JP3212840B2 - 半導体光波長弁別回路の製造方法 - Google Patents
半導体光波長弁別回路の製造方法Info
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- JP3212840B2 JP3212840B2 JP20264595A JP20264595A JP3212840B2 JP 3212840 B2 JP3212840 B2 JP 3212840B2 JP 20264595 A JP20264595 A JP 20264595A JP 20264595 A JP20264595 A JP 20264595A JP 3212840 B2 JP3212840 B2 JP 3212840B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体光波長弁別回
路の製造方法に関し、特に波長多重通信システムにおい
て重要な素子でかつ低クロストークで偏光依存性が小さ
い半導体光波長弁別回路の製造方法に関するものであ
る。
路の製造方法に関し、特に波長多重通信システムにおい
て重要な素子でかつ低クロストークで偏光依存性が小さ
い半導体光波長弁別回路の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信システムの伝送容量拡大の
方法として、波長多重伝送方式が注目されている。この
様な波長多重光通信システムにおいては、伝送されてき
た波長多重化信号を空間的に分波する光波長弁別回路が
必要不可欠である。光波長弁別回路の基本要素である光
波長弁別素子としては、完全結合長が波長により異なる
ことを利用した方向性結合器型のものや、アーム長の差
は一定でもこれによる光学的光路差は波長により異なる
ことを利用したマッハツェンダ型のもの、グレーティン
グ導波路を利用したものなどがある。
方法として、波長多重伝送方式が注目されている。この
様な波長多重光通信システムにおいては、伝送されてき
た波長多重化信号を空間的に分波する光波長弁別回路が
必要不可欠である。光波長弁別回路の基本要素である光
波長弁別素子としては、完全結合長が波長により異なる
ことを利用した方向性結合器型のものや、アーム長の差
は一定でもこれによる光学的光路差は波長により異なる
ことを利用したマッハツェンダ型のもの、グレーティン
グ導波路を利用したものなどがある。
【0003】また、C. DragoneがIEEE
PHOTONIC TECHNOLOGY LETTE
RS 1991年9月号(VOL.3,No.9,p
p.812−815)で示しているように、スターカッ
プラと導波路グレーティングを組み合わせたタイプの光
波長弁別素子も提案されている。
PHOTONIC TECHNOLOGY LETTE
RS 1991年9月号(VOL.3,No.9,p
p.812−815)で示しているように、スターカッ
プラと導波路グレーティングを組み合わせたタイプの光
波長弁別素子も提案されている。
【0004】しかしながら、いずれのタイプの光波長弁
別回路においても、隣接する波長間を低クロストークで
分離するのは容易ではない。特に、任意の入射波長に対
しても低クロストーク波長分離動作が可能な、いわゆる
偏光無依存動作を現実的な製作トレランスで実現するこ
とは困難である。
別回路においても、隣接する波長間を低クロストークで
分離するのは容易ではない。特に、任意の入射波長に対
しても低クロストーク波長分離動作が可能な、いわゆる
偏光無依存動作を現実的な製作トレランスで実現するこ
とは困難である。
【0005】この様子を、方向性結合器型光波長弁別回
路の場合を例にとり、図12を用いて説明する。図12
の方向性結合器型光波長弁別回路においては、2本の光
導波路が長さLに渡って近接して配置されており、この
部分で光のカップリングが生じる。入射ポート101か
ら波長λ1 の光が入力されたとき、その波長での完全結
合長l01が方向性結合器長Lに等しければ、伝搬光は他
方の導波路へとカップリングし、出射ポート102cよ
り出射する。
路の場合を例にとり、図12を用いて説明する。図12
の方向性結合器型光波長弁別回路においては、2本の光
導波路が長さLに渡って近接して配置されており、この
部分で光のカップリングが生じる。入射ポート101か
ら波長λ1 の光が入力されたとき、その波長での完全結
合長l01が方向性結合器長Lに等しければ、伝搬光は他
方の導波路へとカップリングし、出射ポート102cよ
り出射する。
【0006】これに対して入射ポート101から波長λ
2 の光が入力され、その波長での完全結合長l02が方向
性結合器長Lの1/2であれば、伝搬光は他方の導波路
へとカップリングした後更に入射側の導波路へと再びカ
ップリングし、出射ポート102bより出射する。
2 の光が入力され、その波長での完全結合長l02が方向
性結合器長Lの1/2であれば、伝搬光は他方の導波路
へとカップリングした後更に入射側の導波路へと再びカ
ップリングし、出射ポート102bより出射する。
【0007】ここで、一般的にλ1 <λ2 である。この
様子を図13(a)に示す。図13(a)には、一例と
して、λ1 =1.3μm,λ2 =1.55μmで、両者
ともTE偏光の場合を示している。図13(a)より判
るように、l01=L,l02=L/2に完全結合長を正確
に制御できれば、低クロストークでの波長分離動作が可
能である。しかしながら、現実には、TE偏光だけでな
く任意の入射偏光に対して、この様な低クロストーク波
長分離動作が望まれる。
様子を図13(a)に示す。図13(a)には、一例と
して、λ1 =1.3μm,λ2 =1.55μmで、両者
ともTE偏光の場合を示している。図13(a)より判
るように、l01=L,l02=L/2に完全結合長を正確
に制御できれば、低クロストークでの波長分離動作が可
能である。しかしながら、現実には、TE偏光だけでな
く任意の入射偏光に対して、この様な低クロストーク波
長分離動作が望まれる。
【0008】図13(a)には、図12に示した方向性
結合器型光波長弁別素子のTE偏光に対する動作をした
が、同じ方向性結合器型光波長弁別素子へTM偏光の光
が入射した時の波長分離特性を示したのが図13(b)
である。TM偏光の伝搬定数はTE偏光の伝搬定数と異
なることから、波長分離特性には偏光による差が生じ
る。TE偏光に対して最適に設計した場合、図13
(b)に示すように、TM偏光に対するクロストーク特
性は悪化する。しかも、上述のような偏光依存性を方向
性結合器の構造改良だけで解消しようとすると、非常に
厳しい製作トレランスが要求され、現実的とはいえな
い。
結合器型光波長弁別素子のTE偏光に対する動作をした
が、同じ方向性結合器型光波長弁別素子へTM偏光の光
が入射した時の波長分離特性を示したのが図13(b)
である。TM偏光の伝搬定数はTE偏光の伝搬定数と異
なることから、波長分離特性には偏光による差が生じ
る。TE偏光に対して最適に設計した場合、図13
(b)に示すように、TM偏光に対するクロストーク特
性は悪化する。しかも、上述のような偏光依存性を方向
性結合器の構造改良だけで解消しようとすると、非常に
厳しい製作トレランスが要求され、現実的とはいえな
い。
【0009】これに対して、井本らは、長波長側の信号
光が出射される光波長弁別素子の出力導波路(上記図1
2の例ではλ2 が出力される102b側の導波路)に短
波長の不要光を吸収する部分を付加することを、特開昭
62−121409号公報において提案している。
光が出射される光波長弁別素子の出力導波路(上記図1
2の例ではλ2 が出力される102b側の導波路)に短
波長の不要光を吸収する部分を付加することを、特開昭
62−121409号公報において提案している。
【0010】図14に、井本らによって提案された構造
の概略を示す。光ファイバ120より入射された波長λ
1 ,λ2 (λ1 <λ2 )の波長多重信号を方向性結合器
型光波長弁別素子103で分波するが、波長の長いλ2
側の出射導波路102(a)側には、λ2 に対しては透
明で、λ1 の光に対しては光の吸収が生じる吸収導波路
104が付加されている。
の概略を示す。光ファイバ120より入射された波長λ
1 ,λ2 (λ1 <λ2 )の波長多重信号を方向性結合器
型光波長弁別素子103で分波するが、波長の長いλ2
側の出射導波路102(a)側には、λ2 に対しては透
明で、λ1 の光に対しては光の吸収が生じる吸収導波路
104が付加されている。
【0011】これにより、たとえ方向性結合器型光波長
弁別素子自身にはクロストーク(すなわち、出射導波路
102a側へのλ1 成分の漏れ光)が生じても、このク
ロストーク成分は付加された吸収導波路104により消
滅するので、見かけ上低クロストーク特性が実現され
る。従って、方向性結合器型光波長弁別素子への性能要
求が緩和され、低クロストーク特性を現実的な製作トレ
ランスで実現できる。
弁別素子自身にはクロストーク(すなわち、出射導波路
102a側へのλ1 成分の漏れ光)が生じても、このク
ロストーク成分は付加された吸収導波路104により消
滅するので、見かけ上低クロストーク特性が実現され
る。従って、方向性結合器型光波長弁別素子への性能要
求が緩和され、低クロストーク特性を現実的な製作トレ
ランスで実現できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伝搬光
に対して吸収のない低損失の受動導波路と、ある波長以
下の波長に対しては吸収を生じるような受動導波路とは
組成の異なる吸収導波路とを、モノリシックに集積化す
るのは容易ではない。通常用いられる結晶成長とエッチ
ングを繰り返して、組成の異なる導波路をモノリシック
に集積化する方法では、せっかく製作トレランスが増加
しても、素子製作の歩留まりの悪化、及び異なる導波路
間の結合効率の悪化による素子特性の悪化が避けられ
ず、本末転倒であった。
に対して吸収のない低損失の受動導波路と、ある波長以
下の波長に対しては吸収を生じるような受動導波路とは
組成の異なる吸収導波路とを、モノリシックに集積化す
るのは容易ではない。通常用いられる結晶成長とエッチ
ングを繰り返して、組成の異なる導波路をモノリシック
に集積化する方法では、せっかく製作トレランスが増加
しても、素子製作の歩留まりの悪化、及び異なる導波路
間の結合効率の悪化による素子特性の悪化が避けられ
ず、本末転倒であった。
【0013】上述のように、従来の製造方法では、伝搬
光に対して吸収のない低損失の受動導波路と、ある波長
以下の波長に対しては吸収を生じる導波路のように受動
導波路とは組成の異なる導波路とを、モノリシックに集
積化するのは非常に困難であった。このために、光波長
弁別素子に吸収導波路を付加することによって、光波長
弁別回路の製作トレランスを拡大させるのは、現実には
非常に困難であった。
光に対して吸収のない低損失の受動導波路と、ある波長
以下の波長に対しては吸収を生じる導波路のように受動
導波路とは組成の異なる導波路とを、モノリシックに集
積化するのは非常に困難であった。このために、光波長
弁別素子に吸収導波路を付加することによって、光波長
弁別回路の製作トレランスを拡大させるのは、現実には
非常に困難であった。
【0014】本発明の目的は、組成の異なる導波路をモ
ノリシック集積化する簡便で製作歩留まりが良い半導体
光波長弁別回路の製造方法を提供し、これによって光波
長弁別素子に吸収導波路を付加して光波長弁別素子の製
作トレランスを拡大させた半導体光波長弁別回路を提供
することにある。
ノリシック集積化する簡便で製作歩留まりが良い半導体
光波長弁別回路の製造方法を提供し、これによって光波
長弁別素子に吸収導波路を付加して光波長弁別素子の製
作トレランスを拡大させた半導体光波長弁別回路を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体
導波路型光波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光
を除去するための短波長信号光吸収導波路を付加した半
導体光波長弁別回路の製造方法であって、前記導波路型
光波長弁別素子とこれに連続して接続される前記短波長
信号光吸収導波路とのコア層パターンを形成する半導体
基板上の予定領域を挟んで選択成長用のマスク層を選択
的に形成する工程と、このマスク層をマスクとして前記
予定領域上に半導体バッファ層、コア層及び半導体クラ
ッド層をこの順に積層して半導体コア層を含むメサスト
ライプを、前記導波路型光波長弁別素子と前記短波長信
号光吸収導波路とにおいて同時に形成する工程と、を含
み、前記短波長信号光吸収導波路に対応するマスク層の
幅が前記導波路型光波長弁別素子に対応するマスク層よ
りも大に形成されていることを特徴とする半導体光波長
弁別回路の製造方法が得られる。
導波路型光波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光
を除去するための短波長信号光吸収導波路を付加した半
導体光波長弁別回路の製造方法であって、前記導波路型
光波長弁別素子とこれに連続して接続される前記短波長
信号光吸収導波路とのコア層パターンを形成する半導体
基板上の予定領域を挟んで選択成長用のマスク層を選択
的に形成する工程と、このマスク層をマスクとして前記
予定領域上に半導体バッファ層、コア層及び半導体クラ
ッド層をこの順に積層して半導体コア層を含むメサスト
ライプを、前記導波路型光波長弁別素子と前記短波長信
号光吸収導波路とにおいて同時に形成する工程と、を含
み、前記短波長信号光吸収導波路に対応するマスク層の
幅が前記導波路型光波長弁別素子に対応するマスク層よ
りも大に形成されていることを特徴とする半導体光波長
弁別回路の製造方法が得られる。
【0016】また、本発明によれば、半導体導波路型光
波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光を除去する
ための短波長信号光吸収導波路を付加し、かつ分波され
た光信号の各々を電気信号に変換する光受光器を有する
半導体光波長弁別回路の製造方法であって、前記導波路
型光波長弁別素子とこれに連続して接続される前記短波
長信号光吸収導波路及び前記光受光器とのコア層パター
ンを形成する半導体基板上の予定領域を挟んで選択成長
用のマスク層を選択的に形成する工程と、このマスク層
をマスクとして前記予定領域上に半導体バッファ層、コ
ア層及び半導体クラッド層をこの順に積層して半導体コ
ア層を含むメサストライプを、前記導波路型光波長弁別
素子と前記短波長信号光吸収導波路と前記光受光器とに
おいて同時に形成する工程と、を含み、前記短波長信号
光吸収導波路と前記光受光器とに対応するマスク層の幅
が前記導波路型光波長弁別素子に対応するマスク層より
も大に形成されていることを特徴とする半導体光波長弁
別回路の製造方法が得られる。
波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光を除去する
ための短波長信号光吸収導波路を付加し、かつ分波され
た光信号の各々を電気信号に変換する光受光器を有する
半導体光波長弁別回路の製造方法であって、前記導波路
型光波長弁別素子とこれに連続して接続される前記短波
長信号光吸収導波路及び前記光受光器とのコア層パター
ンを形成する半導体基板上の予定領域を挟んで選択成長
用のマスク層を選択的に形成する工程と、このマスク層
をマスクとして前記予定領域上に半導体バッファ層、コ
ア層及び半導体クラッド層をこの順に積層して半導体コ
ア層を含むメサストライプを、前記導波路型光波長弁別
素子と前記短波長信号光吸収導波路と前記光受光器とに
おいて同時に形成する工程と、を含み、前記短波長信号
光吸収導波路と前記光受光器とに対応するマスク層の幅
が前記導波路型光波長弁別素子に対応するマスク層より
も大に形成されていることを特徴とする半導体光波長弁
別回路の製造方法が得られる。
【0017】更に、本発明によれば、半導体導波路型光
波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光を除去する
ための短波長信号光吸収導波路と、長波長クロストーク
光を除去するための長波長信号光放射導波路とを付加し
た半導体光波長弁別回路の製造方法であって、前記導波
路型光波長弁別素子と、これに連続して接続される前記
短波長信号光吸収導波路及び前記長波長信号光放射導波
路とのコア層パターンを形成する半導体基板上の予定領
域を挟んで選択成長用のマスク層を選択的に形成する工
程と、このマスク層をマスクとして前記予定領域上に半
導体バッファ層、コア層及び半導体クラッド層をこの順
に積層して半導体コア層を含むメサストライプを、前記
導波路型光波長弁別素子、前記短波長信号光吸収導波
路、前記長波長信号光放射導波路において同時に形成す
る工程と、を含み、前記短波長信号光吸収導波路に対応
するマスク層の幅が前記導波路型光波長弁別素子と前記
長波長信号光放射導波路に対応するマスク層よりも大に
形成されていることを特徴とする半導体光波長弁別回路
の製造方法が得られる。
波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光を除去する
ための短波長信号光吸収導波路と、長波長クロストーク
光を除去するための長波長信号光放射導波路とを付加し
た半導体光波長弁別回路の製造方法であって、前記導波
路型光波長弁別素子と、これに連続して接続される前記
短波長信号光吸収導波路及び前記長波長信号光放射導波
路とのコア層パターンを形成する半導体基板上の予定領
域を挟んで選択成長用のマスク層を選択的に形成する工
程と、このマスク層をマスクとして前記予定領域上に半
導体バッファ層、コア層及び半導体クラッド層をこの順
に積層して半導体コア層を含むメサストライプを、前記
導波路型光波長弁別素子、前記短波長信号光吸収導波
路、前記長波長信号光放射導波路において同時に形成す
る工程と、を含み、前記短波長信号光吸収導波路に対応
するマスク層の幅が前記導波路型光波長弁別素子と前記
長波長信号光放射導波路に対応するマスク層よりも大に
形成されていることを特徴とする半導体光波長弁別回路
の製造方法が得られる。
【0018】更にはまた、本発明によれば、半導体導波
路型光波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光を除
去するための短波長信号光吸収導波路と、長波長クロス
トーク光を除去するための長波長信号光放射導波路とを
付加し、かつ分波された光信号の各々を電気信号に変換
する光受光器を有する半導体光波長弁別回路の製造方法
であって、前記導波路型光波長弁別素子と、これに連続
して接続される前記短波長信号光吸収導波路、前記長波
長信号光放射導波路及び前記光受光器とのコア層パター
ンを形成する半導体基板上の予定領域を挟んで選択成長
用のマスク層を選択的に形成する工程と、このマスク層
をマスクとして前記予定領域上に半導体バッファ層、コ
ア層及び半導体クラッド層をこの順に積層して半導体コ
ア層を含むメサストライプを、前記導波路型光波長弁別
素子、前記短波長信号光吸収導波路、前記長波長信号光
放射導波路及び前記光受光器において同時に形成する工
程と、を含み、前記短波長信号光吸収導波路と前記光受
光器とに対応するマスク層の幅が前記導波路型光波長弁
別素子と前記長波長信号光放射導波路に対応するマスク
層よりも大に形成されていることを特徴とする半導体光
波長弁別回路の製造方法が得られる。
路型光波長弁別素子の後段に短波長クロストーク光を除
去するための短波長信号光吸収導波路と、長波長クロス
トーク光を除去するための長波長信号光放射導波路とを
付加し、かつ分波された光信号の各々を電気信号に変換
する光受光器を有する半導体光波長弁別回路の製造方法
であって、前記導波路型光波長弁別素子と、これに連続
して接続される前記短波長信号光吸収導波路、前記長波
長信号光放射導波路及び前記光受光器とのコア層パター
ンを形成する半導体基板上の予定領域を挟んで選択成長
用のマスク層を選択的に形成する工程と、このマスク層
をマスクとして前記予定領域上に半導体バッファ層、コ
ア層及び半導体クラッド層をこの順に積層して半導体コ
ア層を含むメサストライプを、前記導波路型光波長弁別
素子、前記短波長信号光吸収導波路、前記長波長信号光
放射導波路及び前記光受光器において同時に形成する工
程と、を含み、前記短波長信号光吸収導波路と前記光受
光器とに対応するマスク層の幅が前記導波路型光波長弁
別素子と前記長波長信号光放射導波路に対応するマスク
層よりも大に形成されていることを特徴とする半導体光
波長弁別回路の製造方法が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の作用は以下の如くであ
る。
る。
【0020】本発明においては、図1に示すように、光
波長弁別素子の後段、特に長波長側の信号が出力される
側の出力端の後段に、クロストーク成分である短波長信
号を吸収する吸収導波路104を更に付加する。これに
より、長波長側の信号が出力される側のクロストークが
大幅に改善されるので、光波長弁別素子の設計の際、短
波長側の信号が出力される側での偏光依存性を小さくす
ることにだけ留意すれば良く、設計及び製作の許容度が
大幅に増大する。
波長弁別素子の後段、特に長波長側の信号が出力される
側の出力端の後段に、クロストーク成分である短波長信
号を吸収する吸収導波路104を更に付加する。これに
より、長波長側の信号が出力される側のクロストークが
大幅に改善されるので、光波長弁別素子の設計の際、短
波長側の信号が出力される側での偏光依存性を小さくす
ることにだけ留意すれば良く、設計及び製作の許容度が
大幅に増大する。
【0021】上述のような短波長信号を吸収する導波路
は、その波長組成が短波長側信号のフォトン・エネルギ
に近い導波路を形成して実現できる。しかしながら、前
述のように、伝搬光に対して吸収のない低損失の受動導
波路と、ある波長以下の波長に対しては吸収を生じるよ
うな導波路とのモノリシック集積化は、通常用いられる
結晶成長とエッチングとを繰り返す方法では難しい。
は、その波長組成が短波長側信号のフォトン・エネルギ
に近い導波路を形成して実現できる。しかしながら、前
述のように、伝搬光に対して吸収のない低損失の受動導
波路と、ある波長以下の波長に対しては吸収を生じるよ
うな導波路とのモノリシック集積化は、通常用いられる
結晶成長とエッチングとを繰り返す方法では難しい。
【0022】これに対して、本発明においては、1対の
ストライプ状誘電体マスクの空隙部に選択的に結晶成長
を行うと、成長層の波長組成をマスク幅により制御でき
ることを利用して、入射する全ての波長に対して透明な
受動導波路と短波長信号を吸収する導波路とを1回の結
晶成長で一括形成する。
ストライプ状誘電体マスクの空隙部に選択的に結晶成長
を行うと、成長層の波長組成をマスク幅により制御でき
ることを利用して、入射する全ての波長に対して透明な
受動導波路と短波長信号を吸収する導波路とを1回の結
晶成長で一括形成する。
【0023】この原理については、本発明者らによっ
て、ELECTRONICS LETTERS誌VO
L.28,No.2(1992年1月16日号)第15
3ページから第154ページに記述されている。図11
(a)に示すように、一対のストライプ状誘電体マスク
910に挟まれた幅数μmの空隙部に、有機金属気相成
長法(以下、MOVPE法と略す)を用いてInGaA
sPもしくはInGaAsを選択的に結晶成長すると、
成長層の波長組成がマスク幅により異なる。
て、ELECTRONICS LETTERS誌VO
L.28,No.2(1992年1月16日号)第15
3ページから第154ページに記述されている。図11
(a)に示すように、一対のストライプ状誘電体マスク
910に挟まれた幅数μmの空隙部に、有機金属気相成
長法(以下、MOVPE法と略す)を用いてInGaA
sPもしくはInGaAsを選択的に結晶成長すると、
成長層の波長組成がマスク幅により異なる。
【0024】選択的に結晶成長された層がInGaAs
Pバルク層の場合の、マスク幅Wmと成長層の波長組成
λg の関係を図11(b)に示す。SiO2 マスク幅の
Wmを広くするに従って、Inの組成比が増加し、バル
クInGaAsP層の組成波長は長くなる。図11
(b)より判るように、SiO2 マスクの幅Wmを5μ
mから30μmへと変化させると、組成波長1.15μ
mから1.3μmへと変化させることができる。このこ
とは、同一ウェハ内でも、SiO2 マスクの幅Wmの異
なる領域を作っておきさえすれば、組成波長の異なる領
域を1回の選択成長で形成できることを意味する。
Pバルク層の場合の、マスク幅Wmと成長層の波長組成
λg の関係を図11(b)に示す。SiO2 マスク幅の
Wmを広くするに従って、Inの組成比が増加し、バル
クInGaAsP層の組成波長は長くなる。図11
(b)より判るように、SiO2 マスクの幅Wmを5μ
mから30μmへと変化させると、組成波長1.15μ
mから1.3μmへと変化させることができる。このこ
とは、同一ウェハ内でも、SiO2 マスクの幅Wmの異
なる領域を作っておきさえすれば、組成波長の異なる領
域を1回の選択成長で形成できることを意味する。
【0025】従って、入射光波長1.3μm及び1.5
5μmの両者に対して透明な(低損失な)組成成長1.
15μmのコア層を有する領域と、入射光波長1.55
μmに対しては透明であるが波長1.3μmに対しては
吸収導波路となる組成波長1.3μmのコア層を有する
領域とを、1回の結晶成長で形成することができる。
5μmの両者に対して透明な(低損失な)組成成長1.
15μmのコア層を有する領域と、入射光波長1.55
μmに対しては透明であるが波長1.3μmに対しては
吸収導波路となる組成波長1.3μmのコア層を有する
領域とを、1回の結晶成長で形成することができる。
【0026】更に、コア層を多重量子井戸(MQW)構
造とすると、マスクの幅Wmを広くするにしたがってI
nの組成比が増大する効果と、マスクの幅Wmを広くす
るにしたがって成長速度が速くなる効果とが相乗的に働
き、図11(c)に示すように、成長層の組成波長のマ
スク幅依存性は更に増大する。MQW構造を用いれば、
同一ウェハ内で、その組成波長を1.15μmから1.
55μmに変化させることもできる。
造とすると、マスクの幅Wmを広くするにしたがってI
nの組成比が増大する効果と、マスクの幅Wmを広くす
るにしたがって成長速度が速くなる効果とが相乗的に働
き、図11(c)に示すように、成長層の組成波長のマ
スク幅依存性は更に増大する。MQW構造を用いれば、
同一ウェハ内で、その組成波長を1.15μmから1.
55μmに変化させることもできる。
【0027】以上のように本発明においては、入射する
全ての波長に対して透明な受動導波路と短波長信号を吸
収する導波路とを1回の結晶成長で一括形成する。従っ
て、エッチングと結晶成長を繰り返す製造方法に比べて
工程数が少なく、遥かに簡便で、製作歩留まりの良い製
造方法を本発明により提供することができる。本発明の
製造方法を用いれば、受動導波路と吸収導波路との間の
光結合効率もほぼ100%とできるので、素子全体の損
失が少なく、また受動導波路と吸収導波路との間の結合
部で発生する反射戻り光が素子特性に与える悪影響も小
さくできる。
全ての波長に対して透明な受動導波路と短波長信号を吸
収する導波路とを1回の結晶成長で一括形成する。従っ
て、エッチングと結晶成長を繰り返す製造方法に比べて
工程数が少なく、遥かに簡便で、製作歩留まりの良い製
造方法を本発明により提供することができる。本発明の
製造方法を用いれば、受動導波路と吸収導波路との間の
光結合効率もほぼ100%とできるので、素子全体の損
失が少なく、また受動導波路と吸収導波路との間の結合
部で発生する反射戻り光が素子特性に与える悪影響も小
さくできる。
【0028】この様に、本発明を用いれば、吸収導波路
を集積化してクロストーク特性が改善され、設計及び製
作の許容度が増大した光波長弁別回路を、製作歩留まり
を悪化させることなく実現できる。
を集積化してクロストーク特性が改善され、設計及び製
作の許容度が増大した光波長弁別回路を、製作歩留まり
を悪化させることなく実現できる。
【0029】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0030】図1は、本発明による半導体光波長弁別回
路の一例として、InP系方向性結合器型光波長弁別素
子を基本要素とした半導体光波長弁別回路の実施例を示
す概略図、図2はInP系方向性結合器型光波長弁別素
子を基本要素とした半導体光波長弁別回路の実施例を示
す斜視図である。また、図3は図1に示した半導体光波
長弁別回路のコア層を選択成長により一括形成する際の
誘電体マスクパターンの上面図、図4(a),(b),
(c)は、図2におけるA−A’,B−B’,C−C’
断面が夫々示されている。
路の一例として、InP系方向性結合器型光波長弁別素
子を基本要素とした半導体光波長弁別回路の実施例を示
す概略図、図2はInP系方向性結合器型光波長弁別素
子を基本要素とした半導体光波長弁別回路の実施例を示
す斜視図である。また、図3は図1に示した半導体光波
長弁別回路のコア層を選択成長により一括形成する際の
誘電体マスクパターンの上面図、図4(a),(b),
(c)は、図2におけるA−A’,B−B’,C−C’
断面が夫々示されている。
【0031】図1にその概略を示した半導体光波長弁別
回路においては、方向性結合器型光波長弁別素子部10
3の後段、特に長波長側(λ=1.55μm側)の信号
が出力される側の出力端の後段に、クロストーク成分で
ある短波長信号を吸収する吸収導波路部104を更に付
加した構成となっている。これにより、長波長側の信号
が出力される側、すなわち出力光導波路102b側のク
ロストークが大幅に改善される。
回路においては、方向性結合器型光波長弁別素子部10
3の後段、特に長波長側(λ=1.55μm側)の信号
が出力される側の出力端の後段に、クロストーク成分で
ある短波長信号を吸収する吸収導波路部104を更に付
加した構成となっている。これにより、長波長側の信号
が出力される側、すなわち出力光導波路102b側のク
ロストークが大幅に改善される。
【0032】図1の構成の半導体光波長弁別回路の動作
について簡単に説明する。今、入力光導波路101にλ
1 (=1.3μm)とλ2 (=1.55μm)の波長の
信号が多重化されて入射したとする。この時、方向性結
合器部の長さLに対して、波長1.3μmに対する完全
結合長l1 がLに等しく(l1 =L)、波長1.55μ
mに対する完全結合長l2 がLの1/2(2/l1 =
L)であれば、方向性結合器型光波長弁別素子部103
により1.3μm信号光は出力光導波路102c側に、
1.55μm信号は出力光導波路102a側に出力され
る。
について簡単に説明する。今、入力光導波路101にλ
1 (=1.3μm)とλ2 (=1.55μm)の波長の
信号が多重化されて入射したとする。この時、方向性結
合器部の長さLに対して、波長1.3μmに対する完全
結合長l1 がLに等しく(l1 =L)、波長1.55μ
mに対する完全結合長l2 がLの1/2(2/l1 =
L)であれば、方向性結合器型光波長弁別素子部103
により1.3μm信号光は出力光導波路102c側に、
1.55μm信号は出力光導波路102a側に出力され
る。
【0033】ところで、完全結合長の設計値からのずれ
や、完全結合長の偏光依存性などが生じると、1.3μ
m光と1.55μm光の完全な分離ができなくなり、波
長クロストークが生じる。しかしながら、図1に示した
半導体光波長弁別回路においては、長波長側の信号が出
力される側、すなわち出力光導波路102a側の先に短
波長信号を吸収する導波路104、すなわちコア層の組
成成長が1.3μm近傍の導波路が継続接続されてい
る。これにより、出力光導波路102aに出力された光
に、たとえクロストーク成分である1.3μm信号光が
混入しても、短波長信号吸収導波路104により1.3
μm光は吸収されてしまい、クロストークは大幅に減少
する。尚、短波長側の信号が出力される側の出力端、す
なわち出力導波路102c側に長波長成分である1.5
5μm光がクロストークとして残ったとしても、半導体
受光器で電気信号に変換する際に長波長成分は受光器で
吸収されないので、電気信号に変換された後はこの長波
長成分はクロストークとしてほとんど残らない。
や、完全結合長の偏光依存性などが生じると、1.3μ
m光と1.55μm光の完全な分離ができなくなり、波
長クロストークが生じる。しかしながら、図1に示した
半導体光波長弁別回路においては、長波長側の信号が出
力される側、すなわち出力光導波路102a側の先に短
波長信号を吸収する導波路104、すなわちコア層の組
成成長が1.3μm近傍の導波路が継続接続されてい
る。これにより、出力光導波路102aに出力された光
に、たとえクロストーク成分である1.3μm信号光が
混入しても、短波長信号吸収導波路104により1.3
μm光は吸収されてしまい、クロストークは大幅に減少
する。尚、短波長側の信号が出力される側の出力端、す
なわち出力導波路102c側に長波長成分である1.5
5μm光がクロストークとして残ったとしても、半導体
受光器で電気信号に変換する際に長波長成分は受光器で
吸収されないので、電気信号に変換された後はこの長波
長成分はクロストークとしてほとんど残らない。
【0034】図2に、図1に概略を示した半導体光波長
弁別回路の具体的な構成を示す。バルクInGaAsP
105をコア層とし、このコア層をInPクラッド層で
挟んだダブルヘテロ・メサ202がInP基板100上
に形成され、このダブルヘテロ・メサをInP埋め込み
層201で埋め込むことにより光導波路が形成されてい
る。入力光導波路101部では2本の導波路は離れてお
り独立であるが、(図4(a)のA−A’断面図を参
照)、方向性結合器部103においては2本の導波路は
光学的なカップリングが生じるまでに近接して配置され
ている(図4(b)のB−B’断面図を参照)。方向性
結合器部103の出力は再び2本の独立した導波路とな
る。
弁別回路の具体的な構成を示す。バルクInGaAsP
105をコア層とし、このコア層をInPクラッド層で
挟んだダブルヘテロ・メサ202がInP基板100上
に形成され、このダブルヘテロ・メサをInP埋め込み
層201で埋め込むことにより光導波路が形成されてい
る。入力光導波路101部では2本の導波路は離れてお
り独立であるが、(図4(a)のA−A’断面図を参
照)、方向性結合器部103においては2本の導波路は
光学的なカップリングが生じるまでに近接して配置され
ている(図4(b)のB−B’断面図を参照)。方向性
結合器部103の出力は再び2本の独立した導波路とな
る。
【0035】尚、ここで、入力光導波路101,方向性
結合器部103の光導波路とも、入射光波長λ1 (=
1.3μm),λ2 (=1.55μm)の両者に対して
透明となるように、コア層の波長組成は1.15μmに
設定されている。
結合器部103の光導波路とも、入射光波長λ1 (=
1.3μm),λ2 (=1.55μm)の両者に対して
透明となるように、コア層の波長組成は1.15μmに
設定されている。
【0036】一方、方向性結合器部103の後段には、
長波長側の信号が出力される側、すなわち、出力光導波
路102a側にのみ短波長信号吸収導波路104が接続
されている。他の領域とは異なり、この短波長信号吸収
導波路104領域においては、クロストーク成分である
1.3μm信号光を吸収するように、コア層の波長組成
は1.3μmに設定されている。
長波長側の信号が出力される側、すなわち、出力光導波
路102a側にのみ短波長信号吸収導波路104が接続
されている。他の領域とは異なり、この短波長信号吸収
導波路104領域においては、クロストーク成分である
1.3μm信号光を吸収するように、コア層の波長組成
は1.3μmに設定されている。
【0037】以下に、図2に示した半導体光波長弁別回
路の本発明による製造方法について、図3及び図5,6
を用いて説明する。尚、図5においては、図2に示した
B−B’断面を、図6においては、C−C’断面を示し
ている。すなわち図5においては、方向性結合器部10
3の断面構造が、図6においては、短波長信号吸収導波
路部104及び出力光導波路102cの断面構造が夫々
示されている。
路の本発明による製造方法について、図3及び図5,6
を用いて説明する。尚、図5においては、図2に示した
B−B’断面を、図6においては、C−C’断面を示し
ている。すなわち図5においては、方向性結合器部10
3の断面構造が、図6においては、短波長信号吸収導波
路部104及び出力光導波路102cの断面構造が夫々
示されている。
【0038】先ず、(100)面方位のn−InP基板
100上に、選択成長を行うためのSiO2 マスクを図
3のように形成する。ここで、図3のSiO2 マスクの
パターン図は、ウェハを上から見た形状を示している。
図3において、斜線で示した部分がストライプ状のSi
O2 がパターニング後に残った部分であり、一対のSi
O2 ストライプマスクに挟まれた空隙部にコア層を含む
半導体メサが結晶成長される。
100上に、選択成長を行うためのSiO2 マスクを図
3のように形成する。ここで、図3のSiO2 マスクの
パターン図は、ウェハを上から見た形状を示している。
図3において、斜線で示した部分がストライプ状のSi
O2 がパターニング後に残った部分であり、一対のSi
O2 ストライプマスクに挟まれた空隙部にコア層を含む
半導体メサが結晶成長される。
【0039】尚、SiO2 マスク・パターンの方向は、
ストライプの長手方向が[011]方向となるように選
ぶ。図3に示したSiO2 マスク・パターンを形成した
後のウェハの断面形状を図5(a),図6(a)に示
す。
ストライプの長手方向が[011]方向となるように選
ぶ。図3に示したSiO2 マスク・パターンを形成した
後のウェハの断面形状を図5(a),図6(a)に示
す。
【0040】図3及び図5(a),図6(a)から判る
ように、短波長信号吸収導波路部SiO2 マスク304
の幅は、方向性結合器部SiO2 マスク303や出力光
導波路部SiO2 マスク302Cの幅に比べて広い。短
波長信号吸収導波路104部以外の部分ではマスク幅が
5μmであるのに対して、短波長信号吸収導波路104
部のマスク幅は30μmとした。尚、一対のストライプ
状SiO2 マスクに挟まれた空隙部の幅は、いずれの領
域においても1.5μmである。
ように、短波長信号吸収導波路部SiO2 マスク304
の幅は、方向性結合器部SiO2 マスク303や出力光
導波路部SiO2 マスク302Cの幅に比べて広い。短
波長信号吸収導波路104部以外の部分ではマスク幅が
5μmであるのに対して、短波長信号吸収導波路104
部のマスク幅は30μmとした。尚、一対のストライプ
状SiO2 マスクに挟まれた空隙部の幅は、いずれの領
域においても1.5μmである。
【0041】また、図2における入力光導波路部101
の長さは500μm、出力光導波路部102cの長さは
700μm、入力光導波路部101及び出力光導波路部
102b,102cにおける2本の導波路の間隔は25
0μm、短波長信号吸収導波路部104の長さは200
μm、方向性結合器部103の導波路が近接して設置さ
れた部分の長さは1000μmとし、方向性結合器部1
03と入力光導波路101及び出力光導波路102a,
102cを接続する曲線導波路の曲率半径は5mmとし
た。
の長さは500μm、出力光導波路部102cの長さは
700μm、入力光導波路部101及び出力光導波路部
102b,102cにおける2本の導波路の間隔は25
0μm、短波長信号吸収導波路部104の長さは200
μm、方向性結合器部103の導波路が近接して設置さ
れた部分の長さは1000μmとし、方向性結合器部1
03と入力光導波路101及び出力光導波路102a,
102cを接続する曲線導波路の曲率半径は5mmとし
た。
【0042】次に、図3に示したSiO2 パターンを選
択成長用のマスクとして、図5(b)及び図6(b)に
示すように、InGaAsPコア層を含むダブルヘテロ
・メサ501,502,503を、MOVPEによる選
択成長によってSiO2 マスクの空隙部に一括形成す
る。具体的には、InPバッファ層を2000Å,In
GaAsPコア層を4000Å,InPクラッド層を2
000Å順次積層する。
択成長用のマスクとして、図5(b)及び図6(b)に
示すように、InGaAsPコア層を含むダブルヘテロ
・メサ501,502,503を、MOVPEによる選
択成長によってSiO2 マスクの空隙部に一括形成す
る。具体的には、InPバッファ層を2000Å,In
GaAsPコア層を4000Å,InPクラッド層を2
000Å順次積層する。
【0043】尚、上記の各層の厚さは、マスク幅の広い
短波長信号吸収導波路104部での設定値であり、それ
よりもマスク幅の狭い他の領域においてはコア層の厚さ
は減少し約2000Åとなる。この時、選択成長用マス
クの幅が30μmと広い短波長信号吸収導波路104部
でコア層の組成波長が1.30μmとなるように結晶成
長条件を設定しておくと、マスク幅が5μmと狭い他の
領域においてはコア層の組成波長は1.15μm近傍と
なる。
短波長信号吸収導波路104部での設定値であり、それ
よりもマスク幅の狭い他の領域においてはコア層の厚さ
は減少し約2000Åとなる。この時、選択成長用マス
クの幅が30μmと広い短波長信号吸収導波路104部
でコア層の組成波長が1.30μmとなるように結晶成
長条件を設定しておくと、マスク幅が5μmと狭い他の
領域においてはコア層の組成波長は1.15μm近傍と
なる。
【0044】このように、選択MOVPE成長により、
バンドギャップ波長の異なる領域を1回の結晶成長で形
成する。選択MOVPE成長により各領域にダブルヘテ
ロ・メサを一括形成した後、図5(c),図6(c)に
示すように、ダブルヘテロ・メサ脇のSiO2 マスクを
2μm幅ずつエッチングにより除去し、SiO2 マスク
のない空隙部を再度形成する。尚、方向性結合器部10
3においては、図5(c)に示すように、2つのダブル
ヘテロ・メサ501の間の部分のSiO2 マスクは全て
除去する。
バンドギャップ波長の異なる領域を1回の結晶成長で形
成する。選択MOVPE成長により各領域にダブルヘテ
ロ・メサを一括形成した後、図5(c),図6(c)に
示すように、ダブルヘテロ・メサ脇のSiO2 マスクを
2μm幅ずつエッチングにより除去し、SiO2 マスク
のない空隙部を再度形成する。尚、方向性結合器部10
3においては、図5(c)に示すように、2つのダブル
ヘテロ・メサ501の間の部分のSiO2 マスクは全て
除去する。
【0045】その後、図5(d),図6(d)に示すよ
うに、この空隙部にInP埋め込み層504,505,
506をやはり選択MOVPE成長により形成する。I
nP埋め込み層504,505,506のメサ高さは約
2μmである。
うに、この空隙部にInP埋め込み層504,505,
506をやはり選択MOVPE成長により形成する。I
nP埋め込み層504,505,506のメサ高さは約
2μmである。
【0046】最後に、SiO2 マスクをエッチングによ
り除去した後、InP基板100側の研磨,劈開による
素子端面の形成、端面への無反射コーティング膜の形成
を行い、図2に示した素子の製作を完了する。
り除去した後、InP基板100側の研磨,劈開による
素子端面の形成、端面への無反射コーティング膜の形成
を行い、図2に示した素子の製作を完了する。
【0047】本発明においては、長波長側の信号が出力
される側、すなわち出力光導波路102a側の先に短波
長信号を吸収する導波路104、すなわちコア層の組成
波長が1.3μm近傍の導波路が継続接続されている
が、この短波長信号吸収導波路のコア層を、選択MOV
PE成長により、他の透明導波路のコア層と一括形成す
る。
される側、すなわち出力光導波路102a側の先に短波
長信号を吸収する導波路104、すなわちコア層の組成
波長が1.3μm近傍の導波路が継続接続されている
が、この短波長信号吸収導波路のコア層を、選択MOV
PE成長により、他の透明導波路のコア層と一括形成す
る。
【0048】このため、バンドギャップ波長の異なる領
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。従って、素子の
製造歩留まりも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
型光波長弁別素子の出力光導波路102aと短波長信号
吸収導波路104との接続部でコアは連続となり、両者
の間でほぼ100%の結合効率が得られる。従って、接
続部の損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さいばかり
ではなく、接続部で不要な反射戻りが発生することによ
る悪影響も低減できる。
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。従って、素子の
製造歩留まりも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
型光波長弁別素子の出力光導波路102aと短波長信号
吸収導波路104との接続部でコアは連続となり、両者
の間でほぼ100%の結合効率が得られる。従って、接
続部の損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さいばかり
ではなく、接続部で不要な反射戻りが発生することによ
る悪影響も低減できる。
【0049】従って、本発明によれば、吸収導波路を集
積化してクロストーク特性が改善され、設計及び製作の
許容度が増大した半導体光波長弁別回路を、簡便な製造
方法でかつ良好な製作歩留まりで実現できる。
積化してクロストーク特性が改善され、設計及び製作の
許容度が増大した半導体光波長弁別回路を、簡便な製造
方法でかつ良好な製作歩留まりで実現できる。
【0050】図7には、本発明による半導体光波長弁別
回路の第2の実施例を示す。図7に示した実施例におい
ては、前述の図2に示した第1の実施例に加えて、波長
分波後に長波長信号及び短波長信号を夫々検出する受光
器までが集積化されている。
回路の第2の実施例を示す。図7に示した実施例におい
ては、前述の図2に示した第1の実施例に加えて、波長
分波後に長波長信号及び短波長信号を夫々検出する受光
器までが集積化されている。
【0051】図7に示した半導体光波長弁別回路におい
ても、図2に示した第1の実施例と同様に、方向性結合
器型光波長弁別素子部103の後段、特に長波長側(λ
=1.55μm側)の信号が出力される側の出力端の後
段に、クロストーク成分である短波長信号を吸収する吸
収導波路部104を付加した構成となっている。これに
より、長波長側の信号が出力される側、すなわち出力光
導波路102b側のクロストークが大幅に改善される。
図7に示した半導体光波長弁別回路においては、更に長
波長信号及び短波長信号を夫々検出する受光器601
a,601bまでが集積化されている。
ても、図2に示した第1の実施例と同様に、方向性結合
器型光波長弁別素子部103の後段、特に長波長側(λ
=1.55μm側)の信号が出力される側の出力端の後
段に、クロストーク成分である短波長信号を吸収する吸
収導波路部104を付加した構成となっている。これに
より、長波長側の信号が出力される側、すなわち出力光
導波路102b側のクロストークが大幅に改善される。
図7に示した半導体光波長弁別回路においては、更に長
波長信号及び短波長信号を夫々検出する受光器601
a,601bまでが集積化されている。
【0052】ここで、長波長側(λ=1.55μm側)
の信号が出力される短波長信号吸収導波路104の後段
に付加された光受光器601aにおいては、そのコア層
波長組成を長波長信号光の波長(λ=1.55μm)に
ほぼ等しく設定し、短波長側の(λ=1.3μm)信号
が出力される出力光導波路102cの後段に付加された
光受光器601bにおいては、そのコア層波長組成は短
波長信号の波長(λ=1.3μm)にほぼ等しく設定さ
れている。
の信号が出力される短波長信号吸収導波路104の後段
に付加された光受光器601aにおいては、そのコア層
波長組成を長波長信号光の波長(λ=1.55μm)に
ほぼ等しく設定し、短波長側の(λ=1.3μm)信号
が出力される出力光導波路102cの後段に付加された
光受光器601bにおいては、そのコア層波長組成は短
波長信号の波長(λ=1.3μm)にほぼ等しく設定さ
れている。
【0053】この様に、短波長側の(λ=1.3μm)
信号が出力される出力光導波路102cの後段に付加さ
れた光受光器601bのコア層波長組成を短波長信号光
の波長(λ=1.3μm)にほぼ等しく設定すれば、短
波長側の(λ=1.3μm)信号が出力される出力光導
波路102cに長波長(λ=1.55μm)側の信号が
クロストークとしてたとえ残留しても、このクロストー
ク信号は光受光器601bでは吸収されない。従って、
受光器601bで電気信号に変換した後では、この長波
長(λ=1.55μm)側の信号はクロストークとはな
らない。
信号が出力される出力光導波路102cの後段に付加さ
れた光受光器601bのコア層波長組成を短波長信号光
の波長(λ=1.3μm)にほぼ等しく設定すれば、短
波長側の(λ=1.3μm)信号が出力される出力光導
波路102cに長波長(λ=1.55μm)側の信号が
クロストークとしてたとえ残留しても、このクロストー
ク信号は光受光器601bでは吸収されない。従って、
受光器601bで電気信号に変換した後では、この長波
長(λ=1.55μm)側の信号はクロストークとはな
らない。
【0054】図7に示した集積素子は、2つの光受光器
601a,601bが付加されていることと、光受光器
601aのコア層組成波長を1.55μmとしなければ
ならないので、受動導波路のコア層組成成長(1.15
μm)と光受光器601aのコア層組成成長(1.55
μm)の間で400nmという大きな組成波長差が必要
であること、が第1の実施例と異なる。
601a,601bが付加されていることと、光受光器
601aのコア層組成波長を1.55μmとしなければ
ならないので、受動導波路のコア層組成成長(1.15
μm)と光受光器601aのコア層組成成長(1.55
μm)の間で400nmという大きな組成波長差が必要
であること、が第1の実施例と異なる。
【0055】しかしながら、コア層を含むダブルヘテロ
・メサを選択MOVPE成長法により一括形成する際の
誘電体マスクとして、図8に示す形状のものを用い、コ
ア層には多重量子井戸構造(MQW構造)を用いること
により、図7に示した素子を実現できる。
・メサを選択MOVPE成長法により一括形成する際の
誘電体マスクとして、図8に示す形状のものを用い、コ
ア層には多重量子井戸構造(MQW構造)を用いること
により、図7に示した素子を実現できる。
【0056】図8において、短波長信号吸収導波路部S
iO2 マスク304及び光受光器部SiO2 マスク70
1bの幅Wm2は10μm、光受光器部SiO2 マスク7
01aのマスク幅Wm3は30μm、それ以外の方向性結
合器部を含む受動導波路部のSiO2 マスク幅Wm1は5
μmとしている。
iO2 マスク304及び光受光器部SiO2 マスク70
1bの幅Wm2は10μm、光受光器部SiO2 マスク7
01aのマスク幅Wm3は30μm、それ以外の方向性結
合器部を含む受動導波路部のSiO2 マスク幅Wm1は5
μmとしている。
【0057】この時、コア層としてMQW構造を採用す
れば、図11(c)より判るように、短波長信号吸収導
波路部104,光受光器部601a,光受光器部601
b,それ以外の方向性結合器部を含む受動導波路部の組
成波長を夫々1.3μm,1.55μm,1.3μm,
1.15μm近傍とすることができる。
れば、図11(c)より判るように、短波長信号吸収導
波路部104,光受光器部601a,光受光器部601
b,それ以外の方向性結合器部を含む受動導波路部の組
成波長を夫々1.3μm,1.55μm,1.3μm,
1.15μm近傍とすることができる。
【0058】尚、コア層のMQW構造としては、ウエル
としては厚さ40Åの1.51μm組成のInGaAs
Pを、バリアとしては厚さ100Åの1.28μm組成
のInGaAsPを用いる。尚、上記の膜厚及び組成
は、組成波長の最も長い光受光器601a領域での設定
値である。
としては厚さ40Åの1.51μm組成のInGaAs
Pを、バリアとしては厚さ100Åの1.28μm組成
のInGaAsPを用いる。尚、上記の膜厚及び組成
は、組成波長の最も長い光受光器601a領域での設定
値である。
【0059】図7に示した実施例の製造方法のほとんど
は、第1の実施例と同様であるので詳細は省略する。製
造工程の概略としては、第1の実施例と同様に、先ず図
8の形状の選択成長用SiO2 マスクを形成し、次に上
記のSiO2 マスクの空隙部に各領域のダブルヘテロ・
メサをMOVPE選択成長により一括形成し、更にこの
ダブルヘテロ・メサの両脇のSiO2 マスクを一部除去
して、InP埋め込み層をやはりMOVPE選択成長に
より形成する。本実施例の製造方法で第1の実施例と異
なる点は2つの光受光器601a及び601bの電極を
形成する工程が必要な点であるが、この工程は通常の半
導体レーザや光受光器の電極形成プロセスと同様であ
る。
は、第1の実施例と同様であるので詳細は省略する。製
造工程の概略としては、第1の実施例と同様に、先ず図
8の形状の選択成長用SiO2 マスクを形成し、次に上
記のSiO2 マスクの空隙部に各領域のダブルヘテロ・
メサをMOVPE選択成長により一括形成し、更にこの
ダブルヘテロ・メサの両脇のSiO2 マスクを一部除去
して、InP埋め込み層をやはりMOVPE選択成長に
より形成する。本実施例の製造方法で第1の実施例と異
なる点は2つの光受光器601a及び601bの電極を
形成する工程が必要な点であるが、この工程は通常の半
導体レーザや光受光器の電極形成プロセスと同様であ
る。
【0060】本発明においては、長波長側の信号が出力
される側、すなわち出力光導波路102a側の先にクロ
ストークである短波長信号を吸収する導波路104が付
加されているのみならず、分波後の光信号を電気信号に
変化する光受光器までが集積化された半導体光波長弁別
回路を、選択MOVPE成長により一括形成する。
される側、すなわち出力光導波路102a側の先にクロ
ストークである短波長信号を吸収する導波路104が付
加されているのみならず、分波後の光信号を電気信号に
変化する光受光器までが集積化された半導体光波長弁別
回路を、選択MOVPE成長により一括形成する。
【0061】このため、バンドギャップ波長の異なる領
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。従って、素子の
製造歩留まりも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
型光波長弁別素子の出力光導波路102aと短波長信号
吸収導波路104との接続部及び出力光導波路102
b,102cと光受光器との接続部でコアとは連続とな
り、接続部でほぼ100%の結合効率が得られる。従っ
て、接続部での損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さ
いばかりでなく、接続部で不要な反射戻り光が発生する
ことによる悪影響も低減できる。
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。従って、素子の
製造歩留まりも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
型光波長弁別素子の出力光導波路102aと短波長信号
吸収導波路104との接続部及び出力光導波路102
b,102cと光受光器との接続部でコアとは連続とな
り、接続部でほぼ100%の結合効率が得られる。従っ
て、接続部での損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さ
いばかりでなく、接続部で不要な反射戻り光が発生する
ことによる悪影響も低減できる。
【0062】従って、本発明によれば、吸収導波路及び
光受光器を集積化してクロストーク特性が改善され、設
計及び製作の許容度が増した光波長弁別回路を、簡便な
製造方法でかつ良好な製作歩留まりで実現できる。
光受光器を集積化してクロストーク特性が改善され、設
計及び製作の許容度が増した光波長弁別回路を、簡便な
製造方法でかつ良好な製作歩留まりで実現できる。
【0063】図9には本発明の製造方法により製作した
第3の実施例である半導体光波長弁別回路の構造を示
す。図9においては、方向性結合器型光波長弁別素子の
後段の長波長信号光出力側には短波長光クロストークを
吸収するための吸収導波路104が、方向性結合器型光
波長弁別回路の後段の短波長信号光出力側には長波長光
クロストークを放射させて除去するための曲線光導波路
801が集積化され、また分波されクロストーク成分が
除去された後の光信号を電気信号に変換するための光受
光器601a,601bも集積化されている。
第3の実施例である半導体光波長弁別回路の構造を示
す。図9においては、方向性結合器型光波長弁別素子の
後段の長波長信号光出力側には短波長光クロストークを
吸収するための吸収導波路104が、方向性結合器型光
波長弁別回路の後段の短波長信号光出力側には長波長光
クロストークを放射させて除去するための曲線光導波路
801が集積化され、また分波されクロストーク成分が
除去された後の光信号を電気信号に変換するための光受
光器601a,601bも集積化されている。
【0064】尚、本実施例においては、第2の実施例と
は異なり、短波長信号出力側においても曲線光導波路8
01によりクロストーク成分が光信号レベルで除去され
るので、光受光器601a,601bのコア層波長組成
はいずれも1.55μmで同一である。
は異なり、短波長信号出力側においても曲線光導波路8
01によりクロストーク成分が光信号レベルで除去され
るので、光受光器601a,601bのコア層波長組成
はいずれも1.55μmで同一である。
【0065】尚、方向性結合器部103の前後の曲線導
波路の曲率半径R1 は5mmであり、長波長(1.55
μm),短波長(1.3μm)いずれの伝搬光に対して
も曲線導波路部での放射は生じないように設計されてい
る。
波路の曲率半径R1 は5mmであり、長波長(1.55
μm),短波長(1.3μm)いずれの伝搬光に対して
も曲線導波路部での放射は生じないように設計されてい
る。
【0066】これに対して、曲線光導波路801の曲率
半径R2 は2.5mmと小さく、波長1.3μmの伝搬
光に対しては放射損失は生じないが、波長1.3μmの
伝搬光よりも水平方向の光閉じ込めが弱い波長1.55
μm伝搬光に対しては大きな放射損失が生じる。このた
め、曲線光導波路801は不要長波長光除去のためのフ
ィルタとして機能する。
半径R2 は2.5mmと小さく、波長1.3μmの伝搬
光に対しては放射損失は生じないが、波長1.3μmの
伝搬光よりも水平方向の光閉じ込めが弱い波長1.55
μm伝搬光に対しては大きな放射損失が生じる。このた
め、曲線光導波路801は不要長波長光除去のためのフ
ィルタとして機能する。
【0067】図9に示した集積素子は、不要長波長光除
去のための曲線光導波路801が付加されていること
と、光受光器601a,601bのコア層波長組成はい
ずれも1.55μmで同一であることを除けば、第2の
実施例とほぼ同一である。コア層を含むダブルヘテロ・
メサを選択成長MOVPE成長法により一括形成する際
の誘電体マスクとして、図10に示す形状のものを用
い、コア層には第2の実施例と同様に多重量子井戸構造
(MQW構造)を用いることにより、図9に示した素子
は第2の実施例と同一の製造方法により実現できる。
去のための曲線光導波路801が付加されていること
と、光受光器601a,601bのコア層波長組成はい
ずれも1.55μmで同一であることを除けば、第2の
実施例とほぼ同一である。コア層を含むダブルヘテロ・
メサを選択成長MOVPE成長法により一括形成する際
の誘電体マスクとして、図10に示す形状のものを用
い、コア層には第2の実施例と同様に多重量子井戸構造
(MQW構造)を用いることにより、図9に示した素子
は第2の実施例と同一の製造方法により実現できる。
【0068】図10において、短波長信号吸収導波路部
SiO2 マスク304のマスク幅Wm2は10μm、光受
光器部SiO2 マスク701a及び701bのマスク幅
Wm3はいずれも30μm、それ以外の方向性結合器部を
含む受動導波路部のSiO2マスク幅Wm1は5μmとし
ている。
SiO2 マスク304のマスク幅Wm2は10μm、光受
光器部SiO2 マスク701a及び701bのマスク幅
Wm3はいずれも30μm、それ以外の方向性結合器部を
含む受動導波路部のSiO2マスク幅Wm1は5μmとし
ている。
【0069】この時、コア層としてMQW構造を採用す
れば、図11(c)より判るように、短波長吸収信号導
波路部104、光受光器部601a,601b、それ以
外の方向性結合器型を含む受動導波路部の組成波長を夫
々1.3μm,1.55μmμm,1.55μm及び
1.15μm近傍とすることができる。ここで、不要長
波長光を除去する光曲線導波路部801のSiO2 マス
ク幅も他の受動導波路部と同じ5μmである。
れば、図11(c)より判るように、短波長吸収信号導
波路部104、光受光器部601a,601b、それ以
外の方向性結合器型を含む受動導波路部の組成波長を夫
々1.3μm,1.55μmμm,1.55μm及び
1.15μm近傍とすることができる。ここで、不要長
波長光を除去する光曲線導波路部801のSiO2 マス
ク幅も他の受動導波路部と同じ5μmである。
【0070】図9に示した本実施例の製造方法のほとん
どは、第1及び第2の実施例と同様であるので、詳細は
省略する。製造工程の概略としては、第1の実施例と同
様に、先ず図10の形状の選択成長用SiO2 マスクを
形成し、次に上記SiO2 マスクの空隙部に各領域のダ
ブルヘテロ・メサをMOVPE選択成長により一括形成
し、更にこのダブルヘテロ・メサの両脇のSiO2 マス
クを一部除去して、InP埋め込み層をやはりMOVP
E選択成長により形成する。
どは、第1及び第2の実施例と同様であるので、詳細は
省略する。製造工程の概略としては、第1の実施例と同
様に、先ず図10の形状の選択成長用SiO2 マスクを
形成し、次に上記SiO2 マスクの空隙部に各領域のダ
ブルヘテロ・メサをMOVPE選択成長により一括形成
し、更にこのダブルヘテロ・メサの両脇のSiO2 マス
クを一部除去して、InP埋め込み層をやはりMOVP
E選択成長により形成する。
【0071】本実施例においては、長波長側の信号が出
力される側、すなわち出力光導波路102a側の先にク
ロストークである短波長信号を吸収する導波路104が
付加されているのみならず、短波長側の信号が出力され
る側の先にも、クロストークである長波長信号を放射除
去する曲線導波路801が付加されている。更に分波後
の光信号を電気信号に変化する光受光器までが集積化さ
れた半導体光波長弁別回路を、選択MPVPE成長によ
り一括形成する。
力される側、すなわち出力光導波路102a側の先にク
ロストークである短波長信号を吸収する導波路104が
付加されているのみならず、短波長側の信号が出力され
る側の先にも、クロストークである長波長信号を放射除
去する曲線導波路801が付加されている。更に分波後
の光信号を電気信号に変化する光受光器までが集積化さ
れた半導体光波長弁別回路を、選択MPVPE成長によ
り一括形成する。
【0072】このため、バンドギャップ波長の異なる領
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。従って、素子の
製造歩留まりも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
型光波長弁別素子の出力光導波路102aと短波長信号
吸収導波路104との接続部及び出力光導波路102
b,102cと光受光器との接続部でコア層は連続とな
り、接続部でほぼ100%の結合効率が得られる。従っ
て、接続部の損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さい
ばかりでなく、接続部で不要な反射戻り光が発生するこ
とによる悪影響も低減できる。
域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要が
なく、製造工程が大幅に簡略化される。従って、素子の
製造歩留まりも大幅に向上する。しかも、本製造方法に
より半導体光波長弁別回路を製作すると、方向性結合器
型光波長弁別素子の出力光導波路102aと短波長信号
吸収導波路104との接続部及び出力光導波路102
b,102cと光受光器との接続部でコア層は連続とな
り、接続部でほぼ100%の結合効率が得られる。従っ
て、接続部の損失が生じず素子全体の伝搬損失が小さい
ばかりでなく、接続部で不要な反射戻り光が発生するこ
とによる悪影響も低減できる。
【0073】従って、本発明によれば、吸収導波路及び
光受光器を集積化してクロストーク特性が改善され、設
計及び製作の許容度が増大した光波長弁別回路を、簡便
な製造方法でかつ良好な製作歩留まりで実現できる。
光受光器を集積化してクロストーク特性が改善され、設
計及び製作の許容度が増大した光波長弁別回路を、簡便
な製造方法でかつ良好な製作歩留まりで実現できる。
【0074】尚、本発明の実施例は上記の実施例に限定
されるものではない。実施例としては、InP系の方向
性結合器型光波長弁別素子を基本構成要素とした半導体
光波長弁別回路の場合のみを示したが、InAlAs系
などの他の材料系に対しても本発明は有効である。ま
た、基本となる光波長弁別素子の回路方式としても、方
向性結合器型に限る必要はほとんどなく、マッハ・ツェ
ンダ型やグレーティング導波路型、スターカップラと導
波路グレーティングを組み合わせたタイプ等、あらゆる
種類の導波型光波長弁別素子に対して、本発明は適用可
能である。
されるものではない。実施例としては、InP系の方向
性結合器型光波長弁別素子を基本構成要素とした半導体
光波長弁別回路の場合のみを示したが、InAlAs系
などの他の材料系に対しても本発明は有効である。ま
た、基本となる光波長弁別素子の回路方式としても、方
向性結合器型に限る必要はほとんどなく、マッハ・ツェ
ンダ型やグレーティング導波路型、スターカップラと導
波路グレーティングを組み合わせたタイプ等、あらゆる
種類の導波型光波長弁別素子に対して、本発明は適用可
能である。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、、本発明によれば、
不要な短波長クロストーク信号を吸収する導波路が集積
化された半導体光波長弁別回路を、選択MOVPE成長
により一括形成するため、バンドギャップ波長の異なる
領域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要
がなく、製造工程が大幅に簡略化されるので、クロスト
ーク特性が改善され、設計及び製作の許容度が増大した
光波長弁別回路を、簡便な製造方法でかつ良好な製作歩
留まりで実現できるという効果がある。
不要な短波長クロストーク信号を吸収する導波路が集積
化された半導体光波長弁別回路を、選択MOVPE成長
により一括形成するため、バンドギャップ波長の異なる
領域をエッチングと結晶成長の繰り返しで形成する必要
がなく、製造工程が大幅に簡略化されるので、クロスト
ーク特性が改善され、設計及び製作の許容度が増大した
光波長弁別回路を、簡便な製造方法でかつ良好な製作歩
留まりで実現できるという効果がある。
【0076】しかも、本製造方法により半導体光波長弁
別回路を製作すると、方向性結合器型光波長弁別素子の
出力光導波路と短波長信号導波路との接続部、及び方向
性結合器型光波長弁別素子の出力光導波路と光受光器と
の接続部でコアは連続となり、接続部でほぼ100%の
結合効率が得られる。従って、接続部の損失が生じず素
子全体の伝搬損失が小さいばかりでなく、接続部で不要
な反射戻り光が発生することによる悪影響も低減でき
る。
別回路を製作すると、方向性結合器型光波長弁別素子の
出力光導波路と短波長信号導波路との接続部、及び方向
性結合器型光波長弁別素子の出力光導波路と光受光器と
の接続部でコアは連続となり、接続部でほぼ100%の
結合効率が得られる。従って、接続部の損失が生じず素
子全体の伝搬損失が小さいばかりでなく、接続部で不要
な反射戻り光が発生することによる悪影響も低減でき
る。
【図1】本発明の一実施例である方向性結合器型光波長
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
概略を示す図である。
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
概略を示す図である。
【図2】本発明により製造される方向性結合器型光波長
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
構造を示す斜視図である。
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
構造を示す斜視図である。
【図3】図2にその構造を示した第1の実施例である方
向性結合器型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導
体光波長弁別回路を製作する際の、選択成長マスクの形
状を示す上面図である。
向性結合器型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導
体光波長弁別回路を製作する際の、選択成長マスクの形
状を示す上面図である。
【図4】図2に示した第1の実施例である方向性結合器
型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁
別回路の構造を示すための断面図である。
型光波長弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁
別回路の構造を示すための断面図である。
【図5】本発明の一実施例である方向性結合器型光波長
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
製造工程を示す図である。
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
製造工程を示す図である。
【図6】本発明の一実施例である方向性結合器型光波長
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
製造工程を示す図である。
弁別素子を基本構成要素とする半導体光波長弁別回路の
製造工程を示す図である。
【図7】本発明により製造される半導体光波長弁別回路
の第2の実施例である、光受光器を集積化した方向性結
合器型光波長弁別回路の構造を示す斜視図である。
の第2の実施例である、光受光器を集積化した方向性結
合器型光波長弁別回路の構造を示す斜視図である。
【図8】図6にその構造を示した第2の実施例である方
向性結合器型光波長弁別回路を製作する際の、選択成長
マスクの形状を示す上面図である。
向性結合器型光波長弁別回路を製作する際の、選択成長
マスクの形状を示す上面図である。
【図9】本発明により製造される半導体光波長弁別回路
の第3の実施例である方向性結合器型光波長弁別回路の
構造を示す斜視図である。
の第3の実施例である方向性結合器型光波長弁別回路の
構造を示す斜視図である。
【図10】図7にその構造を示した第3の実施例である
方向性結合器型光波長弁別回路を製作する際の、選択成
長マスクの形状を示す上面図である。
方向性結合器型光波長弁別回路を製作する際の、選択成
長マスクの形状を示す上面図である。
【図11】選択MOVPE成長によるバンドギャップ・
エネルギ制御の原理を説明するための図である。
エネルギ制御の原理を説明するための図である。
【図12】方向性結合器型光波長弁別素子の動作原理を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図13】方向性結合器型光波長弁別素子の動作を示す
図である。
図である。
【図14】光波長弁別回路の低クロストーク化に関する
従来例を示す図である。
従来例を示す図である。
100 n−InP基板 101 入力光導波路 102a,b,c 出力光導波路 103 方向性結合器部 104 短波長信号吸収導波路 105 InGaAsPコア層 110 方向性結合器型光波長弁別素子部 111 短波長信号吸収光導波路部 112 出力光導波路部 127 レーザ部 201 InP埋め込み層 202 ダブルヘテロ・メサ 301 入力光導波路部SiO2 マスク 302a,b,c 出力光導波路部SiO2 マスク 303 方向性結合器部SiO2 マスク 304 短波長信号吸収導波路部SiO2 マスク 501 方向性結合器部ダブルヘテロ・メサ 502 吸収導波路部ダブルヘテロ・メサ 503 出力光導波路部ダブルヘテロ・メサ 504 方向性結合器部埋め込み層 505 吸収導波路部埋め込み層 506 出力光導波路部埋め込み層 601a,b,c 光受光器 602 InGaAsP/InGaAsP MQWコア
層 701a,b 光受光器部SiO2 マスク 801 曲線導波路部 901 曲線導波路部SiO2 マスク 910 SiO2 マスク 911 選択成長メサ 912 コア層
層 701a,b 光受光器部SiO2 マスク 801 曲線導波路部 901 曲線導波路部SiO2 マスク 910 SiO2 マスク 911 選択成長メサ 912 コア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜本 貴一 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 佐々木 達也 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 竹内 剛 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−265741(JP,A) 特開 昭62−121409(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 H01L 31/10 H01S 5/00
Claims (6)
- 【請求項1】 半導体導波路型光波長弁別素子の後段に
短波長クロストーク光を除去するための短波長信号光吸
収導波路を付加した半導体光波長弁別回路の製造方法で
あって、 前記導波路型光波長弁別素子とこれに連続して接続され
る前記短波長信号光吸収導波路とのコア層パターンを形
成する半導体基板上の予定領域を挟んで選択成長用のマ
スク層を選択的に形成する工程と、 このマスク層をマスクとして前記予定領域上に半導体バ
ッファ層、コア層及び半導体クラッド層をこの順に積層
して半導体コア層を含むメサストライプを、前記導波路
型光波長弁別素子と前記短波長信号光吸収導波路とにお
いて同時に形成する工程と、 を含み、前記短波長信号光吸収導波路に対応するマスク
層の幅が前記導波路型光波長弁別素子に対応するマスク
層よりも大に形成されていることを特徴とする半導体光
波長弁別回路の製造方法。 - 【請求項2】 半導体導波路型光波長弁別素子の後段に
短波長クロストーク光を除去するための短波長信号光吸
収導波路を付加し、かつ分波された光信号の各々を電気
信号に変換する光受光器を有する半導体光波長弁別回路
の製造方法であって、 前記導波路型光波長弁別素子とこれに連続して接続され
る前記短波長信号光吸収導波路及び前記光受光器とのコ
ア層パターンを形成する半導体基板上の予定領域を挟ん
で選択成長用のマスク層を選択的に形成する工程と、 このマスク層をマスクとして前記予定領域上に半導体バ
ッファ層、コア層及び半導体クラッド層をこの順に積層
して半導体コア層を含むメサストライプを、前記導波路
型光波長弁別素子と前記短波長信号光吸収導波路と前記
光受光器とにおいて同時に形成する工程と、 を含み、前記短波長信号光吸収導波路と前記光受光器と
に対応するマスク層の幅が前記導波路型光波長弁別素子
に対応するマスク層よりも大に形成されていることを特
徴とする半導体光波長弁別回路の製造方法。 - 【請求項3】 半導体導波路型光波長弁別素子の後段に
短波長クロストーク光を除去するための短波長信号光吸
収導波路と、長波長クロストーク光を除去するための長
波長信号光放射導波路とを付加した半導体光波長弁別回
路の製造方法であって、 前記導波路型光波長弁別素子と、これに連続して接続さ
れる前記短波長信号光吸収導波路及び前記長波長信号光
放射導波路とのコア層パターンを形成する半導体基板上
の予定領域を挟んで選択成長用のマスク層を選択的に形
成する工程と、 このマスク層をマスクとして前記予定領域上に半導体バ
ッファ層、コア層及び半導体クラッド層をこの順に積層
して半導体コア層を含むメサストライプを、前記導波路
型光波長弁別素子、前記短波長信号光吸収導波路、前記
長波長信号光放射導波路において同時に形成する工程
と、 を含み、前記短波長信号光吸収導波路に対応するマスク
層の幅が前記導波路型光波長弁別素子と前記長波長信号
光放射導波路に対応するマスク層よりも大に形成されて
いることを特徴とする半導体光波長弁別回路の製造方
法。 - 【請求項4】 半導体導波路型光波長弁別素子の後段に
短波長クロストーク光を除去するための短波長信号光吸
収導波路と、長波長クロストーク光を除去するための長
波長信号光放射導波路とを付加し、かつ分波された光信
号の各々を電気信号に変換する光受光器を有する半導体
光波長弁別回路の製造方法であって、 前記導波路型光波長弁別素子と、これに連続して接続さ
れる前記短波長信号光吸収導波路、前記長波長信号光放
射導波路及び前記光受光器とのコア層パターンを形成す
る半導体基板上の予定領域を挟んで選択成長用のマスク
層を選択的に形成する工程と、 このマスク層をマスクとして前記予定領域上に半導体バ
ッファ層、コア層及び半導体クラッド層をこの順に積層
して半導体コア層を含むメサストライプを、前記導波路
型光波長弁別素子、前記短波長信号光吸収導波路、前記
長波長信号光放射導波路及び前記光受光器において同時
に形成する工程と、 を含み、前記短波長信号光吸収導波路と前記光受光器と
に対応するマスク層の幅が前記導波路型光波長弁別素子
と前記長波長信号光放射導波路に対応するマスク層より
も大に形成されていることを特徴とする半導体光波長弁
別回路の製造方法。 - 【請求項5】 前記半導体コア層はバルク半導体である
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の半導体光
波長弁別回路の製造方法。 - 【請求項6】 前記半導体コア層は多重量子井戸構造で
あることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の半導
体光波長弁別回路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20264595A JP3212840B2 (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 半導体光波長弁別回路の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20264595A JP3212840B2 (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 半導体光波長弁別回路の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0949935A JPH0949935A (ja) | 1997-02-18 |
JP3212840B2 true JP3212840B2 (ja) | 2001-09-25 |
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ID=16460782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20264595A Expired - Fee Related JP3212840B2 (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 半導体光波長弁別回路の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212840B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61284707A (ja) * | 1985-06-12 | 1986-12-15 | Hitachi Ltd | 光合分波器 |
JPH05127029A (ja) * | 1991-06-06 | 1993-05-25 | Fujitsu Ltd | 光分波導波路装置 |
JPH06265741A (ja) * | 1993-03-11 | 1994-09-22 | Fujitsu Ltd | 光半導体装置およびその製造方法 |
JP2776228B2 (ja) * | 1993-12-28 | 1998-07-16 | 日本電気株式会社 | 半導体受光素子の製造方法 |
-
1995
- 1995-08-09 JP JP20264595A patent/JP3212840B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0949935A (ja) | 1997-02-18 |
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