JPH09157583A - 非発泡性被覆形成用ウレタン系樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

非発泡性被覆形成用ウレタン系樹脂組成物及びその用途

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JPH09157583A
JPH09157583A JP7314239A JP31423995A JPH09157583A JP H09157583 A JPH09157583 A JP H09157583A JP 7314239 A JP7314239 A JP 7314239A JP 31423995 A JP31423995 A JP 31423995A JP H09157583 A JPH09157583 A JP H09157583A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分の存在下においても発泡することなく急
速に硬化して高強度でち密なウレタン系樹脂被覆を形成
しうる漏水防止材、岩盤補強材等として好適なウレタン
系樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)ポリイソシアネート、(B)ポリ
オール、(C)架橋剤及び(D)吸水性ゼオライトを含
有する非発泡性被覆形成用ウレタン系樹脂組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の存在下におい
ても発泡することなく急速に硬化して、高強度でち密な
被覆を形成しうる新規なウレタン系樹脂組成物及びその
用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、トンネルのライニング方法と
しては、掘削したトンネル内の露出壁面に、吹付けコン
クリートで一次覆工を施し、次いでこの上に二次覆工を
打設する、トンネル覆工方法が最もすぐれた方法とし
て、多くの場所に施工されている。
【0003】しかしながら、この吹付けコンクリートの
施工においては、所定の初期圧縮強度を得る必要上、急
結剤を加えたり、また水分を少なくしなければならない
が、このような組成のコンクリートを用いると、岩盤へ
の吸着力が低下するのを免れず、はね返りや粉塵となる
割合が大きくなる結果、通常は必要量の3倍もしくはそ
れ以上のロスを生じる。
【0004】また、この工法では、一次覆工と二次覆工
のコンクリート面が密着しているため、周囲の岩盤圧に
より一次覆工のコンクリート部分にクラックを生じる
と、二次覆工のコンクリート部分にも同時にクラックが
入り、漏水や破損の原因になるため、一次覆工面と二次
覆工面の間に、防水及び縁切り用として防水シートを施
さなければならなかった(特開昭61−1709号公
報)。
【0005】このようなコンクリートによる一次覆工の
欠点を改善するために、最近、不飽和ポリエステル系樹
脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂のような硬質合成
樹脂による一次覆工を行う方法が提案されている(特開
平6−41720号公報、特開平7−97896号公
報)。
【0006】そして、これらの硬質合成樹脂の中で、不
飽和ポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂は原料費が高
く、大量に使用しなければならないトンネル覆工工事に
は経済的に不利であることから、最近では比較的に安価
に入手しうるウレタン系樹脂を用いる方法が注目されて
いる。
【0007】しかしながら、トンネルを掘削した場合に
露出する岩盤は通常、地下水などにより漏れた状態或い
は湿潤状態にあるが、ウレタン系状態組成物の1成分と
して用いられるポリイソシアネートは、水分が存在する
と、これと反応して二酸化炭素を発生し、発泡体を形成
するため、強度が低下し、一次覆工材として十分な強度
を発揮できないという欠点があり、これが実用化をはば
む1つの重大な理由となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被覆形成用
ウレタン系樹脂組成物について、水分の存在下において
も発泡することなく、急速に硬化して高強度でち密なウ
レタン系樹脂被覆を形成しうるように改良することを目
的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水の存在
下においても発泡しない被覆形成用ウレタン系樹脂組成
物を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、ポリイソ
シアネート、ポリオール及び架橋剤から成る硬質ウレタ
ン樹脂組成物に、有効量の吸水性ゼオライトを配合する
ことにより、その目的を達成しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)ポリイソシア
ネート、(B)ポリオール、(C)架橋剤及び(D)吸
水性ゼオライトを含有することを特徴とする非発泡性被
覆形成用ウレタン系樹脂組成物及びその用途すなわちそ
れを有効成分とした漏水防止材、岩盤補強材を提供する
ものである。また、本発明組成物を用いれば、掘削した
トンネル内の湿潤岩盤部分に、これを直接施して非発泡
性硬化被覆を形成させたのち、この上にコンクリート覆
工を行うことにより、簡単にトンネル覆工を行うことが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明組成物における(A)成分
ないし(C)成分、すなわちポリイソシアネート、ポリ
オール及び架橋剤は、これまでトンネル一次覆工用ウレ
タン系樹脂材料として用いられていたものの中から任意
に選んで用いることができる。
【0012】このようなポリイソシアネートとしては、
例えばp‐フェニレンジイソシアネート、2,4‐トル
エンジイソシアネート、2,6‐トルエンジイソシアネ
ート、1,5‐ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルジイソ
シアネート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、3,3′‐ジメチル‐4,4′‐ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、3,3′‐ジメトキシ‐4,4′
‐ビフェニレンジイソシアネート、3,3′‐ジクロロ
‐4,4′‐ビフェニレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネート、ポリメリックイソシアネートなどや、グ
リセリン、トリメチロールプロパンのようなポリヒドロ
キシ化合物とこれらのジイソシアネートとの付加物など
を挙げることができる。これらの中で特に好ましいのは
トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアネートのような芳
香族ポリイソシアネートである。これらのポリイソシア
ネートは単独で用いてもよいし、また2種以上混合して
用いてもよい。
【0013】また、ポリオールとしては、ポリオキシプ
ロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシ
エチレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、
ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレントリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエ
チレントリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレントリオールのような末端に
水酸基をもつポリエーテルや、フタル酸、アジピン酸、
マレイン酸のようなポリカルボン酸とエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトールのような多価アルコ
ールとから誘導される末端に水酸基をもつポリエステル
などを挙げることができる。これらのポリオールは単独
で用いてもよいし2種以上混合して用いてもよい。
【0014】次に、本発明組成物において(C)成分と
して用いる架橋剤は、硬化後に三次元網状構造を形成さ
せるために必要な成分であり、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールのような多価アルコ
ールと、アクリル酸、メタクリル酸のような不飽和カル
ボン酸とのエステルが用いられる。これらの架橋剤は単
独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
特に好ましい架橋剤は、グリセリントリメタクリレー
ト、グリセリンジメタクリレート及び日本油脂株式会社
からブレンマーGPとして市販されているグリセリント
リメタクリレートとグリセリンジメタクリレートと2‐
ヒドロキシ‐3‐クロロプロピルメタクリレートと2,
3‐エポキシプロピルメタクリレートとの混合物であ
る。
【0015】本発明組成物においては、ポリイソシアネ
ートをポリオールよりもやや過剰に、すなわちポリイソ
シアネート中のイソシアネート基とポリオール中の水酸
基との等量比NCO/OHが1.0〜1.5の範囲にな
る割合で用いるのが好ましい。これよりもポリイソシア
ネートの量が少ないと十分な強度の被覆が得られない
し、またこれよりもポリイソシアネートの量が多くなる
と副反応によるガスの発生量が多くなってち密性が低下
する傾向がある。
【0016】また、架橋剤の使用量としては、ポリイソ
シアネートとポリオールとの合計重量に基づき0.1〜
2.0重量%の範囲内で選ぶのが好ましい。これよりも
架橋剤の量が少ないと被覆の架橋度が不十分になり、十
分な機械的強度特に圧縮強度が得られないし、またこれ
よりも量を多くしても、架橋度は向上しないので不経済
である。
【0017】本発明組成物においては、前記のウレタン
系樹脂を形成させるための成分とともに、吸水性ゼオラ
イトを含有させることが必要である。ゼオライトは一般
式 x(M2,M′)O・Al23・ySiO2・zH2O (式中のMは一価の金属イオン又はアンモニウムイオ
ン、M′は二価の金属イオン、0<x≦4、2≦y≦1
2、zはx、yに比べて大きい数)で表わされる結晶性
含水アルミノケイ酸塩であり、種々の組成や結晶構造を
もつものが合成されている。
【0018】本発明組成物においては、例えばゼオライ
トA、ゼオライトXの中で、細孔径3〜10Åをもつも
の、すなわち3A、4A、5A、10X、13Xが用い
られる。これらは粉末状で23〜34kg/100kg
MSの水平衡吸着容量を示す。特に好適なのは、東ソー
株式会社からゼオラム(登録商標)として市販されてい
る合成ゼオライトである。このものは、モレキュラーシ
ーブの1種であって、その結晶は、内部に数億個の空孔
があり、それらは一定の大きさの通路で連結しており、
その中のゼオラムF−9型を例に取ると比表面積は約1
000m2/gであり、またゼオラムA−4型は約22
%の水吸着率を示す。これらの吸水性ゼオライトは単独
で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。さ
らにその他の吸水剤例えばシリカゲル、活性アルミナ、
活性炭などと組み合わせて用いることもできる。
【0019】本発明組成物においては、この吸水性ゼオ
ライトを組成物全重量に基づき5〜30重量%の割合で
配合するのが好ましい。これよりも少ない量では、十分
な水分吸着能力が得られず、発泡を完全に抑制すること
ができないし、またこれよりも量が多くなると、形成さ
れた被覆の機械的強度が低下するので好ましくない。
【0020】ポリイソシアネートとポリオールとの反応
は、酸触媒又はアミン触媒により促進されるので、本発
明組成物中には、通常、これらの触媒が添加される。こ
の際用いられる酸触媒の代表的なものは、ブタジエンス
ルホンや塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸のような無機酸又
はそれらのエステル、p‐トルエンスルホン酸であり、
アミン触媒の代表的なものはN‐メチルモルホリン、ジ
メチルエタノールアミン、ジエチルシクロヘキシルアミ
ン、トリエチルアミン、N,N‐ジメチルベンジルアミ
ン、N,N‐ジメチルラウリルアミン、トリエチレンジ
アミン、ヘキサメチレンテトラミンなどである。これら
の触媒は単独で用いてもよいし、また2種以上混合して
用いてもよい。
【0021】これらは、組成物中の樹脂成分、すなわち
ポリイソシアネートとポリオールと架橋剤との合計重量
に基づき0.1〜2.0重量%の割合で添加される。
【0022】本発明組成物には、前記した各成分に加
え、さらに所望に応じその他の樹脂例えばアクリル樹
脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、アル
キド樹脂、メラミン樹脂、ABS樹脂、エチレン‐酢酸
ビニル共重合体などを、硬化性樹脂の硬化特性がそこな
われない範囲の割合で配合することができる。また、充
てん剤例えば金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、カー
ボン、金属粉、沈降性炭酸カルシウム、ベントナイト、
重質炭酸ナトリウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸
アルミニウム、タルク、カオリン、酸化マグネシウムな
どを適宜配合することもできる。そのほか慣用されてい
る添加剤、例えば硬化促進剤、安定化剤などを添加する
こともできる。
【0023】本発明組成物は、通常、ポリイソシアネー
トと、それ以外の成分すなわちポリオール、架橋剤、吸
水性ゼオライト及び他の所望成分の混合物との2液に分
けて保存され、使用に際して両者を混合し、所要の個所
に注入又は吹き付けて施される。
【0024】このようにすると、注入の場合30〜60
秒程度、吹き付けの場合2〜5秒程度で固化し、無発泡
状の硬質ウレタン樹脂が形成される。この反応は湿潤状
態や水中においても迅速に進行し、樹脂中に起泡を生じ
ることなく固化する。このようにして、約1時間経過後
において200kgf/cm2以上、2時間経過後にお
いて500kgf/cm2以上の圧縮強度を示す、機械
的強度の優れた硬質樹脂を与える。
【0025】したがって、本発明組成物は漏水防止材と
して好適であり、これを漏水個所に吹き付けると、水が
流れた状態においてもそれを閉塞し、迅速に上水するこ
とができる。また、トンネル内あるいは岩盤の法面の崩
壊しやすい個所に施すことにより、簡単に補強を行うこ
とができる。したがって、本発明組成物は、漏水防止材
及び岩盤補強材として好適である。
【0026】次に、本発明組成物を用いればトンネルの
覆工を簡単に行うことができる。すなわち、図1に示す
ように、トンネル内の岩盤露出壁面1に沿って円形状型
枠2を仮設し、岩盤壁面1と円形状枠外面3との間に形
成された空間内4に、所要の硬質ウレタン樹脂を形成す
るための本発明組成物を注入し、硬化させたのち、円形
状型枠2を取り除くことによって行うのが有利である。
この場合の円形状型枠の形状は、必ずしも図1に示すよ
うな断面が全円状のものでなくてもよく、下部が一部切
欠し、図2に示すような馬蹄形断面となったものでもよ
い。また、このような円形状型枠の仮設が困難な場合
は、上記の本発明組成物を岩盤壁面に直接吹き付けるこ
とによって一次覆工を行うこともできる。
【0027】次に、このようにして施した硬質ウレタン
樹脂による一次覆工の上に直接コンクリートを打設して
二次覆工を行う。この二次覆工は、従来のトンネル覆工
方法における場合と全く同じようにして行うことがで
き、この二次覆工のコンクリート厚は通常20〜50c
m程度である。
【0028】図2はこのように二次覆工までを施工した
後の構造を示す断面図であって、硬質プラスチック層5
の内面にコンクリート層6が施されている。
【0029】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0030】なお、各例で用いた成分は、以下のもので
ある。 (1)ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;
ビーエーエフエスジャパン株式会社製,登録商標名「ル
プラネート」M−20 (2)ポリエステルポリオールI;東邦理化工業株式会
社製,商品名「ファントール」FS−2 (3)ポリエステルポリオールII;同上,商品名「フ
ァントール」FS−4 (4)ポリエステルポリオールIII;同上,商品名
「ファントール」FS−6 (5)グリセリンメタクリレート系架橋剤;日本油脂株
式会社製,商品名「ブレンマー」GP (6)吸水性ゼオライトA−3;東ソー株式会社製,登
録商標名「ゼオラム」A−3 (7)吸水性ゼオライトA−4;同上,登録商標名「ゼ
オラム」A−4 (8)アミン系触媒;花王株式会社製,商品名「カオー
ライザーNo.1」
【0031】実施例1 ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート100重
量部に、ポリエステルポリオールI 40重量部とポリ
エステルポリオールIII 30重量部と、グリセリン
メタクリレート系架橋剤10重量部と吸水性ゼオライト
A−4 20重量部とアミン系触媒0.4重量部との混
合物を加えて、手早くかきまぜ、水を満たした平板状型
枠に流し込んだところ約20秒で完全に硬化した。この
ようにして形成された硬質ウレタン樹脂は目視により完
全に無発泡であることが認められ、その密度は1.20
g/cm3であった。また、この硬質ウレタン樹脂につ
いて、経時的に圧縮強さ及び曲げ強さを測定した結果を
表1に示す。
【0032】比較例1 吸水性ゼオライトA−4を用いないこと以外は全く実施
例1と同様にして硬質ウレタン樹脂を形成したところ約
10分間にわたって発泡しながら硬化した。得られた樹
脂は、目視により明らかに発泡状態にあることが認めら
れ、その密度は0.46g/cm3であった。このもの
について経時的に測定した圧縮強さ及び曲げ強さを表1
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 掘削中のトンネルの湿潤岩盤壁面に沿って円形状型枠を
仮設し、岩盤壁面と型枠との間に生じた空隙(平均厚さ
約5cm)に骨材砕石を詰め、型枠にバイブレーション
を取り付けた。このバイブレーションを作動させなが
ら、エアレスポンプを用いて、実施例1で用いたものと
同じ組成物を空隙に注入した。30分後に型枠を取り除
いたところ、砕石の間隙に無発泡の硬質ウレタン樹脂が
充てんした、つやのある壁面が得られた。
【0035】実施例3 ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート100重
量部と、あらかじめ調製したポリエステルポリオールI
30重量部、ポリエステルポリオールII 20重量
部、ポリエステルポリオールIII 20重量部、グリ
セリンメタクリレート系架橋剤10重量部、吸水性ゼオ
ライトA−3 20重量部及びアミン系触媒0.4重量
部の混合物とを二重ノズルスプレーガンで吹き付けなが
ら混合し、掘削中のトンネル内の壁面上の水が漏出して
いる部分に、無発泡硬質ウレタン樹脂層を形成させた。
吹付け後約3秒で漏水は完全に停止した。さらに同じよ
うにして壁面全体に被覆を施すことにより、一次覆工を
行うことができた。
【0036】実施例4 ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート100重
量部と、ポリエステルポリオールI 30重量部、ポリ
エステルポリオールII 20重量部、ポリエステルポ
リオールIII 20重量部、グリセリンメタクリレー
ト系架橋剤10重量部、吸水性ゼオライトA−3 20
重量部及びアミン系触媒0.3重量部の混合物を用い、
実施例2と同様にして、掘削中のトンネルの湿潤壁面に
一次覆工を施した。30分後型枠を取り除き、形成され
た無発泡硬質ウレタン樹脂層の上に直接コンクリートを
約20cmの厚さに打設し、30日間養生させた。この
間漏水及びコンクリートのひび割れは全く認められなか
った。
【0037】実施例5 山肌を削り取って建設した切り通し路面の山肌側の湿潤
した岩盤の露出法面に、スプレーガンを用いて実施例4
の一次覆工で用いたものと同じ組成物を厚さ約10mm
に吹き付けた。30秒後に無発泡硬質ウレタン樹脂の補
強面が形成され、崩落は完全に防止された。
【0038】
【発明の効果】本発明組成物は、水の存在下においても
発泡することなく迅速に硬化して、高強度でち密な被覆
を形成しうるので、漏水防止材、岩盤補強材として、あ
るいはトンネル覆工工事用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 円形状型枠を用いてトンネルの一次覆工する
場合を説明するための断面図。
【図2】 トンネル内に一次覆工及び二次覆工を施した
状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 岩盤露出壁面 2 円形状型枠 5 非発泡性硬化被覆層 6 コンクリート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 昌利 愛知県名古屋市天白区天白町八事裏山124 番地の6 (72)発明者 篠田 淳二 兵庫県尼崎市武庫之荘6丁目7番28号 (72)発明者 藤田 明 愛知県名古屋市天白区一ツ山2丁目30番

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリイソシアネート、(B)ポリ
    オール、(C)架橋剤及び(D)吸水性ゼオライトを含
    有することを特徴とする非発泡性被覆形成用ウレタン系
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイソシアネートとポリオールとの含
    有割合をそれらの中のイソシアナト基と水酸基との等量
    比イソシアナト基/水酸基が1.0〜1.5の範囲内に
    なるようにする請求項1記載の非発泡性被覆形成用ウレ
    タン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 架橋剤の含有量がポリイソシアネートと
    ポリオールとの合計重量に基づき1.0〜10.0重量
    %の範囲内にある請求項1又は2記載の非発泡性被覆形
    成用ウレタン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 吸水性ゼオライトの含有量が組成物全重
    量に基づき5〜30重量%の範囲内にある請求項1,2
    又は3記載の非発泡性被覆形成用ウレタン系樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の非発泡性被覆形成用ウレ
    タン系樹脂組成物を有効成分とする漏水防止材。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の非発泡性被覆形成用ウレ
    タン系樹脂組成物を有効成分とする岩盤補強材。
  7. 【請求項7】 掘削したトンネル内の湿潤岩盤部分に、
    請求項1記載の非発泡性被覆形成用ウレタン系樹脂組成
    物を直接施して、非発泡性硬化被覆を形成させたのち、
    この上にコンクリート覆工を行うことを特徴とするトン
    ネル覆工方法。
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