JPH09191715A - 移植機 - Google Patents

移植機

Info

Publication number
JPH09191715A
JPH09191715A JP2592796A JP2592796A JPH09191715A JP H09191715 A JPH09191715 A JP H09191715A JP 2592796 A JP2592796 A JP 2592796A JP 2592796 A JP2592796 A JP 2592796A JP H09191715 A JPH09191715 A JP H09191715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seedling
planting
transplanter
seedlings
raising tray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2592796A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hayashi
正大 林
Kesayoshi Yamaguchi
今朝義 山口
Takashi Kurumisawa
隆 胡桃沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KATAKURA KIKI KOGYO KK
KATAKURA MACHINE IND
Original Assignee
KATAKURA KIKI KOGYO KK
KATAKURA MACHINE IND
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KATAKURA KIKI KOGYO KK, KATAKURA MACHINE IND filed Critical KATAKURA KIKI KOGYO KK
Priority to JP2592796A priority Critical patent/JPH09191715A/ja
Publication of JPH09191715A publication Critical patent/JPH09191715A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transplanting Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】苗が損傷することが極めて少ない移
植機を開示する。 【課題の解決手段】自走車両上に、間欠横送りされる案
内テーブル2上に装着された育苗トレイ500から、苗
を放出するプッシュロッド100を備えた苗取出装置T
と、この苗の放出空間Kを挟んで設けた苗受け体5と苗
押え体3とにより放出苗を受け止めて上下から挟持し、
そのまま下方に回動して苗を植付装置Pの植付カップ4
0に渡す苗受け渡し装置Rを持つ移植機で、苗が受け渡
しされることにより、加わる衝撃力が小さくて済み、苗
の損傷が極めて少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の鉢孔(セ
ル)が一定間隔で配列するように形成されている育苗ト
レイによって生育させたセル成形苗を植え付けるのに適
した移植機に関するものである。
【0002】
【従来技術】本願出願人は、先に、特開平7−2552
85号公報において、育苗トレイから苗を取り出すに当
たって、根鉢の損傷が少ない育苗器具と、該育苗器具か
ら、苗を自動的に取り出す苗取出機構と、この苗取出機
構からの放出苗を受けて、圃場に植え付ける植付機構と
を開示した。
【0003】近年、農作業の分業化が進んで、花卉や野
菜の苗も、専業育苗業者により生産される割合が増えて
いる。従って、育苗器具の規格も、統一することによ
り、汎用性が計られつつある。このような育苗トレイ5
00の一例としては、図10に示すように、プラスチッ
クフィルム製で、テーパー面もしくは逆円錐面で囲まれ
た鉢孔(セル)501を、その上縁部502から水平方
向に延設した鉢周縁部503を介して碁盤の目のよう
に、多数のセルを等間隔で規則的に一体配設したものか
ら成る。504は、水抜き孔である。
【0004】本発明は、先に開示した植付機構とほぼ同
じ植付機構を持つ植付機において、この種の育苗トレイ
も、使用できるように、意図したものである。この種の
育苗トレイによって生育した苗600は、水抜き孔50
4から、プッシュロッドを挿入して、苗の根鉢部601
を押し出すことにより、取り出される。従って、苗は、
葉茎の部分が先になって放出されるので、植え付けされ
る過程において、葉茎が折損するなど、苗が傷み易い欠
点がある。又、根鉢の性状は、苗の種類や使用した培土
の性質、あるいは、根鉢の水分率によって、性状が様々
であるため、苗の取り出しから、植え付けに至る過程に
おいて、根鉢の損壊や土の移植機への付着等が生じやす
く、植付状態が揃わない欠点があった。
【0005】
【解決すべき課題】本発明の第1の目的は、育苗トレイ
によって育成されたセル成形苗を植え付けの過程におい
て、苗が損傷することが極めて少ない移植機を提供する
ことにある。本発明の第2の目的は、育苗トレイから放
出された苗を根鉢を損壊することなく、常に苗を一定の
姿勢で植付機構に供給することができる苗供給装置を開
示することにある。本発明の第3の目的は、複数条を同
時に植え付けることができるコンパクトな多条植え移植
機を開示することにある。
【0006】
【課題の解決手段】本発明の第一の要旨は、自走車両上
に、育苗トレイから苗を取り出すための苗取出装置と、
該苗取出装置により取り出された苗を植え付ける苗植付
装置とを備えた移植機において、苗取出装置が、前記自
走車両上において横方向に往復動自在に支持されると共
に育苗トレイを縦方向に移動自在に載置可能な案内テー
ブルと、自走車両の車体フレーム側に固着され該案内テ
ーブルを自走車両上横方向に所定のピッチ間隔で往復駆
動する間欠横送り手段と、前記案内テーブルの裏面側に
周回自在に付設され周回域が前記育苗トレイの移動域と
一部分重なるように設けられた1以上の送り爪付回動体
と該回動体を間欠駆動する間欠縦送り手段と、車体フレ
ームによって支持され前記案内テーブルに形成された開
口部を通して案内テーブルの裏側から育苗トレイ載置側
に出没するプッシュロッドとを備えていることを特徴と
する苗の移植機にある。
【0007】上記第一要旨に係る移植機は、横方向に移
動自在な案内テーブルに、育苗トレイを装着し、該トレ
イに形成されたセルのピッチ間隔等に合わせて、間欠横
送り手段によりピッチ送りすると共に、案内テーブルが
その移動域の両端に到達したときにおいて作動する間欠
縦送り手段が、送り爪付回動体をピッチ送りする。一方
プッシュロッドは、これらの育苗トレイの間欠移動に合
わせて、その休止期に往復動して、育苗トレイの水抜き
孔から苗を押し出して取り出す。間欠横送り手段として
は、台車を駆動する原動機からの出力を、公知の間欠回
転機構、例えば、部分欠歯ギアを原動ギアとし間欠回転
出力ギアに噛合させるギア列からなるトランスミッショ
ンによって、間欠回転に変えて、適宜な直動機構を介し
て間欠横送りする方法、流体圧シリンダとギアによる位
置決め手段との併用により間欠駆動する方法、或いは、
ステップモータと位置検出センサーとの組み合わせによ
る方法などを採用する事ができる。
【0008】案内テーブルと一体的に横送りされて移動
する間欠縦送り手段は、育苗トレイの横幅に対応する移
動域の両端において、送り爪付回動体(爪付円板或いは
爪付チェーンなど)をピッチ送りする。これも、ギア列
を用いたミッションによる駆動、或いは、ステップモー
タによる駆動など、任意の機構が採用できる。このよう
な間欠横送り手段と間欠縦送り手段とにより、育苗トレ
イは、そのセルのピッチ間隔に合わせて、横送りされ、
両端部において、1セル分だけ縦送りされる。一方、案
内テーブルの裏側(育苗トレイ載置側と反対側)に設け
られたプッシュロッドは、車体フレーム側に設けられて
いるので、育苗トレイのピッチ送りの休止期に往復動
し、育苗トレイの水抜き孔からセル成形苗を押し出す。
プッシュロッドは、植付装置の数に応じて、1枚のトレ
イに対して複数本同時駆動すれば、横送り方向の移動域
の長さを、該複数分の一に減少させることができる。し
たがって、植付幅及び植付装置の設置幅が許す限り、プ
ッシュロッドを多数設ければ、横幅の狭い小型の移植機
で多条植えが実現する。
【0009】本発明の第二の要旨は、上記第一要旨によ
って規定された移植機において、間欠縦送り手段が、育
苗トレイの案内テーブルに固設されると共に車体フレー
ムに横架された間欠回転軸に中空軸を介して遊嵌するこ
とにより該間欠回転軸に沿って往復移動する縦送りトラ
ンスミッションと、前記中空軸の両端に形成された係合
部と係脱自在で前記縦送りトランスミッションの往復動
域の両端付近において前記間欠回転軸と一体回転する係
合手段と、前記中空軸に前記係合手段を介して入力した
回転力を出力する縦送りトランスミッションの出力軸と
を備え、該出力軸を介して送り爪付回動体が間欠駆動さ
れるように構成されていることを特徴とする移植機にあ
る。
【0010】上記中空軸の両端に設けられた係合部と間
欠回転軸に設けられた係合手段は、例えば、一側に設け
られた突起と他側に設けられた凹部のように、係脱が容
易で、しかも、確実に回転力が伝達できれば、いかなる
構成でもよい。係合手段を間欠回転軸に対して、移動可
能に固定しておけば、間欠横送り手段の移動域の長さが
変更になっても容易に追随して設定変更ができる。間欠
縦送り手段は、案内テーブルと共に移動して、その折り
返し点においてのみ、間欠回転軸の係合手段に係合し、
縦送りトランスミッションの出力軸から、送り爪付回転
体を駆動する。
【0011】本発明の第三の要旨は、自走車両上に、育
苗トレイから苗を取り出すための苗取出装置と、該苗取
出装置により取り出された苗を植え付ける苗植付装置と
を備えた移植機において、苗取出装置が、育苗トレイの
裏面に当接及び離隔自在に臨ましめた位置決めリング
と、該位置決めリングの中心を貫通して往復動自在に設
けたプッシュロッドと、該位置決めリングとプッシュロ
ッドとを往復連動する駆動手段とから成る苗放出機構を
備えていることを特徴とする苗の移植機にある。
【0012】育苗トレイは、一般に、可撓性をもつプラ
スチックフィルム等によって構成されている。従って、
トレイの姿勢により、その重量に負けて、本来の位置か
ら若干ずれてしまい、苗を根鉢容器から押し出すプッシ
ュロッドが、水抜き孔から外れてしまう恐れがある。上
記苗放出機構は、まずトレイの裏面に往復動自在に臨ま
せた位置決めリングを、根鉢容器に当接することによ
り、位置決めし、次いで、該リング中心から突出するプ
ッシュロッドを、正確に水抜き孔に進入させて、確実
に、しかも根鉢を損ねずに、苗を放出する事ができる。
【0013】本発明の第四の要旨は、自走車両上に、育
苗トレイから苗を取り出す苗取出装置と、該苗取出装置
により取り出された苗を植え付ける苗植付装置とを備え
た移植機において、苗取出装置が育苗トレイの裏側から
表側へ向けて出入りして苗を放出するプッシュロッドを
備えており、該苗取出装置による苗放出域に臨んで、放
出苗を受け止める苗受け体を上下方向に回動自在に設け
て成る苗受け渡し装置を設け、該苗受け渡し装置を介し
て、放出された苗が苗植付装置に供給されるように構成
されていることを特徴とする苗の移植機にある。
【0014】こののような苗受け渡し装置としては、苗
取出装置による苗放出域を挟んで、該放出域の上方に苗
押え体を下方に苗受け体を、夫々、上下方向に回動自在
に臨ましめてあり、苗受取位置から苗落し位置までの所
定角度だけ回動自在な苗受け体を弾発的に前記苗受取位
置に向けて付勢すると共に、回動手段により下方に回動
せしめられる前記苗押え体が、前記苗受け体に当接して
押圧駆動し、該苗受け体を苗受取位置から苗落し位置に
回動するように構成したものを例示することができる。
【0015】苗受け渡し装置は、育苗トレイから放出さ
れたセル成形苗を一旦受け止めてから、植付装置へ根鉢
を下にして、根鉢を損壊することのないように、できる
だけそっと静かに渡す装置である。苗受け体は、その形
状にもよるが、もし皿状であるとすれば、苗受取位置に
おいては、ほぼ水平で、苗落し位置では、ほぼ垂直であ
ることが好ましい。水平の皿状苗受け体に落下した苗
は、下方に回動する苗押え体によって葉茎部を押えら
れ、苗受け体との間で挟持される。次に、苗押え体は、
苗受け体の反発力に抗して、苗を押えたままで、下方に
回動し、苗受け体が苗落し位置に到達したら、先ず、苗
の挟持を解除し、苗押え体が、反転して、苗の挟持を解
除し、元の位置に復帰する。苗が、植付装置に落下した
ら、次に苗受け体も元の位置に復帰する。苗押え体と苗
受け体とは、同一の回動中心の回りを回動するように設
定することにより、両者に挟持される苗が、その挟持面
により擦られて傷む虞れがなくなる。
【0016】上記において、苗押え体と苗受け体との復
帰動作のタイムラグは、苗の葉茎が根鉢の大きさに比べ
て短い場合は、長い場合に比べて短時間でよく、又、苗
が苗受け体上において保持される位置が、苗受け体の端
部に近いほど、短くてよい。苗挟持の解除手段として、
バネ等により苗受取位置に向けて付勢されている苗受け
体を苗落し位置において一時係止する係止手段と係止解
除手段とを設けるのが、好ましい。又、苗押え体の復帰
速度が、苗受け体の復帰速度より早くなるように、駆動
手段を設定してもよい。苗押え体を下方に向けて回動す
る駆動手段としては、電動モータと制御装置とセンサー
との組み合わせでもよいが、植付カップをリンク機構を
介して上下に駆動する駆動軸と一体回転するカムと、該
カムに係合する揺動レバーと、該揺動レバーと苗押え体
とを結ぶ動力伝達手段とによって構成することにより、
各動作のタイミングを合わせる制御装置も不要で、機構
も小型で済む。
【0017】係止手段としては、苗受け体若しくは該苗
受け体と一体回動する部材が、苗落し位置付近における
回動域に、係止部材を突出させて設けることにより係止
して復帰動作を阻止し、苗押え体の復帰動作に連動する
係止解除部材を、ラチェットやレバー等の係止部材に係
合させて、係止を解除する構成でもよい。上記受け渡し
装置は、苗取出装置から放出された苗を放出域の直近に
おいて、根鉢と葉茎部とを同時に受け止めて一旦静止さ
せ、次に、葉茎部を押えて、植付装置に根鉢を下にして
静かに落し込むことにより、苗に強い衝撃が加わること
がなく、葉茎の折損や根鉢の損壊が防止され、常に一定
の姿勢で植え穴に到達するので、活着率が極めて高く、
移植後の生育も良好になる。
【0018】本発明の第五の要旨は、自走車両上に、育
苗トレイから苗を取り出す苗取出装置と、該苗取出装置
により取り出された苗を植え付ける苗植付装置とを備え
た移植機において、苗植付装置が、苗受筒の下端に開閉
自在な嘴状穿孔器を有する植付カップと、該植付カップ
の上下駆動手段とから成り、穿孔器を構成する前爪と後
爪の内面に、可撓性素材からなる被覆カーテンが、吊り
下げ状態か、若しくは、穿孔器内面に当接離隔自在な状
態で、添設されていることを特徴とする苗の移植機あ
る。
【0019】苗の根鉢の状態は、使用する培土と水分と
植物の種類により、千差万別である。植付カップの穿孔
器内面には、根鉢からの土が堆積して、植付カップの機
能を阻害する虞れが多い。これを防止するのが、上記被
覆カーテンであって、穿孔器内面に当接及び離反自在な
状態に、添設することにより、土の滞留、付着現象が、
極度に抑制される。可撓性素材としては、プラスチック
フィルムやゴムシートなどが用いられるが、中でも、シ
リコンラバーシートやフッ素樹脂系のフィルム或いはフ
ッ素ゴムシートなどが、特に素材自体が、土や水分の付
着防止機能をもち、好適である。
【0020】本発明の第六の要旨は、自走車両上に、育
苗トレイから苗を取り出す苗取出装置と、該苗取出装置
により取り出された苗を植え付ける苗植付装置とを備え
た移植機を用いて、前記苗取出装置に備えられたプッシ
ュロッドにより、育苗トレイの裏側から突き出して育苗
トレイの表側に放出した苗を、苗受け体により受け止め
たのち、該苗を苗受け体と苗押え体とにより挟持して下
降させ、前記苗植付装置に放出して供給し、植え付ける
ことを特徴とする苗の移植方法にある。
【0021】前記第四要旨にかかる移植機の植え付け動
作は、上記第六要旨にかかる移植方法の一例である。こ
の移植方法は、育苗トレイから放出された苗を苗受け体
で受け止めてから、挟持して下降させてから、植付機構
に供給するので、直接苗が植付機構に落下供給されるの
に比べて、苗に加わる衝撃力は、ごく小さくなり、苗の
傷みが少ない。
【0022】
【発明の実施形態】図1〜9は、本発明に係る移植機の
一実施形態を示すものである。本願移植機には、電動モ
ータMによって駆動される自走車両上に、育苗トレイ5
00からセル成形苗を取り出す苗取出装置T、該装置T
により放出された苗の苗受け渡し装置R、及び、苗受け
渡し装置から落下する苗を圃場に植え付ける植付装置P
が設けられている。
【0023】自走車両は、バッテリーBを電源とする電
動モータMにより駆動される。モータMの出力は、チェ
ーン51を介して走行トランスミッション52に入力
し、該トランスミッション52の出力は、チェーン53
により、後輪61に伝えられる。モータMの出力軸は、
又、スプロケット及びチェーンを介して、停止位置決め
手段を備えたクラッチ55の入力軸57に設けられたス
プロケット57aに連結している。該クラッチ55の出
力軸56には、一対の原動スプロケットが固着されてお
り、その一方は、チェーン58を介して、車両前部に横
架した回転駆動軸60に、又、他方は、車両後部下方の
車体フレームに装着された横送りトランスミッション7
0の入力軸71に連結している。
【0024】クラッチ55に内蔵される停止位置決め手
段としては、例えば、出力軸と一体回転する位置決め車
と、該位置決め車の周縁部に係合可能な回り止爪との組
み合わせから成り、クラッチレバーの操作によって、回
り止爪が位置決め車に係合し、該位置決め車に形成した
位置決め凹部に該爪が嵌入すると共に動力伝達が遮断さ
れるTTCクラッチ機構など、公知の機構が採用されて
いる。これにより、クラッチ出力軸56は、常に所定の
位置で停止し、従ってまた、回転駆動軸60や、横送り
トランスミッションを介して駆動される後記の各装置
は、常にスタート位置で停止することができる。
【0025】苗植付装置Pは、苗の植付カップ40と該
植付カップ40の上下駆動機構とから成る。植付カップ
40は、略漏斗状の苗受筒40aと、該苗受筒の下端に
設けられ、嘴状をなす穿孔爪41とから成る。この植付
カップ40の取付縁40dに、一端で軸着する一対の揺
動アーム32、33は、平行リンクをなすように、連結
アーム31によって連結され、上側の揺動アーム32
は、車体フレームF1に支持された横軸30によって、
上下に揺動自在に軸支されている。該揺動アーム32の
他端は、コンロッド36を介して回転駆動軸60の端部
に設けられたクランクシャフト37に連結している。
【0026】下側の揺動アーム33には、側方にピン3
3aが設けられており、該ピン33aは、車体フレーム
2側に固設された板カム39に形成されているカム溝
39aに嵌入している。かくして、揺動アーム32、3
3とがなす平行リンクは、横軸30とカム溝39aとに
よって、その上下動作が規制される。該カム溝は、下端
において、ピンが車両の後方側への若干の移動を許容す
る略逆S字形になっているので、車両の進行に伴って、
植付カップが畝から離脱して上昇する際に、畝からの抵
抗力によって、図1で、ピン33aがカム溝の下部にお
いて右端に移動し、それに伴い、植付カップを後方に残
すようにして(換言すれば、植付カップを後方に移動さ
せながら)上昇するので、植付カップは、植え付けた苗
を、避けるように上昇し、上昇時に穿孔爪41によって
植え付けた苗を倒すおそれが、皆無になる。
【0027】45は、開爪ロッドで、コンロッド36の
延長された下端に、一端が枢支されており、他端は、穿
孔爪41を開く開爪レバー46aに連結されている。開
爪レバー46aは、後記する前爪41aの頂部に一端が
固着している。穿孔爪41は、前爪41aと後爪41b
とから成り、両者が接合すると円錐容器を形成する。両
爪41a,bは、その上部を閉塞する頂面の対称位置に
設けた固定支点42c,dで苗受筒40a側に回動可能
に、取付縁40d、40fを介して支持されている。
【0028】更に、両爪の接合部41cを挟んで、両爪
の頂面に設けた一対の移動支点42e,fには、等長の
閉爪レバー43a、bが枢支されており、両レバーの他
端は、山形をなして穿孔爪41の頂面よりやや上方にお
いて交差し、その交差部43cを軸支すると共に、該交
差部と苗受筒40aの上部側面との間に介装した引っ張
りバネ44により、該交差部43cを上方に付勢して成
るものである。そして、クランクシャフト37が、下死
点付近に達したときに、開爪ロッドが開爪レバー46a
を、時計方向に回動し、前爪と後爪は、引っ張りバネ4
4に抗して前後方向に開くことになる。
【0029】このような穿孔爪41の内面には、可撓性
シートから成る被覆カーテン50が、前、後爪41a,
bの上縁付近に鋲などの固定具51により、上端付近の
みが、固着されて、爪の内周面に沿って吊り下げた状態
で、添設されている。被覆カーテンは、爪の開閉時に振
動することにより、根鉢から付着した土を払い落とし、
爪内面に土が堆積するのを防止し、植付姿勢や、苗の落
下が阻害されるのを防ぐ働きをする。
【0030】47は、覆土器で、畝を挟む一対の平面視
V形の土寄せ片で植え付けた苗に両側から覆土する。こ
のような植付装置Pは、図2に示すように、揺動アーム
32、33を車幅方向に対をなすように並設して、回転
駆動軸の両端に設けたクランク軸の一方に接続されるこ
とにより、一体駆動できるように連結されており、夫々
の平行リンクに支持された一対の植付カップが同期して
上下動し、2条を同時に植え付ける。図2の平面説明図
は、このような植付装置を車幅方向に2組並設して、4
条の畝を同時に植え付けるようにした場合を省略図によ
って例示している。
【0031】苗取出装置Tは、育苗トレイ500の案内
テーブル2を有し、該テーブル2は、横断面が略弓形に
屈曲する板体の表側に、トレイ500の横幅に合わせ
て、縦方向にガイド片2a〜cを設けたものから成る。
このテーブル2は、該テーブル下端を裏側に向けて略水
平方向に若干幅だけ延設した延設端縁2dを、車体フレ
ームF4に立設したローラ23bで、該横溝2dを左右
方向に移動自在に支持すると共に、該案内テーブルの上
部裏面に横架した横棒2eを車体フレームF3上に突設
したローラ23aで同様に、移動自在に支持しているこ
とにより、進行方向に対して左右方向に移動自在となっ
ている。
【0032】該案内テーブル2の前記延設端縁2dに平
行に、円筒カム4が臨ましめてあり、該カム4のカム溝
に舟形滑り子等(図示せず)を介して嵌着する従動体4
aは、延設端縁2dに固着している。円筒カム4は、車
体フレーム側に装着された横送りトランスミッション7
0の間欠出力軸73に装着されて、一体回転自在に設け
られている。横送りトランスミッション70は、クラッ
チ出力軸56とチェーン59を介して連結して駆動され
る入力軸71の回転力を、内蔵する該軸71と一体回転
する欠歯歯車とギア列とを介して、間欠出力軸73、7
4a、74b及び間欠回転軸72によって間欠出力する
ギアボックスである。かくして、クラッチ出力軸56の
回転に伴って、案内テーブル2は、円筒カム4の間欠回
転に伴って、従動体4aが円筒カムの長さによって許容
された移動幅だけ、左右方向に間欠的に往復駆動され
る。
【0033】横送りトランスミッション70のもう一つ
の出力軸である間欠回転軸72は、案内テーブル2の後
部下方を横断するように、車体フレーム上に支持した回
転軸75に、スプロケット及びチェーンを介して連結
し、回転軸75を、間欠回転せしめる。一方、案内テー
ブル2の裏面には、縦送りトランスミッション80が固
設されている。このトランスミッション80の入力軸
は、中空軸81となっており、該トランスミッション8
0のギアケースから左右方向に突出して設けられてお
り、この中空軸81中に、前記回転軸75が、摺動自在
に遊嵌している。中空軸81の左右突出端には、U形の
切欠82aを適当数設けることにより、鋸歯状の係合部
82が形成されている。
【0034】縦送りトランスミッション80は案内テー
ブル側に保持されているので、中空軸81の両端の係合
部は、円筒カム4の従動体4aの往復動域に見合った距
離だけ、回転軸75に沿って、往復動する。回転軸75
には、この係合部82の移動域の両端付近に、係合部8
2と係脱自在な係合手段76が、軸75と一体回転可能
に設けられている。係合手段は、図4に示すように、中
空軸81に遊嵌可能な内径を備えた大径リング部76a
と回転軸75に嵌着可能な内径を有する小径リング部7
6bとを有し、小径リング部76bは、キー76cを介
して、回転軸75に嵌着している。大径リング部の内周
面には、切欠部82aに進入可能な太さの連結ピン76
d、…が、直径方向に突設されて成るものである。
【0035】係合部82が、大径リング部76aと回転
軸75との間の間隙に入り、切欠82aに連結ピン76
dが進入すると、回転軸75の間欠回転駆動力は、係合
手段76を介して、中空軸に伝達される。この回転力
は、縦送りトランスミッション80内のギア列を通して
間欠縦送り軸85の間欠回転駆動力として出力される。
この間欠縦送り軸85と一体回転する駆動スプロケット
86には、回動体としての無端チェーン90が、案内ス
プロケット91や、チェーンガイド(図示せず)によっ
て縦方向に周回可能に張設されている。チェーン90に
は、左右方向に、送り爪としての多数の送りピン92、
…が突設されている。このチェーン90の周回域の一部
は、案内テーブル2に、ガイド片2a〜cに沿って設け
た上下方向に細長い開口部2f、2f、…から、案内テ
ーブルの表側に突出するように設けられている。
【0036】上記において、係合手段76は、回転軸7
5上の所定位置に、キー76cにより一体回転可能に設
けた場合を例示したが、係合手段76を回転軸75に沿
って若干移動自在とし、係合手段76は、軸75に巻装
したコイルバネを介して位置決めすれば、係合部との係
脱動作が緩衝されて、より滑らかになる。育苗トレイ5
00は、案内テーブル2のガイド片2a〜c間に装着さ
れ、裏面の根鉢容器501、…間に、前記送りピン9
2、…が進入し、下方へ向けて、間欠送りする。このよ
うにして、育苗トレイは、案内テーブルと共に、横方向
に、根鉢容器の設置間隔に合わせて、ピッチ送りされた
後、間欠縦送り手段によって、下方に向けて、1ピッチ
だけ送られ、続いて、案内テーブルが今までと逆方向に
ピッチ送りされる。その間に後記するプッシュロッド1
00により、苗がトレイから放出される。この動作の繰
り返しにより案内テーブルに沿って下方に移動した育苗
トレイは、案内テーブル2の前部下端から、車両後方に
向けて延設した断面弓形の排出ガイド片2h上を開口部
を下に向けた状態で移動し、押し出される。
【0037】案内テーブルには、又、植付カップ40の
設置位置に合わせて、プッシュロッドが出入りするため
の開口部となる横長の窓開口2g、…が、設けられてい
る。この窓開口2gの夫々に向けて、その裏側から、往
復動自在に、プッシュロッド100の先端を臨ましめて
ある。プッシュロッド100は、セルの設置幅の整数倍
の間隔を隔ててコ字形に一体構成した一対のロッドが、
左右2基設けられており、車体フレーム側に固設された
摺動案内部101によって、先端が、案内テーブルの表
側に、突出できるように、移動自在に支持されている。
このプッシュロッドの対は、左右が交互に横送りトラン
スミッション70の間欠軸74a,bに連結するクラン
ク軸77、連接棒78等により、案内テーブル2と育苗
トレイ500とが、停止しているときに、タイミングを
合わせて往復動し、苗を苗放出空間Kに突き出して放出
する。
【0038】育苗トレイは、プラスチックフィルム製の
ものが大半であるため、装置の移動時の振動や苗の重量
により、案内テーブル上において、所定の姿勢を保てな
い場合が生じる。育苗トレイの変位は、プッシュロッド
の水抜き孔への正確な進入を妨げるので、これを是正す
る必要がある。このための装置が、図7に示す苗放出機
構である。該機構の構成は以下の通りである。車体フレ
ーム側に取付固定するための取付片150の垂直部15
0aに、一対の支持棒151がプッシュロッド100の
突出方向と平行に固設されている。
【0039】この支持棒の夫々に、リング保持管10
2、102が、摺動自在に外嵌している。リング保持管
102の垂直部150a側の端部は、支持棒を遊動自在
に貫通させる連結板151により連結固定されている。
そして、該連結板151と垂直部との間には、支持棒に
巻回されたコイルバネ105が介装されている。リング
保持管102の他側の端部は、同様に連結板103によ
り連結固定され、連結板103の両端には、中心にロッ
ド貫通孔101aが開口するカップ状の位置決めリング
101が、その開口を案内テーブル2に装着された育苗
トレイ500の裏面に向けて、固着されている。152
は、取付片150から、垂直部150aに平行に突出す
るストッパー片で、連結板103の移動域に存在し、位
置決めリング101の移動域のトレイ側の限度を規定す
る。
【0040】このような一対の位置決めリング101に
は、その中心軸と同心状に、プッシュロッド100、1
00の先端が、ロッド貫通孔101aを通して、挿入さ
れている。一対のプッシュロッドの基端は、リング保持
管102、102を移動自在に貫通させている連結片1
06により連結固定されており、該連結片のリング保持
管貫通部から連結板104側に一体的に、リング保持管
102、102に摺動自在に外接する摺動パイプ10
8、108が、延設されている。この摺動パイプ108
の連結板104側の端部に、リング保持管が貫通自在な
連結片107が連結している。この連結片107は、該
連結片に突設された押圧突子を介して連結板104に当
接している。78は、図1に示すように、横送りトラン
スミッション70の間欠回転力により往復動する連接棒
で、連結片106、107間に跨って固設されたスライ
ド板109に、軸着(110)されている。スライド板
109は、取付片150に設けた摺動案内部115(図
1)に沿って、往復案内される。
【0041】図7は、連接棒78が、出発位置にあり、
スライド板109(従って、プッシュロッド)は、最も
トレイ500から遠い位置にあり、連結板104を押圧
してコイルバネ105を圧縮した位置にある。案内テー
ブルの間欠移動が停止し、連接棒78がスライド板を駆
動すると、プッシュロッドは、育苗トレイにむかって接
近するが、同時に、連結板104も、押圧を解除され、
バネ圧により、追随して移動し、位置決めリング101
は、根鉢容器501に接近して該容器に当接する。該リ
ングの内径は、根鉢容器の下端である最小径部よりやや
大きく設定されおり、根鉢容器に外嵌する過程で、該容
器の姿勢を直し、水抜き孔をリング101の中心に位置
決めする。
【0042】位置決めリング101が根鉢容器に当接し
て停止した時点から、ロッド100の先端とリング10
1との相対位置が変化し、ロッド100は根鉢容器内に
進入して、苗をトレイから放出空間Kに離脱させる。次
ぎに、連接棒が復帰動作に移ると、まずロッド100
が、育苗トレイから引っ込み、押圧突子107aが連結
板104に当接する位置にくると、位置決めリング10
1と一緒に移動して、図7に示す元の位置に戻る。その
際、プッシュロッドの先端に付着した土は、ロッド貫通
孔の周縁部により、掻落されるので、ロッド先端に、団
子状に土塊が堆積付着することが防止できる。ロッドが
復帰するとトレイが1ピッチだけ、横方向に(トレイの
末端では縦方向に)移動する。例示した移植機において
は、このような苗放出機構が左右一対設けられており、
左右交互にタイミングをずらして上下動する植付カップ
40の動きに合わせて、交互に動作する。
【0043】このような苗取出装置のプッシュロッド1
00により、案内テーブル2の下部前方に放出される苗
を受け止め、植付カップ40に供給するのが、苗受け渡
し装置Rである。苗受け渡し装置Rは、プッシュロッド
100による苗の放出空間Kを挟んで、上方に苗押え体
3と苗受け体5が、設けられている。苗押え体3は、同
時に動作する植付カップの数に合わせて設けた苗押え片
3a、3aを両端に略水平に保持する支持ロッド3bを
備えている。この支持ロッド3bは、その中央部に、該
ロッド3bと直交するように一端で固着する略へ字形の
揺動片3cを介して、車体フレームに横架した水平軸4
の回りに揺動自在に取り付けられている。揺動片3cの
他端には、支持ロッド3bと平行で水平軸4に遊嵌可能
な中空管3dが揺動片3cと一体回動可能に貫通してい
る。
【0044】この中空管3dの両端には、コ字形のアン
ロック片3e、3eが、中空管3dと一体回動するよう
に形成されている。揺動片3cを、下方へ向けて回動す
る手段として、ワイヤー8の一端が連結している。該ワ
イヤー8の他端は、水平軸に設けたガイド8aを経て、
車両前部の揺動レバー7の上端に連結している。この揺
動レバー7の他端は、回転軸60と一体回転する駆動カ
ム6に係合している。揺動片3cをワイヤー8と反対の
方向に(即ち、上方に)回動させるための駆動手段とし
て、引っ張りバネ8bが、揺動片3cと車体フレームF
との間に張設されている。
【0045】一方、苗受け体5は、樋状の苗受け皿5a
と、この苗受け皿5aの裏面に固設されたパイプ5bと
から成り、該パイプ5bが、その一端を揺動片3cに設
けたアンロック片3eに隣接する状態で、水平軸4に遊
嵌することにより、水平軸4を回動中心として、回動自
在に支持されている。パイプ5bから水平軸4にかけ
て、コイルバネ5cが巻回されており、苗受け皿5a
は、苗受け位置(実施例においては、水平姿勢位置)に
向けてこのコイルバネ5cにより付勢されている。
【0046】このような構成から成る苗受け体5を、苗
落し位置において、暫時停止する係止手段が設けられて
いる。即ち、5eは、パイプ5bの中心軸と直交する方
向に、パイプ5bに突設した係合片で、その回動終端
(苗受け皿がほぼ垂直となる苗落し位置に対応する)付
近には、略V形の切欠6aを有するロック片6が、切欠
開部を係合片側に向けて揺動自在に設けられている。該
ロック片6は、車体フレームFに設けた突起6b,6b
によって規定される所定角度だけ、枢支部6cを中心に
揺動可能に設けられている。この枢支部6cを挟んで、
ロック片6上にピン6dが、車体フレーム上にはピン6
fが、夫々突設されており、両ピン間に、バネ6eが張
設されている。
【0047】この係止手段は、苗押え片3aによって、
下方に押されて、苗受け皿5aが、ほぼ垂直状態になる
位置(苗落し位置)まで回動すると、苗受け皿5aと連
動する係合片もほぼ垂直位置まで回動する。ここで、係
合片5eは、一点鎖線で示す位置にあるロック片6に当
接し、バネ6eに抗して、ロック片6を実線で示す位置
まで(即ち、バネ6eが、枢支部6cを跨いで上側に移
動する位置まで)回動する。この状態で、苗押え片が苗
受け皿5aから離れて、上方に向かって復帰動作に移っ
ても、コイルバネ5cが、パイプ5bを回動させる力よ
り、バネ6eの回動抑止力の方が勝るので、係合片5e
(従って、苗受け皿5a)は、そのままの状態を保つ。
【0048】苗押え片3が、引っ張りバネ8bにより、
元の位置に復帰する寸前において、コ字形をなして揺動
片3cと一体回動するアンロック片3eが、ロック片6
に、図9において、左方から衝突しバネ6fが、枢支部
6cの下側にくる位置に反転させる。これにより、係合
片5eは、ロック片から解放されて、コイルバネ5cの
復帰力により、元の苗受け位置に戻る。これにより、苗
の受け渡し動作の1サイクルが終了する。
【0049】案内テーブルとこれに臨ましめた苗放出機
構とにより、苗放出空間Kに葉の部分を先にして離脱し
た苗は、苗受け皿上に受け止められ、次いで、苗押え片
に挟持された苗は、根鉢を下にして回動し、垂直姿勢と
なる。このとき、植付カップは、上死点に到達するの
で、穿孔爪の底部と苗とは、極めて近接し(例えば数セ
ンチメートル)た状態となり、この位置で、苗は、静か
に放出され、爪内周面を滑って、穿孔爪底部に直立す
る。次いで植付カップが下降し、畝に突き刺さったとこ
ろで、開爪レバーが作動し、爪を前後方向に開いて、植
え孔を穿ち、苗が該孔に入って直立し、車体の進行に伴
い覆土器47が、土寄せして、植付が完了する。このよ
うに、本願移植機は、苗に加わる衝撃力が極めて小さい
ので、根鉢や茎葉の損傷を、小さくすることができる。
【0050】本願植付機は、後輪を上下方向に揺動自在
に支持する揺動フレームと該揺動フレームに一端で枢着
し他端が車体フレーム側に支持されている伸縮ロッドか
ら成る車高調節手段が設けられている。例えば、図3に
おいて、65は、一端が、走行トランスミッション52
の原動軸側に揺動自在に枢支され、他端が後輪61の車
軸を支持する、揺動フレームで、チェーン53と該チェ
ーンが巻掛けられたスプロケットのカバーを兼ねて、こ
れらを内包している。この揺動フレーム65の上縁に
は、上端に雌ネジ部が形成されているパイプ120が、
その下端において枢着している。該パイプ120の雌ネ
ジ部(図示せず)には、下半部に雄ネジが刻設された車
高調節ロッド121が螺合しており、該ロッド121
は、車体フレームに回動自在に支持されている。従っ
て、車高調節ロッド121の上端のハンドル122を回
動することにより、互いに螺合するパイプ120とロッ
ド121の全長を、伸縮させることができ、それによっ
て、後輪61は、車体フレームに対して上下動して、畝
の高さに応じて、植付装置の位置を調節できる。
【0051】
【効果】上記実施形態の説明では、苗植付カップの内周
面の構造や、苗放出機構などを、他の装置に関連して説
明したが、これらの装置は、これら関連する装置にかか
わりなく、他の装置においても、その趣旨に違背しない
範囲において、応用できるものである。本願移植機は、
左右間欠移動する案内テーブルに装着されたトレイが、
案内テーブルの折り返し点において縦送りされる機構に
より、例えば、2条植えの案内テーブルの横方向の必要
移動距離は、1条植えの案内テーブルの移動距離の1/
2で済み、実施形態に示したような4条植えのテーブル
移動量と2条植えの場合の移動量とを、同じにすること
ができるなど、多条植えの移植機を極めてコンパクトに
構成する事ができる。
【0052】従来の移植機は、苗の根鉢から離脱する土
の付着により、穿孔爪やプッシュロッドに土が堆積し、
植付状態が揃わず、生育にも影響を及ぼしたり、苗が抜
けなかったり、根鉢を損壊したりする不具合があった
が、本願においては、これらを未然に防止できる。ま
た、実施形態で示した装置は、苗取出装置や苗受け渡し
装置、苗植付装置の動作の連携が、カムやギア列等の機
械的な機構によりより、タイミング調整がなされている
ので、圃場などの気候条件の厳しい環境下でも頑丈で狂
いが無く、また、万一不具合が発生しても、容易に原因
が判明して、農作業に支障を来さない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願移植機の機構の概略を示す説明図である。
【図2】本願移植機の構成部材の配置を平面方向から見
た状態を示す説明図である。
【図3】本願移植機の外観の概略を示す斜視説明図であ
る。
【図4】本願移植機の間欠縦送り機構の要部を示す説明
図である。
【図5】本願移植機の植付カップの詳細を示す説明図で
ある。
【図6】本願移植機の植付カップの穿孔器内面の構成を
示す説明図である。
【図7】本願移植機の苗放出機構を示す部分断面説明図
である。
【図8】本願移植機の苗受け渡し装置を示す斜視説明図
である。
【図9】本願移植機の苗受け渡し装置における苗受け体
の係止及び係止解除機構の詳細を示す説明図である。
【図10】育苗トレイの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
T 苗取出装置 R 苗受け渡し装置 P 苗植付装置 K 苗放出空間 M モータ B バッテリー 2 案内テーブル 3 苗押え体 5 苗受け体 6 カム 7 揺動レバー 8 ワイヤー 10 苗放出機構 60 回転駆動軸 70 横送りトランスミッション 80 縦送りトランスミッション 100 プッシュロッド 500 育苗トレイ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自走車両上に、育苗トレイから苗を取り出
    すための苗取出装置と、該苗取出装置により取り出され
    た苗を植え付ける苗植付装置とを備えた移植機におい
    て、苗取出装置が、前記自走車両上において横方向に往
    復動自在に支持されると共に育苗トレイを縦方向に移動
    自在に載置可能な案内テーブルと、自走車両の車体フレ
    ーム側に固着され該案内テーブルを自走車両上横方向に
    所定のピッチ間隔で往復駆動する間欠横送り手段と、前
    記案内テーブルの裏面側に周回自在に付設され周回域が
    前記育苗トレイの移動域と一部分重なるように設けられ
    た1以上の送り爪付回動体と該回動体を間欠駆動する間
    欠縦送り手段と、車体フレームによって支持され前記案
    内テーブルに形成された開口部を通して案内テーブルの
    裏側から育苗トレイ載置側に出没するプッシュロッドと
    を備えていることを特徴とする苗の移植機。
  2. 【請求項2】間欠縦送り手段が、育苗トレイの案内テー
    ブルに固設されると共に車体フレームに横架された間欠
    回転軸に中空軸を介して遊嵌することにより該間欠回転
    軸に沿って往復移動する縦送りトランスミッションと、
    前記中空軸の両端に形成された係合部と係脱自在で前記
    縦送りトランスミッションの往復動域の両端付近におい
    て前記間欠回転軸と一体回転する係合手段と、前記中空
    軸に前記係合手段を介して入力した回転力を出力する縦
    送りトランスミッションの出力軸とを備え、該出力軸を
    介して送り爪付回動体が間欠駆動されるように構成され
    ていることを特徴とする請求項1の移植機。
  3. 【請求項3】自走車両上に、育苗トレイから苗を取り出
    すための苗取出装置と、該苗取出装置により取り出され
    た苗を植え付ける苗植付装置とを備えた移植機におい
    て、苗取出装置が、育苗トレイの裏面に当接及び離隔自
    在に臨ましめた位置決めリングと、該位置決めリングの
    中心を貫通して往復動自在に設けたプッシュロッドと、
    該位置決めリングとプッシュロッドとを往復動する駆動
    手段とから成る苗放出機構を備えていることを特徴とす
    る苗の移植機。
  4. 【請求項4】自走車両上に、育苗トレイから苗を取り出
    す苗取出装置と、該苗取出装置により取り出された苗を
    植え付ける苗植付装置とを備えた移植機において、苗取
    出装置が育苗トレイの裏側から表側へ向けて出入りして
    苗を放出するプッシュロッドを備えており、該苗取出装
    置による苗放出域に臨んで、放出苗を受け止める苗受け
    体を上下方向に回動自在に設けて成る苗受け渡し装置を
    設け、該苗受け渡し装置を介して、放出された苗が苗植
    付装置に供給されるように構成されていることを特徴と
    する苗の移植機。
  5. 【請求項5】苗受け渡し装置が、苗取出装置による苗放
    出域を挟んで、該放出域の上方に苗押え体を下方に苗受
    け体を、夫々、上下方向に回動自在に臨ましめてあり、
    苗受取位置から苗落し位置までの所定角度だけ回動自在
    な苗受け体を弾発的に前記苗受取位置に向けて付勢する
    と共に、回動手段により下方に回動せしめられる前記苗
    押え体が、前記苗受け体に当接して押圧駆動し、該苗受
    け体を苗受取位置から苗落し位置に回動するように構成
    したことを特徴とする請求項4に記載の移植機。
  6. 【請求項6】バネにより苗受取位置に向けて付勢されて
    いる苗受け体を、苗落し位置において係止する係止手段
    と、苗押え体の復帰動作に連動する係止解除手段とが設
    けられている請求項5記載の移植機。
  7. 【請求項7】苗押え体を下方に向けて回動する駆動手段
    が、植付装置を駆動する回転駆動軸と一体回転するカム
    と、該カムに係合する揺動レバーと、該揺動レバーと苗
    押え体とを結ぶ動力伝達手段とによって構成されている
    請求項5又は請求項6の何れかに記載の移植機。
  8. 【請求項8】自走車両上に、育苗トレイから苗を取り出
    す苗取出装置と、該苗取出装置により取り出された苗を
    植え付ける苗植付装置とを備えた移植機において、苗植
    付装置が、苗受筒の下端に開閉自在な嘴状穿孔器を有す
    る植付カップと、該植付カップの上下駆動手段とから成
    り、穿孔器を構成する前爪と後爪の内面に、可撓性素材
    からなる被覆カーテンが、吊り下げ状態で添設されてい
    ることを特徴とする苗の移植機。
JP2592796A 1996-01-19 1996-01-19 移植機 Pending JPH09191715A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2592796A JPH09191715A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 移植機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2592796A JPH09191715A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 移植機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09191715A true JPH09191715A (ja) 1997-07-29

Family

ID=12179418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2592796A Pending JPH09191715A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 移植機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09191715A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108076757A (zh) * 2018-02-14 2018-05-29 李志� 新型夹片式秧苗移栽机
CN109937661A (zh) * 2019-05-05 2019-06-28 山东华龙农业装备股份有限公司 自走式全自动钵苗移栽机
JP2024009694A (ja) * 2022-07-11 2024-01-23 株式会社アビリカ 挿し穂植栽システムおよび挿し穂植栽装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108076757A (zh) * 2018-02-14 2018-05-29 李志� 新型夹片式秧苗移栽机
CN108076757B (zh) * 2018-02-14 2023-10-13 李志� 夹片式秧苗移栽机
CN109937661A (zh) * 2019-05-05 2019-06-28 山东华龙农业装备股份有限公司 自走式全自动钵苗移栽机
CN109937661B (zh) * 2019-05-05 2023-09-19 山东华龙农业装备股份有限公司 自走式全自动钵苗移栽机
JP2024009694A (ja) * 2022-07-11 2024-01-23 株式会社アビリカ 挿し穂植栽システムおよび挿し穂植栽装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3142590U (ja) ニンニク等の球根植え付け装置
KR960002939B1 (ko) 야채이식기
JP3142588U (ja) ニンニク等の球根植え付け装置
JPH09191715A (ja) 移植機
JP5303775B2 (ja) ニンニク等の球根植え付け機
JPH10164916A (ja) 移植方法及び移植機
JP2008154533A (ja) 移植機の苗取り出し装置
JP5326487B2 (ja) ニンニク等の球根植え付け機
JPH069442B2 (ja) 苗植え付け装置
JP4168200B2 (ja) 苗移植機
JP3316642B2 (ja) 移植機の苗植付装置
JP4105116B2 (ja) 移植機
JP4381562B2 (ja) 苗移植機
JP2003000014A (ja) 移植機
JP3238593B2 (ja) 移植機の苗取出・供給方法及び装置
JPH01160417A (ja) 歩行型農作業機
JP3305908B2 (ja) 移植機の苗取出・供給方法及び装置
JP2003235311A (ja) 移植機における苗移植方法及び苗移植装置
JPH08214625A (ja) 移植機の苗分送装置
JPH09252614A (ja) 移植機の苗取出装置
JPH07121163B2 (ja) 移植機
JPH099743A (ja) 移植機の植付装置
JP2009284797A (ja) 苗移植機
JPH0742251Y2 (ja) 苗移植機におけるテープ状苗のカツト装置
JP2838681B2 (ja) 多条移植機