JP3197372B2 - ポリイミド系樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド系樹脂組成物

Info

Publication number
JP3197372B2
JP3197372B2 JP32543792A JP32543792A JP3197372B2 JP 3197372 B2 JP3197372 B2 JP 3197372B2 JP 32543792 A JP32543792 A JP 32543792A JP 32543792 A JP32543792 A JP 32543792A JP 3197372 B2 JP3197372 B2 JP 3197372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
bis
aminophenoxy
polyimide resin
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32543792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06172646A (ja
Inventor
淳 森田
友人 木場
敏彦 堤
嘉康 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP32543792A priority Critical patent/JP3197372B2/ja
Publication of JPH06172646A publication Critical patent/JPH06172646A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3197372B2 publication Critical patent/JP3197372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた機械特性を有し、
及び結晶化速度の大きいポリイミド系樹脂組成物であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリイミドは耐熱性が極めて
優れている上に、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃
性、電気絶縁性等をあわせ持つために、電気・電子機
器、宇宙航空用機器、輸送機器などの分野で使用されて
おり、今後も耐熱性が要求される分野への用途拡大が期
待され、既に、優れた特性を示すポリイミドが開発され
ている。しかし、従来開発されたポリイミドには優れた
特性を示すものが多いが、優れた耐熱性を有するけれど
も加工性にとぼしいとか、また加工性向上を目的として
開発された樹脂は耐熱性、耐溶剤性に劣るなど性能に一
長一短があった。例えば、J.Polym.Sci.M
acromol,Rev.,11,161(1976)
またはJ.Elast.Plast.,7,285(1
975)に記載されている式(2)〔化3〕
【0003】
【化3】 で表わされる基本骨格からなるポリイミド(デユポン社
製:商品名Kapton,Vespel)は明瞭なガラ
ス転移温度を有せず、耐熱性に優れたポリイミドである
が、成形材料として用いる場合に加工が困難で、焼結成
形などの手法を用いて加工しなければならない。また、
電気・電子部品の材料として用いる際には寸法安定性、
絶縁性、はんだ耐熱性に悪影響をおよぼす吸水率が高い
という欠点を有している。また、式(3)〔化4〕
【0004】
【化4】 で表わされる様な基本骨格を有するポリエーテルイミド
(ゼネラルエレクトリック社製:商品名ULTEM)は
加工性の優れた樹脂であるが、ガラス転移温度が217
℃と低く、またメチレンクロリドなどのハロゲン化炭化
水素に可溶で、耐熱性、耐溶剤性の面からは満足のゆく
樹脂ではない。
【0005】これらの欠点を解決すべく、本出願人は特
開昭62−236858号公報および特開昭62−25
3655号公報等に、本発明の構成要素のひとつである
式(1)〔化5〕
【0006】
【化5】 で表わされる繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を開
発した。
【0007】本ポリイミド樹脂は、熱的性質、電気的性
質などに優れた性能を有しているため広範囲の分野で利
用されているが、結晶化速度が遅く、例えば射出成形
(金型温度)によって得られる成形品は通常非晶品であ
る。よって、結晶化品として、用いる場合には、熱処理
が必要である。その方法としては、長時間及び高温の条
件(特開平01−110538)、例えば、270℃下
では、12時間以上の長時間の熱処理を必要とする。さ
らに、その熱処理の際、ポリイミド樹脂成形品は変形が
起き、寸法変化が著しい。また、短時間では、高温下の
熱処理が必要であり、樹脂の劣化を助長することにな
る。さらに本発明者らは、上記ポリイミド樹脂にサーモ
トロピック液晶ポリマーを配合することが有効であるこ
とを見出し、特許出願した(特開平04−175373
号公報)。この樹脂組成物は、耐熱性、強靱性、加工性
などに優れているため、従来、金属またはセラミックス
の領域と考えられていた分野への用途開発が進められて
いる。しかし、この樹脂組成物では、機械特性及び結晶
化速度については、まだ十分満足のゆくものではなく、
機械特性及び結晶化速度の改良が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミド樹脂の性質を改良し、機械特性に優れ及び結晶化
速度の大きいポリイミド樹脂組成物を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、ポリイミド樹脂
に、パラヒドロキシ安息香酸及び/またはパラヒドロキ
シ安息香酸のエステル化合物を配合することにより、ポ
リイミド樹脂の結晶化速度が著しく向上し、機械特性も
大きく改良できることを見出し、本発明を完成した。す
なわち、本発明は、式(1)〔化6〕で表わされる繰り
返し単位を有するポリイミド樹脂及び/又はそのポリマ
ー分子の末端が本質的に置換基を有しないかあるいはア
ミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で
置換された芳香族環であるポリイミド樹脂80〜99.
5重量部に対して、式(6)〔化7〕パラヒドロキシ安
息香酸及び/またはパラヒドロキシ安息香酸のエステル
化合物0〜0.5重量部を含有してなることを特徴と
するポリイミド系樹脂組成物である。
【0010】
【化6】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
ボニル基、チオ基、スルホニル基、エーテル基から成る
群より選ばれた基を表わし、Y1 、Y2 、Y3 およびY
4 はそれぞれ水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を表わ
し、またR1 は炭素数4〜9の脂肪族基、炭素数4〜1
0の単環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香
族基、芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結された
非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた4価の基
を表わす。)
【0011】
【化7】 (式中、X2はCn2n+1(nは0〜10整数)で表わさ
れる水素基またはアルキル基を意味する。
【0012】式(1)で表わされる繰り返し構造単位を
有するポリイミド樹脂について、より詳しくは式中のR
1 が、次の(a)〜(e)からなる群より選ばれた少な
くとも1種であるポリイミド樹脂である。 (a) 炭素数4〜9の脂肪族基 (b) 炭素数4〜10の環式脂肪族基 (c) 次式〔化8〕で表される単環式芳香族基
【0013】
【化8】 (d) 次式〔化9〕で表される縮合多環式芳香族基
【0014】
【化9】 (e)次式〔化10〕で表わされる芳香族基が直接又は
架橋員より相互に連結された非縮合多環式芳香族基
【0015】
【化10】 である。本発明に用いられるポリイミド系樹脂組成物に
おける式(1)で表わされる繰り返し単位を基本骨格と
して有するポリイミド樹脂の原料として用いるジアミン
成分は、式(4)〔化11〕
【0016】
【化11】 (式中、Xは前記に同じ)に示すエーテルジアミンと式
(5)〔化12〕
【0017】
【化12】 (式中、R1 は前記に同じ)に示す1種以上のテトラカ
ルボン酸二無水物とを有機溶媒の存在下または不存在下
において反応させ、得られたポリアミド酸を化学的にま
たは熱的にイミド化して製造することができる。反応温
度は通常250℃以下であり、反応圧力は特に限定され
ず、常圧で充分実施できる。また反応時間は使用するテ
トラカルボン酸二無水物、溶剤の種類、反応温度により
異なり、通常中間生成物であるポリアミド酸の生成が完
了するのに充分な時間反応させる。反応時間は24時
間、場合によっては1時間以内で充分である。
【0018】このような反応により式(1)の繰り返し
単位に対応するポリアミド酸が得られ、ついでこのポリ
アミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、または
通常用いられるイミド化剤を用いて化学イミド化するこ
とにより式(1)の繰り返し構造単位を有するポリイミ
ドが得られる。また、ポリアミド酸の生成と熱イミド化
反応を同時に行ってポリイミドを得ることもできる。
【0019】この方法て使用される式(4)のエーテル
ジアミンとしては、式(4)中のXが脂肪属基であるも
のとして、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3
−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、式中のXが
直接結合のものとして、4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフ
ェニル、式中のXが−CO−基のものとして、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス
〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フ
ェニル〕ケトン、式中のXが−S−基のものとして、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキ
シフェニル〕スルフィド、〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)3,5
−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕ス
ルフィド、式中のXが−SO2 −基のものとして、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキ
シ}フェニル〕スルホン、式中のXが−O−基のものと
して、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、式中のXがその他のものとして、1,4
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ベ
ンゼン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェノキシ〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼ
ン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホンなどが挙げられ、これらは単
独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0020】また、上記熱可塑性ポリイミド樹脂の溶融
流動性を損なわない範囲で他のジアミンを混合して用い
ることもできる。混合して用いることのできるジアミン
としてはm−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジ
ルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、これらのジア
ミンは通常30重量%以下、好ましくは5重量%以下混
合して用いられる。
【0021】また、式(1)で表されるポリイミドを製
造するのに用いられる一方の原料であるテトラカルボン
酸二無水物の具体例としては、式(5)において、式中
のR1 が脂肪族基であるエチレンテトラカルボン酸二無
水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、式中のR1
環式脂肪族基であるものとしてはシクロペンタンテトラ
カルボン酸二無水物、式中のR1 が単環式芳香族基であ
るものとしてはピロメリット酸二無水物、1,2,3,
4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、式中のR1
次式〔化13〕で表され、
【0022】
【化13】 同式中のX1 が−CO−基である3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
同式中のX1 が直接結合である3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、同式中の
1 が脂肪族基である2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、同式中のX1 が−O−基であるビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、同式中のX
1 が−SO2 −基であるビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、また、式(5)中のR1
縮合多環式芳香族基である2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ア
ントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8
−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、同式中の
1 がその他のものとして、ビス(3,4ジカルボキ
シ)(p−フェニレンジオキシ)二無水物などであり、
これらテトラカルボン酸二無水物は単独または2種以上
混合して用いられる。
【0023】また、本発明に用いられる式(1)で表さ
れ、この分子末端に置換基有しないか、あるいはアミン
またはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換
された芳香族環を有するポリイミドは、式(4)の芳香
族アミンと、主として前記一般式(5)で表されるテト
ラカルボン酸二無水物を、式(7)〔化14〕で表わさ
れる芳香族ジカルボン酸無水物及び/または式(8)で
表わされる芳香族モノアミンの存在下に反応させ、得ら
れるポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化するこ
とにより得られる。
【0024】
【化14】 2ーNH2 (8) (式中、Z1およびZ2はそれぞれ炭素数が6〜15であ
り、脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基および芳香族基が直接または架橋員により
相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より
選ばれた1価の基を示す)。
【0025】ここで、式(7)、式(8)中のZ1およ
びZ2は前記式(1)で表されるポリイミド式中のR1
同じ定義の物が含まれ、具体的にはこれらの方法で使用
されるジカルボン酸無水物として、無水フタル酸、2,
3ーベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4ーベン
ゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3ージカルボキシ
フェニルフェニルエーテル無水物、3,4ージカルボキ
シフェニルフェニルエーテル無水物、2,3ービフェニ
ルジカルボン酸無水物、3,4ービフェニルジカルボン
酸無水物、2,3―ジカルボキシフエニルフェニルスル
ホン無水物、3,4―ジカルボキシフエニルフェニルス
ルホン無水物、2,3ージカルボキシフエニルフェニル
スルフィド無水物、3,4ージカルボキシフエニルフェ
ニルスルフィド無水物、1,2ーナフタレンジカルボン
酸無水物、2,3ーナフタレンジカルボン酸無水物、
1,8ーナフタレンジカルボン酸無水物、1,2ーアン
トラセンジカルボン酸無水物、2,3ーアントラセンジ
カルボン酸無水物、1,9ーアントラセンジカルボン酸
無水物等が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物は
アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基
で置換されても差し支えない。
【0026】これらのジカルボン酸無水物の中で、無水
フタル酸が得られるポリイミドの性質面及び実用面から
最も好ましい。すなわち、高温成形時における成形安定
性の優れたポリイミドであり、優れた耐薬品性を有して
おり、前記の優れた加工性を考え合わせると、例えば、
構造材料、宇宙航空機用基材、電気・電子部品あるいは
接着剤として、極めて有用なポリイミドである。
【0027】また、無水フタル酸を使用する場合、ポリ
イミドの良好な物性を損なわない範囲でその一部を他の
ジカルボン酸無水物で代替して用いることはなんら差し
支えない。
【0028】用いられるジカルボン酸無水物の量は、式
(3)で表される芳香族ジアミン1モル当たり0.00
1〜1.0モル比である。0.001モル未満では高温
成形時に粘度の上昇がみられ、成形加工性低下の原因と
なる。また、1.0モルを越えると機械的特性が低下す
る。好ましい使用量は0.01〜0.5モルである。ま
た、芳香族モノアミンを使用する場合、芳香族モノアミ
ンとしては、例えば、アニリン、oートルイジン、mー
トルイジン、pートルイジン、2,3ーキシリジン、
2,6ーキシリジン、3,4ーキシリジン、3,5ーキ
シリジン、oークロロアニリン、mークロロアニリン、
pークロロアニリン、oーブロモアニリン、mーブロモ
アニリン、pーブロモアニリン、oーニトロアニリン、
mーニトロアニリン、pーニトロアニリン、oーアミノ
フェノール、mアミノフェノール、pーアミノフェノー
ル、oーアニシジン、mーアニシジン、pーアニシジ
ン、oーフェネジン、mーフェネジン、pーフェネジ
ン、oーアミノベンツアルデヒド、mーアミノベンツア
ルデヒド、pーアミノベンツアルデヒド、oーアミノベ
ンゾニトリル、mーアミノベンゾニトリル、pーアミノ
ベンゾニトリル、2ーアミノビフェニル、3ーアミノビ
フェニル、4ーアミノビフェニル、2ーアミノフェニル
フェニルエーテル、3ーアミノフェニルフェニルエーテ
ル、4ーアミノフェニルフェニルエーテル、2ーアミノ
ベンゾフェノン、3ーアミノベンゾフェノン、4ーアミ
ノベンゾフェノン、2ーアミノフェニルフェニルスルフ
ィド、3ーアミノフェニルフェニルスルフィド、4ーア
ミノフェニルフェニルスルフィド、3ーアミノフェニル
フェニルスルホン3ーアミノフェニルフェニルスルホ
ン、4ーアミノフェニルフェニルスルホン、αーナフチ
ルアミン、βーナフチルアミン、1―アミノー2ーナフ
トール、2―アミノー1ーナフトール、4―アミノー1
ーナフトール、5―アミノー1ーナフトール、5―アミ
ノー2ーナフトール、7―アミノー2ーナフトール、8
―アミノー1ーナフトール、8―アミノー2ーナフトー
ル、1ーアミノアントラセン、2ーアミノアントラセ
ン、9ーアミノアントラセン等が挙げられる。これらの
芳香族モノアミンは、アミンまたはジカルボン酸無水物
と反応性を有しない基で置換されても差し支えない。
【0029】式(1)で表わされる繰り返し単位を有す
るポリイミド樹脂の対数粘度は通常0.35〜075d
l/g、好ましくは0.40〜0.60dl/gの範囲
のものである。この対数粘度が上記の範囲を越えて0.
35以下であると機械物性、耐久性が不十分となり、ま
た0.75以上であると成形性悪化し射出成形困難とな
る。この対数粘度はパラクロロフェノール/フエノール
(90/10重量比)の混合溶媒中、濃度0.5g/1
00mlの溶媒で加熱溶解した後、35℃に冷却して測
定される。
【0030】本発明のポリイミド系樹脂組成物に用いる
パラヒドロキシ安息香酸及び/またはパラヒドロキシ安
息香酸のエステルは式(6)〔化15〕で表される構造
を有するのが特に好ましい。
【0031】
【化15】 (式中、X2はCn2n+1(nは0〜10整数)で表わさ
れる水素基またはアルキル基を意味する。)本発明のポ
リイミド系樹脂組成物おいて、パラヒドロキシ安息香酸
及び/又はパラヒドロキシ安息香酸のエステル化合物の
配合量は、ポリイミド樹脂80〜99.5重量部に対し
パラヒドロキシ安息香酸及び/またはパラヒドロキシ安
息香酸のエステル化合物20〜0.5重量部である。パ
ラヒドロキシ安息香酸及び/またはパラヒドロキシ安息
香酸のエステル化合物の配合量が20重量%を越えると
機械物性が低下し、ポリイミド樹脂の優れた機械物性を
損なうことになる。また、パラヒドロキシ安息香酸及び
/またはパラヒドロキシ安息香酸のエステル化合物の配
合量が0.5重量%未満では、結晶化促進作用が低下、
及び機械物性が改良されない。
【0032】本樹脂組成物の成形品中では、添加したパ
ラヒドロキシ安息香酸及び/またはパラヒドロキシ安息
香酸のエステル化合物が溶融押出時に重合して、ミクロ
フィブリル状(数十nm)が形成され、ポリイミド樹脂
の機械特性が著しく改良されている。また、パラヒドロ
キシ安息香酸モノマーユニットは、本発明に用いる特定
のポリイミド樹脂に対して、結晶化促進作用がある。特
に、原料として、パラヒドロキシ安息香酸ユニットポリ
マーをもちいるよりも、パラヒドロキシ安息香酸及び/
またはパラヒドロキシ安息香酸のエステルを用いたほう
が、結晶化促進効果が大きく、機械強度の点でも改良効
果が著しい。
【0033】さらに、パラヒドロキシ安息香酸及び/ま
たはパラヒドロキシ安息香酸のエステルは、そのOH基
が酢酸とエステル化されているものを用いたほうが、成
形品中のフィブリルが細かく分散しやすく、強度もさら
に上昇する。つまり、パラヒドロキシ安息香酸メチル、
パラヒドロキシ安息香酸エチルを含むパラヒドロキシ安
息香酸の酸とのエステル化合物であることが好ましい。
特に、本発明にて用いるポリイミドは高温での押出し・
成形が必須であるので(360℃以上420℃未満)、
用いるパラヒドロキシ安息香酸ユニットはできるかぎり
熱安定性の優れたものを使用したほうが好ましい。ま
た、用いるパラヒドロキシ安息香酸ユニットの熱安定性
を考慮して押し出し・成形温度を選定しなければならな
い。選定が適切でなければ、同様な組成ものでも機械特
性改良・結晶化促進効果は低減する。
【0034】尚、本発明に用いられるポリイミド樹脂組
成物には、必要に応じガラス繊維、光学繊維、セラミッ
ク繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、アスベスト、ロックウール等の繊
維状強化材、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズ、
グラファイト、二硫化モリブデン、クレー、シリカ、ア
ルミナ、タルク、ケイソウ土、水和アルミナ、シラスバ
ルーン等の充填剤、滑剤、離型剤、安定剤、着色剤、結
晶核剤の他、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサ
ルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケ
トン等)、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等)を併用してもよ
い。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
細に説明する。なお、実施例および比較例で用いたモノ
マー試薬、パラヒドロキシ安息香酸ユニットポリマー及
び液晶ポリマーは次の通りである。 (1)パラヒドロキシ安息香酸 関東科学社製 (2)パラヒドロキシ安息香酸メチル 関東科学社製 (3)パラヒドロキシ安息香酸エチル 東京化成社製 (4)液晶ポリマー日石化学社製 ザイダーSRT50
0 (5)全芳族系ポリエステル 住友化学社製 エコノ
ールE101
【0036】実施例1〜7,比較例1〜5 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料として得られた対数粘度
0.52dl/gのポリイミドと各種原材料を第1表に
示すような割合で乾式混合した後、二軸押出機を用いて
0〜40℃で押出して造粒し、得られたペレット
を射出成形機(シリンダー温度360〜410℃、射出
圧力900kg/cm2 、金型温度180℃)に供給
し、後述する各試験法に定められた試験片を成形した。
なお、各試験方法は次の通りである。 1)引張強度 ASTM−638に準じて行なった。 2)曲げ弾性率 ASTM−790に準じて行なった。 3)DSC測定 示差走査熱量計を用い、等温結晶化測定を行なった。即
ち、ペレットを400℃まで昇温、5分間その温度にて
保持した後、300℃まで急冷し(その時のtを0秒と
する)、300℃にて保持し、結晶化完了時の全発熱量
に対して、半分の発熱量のときの時間を読み取る。この
時間tは小さいほど結晶化速度は速いといえる。
【0037】実施例8,比較例6 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料とし、その分子末端を無
水フタル酸で封止して得られた対数粘度0.52dl/
gのポリイミドと各種原材料を第2表に示すような割合
で乾式混合した後、二軸押出機を用いて375385
℃で押出して造粒し、得られたペレットを射出成形機
(シリンダー温度360〜410℃、射出圧力900k
g/cm2、金型温度180℃)に供給し、後述する各
試験法に定められた試験片を成形した。なお、各試験方
法は実施例1と同様に行った。
【0038】実施例9,比較例7 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料とし、その分子末端をア
ニリン酸で封止して得られた対数粘度0.52dl/g
のポリイミドと各種原材料を第2表に示すような割合で
乾式混合した後、二軸押出機を用いて375385
で押出して造粒し、得られたペレットを射出成形機(シ
リンダー温度360〜410℃、射出圧力900kg/
cm2 、金型温度180℃)に供給し、後述する各試験
法に定められた試験片を成形した。なお、各試験方法は
実施例1と同様に行った。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、この発
明のポリイミド系樹脂組成物は、ポリイミド樹脂の特性
を損なうことなく、優れた機械特性・速い結晶化速度を
有する樹脂組成物を得ることを可能にした。本ポリイミ
ド系樹脂組成物は、機械特性、高温物性、摺動特性,耐
熱性,耐薬品性に非常に優れているため、歯車,カム,
プッシング,プーリー,プーリー,スリーブ,軸受け等
の機械部品や、コネクター,ボビン,ICソケット等の
電気・電子部品、またインペラ,マニホールド,バルブ
ガイド,バルブリフター,バルブシステム,ピストンス
カート,オイルパン,フロントカバー,ロッカーカバー
等の自動車部品、その他各種機器類の摺動部品に広く利
用することができるので、この発明の意義は極めて大き
いといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/08 C08K 5/09 C08K 5/10 C08K 5/13

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〔化1〕で表わされる繰り返し
    単位を有するポリイミド樹脂及び/又はそのポリマー分
    子の末端が本質的に置換基を有しないかあるいはアミン
    またはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換
    された芳香族環であるポリイミド樹脂80〜99.5重
    量部に対して、式(6)〔化2〕で表わされるパラヒド
    ロキシ安息香酸及び/またはパラヒドロキシ安息香酸の
    エステル化合物20〜0.5重量部を含有してなり、 360℃以上420℃未満で押出して造粒してな ること
    を特徴とする、 ポリイミド系樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
    化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
    ボニル基、チオ基、スルホニル基、エーテル基から成る
    群より選ばれた基を表わし、Y1 、Y2 、Y3 およびY
    4 はそれぞれ水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
    基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を表わ
    し、またR1 は炭素数4〜9の脂肪族基、炭素数4〜1
    0の単環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香
    族基、芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結された
    非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた4価の基
    を表わす。) 【化2】 (式中、X2はCn2n+1(nは0〜10整数)で表わさ
    れる水素基またはアルキル基を意味する。
JP32543792A 1992-12-04 1992-12-04 ポリイミド系樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3197372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32543792A JP3197372B2 (ja) 1992-12-04 1992-12-04 ポリイミド系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32543792A JP3197372B2 (ja) 1992-12-04 1992-12-04 ポリイミド系樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06172646A JPH06172646A (ja) 1994-06-21
JP3197372B2 true JP3197372B2 (ja) 2001-08-13

Family

ID=18176853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32543792A Expired - Fee Related JP3197372B2 (ja) 1992-12-04 1992-12-04 ポリイミド系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3197372B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06172646A (ja) 1994-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5580918A (en) Polyimide resin composition
JP2596565B2 (ja) 熱安定性の良好なポリイミドおよびその製造方法
JP2596566B2 (ja) 熱安定性の良好なポリイミドおよびその製造方法
KR0148049B1 (ko) 폴리이미드계수지조성물
JP3197372B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
KR0152131B1 (ko) 내피로성이 우수한 폴리이미드수지조성물 및 그 사출성형체
JP3403498B2 (ja) 摺動材用含油ポリイミド系樹脂組成物
US5494996A (en) Polyimide resin composition
JP3224161B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP2986644B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物
JP2535540B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP3676603B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物
JP2764392B2 (ja) 溶融成形用ポリイミドの製造方法
JP2779363B2 (ja) ポリイミドの製造方法
JP2981301B2 (ja) 摺動材用ポリイミド系樹脂組成物
JP3276410B2 (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JPH06271670A (ja) 熱安定性良好な無色透明ポリイミドおよびその製造方法
JP2923077B2 (ja) 炭素繊維強化ポリイミド系樹脂組成物
JP3493060B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP2931804B2 (ja) ポリイミドの製造方法
JPH07188552A (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP3088705B2 (ja) ポリイミド
JPH07316426A (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JPH08333454A (ja) 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形物
JPH037765A (ja) 芳香族ポリイミド樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees