JPH07316426A - ポリイミド系樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド系樹脂組成物

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JPH07316426A
JPH07316426A JP11245594A JP11245594A JPH07316426A JP H07316426 A JPH07316426 A JP H07316426A JP 11245594 A JP11245594 A JP 11245594A JP 11245594 A JP11245594 A JP 11245594A JP H07316426 A JPH07316426 A JP H07316426A
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group
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polyimide resin
bis
aromatic
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JP11245594A
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English (en)
Inventor
Atsushi Morita
淳 森田
Tomohito Koba
友人 木場
Katsuichi Shimamura
勝弌 島村
Toshiyuki Kataoka
利之 片岡
Hiroyuki Furukawa
博之 古川
Nobuhiro Takizawa
信宏 滝沢
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】特定の構造を有するポリイミド樹脂とリニアタ
イプのポリフェニレンスルフィド樹脂を含み、特定の熱
安定性を有するポリイミド系樹脂組成物。 【効果】本発明のポリイミド系樹脂組成物は流動性に優
れ、かつ、熱滞留時の熱安定性に優れ、結晶化速度の速
いポリイミド系樹脂組成物であり、種々の構造部材、摺
動部材等に広く使用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動性に優れ、かつ、
熱滞留時の熱安定性に優れ、結晶化速度の速いポリイミ
ド系樹脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】従来開発されたポリイミドには優れた特
性を示すものが多いが、優れた耐熱性を有するけれども
加工性にとぼしいとか、また加工性向上を目的として開
発された樹脂は耐熱性、耐溶剤性に劣るなど性能に一長
一短があり、さらに結晶化に伴う熱処理過程での寸法変
化が大きいなどの欠点を有している。 これらの欠点を
解決すべく、本出願人は特開昭62−236858号公
報および特開昭62−253655号公報等に、本発明
の構成要素のひとつである式(1)(化5)で表わされ
る繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を開発した。
【0003】
【化5】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
ボニル基、チオ基、スルホニル基および/またはオキシ
ド基から成る群より選ばれた少なくとも一種の基を表わ
し、Y、Y 、YおよびYはそれぞれ水
素、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低
級アルコキシ基、塩素および/または臭素基を表わし、
またRは炭素数が2〜27であり、脂肪族基、単環式
脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基および
/または芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結され
た非縮合多環式芳香族基である4価の基を表わす。) しかし、流動性の面ではまだ十分ではなく改良が望まれ
ていた。その後、筆者らは、式(1)で表わされる繰り
返し単位を有するポリイミド樹脂と、ポリフェニレンス
ルフィドとの樹脂組成物を開発(特開昭63−3012
55号公報)したが、熱安定性が悪く、溶融混練または
射出成形等の加工時による熱履歴により、系全体の流動
性が著しく低下する。また、その樹脂組成物において
は、ポリイミドの結晶化速度が遅く、射出成形後の長時
間の熱処理による結晶化工程が必要とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、流動
性に優れ、かつ、熱滞留時の熱安定性に優れ、結晶化速
度の速いポリイミド系樹脂組成物を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、式(1)で表わさ
れる繰り返し単位を有するポリイミド樹脂とポリフェニ
レンスルフィド樹脂を含有し、かつ特定のメルトフロー
インデックスの値を有することにより、押し出し又は射
出成形といった成形加工が可能であることを見出し本発
明に至った。すなわち、本発明は、(1)式(1)〔化
6〕で表わされる繰り返し単位を有するポリイミド樹脂
とポリフェニレンスルフィド樹脂を含み、かつ、400
℃、荷重2.16kgでのメルトフローインデックスの
30分後と6分後の比の値〔(30分後の値/6分後の
値)〕が0.30以上であることを特徴とするポリイミ
ド系樹脂組成物、
【0006】
【化6】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
ボニル基、チオ基、スルホニル基および/またはオキシ
ド基を表わし、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 はそれぞれ
水素、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の
低級アルコキシ基、塩素および/または臭素の基を表わ
し、またR1 は炭素数が2〜27であり、脂肪族基、単
環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基お
よび/または芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結
された非縮合多環式芳香族基である4価の基を表わ
す。) (2)前記の一般式(1)で表される繰り返し構造単位
を有するポリイミド樹脂が該ポリイミドをを製造する際
に一般式(2)〔化7〕
【0007】
【化7】 及び/または一般式(3)〔化8〕
【0008】
【化8】V−NH2 (3) (式中Z及びVはそれぞれ炭素数6〜15であり、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基および/または芳香族
基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多
環式芳香族である2価および1価の基を表す。)で表さ
れる芳香族ジカルボン酸無水物および/または芳香族モ
ノアミンを共存化に反応させて得られるポリマーの分子
末端を封止したポリイミド樹脂であるか、該分子末端を
封止したポリイミド樹脂を含むものである上記の(1)
記載のポリイミド系樹脂組成物、 (3)ポリフェニレンスルフィド樹脂が式(4)〔化
9〕で表されることを特徴とする上記の(1)記載のポ
リイミド系樹脂組成物、
【0009】
【化9】 である。本発明に用いられるポリイミド系樹脂組成物に
おける式(1)で表わされる繰り返し単位を基本骨格と
して有するポリイミド樹脂の原料として用いるジアミン
成分は、式(5)〔化10〕
【0010】
【化10】 (式中、Xは前記に同じ)に示すエーテルジアミンと式
(6)〔化11〕
【0011】
【化11】 (式中、R1 は前記に同じ)に示す1種以上のテトラカ
ルボン酸二無水物とを有機溶媒の存在下または不存在下
において反応させ、得られたポリアミド酸を化学的にま
たは熱的にイミド化して製造することができる。反応温
度は通常250℃以下であり、反応圧力は特に限定され
ず、常圧で充分実施できる。また反応時間は使用するテ
トラカルボン酸二無水物、溶剤の種類、反応温度により
異なり、通常中間生成物であるポリアミド酸の生成が完
了するのに充分な時間反応させる。反応時間は24時
間、場合によっては1時間以内で充分である。
【0012】このような反応により式(1)の繰り返し
単位に対応するポリアミド酸が得られ、ついでこのポリ
アミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、または
通常用いられるイミド化剤を用いて化学イミド化するこ
とにより式(1)の繰り返し構造単位を有するポリイミ
ドが得られる。また、ポリアミド酸の生成と熱イミド化
反応を同時に行ってポリイミドを得ることもできる。
【0013】この方法で使用される式(5)のエーテル
ジアミンとしては、式(5)中のXが脂肪属基であるも
のとして、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3
−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、式中のXが
直接結合のものとして、4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフ
ェニル、
【0014】式中のXが−CO−基のものとして、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}
フェニル〕ケトン、式中のXが−S−基のものとして、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メト
キシフェニル〕スルフィド、〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)3,
5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕
スルフィド、式中のXが−SO2 −基のものとして、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホン、式中のXが−O−基のもの
として、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エーテル、式中のXがその他のものとして、
1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキ
シ〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェノキシ〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベン
ゼン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ノキシ}フェニル〕スルホンなどが挙げられ、これらは
単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0015】また、上記熱可塑性ポリイミド樹脂の溶融
流動性を損なわない範囲で他のジアミンを混合して用い
ることもできる。混合して用いることのできるジアミン
としてはm−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジ
ルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、これらのジア
ミンは通常30重量%以下、好ましくは5重量%以下混
合して用いられる。
【0016】また、式(1)で表されるポリイミドを製
造するのに用いられる一方の原料であるテトラカルボン
酸二無水物の具体例としては、式(6)において式中の
1が、次の(a)〜(e)からなる群より選ばれた少
なくとも1種のものと定義される。 (a)炭素数2〜9の脂肪族基 (b)炭素数4〜9の環式脂肪族基 (c)次式〔化12〕であらわされる単環式芳香族基
【0017】
【化12】 (d)次式〔化13〕であらわされる縮合多環式芳香族
【0018】
【化13】 (e)次式〔化14〕であらわされる芳香族基が直接ま
たは架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族
【0019】
【化14】 具体的には式中のR1 が脂肪族基であるエチレンテトラ
カルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、式中のR1 が環式脂肪族基であるものとしてはシク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、式中のR1 が単
環式脂肪族基であるものとしてはピロメリット酸二無水
物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、式中のR1 が次式〔化15〕で表され、
【0020】
【化15】 同式中のX1 が−CO−基である3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
同式中のX1 が直接結合である3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、同式中の
1 が脂肪族基である2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、同式中のX1 が−O−基であるビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
【0021】同式中のX1 が−SO2 −基であるビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
また、式(6)中のR1 が縮合多環式芳香族基である
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラ
カルボン酸二無水物、同式中のR1 がその他のものとし
て、ビス(3,4ジカルボキシ)(p−フェニレンジオ
キシ)二無水物などであり、これらテトラカルボン酸二
無水物は単独または2種以上混合して用いられる。ま
た、本発明に用いられる式(1)で表されるポリイミド
樹脂は、このポリイミドを製造する際に一般式(2)
〔化16〕
【0022】
【化16】 及び/または一般式(3)〔化17〕
【0023】
【化17】V−NH2 (3) (式中Z及びVはそれぞれ炭素数6〜15であり、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基および/または芳香族
基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多
環式芳香族である2価および1価の基を表す。)で表さ
れる芳香族ジカルボン酸無水物および/または芳香族モ
ノアミンを共存化に反応させて得られるポリマーの分子
末端を封止したポリイミド樹脂を含む。
【0024】一般式(2)で表される芳香族ジカルボン
酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、 2,3−ベン
ゾフェノンジカルボン酸無水物、 3,4−ベンゾフェノン
ジカルボン酸無水物、 2,3−ジカルボキシフェニルフェ
ニルエーテル無水物、 3,4−ジカルボキシフェニルフェ
ニルエーテル無水物、 2,3−ビフェニルジカルボン酸無
水物、 3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、 2,3−ジ
カルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、 3,4−ジ
カルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジ
カルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、 3,4−
ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、 1,2
−ナフタレンジカルボン酸無水物、 2,3−ナフタレンジ
カルボン酸無水物、 1,8−ナフタレンジカルボン酸無水
物、 1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、 2,3−ア
ントラセンジカルボン酸無水物、1,9 −アントラセンジ
カルボン酸無水物等のジカルボン酸無水物である。これ
らは単独、もしくはに2種以上混合して用いても何等差
し支えない。これらのジカルボン酸無水物の中で無水フ
タル酸が、得られるポリイミドの性能面及び実用面から
最も好ましい。ジカルボン酸無水物を用いる場合、その
量は、前記の一般式(5)であらわされるジアミン1モ
ルあたり、0.001〜1.0モル比である。0.00
1モル比未満では、高温成形時に粘度の上昇がみられ成
形加工性の低下の原因となる。また、1.0モルを超え
ると機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.01
〜0.5モルの割合である。
【0025】また、一般式(3)で示される芳香族モノ
アミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、
m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジ
ン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5
−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリ
ン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブ
ロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリ
ン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−ア
ミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフ
ェノール、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニ
シジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フ
ェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノ
ベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−
アミノベンズニトリル、m−アミノベンズニトリル、p
−アミノベンズニトリル、2−アミノビフェニル、3−
アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノ
フェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニ
ルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2
−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、
4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニ
ルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィ
ド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミ
ノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェ
ニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、
α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ
−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−
アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトー
ル、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナ
フトール、8−アミノ−2−ナフトール、1 アミノア
ントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアン
トラセン等が挙げられる。これら芳香族モノアミンは、
アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基
で置換されていても差し支えないし、単独もしくは2種
以上混合して用いても何等差し支えない。
【0026】芳香族モノアミンを用いる場合、その量は
前記の一般式(6)であらわされるテトラカルボン酸二
無水物1モル当たり0.001〜1.0モル比である。
0.001モル未満では、高温成形時に粘度の上昇がみ
られ成形加工性の低下の原因となる。また、1.0モル
を超えると機械的特性が低下する。好ましい使用量は
0.01〜0.5モルの割合である。式(1)であらわ
される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の対数粘度
は通常0.35〜1.0dl/g、好ましくは0.40
〜0.95dl/gの範囲のものである。この対数粘度
が上記の範囲を超えて0.35以下であると機械物性、
耐久性が不十分となり、また1.0以上であると成形性
悪化し射出成形困難となる。この対数粘度はパラクロロ
フェノール/フェノール(90/10重量比)の混合溶
媒中、濃度0.5g/100mlの溶媒で加熱溶解した
後、35℃に冷却して測定される。
【0027】本発明に用いられる組成物において、ポリ
イミド樹脂とポリフェニレンスルフィド樹脂を含有する
組成物の400℃、荷重2.16kgでのメルトフロー
インデックスの30分後と6分後の比の値〔(30分後
の値/6分後の値)〕は0.30以上である。0.30
を下回ると熱履歴による粘性増加が著しく、射出成形が
困難になる。ポリフェニレンスルフィド樹脂はリニアタ
イプの構造のものが好ましく、従来の架橋タイプを用い
たのでは、本発明に用いられるポリイミドの熱履歴によ
る増粘を著しく促進し、あまり好ましくない。但し、リ
ニアタイプのポリフェニレンスルフィドに差し支えない
範囲内、すなわち、上記のメルトフローインデックスノ
値を満足させる範囲で添加してもよい。即ち、組成物の
400℃、荷物2.16kgでのメルトフローインデッ
クスの30分後と6分後の比の値〔(30分後の値/6
分後の値)〕が0.30以上であれば射出成形可能であ
り問題ない。
【0028】ここでいうリニアタイプとは、東レ−フィ
リップスによる原料と約等モルのCH3COOLi、L
iCl2、CH3COONa、(CH3COO)2Ca等の
重合助剤を用いて得られたポリフェニレンスルフィド、
呉羽化学による反応途中での水添加を高耐圧の製造装置
により行ない、得られたポリフェニレンスルフィド更に
はトープレン社により製造されたポリフェニレンスルフ
ィド等が有る。
【0029】本発明物は、リニアタイプのポリフェニレ
ンスルフィド樹脂を添加する事により、ポリイミドの結
晶化速度を著しく上昇することができる。即ち、リニア
タイプのポリフェニレンスルフィド樹脂を添加する事に
よりポリイミドのモビリティが上昇することがその一因
と考えられる。従って、架橋タイプを添加しても同様の
効果は認められない。又、本発明物の成形品は、250
℃〜370℃で熱処理し、ポリイミドを結晶化させるこ
とにより耐熱性を上昇させることができる。さらに、本
組成物は、価格の面でも、ポリイミドに比べてかなり有
利なものである。
【0030】本樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス
繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊
維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アスベスト、ロック
ウール、炭素繊維等の繊維、炭酸カルシウム、マイカ、
ガラスビーズ、グラファイト、二硫化モリブデン、クレ
ー、シリカ、アルミナ、タルク、ケイソウ土、水和アル
ミナ、シラスバルーン等の充填剤、可塑剤、滑剤、離型
剤、安定剤、着色剤、結晶核剤の他、他の非晶性樹脂
(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリカーボネートなど)、他の結晶
性樹脂(例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンケ
トン、ナイロン、ポリアミドイミド、ポリエーテルニト
リルなど)、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミ
ダゾール樹脂等)を併用してもよい。
【0031】
【実施例】
【比較例】以下、本発明を実施例および比較例を詳細に
説明する。 実施例1 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料、かつ無水フタル酸を分
子末端封止剤として用いて得られた対数粘度0.50d
l/gのポリイミド99重量部とポリフェニレンスルフ
ィド樹脂 トープレンLN−2(トープレン社製)1重
量部をミキサーを用いてドライブレンドし、その後二軸
押出機を用いて370〜400℃で押出して造粒し、得
られたペレットを射出成形機(シリンダー温度370〜
410℃)に供給し、各試験法に定められた試験片を成
形した。なお、引張試験はASTM D−638に準じ
て行った。結果を表1に示す。また、メルトフローイン
デックスについては、400℃/2.16kgの条件に
て、6分経過後及び30分経過後の値を測定した。
【0032】また、結晶化時間についてはDSC(示差
走査熱量計)を用いて測定した。即ち、、上記にて得ら
れた射出成形品の内層部を10mgをサンプリングし、
室温から290℃まで100℃/minにて急昇温後、
290℃にてホールドし、ホールド開始時から結晶化の
発熱ピークの頂点までの時間を求めた。最後に、熱処理
後の引張弾性率であるが、熱処理は290℃×1時間に
て行った。引っ張り試験方法は、ASTM D−638
に準じて行った。
【0033】実施例2〜5 表1の実施例2〜4に示す組成物及び組成比を用いる以
外は、実施例1と同様な方法によって行った。結果を表
1に示す。
【0034】比較例1、2 表1の実施例2〜4に示す組成物及び組成比を用いる以
外は、実施例1と同様な方法によって行った。結果を表
1に示す。
【0035】比較例3 ポリフェニレンスルフィドとして架橋タイプであるライ
トン−P4(フィリップス社製)を用い、表1の組成比
にて行う以外は、実施例1と同様な方法によって行っ
た。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
は、流動性に優れ、かつ、熱滞留時の熱安定性に優れ、
結晶化速度の速いポリイミド系樹脂組成物であり、種々
の構造部材、摺動部材等広く使用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 利之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 古川 博之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 滝沢 信宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〔化1〕で表わされる繰り返し
    単位を有するポリイミド樹脂とポリフェニレンスルフィ
    ド樹脂を含み、かつ、400℃、荷重2.16kgでの
    メルトフローインデックスの30分後と6分後の比の値
    〔(30分後の値/6分後の値)〕が0.30以上であ
    ることを特徴とするポリイミド系樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
    化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
    ボニル基、チオ基、スルホニル基および/またはオキシ
    ド基から成る群より選ばれた少なくとも一種の基を表わ
    し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 はそれぞれ水素、炭素
    数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコ
    キシ基、塩素および/または臭素基を表わし、またR1
    は炭素数が2〜27であり、脂肪族基、単環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基および/また
    は芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基である4価の基を表わす。)
  2. 【請求項2】前記の一般式(1)で表される繰り返し構
    造単位を有するポリイミド樹脂が該ポリイミド樹脂を製
    造する際に一般式(2)〔化2〕 【化2】 及び/または一般式(3)〔化3〕 【化3】V−NH2 (3) (式中Z及びVはそれぞれ炭素数6〜15であり、単環
    式芳香族基、縮合多環式芳香族基および/または芳香族
    基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多
    環式芳香族であるか2価および1価の基を表す。)で表
    される芳香族ジカルボン酸無水物および/または芳香族
    モノアミンを共存化に反応させて得られるポリマーの分
    子末端を封止したポリイミド樹脂であるか、該分子末端
    を封止したポリイミド樹脂を含むものである請求項1記
    載のポリイミド系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリフェニレンスルフィド樹脂が式(4)
    〔化4〕で表されることを特徴とする請求項1記載のポ
    リイミド系樹脂組成物。 【化4】
JP11245594A 1994-05-26 1994-05-26 ポリイミド系樹脂組成物 Pending JPH07316426A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998003590A1 (fr) * 1996-07-22 1998-01-29 Toray Industries, Inc. Composition de resine de polysulfure de phenylene

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WO1998003590A1 (fr) * 1996-07-22 1998-01-29 Toray Industries, Inc. Composition de resine de polysulfure de phenylene

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