JPH09178963A - 光波長弁別回路およびその製造方法 - Google Patents

光波長弁別回路およびその製造方法

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JPH09178963A
JPH09178963A JP7339154A JP33915495A JPH09178963A JP H09178963 A JPH09178963 A JP H09178963A JP 7339154 A JP7339154 A JP 7339154A JP 33915495 A JP33915495 A JP 33915495A JP H09178963 A JPH09178963 A JP H09178963A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長多重光通信システムにおいて波長弁別後
の導波路伝搬損失が伝搬光波長に依らず小さい光波長弁
別回路を提供する。 【解決手段】 光波長弁別素子の後段、特に長波長側の
信号が出力される側の出力端の後段に直線形状の出力導
波路を付加し、一方短波長側の信号が出力される側の出
力端の後段には曲線形状の出力導波路を付加する。これ
により、出力光導波路の間隔を広げつつ、かつ長波長側
の信号が出力される側の出力光導波路での放射損失を防
止する。さらに、長波長信号側の出力導波路のコア層バ
ンドギャップ波長を他の領域のコア層バンドギャップ波
長よりも長くする。これにより、長波長信号側の出力導
波路においても水平方向の光閉じ込めを大きくでき、た
とえ長波長信号側の出力導波路を曲線導波路形状として
も放射損失を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重光通信シ
ステムにおいて重要なエレメントとなる光波長弁別回路
に関し、特に波長弁別後の導波路伝搬損失が伝搬光波長
に依らず小さい光波長弁別回路およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信システムの伝送容量拡大の
方法として、波長多重伝送方式が注目されている。この
ような波長多重光通信システムにおいては、伝送されて
きた波長多重化信号を空間的に分波する光波長弁別回路
が必要不可欠である。
【0003】光波長弁別回路の基本要素である光波長弁
別素子としては、完全結合長が波長により異なることを
利用した方向性結合器型のものや、アーム長の差は一定
でもこれによる光学的光路差は波長により異なることを
利用したマッハツェンダ型のもの、グレーティング導波
路を利用したものなどがある。
【0004】また、C.DragoneがIEEE P
HOTONIC TECHNOLOGY LETTER
S 1991年9月号(VOL.3,No.9,pp.
812−815)で示しているように、スターカップラ
と導波路グレーティングを組み合わせたタイプの光波長
弁別素子も提案されている。
【0005】しかしながら、いずれのタイプの光波長弁
別回路においても、波長分離した後にその出力光を空間
的に分離する際の導波路構成について十分には検討され
ておらず、長波長側の信号が出力側の曲線導波路で放射
して損失が大きくなるという問題があった。この様子
を、方向性結合器型光波長弁別回路の場合を例にとり、
図11を用いて説明する。
【0006】図11の方向性結合器型光波長弁別回路に
おいては、2本の直線光導波路が長さLに渡って近接し
て配置されており、この部分で光のカップリングが生じ
る。入射ポート101から波長λ1 の光が入力されたと
き、その波長での完全結合長l01が方向性結合器長Lに
等しければ、伝搬光は他方の導波路へとカップリング
し、出射ポート102bより出射する。
【0007】これに対して入射ポート101から波長λ2
の光が入力され、その波長での完全結合長l02が方向性
結合器長Lの1/2であれば、伝搬光は他方の導波路へ
とカップリングした後さらに入射側の導波路へと再度カ
ップリングし、出射ポート102aより出射する。ここ
で、一般にλ1 <λ2 である。この様子を図12(a)
に示す。
【0008】図12(a)には、一例として、λ1
1.3μm 、λ2 =1.55μm で、両者ともTE偏光
の場合を示している。図12(a)より判るように、l
01=L、l02=L/2に完全結合長を正確に制御出来れ
ば、低クロストークでの波長分離動作が可能である。
【0009】ところで、近接した2本の直線導波路より
なる方向性結合器部103の後段には、波長分離した信
号を空間的に分離するための曲線導波路120a、b
が、従来接続されている。このとき、λ1 =1.3μm
信号光については問題ないが、λ2 =1.55μm 信号
光に対してはこの曲線導波路部120aで大きな放射損
失が生じる。この様子を図12(b)に示す。
【0010】図12(b)においては、コア層の波長組
成が1.15μm の曲線導波路における、放射損失の曲
線導波路曲率半径依存性を、伝搬光波長1.3μm と
1.5μm の両者に対して示している。
【0011】ここで、コア層の組成波長を1.15μm
程度としたのは、λ1 =1.3μmおよびλ2 =1.5
5μm 信号光の両者に対して低吸収損失の導波路を形成
するためである。伝搬光波長1.3μm では、曲率半径
を2mm以上とすると放射損失が生じないのに対して、伝
搬光波長1.55μm では曲率半径を10mmとしてもま
だ放射損失が生じている。これは、1.15μm のコア
層組成波長では、1.3μm の伝搬光に対しては十分な
光閉じ込めが得られるのに対して、1.55μm 伝搬光
に対しては十分な光の閉じ込めが得られず、1.55μ
m 光に対する曲線導波路での放射損失が大きくなるため
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
光波長弁別回路の構成では、光波長弁別素子で波長分離
した後に出力信号光を空間的に分離する際、長波長側の
信号光が曲線導波路で放射して損失が大きくなるという
問題点があった。
【0013】本発明の目的は、光波長弁別素子で波長分
離した後に出力信号光を空間的に分離する際、長波長側
信号の放射による損失のない光波長弁別回路の構成を提
供すること、および組成の異なる導波路をモノリシック
集積化して長波長側信号の放射による損失を低減する方
法に対して、簡便で製作歩留りの良い光波長弁別素子の
製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述のような問題点を解
決するために、本発明においては、波長多重信号光が入
射される入力光導波路と、入力光導波路に接続され該波
長多重信号光を波長毎に分離する光波長弁別素子と、光
波長弁別素子に接続され光波長弁別素子によって分離さ
れた各波長信号光をさらに空間的に分離するための複数
の出力光導波路とよりなる光波長弁別回路であって、前
記出力光導波路のうちで長波長側信号光を出力するため
の出力光導波路は直線光導波路形状であり、短波長側信
号光を出力するための出力導波路は曲線光導波路形状で
あることを特徴とする光波長弁別回路の構成を採用し
た。
【0015】また、上述のような問題点を解決するため
に、本発明においては、波長多重信号光が入射される入
力光導波路と、入力光導波路に接続され該波長多重信号
光を波長毎に分離する光波長弁別素子と、光波長弁別素
子に接続され光波長弁別素子によって分離された各波長
信号光をさらに空間的に分離するための複数の出力光導
波路とよりなる光波長弁別回路であって、前記出力光導
波路のうちで長波長側信号光を出力するための出力光導
波路のコア層のバンドギャップ波長が、他の出力光導波
路や入力光導波路や光波長弁別素子部光導波路のコア層
バンドギャップ波長よりも長波長であることを特徴とす
る光波長弁別回路の構成を採用した。
【0016】さらに本発明の製造方法においては、上述
のような問題点を解決するために、半導体基板上に、空
隙部のパターンが入力光導波路、導波路型光波長弁別素
子および出力光導波路のコア層パターンに対応する選択
成長用誘電体マスクを形成する工程と、半導体バッファ
層、半導体コア層、半導体クラッド層を順次前記マスク
の空隙部に積層して、半導体コア層を含むメサ・ストラ
イプを、入力光導波路部、導波路型光波長弁別素子部お
よび出力光導波路部とで一括して形成する工程と、前記
選択成長用の誘電体マスクの空隙部の幅を広げる工程
と、該広げられた空隙部の上および前記半導体コア層を
含むメサ・ストライプの上に半導体埋め込み層を積層す
る工程と、前記誘電体マスクを除去する工程とを少なく
とも有し、前記出力光導波路で長波長側信号光を出力す
るための出力光導波路の誘電体マスク幅が他の領域の誘
電体マスク幅よりも広いことを特徴とする光波長弁別回
路の製造方法を採用した。
【0017】以下に本発明の作用を説明する。本発明に
おいては、図1に示すように、光波長弁別素子の後段に
おいて、長波長側の信号が出力される側の出力導波路を
直線形状とし、短波長側の信号が出力される側の出力導
波路のみを曲線形状として、波長分離された信号光を空
間的に分離する。これにより、長波長側の信号が曲線導
波路で放射して損失が大きくなるという問題が解消され
る。
【0018】また、本発明においては、図2に示すよう
に、光波長弁別素子の後段において、出力光導波路の組
成波長を伝搬光波長に従って変えている。すなわち長波
長側の信号が出力される側の出力導波路の組成波長を長
くして、長波長側の信号光に対する光閉じ込めを十分に
大きくする構造をも採用する。これにより、長波長側の
信号に対しても、曲線導波路での放射が抑制され、出力
導波路を空間的に分離する方法として曲線導波路を利用
できる。
【0019】なお、図2に示すように、組成波長の異な
る導波路を同一ウェハ上に実現することは、従来の製造
方法では非常に困難であった。そこで、本発明において
は、部分的に組成波長の異なる導波路構造を簡易に実現
する製造方法を提供する。
【0020】具体的に述べれば、本発明においては、1
対のストライプ状誘電体マスクの空隙部に選択的に結晶
成長を行うことにより、成長層の波長組成をマスク幅に
より制御できることを利用して、部分的に組成波長の異
なる導波路構造を1回の結晶成長で一括形成する。この
原理については、本発明者らによって、ELECTRO
NICS LETTERS誌VOL.28,No.2
(1992年1月16日号)第153ページから第15
4ページに記述されている。
【0021】図9に示すように、一対のストライプ状誘
電体マスク810にはさまれた幅数μm の空隙部に、有
機金属気相成長法(以下、MOVPE法と略す)を用い
てInGaAsPもしくはInGaAsを選択的に結晶
成長すると、成長層の波長組成がマスク幅により異な
る。選択的に結晶成長された層がInGaAsPバルク
層の場合の、マスク幅Wmと成長層の波長組成λgの関
係を図10(a)に示す。SiO2 マスクの幅Wmを広
くするにしたがって、Inの組成比が増加し、バルクI
nGaAsP層の組成成長は長くなる。
【0022】図10(a)より判るように、SiO2
スクの幅Wmを5μm から30μmへと変化させると、
組成波長を1.15μm から1.3μm へと変化させる
ことができる。このことは、同一ウェハ内でも、SiO
2 マスクの幅Wmの異なる領域を作っておきさえすれ
ば、組成波長の異なる領域を一回の選択成長で形成でき
ることを意味する。したがって、入射光波長1.3μm
および1.55μm の両者に対して透明な(低損失な)
組成波長1.15μm のコア層を有する領域と、入射光
波長1.55μm に対してのみ透明である組成波長1.
3μm のコア層を有する領域とを、一回の結晶成長で形
成することができる。
【0023】さらに、コア層を多重量子井戸(MQW)
構造とすると、マスクの幅Wmを広くするにしたがって
Inの組成比が増加する効果と、マスクの幅Wmを広く
するにしたがって成長速度が速くなる効果とが相乗的に
働き、図10(b)に示すように、成長層の組成波長の
マスク幅依存性はさらに増大する。MQW構造を用いれ
ば、同一ウェハ内で、その組成波長を1.15μm から
1.55μm に変化させることもできる。
【0024】このように本発明においては、入射する全
ての波長に対して透明な受動導波路と、長波長側信号に
対してのみ透明でかつ長波長側伝搬光に対して十分大き
な屈折率を有する導波路とを1回の結晶成長で一括形成
することができる。したがって、エッチングと結晶成長
を繰り返す製造方法に比べて工程数が少なく、遥かに簡
便で、製作歩留りがよい製造方法を本発明により提供す
ることができる。本発明の製造方法を用いれば、コア層
が連続であるため、組成波長の異なる導波路間の光結合
効率もほぼ100%とできるので、素子全体の損失が少
なく、また組成波長の異なる導波路間で発生する反射戻
り光が素子特性に影響を与える悪影響も小さくなる。
【0025】以上のように、本発明の製造方法を用いれ
ば、光波長弁別素子で波長分離した後に出力信号光を空
間的に分離する際、長波長側信号の放射による損失のな
い波長弁別回路の構成を提供することができる。さら
に、組成波長の異なる導波路をモノリシック集積化して
長波長側信号の放射による損失を低減する方法に対し
て、簡便で製作歩留りの良い製造方法を提供することが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1は本発明による
光波長弁別回路の一例として、InP系方向性結合器型
光波長弁別素子を基本要素とした半導体光波長弁別回路
の実施の形態を示す概略図である。
【0028】図1にその概略を示した第1の実施の形態
の半導体光波長弁別回路においては、方向性結合器型光
波長弁別素子部103の後段において長波長側(λ=
1.55μm 側)の信号が出力される側の出力導波路を
直線形状としている。一方、短波長側(λ=1.3μm
側)端の後段には、従来どおり曲線導波路部を含む出力
導波路120が形成され、光出力端においては長波長信
号側出力端102aと短波長側出力端102bが十分な
距離をおいて配置されている。
【0029】図1の構成の半導体光波長弁別回路の動作
について簡単に説明する。いま、入力光導波路101に
λ1 (=1.3μm )とλ2 (=1.55μm )の波長
の信号が多重化されて入射したとする。このとき、方向
性結合器部の長さLに対して、波長1.3μm に対する
完全結合長l1がLに等しく(l1 =L)、波長1.5
5μm に対する完全結合長l2がLの1/2(2×l2
=L)であれば、方向性結合器型光波長弁別素子部10
3により1.3μm 信号光は曲線出力光導波路120側
に、1.55μm 信号光は直線出力光導波路160側に
出力される。なお、コア層の組成波長はいずれの領域に
おいても1.15μm であり、1.3μm 信号光および
1.55μm 信号光のいずれに対しても吸収損失の小さ
い構成となっている。
【0030】図1に示した第1の実施の形態の半導体光
波長弁別回路においては、長波長側の信号が出力される
側の導波路160を直線形状としている。これにより、
たとえコア層の組成波長が1.15μm で波長1.55
μm の伝搬光に対する光閉じ込めが弱くても、出力導波
路部で放射損失が生じることはない。また、短波長側の
信号が出力される側の曲線出力光導波路の曲率半径は、
長波長信号光(1.55μm 信号光)に対しては放射損
失が生じるが短波長信号光(1.3μm 信号光)に対し
ては放射損失が生じない程度に小さくしておく。例えば
図12(b)の放射損失特性を有する場合には曲率半径
を3mmとする。このようにすることによって、短波長側
の信号が出力される側(出力端102b側)へのクロス
トーク成分(長波長信号成分)が放射により除去され、
クロストークが低減される。
【0031】なお、本実施の形態においては、入射光導
波路101も直線形状としている。入射光導波路には必
然的に長波長側の信号光も入射するが、このように入射
光導波路も直線形状とすることで入射側での放射損失を
防止できる。
【0032】以上のように第1の実施の形態において
は、長波長側の信号が出力される側の出力光導波路16
0を直線形状とすることにより、方向性結合器型光波長
弁別素子部の出力光のうち、長波長側の信号が曲線導波
路で放射される問題を簡単な回路構成の変更によって抑
制するものである。しかも、短波長側出力光導波路への
長波長信号の混入(クロストーク)も抑制される。した
がって、本発明によれば、導波路伝搬損失が伝搬光波長
に依らず小さく、クロストーク特性にも優れた半導体光
波長弁別回路を、簡便な製造方法で、かつ良好な製作歩
留りで実現できる。
【0033】(第2の実施の形態)図2、図3、図4、
図5および図6には、本発明による半導体光波長弁別回
路の第2の実施の形態を示す。図2はInP系方向性結
合器型光波長弁別素子を基本要素とした半導体光波長弁
別回路の第2の実施の形態の構成の概略を示す図、図3
は本実施の形態の具体的構成を示す斜視図、図4は図3
に示した半導体光波長弁別回路のコア層を選択成長によ
り一括形成する際の誘電体マスクパターンの上面図、図
5(a)、(b)、(c)は図3におけるA−A′、B
−B′、C−C′断面がそれぞれ示されている。また、
図6は本実施の形態の製造方法を示す図である。
【0034】図2より判るように、本実施の形態におい
ては第1の実施の形態の場合とは異なり、方向性結合器
型光波長弁別素子の後段の出力光導波路は、いずれも曲
線導波路である。しかしながら、図2にその概略を示し
た本実施の形態においては、方向性結合器部103の後
段、特に長波長側(1.55μm 側)の信号が出力され
る側には、コア層の組成波長が1.3μm と他の領域よ
りもバンドギャップ波長の長い導波路が接続されてい
る。
【0035】すなわち、入力光導波路101、方向性結
合器部103の光導波路および方向性結合器部103の
後段で短波長側(1.3μm 側)の信号が出力される側
の出力光導波路102のいずれにおいてもコア層の組成
波長は1.15μm であるのに対して、長波長側(1.
55μm 側)の信号が出力される側の出力導波路210
のみ、そのコア層の組成波長を1.3μm と他の領域よ
りも長くしている。
【0036】図2の構成の半導体光波長弁別回路の動作
について簡単に説明する。いま、入力光導波路101に
λ1(=1.3μm )とλ2(=1.55μm )の波長
の信号が多重化されて入射したとする。このとき、方向
性結合器部の長さLに対して、波長1.3μm に対する
完全結合長l1 がLに等しく(l1 =L)、波長1.5
5μm に対する完全結合長l2 がLの1/2(2×l2
=L)であれば、方向性結合器型光波長弁別素子部10
3により1.3μm 信号光は曲線出力光導波路120側
に、1.55μm 信号光はλg=1.3μm 光導波路2
10側に出力される。
【0037】なお、コア層の組成波長は、λg=1.3
μm 光導波路210を除いて、いずれの領域においても
1.15μm であり、1.3μm 信号光および1.55
μm信号光のいずれに対しても吸収損失の小さい構成と
なっている。
【0038】図2に示した第2の実施の形態の半導体光
波長弁別回路においては、長波長側の信号が出力される
側の導波路210のコア層組成波長を1.3μm と長く
している。これにより、波長1.55μm の伝搬光に対
しても光の閉じ込めが強くなり、出力導波路部で放射損
失が生じることはない。したがって、図1に示した第1
の実施の形態とは異なり長波長側の信号が出力される側
の導波路を曲線形状としても、放射損失の問題は抑制さ
れる。
【0039】ここで、入力光導波路101および方向性
結合器部103においては、長波長光信号と短波長光信
号の両者が伝搬するので、そのコア層組成波長は短波長
光信号に対して吸収損失を生じないように短波長である
必要がある。例えばこの例では、入射光導波路101お
よび方向性結合器部103のコア層組成波長は短波側の
1.3μm 光信号に対しても吸収損失を生じないように
1.15μm に設定されている。
【0040】一方、方向性結合器部の後段の出力光導波
路においては、各々の出力導波路には波長弁別された後
の光信号が伝搬する。したがって、長波長光信号が伝搬
する側の出力光導波路(この例ではλg=1.3μm 光
導波路210)においては、短波長光信号はクロストー
クでしかなく、この短波長光信号を低吸収損失で伝搬さ
せる必要はもはやない。よって、長波長光信号が伝搬す
る側の出力光導波路の組成波長を長波長化して光の閉じ
込めを強化し、放射損失を抑制しても、長波長信号光に
対して吸収損失の増加が生じない組成波長である限り何
ら問題はない。
【0041】なお、短波長側の信号が出力される側の曲
線出力光導波路120の曲率半径を、長波長信号光
(1.55μm 信号光)に対しては放射損失が生じるが
短波長信号光(1.3μm 信号光)に対しては放射損失
が生じない程度に小さくしておくと、短波長側の信号が
出力される側(出力端102b側)へのクロストーク成
分(長波長信号成分)が放射により除去され、クロスト
ークが低減されるのは第1の実施の形態と同様である。
【0042】さらに、第2の実施の形態においては、長
波長側の信号が出力される側(出力端102a側)への
クロストーク成分(短波長信号成分)も吸収により除去
されクロストークが低減されるという、第1の実施の形
態には無い効果も有する。
【0043】すなわち、第2の実施の形態においては長
波長側の信号が出力される側の導波路のコア層組成波長
を1.3μm と、1.55μm 伝搬光に対しては吸収を
生じず伝搬損失が小さいが1.3μm 伝搬光に対しては
大きな吸収損失を生じる組成波長としている。したがっ
て、長波長側の信号が出力される側(出力端102a
側)への短波長クロストーク成分は吸収により除去され
クロストークが低減される。
【0044】なお、第2の実施の形態においては、第1
の実施の形態同様、入射光導波路101も直線形状とし
ている。入射光導波路には必然的に長波長側の信号光も
入射するが、このように入射光導波路も直線形状とする
ことで入射側での放射損失を防止できる。
【0045】図3に、図2に概略を示した半導体光波長
弁別回路の具体的な構成の斜視図を示す。バルクInG
aAsP305をコア層とし、このコア層をInPクラ
ッド層ではさんだダブルヘテロ・メサ302がInP基
板100上に形成され、このダブルヘテロ・メサをIn
P埋め込み層301で埋め込むことにより光導波路が形
成されている。
【0046】入力光導波路101部は1本の導波路で形
成されているが(図5(a)のA−A′断面図を参
照)、方向性結合器部103においては2本の導波路が
光学的なカップリングが生じるまでに近接して配置され
ている(図5(b)のB−B′断面図を参照)。方向性
結合器103の出力は再び2本の独立した導波路とな
る。
【0047】なお、ここで入力光導波路101、方向性
結合器部103の光導波路とも、入射光波長λ1 (=
1.3μm )、λ2 (=1.55μm )の両者に対して
透明になるように、コア層の波長組成は1.15μm に
設定されている。
【0048】一方、方向性結合器部103の後段は、短
波長側の信号が出力される出力光導波路120のコア層
組成波長は同様に1.15μm であるのに対して、長波
長側の信号が出力される側、即ちλg=1.3μm 光導
波路210側は組成波長1.3μm のバルクInGaA
sPでコア層が形成されている。
【0049】このように、長波長側の信号が出力される
側の出力光導波路の組成波長を1.3μm とすることに
より、前述のように、長波長信号光に対する放射損失を
低減できる。
【0050】以下に、図3に示された第2の実施の形態
の光波長弁別回路の製造方法について、図4、図6およ
び図7を用いて説明する。なお、図6(b−1)、(b
−2)、(b−3)、(b−4)には図3に示したB−
B′断面を、図7(c−1)、(c−2)、(c−
3)、(c−4)には図3に示したC−C′断面を示し
ている。すなわち図6においては、(b−1)、(b−
2)、(b−3)、(b−4)では方向性結合器部10
3の断面構造が、図7(c−1)、(c−2)、(c−
3)、(c−4)ではλg=1.3μm 光導波路210
および出力光導波路120の断面構造が示されている。
【0051】まず、(100)面方位のn−InP基板
100上に、選択成長を行うためのSiO2 マスクを図
4のように形成する。ここで図4のSiO2 マスクのパ
ターン図は、ウェハを上から見た形状を示している。図
4において、斜線で示した部分がストライプ状のSiO
2 がパターニング後に残った部分であり、一対のSiO
2 ストライプマスクにはさまれた空隙部400にコア層
を含む半導体メサが結晶成長される。なお、SiO2
スク・パターンの方向は、ストライプの長手方向が[0
11]方向となるように選ぶ。
【0052】図4に示したSiO2 マスク・パターンを
形成した後のウェハの断面形状を図6(b−1)、図7
(c−1)に示す。図4および図6(b−1)、図7
(c−1)から判るように、長波長側出力光導波路部S
iO2 マスク410の幅は、方向性結合器部SiO2
スク403や短波長側出力光導波路部SiO2 マスク4
20の幅に比べて広い。λg=1.3μm 光導波路部2
10以外の部分ではマスク幅が5μm であるのに対し
て、λg=1.3μm 光導波路部210のマスク幅は3
0μm とした。
【0053】なお、一対のストライプ状SiO2 マスク
にはさまれた空隙部の幅は、いずれの領域においても
1.5μm である。また、図3における入力光導波路部
101の長さは500μm 、出力光導波路部102a、
bの長さは700μm 、出力光導波路部102a、10
2bにおける2本の導波路の間隔は250μm 、方向性
結合器部103の導波路が近接して設置された部分の長
さは1000μm とし、方向性結合器部103の出力光
導波路102a、102bを接続する曲線導波路の曲率
半径は3mmとした。
【0054】次に、図4に示したSiO2 パターンを選
択成長用のマスクとして、図6(b−2)および図7
(c−2)に示すように、InGaAsPコア層を含む
ダブルヘテロ・メサ601、602、603を、MOV
PEによる選択成長によってSiO2 マスクの空隙部に
一括形成する。具体的には、InPバッファ層を200
0オングストローム、InGaAsPコア層を4000
オングストローム、InPクラッド層を2000オング
ストローム順次積層する。
【0055】なお、上記の各層の厚さは、マスク幅の広
いλg=1.3μm 光導波路部210での設定値であ
り、それよりもマスク幅の狭い他の領域においてはコア
層の厚さは減少し約2000オングストロームとなる。
このとき、選択成長用マスクの幅が30μm と広いλg
=1.3μm 光導波路部210でコア層の組成波長が
1.30μm となるように結晶成長条件を設定しておく
と、マスク幅が5μm と狭い他の領域においてはコア層
の組成波長は1.15μm 近傍となる。このように、選
択MOVPE成長により、バンドギャップ波長の異なる
領域を一回の結晶成長で形成する。
【0056】選択MOVPE成長により各領域にダブル
ヘテロ・メサを一括形成した後、図6(b−3)、図7
(c−3)に示すように、ダブルヘテロ・メサ脇のSi
2マスクを2μm 幅ずつエッチングにより除去し、S
iO2 マスクのない空隙部を再度形成する。なお、方向
性結合器部103においては、図6(b−3)に示すよ
うに、2つのダブルヘテロ・メサ601の間の部分のS
iO2 マスクは全て除去する。
【0057】その後、図6(b−4)、図7(c−4)
に示すように、この空隙部にInP埋め込み層604、
605、606をやはり選択MOVPE成長により形成
する。InP埋め込み層604、605、606のメサ
高さは約2μm である。最後に、SiO2 マスクをエッ
チングにより除去した後、InP基板100側の研磨、
劈開による素子端面の形成、端面への無反射コーティン
グ膜の形成を行い、図3に示した素子の製作を完了す
る。
【0058】本発明においては、方向性結合器部103
の後段の長波長側の信号が出力される側に、コア層の組
成波長が1.3μm と他の領域のコア層よりも組成波長
が長い光導波路210が接続されている。すなわち他の
領域のコア層組成波長が1.15μm であるのに対し
て、λg=1.3μm 光導波路210部においてはコア
層組成波長を1.3μm としているが、このλg=1.
3μm のコア層をも選択MOVPE成長により、他の
1.15μm 組成のコア層と一括形成する。
【0059】このため、バンドギャップ波長の異なる領
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。したがって、素
子の製造歩留りも大幅に向上する。しかも、本製造方法
により半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合
器部103とλg=1.3μm 光導波路210部との接
続部でコアは連続となり、両者の間でほぼ100%の結
合効率が得られる。したがって、接続部の損失が生じず
素子全体の伝搬損失が小さいばかりでなく、接続部で不
要な反射戻り光が発生することによる悪影響も低減でき
る。
【0060】以上の第2の実施の形態によれば、長波長
側の信号が出力される側の出力導波路のコア層組成波長
を長くすることによって曲線導波路での放射損失が低減
された半導体光波長弁別回路を、簡便な製造方法で、か
つ良好な製作歩留り、で実現できる。さらに、前述のよ
うに、長波長信号が出力される側においても、短波長信
号が出力される側においてもクロストーク特性が改善さ
れるという特徴をも有する。
【0061】次に本発明による半導体光波長弁別回路の
第3の実施の形態を示す。図8に示した第3の実施の形
態においては、前述の図1に示した第1の実施の形態と
同様に、長波長側の信号が出力される側の出力導波路を
直線形状とすることによって放射損失が防止され、かつ
長波長側の信号が出力される側の出力導波路の組成波長
を長くしてクロストーク特性が改善された半導体光波長
弁別回路を提供する。
【0062】第3の実施の形態においては、長波長側の
信号が出力される側の出力導波路のコア層組成波長を長
くすることに加えて、この出力導波路の形状を、第2の
実施の形態の場合とは異なり直線形状とする。図8にそ
の概略を示した実施の形態においては、方向性結合器部
103の後段、特に長波長側(1.55μm 側)の信号
が出力される側には、コア層の組成波長が1.3μm と
他の領域よりもバンドギャップ波長の長い直線光導波路
710が接続されている。
【0063】すなわち、入力光導波路101、方向性結
合器部103の光導波路および方向性結合器部103の
後段で短波長側(1.3μm 側)の信号が出力される側
の曲線出力光導波路120のいずれにおいてもコア層の
組成波長は1.15μm であるのに対して、長波長側
(1.55μm 側)の信号が出力される側の出力導波路
710のみ、そのコア層の組成波長を1.3μm と他の
領域よりも長くしている。しかも、実施の形態において
は、長波長側(1.55μm 側)の信号が出力される側
の出力導波路710を直線形状としている。
【0064】したがって、長波長側(1.55μm 側)
の信号が出力される側の出力導波路で放射損失は生じな
い。さらに、長波長側(1.55μm 側)の信号が出力
される側の出力導波路710のコア層の組成波長が1.
3μm であるので、波長1.3μm の短波長クロストー
ク信号は吸収され、前述の第2の実施の形態と同様に、
クロストーク特性が改善される。
【0065】なお、短波長側の信号が出力される側の曲
線出力光導波路120の曲率半径を、長波長信号光
(1.55μm 信号光)に対しては放射損失が生じるが
短波長信号光(1.3μm 信号光)に対しては放射損失
が生じない程度に小さくしておくと、短波長側の信号が
出力される側(出力端102b側)へのクロストーク成
分(長波長信号成分)が放射により除去される。したが
って、実施の形態の構成においても第2の実施の形態同
様、長波長側出力導波路と短波長側出力導波路のいずれ
においてもクロストークが低減される。
【0066】また、第3の実施の形態においても、第
1、第2の実施の形態同様、入射光導波路101も直線
形状としている。入射光導波路には必然的に長波長側の
信号光も入射するが、このように入射光導波路も直線形
状とすることで入射側での放射損失を防止している。
【0067】図8に示した第3の実施の形態の具体的な
構造は、前述の第2の実施の形態の具体的構造を示す図
である図3において、λg=1.3μm 光導波路の形状
が曲線導波路形状から直線導波路形状に変わるだけであ
るので、省略する。また、第3の実施の形態の製造方法
も、ダブルヘテロ構造を選択成長する際のSiO2 マス
クの形状が長波長側(1.55μm 側)の信号を出力す
る側の出力導波路で異なることを除いて、第2の実施の
形態の場合とほとんど同じであるので省略する。
【0068】第3の実施の形態においては、方向性結合
器部103の後段の長波長側の信号が出力される側に、
コア層の組成波長が1.3μm と他の領域のコア層より
も組成波長が長い直線形状の光導波路710が接続され
ている。
【0069】すなわち他の領域のコア層組成波長が1.
15μm であるのに対して、λg=1.3μm 光導波路
710部においてはコア層組成波長を1.3μm として
いるが、このλg=1.3μm のコア層をも選択MOV
PE成長により、他の1.15μm 組成のコア層と一括
形成する。このため、バンドギャップ波長の異なる領域
をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要がな
く、製造工程が大幅に簡略化される。したがって、素子
の製造歩留りも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
部103とλg=1.3μm 光導波路210部との接続
部でコアは連続となり、両者の間でほぼ100%の結合
効率が得られる。したがって、接続部の損失が生じず素
子全体の伝搬損失が小さいばかりでなく、接続部で不要
な反射戻り光が発生することによる悪影響も低減でき
る。以上のように本発明の第3の実施の形態によれば、
長波長側の信号が出力される側の出力導波路の組成波長
を長くしかつ直線形状とすることにより、放射損失がな
くクロストーク特性の良好な半導体光波長弁別回路を、
簡便な製造方法で、かつ良好な製作歩留りで実現でき
る。
【0070】以上、説明してきた本発明の各実施の形態
はこれに限定されるものではなく、他の種々の実施の形
態にも用いることができる。またInP系の方向性結合
器型光波長弁別素子を基本構成要素とした半導体光波長
弁別回路の場合のみを示したが、InAlAs系などの
他の材料系に対しても本発明は有効である。なお、第1
の実施の形態に示した構成は、他の半導体材料ばかりで
なく、LiNbO3 やSiO2 系の光導波路にも適用で
きる。
【0071】また、基本となる光波長弁別素子の回路方
式としても、方向性結合器型に限る必要はなく、マッハ
・ツェンダ型やグレーティング導波路型、スターカップ
ラと導波路グレーティングを組み合わせたタイプ等、あ
らゆる種類の導波型光波長弁別素子に対して、本発明は
適用可能である。
【0072】実施の形態においては、簡単のために、出
力導波路が2本の場合、すなわち波長多重数が2の場合
のみについて述べたが、出力導波路の数はこれに限るも
のではなく、さらに多数でもよい。その場合は、各々の
出力光導波路のコア層組成波長を、それぞれの光導波路
において放射損失が生じないように調整すればよい。そ
のようにバンドギャップ波長の異なる多数の領域も、本
発明の製造方法を用いれば、選択成長用のSiO2 マス
クの幅を変えるだけで容易に形成できる。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、長
波長側の信号に対しても放射損失を生じさせない出力導
波路が集積化された半導体光波長弁別回路の構成を提供
できる。
【0074】さらに、長波長側出力導波路のコア層の組
成波長を他の領域のコア層よりも長くして放射損失とク
ロストークを低減する構成の半導体光波長弁別回路にお
いては、組成波長の長い出力導波路領域と組成波長の短
い他の領域とを、選択MOVPE成長により一括形成す
る。
【0075】このため、バンドギャップ波長の異なる領
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。したがって、放
射損失が低減されかつクロストーク特性が改善された光
波長弁別回路を、簡便な製造方法で、かつ良好な製作歩
留りで実現できる。
【0076】しかも、本製造方法により半導体光波長弁
別回路を製作すると、方向性結合器部と長波長信号側出
力光導波路との接続部でコア層は連続となり、接続部で
ほぼ100%の結合効率が得られる。したがって、接続
部の損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さいばかりで
なく、接続部で不要な反射戻り光が発生することによる
悪影響も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である方向性結合器
型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁
別回路の概略を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である方向性結合器
型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁
別回路の概略を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である半導体光波長
弁別回路の構造を示す斜視図である。
【図4】図3にその構造を示した第2の実施の形態であ
る方向性結合器型光波長弁別素子を基本構成要素とする
半導体光波長弁別回路を製作する際の、選択成長マスク
の形状を示す上面図である。
【図5】図3に示した第1の実施の形態である方向性結
合器型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波
長弁別回路の構造を示すための断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態である方向性結合器
型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁
別回路の製造工程を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態である方向性結合器
型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁
別回路の製造工程を示す図である。
【図8】本発明による半導体光波長弁別回路の第3の実
施の形態である、方向性結合器型光波長弁別回路の構造
を示す概略図である。
【図9】選択MOVPE成長によるバンドギャップ・エ
ネルギ制御の原理を説明するための図である。
【図10】選択的に結晶成長された層がInGaAsP
バルク層の場合のマスク幅Wmと成長層の波長組成λg
の関係を示す図である。
【図11】方向性結合器型光波長弁別素子の動作原理を
説明するための従来構造の方向性結合器の構成を示す図
である。
【図12】方向性結合器における導波路の距離と出力導
波路の光出力の関係および曲線導波路部曲率半径と放射
損失の関係を示す図である。
【符号の説明】
100 InP基板 101 入力光導波路 102a、b 出力光導波路 103 方向性結合器部 120、120a、b、c、d 曲線出力光導波路部 130 入力光導波路部 140 方向性結合器型光波長弁別素子部 150 出力光導波路部 160 直線出力光導波路部 210 λg=1.3μm 光導波路 301 InP埋め込み層 302 ダブルヘテロ・メサ 305 InGaAsPコア層 400 空隙部 401 入力光導波路部SiO2 マスク 403 方向性結合器部SiO2 マスク 410 長波長側出力光導波路部SiO2 マスク 420 短波長側出力光導波路部SiO2 マスク 601 方向性結合器部ダブルヘテロ・メサ 602 長波長側出力光導波路部ダブルヘテロ・メサ 603 短波長側出力光導波路部ダブルヘテロ・メサ 604 方向性結合器部埋め込み層 605 長波長側出力光導波路部埋め込み層 606 短波長側出力光導波路部埋め込み層 710 λg=1.3μm 光導波路 810 SiO2 マスク 811 選択成長メサ 812 コア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 達也 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 竹内 剛 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長多重光信号が入射される入力光導波路
    と、入力光導波路に接続され該波長多重信号光を波長毎
    に分離する光波長弁別素子と、光波長弁別素子に接続さ
    れ光波長弁別素子によって分離された各波長信号光をさ
    らに空間的に分離するための複数の出力光導波路とより
    なる光波長弁別回路であって、前記出力光導波路のうち
    で長波長側信号光を出力するための出力光導波路は直線
    光導波路形状であり、短波長側信号光を出力するための
    出力導波路は曲線光導波路形状であることを特徴とする
    光波長弁別回路。
  2. 【請求項2】波長多重信号光が入射される入力光導波路
    と、入力光導波路に接続され該波長多重信号光を波長毎
    に分離する光波長弁別素子と、光波長弁別素子に接続さ
    れ光波長弁別素子によって分離された各波長信号光をさ
    らに空間的に分離するための複数の出力光導波路とより
    なる光波長弁別回路であって、前記出力光導波路のうち
    で長波長側信号光を出力するための出力光導波路のコア
    層のバンドギャップ波長が、他の出力光導波路や入力光
    導波路や光波長弁別素子部光導波路のコア層バンドギャ
    ップ波長よりも長波長であることを特徴とする光波長弁
    別回路。
  3. 【請求項3】他の出力光導波路や入力光導波路や光波長
    弁別素子部光導波路に比べて長波長のコア層バンドギャ
    ップ波長を有する長波長側信号出力光導波路の形状が曲
    線導波路形状であることを特徴とする請求項2記載の光
    波長弁別回路。
  4. 【請求項4】他の出力光導波路や入力光導波路や光波長
    弁別素子部光導波路に比べて長波長のコア層バンドギャ
    ップ波長を有する長波長側信号出力光導波路の形状が直
    線導波路形状であることを特徴とする請求項2記載の光
    波長弁別回路。
  5. 【請求項5】半導体基板上に、空隙部のパターンが入力
    光導波路、導波路型光波長弁別素子および出力光導波路
    のコア層パターンに対応する選択成長用誘電体マスクを
    形成する工程と、半導体バッファ層、半導体コア層、半
    導体クラッド層を順次前記マスクの空隙部に積層して、
    半導体コア層を含むメサ・ストライプを、入力光導波路
    部、導波路型光波長弁別素子部および出力光導波路部と
    で一括して形成する工程と、前記選択成長用の誘電体マ
    スクの空隙部の幅を広げる工程と、該広げられた空隙部
    の上および前記半導体コア層を含むメサ・ストライプの
    上に半導体埋め込み層を積層する工程と、前記誘電体マ
    スクを除去する工程とを少なくとも有し、前記出力光導
    波路で長波長側信号光を出力するための出力光導波路の
    誘電体マスク幅が他の領域の誘電体マスク幅よりも広い
    ことを特徴とする光波長弁別回路の製造方法。
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