JP3956545B2 - A/d変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器に関し、特に変換速度に数十MHz以上の高速性が要求される高速A/D変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
アナログ信号を数十MHz以上の間隔でサンプリングし、高速にデジタル値に変換する高速A/D変換器は、ビデオ信号をA/D変換する用途などに用いられる。近年、携帯型のビデオ機器の小型化、軽量化の要求から、電池の小型化、軽量化が望まれ、このためビデオ機器を構成する回路技術としては、特に低消費電力化が注目されており、高速A/D変換器も例外ではない。
【0003】
高速A/D変換器は、従来フラッシュ変換方式と呼ばれる方式のA/D変換器が用いられる。このフラッシュ変換方式を実現するA/D変換器の一般的な構成を図11に示す。
【0004】
図11のフラッシュA/D変換器は、変換するビット数nに応じて2n −1個の比較器を持ち、各々の比較器において、アナログ入力電圧範囲(図11において+Vrと−Vrとの間)を2n 個の等しい抵抗で分圧した電圧を比較電圧とし、アナログ入力とこの比較電圧との大小判定を行うことによりA/D変換を実現する。フラッシュA/D変換器の消費電力は、比較器で消費される電力が殆どであり、比較器の個数を減らし、低消費電力化を実現する方式が種々実用化されている。
【0005】
2ステップフラッシュA/D変換器はその一例である。2ステップフラッシュA/D変換器は、フラッシュA/D変換器と同じ数の抵抗を使用し、1段階として、nビットの上位半分のビットを求め、次に上位ビットの結果から下位ビットを求めるべき抵抗分圧値を選び、比較器の比較電圧として下位ビットを求める方式である。因みに、図12には、4ビットの2ステップフラッシュA/D変換器の回路構成を示す。
【0006】
2ステップフラッシュA/D変換器では、nビットのA/D変換を実現するのに、2×(2n/2−1)個の比較器が必要となる。このため、フラッシュA/D変換器と比べて比較器の個数は、6ビットの場合で63個から14個に、8ビットの場合で255個から30個に各々低減可能であり、それに応じて低消費電力化が可能となる。
【0007】
このように比較器の個数を低減し、低消費電力化を実現する方法は効果的である。しかし、近年高速A/D変換器の電源電圧は5Vから3Vに移行するなどして、比較器そのものの低消費電力化が進んでいる。比較器の低消費電力化が進むと、比較電圧を生成する抵抗部での消費電力が無視できなくなってくるという問題が生じる。例えば、比較器やエンコーダ部など比較電圧生成用の抵抗以外で消費される電力と、比較電圧生成用の抵抗部で消費される電力との比率が3:1程度であるA/D変換器では、後者の電力は全体の25%程度に及ぶ。低電圧化などにより比較器の消費電力が更に減少すると、この比率は更に高くなると予想される。比較電圧生成用の抵抗部の消費電力を抑えるには、抵抗値の高抵抗化、抵抗端子間電圧の低電圧化などが考えられる。
【0008】
しかしながら、高抵抗化すると、その抵抗値と比較器の入力容量とで決まる時定数が大きくなり、比較電圧が収束する時間が長くなり、変換速度の低下を招く。また、抵抗端子間電圧の低電圧化は、電圧分解能の低下につながり、A/D変換器の変換精度を悪化させる為、好ましくない。
【0009】
2ステップフラッシュ変換方式と同様に、比較器の個数を減らした変換方式であるサブレンジング方式やパイプライン変換方式といった方式も、フラッシュ変換方式を基本として、2ステップ或いはそれ以上の段階に分けてA/D変換を実現する方式である為、この抵抗部分の低消費電力化は同じ問題を伴う。
【0010】
一方、比較電圧生成用の抵抗を必要としない高速A/D変換器の一例としては、特開平7−161942号公報に記載されるA/D変換器がある。
これは、図13に示す比較器を用いてフラッシュA/D変換器を実現するものであり、比較器51で用いられる2つのキャパシタ52,53の値を変えることにより、入力電圧と基準電圧との重みを変化させて比較する為、比較電圧生成用の抵抗がキャパシタの重みにより実現され、比較電圧生成用の抵抗を必要としない。基準電圧から流れる電流は、抵抗の場合定常的に流れるのに対し、キャパシタに流れる電流は過渡的である為、図13の比較器51を用いた構成のフラッシュA/D変換器では、抵抗部分に相当する消費電力は小さいことになる。
【0011】
しかしながら、図13のA/D変換器の構成では、フラッシュ変換方式である為、比較器51が2n −1個必要となり、比較器51での消費電力が大きいという問題が残る。
【0012】
比較電圧生成用の抵抗を必要としない高速A/D変換器の別の従来例としては、「A/Dコンバータ入門」(米山寿一著、オーム社)に記載される縦続比較方式のA/D変換器がある。このA/D変換器の6ビットの構成例を図14に示す。縦続比較方式は、最上位ビットを計算し、最上位ビットの値により、入力電圧から最上位ビットに相当するアナログ電圧を引くか0を引くかして、この値を次段の比較器に渡し、次のビットを求めていく変換方式である。
【0013】
図14の構成は、比較電圧生成用の抵抗も無く、比較器の個数も少ないが、アナログの減算回路を実現する為の演算増幅器が必要となる。高速の演算増幅器は一般に消費電力が大きい為、図14の構成でも消費電力は大きいと考えられる。
【0014】
以上のように、従来より種々のA/D変換器が提案されているが、今現在、比較器部分と抵抗部分の低消費電力化を同時に満たす高速A/D変換器は提案・実現されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、比較器部分と抵抗部分との低消費電力化を同時に実現し、他に電力増加を伴う回路要素を必要としない、低消費電力な高速A/D変換器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、請求項1記載のnビットのA/D変換器では、最上位ビット(nビット目)決定用のチョッパ型コンパレータは、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでアナログ信号をサンプリングし、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングでは、中間電圧をサンプリングして比較判定を行う。(n−1)ビット目以降を決定する(n−1)個のチョッパ型コンパレータは、少なくとも前記最上位ビット決定用のチョッパ型コンパレータと同じ構成の基本回路部を有する。
【0019】
(n−1)個のチョッパ型コンパレータのうち、(n−k)ビット目を決定するチョッパ型コンパレータは、前記基本回路部のキャパシタと一端が共通接続され、そのキャパシタに並列且つ20 から2(k-1) まで2進重み付けしたキャパシタ値を持つk個のキャパシタよりなるキャパシタ列を有し、該キャパシタ列の20 に重み付けされたキャパシタ値のキャパシタの他端はスイッチを介してアナログ入力電圧、プラス側基準電圧、マイナス側基準電圧にそれぞれ接続される一方、21 以上に重み付けされたキャパシタ値のキャパシタの他端は各々、スイッチを介してアナログ入力電圧、プラス側基準電圧、マイナス側基準電圧、中間電圧にそれぞれ接続される。そして、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでは前記キャパシタ及び前記キャパシタ列でアナログ信号をサンプリングする。また、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングでは、前記キャパシタは中間電圧をサンプリングし、前記キャパシタ列は、nから(n−k+1)ビットの判定結果によりプラス側、マイナス側の基準電圧又は中間電圧をサンプリングして、(n−k)ビット目を決定する。
【0020】
因みに周知ではあるが、チョッパ型コンパレータの「オートゼロタイミング」とは、アナログ信号のサンプリングに際し、当該コンパレータを構成するインバータの入出力がそのインバータのしきい値電圧にリセットされるタイミングを指し、「比較判定タイミング」とは、比較判定結果が決定するタイミングを指す。
【0021】
以上請求項1記載のA/D変換器によれば、変換ビット数nに等しいn個のチョッパ型コンパレータを用いて高速A/D変換器を具現化することができ、フラッシュ変換方式や2ステップフラッシュ変換方式のA/D変換器に比べて、比較器の個数や比較器部分の消費電力が低減できる。また、比較器電圧生成用の抵抗も必要としない為、抵抗部分の低消費電力化も同時に満たした構成となり、低消費電力な高速A/D変換器が実現できる。その他に電力増加を伴う回路要素も必要としない。
【0022】
また、請求項2記載のnビットのA/D変換器では、最上位ビット(nビット目)決定用のチョッパ型コンパレータは、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでアナログ信号をサンプリングし、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングでは、中間電圧をサンプリングして比較判定を行う。(n−1)ビット目以降を決定する(n−1)個のチョッパ型コンパレータは、少なくとも前記最上位ビット決定用のチョッパ型コンパレータと同じ構成の基本回路部を有する(以上は請求項1と同じ)。
【0023】
(n−1)個のチョッパ型コンパレータのうち、(n−k)ビット目を決定するチョッパ型コンパレータは、前記基本回路部のキャパシタと一端が共通接続される一方、他端がスイッチを介してアナログ入力電圧、プラス側基準電圧、マイナス側基準電圧にそれぞれ接続され、前記キャパシタに並列且つ20 から2(k-1) まで2進重み付けしたキャパシタ値を持つk個のキャパシタよりなるキャパシタ列を有する。そして、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでは前記キャパシタ及び前記キャパシタ列でアナログ信号をサンプリングする。また、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングでは、前記キャパシタは中間電圧をサンプリングし、前記キャパシタ列は、nから(n−k+1)ビットの判定結果によりプラス側又はマイナス側の基準電圧をサンプリングして、(n−k)ビット目を決定する。
【0024】
以上請求項2記載のA/D変換器によれば、請求項1と同様に、変換ビット数nに等しいn個のチョッパ型コンパレータを用いて高速A/D変換器を具現化することができ、フラッシュ変換方式や2ステップフラッシュ変換方式のA/D変換器に比べて、比較器の個数や比較器部分の消費電力が低減できる。また、比較器電圧生成用の抵抗も必要としない為、抵抗部分の低消費電力化も同時に満たした構成となり、低消費電力な高速A/D変換器が実現できる。その他に電力増加を伴う回路要素も必要としない。
【0025】
また、請求項3記載のA/D変換器において、チョッパ型コンパレータを駆動する為の2相クロックでは、オートゼロタイミングとなる期間よりも比較判定タイミングとなる期間の方が長いので、チョッパ型コンパレータを構成するインバータにおいてその入出力が短絡される時間が短くなり、結果として低消費電力化が可能となる。
【0026】
ここで、請求項4記載の通り、比較判定タイミングとなる期間をオートゼロタイミングとなる期間の3倍とするとよい。この場合、クロック周波数を2倍にするだけで、上記各タイミングを1:3の比率に変更することができ、簡単な構成で請求項3の発明が実現できる。
【0027】
また、請求項5記載のA/D変換器において、2進重み付けされたキャパシタ値を持つキャパシタに接続されるスイッチは、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きい程、スイッチのオン抵抗を小さく設定したので、時定数の増大が抑制される。それ故、サンプリングの収束時間の悪化が抑制され、サンプリングの高精度化を図ることができる。
【0028】
この場合、スイッチはMOSトランジスタで構成されるアナログスイッチであり、該アナログスイッチを構成するMOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタのキャパシタ値に応じて大きくし、オン抵抗を小さく設定するとよい(請求項6)。更に、MOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタに応じて2進重み付け値に設定するとよい(請求項7)。
【0029】
請求項8記載のA/D変換器では、チョッパ型コンパレータは1段以上のアンプを用いて構成されると共に、オートゼロタイミングで、入出力が短絡するアンプは、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きいものほど電流能力を高く設定したので、無駄な消費電力の増大を防止することができる。この場合、オートゼロタイミングで、入出力が短絡するCMOSインバータは、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きいものほどチャネル幅を大きくして電流能力を高く設定するとよい(請求項9)。
【0030】
請求項10記載のA/D変換器において、チョッパ型コンパレータは2段以上のCMOSインバータを用いて構成されると共に、該CMOSインバータは、ゲートを2分割又はそれ以上に分割して、たすき掛けにレイアウトしたので、各段のゲート酸化膜の厚さが相違しても、各々のインバータの特性のずれは最小限に抑えられる。その結果、A/D変換器の制度悪化が抑止できる。この場合、最初の2段のCMOSインバータのゲートを2分割又はそれ以上に分割して、たすき掛けにレイアウトするとよい(請求項11)。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に従い詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1には、本発明の第1の実施の形態として、請求項2記載のA/D変換器を具現化した4ビットのA/D変換器例を示す。
【0032】
図1のA/D変換器における端子は、アナログ信号を入力するアナログ入力端子、アナログ信号の入力電圧範囲を規定する為のプラス側及びマイナス側の基準電圧を入力する+Vr端子及び−Vr端子、プラス側及びマイナス側の基準電圧+Vr,−Vrの中間電圧を入力する中間電圧入力端子、更にA/D変換した結果を出力するD4〜D1の出力端子である。
【0033】
これら端子を入出力の端子として、最上位ビットである4ビット目の出力D4を求めるチョッパ型コンパレータ14は、図示したようにf1のタイミングでオンする2つのアナログスイッチと、f2のタイミングでオンするアナログスイッチと、キャパシタ21と、3つのCMOSインバータ22,23,24とから構成される。ここで、キャパシタ21の一端は、スイッチを介してアナログ入力端子及び中間電圧入力端子に各々接続され、他端はインバータ22に接続されている。インバータ22の入出力間はf1のタイミングで短絡される。なお、チョッパ型コンパレータ14の構成が基本回路部に相当する。
【0034】
また、3ビット目の出力D3を求めるチョッパ型コンパレータ13は、4ビット目のチョッパ型コンパレータ14に対して、チョッパ型コンパレータの基本回路部を構成するキャパシタ21と一端が共通接続され、他端がスイッチを介してアナログ入力端子及び+Vr,−Vr端子に各々接続された、20 =1の重み付けされたキャパシタ値を持つ1個のキャパシタ25が加わった構成である。なお図1では、便宜上、チョッパ型コンパレータ13,14について構成が重複する部分は同じ部材番号を付している(以下も同じ)。
【0035】
更に、2ビット目の出力D2を求めるチョッパ型コンパレータ12は、3ビット目のチョッパ型コンパレータ13に対して、チョッパ型コンパレータの基本回路部を構成するキャパシタ21と一端が共通接続され、他端がスイッチを介してアナログ入力端子、中間電圧入力端子、及び+Vr,−Vr端子に各々接続された、21 =2の重み付けされたキャパシタ値を持つ1個のキャパシタ26が加わった構成である。
【0036】
更に、1ビット目の出力D1を求めるチョッパ型コンパレータ11は、2ビット目のチョッパ型コンパレータ12に対して、チョッパ型コンパレータの基本回路部を構成するキャパシタ21と一端が共通接続され、他端がスイッチを介してアナログ入力端子、中間電圧入力端子、及び+Vr,−Vr端子に各々接続された、22 =4の重み付けされたキャパシタ値を持つ1個のキャパシタ27が加わった構成である。
【0037】
この場合、3ビット目以降のチョッパ型コンパレータ13,12,11のうち、3ビット目のチョッパ型コンパレータ13では、1個のキャパシタ25が「キャパシタ列」に相当し、2ビット目のチョッパ型コンパレータ12では、2個のキャパシタ25,26が「キャパシタ列」に相当し、1ビット目のチョッパ型コンパレータ11では、3個のキャパシタ25〜27が「キャパシタ列」に相当する。
【0038】
なお、図1において、f1,f2は、図4に示したように互いに1とならない非重複時間を持った2相クロックである。また、図1では、図を見易くする為に、P2,M2信号及びxm,ym,zm(m=2,3)信号の発生回路及びスイッチとの接続を図示していないが、図1とは別に図2及び図3に、P2,M2信号及びxm,ym,zm(m=2,3)信号の発生回路例を示す。つまり、図2に示すように、インバータ31と2つのAND回路32,33とからP2,M2信号の発生回路が構成されている。このとき、P2,M2信号は、出力ビットD4の値に基づき、
・D4=1ならf2のタイミングでP2=1,M2=0となり、
・D4=0ならf2のタイミングでP2=0,M2=1となる。
【0039】
更に、図3に示すように、EXOR回路34と、NOR回路35と、3つのAND回路36,37,38とからxm,ym,zm(m=2,3)信号の発生回路が構成されている。このとき、xm,ym,zm(m=2,3)は、D4の値により+Vr又は−Vrのどちらをサンプルするか決めると共に、Dmの値により+Vr又は−Vrをサンプルするか中間電圧をサンプルするかを決める信号である。より具体的には、xm,ym,zm(m=2,3)信号は、
・D4=1,Dm=1ならf2のタイミングでym=1となり、
・D4=1,Dm=0ならf2のタイミングでxm=1となり、
・D4=0,Dm=1ならf2のタイミングでxm=1となり、
・D4=0,Dm=0ならf2のタイミングでzm=1となる。
【0040】
次に、図1のように構成されたA/D変換器の動作について説明する。簡単の為、中間電圧入力端子に入力される電圧を0Vとして、この電圧を基準に説明する。
【0041】
図中Vx4に接続されたキャパシタ21は、f1のタイミングでインバータ22のしきい値電圧Vthを基準に入力電圧Vinをサンプリングするので、このキャパシタ21に蓄えられる電荷Q5f1は、
Q5f1=1(Vin−Vth) …(1)
となる。次に、f2のタイミングでキャパシタ21に蓄えられる電荷Q5f2を求めると、
Q5f2=1(0−Vx4) …(2)
となる。この間、キャパシタ21の電荷は保存されるので、式(1)=式(2)が成立し、
Vx4=−(Vin−Vth) …(3)
としてVx4が求められる。インバータ22は、このVx4がインバータのしきい値電圧Vthより大きいか小さいかを判定する。D4は、MSBに相当するアナログ電圧(0V)より入力電圧Vinが大きいか小さいかを判断した結果であるから、図1の構成でD4が求められる。図で表せば、図5のように入力電圧範囲−Vr〜+Vrの間で、入力電圧Vinと0V(D4の比較電圧)とを比較したことになる。
【0042】
このように、チョッパ型コンパレータは、f1のタイミングでインバータのしきい値電圧Vthを基準にサンプリングし、このしきい値Vthの影響を比較判定時に自動的にキャンセルするので、このf1のタイミングをオートゼロタイミングと呼ぶ。また、f2のタイミングでは、比較判定結果が決定するのでこのタイミングを比較判定タイミングと呼ぶ。
【0043】
次に、D3を求めるには、図5においてD4=1ならVr/2、D4=0なら−Vr/2を比較電圧として、この比較電圧と入力電圧Vinとを比較すれば良い。従って、先に述べたように、D4=1ならf2のタイミングでP2=1,M2=0となり、D4=0ならf2のタイミングでP2=0,M2=1となる信号によって+Vr又は−Vrをサンプルさせる。この動作を式で表せばf1の時、2つのキャパシタ21,25に蓄えられる電荷の和は、
1(Vin−Vth)+1(Vin−Vth)=2(Vin−Vth) …(4)
となり、f2のタイミングで2つのキャパシタ21,25に蓄えられる電荷の和は、
1(0−Vx3)+1{−(−1)D4Vr−Vx3}=−(−1)D4Vr−2Vx3 …(5)
となる。電荷保存則より式(4)と式(5)とは等しく、これからVx3を求めると、
Vx3=−{Vin−Vth+(−1)D4Vr/2}…(6)
を得る。式(6)は、図5においてD4=1ならVr/2、D4=0なら−Vr/2となる比較電圧と、入力電圧Vinとを比較することを示すので、D3はA/D変換の上位から2ビット目を求めたことになる。
【0044】
D2ビットについても同様に説明する。f1のタイミングで3つのキャパシタ21,25,26に蓄えられる電荷の和は、
1(Vin−Vth)+1(Vin−Vth)+2(Vin−Vth)=4(Vin−Vth) …(7)
となり、f2のタイミングで3つのキャパシタ21,25,26に蓄えられる電荷の和は、
1(0−Vx2)+1{−(−1)D4Vr−Vx2}+2(Vk−Vx2)…(8)
となる。但し、VkはD4=1,D3=1の時+Vr(y3=1)、D4=1,D3=0の時0(x3=1)、D4=0,D3=1の時0(x3=1)、D4=0,D3=0の時−Vr(z3=1)である。式(7)と式(8)とで電荷は保存され、Vx2を導くと、
Vx2=−{Vin−Vth+(−1)D4Vr/4−Vk/2}…(9)
を得る。式(9)は、図5におけるD2の比較電圧と入力電圧Vinとを比較することを示すので、D2はA/D変換の上位から3ビット目を求めたことになる。
【0045】
以下同様の考え方で、D1によりA/D変換の最下位ビット(上位から4ビット目)を求めることができ、図1の構成で4ビットのA/D変換器が実現できることが分かる。
【0046】
このように、図1の構成で各々のチョッパ型コンパレータは、前の出力ビットによりコンパレータのしきい値電圧が可変される構成となっており、しきい値を可変とする為の回路は、電荷再分配を動作原理とするスイッチトキャパシタ回路で定常電流を必要とせず低消費な回路である。従って、図1の構成で、主に電流を消費するのはチョッパ型コンパレータを構成するインバータのみであり、大幅な低消費電流化が実現できる。
【0047】
換言すれば、変換ビット数に等しい数のチョッパ型コンパレータを用いて縦続比較方式の高速A/D変換器を具現化することができ、フラッシュ変換方式や2ステップフラッシュ変換方式のA/D変換器に比べて、比較器の個数や比較器部分の消費電力が低減できる。また、比較器電圧生成用の抵抗も必要としない為、抵抗部分の低消費電力化も同時に満たした構成となり、低消費電力な高速A/D変換器が実現できる。更に、縦続比較方式の既存のA/D変換器と異なり、その他に電力増加を伴う回路要素を必要としない。
【0048】
(第2の実施の形態)
図6には、本発明の第2の実施の形態として、請求項3記載のA/D変換器を具体化した4ビットのA/D変換器例を示す。
【0049】
図6の構成では、第1の実施の形態における図1との相異点として、21 以上に重み付けされたキャパシタ値のキャパシタ26,27に接続されたスイッチのうち、中間電圧入力端子に接続されていたスイッチが省略されている。すなわち、図1のA/D変換器では、2ビット目及び1ビット目のチョッパ型コンパレータ12,11において、21 以上(2及び4)に重み付けされたキャパシタ値のキャパシタ26,27は、スイッチを介してアナログ入力端子、中間電圧入力端子、及びVr,−Vr端子に各々接続されていたのに対し、図6のA/D変換器では、同じくキャパシタ26,27がスイッチを介してアナログ入力端子、及びVr,−Vr端子に各々接続されている。また、この変更に伴い、スイッチの駆動法も図1の場合と異なる。
【0050】
図6の構成では、f1,f2は図1と同様の2相クロックであり、P2,M2も図1と同様、
・D4=1ならf2のタイミングでP2=1,M2=0となり、
・D4=0ならf2のタイミングでP2=0,M2=1となる信号である。
【0051】
また、vm,wm(m=2,3)は、出力ビットDmの値に基づき、
・Dm=1ならf2のタイミングでvm=1,wm=0となり、
・Dm=0ならf2のタイミングでvm=0,wm=1となる信号である。但し図6では、図を見易くする為にこれら信号の発生回路及びスイッチとの接続を図示していないが、P2,M2,vm,wm(m=2,3)の各信号の発生回路は上記第1の実施の形態と同様、図2で実現できる。
【0052】
次に、本構成のA/D変換器の動作について説明する。
上位2ビットを求める動作は、図1の構成と同じ為ここではその説明を省略し、上位から3ビット目のD2ビットを求める動作を説明する。
【0053】
f1のタイミングで、3つのキャパシタ21,25,26に蓄えられる電荷の和は、図1と同様式(7)で表わされる。これに対し、f2のタイミングで3つのキャパシタ21,25,26に蓄えられる電荷の和は、
1(0−Vx2)+2{−(−1)D4Vr−Vx2}+1{−(−1)D3Vr−Vx2} …(10)
となる。電荷保存則より式(7)と式(10)とは等しくなり、これからVx2を求めると、
Vx2=−{Vin−Vth+(−1)D4Vr/2+(−1)D3Vr/4}…(11)
を得る。式(11)は、図5におけるD2の比較電圧と入力電圧Vinとを比較することを示すので、D2はA/D変換の上位から3ビット目を求めたことになる。
【0054】
以下同様の考え方で、D1によりA/D変換の最下位ビット(上位から4ビット目)を求めることができ、図6の構成で4ビットのA/D変換器が実現できることが分かる。
【0055】
この図6の構成でも前述の図1と同様に、主に電流を消費するのはチョッパ型コンパレータを構成するインバータのみであり、大幅な低消費電流化が実現できる。
【0056】
ところで、図1の構成と図6の構成とを比較すると、図6の構成は、スイッチの数が少ない上に、そのスイッチを駆動するタイミングも必要としないので、各タイミングの生成回路もより簡単な回路となる。しかし、A/D変換器の変換精度を考えると、図1の構成の方が優れると考えられる。
【0057】
これについてもう少し説明する。図1及び図6の構成で、例えばキャパシタに加工ばらつきがあり、D2ビットを求めるチョッパ型コンパレータ12のキャパシタ列において、2の重み付けしたキャパシタ26のキャパシタ値が1.8の重みしかなく、+Vr又は−Vrをサンプルするキャパシタ25のキャパシタ値が1.1の重みを持ったとする。
【0058】
このとき、図5におけるD2の比較電圧Vr/4を実現する場合(D4=1,D3=0の場合)、図1の構成では、前述の式(9)から分かるように、1.1の重みのキャパシタ25で比較電圧が設定される。これに対し、図6の構成では、前述の式(11)から分かるように、1.8の重みのキャパシタ26に蓄えられる電荷から1.1の重みのキャパシタ25に蓄えられる電荷を引いた電荷により比較電圧が設定されるので、1.8−1.1=0.7の重みのキャパシタで実現したことと等価になるなど、図6の構成の方がA/D変換器の直線性誤差が悪化する可能性が高いと考えられる。
【0059】
従って、より精度が要求される場合は、多少回路規模が大きいかもしれないが、図1の構成が優れる。また、精度が要求されず、少しでも回路規模を削減したい場合は図6の構成が優れると考えられる。
【0060】
上記説明した2相クロックは、一般にデューティは等しくほぼ0.5ずつのクロックを用いるのが一般的である。これに対し、図7に示すように、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングを規定するf1のオン時間を短くし、その分f2のオン時間を長くした、f1’,f2’のような波形のクロックを用い、そのクロックで図1及び図6に示すA/D変換器を駆動することも可能である(請求項4)。この場合、チョッパ型コンパレータを構成するインバータ22の入出力が短絡される時間が短くなる。即ちインバータ22に貫通電流が流れる時間が短くなり、より一層の低消費電力化が可能となる。
【0061】
またこの場合、アナログ信号をサンプリングする時間も短くなる。アナログ信号をサンプリングする時間が短くなると、サンプリング期間中に変化するアナログ電圧も小さいことになる。図1及び図6の構成は、サンプリング期間中に同時に複数のキャパシタにアナログ信号をサンプリングする構成である為、上記の通りサンプリング時間が短く、変化するアナログ電圧が小さいと、サンプリングの精度が高まり、A/D変換器の変換精度が向上することが期待される。
【0062】
特に、比較判定タイミングを規定するf2のオン時間を、オートゼロタイミングを規定するf1のオン時間の3倍とすると(請求項5)、クロック周波数を2倍にするだけで、上記各タイミングのオン時間を1:3の比率に変更することができる。この場合、構成の煩雑化を招くことなく、各タイミングが変更できる。
【0063】
上で述べたように、図1及び図6の構成は、サンプリング期間中に同時に複数のキャパシタにアナログ信号をサンプリングする構成である。従って、各々のキャパシタにサンプリングされる電圧が異なると、A/D変換器の精度悪化につながることが考えられる。そこでその対策として、キャパシタ値の大きいキャパシタに接続されるスイッチのオン抵抗を小さくする(請求項6)。例えば1ビット目の出力D1を求めるチョッパ型コンパレータ11において、キャパシタ25→26→27の順に、それに接続されるスイッチのオン抵抗を小さくする。これにより、時定数の増大が防がれてサンプリングの収束時間の悪化が低減でき、サンプリングの高精度化が可能となる。
【0064】
また、スイッチがMOSトランジスタのアナログスイッチで構成される場合、MOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタのキャパシタ値に応じて設定してもよい(請求項7)。この場合、チャネル長を等しくすれば、オン抵抗は概ねチャネル幅に反比例するので、チャネル幅を大きくすることにより、オン抵抗の低減が可能となる。
【0065】
更に、MOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタのキャパシタ値に応じて2進重み付け値に設定してもよい(請求項8)。要するに、各キャパシタにサンプルされる電圧が、等しい時定数を持ってサンプルされると、アナログ入力への追従性が等しくなることから、全ての時定数が等しく設定されることが好ましい。このとき、MOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタに応じて2進重み付けすることにより、概ね時定数を等しくすることができる。
【0066】
なお、以上スイッチのオン抵抗に関する議論は、図8に示したサンプリング時の等価回路において、重み付けが4のキャパシタに接続されるスイッチのオン抵抗Ron4を、重み付けが1のキャパシタに接続されるスイッチのオン抵抗Ron1より小さく設定することであり、時定数を等しくするというのは、Ron4=Ron1/4に設定することを意味する。
【0067】
一方で、図1及び図6に示した構成では、各々チョッパ型コンパレータを3段のインバータ22,23,24を用いて構成している。この1段目のインバータ22は、オートゼロタイミングで入出力が短絡し、等価回路は図8のようになる。但し、図8では、CMOSトランジスタでインバータを構成している。
【0068】
図8において、キャパシタのインバータ入力側の電極は、インバータを構成するPチャネルMOSトランジスタ41、及びNチャネルMOSトランジスタ42により充放電されることになる。従って、接続されるキャパシタの総キャパシタ値が大きいと、CMOSトランジスタのゲート幅を大きくするなどして、電流能力を大きく設計することが必要になる。逆に、接続されるキャパシタの総キャパシタ値が小さい場合は、CMOSトランジスタの電流能力が大きいと、この時流れる貫通電流も大きくなり全体の消費電力も増大する為、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きいものほど電流能力を高く設定する。接続されるキャパシタのキャパシタ値が小さいものほど電流能力を低く設定することにより、無駄な消費電力増大を防止できる。この実施の形態は、請求項9,10記載の発明に相当する。なお、本実施の形態については、チョッパ型コンパレータを構成するアンプはインバータに限らず、差動アンプなどによって構成されるチョッパ型コンパレータにも当てはまる。
【0069】
次に、請求項11,12記載の発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1及び図6のA/D変換器では、各々チョッパ型コンパレータを3段のインバータ22,23,24を用いて構成している。この1段目のインバータ22に入力される電圧Vx4,Vx3,Vx2は、A/D変換器の動作説明の際に述べたように、式(3),式(6),式(9),式(11)で表わされる。
【0070】
例えば、最上位ビットD1を求めるチョッパ型コンパレータ14の1段目のインバータ22は、式(3)で与えられる電圧Vx4を入力し、このインバータ22のゲインをAとすると、
Vo41=−A・Vx4=A・(Vin−Vth)…(12)
で表わされる出力電圧Vo41を出力する。今、VinとVthとの差が非常に小さいと、インバータのゲインAがある程度大きくても、1段目の出力電圧Vo41も小さな値となる。この出力電圧Vo41は、1段目のインバータのしきい値電圧Vth近傍の電圧であり、2段目のインバータ23は、このインバータ23のしきい値電圧Vth2を基準に大小判定を行うので、VthとVth2が異なると誤判定を招くおそれがある。そこで、1段目のインバータ22と2段目のインバータ23とは、各々のしきい値電圧Vth,Vth2が等しくなるよう設計されることが重要となる。
【0071】
かかる場合、トランジスタサイズを等しく設計するなどして、インバータのしきい値電圧が等しくなるように設計しても、シリコン基板上にインバータをレイアウトした際、マスクずれや酸化膜厚の不均一性によって、2つのインバータの特性(しきい値電圧)がずれ、精度悪化を招くことが考えられる。
【0072】
この種の従来技術として、特開昭61−12117号公報で提案されるチョッパ型コンパレータでは、図15(a),(b)のように2つのインバータを等方向にレイアウトすることを提案している。しかしながら、図15(b)に示す1段目及び2段目のPチャネルトランジスタ部のC−C線断面が例えば図16のようになり、2つのインバータでゲート酸化膜の厚さが違ってくると、2つのインバータのしきい値電圧も異なるようになる。
【0073】
これに対し、例えば図9のように、2つのインバータを構成するPチャネルMOSトランジスタのゲートを2分割して、たすき掛けにレイアウトする。ここで、図9(a)のX部のレイアウトを同図(a)に示す。また、図9(b)のA−A線断面を図10(a)に示し、図9(b)のB−B線断面を図10(b)に示す。
【0074】
詳しくは、図9(b)に示されるように、1段目のPチャネルMOSトランジスタのゲートをQ1,Q2部に分割し、2段目のPチャネルMOSトランジスタのゲートをQ3,Q4部に分割する。
【0075】
この場合、前記図16の如く、ゲート酸化膜の厚さが相違することを考えると、図10(a),(b)に示されるように、1段目のPチャネルMOSトランジスタの2カ所のゲート酸化膜のうち、一方は薄く、他方は厚くなる。2段目のPチャネルMOSトランジスタも同様に、2カ所のゲート酸化膜のうち、一方は薄く、他方は厚くなる。つまり、各々のインバータのPチャネルMOSトランジスタは、膜厚の大きいトランジスタと膜厚の小さいトランジスタとの組み合わせからなるので、2つのインバータの特性が一致するようになる。酸化膜厚がより複雑に変わる場合でも、特性のずれは最小限に抑制されると考えられる。
【0076】
このように、最初の2段のCMOSインバータのゲートを2分割し、たすき掛けにレイアウトしたチョッパ型コンパレータを用いると、各段のインバータのしきい値電圧のずれが最小限に抑えられ、結果としてA/D変換器における変換精度の悪化防止が期待できる。なお、CMOSインバータのゲートを分割する場合、2分割に限らずそれ以上に分割してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における高速A/D変換器を示す図。
【図2】P2,M2信号の発生回路を示す図。
【図3】xm,ym,zm信号の発生回路を示す図。
【図4】2相クロックの動作を示すタイムチャート。
【図5】比較電圧設定の状態を示す図。
【図6】第2の実施の形態における高速A/D変換器を示す図。
【図7】2相クロックの動作を示すタイムチャート。
【図8】サンプリング時の等価回路を示す図。
【図9】CMOSインバータの回路図とPチャネルMOSトランジスタのレイアウト図。
【図10】PチャネルMOSトランジスタの断面図。
【図11】フラッシュA/D変換器を示す回路図。
【図12】2ステップフラッシュA/D変換器を示す回路図。
【図13】従来技術におけるA/D変換器の構成を示す回路図。
【図14】縦続比較方式のA/D変換器を示す回路図。
【図15】従来技術におけるCMOSインバータの回路図とレイアウト図。
【図16】従来技術におけるPチャネルMOSトランジスタの断面図。
【符号の説明】
11〜14…電圧比較手段としてのチョッパ型コンパレータ、21…キャパシタ、22〜24…CMOSインバータ、25〜27…キャパシタ。
Claims (11)
- アナログ信号と、該アナログ信号の入力電圧範囲を規定する為のプラス側及びマイナス側の基準電圧と、該プラス側及びマイナス側の基準電圧の中間電圧とを入力し、該アナログ信号をnビットのデジタル信号に変換するA/D変換器であって、
チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでアナログ信号をサンプリングし、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングで中間電圧をサンプリングして比較判定を行う最上位ビット(nビット目)決定用のチョッパ型コンパレータと、少なくとも前記最上位ビット決定用のチョッパ型コンパレータと同じ構成の基本回路部を有し、(n−1)ビット目以降を決定する(n−1)個のチョッパ型コンパレータとを具備し、
該(n−1)個のチョッパ型コンパレータのうち、(n−k)ビット目を決定するチョッパ型コンパレータは、
前記基本回路部のキャパシタと一端が共通接続され、そのキャパシタに並列且つ2 0 から2 (k-1) まで2進重み付けしたキャパシタ値を持つk個のキャパシタよりなるキャパシタ列を有し、該キャパシタ列の2 0 に重み付けされたキャパシタ値のキャパシタの他端はスイッチを介してアナログ入力電圧、プラス側基準電圧、マイナス側基準電圧にそれぞれ接続される一方、2 1 以上に重み付けされたキャパシタ値のキャパシタの他端は各々、スイッチを介してアナログ入力電圧、プラス側基準電圧、マイナス側基準電圧、中間電圧にそれぞれ接続され、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでは前記キャパシタ及び前記キャパシタ列でアナログ信号をサンプリングし、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングでは、前記キャパシタは中間電圧をサンプリングし、前記キャパシタ列は、nから(n−k+1)ビットの判定結果によりプラス側、マイナス側の基準電圧又は中間電圧をサンプリングして、(n−k)ビット目を決定するよう構成されたことを特徴とするA/D変換器。 - アナログ信号と、該アナログ信号の入力電圧範囲を規定する為のプラス側及びマイナス側の基準電圧と、該プラス側及びマイナス側の基準電圧の中間電圧とを入力し、該アナログ信号をnビットのデジタル信号に変換するA/D変換器であって、
チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでアナログ信号をサンプリングし、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングで中間電圧をサンプリングして比較判定を行う最上位ビット(nビット目)決定用のチョッパ型コンパレータと、少なくとも前記最上位ビット決定用のチョッパ型コンパレータと同じ構成の基本回路部を有し、(n−1)ビット目以降を決定する(n−1)個のチョッパ型コンパレータとを具備し、
該(n−1)個のチョッパ型コンパレータのうち、(n−k)ビット目を決定するチョッパ型コンパレータは、
前記基本回路部のキャパシタと一端が共通接続される一方、他端がスイッチを介してアナログ入力電圧、プラス側基準電圧、マイナス側基準電圧にそれぞれ接続され、前記キャパシタに並列且つ2 0 から2 (k-1) まで2進重み付けしたキャパシタ値を持つk個のキャパシタよりなるキャパシタ列を有し、チョッパ型コンパレータのオートゼロタイミングでは前記キャパシタ及び前記キャパシタ列でアナログ信号をサンプリングし、チョッパ型コンパレータの比較判定タイミングでは、前記キャパシタは中間電圧をサンプリングし、前記キャパシタ列は、nから(n−k+1)ビットの判定結果によりプラス側又はマイナス側の基準電圧をサンプリングして、(n−k)ビット目を決定するよう構成されたことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項1又は2記載のA/D変換器において、
オートゼロタイミングと比較判定タイミングとの2つのタイミングを決定し、チョッパ型コンパレータを駆動する為の2相クロックでは、オートゼロタイミングとなる期間よりも比較判定タイミングとなる期間の方が長いことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項3記載のA/D変換器において、
比較判定タイミングとなる期間をオートゼロタイミングとなる期間の3倍としたことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項1又は2記載のA/D変換器において、
2進重み付けされたキャパシタ値を持つキャパシタに接続されるスイッチは、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きい程、スイッチのオン抵抗を小さく設定したことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項5記載のA/D変換器において、
前記スイッチはMOSトランジスタで構成されるアナログスイッチであり、該アナログスイッチを構成するMOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタのキャパシタ値に応じて大きくし、オン抵抗を小さく設定したことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項6記載のA/D変換器において、
MOSトランジスタのチャネル幅を、接続されるキャパシタに応じて2進重み付け値に設定したことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項1又は2記載のA/D変換器において、
チョッパ型コンパレータは1段以上のアンプを用いて構成されると共に、オートゼロタイミングで、入出力が短絡するアンプは、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きいものほど電流能力を高く設定したことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項8記載のA/D変換器において、
チョッパ型コンパレータを構成するアンプはCMOSインバータであり、オートゼロタイミングで、入出力が短絡するCMOSインバータは、接続されるキャパシタのキャパシタ値が大きいものほどチャネル幅を大きくして電流能力を高く設定したことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項1又は2記載のA/D変換器において、
チョッパ型コンパレータは2段以上のCMOSインバータを用いて構成されると共に、該CMOSインバータは、ゲートを2分割又はそれ以上に分割して、たすき掛けにレイアウトしたことを特徴とするA/D変換器。 - 請求項10記載のA/D変換器において、
最初の2段のCMOSインバータのゲートを2分割又はそれ以上に分割して、たすき掛けにレイアウトしたことを特徴とするA/D変換器。
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