JPH0917765A - 半導体基板の洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents
半導体基板の洗浄装置および洗浄方法Info
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Abstract
のアルカリ薬液を使用しないので、産業廃水処理簡略化
され、しかも洗浄工程を大幅に短縮できる半導体基板の
洗浄装置とその方法の提供を目的とする。 【構成】 方形の洗浄槽2の中心部に、被洗浄物として
の半導体基板Wをほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄
装置1であり、洗浄槽2は、被洗浄物が配置されるカソ
ード室3と、その両側に設けられる2組のアノード室
4,4とで構成され、カソード室3とアノード室4,4
は、中空の流路が形成された2組のH+ イオン交換膜で
なる隔壁5によって区画され、また、カソード室3の隔
壁5の表面には、カソード電極板7が固着され、さらに
前記アノード室4,4の隔壁5の表面には、隔壁5を介
してカソード電極板7と対向する位置に、カソード電極
板7とほぼ同一面積のアノード電極板8が固着された構
成である。
Description
(以下、基板と略す)を洗浄するための装置とその方法
に係り、特にシリコン単結晶からなるウエーハの製造
や、これを使用して半導体デバイスを製作する過程の洗
浄工程において、優れた効能を発揮する洗浄装置と洗浄
方法に関するものである。
ごとに高密度化する一方であり、それに伴ない、半導体
デバイスを製造する環境を高度のクリーン状態で管理す
ることや、その素材となるウエーハを清浄にすること
が、益々重要になっている。ウエーハ洗浄の主たる目的
は、その表面に付着しているパーティクルや金属不純
物、有機物、表面被膜(自然酸化膜、表面吸着物質)な
どの汚染物質を除去すると共に、その平滑化をより完全
なるものにすることによって半導体デバイス製造時のト
ラブルを無くし、その製造歩留まりを高めると共に、デ
バイスとしての信頼性を向上させるためである。
知られている方法に、米国RCA社のKern氏等が1
960年代に開発したRCA洗浄法がある。この方式に
よる洗浄の代表的なシーケンスは、第1段で、アンモニ
ア/過酸化水素/水(NH4OH/H2O2/H2O)をベースとする
SC−1(RCA Standard Clean-1)洗浄液によってパー
ティクルや有機物を除去し、第2段では、塩化水素/過
酸化水素/水(HCl/H2O2/H2O)をベースとするSC−2
洗浄液により、金属汚染物を除去する組み合わせを基本
とし、これに表面被膜を除去するための弗化水素/水
(HF/H2O)によるDHF(Dilute HF) 洗浄が組み合わさ
れることもある。
洗浄法におけるSC−1洗浄液は、同洗浄液中のアンモ
ニアのエッチング作用を利用して、ウエーハ表面のパー
ティクルや有機物を除去しようとするものである。
るシリコン単結晶のインゴット中には、その成長中に導
入されるアズグロウン(As-grown)欠陥と呼ばれる結晶
欠陥が存在し、ウエーハ表面部に存在するこの欠陥のエ
ッチング速度は、無欠陥部分と比較し相対的に速いた
め、欠陥部分のエッチングが選択的に進行し、ウエーハ
表面に微細な窪み(ピット)を発生する。
ーティクルを、レーザー光照射による散乱光(輝点)を
測定するパーティクルカウンターで計測しようとすると
き、ピットによる散乱光も同時に検出してしまい、真の
パーティクル数を測定することはできないという弊害を
生じる。したがって、このようなピットをCOP(Cryst
al Originated Particle) と称している。
化膜の電気的耐圧特性を劣化させるとも云われ、半導体
デバイスがより高密度化しようとする趨勢にあって、こ
れまでは問題にされなかったCOP対策も重要な解決す
べき課題となっている。
ンモニアと錯体を形成しやすい金属に対しては除去効果
が高いが、概して酸を利用する洗浄液に比べ、金属不純
物に対する洗浄力は劣っている。
有機物に対する洗浄力は弱いが、金属不純物に対する洗
浄効果は優れている。しかし、薬液中に存在する過酸化
水素のために、ウエーハ表面にシリコンの酸化膜が形成
され、そのため金属不純物の濃度が高い場合には、その
効果が弱まると云われている。
洗浄法は、半導体デバイスを製作する過程の洗浄工程に
おいて、配線として使用される露出状態のアルミニウム
のような金属を溶解したり、あるいは層間膜に埋め込ま
れていても僅かな隙間やピンホールを通じて腐食させる
おそれがあって採用する上での制約がある。
浄法は、先ずその一工程中で使用するアンモニア等の薬
液に起因する問題点が存在するほか、それぞれで洗浄目
的や効果の異なる3〜4種類の洗浄液を組み合わせて使
用するため、必然的に洗浄のための工程が長くなり、多
数段の装置と薬液を使用しなければならないという問題
があった。
果的に設備費や労務費、薬液や純水のような材料費の増
加をもたらし、しかも排出される廃水処理のような公害
対策費も相当な額になってしまう。このような諸問題を
解決するために、薬液の使用を極力抑えるか、可能であ
るなら薬液を使用しない洗浄方法が注目されている。
おいては、多孔質膜により隔離した電気分解用水槽の両
隔離室にそれぞれ陰極棒と陽極棒を配設し、その両隔離
室に少量の電気分解効率を高める物質を添加した純水を
流入させながら陰極側にOH- イオン水、陽極側にH+
イオン水を生成せしめ、この両イオン水を別室として設
けられた2つの処理水槽に導入し、被処理物を洗浄しよ
うとするものである。
のSC−1相当の洗浄とみられるが、同公報によるとO
H- イオンは、専らH+ イオン処理して表面が活性状態
にあるアルミニウムの表面を安定化させたり、研磨また
は平滑化プロセス後に残留するコロイド状のシリカを除
去することが述べられているが、従来のSC−1洗浄の
主目的とされる一般的なパーティクルの除去や、同法の
欠陥とされるCOP対策としてのより積極的な効果は述
べられていない。
電圧は103 〜104 V/cmという高い直流電圧が必
要であって、非常な危険を伴なうこと、また2つの隔離
室中で生成したOH- イオン水やH+ イオン水は不安定
なイオンで、時間の経過とともに中性溶液に戻るため、
別室として設けられた2つの処理水槽に到達する過程で
各イオン水の濃度が低下してその効力が弱まるか、また
はその濃度の制御が困難であるという課題が残されてい
る。
ような諸問題を解決し、より普遍的な意味での半導体基
板を洗浄する装置とその方法を開発することを目的とし
てなされたもので、請求項1に係る半導体基板の洗浄装
置は、方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物としての半導
体基板をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄装置であ
って、前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカソード室
と、その両側に設けられる2組のアノード室とで構成さ
れるべく、中空の流路が形成された2組のH+ イオン交
換膜にてなる隔壁によって区画し、前記カソード室にお
ける、前記被洗浄物と対面する両側のH+ イオン交換膜
よりなる隔壁の表面にカソード電極板を固着させるとと
もに、前記アノード室における該隔壁の表面で、かつ該
隔壁を介して前記カソード電極板と対向する位置には、
該カソード電極板とほぼ同一面積のアノード電極板を固
着させた構造を有する装置であり、請求項2に係る半導
体基板の洗浄装置は、前記請求項1に記載の装置に対し
て、更に前記カソード室の底部に超音波発振器が配設さ
れた装置である。
方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物としての半導体基板
をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄装置であって、
前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカソード室と、そ
の両側に設けられる2組のアノード室とで構成されるべ
く2組のH+ イオン交換膜にてなる隔壁によって区画
し、前記カソード室における、前記被洗浄物と対面する
両側のH+ イオン交換膜よりなる隔壁の表面にカソード
電極板を固着させるとともに、前記アノード室における
該隔壁の表面で、かつ該隔壁を介して前記カソード電極
板と対向する位置には、該カソード電極板とほぼ同一面
積のアノード電極板を固着させた構造を有する装置であ
り、請求項4に係る半導体基板の洗浄装置は、前記請求
項3に記載の装置に対して、更に前記カソード室の底部
に超音波発振器が配設された装置である。
置は、前記請求項1〜4に記載のそれぞれの装置に関
し、前記カソード電極板およびアノード電極板が多孔板
で構成された装置である。さらに、請求項6に係る半導
体基板の洗浄装置は、前記請求項1〜5に記載のそれぞ
れの装置に関し、被洗浄物としての半導体基板が配置さ
れるカソード室を、カソード電極板が固着されたH+ イ
オン交換膜よりなる隔壁側に、OH- イオンを透過する
2組の透過膜で仕切った2組のカソード分室を設ける構
造にした装置である。
は、方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物としての半導体
基板をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄方法であっ
て、前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカソード室
と、その両側に設けられる2組のアノード室とで構成さ
れるべく、中空の流路が形成された2組のH+ イオン交
換膜にてなる隔壁によって区画し、前記カソード室にお
ける、前記被洗浄物と対面する両側のH+ イオン交換膜
よりなる隔壁の表面にカソード電極板を固着させるとと
もに、前記アノード室における該隔壁の表面で、かつ該
隔壁を介して前記カソード電極板と対向する位置には、
該カソード電極板とほぼ同一面積のアノード電極板を固
着させた半導体基板の洗浄装置において、前記洗浄槽の
カソード室と、2組のアノード室と、2組のH+ イオン
交換膜にてなる隔壁の中空の流路それぞれの底部より純
水を供給し、前記被洗浄物を純水中に浸漬させた状態
で、それぞれの純水を洗浄槽の上部より排出させなが
ら、前記カソード電極板とアノード電極板の陰陽両極間
に直流電圧を印加する方法であり、請求項8に係る半導
体基板の洗浄方法は、前記請求項7に記載の方法におい
て、更に当該被洗浄物に対し、カソード室の底部に配設
された超音波発振器より発振される超音波を同時に作用
させる方法である。
方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物としての半導体基板
をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄方法であって、
前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカソード室と、そ
の両側に設けられる2組のアノード室とで構成されるべ
く2組のH+ イオン交換膜にてなる隔壁によって区画
し、前記カソード室における、前記被洗浄物と対面する
両側のH+ イオン交換膜よりなる隔壁の表面にカソード
電極板を固着させるとともに、前記アノード室における
該隔壁の表面で、かつ該隔壁を介して前記カソード電極
板と対向する位置には、該カソード電極板とほぼ同一面
積のアノード電極板を固着させた半導体基板の洗浄装置
において、前記洗浄槽のカソード室と、2組のアノード
室それぞれの底部より純水を供給し、前記被洗浄物を純
水中に浸漬させた状態で、それぞれの純水を洗浄槽の上
部より排出させながら、前記カソード電極板とアノード
電極板の陰陽両極間に直流電圧を印加する方法であり、
請求項10に係る半導体基板の洗浄方法は、前記請求項
9に記載の方法において、更に当該被洗浄物に対し、カ
ソード室の底部に配設された超音波発振器より発振され
る超音波を同時に作用させる方法である。
は、前記請求項1または2に記載の半導体基板の洗浄装
置を用いて、被洗浄物としての半導体基板が配置される
カソード室を、カソード電極板が固着されたH+ イオン
交換膜よりなる隔壁側に、OH- イオンを透過する2組
の透過膜によって仕切られた2組のカソード分室を配設
し、前記カソード室には純水を、また前記2組のカソー
ド分室には電解質を添加した純水を、更に前記2組のア
ノード室と、前記2組のH+ イオン交換膜よりなる隔壁
の中空の流路には純水をそれぞれの底部より供給し、前
記被洗浄物を純水中に浸漬させた状態で、それぞれの純
水または電解質添加の純水を洗浄槽の上部より排出させ
ながら、前記カソード電極板とアノード電極板の陰陽両
極間に直流電圧を印加する、または直流電圧の印加時に
超音波発振器より発振される超音波を同時に作用させる
方法であり、請求項12に係る半導体基板の洗浄方法
は、前記請求項11に記載の方法において、H+ イオン
交換膜よりなる隔壁の中空の流路に代えて、単一のH+
イオン交換膜を配設して洗浄を行った場合の方法であ
る。
は、前記請求項11または12に記載の方法において、
添加される電解質が苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニア
等のアルカリ性物質、もしくはハロゲン族元素を含まな
い中性塩物質とする方法である。
は、前記請求項7〜13のいずれかに記載の方法におい
て、カソード室にオゾンを0.1〜10ppm含む純水
を流入させて洗浄を行う方法である。
方法は、前記請求項7〜14のいずれかに記載の方法に
おいて、前記請求項1〜14に記載された洗浄工程の次
工程に、被洗浄物としての半導体基板を、重量%で0.
01〜10%の弗化水素と、1〜10%の過酸化水素
と、界面活性剤を含む水溶液からなる洗浄水中に浸漬
し、これに超音波を作用させながら洗浄し、次いで純水
でリンス後に乾燥工程を加える方法である。
法は、前記請求項8、10、11、12、15のいずれ
かに記載の方法において、洗浄の際に、被洗浄物に作用
させる超音波が、500kHz以上で3MHz以下の範
囲とする方法である。
する。図1は本発明による基板の洗浄装置1の基本的構
造をなすもので、(a)は同装置を上部から見た平面
図、(b)はその側面図である。
電離状態の純水に対して不純物の溶出のない材料、また
は同材料によりステンレスのような耐蝕性材料の内面を
ライニングした洗浄槽2の長手方向について、中空の流
路6を有する2組のH+ イオン交換膜からなる隔壁5に
より、洗浄槽2の内部を、その中央部のカソード室3
と、その両側に設けられるアノード室4とに区画する。
なお隔壁5の表面で、カソード室3側のほぼ中心位置を
なし、被洗浄物である基板Wを挟んで対向する位置には
一対のカソード電極板7が、同じくアノード室4側で、
この隔壁5を介してカソード電極板7と対向する位置に
は一対のアノード電極板8が固着されている。
表面処理として白金メッキを施されたチタニウム、タン
タルのような材料からなるものが使用され、その形状や
面積に特別の条件は無いが、標準的には被洗浄物たる基
板Wに近い形状と面積のものが採用される。洗浄槽2の
中心部(カソード室3の中心部)には、被洗浄物として
の基板Wが、ほぼ垂直方向で基板周縁を点接触に近い状
態で支持することが可能なカセットレスタイプの把持具
9によって支持されている。図1では、単枚の基板W
が、カソード電極板7と平行をなす位置関係で把持され
ているが、この場合には位置関係が垂直や斜めのいずれ
であっても特に制限はない。
洗浄する場合は、通常の洗浄治具(ウエーハカセット)
の使用は適切でなく、複数の基板について、上述のよう
にその周縁を点接触に近い状態で同時に支持することが
可能な把持具9を採用し、一定方向に配列された基板
は、カソード電極板7に対して垂直の位置関係となるよ
うに配置することが望ましい。
ための配管10があり、これより分岐され流量調節弁1
1により流量調節された純水は、カソード室3、アノー
ド室4、隔壁5の中空の流路6のそれぞれに供給され
る。洗浄される基板が配置されるカソード室3の上部は
開放状態とし、その底部より供給された洗浄用の純水
は、その上部にある不図示の溢流堰を通じて排出され
る。また、アノード室4と中空の流路6に導入された純
水は、同じく不図示の純水排出用の配管を通じて純水タ
ンクに回収されるか、カソード室3と共用される溢流堰
で回収し、不図示の純水再生装置を通じて再精製回収さ
れる。そうしてカソード室3の底部には超音波発振器1
2が併設されている。また、場合によっては、カソード
室にオゾンを吹き込むための装置が配設されている。
説明する。被洗浄物としての基板Wは、把持具9により
支持され、カソード室の所定の位置に配置される。この
状態で洗浄槽2の底部にある、純水を供給するための配
管10より分岐され、流量調節弁11により流量調節さ
れた配管から純水を、カソード室3、アノード室4、隔
壁5の中空の流路6のそれぞれに供給し、各純水はその
上部に設けられた排出用の配管を通じて排出され、廃棄
されるか、一部を回収して再精製し、不図示の純水槽に
戻される。この状態で、カソード電極板7とアノード電
極板8とを直流電源に接続すると、次の電極反応、2H
2 0+2e- →H2 +2OH- によって、カソード室内
にはOH- リッチな液が生成し、これが基板Wに作用し
て、いわゆるアルカリ洗浄(SC−1洗浄に相当)が行
なわれる。しかし、このアルカリ水は、従来の薬液使用
の場合と異なり、実態は純水であるが故にエッチング作
用は極めて弱く、従ってCOPを発生させることはな
い。
にカソード室内の純水に超音波を作用させることによっ
て、従来より知られている基板表面のパーティクルを機
械的作用により除去することとは別の、新たな効果を付
与することができる。すなわち、図2は純水に各種周波
数の超音波を作用させた時の比抵抗の変化を示すデータ
である。これによると、は超音波を作用させない場合
で、純水の比抵抗値は一定であるが、→と超音波の
周波数を上昇させるにつれて、比抵抗値は時間の経過と
共に低下する傾向が、特に800kHz以上の場合につ
いて顕著に見られる。
音波の作用によってラジカル活性化するか、ある種のイ
オン形成、あるいはその解離度が増大(H2 O→H+ +
OH- )していることを示すもので、そのことにより、
比較的低い電解電圧でも所定の電解電流を得ることを容
易にするという前記の電解作用によるイオン形成を助長
する作用が考えられる。結果として、物理的な超音波洗
浄と化学的なアルカリ水洗浄によるパーティクル除去の
効果が相乗的に高まることを示すものである。
その中空の流路6を流れる純水中に、同交換膜より離脱
したH+ イオンを移動流出させる機能を有すると共に、
上記超音波印加の場合と同じように、洗浄槽2内におい
て、その抵抗値を下げ、所定の電解電流を比較的低い印
加電圧で得ることを可能にする。この方式の隔壁の代わ
りに通常のメッシュサイズのH+ イオン交換樹脂を、隔
壁5の外形と同一形状の樹脂製の網目袋に充填し、その
両側にカソード電極板7とアノード電極板8をサンドイ
ッチ状に圧接させたものを使用することもできる。この
場合は、中空の流路6は省略され、電解槽としての抵抗
値を更に低下させる効果がある。
膜からなる隔壁5の中空の流路6を廃止し、シート状の
H+ イオン交換膜を隔壁5’とするものでも同様の効果
を上げることができる。さらに上記隔壁5を挟んで対向
配置される前記カソード電極板7およびアノード電極板
8に、多数の孔を形成して多孔板としたものを用いると
純水の電解が容易となり、より洗浄効果を向上させるこ
とができる。この多孔板は、例えば、直径2〜3mm程
度の孔を2〜3mmピッチで配列させたものである。
の寸法からくる陰陽電極間の距離、電極面積、H+ イオ
ン隔膜としての特性値やその厚さ、処理水中のイオン濃
度等により規定されるので、その数値範囲を特定するこ
とは困難であるが、逆に考えて、操業上で比較的安全な
10〜数10V、0.05〜0.5A/cm2 位の条件
範囲に設計することが可能である。
て、これに改良を加えた洗浄装置1’の構造を説明する
もので、(a)は同装置を上部から見た平面図、(b)
はその側面図である。この洗浄装置1’は、前述の洗浄
装置1における、被洗浄物としての基板Wが配置される
カソード室3について、その基板Wとカソード電極板7
が固着されたH+ イオン交換膜よりなる隔壁5との間
を、OH- イオンのような陰イオンを透過する2組の透
過膜13で仕切って、基板が配置されるカソード室3
と、2組のカソード分室3’に区画すること、新たに電
解質水溶液貯槽14と、電解質水溶液を2組のカソード
分室3’に注入する細密な流量調節弁15を設けるもの
であって、それ以外は、全て洗浄装置1と同一なので、
各部所の名称と番号は共通に使用する。
法も、上記新設された部所以外は洗浄装置1の場合と同
様である。この改良された基板の洗浄装置で、カソード
室3を区画するOH- イオン透過性の透過膜13として
は、隔壁5と同じく陽イオン交換樹脂の薄膜のようなも
のが使用される。また、この透過膜により新たに設けら
れた2組のカソード分室3’内には、純水の配管10と
流量調節弁11による純水の外、別途に設けられた電解
質水溶液貯槽14より電解質水溶液を、細密な流量調節
弁15で調節しながら注入する。
カリ、アンモニア等のアルカリ性物質、もしくはハロゲ
ン族元素を含まない中性塩を使用することが望ましい。
ハロゲン族の元素はシリコン半導体をベースとする基板
において忌避される汚染物となるからである。また、添
加される電解質のカソード分室内における濃度は、特に
限定されるものではないが、本洗浄装置が超高純度の水
を使用して、基板を精密洗浄する目的から配慮すると、
少なくとも1重量%以下の低濃度にするのが望ましい。
分室3’の目的は、カソード室3を分割してこのような
電解質添加の流路を設けることによって、洗浄槽内の抵
抗値を更に低下させ、これにより、より低い電解電圧の
印加を可能にすることである。またアルカリ性物質の添
加は、OH- イオン透過膜13を透過してカソード室3
内に入り、通常の薬液洗浄に準じる効果を持たせるもの
である。
流入させる純水には、予めオゾンを含有せしめるか、ま
たはカソード室内にオゾンを吹き込める装置を配設させ
ることが望ましい。この場合の望ましいオゾン濃度は、
0.1〜10ppmであって、パーティクル除去の効果
を高めることができる。
うに、上述のような基板の洗浄装置1,1’による洗浄
方法の次工程として、当該基板を、重量%で0.01〜
10%の弗化水素と、1〜10%の過酸化水素と、界面
活性剤を含む水溶液を満たした酸洗浄装置20中に浸漬
し、これに超音波を作用させながら酸洗浄し、次いで純
水で数段階のリンス洗浄を行った後、乾燥する工程を加
えたことである。
装置1または1’は、従来のアルカリ薬品を使用するS
C−1洗浄の代替をなすものであるが、その次工程とし
て採用される酸洗浄は、従来のSC−2洗浄を弗化水素
−過酸化水素系に変更し、これに更に界面活性剤を添加
して同時に超音波を作用させる、従来のSC−2洗浄に
改良を加えた方法で、先に出願された特願平7−180
24号明細書に記載のような洗浄方法と装置が採用され
る。
活性剤は、例えば橋本化成工業(株)製の界面活性剤が
添加済みの弗化水素酸(品番LLHF)に過酸化水素を
所定量調合したものが好適である。ここで、注目すべき
は、洗浄装置1または1’から次工程の酸洗浄装置20
の間において、従来のSC−1洗浄を採用する時は、そ
の間に数段階の純水によるリンス洗浄を必要としたが、
本発明の場合はこの工程が省略できることである。
1または1’による所定の方法で洗浄された基板Wは、
その次工程で直ちに酸洗浄装置20による改良されたS
C−2洗浄を施され、次に数段階のリンス洗浄装置30
によって純水リンスされ、最後に乾燥装置40で乾燥さ
れる。リンス洗浄装置30の構造について、特に要件は
無いが、上記洗浄装置1または1’における陰陽の電極
板7,8を含む隔壁5を除いた洗浄槽2のようなものが
準用できる。 ここで酸洗浄装置20には超音波発振器
21が併設されているが、リンス洗浄装置30について
は、実際上は数段階で採用され、そのうちの一部で超音
波発振器31の併設を省略することもあり得る。また、
乾燥装置40は通常のIPA乾燥器、赤外線乾燥器のよ
うなものが採用される。
0、リンス洗浄装置30等に併設されている超音波発振
器により、洗浄液あるいは洗浄される基板に作用させる
超音波の周波数は500kHz以上で3MHz以下の範
囲とされるが、リンス槽の場合は数100kHzの低レ
ベルの超音波であっても構わない。
結晶の鏡面ウエーハのうちでも、特に後述のパーティク
ル測定におけるCOPの影響や、不純物分析への影響を
比較例1−1や4−1で排除するために、FZ法により
製造したノンドープ単結晶によるものを使用し、図1
(a)、(b)の洗浄装置によって1次処理試験を行っ
た。同装置は直径が150mmの基板を10枚単位で同
時処理できるもので、基板の配列が垂直方向で、6.5
mmピッチとなるよう、基板底板で3点支持が可能な把
持具を使用し、カソード室内の相対するカソード電極板
の中間部で、同電極板に対してほぼ垂直方向となるよう
に配置、カソード電極板の間隔は210mmとした。同
じくその延長線でH+ イオン交換膜からなる隔壁の中空
の流路巾とアノード室の巾は、それぞれ20mmに設定
した。
路、アノード室それぞれに、比抵抗が約2.5MΩ・c
mの純水をその下方の配管より流量調節しながら導入
し、実施例においてはカソード室内に所定の電圧と超音
波を印加させながら試験した。ただし比較例1−1で
は、アノード室内の洗浄液のみをSC−1洗浄液として
試験した。この各種条件により1次処理を終えた基板
は、図5における酸洗浄装置20を省略した以後のリン
ス槽30により純水で3段リンス洗浄したものをIPA
乾燥装置40で乾燥させて、その鏡面上のパーティクル
を測定した。パーティクルの測定は、各種条件の1次処
理を受けた基板10枚単位の鏡面側に付着しているパー
ティクルを、パーティクルカウンター(LS−603
0)により粒子径が0.18μm以上のものを計数して
その平均値を採用した。その試験条件と試験結果は表1
に示される。
パーティクルは数分の1に、かつこれに超音波を作用さ
せることによって、一桁以上もパーティクルは減少して
いることが分かる。
用し、図3(a)、(b)に示す装置によって、以下に
示す条件設定以外は実施例1の場合と同様の手順によっ
て1次処理試験を行なった。すなわち、同装置における
洗浄槽は石英製とし、カソード電極とアノード電極は共
に、チタニウム薄板に直径2mmの穴を多数、3mm間
隔のピッチで打ち抜いて白金でメッキしたものを使用し
た。隔壁となるH+ イオン交換膜(デュポン社製、N−
117/H+ )に、前記のカソード電極板とアノード電
極板をサンドイッチ状に挟んで密着させた2組の成形体
によって、洗浄槽をカソード室とアノード室とに区画
し、この際、カソード室におけるカソード電極板の間隔
は240mmに設定した。
ード室それぞれに純水を通しながらカソード電極とアノ
ード電極との間に直流電圧を印加したところ、9.6V
で40A、11.0Vで50A、12.1Vで60A、
14.1Vで80Aの電流が流れ、電気分解によるH2
とO2 ガスの発生が観察され、カソード室内のpHは8
〜9になると共に、酸化還元電位(Oxidation-Reductio
n Potential;ORP)は最高で−165mVまで低下す
ることが測定された。この洗浄装置について、アノード
室には約2.5MΩ・cmの純水を通しながら、カソー
ド室内の洗浄液について、次の条件設定で試験を行なっ
た。
m)のみによる 実施例2−1:印加電圧12Vで約60Aの電流設定に
よるOH- イオン水 実施例2−2:実施例2−1のOH- イオン水に800
kHzの超音波を作用させた 比較例2−2:実施例2−1のOH- イオン水に200
ppmのNH4 OHを添加した 実施例2−3:比較例2−2のNH4 OHを添加したO
H- イオン水に800kHzの超音波を作用させた なお、この洗浄試験は、0.16μm以上のパーティク
ルが20000個以上付着している鏡面ウエーハ5枚単
位について行なった。
と2−2で残存パーティクル数は、10000個以上と
なっているが、実施例2−1の場合は10000個以下
のものが3枚あり、これに超音波を作用させた実施例2
−2ではパーティクル除去の効果は著しく、比較例2−
2に対して超音波を作用させた実施例2−3の場合も同
様の結果が得られている。
ード室とアノード室に約2.5MΩ・cmの純水を通し
ながら、カソード室における電解をしていない純水と、
印加電圧12Vで60Aの電流設定をし、これに800
kHzの超音波を作用させたOH- イオン水の金属不純
物レベルを調べたところ、図7に示すような結果が得ら
れた。それによれば、電解水における金属不純物のレベ
ルは、全般的に低下する傾向にあることが解る。
ィクルで汚染された1枚単位の鏡面ウエーハについて、
洗浄時の温度を30,40,50,60,70℃の5段
階とし、次の設定条件以外は実施例2と同様の方法によ
り、カソード室で形成されるOH- イオン水洗浄におけ
る、温度の影響とオゾンを添加した場合の効果を試験し
た。
解させたもの 実施例3−1:OH- イオン水洗浄のみのもの 実施例3−2:OH- イオン水洗浄に超音波を作用させ
たもの 実施例3−3:オゾンを2ppm溶解させたOH- イオ
ン水に超音波を作用させたもの オゾン水は、予めオゾン発生器により発生させたオゾン
を純水に吹き込んで調製した。その結果は図8のように
比較例3−1と実施例3−1で実質的な差異はないが、
この両者に超音波を作用させた実施例3−2と3−3と
では著しくパーティクル除去の洗浄効果が上がっている
ことが認められる。なお、何れの場合も洗浄温度の影響
は小さいことが観察される。
電極板間の幅210mmのうち、カソード分室を構成す
るカソード電極板と透過膜の中心線との幅を20mm、
基板が配置されるカソード室の幅を約170mmに設定
したものを採用し、このカソード分室内に流入する電解
質水溶液として苛性ソーダ0.5重量%を使用する以外
は、実質的に実施例1の場合と同じ1次処理の条件によ
って試験を行った。その結果は表2に示される通りで、
比較的低い電圧を印加することによっても実施例1の場
合と同様の結果が得られている。
処理を施された基板に対し、次工程の2次処理を行なう
試験を行なった。2次処理としての酸洗浄装置は、本出
願人になる特願平7−18024号公報に記載されてい
る図2の装置を使用した。2次処理の試験用基板は、実
施例1−3相当の1次処理が施され、パーティクル測定
用として純水リンス洗浄後に乾燥された基板10枚単位
のもの8組を準備し、うち5枚については2次処理前の
基板として、また残り5枚は2次処理後の基板として純
水による3段リンス洗浄をした後、IPA乾燥したもの
について表面不純物の分析を行なった。
て、HF=5重量%、H2 O2 =5重量%のもので試験
し、実施例においては、橋本化成工業(株)製の界面活
性剤入りの弗化水素酸LLHFを使用し、HFとH2 O
2 濃度で同等のものを調製した。表面不純物の分析は、
それぞれの条件による2次処理終了後の基板の鏡面を、
希弗酸で洗浄した液について、ICP質量分析法により
行なった。
純物であるA1、Cu、Feについての洗浄効果をまと
めたものである。同表におけるN.D.は、E8(10
8 )以下の、検出限界とされる表面不純物濃度に相当す
る。本発明条件の採用によって、良好な結果を得られる
ことが確認された。
よる洗浄を、電解状態の純水のみで洗浄することがで
き、アルカリ薬品の使用が省略できると共に、強アルカ
リを使用することによるCOPのような結晶欠陥の発生
も抑制が可能となる。このような純水洗浄は、純水をイ
オン交換装置等により再生することを容易にし、その循
環利用を可能とする。またアルカリ薬液洗浄後の次工程
となる酸洗浄の間で、従来、必要とされた純水による数
段のリンス洗浄工程を省略することができ、しかも薬品
の使用による産業廃水処理について、その一部を不要に
するか、あるいはその規模を大幅に簡略化することがで
き、設備費や労務費等の大幅な節減を可能とする。
部を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図で
ある。
示す図である。
部を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図で
ある。
部を示す説明図で、(a)はその平面図、(b)は側面
図である。
図である。
面の付着パーティクル数を示したグラフである。
ン水の金属不純物濃度を示したグラフである。
面の付着パーティクル数を示したグラフである。
配管 2 洗浄槽 11 流量調節弁 3 カソード室 12,21,31 超音
波発振器 3’カソード分室 13 (OH- イオン
の)透過膜 4 アノード室 14 電解質水溶液貯槽 5,5’隔壁 15 流量調節弁 6 中空の流路 20 酸洗浄装置 7 カソード電極板 30 リンス洗浄装置 8 アノード電極板 40 乾燥装置 9 把持具 W 基板
Claims (16)
- 【請求項1】 方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物とし
ての半導体基板をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄
装置であって、前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカ
ソード室と、その両側に設けられる2組のアノード室と
で構成されるべく、中空の流路が形成された2組のH+
イオン交換膜にてなる隔壁によって区画し、前記カソー
ド室における、前記被洗浄物と対面する両側のH+ イオ
ン交換膜よりなる隔壁の表面にカソード電極板を固着さ
せるとともに、前記アノード室における該隔壁の表面
で、かつ該隔壁を介して前記カソード電極板と対向する
位置には、該カソード電極板とほぼ同一面積のアノード
電極板を固着させてなることを特徴とする半導体基板の
洗浄装置。 - 【請求項2】 超音波発振器を前記カソード室の底部に
配設することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板
の洗浄装置。 - 【請求項3】 方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物とし
ての半導体基板をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄
装置であって、前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカ
ソード室と、その両側に設けられる2組のアノード室と
で構成されるべく2組のH+ イオン交換膜にてなる隔壁
によって区画し、前記カソード室における、前記被洗浄
物と対面する両側のH+ イオン交換膜よりなる隔壁の表
面にカソード電極板を固着させるとともに、前記アノー
ド室における該隔壁の表面で、かつ該隔壁を介して前記
カソード電極板と対向する位置には、該カソード電極板
とほぼ同一面積のアノード電極板を固着させてなること
を特徴とする半導体基板の洗浄装置。 - 【請求項4】 超音波発振器を前記カソード室の底部に
配設することを特徴とする請求項3に記載の半導体基板
の洗浄装置。 - 【請求項5】 前記カソード電極板およびアノード電極
板が多孔板からなることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載の半導体基板の洗浄装置。 - 【請求項6】 被洗浄物としての半導体基板が配置され
るカソード室において、カソード電極板が固着されたH
+ イオン交換膜よりなる隔壁側に、OH- イオンを透過
する2組の透過膜によって仕切られた2組のカソード分
室を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
記載の半導体基板の洗浄装置。 - 【請求項7】 方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物とし
ての半導体基板をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄
方法であって、前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカ
ソード室と、その両側に設けられる2組のアノード室と
で構成されるべく、中空の流路が形成された2組のH+
イオン交換膜にてなる隔壁によって区画し、前記カソー
ド室における、前記被洗浄物と対面する両側のH+ イオ
ン交換膜よりなる隔壁の表面にカソード電極板を固着さ
せるとともに、前記アノード室における該隔壁の表面
で、かつ該隔壁を介して前記カソード電極板と対向する
位置には、該カソード電極板とほぼ同一面積のアノード
電極板を固着させた半導体基板の洗浄装置において、前
記洗浄槽のカソード室と、2組のアノード室と、2組の
H+ イオン交換膜にてなる隔壁の中空の流路それぞれの
底部より純水を供給し、前記被洗浄物を純水中に浸漬さ
せた状態で、それぞれの純水を洗浄槽の上部より排出さ
せながら、前記カソード電極板とアノード電極板の陰陽
両極間に直流電圧を印加することを特徴とする半導体基
板の洗浄方法。 - 【請求項8】 前記カソード電極板とアノード電極板の
陰陽両極間に直流電圧を印加しつつ、同時に被洗浄物に
対して、カソード室の底部に配設された超音波発振器よ
り発振される超音波を作用させることを特徴とする請求
項7に記載の半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項9】 方形の洗浄槽の中心部に、被洗浄物とし
ての半導体基板をほぼ垂直方向に保持して洗浄する洗浄
方法であって、前記洗浄槽を、被洗浄物が配置されるカ
ソード室と、その両側に設けられる2組のアノード室と
で構成されるべく2組のH+ イオン交換膜にてなる隔壁
によって区画し、前記カソード室における、前記被洗浄
物と対面する両側のH+ イオン交換膜よりなる隔壁の表
面にカソード電極板を固着させるとともに、前記アノー
ド室における該隔壁の表面で、かつ該隔壁を介して前記
カソード電極板と対向する位置には、該カソード電極板
とほぼ同一面積のアノード電極板を固着させた半導体基
板の洗浄装置において、前記洗浄槽のカソード室と、2
組のアノード室それぞれの底部より純水を供給し、前記
被洗浄物を純水中に浸漬させた状態で、それぞれの純水
を洗浄槽の上部より排出させながら、前記カソード電極
板とアノード電極板の陰陽両極間に直流電圧を印加する
ことを特徴とする半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項10】 前記カソード電極板とアノード電極板
の陰陽両極間に直流電圧を印加しつつ、同時に被洗浄物
に対して、カソード室の底部に配設された超音波発振器
より発振される超音波を作用させることを特徴とする請
求項9に記載の半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項11】 請求項1または2に記載の半導体基板
の洗浄装置を用いて、被洗浄物としての半導体基板が配
置されるカソード室を、カソード電極板が固着されたH
+ イオン交換膜にてなる隔壁側に、OH- イオンを透過
する2組の透過膜によって仕切られた2組のカソード分
室を配設し、前記カソード室には純水を、また前記2組
のカソード分室には電解質を添加した純水を、更に前記
2組のアノード室と、前記2組のH+ イオン交換膜より
なる隔壁の中空の流路には純水をそれぞれの底部より供
給し、前記被洗浄物を純水中に浸漬させた状態で、それ
ぞれの純水または電解質添加の純水を洗浄槽の上部より
排出させながら、前記カソード電極板とアノード電極板
の陰陽両極間に直流電圧を印加する、または直流電圧の
印加時に超音波発振器より発振される超音波を同時に作
用させることを特徴とする半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項12】 請求項3または4に記載の半導体基板
の洗浄装置を用いて、被洗浄物としての半導体基板が配
置されるカソード室を、カソード電極板が固着されたH
+ イオン交換膜よりなる隔壁側に、OH- イオンを透過
する2組の透過膜によって仕切られた2組のカソード分
室を配設し、前記カソード室には純水を、また前記2組
のカソード分室には電解質を添加した純水を、更に前記
2組のアノード室には純水をそれぞれの底部より供給
し、前記被洗浄物を純水中に浸漬させた状態で、それぞ
れの純水または電解質添加の純水を洗浄槽の上部より排
出させながら、前記カソード電極板とアノード電極板の
陰陽両極間に直流電圧を印加する、または直流電圧の印
加時に超音波発振器より発振される超音波を同時に作用
させることを特徴とする半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項13】 添加される電解質が苛性ソーダ、苛性
カリ、アンモニア等のアルカリ性物質、もしくはハロゲ
ン族元素を含まない中性塩物質であることを特徴とする
請求項11または12に記載の半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項14】 カソード室にオゾンを0.1〜10p
pm含む純水を流入させることを特徴とする請求項7〜
13のいずれかに記載の半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項15】 請求項1〜14に記載の洗浄工程の次
工程に、被洗浄物としての半導体基板を、重量%で0.
01〜10%の弗化水素と1〜10%過酸化水素と界面
活性剤を含む水溶液からなる洗浄液中に浸漬し、これに
超音波を作用させながら洗浄し、次いで純水でリンス後
に乾燥工程を加えることを特徴とする請求項7〜14の
いずれかに記載の半導体基板の洗浄方法。 - 【請求項16】 洗浄の際に被洗浄物に作用させる超音
波が、500kHz以上で3MHz以下の範囲であるこ
とを特徴とする請求項8、10、11、12、15のい
ずれかに記載の半導体基板の洗浄方法。
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