JP4995452B2 - 舗装材 - Google Patents
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Description
アスファルト舗装は最も多い舗装道路であり非常に優れたものである。更に、最近では、雨水によるハイドロプレーニング現象による事故、騒音問題等の観点から、透水性のアスファルト舗装が用いられてきている。
これは、使用するアスファルトを減らし、骨材間に空隙を持たせたものである。この空隙によって水を下方に浸透流下させ、且つ騒音の原因となる音波を低減する。しかし、この空隙のためどうしても構造が弱体化し、骨材が離脱、飛散しやすく舗装面の損傷が早い。
(a イソシアネート基の含有量が2〜12重量%である第1のイソシアネート化合物と、イソシアネート基の含有量が25〜40重量%である第2のイソシアネート化合物との混合物)、
更に舗装方法にあっては、請求項1記載の舗装材を、道路表面に存在する空隙に摺り切り充填する点にある。
ここでいう第1のイソシアネート化合物とは、イソシアネート基を2以上有するもので、通常は2つであるが、3つでもよい。4つ以上でも可能であるが、硬化物が硬くなる。また、通常は種々の重合度のプレポリマーの混合物であるため、1分子あたりのイソシアネート基の数としては2.0〜2.3程度が好適である。
第1のイソシアネート化合物のイソシアネート基含有量は、適度な柔軟性のある硬化物を得るために、2〜12重量%が好ましく、12重量%以上では硬化物が硬く、脆くなるので好ましくない。また、2重量%未満では、硬化速度が遅く硬化物の強度が低くなるので好ましくない。
また、第1および第2のイソシアネート化合物の混合物の全イソシアネート基の含有量は10〜25重量%が好適である。その理由は、10%未満では樹脂液が高粘度になったり、硬化後の樹脂が低強度になる問題があり、25%を超えると硬化後の樹脂のもろさが問題となるためである。
樹脂の混合液は、硬化速度(夏、冬用)の調節のため第3級アミンを含む硬化促進剤を添加するのがよく、樹脂の施工性向上のためには樹脂粘度調整用に酢酸エチルの添加、さらに樹脂の着色のために酸化鉄、ベンガラ、酸化チタンなどの顔料を添加することにより、多くの現実的な機能を保有することになる。これらを含む樹脂液は安定で取り扱い容易である。
本発明では、骨材としては、弾性骨材が好ましい。弾性骨材とは、ゴムやプラスチック製のもので変形回復性を有するものである。その固さは、軟質ウレタンや自動車のタイヤ程度が好適である。このような弾性骨材を使用することによって、舗装体全体が柔軟性を示すようになる。骨材のサイズは、通常の舗装用の樹脂モルタルのものと同じ程度でよい。例えば、0.1〜10mm程度である。
粉体のサイズは、0.01μ〜1mm程度であるが、芯材のサイズによってはより大きくてもよい。粉体のサイズはあくまでも、芯材との相対的な関係で定めればよい。
連続空隙とは空隙同士が繋がっていて封鎖されていないことを意味する。舗装体では、従って、水や空気などの流体を重力や圧力によって通過させることができる。連続空隙の空隙率は、成形体の重量と、成形体を水中に浸漬し、連続空隙内の気体を除去した時の水中重量を測定する方法、即ちアルキメデスの原理に基づく方法によって測定することができる。空隙率10〜40容積%が好適な理由は、10%未満では舗装材とした時の透水性が不十分であり、40%より高い値では舗装材の機械的強度が不足してくるからである。
骨材はウレタン樹脂の膜で被覆され、骨材同士が結合される。ウレタン樹脂は1液湿気硬化型であるため湿気により反応が進み、炭酸ガスを放出する。ガスは骨材表面の膜を通して空隙の中に放出されるが、連続空隙の無いような構造例えば、樹脂量比が多すぎると空隙ではなく閉鎖空間となり、発生ガスにより膨張する、即ち発泡することになる。当然、閉鎖空間も少ないような密粒状態ではさらに不適当である。
本発明のウレタン樹脂は、弾力性を示す。変形しても瞬時に回復し元の形に戻る。弾性のない樹脂(例えばエポキシ樹脂)は変形回復が遅く、衝撃による変化が繰り返し加わると遂には破壊に至る。
舗装材は骨材として表面加工ゴムチップ(粉体/樹脂コーティングしたもの)を例にとれば、加工ゴムチップ:ウレタン樹脂バインダー=100:20(重量部)で混合し、樹脂モルタルを調製する。ここで、樹脂バインダーは雰囲気や外部気象条件に合わせて硬化速度や可使時間の調節をしたり、施工性を改良するために添加剤を加えて調製しておく。
バインダー用ウレタン樹脂(第1のイソシアネート化合物と第2のイソシアネート化合物の混合物)100重量部に対し、1〜20重量部の硬化促進剤混合物を添加混合し、これを使用する。
混合物は、(1) 第3級アミンを必須成分とする組成物、(2) 酢酸エチル、及び (3)顔料からなるが、硬化促進の必要がない時には(1)、粘度調整不要の場合に は(2)、樹脂モルタルをさらに着色する必要がない時には(3)がそれぞれ不要となりうる。場合により、(1), (2), (3)から適宜選んで使用すればよい。
このような混合物を、硬化前(可使時間内)に塗布、敷設、施工、塗工等すればよい。
可使時間としては15〜30分程度で、舗装道路としての開放可能時間は1.5〜5時間程度が可能である。これは従来の類似の舗装材に比べて画期的な数値である。
摺り切り塗工する方法は、主として被施工面である透水性アスファルト舗装の間隙に充填はするが、原則としてアスファルトの表面以上には塗布しない方法である。よって、具体的な方法としては、均し具と摺り込み用具(機械装置も含む)によって間隙に塗工し、アスファルト舗装表面を超えて載っている樹脂モルタルを原則として除去することとなる。この方法では、舗装面の高さは実質的に変わらない。
(1) 樹脂の粘度を調整できるため、施工性が非常によい。
(2) 低温硬化性がよく、冬場でも寒冷地でも可能である。
(3) 対象とする舗装材は連続空隙を有する構造であるため、そのバインダー樹脂である1液湿気硬化型ウレタンの発泡問題は、薄膜からの脱泡により、ほぼ回避される。
(4) 本発明の塗布材を構成するウレタン組成物バインダーは、弾性骨材とのモルタルを形成した場合、強度に優れ、適度の柔軟性を有する。そのため、舗装材として表面塗工した場合、優れた耐久性と騒音低減、凍結抑制などの効果を発揮する。
樹脂例1
第1のイソシアネート化合物が87重量部、第2のイソシアネート化合物13重量部である。第1のイソシアネート化合物には、ポリエーテルポリオールとMDIとの反応物を採用した(イソシアネート基の含有量が7重量%)。また、第2のイソシアネート化合物には、MDIを採用した(イソシアネート基の含有量が30重量%)。なお、両イソシアネート化合物の混合物のイソシアネート含有量は10%であった。
第1のイソシアネート化合物(イソシアネート含有率11%)と第2のイソシアネート化合物(イソシアネート含有率38%)との重量比60:40混合物を調整し樹脂例4とした。混合物の全イソシアネート基の含有量は22重量%であった。
第1のイソシアネート化合物(イソシアネート含有率4%)と第2のイソシアネート化合物(イソシアネート含有率25%)との重量比50:50混合物を調整し樹脂例5とした。
第1のイソシアネート(樹脂例1と同じもの)のみのものを樹脂の比較例1とし、第2のイソシアネート(樹脂例1と同じもの)のみのものを樹脂の比較例2とした。更に、両方を含有するもので本発明外のものとして樹脂の比較例3を準備した。それは、第1のイソシアネート化合物(イソシアネート含有率16%)と、第2のイソシアネート化合物(イソシアネート含有率35%)との重量比75:25の混合物である。
また、樹脂の実施例においても、第1のイソシアネートと第2のイソシアネートの混合物のイソシアネート含有量が硬さに影響することが分かる。
(1) 樹脂:100重量部
(2) 骨材:500重量部
ゴムタイヤの破砕品(0.5〜2.5mm)に炭カル粉末を樹脂を用いて接着したものを用いた。
(3) 硬化促進剤:11重量部
第3アミン系硬化剤(5重量%)、酢酸エチル(93重量%)、顔料(酸化鉄:2重量%)の混合物を用いた。
まず、樹脂と硬化促進剤とを混合したのち、これを骨材と攪拌混合した。これで舗装材の完成である。
表2の強度と柔軟性のバランスは、舗装路としての強度を確保しつつ、柔軟性を充分有しているか否かで判断した。×は強度が不足するか、柔軟性が不足するかである。実施例においては、すべてバランスがよかった。
Claims (2)
- 下記aの1液湿気硬化型ウレタン組成物と骨材の混合物であり、該両者の混合物の硬化体が連続空隙を有し、該連続空隙の空隙率が10〜40容積%であり、該1液湿気硬化型ウレタン組成物の全イソシアネート基含有量が10〜25重量%であり、かつ該1液湿気硬化型ウレタン組成物の硬化物の引張強度が15〜40MPa、引張伸度が10〜100%であり、さらに、該骨材は弾性体を芯材とし、その周囲に粉体を固着したものであることを特徴とする舗装材、
a イソシアネート基の含有量が2〜12重量%である第1のイソシアネート化合物と、イソシアネート基の含有量が25〜40重量%である第2のイソシアネート化合物との混合物。 - 請求項1記載の舗装材を、道路表面に存在する空隙に摺り切り充填することを特徴とする道路の舗装方法。
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