JPH09162738A - 直並列型a/d変換器 - Google Patents

直並列型a/d変換器

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JPH09162738A
JPH09162738A JP31504295A JP31504295A JPH09162738A JP H09162738 A JPH09162738 A JP H09162738A JP 31504295 A JP31504295 A JP 31504295A JP 31504295 A JP31504295 A JP 31504295A JP H09162738 A JPH09162738 A JP H09162738A
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voltage
reference voltage
circuit
train
converter
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Application number
JP31504295A
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English (en)
Inventor
Yoichi Okamoto
陽一 岡本
Kenji Murata
健治 村田
Keiichi Kusumoto
馨一 楠本
Akira Matsuzawa
昭 松澤
Koji Oka
浩二 岡
Hiroyuki Konishi
博之 小西
Eiki Furuya
栄樹 古谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上位電圧比較器列と下位電圧比較器列との間
のオフセット電圧を減少させて、以て微分非直線性誤差
を低減する。 【解決手段】 上位参照電圧列3の各上位参照電圧間の
電圧差を保持しつつ各上位参照電圧を変更させる上位参
照電圧列変更回路4が、上位電圧比較器列1の所定の入
力端子に接続されている。上位電圧比較器列1及び下位
電圧比較器列16は、同一のアナログ入力信号5の電圧
値をサンプリングするときに、各電圧比較器2中のスイ
ッチのフィードスルーによる注入電荷のばらつきにより
オフセット電圧が発生する。上位参照電圧列変更回路4
は前記オフセット電圧量を減少させるように上位参照電
圧列3を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直並列型A/D変
換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの産業分野において信号処理
のディジタル化が進み、アナログ値をディジタル値に変
換するためのA/D変換器がディジタル信号処理のキー
デバイスとなっている。しかも、A/D変換器には高速
化、高精度化及び低電力化が要求されている。
【0003】A/D変換器のアーキテクチャには、並列
型、直並列型等がある。並列型A/D変換器は、変換速
度は高速であるが、変換精度に比例して回路規模が増大
するため、低電力化が困難であるという欠点を有してい
る。これに対し、直並列型A/D変換器は、変換速度は
ビデオ周波数帯域程度で並列型より遅いが、変換精度に
比して回路規模が小さく、消費電力を小さくできるとい
う特徴を有している。このため直並列型A/D変換器は
ビデオ帯域の信号処理に頻繁に応用されている。
【0004】図10に、従来の3ビット並列型A/D変
換器の構成を示す。2つの基準電圧10,11の間に基
準抵抗列55が接続されている。電圧比較列50に含ま
れているそれぞれの電圧比較器51の一方の入力端子は
基準抵抗列55に接続され、他方の入力端子はアナログ
入力信号5に接続され、出力端子は論理回路52に接続
されている。基準抵抗列55は各基準抵抗によって基準
電圧10,11間の電位差を等電位に分割しており、各
分割点は対応した電圧比較器51のそれぞれの入力端子
に接続されている。すなわち、各電圧値VRi(i=1、
2、3、…、7)はVRi−VRiー1が一定値となる。
【0005】次に、図11及び図12を用いて、図10
の並列型A/D変換器がアナログ電圧値をディジタル値
に変換する動作について述べる。図11の横軸は時間を
表し、縦軸はアナログ入力信号5の電圧値を表す。A/
D変換器はサンプリング時刻TSi(i=−1、0、1、
2、…、7)におけるアナログ入力信号5の電圧値ANi
をサンプリングする。サンプリング時刻TSiはTSi+1−
TSiが一定であるという条件を満たす。すなわち、時間
の経過と共に電圧値が変化するアナログ入力信号5をA
/D変換器は等しい時間間隔でサンプリングするわけで
ある。サンプリングされたアナログ入力信号電圧ANiは
それぞれの電圧比較器51によって参照電圧VRiと比較
される。例えば、VR5>ANi>VR4の条件を満たすアナ
ログ入力信号電圧の場合には、VR7、VR6、VR5に接続
された電圧比較器51は参照電圧よりもアナログ入力信
号電圧が小さいと判断し0レベル(論理振幅レベルのロ
ーレベル)を出力する。VR4、VR3、VR2、VR1に接続
された電圧比較器51は参照電圧よりもアナログ信号電
圧が高いと判断して1レベル(論理振幅レベルのハイレ
ベル)を出力する。このように参照電圧VR4とVR5の間
にANiがある場合には、VR4とVR5との間に接続されて
いる電圧比較器51の出力が1レベルから0レベルに変
化するビット列(0001111)が電圧比較器列50
から出力される。電圧比較器列50から出力されたビッ
ト列は論理回路52によってコード変換され、A/D変
換出力53として(100)が出力される(図12参
照)。このようにA/D変換器の出力値は参照電圧をし
きい値として変化する。以上が並列型A/D変換器の動
作である。
【0006】ところが、並列型A/D変換器では2N-1
(N:ビット数)個の電圧比較器51が必要であるた
め、この並列型A/D変換器を実現しようとすると、ト
ランジスタ数が多くなり、チップ面積及び消費電力が大
きくなってしまう。この問題を解決し、高速・高精度・
低電力のA/D変換器を達成するための代表的なアーキ
テクチャとして、直並列型A/D変換器がある。
【0007】直並列A/D変換器の説明に先立って、そ
の構成要素の1つである電圧比較器について説明する。
電圧比較器はA/D変換器の主な構成要素の1つである
が、特に高速度で動作可能な電圧比較器の例として、イ
ンバータチョッパ電圧比較器及び差動チョッパ電圧比較
器が知られている。これらの電圧比較器は、CMOSト
ランジスタの超LSIプロセス技術で実現されるモノシ
リックA/D変換器に頻繁に応用されている。ここで
は、インバータチョッパ電圧比較器を例に説明する。
【0008】以下、インバータチョッパ電圧比較器の構
成及びその動作について述べる。図13にインバータチ
ョッパ電圧比較器の基本構成を示す。SW1〜4はスイ
ッチであり、PMOS単体のトランスファーゲート、N
MOS単体のトランスファーゲート、CMOSのトラン
スファーゲートから選択して適用される。これらのトラ
ンスファーゲートでは、MOSトランジスタのゲートに
印加するクロック信号(以下スイッチ制御信号と呼ぶこ
とにする)によって、ドレインとソース間の導通状態と
非導通状態を制御している。
【0009】各インバータチョッパ電圧比較器59にお
いて、スイッチSW1の一方の端子はアナログ入力信号
5に接続され、他方の端子は容量C1に接続されてい
る。スイッチSW2の一方の端子は基準抵抗列55に接
続され、他方の端子は容量C1の端子とスイッチSW1
とに接続されている。SW1、2の接続されていない容
量C1のもう一方の端子は第1のインバータ56の入力
端子に接続されている。SW3の一方の端子は容量C1
と第1のインバータ56の入力端子との両者の接続点に
接続され、他方の端子は第1のインバータ56の出力端
子に接続されている。容量C2の一方の端子は第1のイ
ンバータ56の出力端子とスイッチSW3との両者の接
続点に接続され、他方の端子は第2のインバータ57の
入力端子に接続されている。スイッチSW4の一方の端
子は第2のインバータ57の入力端子と容量C2との両
者の接続点に接続され、他方の端子は第2のインバータ
57の出力端子に接続されている。第3のインバータ5
8の入力端子は第2のインバータ57の出力端子とSW
スイッチ4との両者の接続点に接続されている。以上が
インバータチョッパ電圧比較器59の基本構成である。
【0010】次に動作について説明する。図14は、ス
イッチ1〜4のON状態とOFF状態を示すタイミング
図である。このタイミング図でハイレベルのときスイッ
チはON状態を、ローレベルのときスイッチはOFF状
態をそれぞれ示している。
【0011】「サンプル期間」では、スイッチSW1、
3、4がON状態であり、アナログ入力信号5が容量C
1に接続されて、前記容量C1の一方の端子はアナログ
入力信号5の電圧値となる。容量C1の他方の端子の電
圧値は、スイッチSW3がON状態であるため、第1の
インバータ56の入出力端子と等しい電圧値Va(図1
5に示されているA点)となる。同じようにスイッチS
W4がON状態であるため、第2のインバータ57の入
出力端子の電圧値はVaとなる。次にスイッチSW1、
3、4がOFF状態となり、インバータチョッパ電圧比
較器59はアナログ入力信電圧Vinを保持する。容量C
1の端子電圧は、保持されたアナログ入力電圧VinとV
aとの電圧差となる。容量C1に保持された電荷は、平
行平板型コンデンサの蓄積電荷と端子電圧との関係を用
いると、(数1)で表すことができる。
【0012】
【数1】
【0013】次に、「比較期間」でスイッチSW2がO
N状態になると、第1のインバータ56の入力端子の電
圧Vbと参照電圧Vrefとの電位差が容量C1の両端子に
印加される。スイッチSW3はOFF状態であり、第1
のインバータ56の入力端子はMOSトランジスタのゲ
ートであるため入力インピーダンスは非常に高く電流の
流入出が無視できるとすると、前記第1のインバータ5
6の入力端子の電荷は保持される結果、(数2)が成り
立つ。(数2)に(数1)を代入して、Q1を消去し、
Vbについて解くと、(数3)が導かれる。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
【0016】(数3)より、第1のインバータ56の入
力端子はVaよりもVref−Vin(参照電圧と保持された
アナログ入力電圧の差分)の電圧が変動することがわか
る。したがって、第1のインバータ56の出力電圧変動
分△Vofは(数4)で表される(図16参照)。第2の
インバータ57も同様の動作で入力電圧を増幅する。第
2のインバータ57のVaからの入力電圧変化量は第1
のインバータ56の出力電圧変動分△Vofとなるので、
第2のインバータ57の出力電圧変動分△Vosは、(数
5)で表される。
【0017】
【数4】
【0018】
【数5】
【0019】(数5)によれば、△VosはVref−Vin
に比例しており、比例係数はGf・Gsとなっていること
から、参照電圧Vrefとサンプリングされたアナログ入
力信号電圧Vinとの差電圧がGf・Gs倍されて出力され
ていることがわかる。第3のインバータ58は、△Vos
に増幅された入力電圧変化量を論理電圧レベルまでさら
に増幅し、電圧比較結果として出力する。以上のように
して電圧比較動作が行われる。
【0020】以上、インバータチョッパ電圧比較器につ
いて説明したが、差動チョッパ電圧比較器についてもア
ナログ入力信号電圧と参照電圧の差電圧を論理電圧レベ
ルまで増幅することにより、アナログ入力信号と参照電
圧との比較動作を行うものである。
【0021】ところで、トランスファーゲートの特徴の
一つとして、スイッチ制御信号がON命令からOFF命
令に(またはOFF命令からON命令に)遷移する期間
に、MOSトランジスタのゲートとドレイン間(または
ゲートとソース間)が両者間に寄生する容量により交流
結合され、ドレイン(またはソース)に電荷が注入され
る(以下これをフィードスルーと呼ぶことにする)。ス
イッチSW1、スイッチSW3、4がOFF状態に遷移
するときに、容量C1とスイッチSW1との接続点にフ
ィードスルーによる電荷が注入され、アナログ入力信号
電圧Vinに誤差電圧が加えられる。このフィードスルー
による電荷量はスイッチSW1を構成するMOSトラン
ジスタのドレイン(またはソース)の電圧値や、ゲート
長、ゲート幅、しきい値電圧(以下デバイスパラメータ
と呼ぶことにする)に依存する。ところで、高速のA/
D変換器には複数個の電圧比較器が必要であり、それぞ
れのインバータチョッパ電圧比較器59のスイッチSW
1のデバイスパラメータにばらつきがあると、容量C1
に注入されるフィードスルーによる電荷量がばらつくた
め、保持電圧Vinに加えられる誤差電圧にばらつきが生
じる。
【0022】次に、直並列型A/D変換器の構成及びそ
の動作について述べる。図17に従来の6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す。2つの基準電圧10,1
1の間に基準抵抗列12が接続されている。上位3ビッ
トを決定する上位電圧比較器列1に含まれるそれぞれの
電圧比較器2の第1の入力端子は基準抵抗列12中の前
記基準電圧10,11間の電位差を等電位に分割したV
1〜7点の各電位(上位参照電圧列3)に接続されてお
り、第2の入力端子はアナログ入力信号5に接続されて
いる。上位電圧比較器列1の出力端子は上位論理回路9
に接続されている。下位3ビットを決定する下位電圧比
較器列16に含まれるそれぞれの電圧比較器2の第1の
入力端子は基準抵抗列12において上位電圧比較器列9
のそれぞれの電圧比較器2が接続されている接続点(V
1〜7点)及び基準電圧10,11の間を基準抵抗13
により等電位に分割した各点に下位参照電圧列選択回路
15を構成するスイッチS1〜56を介して接続されて
おり、第2の入力端子はアナログ入力信号5に接続され
ている。下位電圧比較器列16の出力端子は下位論理回
路19に接続されている。上位論理回路9及び下位論理
回路19の出力端子は演算回路21に接続されている。
以上が直並列型A/D変換器の構成である。
【0023】次に動作について説明する。まず、上位電
圧比較器列1と下位電圧比較器列16とがアナログ入力
信号5に同時に接続され、それぞれアナログ入力信号電
圧を保持する。上位電圧比較器列1は、アナログ入力信
号電圧と上位参照電圧列3とを比較し、上位比較結果6
を出力する。上位比較結果6は、上位論理回路9によっ
てコード変換され、3ビットの上位A/D変換出力7と
して出力される。下位参照電圧列選択回路15は上位論
理回路9から出力される下位参照電圧列選択信号8によ
り下位参照電圧列選択回路15を構成するそれぞれのス
イッチのON状態、OFF状態を決定し、下位電圧比較
器列16に供給する下位参照電圧列14を切り替える。
下位電圧比較器列16は、保持していたアナログ入力信
号電圧と下位参照電圧列14とを比較し、下位比較結果
17を出力する。下位比較結果17は、下位論理回路1
9によってそれぞれコード変換され、3ビットの下位A
/D変換出力18として出力される。上位A/D変換出
力7と下位A/D変換出力18とは演算回路21でデー
タ演算されて6ビットのA/D変換出力20となる。以
上が直並列型A/D変換器の動作である。
【0024】図17に示す直並列型A/D変換器のよう
な複数の電圧比較器(上位電圧比較器列1、下位電圧比
較器列16)で構成されるA/D変換器は、A/D変換
器の代表的なアーキテクチャの1つであるが、上位電圧
比較器列1と下位電圧比較器列16との間に発生するオ
フセット電圧が問題となる。オフセット電圧は、上位比
較器列1が比較対象となるアナログ入力信号電圧を保持
するときに加えられた誤差電圧と下位電圧比較器列16
が比較対象となるアナログ入力信号電圧を保持するとき
に加えられた誤差電圧との差電圧である。オフセット電
圧は、主に上位電圧比較器列1、下位電圧比較器列16
のアナログ入力信号5に接続されたスイッチSW1のフ
ィードスルーによる注入電荷のばらつきのために生じ
る。さらに、スイッチSW1のフィードスルーによる注
入電荷のばらつきは、前記スイッチSW1のデバイスパ
ラメータのばらつきが原因である。オフセット電圧が大
きいと、特に下位電圧比較器列16に供給される上位比
較結果6より決定された下位参照電圧列14の上端付
近、下端付近において大きな変換誤差を生じ、微分非直
線性誤差が大きくなる。微分非直線性誤差は、A/D変
換器の性能を表す数値の1つであり、これが大きいと、
例えば映像機器等に使用した際に画面のちらつきが大き
くなる等の不具合が発生する。
【0025】図18及び図19に、オフセット電圧によ
るA/D変換出力の変換誤差の発生の様子を示す。図1
8に示すように、オフセット電圧の発生により、上位電
圧比較器列1がサンプル期間に保持したアナログ入力信
号電圧VicN(N=1,2)に比べて下位電圧比較器列
16がサンプル期間に保持したアナログ入力信号電圧V
ifN(N=1,2)が△V=2LSBに相当する電圧量
だけ大きいとすると、上位電圧比較器列1は保持電圧V
icNに対する電圧比較を行い、上位論理回路9は上位比
較結果6に基づいて下位参照電圧列選択信号8を出力し
て、下位電圧比較のための下位参照電圧列14を決定す
るが、下位電圧比較器列16は前記下位参照電圧列14
と△Vだけ大きな保持電圧VifNに対して電圧比較を行
うため、下位A/D変換出力18は上位A/D変換出力
7に比べ2LSBだけ大きな値となってしまう。したが
って、アナログ入力信号電圧に対するA/D変換出力2
0の値は図19に示すように、上位参照電圧列3の各上
位参照電圧V1〜7点の電位近傍においてミスコードが
発生し、微分非直線性誤差が大きくなる。
【0026】従来の直並列型A/D変換器における上位
電圧比較器列と下位電圧比較器列のオフセット電圧によ
る微分非直線性誤差の増大を緩和するための手段として
は、従来の直並列型A/D変換器に、下位参照電圧列よ
りも高電位の電圧列と低電位の電圧列とを参照電圧列と
して、下位電圧比較器列と同時にサンプリングした比較
対象となるアナログ入力信号電圧と比較を行う冗長の電
圧比較器列を備え、その比較結果と上位比較結果とを論
理演算をすることにより、誤差補正を行う方法がある
(特開平1ー190029号公報)。
【0027】以下、上記従来の誤差補正手段を備えた6
ビット直並列型A/D変換器の構成及び動作について述
べる。
【0028】図20に従来の誤差補正手段を備えた6ビ
ット直並列型A/D変換器の構成を示す。図17に示し
た従来の直並列型A/D変換器の構成に、第1のオーバ
ーレンジ電圧比較器列60と第2のオーバーレンジ電圧
比較器列61とオーバーレンジ参照電圧列選択回路62
とオーバーレンジ下位論理回路63と誤差補正演算回路
64とを加えた構成をしている。比較対象となるアナロ
グ入力信号電圧と下位参照電圧列14より高電位の電圧
列または低電位の電圧列とを比較する第1のオーバレン
ジ電圧比較器列60と第2のオーバーレンジ電圧比較器
列61とを構成するそれぞれの電圧比較器は、下位電圧
比較器列16を構成する電圧比較器2と同じであり、電
圧比較器2の第1の入力端子は、基準抵抗列12を構成
する各基準抵抗13の間に接続されたオーバーレンジ参
照電圧列65を選択するオーバーレンジ参照電圧列選択
回路62を構成するスイッチSO1〜56を介して接続
されており、第2の入力端子はアナログ入力信号5に接
続されている。第1のオーバーレンジ電圧比較器列60
はオーバーレンジ下位論理回路63を構成する第1のオ
ーバーレンジ論理回路66に接続されている。第2のオ
ーバーレンジ電圧比較器列61はオーバーレンジ下位論
理回路63を構成する第2のオーバーレンジ論理回路6
7に接続されている。オーバーレンジ下位論理回路63
は、下位論理回路19と第1のオーバーレンジ論理回路
66と第2のオーバーレンジ論理回路67とで構成さ
れ、オーバーレンジ信号68と下位A/D変換出力18
とを出力する。オーバーレンジ信号68と上位A/D変
換出力9とは、オーバーレンジ信号68と上位A/D変
換出力7との加減算を行う誤差補正演算回路64に接続
される。誤差補正演算回路64から出力される上位補正
A/D変換出力69と下位A/D変換出力18は演算回
路21に接続されている。上記以外の構成は図17に示
した従来の6ビット直並列型A/D変換器と同じであ
る。以上が従来の誤差補正手段を備えた6ビット直並列
型A/D変換器の構成である。
【0029】次に動作について説明する。図17に示す
6ビット直並列型A/D変換器と同じ構成をしている部
分の動作はこれと同じである。第1のオーバーレンジ電
圧比較器列60と第2のオーバーレンジ電圧比較器列6
1は、下位電圧比較器列16と同様に上位比較結果6に
基づいて上位論理回路9から出力される下位参照電圧列
選択信号8に基づいて、スイッチSO1〜56のON状
態、OFF状態を決定し、第1のオーバーレンジ電圧比
較器列60と第2のオーバーレンジ電圧比較器列61に
供給するオーバーレンジ参照電圧列65を切り替え、一
方のオーバーレンジ電圧比較器列には下位参照電圧列1
4の上限電圧より高電位のオーバーレンジ参照電圧列を
供給し、他方のオーバーレンジ電圧比較器列には下位参
照電圧列14の下限電圧より低電位のオーバーレンジ参
照電圧列を供給する。第1のオーバーレンジ電圧比較器
列60と第2のオーバーレンジ電圧比較器列61は保持
していた変換対象となるアナログ入力信号電圧とオーバ
ーレンジ参照電圧列65とを比較し、オーバーレンジ比
較結果70を出力する。オーバーレンジ下位論理回路6
3は、アナログ入力信号電圧の増加とともに、単調増加
する3ビットの二進コードを出力すると同時に、下位電
圧比較器列16と第1のオーバーレンジ電圧比較器列6
0と第2のオーバーレンジ電圧比較器列61が保持して
いる変換対象となるアナログ入力信号電圧が、オーバー
レンジ参照電圧列65の高電位の電圧列の範囲内にある
と、オーバーレンジ信号68として(+1)を出力し、
下位参照電圧列14の範囲内にあると(0)を出力し、
オーバーレンジ参照電圧列65の低電位の電圧列の範囲
内にあるとオーバーレンジ信号として(−1)を出力す
る(図21参照)。上位A/D変換出力7とオーバーレ
ンジ信号68は誤差補正演算回路64により補正演算さ
れて上位補正A/D変換出力69となる。上位補正A/
D変換出力69と下位A/D変換出力18とは演算回路
21でデータ演算されて6ビットのA/D変換出力20
となる。以上が従来の誤差補正手段を備えた6ビット直
並列型A/D変換器の動作である。
【0030】次に、上記従来の誤差補正手段を備えた6
ビット直並列型A/D変換器が、上位電圧比較器列1と
下位電圧比較器列16が保持しているアナログ入力信号
電圧VicとVifのオフセット電圧△Vにより発生するミ
スコードを緩和する様子を図21に示す。
【0031】例えば、上位電圧比較器列1が保持してい
るアナログ入力信号電圧VicN(N=1、2)と下位電
圧比較器列16と第1のオーバーレンジ電圧比較器列6
0と第2のオーバーレンジ電圧比較器列61が保持して
いるアナログ入力信号電圧VifN(N=1、2)のオフ
セット電圧△Vが図21に示すように+2LSBに相当
する電圧量であるとする。これは、図18に示した場合
と同じである。上位電圧比較器列1が保持しているアナ
ログ入力信号電圧がVic1(VR1<Vic1<VR2)のと
き、上位論理回路9は上位A/D変換出力7として(0
01)を出力する。このとき下位電圧比較器列16と第
1のオーバーレンジ電圧比較器列60と第2のオーバー
レンジ電圧比較器列61が保持しているアナログ入力信
号電圧はVif1(VR1<Vif1<VR2)であり、オーバー
レンジ下位論理回路63は下位A/D変換出力18とし
て(010)を出力し、オーバーレンジ信号68として
(0)を出力する。誤差補正演算回路64は上位A/D
変換出力7(001)にオーバーレンジ信号68(0)
を加え上位補正A/D変換出力69として(001)を
出力する。上位補正A/D変換出力69(001)と下
位A/D変換出力18(010)とは演算回路21でデ
ータ演算されてA/D変換出力20として(00101
0)を出力する。上位電圧比較器列1が保持しているア
ナログ入力信号電圧がVic2(VR1<Vic2<VR2)で、
下位電圧比較器列16と第1のオーバーレンジ電圧比較
器列60と第2のオーバーレンジ電圧比較器列61が保
持しているアナログ入力信号電圧がVif2(Vif2>VR
2)のときは、上位A/D変換出力7は(001)であ
り、下位A/D変換出力18は(010)で、オーバー
レンジ信号68は(+1)であり、上位補正A/D変換
出力69は(010)となり、A/D変換出力20は
(010010)となる。
【0032】このように図17に示す従来の6ビット直
並列型A/D変換器の下位電圧比較器列16の両側に第
1のオーバーレンジ電圧比較器列60と第2のオーバー
レンジ電圧比較器列61を付加した構成にすることによ
り、下位電圧比較器列16が保持しているアナログ入力
信号電圧が下位参照電圧列の範囲外であっても、第1の
オーバーレンジ電圧比較器列60と第2のオーバーレン
ジ電圧比較器列61のオーバーレンジ参照電圧列の範囲
内であれば、オーバーレンジ信号68と上位A/D変換
出力7とをデータ演算することにより、A/D変換出力
20はミスコードが発生しなくなり、微分比直線性誤差
を小さくすることができる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】図20に示す従来の誤
差補正手段をを備えた6ビット直並列型A/D変換器の
ような下位電圧比較器列16の両側に冗長な第1及び第
2のオーバーレンジ電圧比較器列60,61を備えた構
成のA/D変換器は、上位電圧比較器列1と下位電圧比
較器列16とがそれぞれ保持しているアナログ入力信号
電圧のオフセット電圧によるミスコードの発生等、微分
非直線性誤差の増大を防ぐ代表的なアーキテクチャの1
つである。しかし、このような構成は、誤差補正範囲を
広くすると、それに比例して第1及び第2のオーバーレ
ンジ電圧比較器列60,61を構成する電圧比較器数及
びオーバーレンジ参照電圧列65を供給するスイッチの
数及び第1及び第2のオーバーレンジ電圧比較器列6
0,61からのオーバーレンジ比較結果70をコード変
換する第1及び第2のオーバーレンジ論理回路66,6
7の回路規模が増大し、チップ面積増大によるコストア
ップと消費電力増大につながる。そこで実際の設計で
は、回路規模の増大を防ぐために設計段階でオフセット
電圧の最大値を見積り、それに応じてオーバーレンジ電
圧比較器列を構成する電圧比較器数を決定する。ところ
が、オフセット電圧設計段階で正確に見積もるのは困難
であり、オフセット電圧が設計時の予想よりも大きく、
補正範囲を越えてしまうと、ミスコードが発生し、微分
非直線性誤差が大きくなり、不良品が発生して歩留まり
が低下する等の問題を生じる。この問題に対しては、レ
イアウトマスクの修正及び回路の再設計が行われる。し
かし、マスク修正を行う場合、オーバーレンジ電圧比較
器列を構成する電圧比較器の数を増やす必要があり、配
線層だけでの修正は困難である。そのため、開発コスト
の増大、開発期間の長期化につながるという問題点を有
していた。
【0034】本発明は上記の問題点を解決するもので、
上位電圧比較器列及び下位電圧比較器列が比較対象とす
るアナログ入力信号電圧を保持するときにオフセット電
圧が発生した場合、前記オフセット電圧を小さくする回
路構成にすることにより回路規模を小さくして、低面積
・低コスト・低電力で、なおかつ補正範囲が広く、ミス
コードの発生しない微分非直線性誤差の小さい、高精度
で、高歩留まりを得ることができる直並列型A/D変換
器を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の直並列型A/D変換器は、
例えば図17に示す構成の従来の直並列型A/D変換器
において、上位電圧比較器列と下位電圧比較器列とが比
較対象となるアナログ入力信号電圧を保持するときにオ
フセット電圧が発生した場合に、前記オフセット電圧を
相殺するために、上位参照電圧列の上位参照電圧間の電
圧差を保ちながら各上位参照電圧を前記オフセット電圧
量と等しい量だけ反対側に変更する上位参照電圧列変更
回路を設け、前記上位参照電圧列は前記上位電圧比較器
列を構成するそれぞれの電圧比較器の所定の入力端子に
接続された構成を有している。
【0036】本発明の請求項2記載の直並列型A/D変
換器において、上位参照電圧列変更回路は、オフセット
電圧が存在した場合に、上位参照電圧列を上限電圧と下
限電圧との電圧差を保ちながらオフセット電圧量と等し
い量だけ反対側に変更するために、上位参照電圧列の上
限電圧と下限電圧の間を分割して前記上位参照電圧列の
各上位参照電圧を発生する上位参照電圧列発生抵抗列
と、前記上位参照電圧列発生抵抗列の一方の端子に接続
され、前記オフセット電圧を相殺するように、前記上限
電圧を前記オフセット電圧量と等しい量だけ反対側に変
動させる上限電圧発生回路と、前記上位参照電圧列発生
抵抗列の他方の端子に接続され、前記下限電圧を前記上
限電圧との電圧差を保ちながら変動させる下限電圧発生
回路から構成されており、前記上位参照電圧列発生抵抗
列が発生する上位参照電圧列の各上位参照電圧は、上位
電圧比較器列を構成するそれぞれの電圧比較器の所定の
入力端子に接続された構成を有している。
【0037】本発明の請求項3記載の直並列型A/D変
換器を構成する上位参照電圧列変更回路において、上限
電圧発生回路と下限電圧発生回路とは、オフセット電圧
が存在した場合に、上位参照電圧列の上限電圧と下限電
圧を前記上限電圧と前記下限電圧との電圧差を保ちなが
ら、前記オフセット電圧量と等しい量だけ反対側に変更
するために、それぞれ前記オフセット電圧量に応じたパ
ルス信号列を電圧に変換して前記上限電圧を出力する第
1のD/A変換器と、前記下限電圧を出力する第2のD
/A変換器とである。
【0038】本発明の請求項4記載の直並列型A/D変
換器において、上位参照電圧列変更回路は、オフセット
電圧が存在した場合に、上位参照電圧列を上限電圧と下
限電圧との電圧差を保ちながらオフセット電圧量と等し
い量だけ反対側に変更するために、変換対象となるアナ
ログ電圧を変換する領域の上限電圧と下限電圧を分割す
る上下限電圧発生抵抗列と、前記上下限電圧発生抵抗列
が発生する電圧列のうちいずれか一つの電圧を前記上位
参照電圧列の上限電圧として選択する上限電圧選択回路
と、前記電圧列のうち前記上位参照電圧列の上限電圧と
の電圧差を保持した電圧を上位参照電圧列の下限電圧と
して選択する下限電圧選択回路と、前記上限電圧選択回
路が選択した前記上位参照電圧列の上限電圧と前記下限
電圧選択回路が出力した前記上位参照電圧列の下限電圧
を分割し、上位参照電圧列として出力する上位参照電圧
発生抵抗列とで構成され、前記上位参照電圧列の各上位
参照電圧は、上位電圧比較器列を構成するそれぞれの電
圧比較器の所定の入力端子に接続された構成を有してい
る。
【0039】本発明の請求項5記載の直並列型A/D変
換器は、オフセット電圧が存在する場合に、前記オフセ
ット電圧量を検出するためのオフセット電圧検出回路を
備えた構成を有している。
【0040】本発明の請求項6記載の直並列型A/D変
換器において、前記オフセット電圧検出回路は、オフセ
ット電圧量を検出するために、下位電圧比較器列を構成
する少なくとも2つの電圧比較器列から構成されてお
り、一方を第1の検出回路列とし、他方を第2の検出回
路列とし、前記第1の検出回路列は変換対象となるアナ
ログ電圧と下位参照電圧列よりも高電位の電圧列を参照
電圧列とする場合には、前記第2の検出回路列は変換対
象となるアナログ電圧と下位参照電圧列よりも低電位の
電圧列を参照電圧列とし、前記第1の検出回路列は変換
対象となるアナログ電圧と下位参照電圧列よりも低電位
の電圧列を参照電圧列とする場合には、前記第2の検出
回路列は変換対象となるアナログ電圧と下位参照電圧列
よりも高電位の電圧列を参照電圧列とする構成を有して
いる。
【0041】本発明の請求項7記載の直並列型A/D変
換器は、オフセット電圧検出回路を構成する第1の検出
回路列の比較結果と、第2の検出回路列の比較結果とを
演算して、前記オフセット電圧検出回路が検出したオフ
セット電圧量と等しい量だけ反対側に上位参照電圧列を
変更するよに、上位参照電圧列変更回路を制御する制御
回路を備えた構成を有している。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の直並列型
A/D変換器の構成によって、上位電圧比較器列と下位
電圧比較器列とが比較対象とするアナログ入力信号を保
持するときにオフセット電圧が発生した場合でも、上位
参照電圧列変更回路により上位参照電圧列をオフセット
電圧量に応じて変更することで、オフセット電圧を相殺
し、オフセット電圧によるミスコードの発生をなくし、
微分非直線性誤差を小さくすることができる。
【0043】本発明の請求項2記載の直並列型A/D変
換器を構成する上位参照電圧列変更回路の構成によっ
て、オフセット電圧が存在した場合でも、上限電圧発生
回路と下限電圧発生回路とがオフセット電圧量に応じ
て、上位参照電圧列発生抵抗列の両端に印加される上位
参照電圧列の上限電圧と下限電圧を変更することで、前
記上位参照電圧発生抵抗列が発生する上位参照電圧列を
変更して、オフセット電圧を相殺することができる。
【0044】本発明の請求項3記載の直並列型A/D変
換器を構成する上限電圧発生回路と下限電圧発生回路と
の構成によって、オフセット電圧が存在した場合でも、
第1のD/A変換器は、前記オフセット電圧量に応じた
パルス信号列を上位参照電圧列の上限電圧に変換し、第
2のD/A変換器は、上位参照電圧列の下限電圧を前記
上限電圧との電圧差を保って出力するので、オフセット
電圧を相殺するように、前記上限電圧と前記下限電圧と
を変更することができる。
【0045】本発明の請求項4記載の直並列型A/D変
換器を構成する上位参照電圧列変更回路の構成によっ
て、オフセット電圧が存在した場合に、上限電圧選択回
路と下限電圧選択回路とが、それぞれ上下限電圧発生抵
抗列が発生する電圧列から、オフセット電圧量に応じ
て、上位参照電圧発生抵抗列の両端に印加される上限電
圧と下限電圧とを選択することで、前記上位参照電圧列
発生抵抗列が発生する上位参照電圧列を変更することが
できるので、オフセット電圧を相殺することができる。
【0046】本発明の請求項5記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、オフセット電圧検出回路はオフセ
ット電圧量を知らせる。前記オフセット電圧検出回路の
検出結果に応じて、前記オフセット電圧検出回路がオフ
セット電圧を検出しなくなるまで、上位参照電圧列変更
回路により上位参照電圧列を変更させれば、オフセット
電圧を相殺することができる。
【0047】本発明の請求項6記載の直並列型A/D変
換器を構成するオフセット電圧検出回路の構成によっ
て、下位電圧比較器列が変換対象となるアナログ電圧を
保持したときの保持電圧が、前記変換対象となるアナロ
グ電圧に近い高電位の上位参照電圧よりも大きい場合、
または前記変換対象となるアナログ電圧に近い低電位の
上位参照電圧よりも小さい場合は、前記変換対象となる
アナログ電圧と前記下位参照電圧列よりも高電位(低電
位)の電圧列を参照電圧列とする第1の検出回路列の比
較結果と、前記変換対象となるアナログ電圧と前記下位
参照電圧列よりも低電位(高電位)の電圧列を参照電圧
列とする第2の検出回路列の比較結果とによりオフセッ
ト電圧量を知ることができる。
【0048】本発明の請求項7記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、制御回路は、オフセット電圧検出
回路を構成する第1の検出回路列の比較結果と、第2の
検出回路列の比較結果とを演算して、オフセット電圧が
存在する場合には、前記オフセット電圧量に応じて、上
位参照電圧列変更回路の出力する上位参照電圧列を制御
し、オフセット電圧を相殺することができる。
【0049】(実施例1)以下、本発明の直並列型A/
D変換器の実施例について図面を参照しながら説明す
る。
【0050】図1は、本発明の請求項1に係わる第1の
実施例における6ビット直並列型A/D変換の構成を示
したものである。上位3ビットを決定する上位電圧比較
器列1を構成するそれぞれの電圧比較器2の第1の入力
端子は、上位参照電圧列3の上限電圧と下限電圧の電圧
差を保ちつつ上位参照電圧列3を変更する上位参照電圧
列変更回路4の各出力端子に接続されており、第2の入
力端子は、アナログ入力信号5に接続されている。上位
電圧比較器列1の各出力端子は、上位比較結果6に基づ
いて上位A/D変換出力7と下位参照電圧列選択信号8
を出力する上位論理回路9に接続されている。
【0051】2つの基準電圧10,11の間に基準抵抗
列12が接続されている。基準抵抗列12は、基準電圧
10,11間の電位差を抵抗値rの等しい基準抵抗R1
〜64によって64等分している。下位参照電圧列選択
信号8に基づいて下位参照電圧列14を選択する下位参
照電圧列選択回路15を構成するスイッチS1〜56
は、例えばCMOSのトランスファーゲートで構成さ
れ、下位参照電圧列選択信号8により、ON状態、OF
F状態を決定する。
【0052】下位3ビットを決定する下位電圧比較器列
16を構成するそれぞれの電圧比較器2の第1の入力端
子は、基準抵抗列12の基準電圧10,11間の電位差
を等電位に8分割した1/8、2/8、3/8、4/
8、5/8、6/8、7/8の分割点(図1におけるV
1〜7点)の間の電位差を更に基準抵抗R1〜8、基準
抵抗R9〜16、基準抵抗R17〜24、基準抵抗R2
5〜32、基準抵抗R33〜40、基準抵抗R41〜4
8、基準抵抗R49〜56、基準抵抗R57〜64によ
り等電位に8分割したそれぞれの点に、下位参照電圧列
選択回路15を構成するスイッチS1〜7、スイッチS
8〜14、スイッチS15〜21、スイッチS22〜2
8、スイッチS29〜35、スイッチS36〜42、ス
イッチS43〜49、スイッチS50〜56を介して接
続されており、第2の入力端子はアナログ入力信号5に
接続されている。
【0053】下位電圧比較器列16のそれぞれの出力端
子は、下位比較結果17に基づいて下位A/D変換出力
18を出力する下位論理回路19に接続されている。上
位論理回路9が出力する上位A/D変換出力7と下位論
理回路19が出力する下位A/D変換出力18は、A/
D変換出力20を出力する演算回路21に接続されてい
る。
【0054】各電圧比較器列を構成する電圧比較器2
は、例えば図13に示すインバータチョッパ電圧比較器
59で構成されている。図1に示す電圧比較器2の反転
入力端子(第1の入力端子)は、図13に示すインバー
タチョッパ電圧比較器59のスイッチSW2の容量C1
に接続されていない側の端子に対応し、電圧比較器2の
正転入力端子(第2の入力端子)は、インバータチョッ
パ電圧比較器59のスイッチSW1の容量C1に接続さ
れていない側の端子に対応する。
【0055】次に、本実施例の6ビット直並列A/D変
換器の動作について説明する。図2は、電圧比較器2に
例えば、図13に示すインバータチョッパ電圧比較器5
9を用いたときのスイッチSW1〜4のON状態とOF
F状態を示すタイミング図である。
【0056】まず、「サンプル期間」に、上位電圧比較
器列1と下位電圧比較器列16を構成するそれぞれの電
圧比較器2のスイッチSW1、スイッチSW3、4がO
N状態であり、スイッチSW2はOFF状態であるの
で、上位電圧比較器列1及び下位電圧比較器列15はア
ナログ入力信号5をサンプリングする。次にスイッチS
W1、スイッチSW3、4がOFF状態となり、上位電
圧比較器列1及び下位電圧比較器列16は同時にアナロ
グ入力信号電圧Vinを保持する。しかし、スイッチSW
1がOFF状態に遷移するときに、スイッチSW1のフ
ィードスルーによる容量C1への注入電荷によって、上
位電圧比較器列1及び下位電圧比較器列16が保持して
いるアナログ入力信号電圧Vinにそれぞれ誤差電圧が発
生する。このとき、上位電圧比較器列1及び下位電圧比
較器列16を構成するそれぞれの電圧比較器2のスイッ
チSW1のデバイスパラメータにばらつきがあると、ス
イッチSW1のフィードスルーによる容量C1への注入
電荷にばらつきが生じ、上位電圧比較器列1及び下位電
圧比較器列16が保持しているアナログ入力信号電圧V
inにオフセット電圧が発生する。このときの上位電圧比
較器列1が保持しているアナログ入力信号電圧をVic、
下位電圧比較器列16が保持しているアナログ入力信号
電圧をVif、オフセット電圧を△Vとする。
【0057】「上位比較期間」では、上位電圧比較器列
1を構成するそれぞれの電圧比較器2のスイッチSW2
がON状態になる。上位電圧比較器列1は保持している
アナログ入力信号電圧Vicと上位参照電圧列3とを比較
し、上位比較結果6を出力する。上位比較結果6は、上
位論理回路9によってコード変換され、上位A/D変換
出力7として出力される。一方、下位電圧比較器列16
は、「保持期間」の間、「サンプル期間」に保持したア
ナログ入力信号電圧Vifを保持した状態を維持する。上
位論理回路9は、上位比較結果6に基づいて下位参照電
圧列選択信号8を出力し、下位参照電圧列選択回路15
を構成するスイッチS1〜56のON状態、OFF状態
を決定し、下位参照電圧列14を切り替える。例えば、
上位電圧比較器列1が保持しているアナログ入力信号電
圧Vicが図1に示すV1点の電位V1とV2点の電位V
2との間にある(V1<Vic<V2)とき、上位電圧比
較器列1の上位比較結果6により上位論理回路9から出
力される下位参照電圧列選択信号8により、下位参照電
圧列選択回路15を構成するスイッチS8〜14はON
状態に、スイッチS1〜7、スイッチS15〜64はO
FF状態になる。その結果、下位参照電圧列14とし
て、V1〜V2点間の電位差を基準抵抗R9〜16によ
り等電位に8分割したそれぞれの点の電位が下位電圧比
較器列16を構成するそれぞれの電圧比較器2の反転入
力端子に入力される。
【0058】「下位比較期間」では、下位電圧比較器列
16を構成するそれぞれの電圧比較器2のスイッチSW
2がON状態となり、下位電圧比較器列16は保持して
いたアナログ入力信号電圧Vifと下位参照電圧列14と
を比較し、下位比較結果17を出力する。下位比較結果
17は下位論理回路19によってコード変換され、下位
A/D変換出力18として出力される。上位A/D変換
出力7と下位A/D変換出力18とは演算回路21でデ
ータ演算されて6ビットのA/D変換出力20として出
力される。以上が本実施例における6ビット直並列型A
/D変換器の動作である。
【0059】次に、本実施例における6ビット直並列型
A/D変換器が、オフセット電圧の発生によってミスコ
ードが発生している場合に、上位参照電圧列3を変更す
ることにより、ミスコードがなくなる様子を図3(a)
〜(c)を参照しながら詳しく説明する。
【0060】図3(a)は、上位参照電圧列3がV1〜
V7点の各電位であって、あるサンプル期間に上位電圧
比較器列1が保持したアナログ入力信号電圧がVic=V
ic2(V1<Vic2<V2)で、下位電圧比較器列15が
保持したアナログ入力信号電圧がVif=Vif2(V2<
Vif2)であり、オフセット電圧が△V=Vif2−Vic2
=+2LSBに相当する電位である場合を示しており、
これは、従来の6ビット直並列型A/D変換器における
図18に示した条件と同じである。このとき、図19に
示すように、従来のA/D変換出力20には上位電圧比
較器列1が保持したアナログ入力信号電圧VicがV1〜
7点の各電位の近傍のところで、ミスコードが発生して
いる。図3(a)では、Vicが同図に示すVm<Vic<
V2の領域にある間は、下位参照電圧列Aが選択されて
いるので、下位A/D変換出力18は(111)を出力
する。次に、Vic>V2になると、下位参照電圧列14
が高電位側の下位参照電圧列Bに切り替わり、下位A/
D変換出力18は(010)を出力する。その結果A/
D変換出力20は、(001111)を3LSBの幅に
渡って出力するミスコード発生領域が存在し、(010
000)と(010001)の2つのコードは出力され
ず、ミスコードとなる。
【0061】図3(b)は、上位参照電圧列3を図3
(a)に示した状態から1LSBに相当する電圧量だけ
低電位側に変更した場合を示している。この場合、Vic
=Vic2のとき下位参照電圧列14は下位参照電圧列A
からBに切り替わるようになるので、A/D変換出力2
0は図3(a)で(001111)であったのが(01
0001)として出力されるようになる。しかし、Vic
2より1LSBに相当する電圧量だけ小さいVic=Vic3
のときは下位参照電圧列Aが選択されるので、A/D変
換出力20は(001111)を2LSBの幅に渡って
出力するミスコード発生領域が存在し、(01000
0)が出力されず、ミスコードとなる。
【0062】図3(c)は、上位参照電圧列3を図3
(b)に示した状態から更に1LSBに相当する電圧量
だけ低電位側に変更した場合を示している。この場合V
ic=Vic3のとき下位参照電圧列14は下位参照電圧列
AからBに切り替わるようになるので、A/D変換出力
20は図3(b)で(001111)であったのが(0
10000)として出力されるようになる。Vic3より
1LSBに相当する電圧量だけ小さいVic=Vic4のとき
は下位参照電圧列13は下位参照電圧列Aが選択され
て、A/D変換出力20は(001111)が1LSB
の正常な範囲で出力される。この場合はA/D変換出力
20にはミスコードが発生しなくなる。
【0063】以上の説明から明らかなように、オフセッ
ト電圧が発生している場合に、上位参照電圧列3をオフ
セット電圧量に等しい量だけ反対側にずらして、オフセ
ット電圧を相殺すれば、ミスコードが発生しなくなる。
【0064】本実施例においてオフセット電圧の存在を
知り、上位参照電圧列変更回路4を操作する方法として
は、例えば、変換領域において既知の電圧波形(例えば
三角波)をアナログ入力信号5として本実施例の直並列
型A/D変換器に入力し、A/D変換出力18をモニタ
ーする。もしミスコードが発生していれば、上位参照電
圧列変更回路4をミスコードが発生しなくなるように操
作する。また、先の例と同様に既知の電圧波形を入力し
て、微分非直線性誤差を測定し、前記微分非直線性誤差
が最小になるように上位参照電圧変更回路4を操作する
等がある。
【0065】以上のように本実施例における6ビット直
並列型A/D変換器によれば、図17に示した構成の従
来の6ビット直並列型A/D変換器に上位参照電圧列変
更回路4を設け、上位電圧比較器列1を構成するそれぞ
れの電圧比較器2の所定の入力端子に接続することによ
り、オフセット電圧が存在する場合に、上位参照電圧列
3の上限電圧と下限電圧の電圧差を保持しつつ各上位参
照電圧をオフセット電圧量に等しい量だけ反対側にずら
してオフセット電圧を相殺することにより、ミスコード
の発生しない、微分非直線性誤差の良好な直並列型A/
D変換器を実現できる。
【0066】なお、本実施例では、6ビット直並列型A
/D変換器について説明したが、Nビット直並列型A/
D変換器(N:任意整数)においても同様の効果が得ら
れることは言うまでもない。また、本実施例では、電圧
比較器をインバータチョッパ電圧比較器として説明した
が、差動チョッパ電圧比較器でも同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。下位参照電圧列選択回路15を
構成するスイッチS1〜64はCMOSトランスファー
ゲートとしたが、任意のスイッチで構成することができ
ることは言うまでもない。
【0067】(実施例2)図4は、本発明の請求項2及
び請求項3に係わる6ビット直並列型A/D変換器の構
成を示したものである。
【0068】第1の実施例において、上位参照電圧列変
更回路4が、上位参照電圧列発生抵抗列22と上限電圧
発生回路24と下限電圧発生回路25とで構成されてい
る。上限電圧発生回路24及び下限電圧発生回路25
は、例えばD/A変換器で構成されている。上限電圧発
生回路24は、第1のD/A変換器26で構成され、下
限電圧発生回路25は、第2のD/A変換器27で構成
されている。上記以外の構成は第1の実施例に係わる6
ビット直並列型A/D変換器と同じである。上位参照電
圧列発生抵抗列22の一方の端子は、上限電圧を発生す
る上限電圧発生回路24の出力端子に接続されている。
上位参照電圧列発生抵抗列22の他方の端子は、下限電
圧を発生する下限電圧発生回路25の出力端子に接続さ
れている。上位参照電圧列発生抵抗列22は、抵抗値R
の等しい上位参照電圧発生抵抗RU1〜6により上限電
圧と下限電圧の間を6等分している。上位参照電圧発生
抵抗列22の両端の電位と上位参照電圧列発生抵抗列2
2を構成する上位参照電圧発生抵抗23間の電位が上位
参照電圧列3の各上位参照電圧となり、上位電圧比較器
列1を構成するそれぞれの電圧比較器2の第2の入力端
子に接続されている。
【0069】第1のD/A変換器26及び第2のD/A
変換器27として、例えば基準抵抗列12を構成する基
準抵抗13で構成された4ビット電圧ポテンショメータ
型D/A変換器を用い、第1のD/A変換器26の基準
電圧10,11としてV7点の電位を含むようにV8点
の及びV6点の電位を供給し、第2のD/A変換器27
には基準電圧10,11としてV1点の電位を含むよう
にV2点及びV0点の電位を供給する。第1のD/A変
換器26及び第2のD/A変換器27は同じ入力信号に
接続されている。
【0070】次に動作について説明する。本実施例の6
ビット直並列型A/D変換器がアナログ入力信号5をデ
ィジタル値に変換してA/D変換出力20を出力し、オ
フセット電圧が存在する場合に前記オフセット電圧を相
殺するという動作は第1の実施例の場合と同じである。
【0071】ここでは、上位参照電圧列変更回路4が、
上位参照電圧列発生抵抗列22と上限電圧発生回路24
と下限電圧発生回路25とで構成されており、上限電圧
発生回路24は第1のD/A変換器26で構成され、下
限電圧発生回路25は第2のD/A変換器27とで構成
されている場合の上位参照電圧列変更回路4の動作につ
いて説明する。
【0072】第1のD/A変換器26は、入力信号に基
づいてV8〜V6点間の電位を本実施例の6ビット直並
列A/D変換器の1LSB単位で分割した電位を発生
し、第2のD/A変換器27は、V2〜V0点間の電位
を本実施例の6ビット直並列A/D変換器の1LSB単
位で分割した電位を発生する。
【0073】例えば、実施例1に示した場合と同様に、
上限電圧がV7点の電位であり、下限電圧がV1点の電
位であり、オフセット電圧が△V=+2LSBに相当す
る電圧量であるとき、第1のD/A変換器26と第2の
D/A変換器27の出力電圧が2LSBに相当する電圧
量だけ小さくなるように、第1のD/A変換器26と第
2のD/A変換器27の入力信号を変えると、上位参照
電圧列発生抵抗列22を構成するそれぞれの上位参照電
圧列発生抵抗23間の電位が等しく2LSBに相当する
電圧量だけ小さくなる。すなわち、上位参照電圧列3の
各上位参照電圧は、それぞれ2LSBに相当する電圧量
だけ小さくなり、オフセット電圧△Vは相殺され0にな
る。
【0074】以上のように本実施例における6ビット直
並列型A/D変換器によれば、上位参照電圧列変更回路
4を上位参照電圧列発生抵抗列22と上限電圧発生回路
24と下限電圧発生回路25とで構成し、上限電圧発生
回路24を第1のD/A変換器26で構成し、下限電圧
発生回路25を第2のD/A変換器27で構成すること
により、オフセット電圧が存在する場合に、上位参照電
圧列3の上限電圧と下限電圧の電圧差を保持しつつ各上
位参照電圧をオフセット電圧量と等しい量だけ反対側に
ずらすように、第1のD/A変換器26と第2のD/A
変換器27の入力信号を変えることにより、オフセット
電圧を相殺し、ミスコードの発生しない、微分非直線性
誤差の良好な直並列A/D変換器を実現できる。また、
本実施例における6ビット直並列型A/D変換器は、図
20に示した従来の6ビット直並列型A/D変換器に比
べて誤差補正に係わる回路規模が小さくて済むので、チ
ップ面積が小さく低コスト・低電力でありながら、より
広範な誤差補正が可能(図20に示した従来の誤差補正
手段を備えた6ビット直並列型A/D変換器の誤差補正
範囲は正負4LSBであるの対して、本実施例では正負
8LSBの補正が可能)な、高歩留まりを得ることがで
きる直並列型A/D変換器を実現できる。
【0075】なお、本実施例では、第1のD/A変換器
26及び第2のD/A変換器27は、4ビットの電圧ポ
テンショメータ型D/A変換器として説明したが、任意
のD/A変換器でも良く、更に上限電圧発生回路24及
び下限電圧発生回路25をD/A変換器で構成したが、
例えばオペアンプの様な任意の可変電圧源でも良いこと
は言うまでもない。また、本実施例では、上限電圧及び
下限電圧の変動範囲をそれぞれV8〜V6間の電位及び
V2〜V0間の電位として説明したが、前記変動範囲は
任意である。
【0076】(実施例3)図5は、本発明の請求項4に
係わる第3の実施例における6ビット直並列型A/D変
換器の構成を示している。第1の実施例における6ビッ
ト直並列型A/D変換器において、上位参照電圧列変更
回路4が上位参照電圧列発生抵抗列22と上限電圧選択
回路28と下限電圧選択回路29と上下限電圧発生抵抗
列30とで構成されており、例えば上下限電圧発生抵抗
列30は、基準抵抗列12で構成される。上記以外の構
成は第1の実施例に係わる6ビット直並列型A/D変換
器と同じである。
【0077】下限電圧を選択して出力する下限電圧選択
回路29を構成するそれぞれの選択回路SE1〜17の
一方の端子は、V2点とV0点間を基準抵抗列12を構
成する基準抵抗R1〜16で分割された分割点に接続さ
れており、他方の端子は、上位参照電圧列発生抵抗列2
2の一方の端子に接続されている。
【0078】上限電圧を選択して出力する上限電圧選択
回路28を構成するそれぞれの選択回路SE18〜34
の一方の端子は、V8点とV6点間を基準抵抗列12を
構成する基準抵抗R49〜64で分割された分割点に接
続されており、他方の端子は、上位参照電圧列発生抵抗
列22の他方の端子に接続されている。
【0079】選択回路31は両端子間を導通状態(ON
状態)と非導通状態(OFF状態)のいずれかの状態に
する、例えばCMOSトランスファーゲートで構成され
る。
【0080】次に動作について説明する。本実施例の6
ビットA/D変換器がアナログ入力信号5をディジタル
値に変換してA/D変換出力20を出力し、オフセット
電圧が存在する場合に前記オフセット電圧を相殺すると
いう動作は第1の実施例の場合と同じである。
【0081】ここでは、上位参照電圧列変更回路4が上
位参照電圧列発生抵抗列22と上限電圧選択回路28と
下限電圧選択回路29と上下限電圧発生抵抗列30とで
構成され、例えば上下限電圧発生抵抗列30が基準抵抗
列12で構成される場合の上位参照電圧列変更回路4の
動作について説明する。例えば、上位参照電圧列3の上
限電圧をV7点の電位とすると、上限電圧選択回路28
を構成する選択回路SE9がON状態、選択回路SE1
〜8、選択回路SE10〜17がOFF状態となり、上
位参照電圧列3の下限電圧をV1点の電位とすると、下
限電圧選択回路29を構成する選択回路SE26がON
状態、選択回路SE18〜25、選択回路SE27〜3
4がOFF状態となる。このように、上限電圧選択回路
28を構成する選択回路SE1〜17のうち、一つの選
択回路31だけをON状態にし、残りの選択回路31は
すべてOFF状態にする。下限電圧選択回路29を構成
する選択回路SE18〜34のうち、一つの選択回路3
1だけをON状態にし、残りの選択回路31はすべてO
FF状態にする。このとき、本実施例における直並列型
A/D変換器に先の第1と第2の実施例と同じオフセッ
ト電圧△V=+2LSBに相当する電圧量が発生してい
る場合、上限電圧選択回路28を構成する選択回路SE
26をOFF状態に、選択回路SE24をON状態に変
えることにより、上限電圧がV7点の電位から2LSB
に相当する電圧量だけ下がり、下限電圧選択回路29を
構成する選択回路SE9をOFF状態に、選択回路SE
7をON状態に変えることにより、下限電圧がV1点の
電位から2LSBに相当する電圧量だけ下がる。この結
果、上限電圧選択回路28と下限電圧選択回路29のそ
れぞれの出力端子に両端を接続されている上位参照電圧
列発生抵抗列22を構成するそれぞれの上位参照電圧発
生抵抗23間の電位も2LSBに相当する電圧量だけ下
がり、上位参照電圧列3のそれぞれの上位参照電圧は2
LSBに相当する電圧量だけ下がるため、オフセット電
圧△Vは相殺され0になる。
【0082】以上のように本実施例における6ビット直
並列型A/D変換器によれば、上位参照電圧列変更回路
4を上位参照電圧列発生抵抗列22と上限電圧選択回路
28と下限電圧選択回路29と上下限電圧発生抵抗列3
0とで構成し、上下限電圧発生抵抗列30を基準抵抗列
12で構成することにより、オフセット電圧が存在する
場合に、上位参照電圧列3の上限電圧と下限電圧の電圧
差を保持しつつそれぞれの上位参照電圧をオフセット電
圧量と等しい量だけ反対側にずらすように、上限電圧選
択回路28と下限電圧選択回路29を構成するそれぞれ
の選択回路31の導通/非導通状態を切り替えることに
より、オフセット電圧を相殺し、ミスコードの発生しな
い、微分非直線性誤差が良好であり、なおかつ、上位参
照電圧列変更回路4はいくつかの抵抗とスイッチ素子で
構成され、本実施例においては特に上下限電圧発生抵抗
列30を基準抵抗列12で構成したので、第2の実施例
に比べて更に回路規模が小さく、チップ面積が小さく低
コスト・低電力でありながら、誤差補正範囲は第2の実
施例と同じで、補正範囲が広く、高歩留まりを得ること
ができる直並列型A/D変換器を実現できる。
【0083】なお、本実施例において、上限電圧選択回
路28と下限電圧選択回路29を構成する選択回路31
にはCMOSトランスファーゲートを用いた場合につい
て説明したが、選択回路31は導通/非導通状態を選択
できる任意の構成で良く、例えば、選択回路31の両端
子間を導通状態にするときは、配線層で配線し、非導通
状態にするときは配線を切ることにより、配線層のマス
ク修正で実現することもできることは言うまでもない。
【0084】(実施例4)図6は、本発明の請求項5及
び請求項6に係わる第4の実施例における6ビット直並
列型A/D変換器の構成を示している。本実施例におけ
る6ビット直並列型A/D変換器は、第1の実施例にお
ける6ビット直並列型A/D変換器にオフセット電圧を
検出して、オフセット電圧検出信号33を出力するオフ
セット電圧検出回路32を加えた構成をしている。オフ
セット電圧検出回路32は、例えば第1の検出回路列3
4と第2の検出回路列35と第1の参照電圧列選択回路
36と第2の参照電圧列選択回路37とで構成されてい
る。第1の検出回路列34と第2の検出回路列35は、
例えばそれぞれ下位電圧比較器列16を構成する1つの
電圧比較器2で構成されている。
【0085】第1の参照電圧列選択回路36を構成する
スイッチSK1〜8は、例えばCMOSトランスファー
ゲートで構成され、上位比較結果6により上位論理回路
9から出力される下位参照電圧列選択信号8により、O
N状態、OFF状態を決定する。第2の参照電圧列選択
回路37を構成するスイッチSK9〜16は、例えばC
MOSトランスファーゲートで構成され、下位参照電圧
列選択信号8により、ON状態、OFF状態を決定す
る。
【0086】オフセット電圧を検出する第1の検出回路
列34を構成する電圧比較器2の第1の入力端子は基準
抵抗列12の基準電圧10,11間の電位差を等電位に
8分割した分割点V1〜7点のうち図5に示すV1、V
3、V5、V7の4点にスイッチSK1、SK2、スイ
ッチSK3、SK4、スイッチSK5、SK6、スイッ
チSK7、SK8を介して接続されており、第2の入力
端子はアナログ入力信号5に接続されているオフセット
電圧を検出する第2の検出回路列35を構成するの電圧
比較器2の第1の入力端子は基準抵抗列12の基準電圧
10,11間の電位差を等電位に8分割した分割点V1
〜V7のうち図6に示すV2、V4、V6、の3点と基
準抵抗列12の両端子であるV0点、V8点の2点にそ
れぞれスイッチSK10、SK11、スイッチSK1
2、SK13、スイッチSK14、SK15、スイッチ
SK9、スイッチSK16を介して接続されており、第
2の入力端子はアナログ入力信号5に接続されている。
【0087】次に動作について説明する。本実施例の6
ビットA/D変換器がアナログ入力信号5をディジタル
値に変換してA/D変換出力20を出力し、オフセット
電圧が存在する場合に、前記オフセット電圧を相殺する
という動作は第1の実施例の場合と同じである。
【0088】以下、オフセット電圧検出回路32の動作
について説明する。上位電圧比較器列1が保持している
アナログ入力信号電圧Vicと上位参照電圧列3とを比較
し、上位比較結果6を出力し、上位論理回路9が上位比
較結果6に基づいて下位参照電圧列選択信号8を出力す
る。下位参照電圧列選択信号8は、下位参照電圧列選択
回路15と共に第1の参照電圧列選択回路36と第2の
参照電圧列選択回路37に入力される。
【0089】例えば、上位電圧比較器列1が保持してい
るアナログ入力信号電圧Vicが、V1点の電位V1とV
2点の電位V2との間にある(V1<Vic<V2)と
き、上位電圧比較器列1の上位比較結果6により上位論
理回路9から出力される下位参照電圧列選択信号8によ
り、下位参照電圧列選択回路15を構成するスイッチS
8〜14はON状態に、スイッチS1〜7、スイッチS
15〜64はOFF状態になり、第1の参照電圧列選択
回路36を構成するスイッチSK2はON状態に、スイ
ッチSK1、スイッチSK3〜8はOFF状態になり、
第2の参照電圧列選択回路37を構成するスイッチSK
10はON状態に、スイッチSK9、スイッチSK11
〜16はOFF状態になる。その結果、下位参照電圧列
14として、V1〜V2点間の電位差を基準抵抗R9〜
16により等電位に8分割したそれぞれの点の電位が下
位電圧比較器列16を構成するそれぞれの電圧比較器2
の反転入力端子に入力され、第1参照電圧列としてV1
点の電位が第1の検出回路列34を構成する電圧比較器
2の反転入力端子に入力され、第2参照電圧列としてV
2点の電位が第2の検出回路列35を構成する電圧比較
器2の反転入力端子に入力され、それぞれの電圧比較器
は、サンプル期間に保持したアナログ入力信号Vifと比
較する。
【0090】例えば、オフセット電圧が存在して、Vif
>V2である(正のオフセット電圧)場合、第1の検出
回路列34を構成する電圧比較器2は、比較結果として
0レベルを出力し、第2の検出回路列35を構成する電
圧比較器2は、0レベルを出力する。V1>Vifである
(負のオフセット電圧)場合、第1の検出回路列34を
構成する電圧比較器2は、比較結果として1レベルを出
力し、第2の検出回路列35を構成する電圧比較器2
は、1レベルを出力する。また、オフセット電圧が存在
しない場合は、第1の検出回路列34を構成する電圧比
較器2は、比較結果として0レベルを出力し、第2の検
出回路列35を構成する電圧比較器2は、1レベルを出
力する。
【0091】以上にように、オフセット電圧検出回路3
2を電圧比較器2で構成される第1の検出回路列34と
第2の検出回路列35とで構成することにより、正のオ
フセット電圧が存在する場合は、検出結果としてオフセ
ット電圧検出信号33(00)を出力し、負のオフセッ
ト電圧が存在する場合は、検出結果としてオフセット電
圧検出信号33(11)を出力し、オフセット電圧が存
在しない場合は、検出結果としてオフセット電圧検出信
号33(10)あるいは(01)を出力するので、オフ
セット電圧の存在の有無と向きを知ることができる。
【0092】オフセット電圧検出回路32が出力するオ
フセット電圧検出信号33が(10)あるいは(01)
になるまで、上位参照電圧列変更回路4により上位参照
電圧列3を変更することにより、オフセット電圧を相殺
することができる。
【0093】以上のように本実施例における6ビット直
並列型A/D変換器によれば、オフセット電圧検出回路
32を設け、前記オフセット電圧検出回路32をそれぞ
れが1つの下位電圧比較器列16を構成する電圧比較器
2で構成される第1の検出回路列34と第2の検出回路
列35とで構成し、下位参照電圧列14の上限電圧より
1LSB高電位の電圧と下限電圧より1LSB低電位の
電圧とにより下位電圧比較器列16と同時に比較動作を
行わせることにより、オフセット電圧の存在の有無と向
きを知ることができるので、その情報に基づいて上位参
照電圧列3を変更することにより、オフセット電圧を相
殺し、ミスコードの発生しない、微分非直線性誤差の良
好な直並列型A/D変換器を実現できる。
【0094】なお、本実施例において、第1の検出回路
列34と第2の検出回路列35は、それぞれ1つの電圧
比較器2で構成されているが電圧比較器の数は任意であ
ることは言うまでもなく、第1の検出回路列34と第2
の検出回路列35をそれぞれいくつかの電圧比較器2で
構成することにより、オフセット電圧の大きさを知るこ
とができるので、より高速に補正することができる。第
1及び第2の参照電圧列選択回路36,37を構成する
スイッチSK1〜16はCMOSトランスファーゲート
としたが、任意のスイッチで構成することができること
は言うまでもない。
【0095】(実施例5)図7は、本発明の請求項7に
係わる第5の実施例における6ビット直並列型A/D変
換器の構成を示している。本実施例における6ビット直
並列型A/D変換器は、第4の実施例における6ビット
直並列型A/D変換器に制御回路38を加えた構成であ
って、制御回路38の入力端子は、オフセット電圧検出
回路32の出力端子に接続され、制御回路38の出力端
子は上位参照電圧列変更回路4の入力端子に接続されて
いる。
【0096】図8は制御回路38の構成を示している。
制御回路38はデータの加減算を行う加減算回路40と
データを保持するラッチ回路41とで構成されている。
ラッチ回路41の入力端子は、オフセット電圧検出回路
32の出力端子と加減算回路40の出力端子とに接続さ
れている。ラッチ回路41の出力端子は加減算回路40
の入力端子に接続されている。加減算回路40の出力端
子は制御回路38の出力端子となる。
【0097】次に動作について説明する。本実施例の6
ビットA/D変換器がアナログ入力信号5をディジタル
値に変換してA/D変換出力20を出力し、オフセット
電圧が存在する場合に前記オフセット電圧を相殺すると
いう動作は第1の実施例の場合と同じである。
【0098】以下、制御回路38の動作について説明す
る。図9は、本実施例における6ビット直並列型A/D
変換器の動作タイミング図を示したものである。ラッチ
回路41は、「下位比較期間1」から「サンプル期間
2」に遷移するときに、「下位比較期間1」終了までに
確定するオフセット電圧検出回路32から出力されるオ
フセット電圧検出信号33と、加減算回路40から出力
される「上位比較期間1」における上位参照電圧列3を
決定している制御信号39とを保持し、保持データを加
減算回路40の入力データとして加減算回路40に出力
する。加減算回路40は、「上位比較期間1」の間の上
位参照電圧列3を決定していた制御信号39からオフセ
ット電圧検出信号33を加減算して、「上位比較期間
2」の間の上位参照電圧列3を決定する制御信号39を
出力する。上位参照電圧列変更回路4は、「サンプル期
間2」の間に制御信号39に基づいて上位参照電圧列3
を決定する。
【0099】以上のように本実施例における6ビット直
並列型A/D変換器によれば、第4の実施例に加えて制
御回路39を設け、オフセット電圧検出信号32のオフ
セット電圧検出信号33に基づいて上位参照電圧列変更
回路4を制御することにより、オフセット電圧の自己補
正が可能な直並列型A/D変換器を実現できる。
【0100】なお、本実施例では、制御回路39を加減
算回路40とラッチ回路41とで構成したが、制御回路
39は、任意のディジタル論理回路で構成可能であるこ
とは言うまでもない。
【0101】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の直並列型A/D
変換器の構成によって、上位電圧比較器列と下位電圧比
較器列とが比較対象とするアナログ入力信号を保持する
ときにオフセット電圧が発生した場合でも、上位参照電
圧列変更回路により上位参照電圧列をオフセット電圧量
に応じて変更することで、オフセット電圧を相殺し、オ
フセット電圧によるミスコードの発生をなくし、微分非
直線性誤差の良好な、高精度で、高歩留まりを得ること
ができる優れた直並列型A/D変換器を実現できるもの
である。
【0102】本発明の請求項2記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、オフセット電圧が存在した場合で
も、上限電圧発生回路と下限電圧発生回路とがオフセッ
ト電圧量に応じて、上位参照電圧列発生抵抗列の両端に
印加される上位参照電圧列の上限電圧と下限電圧を変更
することで、前記上位参照電圧発生抵抗列が発生する上
位参照電圧列を変更して、オフセット電圧を相殺し、オ
フセット電圧によるミスコードの発生をなくし、微分非
直線性誤差の良好な、高精度で、高歩留まりを得ること
ができる優れた直並列型A/D変換器を実現できるもの
である。
【0103】本発明の請求項3記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、オフセット電圧が存在した場合で
も、第1のD/A変換器は、前記オフセット電圧量に応
じたパルス信号列を上位参照電圧列の上限電圧に変換
し、第2のD/A変換器は、上位参照電圧列の下限電圧
を前記上限電圧との電圧差を保って出力するので、前記
上限電圧と前記下限電圧とを変更して、オフセット電圧
を相殺し、ミスコードの発生しない、微分非直線性誤差
の良好であり、なおかつ、従来の誤差補正手段を備えた
直並列型A/D変換器に比べて誤差補正に係わる回路規
模が小さくて済むので、チップ面積が小さく低コスト・
低電力でありながら、より広範な誤差補正が可能な、高
歩留まりを得ることができる優れた直並列型A/D変換
器を実現できる。
【0104】本発明の請求項4記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、オフセット電圧が存在した場合
に、上限電圧選択回路と下限電圧選択回路とが、それぞ
れ上下限電圧発生抵抗列が発生する電圧列から、オフセ
ット電圧量に応じて、上位参照電圧発生抵抗列の両端に
印加される上限電圧と下限電圧とを選択することで、前
記上位参照電圧列発生抵抗列が発生する上位参照電圧列
を変更して、オフセット電圧を相殺し、ミスコードの発
生しない、微分非直線性誤差が良好であり、なおかつ、
上位参照電圧列変更回路はいくつかの抵抗とスイッチ素
子で構成できるので、回路規模が小さく、チップ面積が
小さく低コスト・低電力でありながら、補正範囲が広
く、高歩留まりを得ることができる優れた直並列型A/
D変換器を実現できる。
【0105】本発明の請求項5記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、オフセット電圧検出回路の検出結
果に応じて、前記オフセット電圧検出回路がオフセット
電圧を検出しなくなるまで、上位参照電圧列変更回路に
より上位参照電圧列を変更させれば、オフセット電圧を
相殺することができるので、ミスコードの発生しない、
微分非直線性誤差の良好な優れた直並列型A/D変換器
を実現できる。
【0106】本発明の請求項6記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、下位電圧比較器列が変換対象とな
るアナログ電圧を保持したときの保持電圧が、前記変換
対象となるアナログ電圧に近い高電位の上位参照電圧よ
りも大きい場合、または前記変換対象となるアナログ電
圧に近い低電位の上位参照電圧よりも小さい場合は、前
記変換対象となるアナログ電圧と前記下位参照電圧列よ
りも高電位(低電位)の電圧列を参照電圧列とする第1
の検出回路列の比較結果と、前記変換対象となるアナロ
グ電圧と前記下位参照電圧列よりも低電位(高電位)の
電圧列を参照電圧列とする第2の検出回路列の比較結果
とによりオフセット電圧量を知ることができるので、高
速にオフセット電圧を相殺することができる優れた直並
列型A/D変換器を実現できる。
【0107】本発明の請求項7記載の直並列型A/D変
換器の構成によって、制御回路は、オフセット電圧検出
回路を構成する第1の検出回路列の比較結果と、第2の
検出回路列の比較結果とを演算して、オフセット電圧が
存在する場合には、前記オフセット電圧量に応じて、上
位参照電圧列変更回路の出力する上位参照電圧列を制御
するので、オフセット電圧の自己補正が可能な優れた直
並列型A/D変換器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す回路図
【図2】図1のA/D変換器の動作を説明するためのタ
イミング図
【図3】図1中の上位電圧比較器列1と下位電圧比較器
列16との間に発生したオフセット電圧による出力誤差
を補正する様子を説明するための図
【図4】本発明の第2の実施例における6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す回路図
【図5】本発明の第3の実施例における6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す回路図
【図6】本発明の第4の実施例における6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す回路図
【図7】本発明の第5の実施例における6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す回路図
【図8】図7中の制御回路34の構成を示す回路図
【図9】図7中のA/D変換器の動作を示すタイミング
【図10】従来の3ビット並列型A/D変換器の構成を
示す回路図
【図11】図10のA/D変換器のサンプリング動作を
説明するための図
【図12】図10のA/D変換器の入出力の関係を説明
するための図
【図13】従来のインバータチョッパ電圧比較器の構成
を示すの回路図
【図14】図13中の各スイッチのON状態とOFF状
態を示すタイミング図
【図15】図13中のインバータの静特性上のVa点を
説明するための図
【図16】図13中のインバータの電圧利得を説明する
ための図
【図17】従来の6ビット直並列型A/D変換器の構成
を示す回路図
【図18】図17中の上位電圧比較器列1と下位電圧比
較器列16との間のオフセット電圧の発生の様子を説明
するための図
【図19】図17のA/D変換器の出力誤差を説明する
ための図
【図20】従来の誤差補正手段を備えた6ビット直並列
型A/D変換器の構成を示す回路図
【図21】図20中の上位電圧比較器列1と下位電圧比
較器列16との間に発生したオフセット電圧による出力
誤差を補正する様子を説明するための図
【符号の説明】
1 上位電圧比較器列 2 電圧比較器 3 上位参照電圧列 4 上位参照電圧列変更回路 5 アナログ入力信号 6 上位比較結果 7 上位A/D変換出力 8 下位参照電圧列選択信号 9 上位論理回路 10,11 基準電圧 12 基準抵抗列 13 基準抵抗 14 下位参照電圧列 15 下位参照電圧列選択回路 16 下位電圧比較器列 17 下位比較結果 18 下位A/D変換出力 19 下位論理回路 20 A/D変換出力 21 演算回路 22 上位参照電圧列発生抵抗列 23 上位参照電圧列発生抵抗 24 上限電圧発生回路 25 下限電圧発生回路 26 第1のD/A変換器 27 第2のD/A変換器 28 上限電圧選択回路 29 下限電圧選択回路 30 上下限電圧発生抵抗列 31 選択回路 32 オフセット電圧検出回路 33 オフセット電圧検出信号 34 第1の検出回路列 35 第2の検出回路列 36 第1の参照電圧列選択回路 37 第2の参照電圧列選択回路 38 制御回路 39 制御信号 40 加減算回路 41 ラッチ回路 50 電圧比較器列 51 電圧比較器 52 論理回路 53 A/D変換出力 54 基準抵抗 55 基準抵抗列 56 第1のインバータ 57 第2のインバータ 58 第3のインバータ 59 インバータチョッパ電圧比較器 60 第1のオーバーレンジ電圧比較器列 61 第2のオーバーレンジ電圧比較器列 62 オーバーレンジ参照電圧列選択回路 63 オーバーレンジ下位論理回路 64 誤差補正演算回路 65 オーバーレンジ参照電圧列 66 第1のオーバーレンジ論理回路 67 第2のオーバーレンジ論理回路 68 オーバーレンジ信号 69 上位補正A/D変換出力 70 オーバーレンジ比較結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松澤 昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小西 博之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古谷 栄樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】時間と共に変化する変換対象となるアナロ
    グ電圧をディジタル値に変換するA/D変換器であっ
    て、 前記変換対象となるアナログ電圧を変換する領域を分割
    した上位参照電圧列と前記変換対象となるアナログ電圧
    とを比較する上位電圧比較器列と、 前記上位電圧比較器列の比較結果から、前記上位参照電
    圧列の内、前記変換対象となるアナログ電圧に近い高電
    位側の上位参照電圧と低電位側の上位参照電圧を求め
    て、前記高電位側の上位参照電圧と前記低電位側の上位
    参照電圧間を更に分割した下位参照電圧列と前記変換対
    象となるアナログ電圧とを比較する下位電圧比較器列
    と、 前記上位電圧比較器列からの比較結果を上位ビット・デ
    ータに変換する上位論理回路と、 前記下位電圧比較器列からの比較結果を下位ビット・デ
    ータに変換する下位論理回路と、 前記上位ビット・データと前記下位ビット・データとを
    データ演算してA/D変換後のデータを出力する演算回
    路と、 前記上位電圧比較器列が前記変換対象となるアナログ電
    圧を保持するときに発生した該変換対象となるアナログ
    電圧に加えられた第1の電圧と前記下位電圧比較器列が
    前記変換対象となるアナログ電圧を保持するときに発生
    した該変換対象となるアナログ電圧に加えられた第2の
    電圧との電圧差が存在した場合に、前記上位電圧比較器
    列の上位参照電圧間の電圧差を保ちながら各上位参照電
    圧を変化させ、前記電圧差を少なくする上位参照電圧列
    変更回路とを備えたことを特徴とする直並列型A/D変
    換器。
  2. 【請求項2】前記上位参照電圧列変更回路は、 前記上位参照電圧列の上限電圧と下限電圧の間を分割す
    るための上位参照電圧列発生抵抗列と、 前記上位参照電圧列発生抵抗列の一方の端子に与えられ
    ている前記上限電圧を変動させる上限電圧発生回路と、 前記上位参照電圧列発生抵抗列の他方の端子に与えられ
    ている前記下限電圧を前記上限電圧との電圧差を保って
    変動させる下限電圧発生回路とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の直並列型A/D変換器。
  3. 【請求項3】前記上限電圧発生回路はパルス信号列を電
    圧に変更する第1のD/A変換器であり、 前記下限電圧発生回路はパルス信号列を電圧に変換する
    第2のD/A変換器であること特徴とする請求項1記載
    の直並列型A/D変換器。
  4. 【請求項4】前記上位参照電圧列変更回路は、 前記変換対象となるアナログ電圧を変換する領域の上限
    電圧と下限電圧間を分割する上下限電圧発生抵抗列と前
    記上下限電圧発生抵抗列から発生されたそれぞれの電圧
    のうちいずれか一つの電圧を上位参照電圧列の上限電圧
    として選択して出力する上限電圧選択回路と、 前記上下限電圧発生抵抗列から発生されたそれぞれの電
    圧のうち前記上位参照参照電圧列の上限電圧との電圧差
    を保った電圧を前記上位参照電圧列の下限電圧として選
    択して出力する下限電圧選択回路と、請求項2記載の上
    位参照電圧列発生抵抗列とを備えたことを特徴とする請
    求項1記載の直並列型A/D変換器。
  5. 【請求項5】前記上位電圧比較器列が比較するときに発
    生した前記変換対象となるアナログ電圧に加えられた第
    1の電圧と前記下位電圧比較器列が比較するときに発生
    した前記変換対象となるアナログ電圧に加えられた第2
    の電圧との電圧差の存在を検出するオフセット電圧検出
    回路を備えていることを特徴とする請求項1記載の直並
    列型A/D変換器。
  6. 【請求項6】前記オフセット電圧検出回路は前記第2の
    電圧と同じ電圧を得るために下位電圧比較器列を構成す
    る少なくとも2つの電圧比較器列で構成されており、一
    方を第1の検出回路列とし、他方を第2の検出回路列と
    し、 前記第1の検出回路列が前記変換対象となるアナログ電
    圧と前記下位参照電圧列の上限電圧よりも高電位の参照
    電圧列とを比較する場合には、 前記第2の検出回路列は前記変換対象となるアナログ電
    圧と前記下位参照電圧列よりも低電位の参照電圧列とを
    比較し、 前記第1の検出回路列が前記変換対象となるアナログ電
    圧と前記下位参照電圧列よりも低電位の参照電圧列とを
    比較する場合には、 前記第2の比較回路列は前記変換対象となるアナログ電
    圧と前記下位参照電圧列よりも高電位の参照電圧列とを
    比較することを特徴とする請求項5記載の直並列型A/
    D変換器。
  7. 【請求項7】前記第1の検出回路列の比較結果と前記第
    2の検出回路列の比較結果とを演算し、演算結果より前
    記上位参照電圧列変更回路の出力する上位参照電圧列を
    制御する制御回路を備えたことを特徴とする請求項5記
    載の直並列型A/D変換器。
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