JP5204399B2 - 食品害虫忌避剤 - Google Patents

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Description

本発明は、食品害虫(例えば、ゴキブリ、コクゾウムシ、カツオブシムシ、コクヌストモドキ、チャタテムシ、アリ、ナメクジ等)に対する新規な忌避剤に関する。
食品害虫(例えば、本願発明の忌避対象とする上記ゴキブリ、カツオブシムシ、コクヌストモドキ、チャタテムシ、アリ、ナメクジ等)は、飲食店内や厨房、一般家庭の台所、食卓等に多く見られる。これら食品の害虫を殺虫することで、食品に対する被害を抑制すべく、周知のように、種々の殺虫剤一般的に使用されている。しかしながら、散布される殺虫剤が、食品や食器類等を汚染し、健康に被害を与える可能性もある。
このため、強力な殺虫力を有する殺虫剤を用いるよりも、予め食品の害虫が上記した飲食店内や、一般家庭の台所、食卓等に侵入しないよう、前記殺虫剤よりも人体に対して害が小さい忌避剤を使用することは、非常に利点が大きい。
上記観点から、食品の害虫に対する忌避剤について複数の発明がなされている。このような食品の害虫に対する忌避剤としては、特にゴキブリに対する忌避剤として、リナロール、ゲラニオール、プレゴン、シトラール、テルピネオール、カルボン、メントール、リナリルアセテート、メントン、ピペリトン、シトロネラール、シトロネロール、ネロール、シネオールの1種又は2種以上を含有してなるゴキブリ忌避剤が公知である(例えば、特許文献1参照。)
また、多種の食品害虫に効能を有する忌避剤としては、例えば、カネルシナモン、タマリンド、及びブラックベルガモットの一種類以上を有効成分として含む食品害虫忌避剤(例えば、特許文献2参照。)が公知である。
特公昭61−15041号公報 特開2006−151896号公報
上記特許文献1に係る発明は、特にゴキブリに対する忌避について効果を奏するものである。このため多種の食品害虫に対する忌避効果まで有するものではなかった。また、メントール、メントン等はゴキブリに対する十分な忌避効果が認められるものの、特有の臭気を発するため、飲食店内や食卓などで使用するには、非常に不都合である。
また、上記特許文献2に係る発明は、多種の食品害虫に効能を有するものである。当該特許文献2には、有効成分として、植物自体や果実等に該当するシナモン、タマリンド、ブラックベルガモットを挙げているが、具体的に効能を有する化合物については何ら特定されていない。
これらの有効成分としてはたらく化合物について確実な特定はできないが、シナモンはその気散成分であるシンナムアルデヒド等、タマリンドはその気散成分であるフルフラール、ブラックベルガモットはその精油に含まれるリナノール若しくは酢酸リナリルが忌避有効成分の可能性がある。これらの気散成分は、特許文献1において開示された各忌避剤成分と同様に、厨房や食卓等で長期に亘って滞留する臭気となる。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、ゴキブリのみならず、多種の食品害虫(ゴキブリ、コクゾウムシ、カツオブシムシ、コクヌストモドキ、チャタテムシ、アリ、ナメクジ等)に対する忌避効果を発揮でき、且つ、臭気を殆ど発生せず、厨房や食卓等で使用することができる、優れた食品害虫忌避剤を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
メントングリセリンアセタール(即ち、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ(4,5)デカン−2−メントール)を含有する食品害虫忌避剤を、課題を解決するための手段とする。
また、メントングリセリンアセタールを忌避有効成分として含有する具体的な食品害虫忌避手段として、食品害虫忌避スプレー、食品害虫忌避コーティングワックス、メントングリセリンアセタールを忌避有効成分とする薬液を紙又は不織布の表面に対して塗布してなる食品害虫忌避シート材、及び該食品害虫忌避シート材の裏面に接着層を形成した食品害虫忌避シート材、メントングリセリンアセタールとゲル化剤と非イオン界面活性剤とを含有する水ゲル状の薬剤を蒸散用穴を有する据え置き用容器に収納してなる食品害虫忌避剤、メントングリセリンアセタールを含有する合成樹脂からなる薬剤を蒸散用穴を有する据え置き用容器に収納してなる食品害虫忌避剤、メントングリセリンアセタールを含有する合成樹脂からなる食品害虫忌避剤を、課題を解決するための手段とする。
本発明によれば、メントングリセリンアセタールの含有比率が0.38重量%〜15重量%であることで、略無臭とすることができるから、前記食品害虫が大量発生しやすく且つ臭気の発生を望まない飲食店や食卓において、臭気を発生させずに、十分な忌避効果を発揮することができる。
本発明は、メントングリセリンアセタールを有効成分として含有することによって、多種の食品害虫に対して、臭気を発生させずに十分な忌避効果を発揮する、優れた忌避剤を実現した。
本実施例に係る食品害虫用忌避剤は、シムライズ社製のメントングリセリンアセタールを使用している。メントングリセリンアセタールは、l−メントンとグリセリンを酸性触媒下でアセタール化後、蒸留、精製することで得られるものである。メントングリセリンアセタールの構造式を以下に示す。
Figure 0005204399
本発明に係る食品害虫用忌避剤は、噴射剤と混合してエアゾール剤とすることもできるし、錠剤として使用することもできる。また、液状のまま飲食店等で壁や床に散布し、若しくは、食器棚のシート等の構成繊維中に混合することができる。これらの各実施例の詳細については、後記する。
以下に、本発明の実施例に係る忌避剤の忌避効能試験について示す。
(試験1:ゴキブリ)
試験種別:単独試験
供試虫:チャバネゴキブリ 雌雄各5個体
試験方法:8cm四方のPPC用紙に本発明の忌避剤有効成分であるメントングリセリンアセタール(以下、MGAという。)を,所定濃度(0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%)としたエタノール溶液640マイクロリットルを塗布し、乾燥後、縦寸法17cm、横寸法23cm、深さ寸法8.5cmのポリプロピレン製コンテナの中央に張り付け、上からベニヤ製シェルターを被せた。端に水と飼料を置き、供試虫をコンテナ内に放ち、放置した。24時間後シェルター内外の供試虫数から忌避率を求めた。繰り返し試験は、4回行った。なお、MGAの0.5重量%溶液は0.5g/mに相当し、MGAの1.0重量%溶液は、1.0g/mに相当し、MGAの2.0重量%溶液は2.0g/mに相当する。また、忌避率は、(シェルター外の供試虫数)×100(%)/(シェルター内の供試虫数+シェルター外の供試虫数)として算出した。
試験結果:
Figure 0005204399
以上に示すように、ゴキブリの忌避について、著効を有することが明らかとなった。
(試験2:ゴキブリ)
試験種別:併置試験
供試虫:チャバネゴキブリ 雌雄各5個体
試験方法:8cm四方のPPC用紙にMGAを所定濃度(0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%)としたエタノール溶液640マイクロリットルを塗布し乾燥したものを無処理区とした。縦17cm、横23cm、深さ8.5cmのポリプロピレン製コンテナの左右両端に処理区、無処理区の用紙を張り付け、上からベニヤ製シェルターを被せた。中央に水と飼料を置き、供試虫をコンテナ内に放ち放置した。24時間後シェルター内の供試虫数から忌避率を求めた。繰り返し試験は3回行った。尚、MGAの0.5重量%溶液は0.5g/mに相当し、MGAの1.0重量%溶液は、1.0g/mに相当し、MGAの2.0重量%溶液は2.0g/mに相当する。また、忌避率は、(無処理区の供試虫数−処理区の供試虫数)×100(%)/(無処理区の供試虫数+処理区の供試虫数)として算出した。
試験結果:
Figure 0005204399
試験1と同様に、メントングリセリンアセタールの有する忌避効果が極めて高いことが明らかとなった。
(試験3:アリ)
供試虫:トビイロケアリ
試験方法:直径9cmの濾紙にMGAを所定濃度(0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%)のエタノール溶液1.6ml塗布し、乾燥後半分に切断した。同様に無処理の濾紙も切断し、これらを切断面で接合させるように接着剤で内径9cmのガラスシャーレに固定した。試験直前に濾紙を精製水1.6mlで湿らせてから、供試虫を10匹投入した。蓋をして、24時間放置後、処理側と無処理側の数を計数し、忌避率を算出した。繰り返し試験は2回行った。
尚、MGAの0.5重量%溶液は0.5g/mに相当し、MGAの1.0重量%溶液は、1.0g/mに相当し、MGAの2.0重量%溶液は2.0g/mに相当する。
試験結果:
Figure 0005204399
以上に示すように、メントングリセリンアセタールの忌避効果は、アリに対しても、極めて有効であることが明らかとなった。
(試験4:チャタテムシ)
供試虫:ヒラタチャタテムシ
試験方法:縦2cm、横2cm、厚さ3ミリメートルのダンボール板の上下面にMGA1重量%濃度のエタノール溶液を各40μl塗布し、1時間乾燥したものを処理区、同量のエタノールを塗布し乾燥したものを無処理区とした。直径9cmのガラスシャーレの左右両端に処理、無処理のダンボール板を並置し、供試虫を放った後、暗室内(室温)で放置した。18時間後処理区及び無処理区の供試虫数を計数し、忌避率を算出した。尚、MGA1重量%溶液は、1g/m処理に相当する。また、忌避率は、(無処理区の供試虫数−処理区の供試虫数)×100(%)/(無処理区の供試虫数+処理区の供試虫数)として算出した。
試験結果:
Figure 0005204399
以上の結果から、チャタテムシに対しても、忌避の有効性が認められた。
(試験5:コクヌストモドキ)
供試虫:コクヌストモドキ
試験方法:縦2cm、横2cm、厚さ3ミリメートルのダンボール板の上下面にMGA1重量%濃度のエタノール溶液を各40マイクロリットル塗布し、1時間乾燥したものを処理区、同量のエタノールを塗布し乾燥したものを無処理区とした。直径9cmのガラスシャーレの左右両端に処理、無処理のダンボール板を並置し、供試虫を放った後、暗室内(室温)で放置した。18時間後処理区及び無処理区の供試虫数を計数し、忌避率を算出した。尚、MGA1重量%溶液は、1g/m処理に相当する。また、忌避率は、(無処理区の供試虫数−処理区の供試虫数)×100(%)/(無処理区の供試虫数+処理区の供試虫数)として算出した。
試験結果:
Figure 0005204399
以上の結果から、コクヌストモドキに対しても、忌避の有効性が認められた。
(試験6:ヒメカツオブシムシ)
供試虫:ヒメカツオブシムシ
試験方法:直径9cmの濾紙にMGA0.4重量%濃度のエタノール溶液1.6mlを塗布し、乾燥後半分に切断した。同様に無処理の濾紙も切断し、これらを切断面で接合させるように接着剤で内径9cmのガラスシャーレに固定した。両端付近に飼料として0.1gの魚粉を置き、中央に供試虫を投入した。蓋をして、24時間放置後処理側と無処理側の数を計数し、忌避率を算出した。繰り返し試験は3回行った。尚、MGA0.4重量%溶液は、1g/m処理に相当する。また、忌避率は、(無処理区の供試虫数−処理区の供試虫数)×100(%)/(無処理区の供試虫数+処理区の供試虫数)として算出した。
試験結果:
Figure 0005204399
以上より、ヒメカツオブシムシに対する一定の忌避効果が認められた。
(試験7:コクゾウムシ)
供試虫:コクゾウムシ
試験方法:容積約3L(約23cm×約17cm×約8cm)のポリプロピレン製密閉容器で作成した忌避試験装置の両端に夫々内径58mm、深さ15mmのガラスシャーレを載置した。片方のシャーレの底に検体の濾紙を敷き、その上に玄米を載置した。もう一方のシャーレの底には無処理の濾紙を敷き、その上に玄米を載置した。装置の中央付近に供試虫を放った後、閉蓋した。左右のシャーレの上部から毎分100mlを排気するように調節し、蓋の中央部から活性炭フィルターを通した新鮮な空気を流した。全暗、室温条件で24時間放置後それぞれのシャーレに移動した供試虫を計数し、忌避率を算出した。尚、忌避率は、(無処理区の供試虫数−処理区の供試虫数)×100(%)/(無処理区の供試虫数+処理区の供試虫数)として算出した。
試験結果:
Figure 0005204399
以上の結果から、コクゾウムシに対しても、忌避の有効性が認められた。
(試験8:ナメクジ)
供試虫:チャコウラナメクジ
試験方法:直径9cmの濾紙にMGA0.7重量%濃度、1.0重量%濃度のエタノール溶液1.0mlを塗布し、乾燥したものを処理区とした。縦17cm、横23cm、深さ8.5cmのポリプロピレン製コンテナの中央に処理区の濾紙を敷き、濾紙の中央に3センチ四方のレタスを置いた。コンテナの四隅に供試虫を1匹ずつ放ち、24時間後餌のレタスが食べられたか確認した。対照として同量のエタノールを塗布し乾燥したものを無処理区とし、処理区と同様に行った。
Figure 0005204399
以上より、ナメクジに対して、忌避効果が確認できた。
上記各試験結果によって、本発明に係る食品害虫忌避剤は、ゴキブリ、コクゾウムシ、カツオブシムシ、コクヌストモドキ、チャタテムシ、アリ、ナメクジといった多種の食品害虫に対して忌避効果があり、特にゴキブリ、アリについては、著効を有することが明らかとなった。
本発明に係る食品害虫忌避剤は、種々の形態の忌避剤として実施することができる。以下に、本発明に係る食品害虫忌避剤の具体的態様について例示する。
(食品害虫忌避スプレー)
本実施例に係る食品害虫忌避スプレーは、食品害虫が徘徊する床面や壁面に対して噴霧することで、当該食品害虫を忌避するものである。本実施例における成分であるメントングリセリンアセタールを1.88重量%含有するものであり、噴射用ガスとしてLPGを62重量%程度用い、溶剤としてエタノールを36%程度用いたものである。本実施例に係る食品害虫忌避スプレーにおける忌避成分の含有重量比は、0.38重量%乃至3.78重量%程度とすると、忌避効果、低臭性、長期持続性のバランスが良く、食品害虫忌避スプレーとして非常に好適である。忌避成分であるメントングリセリンアセタールの含有重量比率が、この範囲よりも低い重量比では、忌避剤としての効能が低減し、忌避剤として十分に機能し難くなる傾向にある。また、忌避効果の持続性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超える重量比では、メントングリセリンアセタール自体が低臭性であるものの、徐々に臭気が増加する傾向となる。但し重量比の低下、上昇に伴い徐々にその傾向を生じるのであり、本発明に係る食品害虫忌避スプレーにおいては、上記0.38重量%乃至3.78重量%程度の範囲に限定するものではない。尚、上記忌避成分の含有率の範囲内で忌避成分の増加に伴って、添加する溶剤(エタノール)の量を調節することができる。
(忌避コーティングワックス)
本実施例に係る忌避コーティングワックスは、床面等に対して塗布することで、食品害虫を忌避するものである。ワックス、溶剤、撥水剤、忌避成分であるメントングリセリンアセタールを、水と混合してなる。組成比は、ワックス5.0重量%、メントングリセリンアセタール2.0重量%、溶剤25.2重量%、撥水剤8.6重量%、水59.2%程度としている。本実施例に係る忌避コーティングワックスにおける忌避成分の含有重量比は、1.0重量%乃至5.0重量%程度とすると、忌避効果、低臭性、長期持続性のバランスが良く、食品害虫忌避コーティングワックスとして非常に好適である。
忌避成分であるメントングリセリンアセタールの含有重量比率が、この範囲よりも低い重量比では、忌避剤としての効能が低減し、忌避剤として十分に機能し難くなる傾向にある。また、忌避効果の持続性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超える重量比では、メントングリセリンアセタール自体が低臭性であるものの、徐々に臭気が増加する傾向となる。尚、上記忌避成分の含有率の範囲内で忌避成分の増加に伴って、添加する水の量を調節することができる。
(忌避シート材A)
本実施例に係る忌避シート材Aは、忌避成分であるメントングリセリンアセタールを5.0乃至15.0%、インク用接着剤(メジューム)が85重量%乃至95重量%からなる混合液を紙又は不織布の表面に対して印刷してなるものである。食器棚内や食卓等に設置することで、忌避シート材Aから蒸散される忌避成分を用いて、食品害虫を忌避するものである。本実施例に係る忌避シート材Aにおける忌避成分の組成比は、5重量%乃至15重量%程度において、忌避効果、低臭性、長期持続性のバランスが良く、食品害虫忌避シート材として非常に好適である。忌避成分であるメントングリセリンアセタールの含有重量比率が、この範囲よりも低い重量比では、忌避剤としての効能が低減し、忌避剤として十分に機能し難くなる傾向にある。また、忌避効果の持続性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超える重量比では、メントングリセリンアセタール自体が低臭性であるものの、徐々に臭気が増加する傾向となり、好ましくない。
(忌避シート材B)
本実施例に係る忌避シート材Bは、忌避成分であるメントングリセリンアセタールのみ又は、メントングリセリンアセタールに加えて、溶剤として、ジプロピレングリコール、又はプロピレングリコール、又はポリエチレングリコールのいずれかを全液量に対して最大70重量%までとして混合してなる混合液を、合成繊維製不織布の表面に対してスクリーン印刷により直接塗布し、該合成繊維製不織布の裏面に接着層を備えてなるものである。壁面や棚の内壁等に対して接着層で接着することで、シート材を載置できない箇所に容易に設置できる。尚、合成繊維としてはポリエステル等を使用することができる。忌避成分であるメントングリセリンアセタールは、塗布材料中30重量%以上含有していれば、忌避シート材Bの塗布材料として十分な忌避効果を有する。尚、およそ30%未満であれば、忌避効果は低減する。
以上の忌避シート材A、忌避シート材Bは敷物等として使用することができる他、所定の大きさ、形状に裁断して使用することができる。忌避シート材Bのように、接着層を設けた構成とすることで、食品害虫忌避効果を有するワッペンとして使用することもできる。
(据え置き型忌避剤)
据え置き型忌避剤について、以下に示す。いずれも忌避成分であるメントングリセリンアセタールを、5重量%程度含有するものである。
(1)水ゲルタイプ(A)の据え置き型忌避剤
実施例に係る水ゲルタイプの据え置き型忌避剤は、主として、ゲル化剤としてカラギーナン1.8重量%程度に、非イオン界面活性剤1.0重量%程度、及び忌避成分であるメントングリセリンアセタールを5重量%程度を混合し、水で希釈してなる水ゲル状の忌避剤を、据え置き用容器内に収納してなる。
据え置き用容器には忌避成分を外部へ放出するための、蒸散用穴を有する。上記混合される成分については、粘度調整剤、離水防止剤、防腐剤、ゲル化促進剤等の添加剤を適宜加えることができる。
据え置き用容器の蒸散用穴から忌避成分が蒸散することで、周辺への食品害虫忌避を行う。
本実施例に係る水ゲルタイプ(A)の据え置き型忌避剤における忌避成分の含有重量比は、1.0重量%乃至10.0重量%程度とすると、忌避効果、低臭性、長期持続性のバランスが良く、食品害虫忌避剤として非常に好適である。忌避成分であるメントングリセリンアセタールの含有重量比率が、この範囲よりも低い重量比では、忌避剤としての効能が低減し、忌避剤として十分に機能し難くなる傾向にある。また、忌避効果の持続性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超える重量比では、メントングリセリンアセタール自体が低臭性であるものの、徐々に臭気が増加する傾向となり、好ましくない。
(2)水ゲルタイプ(B)の据え置き型忌避剤
本実施例に係る水ゲルタイプの据え置き型忌避剤は、主として、ゲル化剤である寒天2.0重量%程度に、非イオン界面活性剤1.0重量%程度、及び忌避成分であるメントングリセリンアセタールを5重量%程度を混合し、水で希釈してなる水ゲル状の忌避剤を、据え置き用容器内に収納してなる。
据え置き用容器は、忌避成分を外部へ放出するための、蒸散用穴を有する。上記混合される成分については、粘度調整剤、離水防止剤、防腐剤等の添加剤を適宜加えることができる。
上記水ゲルタイプ(A)の据え置き型忌避剤と同様に、据え置き用容器の蒸散用穴から忌避成分が蒸散することで、周辺への食品害虫忌避を行う。
本実施例に係る水ゲルタイプ(B)の据え置き型忌避剤における忌避成分の含有重量比は、1.0重量%乃至10.0重量%程度とすると、忌避効果、低臭性、長期持続性のバランスが良く、食品害虫忌避剤として非常に好適である。忌避成分であるメントングリセリンアセタールの含有重量比率が、この範囲よりも低い重量比では、忌避剤としての効能が低減し、忌避剤として十分に機能し難くなる傾向にある。また、忌避効果の持続性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超える重量比では、メントングリセリンアセタール自体が低臭性であるものの、徐々に臭気が増加する傾向となり好ましくない。
(3)UV硬化型樹脂タイプの据え置き型忌避剤
本実施例に係るUV硬化型樹脂タイプの据え置き型忌避剤は、2−ヒドロキシエチルメタクリエート55重量%、ポリエチレングリコール19重量%、澱粉20重量%、メントングリセリンアセタール5重量%、開始剤1重量%とし、UV照射にて硬化させた固形の忌避剤を、据え置き用容器内に収納してなる。本実施例においても、据え置き用容器には忌避成分を外部へ放出するための、蒸散用穴を有しており、該蒸散用穴から忌避成分が蒸散することで、周辺への食品害虫忌避を行う。
本実施例に係るUV硬化型樹脂タイプの据え置き型忌避剤における忌避成分の含有重量比は、1重量%乃至10重量%程度とすると、忌避効果、低臭性、長期持続性のバランスが良く、食品害虫忌避剤として非常に好適である。忌避成分であるメントングリセリンアセタールの含有重量比率が、この範囲よりも低い重量比では、忌避剤としての効能が低減し、忌避剤として十分に機能し難くなる傾向にある。また、忌避効果の持続性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超える重量比では、メントングリセリンアセタール自体が低臭性であるものの、徐々に臭気が増加する傾向となる。また、製剤面で不安定化する傾向があり、好ましくない。
本実施例では、UV硬化型樹脂を用いることによって、製造時に加熱処理を行う必要がないことから、加熱時の忌避成分の蒸散をなくすことで、忌避成分の保持状態を良好に保つことができる。また、本発明に係る食品害虫忌避剤は、分子量が大きいこともあり、通常蒸散性は高くないため、樹脂に練り込むことによって、多少のブルーミング(表面への忌避成分の析出)は起こすものの、全体として長期間にわたって表面にとどまることとなる。この点において、ブルーミングを起こすことが、むしろ忌避効果の高い状態を長期間保つことにつながり、より良好な結果を得ることができるとも考えられる。
また本発明は、メントングリセリンアセタールを含有する合成樹脂からなる薬剤を、蒸散用穴を有する据え置き用容器に収納してなる食品害虫忌避剤において、合成樹脂を特に上記UV硬化型樹脂に限定するものではない。例えば、忌避成分をマイクロカプセル化して忌避成分の蒸散を防止した上で、UV硬化型樹脂以外の樹脂に練り込み、加熱を行い、長期間使用可能な忌避剤とすることもできる。
更に、本発明は、メントングリセリンアセタールを含有する合成樹脂からなる固形の忌避剤を、そのまま食品害虫忌避剤とすることもできる。一例としては、前記UV硬化型樹脂タイプの据え置き型忌避剤で開示した固形の薬剤、即ち、2−ヒドロキシエチルメタクリエート55重量%、ポリエチレングリコール19重量%、澱粉20重量%、メントングリセリンアセタール5重量%、開始剤1重量%とし、UV照射にて硬化させた固形の忌避剤とすることができる。当該食品害虫忌避剤は、忌避成分であるメントングリセリンアセタールが蒸散することにより、忌避効果を発揮する。

Claims (9)

  1. メントングリセリンアセタールを忌避有効成分として0.38重量%〜15重量%含有する食品害虫忌避剤。
  2. 忌避対象となる食品害虫が、ゴキブリ、コクゾウムシ、カツオブシムシ、コクヌストモドキ、チャタテムシ、アリ、ナメクジの少なくともいずれか一種以上である請求項1記載の食品害虫忌避剤
  3. メントングリセリンアセタールを忌避有効成分として、該忌避成分の含有重量比が0.38重量%〜3.8重量%であることを特徴とする食品害虫忌避剤を含有する食品害虫忌避スプレー。
  4. メントングリセリンアセタールを忌避有効成分として、該忌避成分の含有重量比が1.0重量%〜5.0重量%であることを特徴とする食品害虫忌避コーティングワックス。
  5. メントングリセリンアセタールを忌避有効成分として、該忌避成分の含有重量比が5重量%乃至15重量%であることを特徴とする薬液を紙又は不織布の表面に対して塗布してなる食品害虫忌避シート材。
  6. 紙又は不織布の片面に接着層を形成してなる請求項5記載の食品害虫忌避シート材。
  7. メントングリセリンアセタールを忌避成分として、ゲル化剤と、非イオン界面活性剤とを含有する水ゲル状の薬剤とし、前記忌避成分の含有重量比が1.0重量%〜10.0重量%とし、前記水ゲル状の薬剤を蒸散用穴を有する据え置き用容器に収納してなる食品害虫忌避剤。
  8. メントングリセリンアセタールを忌避成分として、該忌避成分の含有重量比が1.0重量%〜10.0重量%とした合成樹脂からなる食品害虫忌避剤。
  9. 請求項8記載の食品害虫忌避剤を、蒸散用穴を有する据え置き用容器に収納してなる食品害虫忌避剤。
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