吸液芯に係るものである。
【0007】本発明で用いられる吸液芯としては、繊維
吸液層とこれを被覆する繊維編組物とからなり、かつ該
繊維編組物がシリコーンワニス(ゴム系、レジン系)、
シリコーンRTV、フッ素ゴム塗料、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などによって塗膜され
たもの(編組芯)、無機質粉体、有機物質および無機質
粘結剤からなる混合物を600〜2000℃で焼成して
なるもの(焼成芯)、高分子樹脂粉末の一部もしくは全
部に親水加工を施して焼結成形されたもの(樹脂成形
芯)などがあげられるが、水性殺虫剤によって溶解、溶
出、膨潤等の問題を生じない限り、これらに限定される
ものではない。
【0008】また、保護チューブは、水性殺虫剤を分解
せず、又逆に薬液により、腐食、劣化、溶解、膨潤等を
生じない材質で作成される。そのようなものとしてポリ
エチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン
−αオレフィン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
(テフロン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、オレフィン−無水マレ
イン酸共重合体などのポリオレフィン系、ポリフッ化ビ
ニリデン、エチレン−フルオロエチレン交互重合体など
のフッ素樹脂系、ポリエステル系エラストマー、ニトリ
ルブタジエンエラストマー、ポリアセタール樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素
ゴムなどのプラスチック類、ゴム類などを例示できる。
保護チューブは、吸液芯の薬液容器内部に収納された部
分の略全側面を覆い、吸液芯に密着していることが必要
である。このため、例えば、熱収縮性プラスチック製の
チューブを用い吸液芯にかぶせた後、熱によって密着さ
せる方法をとってもよい。また、保護チューブは、中栓
と接していることが好ましく、例えば中栓に接合させた
り、中栓と一体成形するようにしても構わない。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、繊維吸液層と、これを被覆する繊維編組物とからな
り、かつ前記繊維編組物がシリコーンワニスによって塗
膜されている吸液芯に保護チューブを適用したものであ
る。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の構成
において、保護チューブの材質として、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポ
リテトラフルオロエチレンから選ばれたプラスチック素
材を選択したものである。
【0011】請求項4の発明は、前記構成の水性殺虫剤
用吸液芯を、 (イ)有効成分としてのピレスロイド化合物を0.3〜
10.0重量% (ロ)100〜180℃の加熱温度で蒸散する界面活性
剤の1種又は2種以上を10.0〜70.0重量%、お
よび (ハ)水 を含有する水性殺虫剤中に浸漬し、該芯に前記殺虫剤を
底面から吸液せしめ、該芯の上部を100〜180℃に
加熱して、該殺虫剤に含有されるピレスロイド化合物、
界面活性剤ならびに水を共に蒸散させる加熱蒸散殺虫方
法に係るものである。
【0012】本発明において有効成分として用いられる
のは、殺虫効力と安全性の点からピレスロイド化合物
で、例えばアレスリン、フラメトリン、プラレトリン、
5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,3,3
−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(以
降、化合物Xと称す)、5−プロパルギル−2−メチル
−3−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボキシラート(以降、化合物Yと称
す)、エムペントリン、フェンフルスリン、ベンフルス
リンなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。また、酸部分、アルコール部分の不斉炭素に基づ
く光学異性体または幾何異性体が存在する場合は、それ
らの異性体の単独または任意の混合物も本発明に包含さ
れることはもちろんである。
【0013】本発明ではこれらの有効成分の1種または
2種以上が水性殺虫剤液中に0.3〜10.0重量%含
有される。0.3重量%未満では殺虫効力が不足する
し、一方、10.0重量%を越えると吸液芯中に目詰ま
りを起こす恐れがあり、間題が多い。
【0014】本発明で用いられる水性殺虫剤は、100
〜180℃の加熱温度で蒸散する界面活性剤の1種又は
2種以上を用いて調製される。これらの界面活性剤の蒸
気圧は汎用されている通常の界面活性剤のそれに比べる
と高く、吸液芯を介して水性殺虫剤を加熱蒸散させた
時、有効成分−界面活性剤−水の3者が常に一定の比率
を保って蒸散し得るものである。界面活性剤としてはポ
リオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル化合
物が好ましく、その具体例を示せば以下のとおりである
が、これらに限定されるものではない。 界面活性剤(1):ジエチレングリコールモノヘキシル
エーテル 界面活性剤(2):ジエチレングリコールモノプロピル
エーテル 界面活性剤(3):ジエレングリコールモノブチルエー
テル 界面活性剤(4):ジエチレングリコールモノフェニル
エーテル 界面活性剤(5):トリエチレングリコールモノプロピ
ルエーテル 界面活性剤(6):トリエチレングリコールモノブチル
エーテル 本発明における水性殺虫剤中には、上記界面活性剤の1
種または2種以上が10.0〜70.0重量%含有さ
れ、その種類や配合量は使用目的、選択した有効成分の
種類、配合量などに応じて適宜決定される。、また、必
要ならば、これらの界面活性剤にその特性を損なわない
範囲で若干量の別の非イオン型界面活性剤、カチオン型
界面活性剤、アニオン型界面活性剤または両イオン型界
面活性剤が配合されてもよい。
【0015】本発明における水性殺虫剤は、前記有効成
分、界面活性剤に水を加えてなるが、必要に応じて、他
のピレスロイド系殺虫剤、殺菌剤、忌避剤などの成分、
あるいは共力剤、安定剤、色素、香料または助剤として
の有機溶剤などを適宜添加することもできる。一般に、
水性殺虫剤は油性殺虫剤に比べ有効成分の経時安定性の
点で不利であるので、ジブチルヒドロキシトルエン(B
HT)などの安定剤の添加が好ましい。
【0016】請求項4の発明では、こうして得られた水
性殺虫剤を、薬液容器に注入した後、適当な中栓を介し
て前記本発明吸液芯を水性殺虫剤中に浸漬させ、吸液芯
の底面から殺虫剤を吸液せしめる。本加熱蒸散殺虫方法
は、この薬液容器を通常の加熱蒸散装置に装着し吸液芯
の上端部周辺に配設された発熱体により芯上部を100
〜180℃に加熱して、ピレスロイド化合物、界面活性
剤ならびに水を共に蒸散させものである。
【0017】
【作用】請求項1の発明によると、吸液芯の薬液容器内
部に収納された部分の略全側面を保護チューブで密着被
覆することによって、使用に供された時吸液芯の無機物
質、有機物質、あるいはシリコーンワニス成分等の溶出
を抑え、水性殺虫剤液の着色防止効果を有する水性殺虫
剤用吸液芯を得ることができる。保護チューブは、吸液
芯の薬液容器内部に収納された部分の略全側面を密着し
て覆うことが必要で、被覆する面積が少なかったり、密
着していない場合は当然のことながら、着色防止効果が
低下するので好ましくない。
【0018】請求項2の発明によると、シリコーンワニ
スの影響がみられた編組芯において有効な着色防止効果
をもたらし、種々の点で性能のすぐれた水性殺虫剤用吸
液芯を提供することができる。
【0019】請求項3の発明によると、保護チューブの
材質のなかでも特に有用なものを選択したので、より有
用な水性殺虫剤用吸液芯を得ることができる。
【0020】請求項4の発明によると、前記本発明の水
性殺虫剤用吸液芯を、水性殺虫剤と組み合わせて使用
し、殺虫効力、安全性、使用性はもちろん、火気に対す
る危惧のない極めて有用な加熱蒸散殺虫方法が提供され
る。
【0021】本発明において用いられる加熱蒸散装置の
構造および仕様などは何ら制限されず、一般に入手でき
るものを任意に使用することができる。その一具体例を
図1に示す。水性殺虫剤1はポリプロピレン、PETな
どの耐薬品性にすぐれたプラスチック性薬液容器2に注
入され、適当な中栓を介して吸液芯3を密栓状に保持し
た後、加熱蒸散装置4に収納される。薬液容器2の形状
としては、従来円筒状のものが一般的に使用されてきた
が、例えば底部にくぼみをつけたり、円筒面に溝やスジ
を設けたり、または多角形状とすれば手で把持しやす
く、加熱蒸散装置4への収納操作を簡単に行うことがで
き便利である。
【0022】吸液芯3装填の薬液容器2を加熱蒸散装置
4に収納する方法としては、従来方式のように、底部に
螺着式の底蓋を設け、この上に薬液容器2を載置しても
もちろんかまわないが、薬液容器2の上位に刻設したネ
ジ部を装置内部に設けた保持体に螺合させる方法が、前
者に比べて薬液容器2をしっかりと加熱蒸散装置4に固
定することができ、より好ましい。図中、5は吸液芯3
の受熱部の周囲に間隙を設けて設置された発熱体で、ま
た6は発熱体5に接続する電源コードを示すが、延長コ
ード取付けタイプとしたり、プラグ端子を加熱蒸散装置
4に固定する、いわゆるコードレスタイプとしてもよい
し、さらに、電源コード6を収納するための収納室を加
熱蒸散装置4に別途設けても差支えない。図中、7は水
性殺虫剤1が外部に蒸散する拡散筒、8はオンオフスイ
ッチを示す。ここで、拡散筒7は内径が10〜30m
m、その深さが5〜40mmであることが望ましく、そ
して拡散筒7の下端と発熱体5の上端との距離が1〜5
mmに設定されることが望ましい。
【0023】又、加熱蒸散装置4には、通気口9が適宜
設けられ、外気がこの通気口9から吸液芯3の受熱部と
発熱体5の間隙を連通し得るようになっている。通気口
9の位置は胴部また底部のいずれでもよいが、安定した
蒸散機能と高い薬液拡散力をもたらす煙突式作用効果を
期待できる点で、底部の方がより好ましい。
【0024】本発明の吸液芯装填水性殺虫剤を上記加熱
蒸散装置4に適用し通電使用すると、吸液芯3の受熱部
に浸透した水性殺虫剤1が発熱体5に間接加熱されて蒸
散し、蚊、ハエ、ゴキブリ、ナンキンムシ、ダニ類など
に対して極めて高い駆除効果を発揮するものである。
【0025】
【実施例】次に、実施例および試験例に基づいて本発明
をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0026】実施例1 ポリエステル繊維を束ねたものの周囲を、同材質の編組
物にシリコーンワニスを塗膜したもので被覆し、更に中
栓から下部の略全側面を高密度ポリエチレン製保護チュ
ーブで密着被覆した中栓付水性殺虫剤用吸液芯を作成し
た。d−シス,トランス−フラメトリン1.5重量%、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル50重量%、
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)1.8重量%お
よび精製水を含有する水性殺虫剤45mlを内容積50
mlのプラスチック製薬液容器に充填し、前記中栓付吸
液芯(外径7.0mm,長さ75.5mm)を打ち込ん
だ。得られた吸液芯装填薬液容器を50℃で1ケ月保存
した後、薬液の性状を調べたところ、着色の度合いは試
験開始時と比べてごくわずかであった。また、これを発
熱体の温度が130℃の加熱蒸散装置に装着して通電し
た。1日(12時間)あたり揮散量は60日間にわたり
約0.7mlで目詰まりもなく、高い殺虫効力を維持し
た。
【0027】実施例2 マイカ粉53重量%、カオリンクレー22重量%、黒鉛
20重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%から
なる混合粉体に水を加えて混練および仮成形した後10
00℃で焼成し、更に、中栓から下部の略全側面をテフ
ロン製保護チューブで密着被覆した中栓付水性殺虫剤用
吸液芯を作成した。d,d−シス,トランス−アレスリ
ン2.2重量%、トリエチレングリコールモノプロピル
エーテル55重量%、ジブチルヒドロキシトルエン(B
HT)0.6重量%および精製水を含有する水性殺虫剤
45mlを内容積50mlのプラスチック製薬液容器に
充填し、中栓付吸液芯(外径7.0mm,長さ75.5
mm)を装填した。得られた吸液芯装填薬液容器を室温
で2年間保存した後薬液の性状を調べたところ、薬液中
の有効成分含量の低下はほとんどなく、薬液の着色度の
進行も認められなかった。 これを実施例1と同様に使
用に供したところ、60日間にわたり安定した蒸散性能
を示し、従来の製剤に比べ殺虫効力、火気に対する安全
性、使用性など全ての点ですぐれていることが認められ
た。
【0028】試験例 実施例1および実施例2に準じて、表1に示す本発明の
水性殺虫剤用吸液芯を作成し、同表に示す水性殺虫剤4
5mlを含む薬液容器に装填した。この薬液容器を50
℃で1ケ月保存して薬液の着色度を調べるとともに、市
販の加熱蒸散装置に装着して蒸散性能を調べた。着色の
評価は、ガードナーの色調変化が1以下のものを○、2
〜3のものを△、4以上のものを×で示した。蒸散性能
は、所定時間毎にシリカゲル充填カラムでトラップし、
アセトンで殺虫剤を抽出後ガスクロマトグラフで分析
し、殺虫剤の時間あたりの蒸散量を求め、表にはそれぞ
れの殺虫剤の初期の値を1.00とした場合の相対比で
示した。なお、表中、薬液組成のうち水およびその他の
欄において、「残」とあるのは残部重量%を水または表
示の物質が占めることを意味し、また、薬液にはピレス
ロイド量に対して、0.3〜1.5倍量のBHTを配合
した。また、試験に用いた吸液芯の仕様は次のとおりで
あった。 吸液芯A:ポリエステル繊維を束ねたものの周囲を、同
材質の編組物にシリコーンワニスを塗布したもので被覆
し、上面を熱により溶封したもの。 吸液芯B:マイカ粉、カオリンクレー、黒鉛およびカル
ボキシメチルセルロースからなる実施例2に記載のも
の。 吸液芯C:親水加工したポリエチレン粉末を棒状キャビ
ティ内に封入し、110〜130℃で加熱して溶融成形
したもの。
【0029】
【表1】
【0030】試験の結果、本発明の保護チューブ装填の
水性殺虫剤用吸液芯を用いた場合には、水性殺虫剤の経
時的着色度はほとんど問題のない程度まで抑えられ蒸散
性能もすぐれた。これに対し、対照例で示すように、保
護チューブを用いない吸液芯、保護チューブを用いても
全側面を被覆しない場合や、密着していない場合には、
着色防止効果は劣った。また、保護チューブの材質とし
てスチレンは不適当であり、ピレスロイド化合物を灯油
で溶かした油性薬液については着色の問題は回避できる
ものの火気に対する危険性は免れ得なかった。
【0031】
【発明の効果】上記のように、請求項1ないし3のいず
れかに記載の本発明の水性殺虫剤用吸液芯は、水性殺虫
剤に適用された時に水性殺虫剤の着色を防止することが
でき、蒸散性能も良好なのでその実用性は極めて高いも
のである。
【0032】請求項4に記載の発明によると、前記本発
明の水性殺虫剤用吸液芯を使用することによって、殺虫
効力、安全性、使用性はもちろん、火気に対する危惧の
ない極めて有用な加熱蒸散殺虫方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用される加熱蒸散装置の一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
.・・・水性殺虫剤 2・・・薬液容器 3・・・吸液芯 4・・・加熱蒸散装置 5・・・発熱体 6・・・電源コード 7・・・拡散筒 8・・・オンオフスイッチ 9・・・通気口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸液芯の薬液容器内部に収納された部分
    の略全側面を保護チューブで密着被覆したことを特徴と
    する水性殺虫剤用吸液芯。
  2. 【請求項2】 吸液芯が繊維吸液層と、これを被覆する
    繊維編組物とからなり、かつ前記繊維編組物がシリコー
    ンワニスによって塗膜されていることを特徴とする請求
    項1記載の水性殺虫剤用吸液芯。
  3. 【請求項3】 保護チューブの材質が、ポリエチレン、
    ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポ
    リテトラフルオロエチレンから選ばれたプラスチック素
    材であることを特徴とする請求項1又は2記載の水性殺
    虫剤用吸液芯。
  4. 【請求項4】 吸液芯の薬液容器内部に収納された部分
    の略全側面を保護チューブで密着被覆した水性殺虫剤用
    吸液芯を、 (イ)有効成分としてのピレスロイド化合物を0.3〜
    10.0重量% (ロ)100〜180℃の加熱温度で蒸散する界面活性
    剤の1種又は2種以上を10.0〜70.0重量%、お
    よび (ハ)水 を含有する水性殺虫剤中に浸漬し、該芯に前記殺虫剤を
    底面から吸液せしめ、該芯の上部を100〜180℃に
    加熱して、該殺虫剤に含有されるピレスロイド化合物、
    界面活性剤ならびに水を共に蒸散させることを特徴とす
    る加熱蒸散殺虫方法。
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