JPH08271842A - 導波型波長フィルタ - Google Patents

導波型波長フィルタ

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JPH08271842A
JPH08271842A JP10060395A JP10060395A JPH08271842A JP H08271842 A JPH08271842 A JP H08271842A JP 10060395 A JP10060395 A JP 10060395A JP 10060395 A JP10060395 A JP 10060395A JP H08271842 A JPH08271842 A JP H08271842A
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waveguide
mode
wavelength
layer
wavelength filter
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JP10060395A
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Yukio Furukawa
幸生 古川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の偏波状態を有する入力光から、偏波に
依存することなく特定の波長を安定に選択できる導波型
波長フィルタである。 【構成】導波路中に設けられた回折格子21によって複
数の波長の中から特定の波長を選択する導波型波長フィ
ルタである。導波路中を伝搬するTEモードおよびTM
モードが相互に変換しながら伝搬するようなTE−TM
変換手段23が設けられている。更に、TE−TM変換
手段23が設けられた導波路に連続して、TE−TM変
換手段23が設けられた導波路に比べて、選択される帯
域幅が大きく、選択される中心波長の偏波依存性が小さ
い波長選択手段を持つ領域が設けられてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長多重光通信等に用
いられる導波型波長フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、波長多重化された光信号の中から
特定の波長を選択・分離する波長フィルタがいくつか提
案されている。その中でも、図16に示すような、導波
路中に設けられた回折格子gによって特定の波長のみを
選択するタイプの波長フィルタは、任意の層組成や層厚
が実現でき、1Å以下の波長幅で光を選択できる。その
ため、波長多重光通信の波長チャネル間隔やチャネル間
アイソレーションといった点で設計の自由度が大きい。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上記の波
長フィルタにおいては、回折格子gのブラッグ波長がT
EモードとTMモードとで数nm異なる。そのため、入
力光の偏波状態によって、選択された波長の光強度が変
動するという欠点を有する。この波長フィルタを通信に
用いた場合、光ファイバ725中を伝搬した信号光の偏
波状態はランダムであるので、上記の欠点が信号受信時
の誤りの原因となる。このような偏波依存性を排除する
ために、TEモード、TMモードそれぞれに対して設計
した波長フィルタを2つ用意して、あらかじめ信号光を
直交する偏波成分で分離した後にそれぞれの偏波成分に
合わせた波長フィルタによって所望の波長の信号を選択
するという方法も考えられる。しかし、この方法は、2
つの波長フィルタの特性を同一にすることが困難であ
り、構成が複雑になるため、実用的でない。
【0004】また、各モードの実効屈折率を一致させれ
ば、両方のブラッグ波長が等しくなるのでこの問題は解
決されるとも言える。例えば、TEモードとTMモード
とで屈折率の異なる様な材料や導波路構造を用いること
によって実効屈折率を一致させることは可能である。し
かし、0.1nm以下の波長幅で選択する波長フィルタ
に適応する為には、実効屈折率を−5乗のオーダーまで
等しくする必要がある。よって、作製時の許容誤差が小
さい、屈折率を微調する機構が必要であると言った欠点
を有する。
【0005】従って、本出願に係る第1の発明の目的
は、偏波依存性のない導波型波長フィルタを提供するこ
とにある。
【0006】本出願に係る第2の発明の目的は、波長選
択性に優れた、偏波依存性のない導波型波長フィルタを
提供することにある。
【0007】本出願に係る第3の発明の目的は、容易に
作製可能なTE−TM変換手段を有する導波型波長フィ
ルタを提供することにある。
【0008】本出願に係る第4の発明の目的は、光通信
に適した導波型波長フィルタを提供することにある。
【0009】本出願に係る第5の発明の目的は、通信な
どに用いる波長帯域を制限することのない、偏波依存性
のない導波型波長フィルタを提供することにある。
【0010】本出願に係る第6の発明の目的は、他の光
素子との集積化に適した導波型波長フィルタを提供する
ことにある。
【0011】本出願に係る第7の発明の目的は、より作
製時の許容誤差の大きい導波型波長フィルタを提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】前記第1の目
的を実現するため、本発明においては、導波路中に設け
られた回折格子によって複数の波長の中から特定の波長
を選択する導波型波長フィルタにおいて、導波路中を伝
搬する2つの導波モード(TEモードおよびTMモー
ド)が相互に変換しながら伝搬するような手段(TE−
TM変換手段)を設けることを特徴とする。
【0013】上記構成における作用を説明する。導波路
中の回折格子のブラッグ波長はTEモードとTMモード
で異なるため、或る特定波長のTEモードに対してブラ
ッグ条件となるように回折格子の周期を設定すれば、こ
の特定波長においては、TEモードは回折効果を受ける
が、TMモードは回折効果を受けない。光ファイバ中を
伝搬してきた偏波状態のランダムな信号を本発明の導波
型波長フィルタに入射した場合、信号光はTEモードと
TMモードに分かれて導波路中を伝搬するが、導波路中
に設けられたTE−TM変換手段によってTEモードと
TMモードが相互に変換しながら伝搬するので、入射端
ではTMモードであった信号光も導波路中を伝搬するう
ちにTEモードにシフトする。したがって、入射端にお
ける2つの偏波モードの両方に回折格子による回折効果
を与えることができるので、入射光の偏波状態に依存せ
ず回折格子のブラッグ波長に起因した波長を選択するこ
とができる。TMモードに対してブラッグ条件となるよ
うに回折格子の周期を設定した場合でも同様に説明でき
る。
【0014】前記第2の目的を実現するため、本発明に
おいては、前記回折格子が分布帰還型回折格子であった
り、分布反射型回折格子であったりすることを特徴とす
る。この構成によれば、波長多重された複数の波長の中
から特定の波長を0.1nm以下の波長幅或は数nmの
波長幅で選択し、出力させるので、波長選択性に優れた
導波型波長フィルタを実現できる。
【0015】前記第3の目的を実現するため、本発明に
おいては、前記TE−TM変換手段は、導波路の異方性
軸が導波路の面法線に対して交互に反対向きに傾くよう
な構造によって実現されていることを特徴とする。より
具体的には、前記TE−TM変換手段が、導波路上に周
期的に凹凸が設けられた非対称リブ導波路によって構成
されていたり、導波路の両側に交互に凹部が設けられた
チャネル導波路によって構成されていたりする。この構
成によれば、容易に作製可能なTE−TM変換手段を有
する導波型波長フィルタを実現できる。
【0016】前記第4の目的を実現するため、本発明に
おいては、前記導波路を構成する層の一部に活性層を設
け、該活性層に電流を注入する手段を設けたことを特徴
とする。この構成によれば、活性層の存在により、波長
選択性が更に向上され光出力強度を充分にでき、光通信
に適した導波型波長フィルタを実現できる。
【0017】前記第5の目的を実現するため、本発明に
おいては、更に、前記TE−TM変換手段が設けられた
導波路に連続して、前記TE−TM変換手段が設けられ
た導波路に比べて、選択される帯域幅が大きく、選択さ
れる中心波長の偏波依存性が小さい波長選択手段が設け
られた領域が設けられていることを特徴とする。また、
2つの連続する領域からなる導波型波長フィルタであっ
て、第1の領域には、導波路を伝搬する2つの導波モー
ドであるTEモード及びTMモードが相互に変換しなが
ら伝搬するようにするTE−TM変換手段及び第1の波
長選択手段が設けられており、第2の領域には、第1の
波長選択手段に比べて、選択される帯域幅が大きい第2
の波長選択手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】この構成において、第1の領域の出射端に
おいては、第1の波長選択手段のTEモードに対する選
択波長とTMモードに対する選択波長の2つのピークが
存在する可能性があるが、第2の領域に設けられた第2
の波長選択手段によって、どちらか一方の波長ピークの
みを、TEモードとTMモードの双方で選択することに
より、導波型波長フィルタの偏波無依存性を妨げること
なく波長帯域を拡大するものである。
【0019】より具体的には、前記第2の波長選択手段
が、連続して存在する周期の異なる2つの回折格子によ
って2つの導波路が結合した方向性結合器からなること
を特徴とする。この構成において、第1の領域の出力端
での2つの波長のうちの一方の波長において結合条件を
満たす様にTEモード、TMモード夫々に対して回折格
子を設計し、両偏波モード共に一方の導波路から他方の
導波路に光を移行させるものである。
【0020】また、前記第2の波長選択手段が、回折格
子によって、厚さと幅がほぼ等しい導波層によって構成
される2つの導波路が結合した方向性結合器からなるこ
とを特徴とする。この構成において、TEモード、TM
モード夫々に対する2つの導波路の実効屈折率をほぼ等
しくすることにより、両偏波モードにおいて回折格子が
結合条件を満たす波長がほぼ等しくなり、その波長を第
1の領域の出力端での2つの波長のうちの一方に合わせ
ることにより、両偏波モード共に一方の導波路から他方
の導波路に光を移行させるものである。
【0021】また、前記第2の波長選択手段が、第2の
回折格子によって2つの導波路が結合した方向性結合器
からなり、該2つの導波路の双方が、超格子層と導波層
を含んでおり、TEモードに対する超格子層の屈折率が
他方の偏波モードであるTMモードに対する超格子層の
屈折率よりも大きく、TEモードに対しては、超格子層
に中心強度を有する0次モードの導波光、導波層に中心
強度を有する1次の導波光が存在し、TMモードに対し
ては、導波層に中心強度を有する0次モードの導波光、
超格子層に中心強度を有する1次モードの導波光が存在
し、導波層に中心強度を有する2つの導波光である1次
のTEモード及び0次のTMモードの実効屈折率がほぼ
等しくなっており、該第2の回折格子によって、導波層
に中心強度を有する1次のTEモード同志及び0次のT
Mモード同志が結合されていることを特徴とする。この
構成において、2つの導波路の双方において、1次のT
Eモードと0次のTMモードの実効屈折率がほぼ等しく
なっているので、回折格子が結合条件を満たす波長が両
偏波モードでほぼ等しくなり、その波長を第1の領域の
出力端での2つの波長のうちの一方に合わせることによ
り、両偏波モード共に一方の導波路から他方の導波路に
光を移行させるものである。
【0022】前記第6の目的を実現するため、本発明に
おいては、前記方向性結合器が順方向結合型であること
を特徴とする。この構成において、第2の領域の、第1
の領域とは反対側の側面から特定波長の光を取り出すも
のである。
【0023】前記第7の目的を実現するため、本発明に
おいては、前記方向性結合器が逆方向結合型であること
を特徴とする。この構成において、第2の領域の、第1
の領域と同じ側の側面から特定波長の光を取り出すもの
である。
【0024】
【第1実施例】図1は、本実施例の特徴を最もよく表す
図である。InP基板11上に、InPバッファ層1
3、InGaAsPグレーティング層15、InGaA
sP導波層17、InPクラッド層19を順次積層す
る。グレーティング層15には、或る特定波長のTEモ
ードに対してブラッグ条件を満たし、その特定波長が透
過するように、例えばλ/4の位相シフトが設けられた
分布帰還型回折格子21が形成されている。
【0025】さらに、TE−TM変換機能を付加するた
め、クラッド層19を市松模様にエッチングして非対称
リブ23を形成する。TE−TM変換の原理について図
2を用いて説明する。
【0026】非対称リブ23の断面は、図2(a)およ
び(b)のように導波路中心に対して非対称な形状とな
っている。その結果、構造に起因する複屈折率の主軸5
1,53も法線方向から角度±ρだけ傾くことになる。
その大きさは非対称性の度合いで決定される。また、導
波路を伝搬する2つのモード(TEモードおよびTMモ
ード)の伝搬定数の差によって伝搬の際に位相差が生じ
るが、非対称リブ23の1つのセグメントを伝搬した際
に生じる位相差がπラジアンまたはその奇数倍になるよ
うにセグメントの長さを設定する。位相差をπラジアン
またはその奇数倍にすることによって、非対称リブ23
の各セグメントはλ/2波長板と同様の機能を有する。
【0027】この導波路に、或る偏波の光を入射した場
合、図2(a)のセグメントを通過した直後の光の偏波
状態は、もとの光の偏波状態が複屈折率の主軸51を軸
として線対称に移動したものになる。さらに図2(b)
のセグメントを通過した直後では、複屈折率の主軸53
を軸として線対称に移動した偏波状態になる。したがっ
て、非対称リブ23を1周期分(すなわち2セグメント
分)伝搬すると、もとの偏波状態に対して、4ρ回転し
た偏波状態となる。このように、非対称リブ23の1周
期ごとに、偏波状態は4ρずつ回転するので、非対称リ
ブ23の全体の長さをρの大きさに合わせて適当に設定
すれば、TE−TM変換を実現することができる。この
構成については、文献(Appl.Phys.Let
t.59(11),pp.1278−1280,9 S
ept.1991)に記載がある。
【0028】同様の機能を満たすために、図3の如き構
成でもよい。図3(a)、(b)では、埋め込み導波路
61の両側に交互に凹部63a,63bを形成して、複
屈折率の主軸65a,65bを法線方向から角度±ρだ
け傾かせるものである。
【0029】以上の構成の導波型波長フィルタに、光フ
ァイバ25から偏波状態のランダムな波長多重の信号光
を入射した場合、導波路中をTEモードとTMモードが
互いに変換しながら伝搬する。そのため、入射端におい
てはTMモードであった信号光に対しても、分布帰還型
回折格子21による回折効果を与えることができる。分
布帰還型回折格子21には位相シフトが設けてあるため
ブラッグ波長に対応した波長のみが透過し、出射端にお
いては、TEモード、TMモード双方に、この波長の出
力が得られる。入射光の偏波状態によって偏波モードに
よる出力強度の割合は変化するが、その和は一定である
ので、その和を検出すれば所望の波長を0.1nm以下
の波長幅で選択する事が可能となる。
【0030】この例では、分布帰還型回折格子21をT
Eモードに合わせて設定したが、TMモードに合わせて
もよい。本実施例では、波長多重の信号光中に、分布帰
還型回折格子21のTEモードに対するブラッグ波長と
TMモードに対するブラッグ波長の一方の波長の信号光
のみが含まれていることを前提としている。
【0031】
【第2実施例】第1の実施例では、入射端と反対側の端
面より特定波長を取り出す例を示したが、第2の実施例
では、特定波長を入射端と同一端面より取り出す例を示
す。
【0032】図4は本発明による第2の実施例を示す斜
視図である。この例では、第1の実施例における分布帰
還型回折格子21の代わりに、或る特定波長のTEモー
ドに対してブラッグ条件を満たすように分布反射型回折
格子101を用いている。図4中で、図1の符号と同符
号は同機能部分を示す。
【0033】光ファイバ25から偏波状態のランダムな
波長多重の信号光をハーフミラー103を介して導波型
波長フィルタに入射した場合、導波路中をTEモードと
TMモードが互いに変換しながら伝搬する。そのため、
入射端においてはTMモードであった信号光に対して
も、分布反射型回折格子101による回折効果を与える
ことができる。そして、出射光をハーフミラー103を
介して取り出せば、分布反射型回折格子101のストッ
プバンド幅(数nm)に対応した波長を選択することが
可能となる。
【0034】この例では、分布反射型回折格子101を
TEモードに合わせて設定したが、TMモードに合わせ
てもよいことは明らかである。本実施例でも、波長多重
の信号光中に、分布帰還型回折格子21のTEモードに
対するブラッグ波長とTMモードに対するブラッグ波長
の一方の波長の信号光のみが含まれていることを前提と
している。
【0035】第1および第2の実施例では波長選択幅が
異なるので、実際の通信に用いる際には、その通信形態
に応じて使い分ければよい。
【0036】
【第3実施例】第3の実施例では増幅機能を設けた例を
示す。図5は本発明による第3の実施例を示す図であ
る。n−InP基板201上に、n−InPバッファ層
203、i−InGaAsP活性層205、p−InG
aAsPグレーティング層207、p−InGaAsP
導波層209を順次積層する。グレーティング層207
には、或る特定波長のTEモードに対してブラッグ条件
を満たす分布帰還型回折格子213が形成されている。
【0037】さらに、TE−TM変換機能を付加するた
め、導波層209を市松模様にエッチングして非対称リ
ブ215を形成し、導波層209上に、p−InPクラ
ッド層211、p−InGaAsコンタクト層212を
積層する。最後に、n型電極217、p型電極219を
蒸着形成して導波型波長フィルタを構成する。
【0038】ここで、電極217,219を介して活性
層205に電流を注入すれば、選択波長のみを増幅する
ことが可能となり、所望の信号光をより強度の強い状態
で取り出すことができる。その結果、本実施例による導
波型波長フィルタを光通信に用いた場合、光ファイバ2
5中を伝搬する際の減衰や他の光素子と結合する際の損
失などによる信号光の劣化を補うことができる。さら
に、第1の実施例に比べ、活性層205があるので、波
長選択性が向上する、伝送帯域がストップバンドに限定
されない、波長チューニングが可能となるといった利点
がある。
【0039】なお、上記1〜3の実施例では、InP基
板上にInGaAsPを積層した場合を示したが、これ
に限ったものではなく、例えばGaAs、AlGaAs
などを用いてもよい。また、位相シフトのない分布反射
型回折格子を用いてもよい。
【0040】非対称リブ215の断面は、図6(a)お
よび(b)のように導波路中心に対して非対称な形状と
なっている。その結果、構造に起因する複屈折率の主軸
51,53も法線方向から角度±ρだけ傾くことにな
る。その大きさは非対称性の度合いで決定される。ま
た、導波路を伝搬する2つのモード(TEモードおよび
TMモード)の伝搬定数の差によって伝搬の際に位相差
が生じるが、非対称リブ215の1つのセグメントを伝
搬した際に生じる位相差がπラジアンまたはその奇数倍
になるようにセグメントの長さを設定する。位相差をπ
ラジアンまたはその奇数倍にすることによって、非対称
リブ23の各セグメントはλ/2波長板と同様の機能を
有する。尚、図6において、216、217、218は
埋め込み型の導波路を形成するための層であり、導波路
以外の部分をバッファ層203までエッチングし、基板
側よりp−InP層216、i−InP層217、n−
InP層218を積層することにより埋め込み型の導波
路を形成する。
【0041】
【第4実施例】第4実施例は、上記1〜3の実施例に別
の機能部分を付加した構成を有する導波型波長フィルタ
に関する。図7において、左側の部分である第1の領域
は第3実施例と実質的に同じ構成を持つ。
【0042】第1の領域における波長に対する透過特性
を図8に示す。回折格子213が分布帰還型回折格子と
して機能する為、透過光は0.1nm以下の波長幅で選
択されているが、第1の領域の導波路中をTEモードと
TMモードが互いに変換しながら伝搬するので、TEモ
ードとTMモードの両方に、通信に必要である波長λTE
の光の他に、これと数nm短波長側に、第1の回折格子
213のTMモードに対するブラッグ波長λTMの光も選
択されている。更に、入射光の偏向波状態によって、T
EモードとTMモードでの波長λTEの光の割合は変化す
る。以上が第1の領域の説明である。
【0043】次に、第2の領域について説明する。n−
InPバッファ層203上に、i−InGaAsP第1
導波路層231、i−InP下部クラッド層233、i
−InGaAsP第2導波層235、i−InGaAs
P上部クラッド層237を順次積層する。さらに、導波
路以外の領域をバッファ層203までエッチングし、i
−InP層239で埋め込むことにより2層導波路を構
成する。
【0044】この2層導波路中では、TEモード、TM
モードともに第1の導波層231に最大振幅をもつ0次
モード光(または1次モ−ド光)と第2の導波層235
に最大振幅をもつ1次モード光(または0次モード光)
とが存在している。第1の導波層231と第2の導波層
235は組成や膜厚が異なる様に設計されている為、0
次モード光と1次モード光の実効屈折率は異なってお
り、このままではほとんど結合しない。そこで、第1の
導波層231の上部には、或る特定波長(λTE)のTE
モードに対して0次モード光と1次モード光を順方向結
合させる第2の回折格子241と、同特定波長(λTE
のTMモードに対して0次モード光と1次モード光を順
方向結合させる第3の回折格子243が連続して形成さ
れている。また、それぞれの回折格子241,243の
導波方向の長さは0次モード、1次モード間のパワーの
移行が最大になる様に設計されてる。
【0045】ここで、第2の回折格子241が存在する
領域を第2−aの領域、第3の回折格子243が存在す
る領域を第2−bの領域と表現する。
【0046】第2の領域における波長に対する下部導波
路231から上部導波路235へのパワー移行特性の概
念図を図9(a)、(b)に示す。図9(a)は第2−
aの領域のパワー移行特性、図9(b)は第2−bの領
域のパワー移行特性である。
【0047】図9(a)に示す様に、第2の回折格子2
41によるTEモードの結合により、波長λTEを中心と
して、数nmの波長幅で選択されている。一方、TMモ
ードの結合も当然ながら生じているが、その中心はTE
モードの場合と数十nm離れている。また、図9(b)
に示す様に、第3の回折格子243によるTMモードの
結合により、波長λTEを中心として、数nmの波長幅で
選択されている。一方、TEモードの結合も当然ながら
生じているが、その中心はTMモードの場合と数十nm
離れている。従って、第2の領域は、選択される中心波
長(この場合、λTE)の偏波依存性が小さい(図9
(a)のTEモードのプロファイルと図9(b)のTM
モードのプロファイル参照)波長選択手段が設けられた
領域となっている。
【0048】以上の構成の導波路型波長フィルタに、光
フィイバ33から偏波状態のランダムな、波長λTEと波
長λTMを含んだ波長多重の信号光を入射した場合を考え
る。
【0049】まず、第1の領域を通過することにより、
λTEおよびλTMの波長の光が0.1nm以下の波長幅で
選択され、第2の領域の下部導波路231から第2の領
域に入射する。第2の領域に入射した際、TEモードと
TMモードの両方に、λTE、λTMの波長の光が存在して
いる。そして、第2−aの領域に設けられた第2の回折
格子241によって、TEモードのλTEの光が上部導波
路235に移行する。TEモードのλTMおよびTMモー
ドのλTE、λTMは第2の回折格子241のブラッグ条件
から外れるので移行は生じない。
【0050】次に、第2−bの領域に設けられた第3の
回折格子243によって、TMモードのλTEの光が上部
導波路235に移行する。TEモードのλTE、λTM及び
TMモードのλTMは第3の回折格子243のブラッグ条
件から外れるので移行は生じない。
【0051】したがって、第2の領域を通過することに
より、第1の領域の出射端で存在していた2つの波長の
ピークの一方のみ(本実施例ではλTE)を取り出すこと
ができる。また、光ファイバ33からの信号光の偏波状
態が変動すると、第1の領域の出射端においてλTEの光
のパワーはTEモードとTMモードで割合が変動する
が、第2の領域では、TEモード、TMモードそれぞれ
に対して回折格子241,243を設計しているので、
信号光の偏波状態によらず、λTEの光を波長幅0.1n
m以下で、安定に取り出すことが可能となる。
【0052】本実施例においては、第1の領域の選択波
長幅に比べ、第2−a、第2−bそれぞれの領域の選択
波長幅が十分大きいので、第2−a、第2−bの領域に
おいて、選択中心波長を完全に一致させる必要はなく、
或る程度近接させれば良い。よって、作製時の許容誤差
が大きいと言う利点がある。
【0053】また、本実施例においては、第2の領域の
後側から選択された光が出射されるので、例えば受光素
子や光増幅器、光ファイバと言った光素子を容易に接続
することができ、さらには、集積化にも適している。加
えて、本実施例では、λTEを選択する様に第2の領域を
設計した例を示したが、λTMに対して設計しても良い。
【0054】
【第5実施例】図10は本発明による第5の実施例を説
明する図である。第1の領域は第4の実施例に示したも
のと同様であるのでここでは省略し、第2の領域につい
て以下に説明する。
【0055】n−InPバッファ層203上に、i−I
nGaAsP第1導波層301、i−InP下部クラッ
ド層303、i−InGaAsP第2導波層305、i
−InP上部クラッド層307を順次積層する。さら
に、導波路以外の領域をバッファ層203までエッチン
グし、i−InP層309で埋め込むことにより2層導
波路を構成する。
【0056】この2層導波路中では、TEモード、TM
モードとも第1の導波層301に最大振幅を持つ0次モ
ード光(または1次モード光)と第2の導波層305に
最大振幅をもつ1次モード光(また0次モード光)とが
存在している。第1の導波層301と第2の導波層30
5は幅と膜厚がほぼ等しくなるよう設計されている為、
TEモードとTMモードで、0次モード光同士の実効屈
折率、および1次モード光同士の実効屈折率はほぼ等し
くなっている。また、第1の導波層301と第2の導波
路305の組成は異なっており、0次モード光と1次モ
ード光の実効屈折率は異なっている。そして、第1の導
波層301の上部には、所定の周期の第2の回折格子3
11が形成されており、0次モード光と1次モード光と
が順方向結合している。
【0057】第2の領域における、波長に対する下部導
波路301から上部導波路305へのパワー移行特性の
概念図を図11に示す。TEモードとTMモードとで実
効屈折率がほぼ等しくなっているので、TEモード、T
Mモードともに、波長λTEの近傍数nm範囲で下部導波
路301から上部導波路305へパワーが移行してい
る。
【0058】以上の構成の導波型波長フィルタに、光フ
ァイバから偏波状態のランダムな、波長λTEと波長λTM
を含んだ波長多重の信号光を入射した場合を考える。
【0059】先ず、第1の領域を通過することにより、
λTEおよびλTMの波長の光が0.1nm以下の波長幅で
選択され、第2の領域の下部導波路301から第2の領
域に入射する。第2の領域に入射した際、TEモードと
TMモードの両方に、λTE、λTMの波長の光が存在して
いる。
【0060】そして、第2の領域に設けられた第2の回
折格子311によって、TEモード、TMモードとも
に、λTEの光が上部導波路305に移行する。λTMの光
については第2の回折格子311のブラッグ条件から外
れるので移行は生じない。
【0061】したがって、第2の領域を通過することに
より、第1の領域の出射端で存在していた2つの波長の
ピークの一方のみ(本実施例ではλTE)を取り出すこと
ができる。また、光ファイバからの信号光の偏波状態が
変動すると、第1の領域の出射端においてλTEの光パワ
ーはTEモードとTMモードで割合が変動するが、第2
の領域では、TEモード、TMモードともに回折効果を
受けるので、信号光の偏波状態によらず、λTEの光を波
長幅0.1nm以下で、安定に取り出すことが可能とな
る。
【0062】本実施例においては、第1の領域の選択波
長幅に比べ、第2の領域の選択波長幅が十分大きいの
で、第1の領域と第2の領域とで選択中心波長を完全に
一致させる必要はなく、或る程度近接させればよい。よ
って、作製時の許容誤差が大きいと言う利点がある。ま
た、第4の実施例に比べ、第2の領域に形成する回折格
子が1つでよいので作製工程の簡素化が図れる。また、
本実施例においても、第2の領域の後側から選択された
光が出射されるので、例えば受光素子や光増幅器、光フ
ァイバと言った光素子を容易に接続することができ。さ
らには、集積化にも適している。加えて、本実施例で
も、λTEを選択する様に第2の領域を設計した例を示し
たが、λTMに対して設計しても良い。
【0063】
【第6実施例】図12は本発明による第6の実施例を説
明する図である。第1の領域は第4の実施例に示したも
のと同様であるので省略し、第2の領域について以下に
説明する。
【0064】n−InPバッファ層203上に、i−I
nGaAsP導波層401、i−InP下部クラッド層
403、i−InPおよびi−InGaAsからなる超
格子層405、i−InP上部クラッド層407を順次
積層する。さらに、導波路以外の領域をバッファ層20
3までエッチングし、i−InP層409で埋め込むこ
とにより、導波層401と超格子層405からなる2層
導波路を2組作製する。以後、図12中、左側の導波路
を導波路A、右側の導波路を導波路Bと表現する。
【0065】導波路Aに着目して説明する。超格子層4
05は偏波モード(TEモード、TMモード)によって
屈折率が異なり、夫々の屈折率をNTE、NTMで表わす
と、通常、NTE>NTMである。導波層401は、その屈
折率NがNTEとNTMの間になるように組成が設計されて
いる。その結果、TEモードでは、NTE>Nであり、超
格子層405に最大振幅をもつ0次モード光と導波層4
01に最大振幅をもつ1次モード光とが存在する。TM
モードでは、N>NTMであり、導波層401に最大振幅
を持つ0次モード光と超格子層405に最大振幅を持つ
1次モード光とが存在する。そこで、導波層401に最
大振幅を持つ1次のTEモード光と0次のTMモード光
の実効屈折率がほぼ等しくなる様に各層の厚さや幅が設
計されている(これは可能である)。0次のTEモード
光と1次のTEモード光の結合や0次のTMモード光と
1次のTMモード光の結合については、それぞれの実効
屈折率が異なっているので結合効率は小さく、無視して
も良い。導波路Bも同様である。
【0066】この様に設計された導波路Aおよび導波路
Bの1次のTEモード光同士、または0次のTMモード
光同士が波長λTE近傍で順方向結合されるよう、所定の
周期の第2の回折格子411を導波層401上に形成す
る。
【0067】実際には、0次のTEモード光同士、また
は1次のTMモード光同士が第2の回折格子411によ
って結合するが、その波長はλTEから100nm以上離
れているので無視して良い。
【0068】第2の領域における、波長に対する導波路
Aから導波路Bへのパワー移行特性の概念図を図13に
示す。TEモードとTMモードとで実効屈折率がほぼ等
しくなっているので、TEモード、TMモードともに、
波長λTEの近傍数nmの範囲で導波路Aの下部導波路か
ら導波路Bの下部導波路へパワーが移行している。
【0069】以上の構成の導波型波長フィルタに、光フ
ァイバから偏波状態のランダムな、波長λTEと波長λTM
を含んだ波長多重の信号光入射した場合を考える。
【0070】まず、第1の領域を通過することにより、
λTEおよびλTMの波長の光が0.1nm以下の波長幅で
選択され、第2の領域の導波路Aの導波層401から第
2の領域に入射する。第2の領域に入射した際、TEモ
ードとTMモードの両方に、λTE、λTMの波長の光が存
在している。そして、第2の領域に設けられた第2の回
折格子411によって、1次のTEモード、及び0次の
TMモードで伝搬する波長λTEの光が導波路Bに移行す
る。λTMの光については第2の回折格子411のブラッ
グ条件から外れるので移行は生じない。
【0071】したがって、第2の領域を通過することに
より、第1の領域の出射端で存在していた2つの波長の
ピークの一方のみ(本実施例ではλTE)を取り出すこと
ができる。また、光ファイバからの信号光の偏波状態が
変動すると、第1の領域の出射端においてλTEの光のパ
ワーはTEモードとTMモードで割合が変動するが、第
2の領域では、TEモード、TMモードともに回折効果
を受けるので、信号光の偏波状態によらず、λTEの光を
波長幅0.1nm以下で、安定に取り出すことが可能と
なる。
【0072】本実施例においては、第1の領域の選択波
長幅に比べ、第2の領域の選択波長幅が十分大きいの
で、第1の領域と第2の領域とで選択中心波長を完全に
一致させる必要はなく、或る程度近接させれば良い。よ
って、作製時の許容誤差が大きいと言う利点がある。ま
た、第4の実施例に比べ、第2の領域に形成する回折格
子が1つでよいので作製工程の簡素化が図れる。
【0073】また、第5の実施例では、導波層の幅と厚
さをほぼ等しくする為に、導波層の厚さに応じて導波層
の幅を1μm〜サブμm程度に制御する必要があった
が、本実施例では、導波層の幅は数μmでよいので、容
易に作製出来るまた、本実施例においても、第2の領域
の後側から選択された光が出射されるので、例えば受光
素子や光増幅器、光ファイバといった光素子を容易に接
続することができ、さらには、集積化にも適している。
さらに、本実施例でも、λTEを選択する様に第2の領域
を設計した例を示したがλTMに対して設計してもよい。
【0074】
【第7実施例】上記4〜6の実施例では、第2の領域と
して順方向結合型の方向性結合器を用いたが、これに限
ったものではなく、逆方向結合型の方向性結合器を用い
てもよい。第4の実施例と同様の構成で、第2、第3の
回折格子501、503を逆方向結合型に置き換えた例
を図14に示す。
【0075】この2層導波路中では、TEモード、TM
モードともに第1の導波層231に最大振幅をもつ0次
モード光(または1次モ−ド光)と第2の導波層235
に最大振幅をもつ1次モード光(または0次モード光)
とが存在している。第1の導波層231と第2の導波層
235は組成や膜厚が異なる様に設計されている為、0
次モード光と1次モード光の実効屈折率は異なってお
り、このままではほとんど結合しない。そこで、第1の
導波層231の上部には、或る特定波長(λTE)のTE
モードに対して0次モード光と1次モード光を逆方向結
合させる第2の回折格子501と、或る特定波長
(λTE)のTMモードに対して0次モード光と1次モー
ド光を逆方向結合させる第3の回折格子503が連続し
て形成されている。
【0076】第2の領域における波長に対する下部導波
路231から上部導波路235へのパワー移行特性の概
念図を図15(a)、(b)に示す。図15(a)は第
2−aの領域のパワー移行特性、図15(b)は第2−
bの領域のパワー移行特性である。
【0077】図15(a)に示す様に、第2の回折格子
501によるTEモードの結合により、波長λTEを中心
として、1nm以下の波長幅で選択されている。一方、
TMモードの結合も当然ながら生じているが、その中心
はTEモードの場合と数nm離れている。また、図15
(b)に示す様に、第3の回折格子503によるTMモ
ードの結合により、波長λTEを中心として、1nm以下
の波長幅で選択されている。一方、TEモードの結合も
当然ながら生じているが、その中心はTMモードの場合
と数nm離れている。
【0078】以上の構成の導波路型波長フィルタに、光
フィイバ33から偏波状態のランダムな、波長λTEと波
長λTMを含んだ波長多重の信号光を入射した場合を考え
る。
【0079】まず、第1の領域を通過することにより、
λTEおよびλTMの波長の光が0.1nm以下の波長幅で
選択され、第2の領域の下部導波路231から第2の領
域に入射する。第2の領域に入射した際、TEモードと
TMモードの両方に、λTE、λTMの波長の光が存在して
いる。そして、第2−aの領域に設けられた第2の回折
格子501によって、TEモードのλTEの光が上部導波
路235に移行する。TEモードのλTMおよびTMモー
ドのλTE、λTMは第2の回折格子501のブラッグ条件
から外れるので移行は生じない。
【0080】次に、第2−bの領域に設けられた第3の
回折格子503によって、TMモードのλTEの光が上部
導波路235に移行する。TEモードのλTE、λTM及び
TMモードのλTMは第3の回折格子503のブラッグ条
件から外れるので移行は生じない。
【0081】したがって、第2の領域を通過することに
より、第1の領域の出射端で存在していた2つの波長の
ピークの一方のみ(本実施例ではλTE)を取り出すこと
ができる。また、光ファイバ33からの信号光の偏波状
態が変動すると、第1の領域の出射端においてλTEの光
のパワーはTEモードとTMモードで割合が変動する
が、第2の領域では、TEモード、TMモードそれぞれ
に対して回折格子501,503を設計しているので、
信号光の偏波状態によらず、λTEの光を波長幅0.1n
m以下で、安定に取り出すことが可能となる。
【0082】本実施例においても、第1の領域の選択波
長幅に比べ、第2−a、第2−bそれぞれの領域の選択
波長幅が十分大きいので、第2−a、第2−bの領域に
おいて、選択中心波長を完全に一致させる必要はなく、
或る程度近接させれば良い。よって、作製時の許容誤差
が大きいと言う利点がある。
【0083】本実施例では、λTEを選択する様に第2の
領域を設計した例を示したが、λTMに対して設計しても
良い。
【0084】また、上記4〜6の実施例の様に第2の領
域として順方向結合型の方向性結合器を用いた場合、第
2の領域に設けられた回折格子の結合効率や長さが設計
からずれるとパワー移行率が変化してしまうが、本実施
例の様に第2の領域として逆方向結合型の方向性結合器
を用いた場合、第2の領域の回折格子の結合効率や長さ
が設計からずれても、充分な長さがあればパワー移行率
はそれ程変化しないので、作製時の許容誤差が大きいと
いう利点がある。
【0085】ところで、上記4〜7の実施例でも、In
P基板上にInGaAs、InGaAsPを積層した場
合を示したが、これに限ったものではなく、例えばGa
As、AlGaAsなどを用いてもよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により以下
の効果が奏される。本出願に係る第1の発明(特に、請
求項1に対応)によれば、偏波依存性のない導波型波長
フィルタを提供することができる。また、本出願に係る
第2の発明(特に、請求項2、3に対応)によれば、波
長選択性に優れた、偏波依存性のない導波型波長フィル
タを提供することができる。また、本出願に係る第3の
発明(特に、請求項4、5、6に対応)によれば、容易
に作製可能なTE−TM変換手段を提供することによ
り、偏波依存性のない導波型波長フィルタを容易に作製
することができる。また、本出願に係る第4の発明(特
に、請求項7に対応)によれば、より波長選択性に優
れ、伝送帯域が広い、波長チューニングが可能といった
光通信に適した導波型波長フィルタを提供することがで
きる。また、本出願に係る第5の発明(特に、請求項
8、9、10、11、14に対応)によれば、通信に用
いる波長帯域を制限することのない、偏波無依存性のな
い導波型波長フィルタを提供することができる。また、
本出願に係る第6の発明(特に、請求項12に対応)に
よれば、他の光素子との接続や集積化に適した導波型波
長フィルタを提供することができる。また、本出願に係
る第7の発明(特に、請求項13に対応)によれば、よ
り作製時の許容誤差の大きい導波型波長フィルタを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による導波型波長フィルタの第1の実施
例を示す斜視図。
【図2】TE−TM変換手段を説明する図。
【図3】他のTE−TM変換手段を説明する図。
【図4】本発明による導波型波長フィルタの第2の実施
例を示す斜視図。
【図5】本発明による導波型波長フィルタの第3の実施
例を示す断面図。
【図6】他のTE−TM変換手段を説明する図。
【図7】本発明による導波型波長フィルタの第4の実施
例を示す斜視図。
【図8】第4の実施例の第1の領域の波長特性を示す概
念図。
【図9】第4の実施例の第2の領域の波長特性を示す概
念図。
【図10】本発明による導波型波長フィルタの第5の実
施例を示す斜視図。
【図11】第5の実施例の第2の領域の波長特性を示す
概念図。
【図12】本発明による導波型波長フィルタの第6の実
施例を示す斜視図。
【図13】第6の実施例の第2の領域の波長特性を示す
概念図。
【図14】本発明による導波型波長フィルタの第7の実
施例を示す斜視図。
【図15】第7の実施例の第2の領域の波長特性を示す
概念図。
【図16】従来の導波型波長フィルタを説明する図。
【符号の説明】 11 InP基板 13 InPバッファ層 15 InGaAsPグレーティング層 17 InGaAsP導波層 19 InPクラッド層 21,213 分布帰還型回折格子 23,215 非対称リブ 25,33,725 光ファイバ 51,53 65a,65b 複屈折率の主軸 61 埋め込み導波路 63a,63b 凹部 101 分布反射型回折格子 103 ハーフミラー 201 n−InP基板 203 n−InPバッファ層 205 φ−InGaAsP活性層 207 p−InGaAsPグレーティング層 209 p−InGaAsP導波層 211 p−InPクラッド層 212 p+−InGaAsコンタクト層 217 n型電極 219 p型電極 216 n−InP層 217,239,309,409 i−InP層 231,301 i−InGaAsP第1導波層 233,303,403 i−InP下部クラッド層 235,305 i−InGaAsP第2導波層 237,307,407 i−InP上部クラッド層 241,311,411,501 第2の回折格子 243,503 第3の回折格子 401 i−InGaAsP導波層 405 i−InPとi−InGaAsの超格子層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波路中に設けられた回折格子によって
    複数の波長の中から特定の波長を選択する導波型波長フ
    ィルタにおいて、該回折格子の設けられた導波路を伝搬
    する2つの導波モードであるTEモード及びTMモード
    が相互に変換しながら伝搬するようにするTE−TM変
    換手段が設けられていることを特徴とする導波型波長フ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】 前記回折格子が分布帰還型回折格子であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の導波型波長フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記回折格子が分布反射型回折格子であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の導波型波長フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 前記TE−TM変換手段は、導波路の異
    方性軸が導波路の面法線に対して交互に反対向きに傾く
    ような構造によって実現されていることを特徴とする請
    求項1に記載の導波型波長フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記TE−TM変換手段が、導波路上に
    周期的に凹凸が設けられた非対称リブ導波路によって構
    成されていることを特徴とする請求項4に記載の導波型
    波長フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記TE−TM変換手段が、導波路の両
    側に交互に凹部が設けられたチャネル導波路によって構
    成されていることを特徴とする請求項4に記載の導波型
    波長フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記導波路を構成する層の一部に活性層
    を設け、該活性層に電流を注入する手段を設けたことを
    特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の導波型波
    長フィルタ。
  8. 【請求項8】 更に、前記TE−TM変換手段が設けら
    れた導波路に連続して、前記TE−TM変換手段が設け
    られた導波路に比べて、選択される帯域幅が大きく、選
    択される中心波長の偏波依存性が小さい波長選択手段が
    設けられた領域が設けられていることを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれかに記載の導波型波長フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記波長選択手段が、連続して存在する
    周期の異なる2つの回折格子によって2つの導波路が結
    合した方向性結合器からなることを特徴とする請求項8
    に記載の導波型波長フィルタ。
  10. 【請求項10】 前記波長選択手段が、回折格子によっ
    て、厚さと幅がほぼ等しい導波層によって構成される2
    つの導波路が結合した方向性結合器からなることを特徴
    とする請求項8に記載の導波型波長フィルタ。
  11. 【請求項11】前記波長選択手段が、第2の回折格子に
    よって2つの導波路が結合した方向性結合器からなり、
    該2つの導波路の双方が、超格子層と導波層を含んでお
    り、TEモードに対する超格子層の屈折率が他方の偏波
    モードであるTMモードに対する超格子層の屈折率より
    も大きく、TEモードに対しては、超格子層に中心強度
    を有する0次モードの導波光、導波層に中心強度を有す
    る1次の導波光が存在し、TMモードに対しては、導波
    層に中心強度を有する0次モードの導波光、超格子層に
    中心強度を有する1次モードの導波光が存在し、導波層
    に中心強度を有する2つの導波光である1次のTEモー
    ド及び0次のTMモードの実効屈折率がほぼ等しくなっ
    ており、該第2の回折格子によって、導波層に中心強度
    を有する1次のTEモード同志及び0次のTMモード同
    志が結合されていることを特徴とする請求項8に記載の
    導波型波長フィルタ。
  12. 【請求項12】前記方向性結合器が順方向結合型である
    ことを特徴とする請求項11に記載の導波型波長フィル
    タ。
  13. 【請求項13】前記方向性結合器が逆方向結合型である
    ことを特徴とする請求項11に記載の導波型波長フィル
    タ。
  14. 【請求項14】 2つの連続する領域からなる導波型波
    長フィルタであって、第1の領域には、導波路を伝搬す
    る2つの導波モードであるTEモード及びTMモードが
    相互に変換しながら伝搬するようにするTE−TM変換
    手段及び第1の波長選択手段が設けられており、第2の
    領域には、第1の波長選択手段に比べて、選択される帯
    域幅が大きい第2の波長選択手段が設けられていること
    を特徴とする導波型波長フィルタ。
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