JPH09173439A - ポリイミド系樹脂組成物チューブを含有するカテーテル - Google Patents

ポリイミド系樹脂組成物チューブを含有するカテーテル

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JPH09173439A
JPH09173439A JP7337616A JP33761695A JPH09173439A JP H09173439 A JPH09173439 A JP H09173439A JP 7337616 A JP7337616 A JP 7337616A JP 33761695 A JP33761695 A JP 33761695A JP H09173439 A JPH09173439 A JP H09173439A
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polyimide
aromatic
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JP7337616A
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Inventor
Atsushi Morita
淳 森田
Tomohito Koba
友人 木場
Toshiyuki Kataoka
利之 片岡
Hiroyuki Furukawa
博之 古川
Nobuhiro Takizawa
信宏 滝沢
Koichi Sano
弘一 佐野
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状あるいは線状の医療器具を生体内に進
入、留置する際に用いられる腰が強く弾性率が大きい医
療器具導入用チューブを含有するカテーテルを提供する
ことである。 【解決手段】 特定の構造式及び特定の対数粘度を有す
る熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対し、ホウ酸
アルミウィスカー5〜50重量部を含むことを特徴とす
るポリイミド系樹脂組成物よりなる医療器具導入用チュ
ーブを含有するカテーテル。 【効果】 本発明のポリイミド系樹脂組成物よりなる医
療器具導入用チューブは、腰が強く弾性率が大きいチュ
ーブであり、カテーテルの医療器具導入用チューブに広
く使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状あるいは線状
の医療器具を生体内に進入、留置する際に用いられる特
定の化学構造及び分子量を有するポリイミド樹脂の組成
物よりなる医療器具導入用チューブを含有するカテーテ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】医療用チューブは、循環器、呼吸器、消
化器、泌尿器、生殖器等の各種器官や臓器内に挿入さ
れ、これらの器官の内容物の排出、または試験液その他
必要な薬物等の注入や各種の測定機能、分析機能、内視
機能、レーザファイバー等その使用目的、機能により広
く使用されている。特に、カテーテルは、一般に血管、
器官、卵管、尿管等や各種臓器内に挿入して、液体の注
入又は吸入、或いは道路の開存確保等を目的として使用
されるものであり、合成高分子材料即ちナイロン、ポリ
アミド、ポリウレタン、テフロン、非熱可塑性ポリイミ
ド等の材質で製造された管がよく使用されていた。この
ポリイミドを用いた管は、機械的強度に優れたものであ
った。ところが上記のポリイミドは非熱可塑性ポリイミ
ドであり、溶融押出加工が不可能であり、キャスト法等
の方法でしか製造できなかった。
【0003】本出願人は特開昭62−236858およ
び特開昭62−253655等に、本発明の構成要素の
ひとつである一般式(1)で表わされる繰り返し単位を
有する熱可塑性ポリイミド樹脂を開発した。そして、本
ポリイミドを用いて溶融押出加工で製造した管は、腰が
強く(ここでいう腰が強いとは物性でいうと伸びがあっ
て弾性率が大きいことである。) 、且つ弾性率の大きい
管を作るに至らなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、管状
あるいは線状の医療器具を生体内に進入、留置する際に
用いられる腰が強く弾性率が大きい医療器具導入用チュ
ーブを含有するカテーテルを得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、特定の対数粘度を
有する一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有する
ポリイミド樹脂100重量部に対し、ホウ酸アルミウィ
スカー5〜50重量部を含むことを特徴とするポリイミ
ド系樹脂組成物を用いることにより、管状あるいは線状
の医療器具を生体内に進入、留置する際に用いられる腰
が強く弾性率が大きい医療器具導入用チューブを含有す
るカテーテルを得ることができることを見いだし、本発
明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、 (1)熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対し、ホ
ウ酸アルミウィスカー5〜50重量部を含むことを特徴
とするポリイミド系樹脂組成物チューブを含有するカテ
ーテル、
【0007】(2)熱可塑性ポリイミド樹脂が式(1)
【化4】 (式中、Xは直接結合、イオウ、炭素数1〜10の二価
の炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、
カルボニル基、チオ基、スルホニル基、エーテル基から
成る群より選ばれた少なくとも一種の基を表わし、
1 ,Y2 ,Y3 およびY4 はそれぞれ水素、炭素数1
〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ
基、塩素または臭素から成る群より選ばれた少なくとも
一種の基を表わし、またR1 は炭素数4〜9の脂肪族
基、炭素数4〜10の単環式脂肪族基、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員に
より相互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群
より選ばれた4価の基を表わす。) で表される前記
(1)のカテーテル。
【0008】(3)前記の一般式(1)で表される繰り
返し構造単位を有するポリイミドを製造する際に、一般
式(2)
【化5】 (式中、Zは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族からなる群
より選ばれた少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
される芳香族ジカルボン酸無水物及び/または一般式
(3)
【化6】 (式中、Vは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族からなる群
より選ばれた少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
される芳香族モノアミンの共存下に反応させて得られる
ポリマーの分子末端を封止したポリイミド樹脂を含む前
記(1)記載のポリイミド系樹脂組成物チューブを含有
するカテーテル、
【0009】(4)前記の一般式(1)で表される繰り
返し構造単位を有するポリイミドの対数粘度が0.40
〜0.60dl/gであることを特徴とする前記(1)
記載のカテーテル、である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリイミド系
樹脂組成物における一般式(1)で表わされる繰り返し
単位を基本骨格として有するポリイミド樹脂の原料とし
て用いるジアミン成分は、一般式(4)
【化7】 (式中、X、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は前記に同
じ)に示すエーテルジアミンと
【0011】一般式(5)
【化8】 (式中、R1 は前記に同じ)に示す1種以上のテトラカ
ルボン酸二無水物とを有機溶媒の存在下または不存在下
において反応させ、得られたポリアミド酸を化学的にま
たは熱的にイミド化して製造することができる。
【0012】反応温度は通常250℃以下であり、反応
圧力は特に限定されず、常圧で充分実施できる。また反
応時間は使用するテトラカルボン酸二無水物、溶剤の種
類、反応温度により異なり、通常中間生成物であるポリ
アミド酸の生成が完了するのに充分な時間反応させる。
反応時間は24時間、場合によっては1時間以内で充分
である。このような反応により一般式(1)の繰り返し
単位に対応するポリアミド酸が得られ、ついでこのポリ
アミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、または
通常用いられるイミド化剤を用いて化学イミド化するこ
とにより一般式(1)の繰り返し構造単位を有するポリ
イミドが得られる。また、ポリアミド酸の生成と熱イミ
ド化反応を同時に行ってポリイミドを得ることもでき
る。
【0013】この方法で使用される一般式(4)のエー
テルジアミンとしては、一般式(4)中のXが脂肪族基
であるものとして、〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−
〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、
2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサルフルオロプロ
パン、
【0014】式中のXが直接結合のものとして、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジクロロビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラクロロビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラブロモビフェニル、
【0015】式中のXが−CO−基のものとして、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}
フェニル〕ケトン、式中のXが−S−基のものとして、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メト
キシフェニル〕スルフィド、〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)3,
5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕
スルフィド、
【0016】式中のXが−SO2 −基のものとして、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホン、式中のXが−O−基のもの
として、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エーテル、
【0017】式中のXがその他のものとして、1,4−
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ベン
ゼン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェノキシ〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、ビ
ス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}
フェニル〕スルホンなどが挙げられ、これらは単独ある
いは2種以上混合して用いられる。
【0018】また、上記熱可塑製ポリイミド樹脂の溶融
流動性を損なわない範囲で他のジアミンを混合して用い
ることもできる。混合して用いることのできるジアミン
としてはm−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジ
ルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、これらのジア
ミンは通常30重量%以下、好ましくは5重量%以下混
合して用いられる。
【0019】また、一般式(1)で表されるポリイミド
を製造するのに用いられる一方の原料であるテトラカル
ボン酸二無水物の具体例としては、一般式(5)におい
て式中のR1 が、次の(a)〜(e)からなる群より選
ばれた少なくとも1種のものと定義される。 (a)炭素数4〜9の脂肪族基 (b)炭素数4〜9の環式脂肪族基 (c)次式で表される単環式芳香族基
【化9】
【0020】(d)次式であらわされる縮合多環式芳香
族基
【化10】
【0021】(e)次式であらわされる芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基
【化11】 (式中、X1 は直接結合、−O−、−S−、SO2−、
−CH2−、−CO−、
【化12】 を表わす。) 具体的には、式中のR1 が脂肪族基であるエチレンテト
ラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、式中のR1 が環式脂肪族基であるものとしてはシク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、式中のR1 が単
環式脂肪族基であるものとしてはピロメリット酸二無水
物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、式中のR1 が次式で表され、
【0022】
【化13】 同式中のX1 が−CO−基である3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
【0023】同式中のX1 が直接結合である3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、同式中のX1 が脂肪族基である2,2−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無
水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)
エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、同式中のX1 が−O−基である
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、同式中のX1 が−SO2 −基であるビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
【0024】また、式(5)中のR1 が縮合多環式芳香
族基である2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレ
ンテトラカルボン酸二無水物、同式中のR1 がその他の
ものとして、ビス(3,4−ジカルボキシ)(p−フェ
ニレンジオキシ)二無水物などであり、これらテトラカ
ルボン酸二無水物は単独または2種以上混合して用いら
れる。
【0025】また、本発明に用いられる一般式(1)で
表されるポリイミド樹脂は、このポリイミドを製造する
際に一般式(2)
【化14】 (式中、Zは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族からなる群
より選ばれた少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
される芳香族ジカルボン酸無水物及び/または一般式
(3)
【化15】 (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、
縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された非縮合多環式芳香族からなる群より
選ばれた少なくとも1種の2価の基を表す。)で表され
る芳香族モノアミンの共存下に反応させて得られるポリ
マーの分子末端を封止したポリイミド樹脂を含む。
【0026】一般式(2)で表される芳香族シカルボン
酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、2,3−ベ
ンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェ
ノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニ
ルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェ
ニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカ
ルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水
物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無
水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン
無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフ
ィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルス
ルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−
ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセン
ジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン
酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等
のジカルボン酸無水物である。これらは単独、もしくは
2種以上混合して用いても何等差し支えない。
【0027】これらのジカルボン酸無水物の中で無水フ
タル酸が、得られるポリイミドの性能面及び実用面から
最も好ましい。ジカルボン酸無水物を用いる場合、その
量は、前記の一般式(4)で表されるジアミン1モルあ
たり、0.000〜1.0モル比である。0.001モ
ル比未満では、高温成形時に粘度の上昇がみられ成形加
工性の低下の原因となる。また、1.0モルを超えると
機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.01〜
0.5モルの割合である。
【0028】また、一般式(3)で示される芳香族モノ
アミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、
m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジ
ン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5
−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリ
ン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブ
ロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリ
ン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−ア
ミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフ
ェノール、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニ
シジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フ
ェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノ
ベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−
アミノベンズニトリル、m−アミノベンズニトリル、p
−アミノベンズニトリル、2−アミノビフェニル、3−
アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノ
フェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニ
ルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2
−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、
4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニ
ルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィ
ド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミ
ノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェ
ニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、
α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ
−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−
アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトー
ル、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナ
フトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノア
ントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアン
トラセン等が挙げられる。これら芳香族モノアミンは、
アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基
で置換されていても差し支えないし、単独もしくは2種
以上混合して用いても何等差し支えない。
【0029】芳香族モノアミンを用いる場合、その量は
前記の一般式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水
物1モル当たり0.001〜1.0モル比である。0.
001モル未満では、高温成形時に粘度の上昇がみられ
成形加工性の低下の原因となる。また、1.0モルを超
えると機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.0
1〜0.5モルの割合である。
【0030】一般式(1)で表される繰り返し構造単位
を有するポリイミドの対数粘度は0.40〜0.60d
l/gである。本発明に用いられるポリイミドは低分子
タイプの使用は出来ない。もし対数粘度が0.40を下
回ると、たとえ繊維強化材を含むポリイミド組成物であ
っても、靱性が不十分であり、カテーテルに使用するチ
ューブとしては好ましくない。一方、対数粘度が0.6
0を上回ると押出成形が困難になる。但し、可塑剤(流
動化剤)として、低分子ポリイミドを用いる場合は問題
ない。マトリックスが低分子ポリイミドでなければよ
い。即ち、高溶融粘度ポリイミドの流動化剤として低分
子ポリイミドを使用することもできる。対数粘度はパラ
クロロフェノール/フェノール(90/10重量比)の
混合溶媒中、濃度0.5g/100mlの溶媒で加熱溶
解した後、35℃に冷却して測定される。
【0031】使用する繊維強化材は、ホウ酸アルミウィ
スカーである。本強化材を特定量用いることにより、チ
ューブとしての腰の強さ、弾性率、ウエルド強度等が著
しく改良される。ホウ酸アルミニウムウィスカ以外のウ
ィスカの使用も可能であるが、腰の強さ、弾性率、ウェ
ルド強度、剪断強度、押出加工性の全ての特性を十分に
満足するに至らない。
【0032】本発明において用いられるホウ酸アルミニ
ウムウィスカーの代表的なものは、2Al2 3 ・B2
3 或いは9Al2 3 ・2B2 3 で表される組成か
らなるものであり、例えば2Al2 3 ・B2 3 で表
される組成を持つホウ酸アルミニウムウィスカーはアル
ミニウム水酸化物、及びアルミニウム無機塩の中から選
ばれた少なくとも1種のアルミニウム供給成分と、ホウ
酸の酸化物、酸素酸、及びそのアルカリ金属塩の中から
選ばれた少なくとも1種のホウ素供給成分とをアルカリ
金属の塩化物、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ金属
の炭酸塩の中から選ばれた少なくとも1種の溶融剤の存
在下600〜1000℃の温度に加熱して反応、育成さ
せることによって得られる。
【0033】また、9Al2 3 ・2B2 3 で表され
る組成を持つホウ酸アルミニウムウィスカーはアルミニ
ウム水酸化物、及びアルミニウム無機塩の中から選ばれ
た少なくとも1種のアルミニウム供給成分と、ホウ酸の
酸化物、酸素酸、及びそのアルカリ金属塩の中から選ば
れた少なくとも1種のホウ素供給成分とをアルカリ金属
の塩化物、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ金属の炭
酸塩の中から選ばれた少なくとも1種の溶融剤の存在下
900〜1200℃の温度に加熱して反応、育成させる
ことによって得られるもので、例えばアルボレックス
(四国化成社製)等の商品名で市販されている。これら
の方法によって得られるホウ酸アルミニウムウィスカー
は繊維径0.05〜5μm、繊維長2〜100μmのも
のである。また、ホウ酸アルミニウムウィスカーと樹脂
との濡れを改良するためにシリコン系、チタン系、アル
ミニウム系、ジルコニウム系、ジルコアルミニウム系、
クロム系、ボロン系、リン系、アミノ系等のカップリン
グ剤やその他表面処理剤を使用することもできる。
【0034】使用する繊維強化材の量であるが、熱可塑
性ポリイミド樹脂、好ましくは、一般式(1)で表わさ
れる繰り返し単位を有するポリイミド樹脂100重量部
に対し、ホウ酸アルミウィスカー5〜50重量部であ
る。繊維強化材の量が5重量部を下回ると、弾性率が十
分ではない。また、50重量部を越えると、組成物の溶
融粘度が増大し、押出製が著しく悪くなり、たとえ成形
でき製品を得ることができても、ウエルド強度が著しく
低下する。本樹脂組成物には、必要に応じて、フッ素樹
脂、グラファイト、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビ
ーズ、グラファイト、二硫化モリブデン、クレー、シリ
カ、アルミナ、タルク、ケイソウ土、水和アルミナ、シ
ラスバルーン等の充填剤、滑剤、離型剤、安定剤、着色
剤、結晶核剤の他、他の非晶性樹脂(例えば、ポリエー
テルスルホン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボ
ネート、ポリアリレートなど)、他の結晶性樹脂(例え
ば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルニトリ
ル、ナイロン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケト
ン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテル
ケトンケトンなど)、液晶ポリマー、熱硬化性樹脂(例
えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等)を使用しても
よい。
【0035】チューブの形状としては、内径0.1mm
〜10mm、厚み0.01〜1mmのものが好ましい。
さらに好ましくは、内径0.2mm〜10mm、厚み
0.02〜1mmのものが好ましい。より好ましくは内
径0.2mm〜1mm、厚み0.02〜0.8mmのも
のがよい。この厚みは、使用するホウ酸アルミニウムウ
ィスカーの繊維径と繊維長に関係する。即ち、0.01
mmより薄いフィルムであると充填ウィスカーの浮きだ
しが起こり、好ましくない。また、厚みがあまり厚い
と、ウィスカー繊維の配向が乱れやすくなり好ましくな
い。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を詳細に
説明する。 実施例1 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料、かつ無水フタル酸を分
子末端封止剤として用いて得られた対数粘度0.50d
l/gのポリイミド100重量部とアルボレックス10
重量部を用いて、二軸押出機により370〜400℃で
押出して造粒し、得られたペレットを射出成形機(シリ
ンダー温度370〜410℃、射出圧力2300kg/
cm2 、金型温度190℃)に供給し、後述する各試験
法に定められた試験片を成形した。また、得られたペレ
ットを押出機を用いて、厚み0.05mmのフィルムを
押出し、引張強度及び引張弾性率を求めた。さらに得ら
れたペレットを押出機を用いて、径0.40mm、厚み
50μm、長さ1000mmのチューブを押出し、下記
の評価を行った。
【0037】なお、各試験方法は次の通りである。試験
の結果を第1表に示す。 1)引張強度 厚み0.05mmのフィルムを用いて測定を行った。 2)引張弾性率 厚み0.05mmのフィルムを用いて測定を行った。 3)ウエルド強度 1号ダンベル(ASTM)引張試験片の2点ゲート充填
のウエルド型を用いてウエルド引張強度を測定した。 4)剪断強度 一般にねじり強度と剪断強度には相関性があるため、今
回は剪断強度を求めた。測定法についてはJISK−7
214に準じて行った。 5)押出加工性 チューブの外観を調べた。 ○光沢有り ●光沢ないが表面平滑 ×押出できず。 6)伸び 厚み 0.05mmのフィルムを用いて測定した。
【0038】実施例2 第1表の実施例2に示す組成物を用いる以外は、実施例
1と同様な方法によって行った。結果を第1表に示す。
【0039】実施例3 第1表の実施例3に示す組成物を用いる以外は、実施例
1と同様な方法によって行った。結果を第1表に示す。
【0040】実施例4 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料、かつアニリンを分子末
端封止剤として用いて得られた対数粘度0.50dl/
gのポリイミドを用いる以外は、実施例1と同様な方法
により行った。
【0041】実施例5 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料、かつ無水フタル酸を分
子末端封止剤として用いて得られた対数粘度0.60d
l/gのポリイミドを用いる以外は、実施例1と同様な
方法によって行った。
【0042】比較例1 第1表の比較例1に示す組成物を用いる以外は、実施例
1と同様な方法によって行った。結果を第1表に示す。
【0043】比較例2 第1表の比較例2に示す組成物を用いる以外は、実施例
1と同様な方法によって行った。結果を第1表に示す。
【0044】比較例3 第1表の比較例3に示す組成物を用いる以外は、実施例
1と同様な方法によって行った。結果を第1表に示す。
【0045】比較例4 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料、かつ無水フタル酸を分
子末端封止剤として用いて得られた対数粘度0.80d
l/gのポリイミドを用いる以外は、実施例1と同様な
方法によって行った。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、この発
明は管状あるいは線状の医療器具を生体内に進入、留置
する際に用いられる特定の化学構造及び分子量を有する
ポリイミド樹脂の組成物よりなる医療器具導入用チュー
ブを含有するカテーテルであり、カテーテルの医療器具
導入用チューブに広く使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 博之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 滝沢 信宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 佐野 弘一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に
    対し、ホウ酸アルミウィスカー5〜50重量部を含むこ
    とを特徴とするポリイミド系樹脂組成物チューブを含有
    するカテーテル。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリイミド樹脂が、一般式
    (1) 【化1】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
    化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
    ボニル基、チオ基、スルホニル基、エーテル基から成る
    群より選ばれた少なくとも一種の基を表わし、Y1 ,Y
    2 ,Y3 およびY 4 はそれぞれ水素、炭素数1〜6の低
    級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基、塩素
    または臭素から成る群より選ばれた少なくとも一種の基
    を表わし、またR1 は炭素数4〜9の脂肪族基、炭素数
    4〜10の単環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環
    式芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員により相互に連
    結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた
    4価の基を表わす。)で表される請求項1記載のポリイ
    ミド系樹脂組成物チューブを含有するカテーテル。
  3. 【請求項3】 前記の一般式(1)で表される繰り返し
    構造単位を有するポリイミドを製造する際に、一般式
    (2) 【化2】 (式中、Zは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族からなる群
    より選ばれた少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
    される芳香族ジカルボン酸無水物及び/または一般式
    (3) 【化3】 (式中、Vは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族からなる群
    より選ばれた少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
    される芳香族モノアミンの共存下に反応させて得られる
    ポリマーの分子末端を封止した熱可塑性ポリイミド樹脂
    を含む請求項1記載のポリイミド系樹脂組成物チューブ
    を含有するカテーテル。
  4. 【請求項4】 前記の一般式(1)で表される繰り返し
    構造単位を有するポリイミドの対数粘度が0.40〜
    0.60dl/gであることを特徴とする請求項1記載
    のポリイミド系樹脂組成物チューブを含有するカテーテ
    ル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013509218A (ja) * 2009-10-30 2013-03-14 ウノメディカル アクティーゼルスカブ 医療用チューブ物品

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