JP2006111855A - 2液型硬化性組成物およびそれを用いた現場施工型弾性舗装材組成物 - Google Patents

2液型硬化性組成物およびそれを用いた現場施工型弾性舗装材組成物 Download PDF

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Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
Koichiro Miyoshi
剛一郎 三好
Shuichi Takeyama
秀一 武山
Hiromitsu Takahashi
弘光 高橋
Masato Kokusho
正人 国生
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Abstract

【課題】基盤との接着性に優れ、硬化速度が速く、可使時間が長い、弾性舗装材の樹脂バインダーとして好適に用いられる2液型硬化性組成物の提供。
【解決手段】芳香環に直接結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する第1液と、下記式(1)で表されるケトンおよび/または下記式(2)で表されるケトンと、ポリアミンとから得られる、ケチミン結合を有するケチミンを含有する第2液とを有し、前記ウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基に対する前記ケチミンの前記ケチミン結合のモル比が、0.01〜0.5である2液型硬化性組成物。
【化1】
Figure 2006111855

(式中、R1は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R2はメチル基またはエチル基を表す。R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、道路、公園、競技場等の路面の舗装に用いられる弾性舗装材、ならびに、それに用いられる2液型硬化性組成物および現場施工型弾性舗装材用組成物に関する。
従来、路面の舗装に用いられる弾性舗装材として、自動車の廃タイヤ等のゴム製品を粉砕したゴムチップ等の弾性骨材を樹脂バインダーで固結(固化)させたものが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
このような弾性骨材を含む弾性舗装材は、アスファルト舗装に比べて荷重に対する撓み量が大きく、衝撃吸収性および転倒時の安全性に優れた舗装路面が得られるため、歩道、競技場等で広く使用されている。また、車道に用いる場合には、弾力性、通気性および、吸音性による騒音低減効果に優れ、かつ、湿潤時のタイヤ滑りが生じにくい弾性舗装材の開発が期待されている。
この弾性舗装材は、大きく二つに分類される。第1に、あらかじめ工場で樹脂を硬化させて作製した一辺40〜50cmのタイル状のブロックを、路面に敷き詰めるタイプである。第2に、施工の現場で樹脂組成物を硬化させるタイプである。第1のタイプの弾性舗装材は、作業時間が短くて済むという利点があるが、カーブや凹凸のある路面において、隙間が生じるという問題を有している。これに対し、第2のタイプの弾性舗装材は、現場施工型弾性舗装材と呼ばれ、カーブや凹凸のある路面においても隙間を生じさせることなく施工することができるので、現在、開発が進んでいる。
この現場施工型弾性舗装材に用いられる樹脂バインダーとしては、ウレタンプレポリマーを用いた1液型湿気硬化性組成物が汎用されている。
しかしながら、ウレタンプレポリマーを用いた1液型湿気硬化性組成物は、一般に、完全に硬化するまでには時間がかかり、道路の通行止めの時間を短くするために、施工時間の短縮化が要求される車道等の舗装には問題があった。また、基盤との接着性、耐薬品性等の耐久性が不十分であるという欠点も有していた。
例えば、特許文献4には、(1)有機骨材及び無機骨材からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び(2)(A)分子内に第三級炭素原子に結合したイソシアネート(NCO)基を少なくとも2個有するウレタンプレポリマーと、(B)ケトン又はアルデヒドとアミンとから導かれるケチミン結合(C=N)を有し、該ケチミン炭素原子及び該ケチミン窒素原子の少なくとも一方のα位炭素原子に、分岐炭素原子又は環員炭素原子が結合したケチミンとを含有する一液型湿気硬化性樹脂組成物を含む弾性舗装材用組成物が記載されている。この弾性舗装材用組成物は、硬化速度と貯蔵安定性のバランスの向上を目的としたものであるが、1液型であるので、硬化速度の向上には限界があった。
一方、特許文献5には、ゴムチップ、湿気硬化型ポリウレタン樹脂、アミン系触媒または有機金属化合物系触媒、および、ケチミン等の水と反応してアミンを生成する化合物とを含有することを特徴とする現場施工型弾性舗装材が記載されている。
この現場施工型弾性舗装材は、従来の1液型湿気硬化性組成物を用いた弾性舗装材よりも硬化時間が短いが、湿気硬化型ポリウレタン樹脂とケチミン等とを混合させた後の組成物の安定性が悪く、短時間で粘度が上昇してしまう。即ち、可使時間が短い。したがって、一度に大量に混合しておくことができないため、作業性が悪いという問題を有していた。
特許第2789805号公報 特開2001−49606号公報 特開平10−325104号公報 特開2002−265551号公報 特開2001−164108号公報
したがって、本発明は、基盤との接着性に優れ、硬化速度が速く、可使時間が長い、弾性舗装材の樹脂バインダーとして好適に用いられる2液型硬化性組成物、および、それを用いた現場施工型弾性舗装材組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、ウレタンプレポリマーを用いた2液型硬化性組成物について鋭意研究した結果、特定のウレタンプレポリマーを用い、かつ、特定のケチミンを特定量、硬化剤として用いることにより、基盤との接着性を優れたものとし、かつ、トレードオフの関係にある硬化速度と可使時間とをいずれも実用的な範囲にすることができることが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(i)〜(viii)を提供する。
(i)芳香環に直接結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する第1液と、
下記式(1)で表されるケトンおよび/または下記式(2)で表されるケトンと、ポリアミンとから得られる、ケチミン結合を有するケチミンを含有する第2液と
を有し、
前記ウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基に対する前記ケチミンの前記ケチミン結合のモル比が、0.01〜0.5である2液型硬化性組成物。
Figure 2006111855

(式中、R1は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R2はメチル基またはエチル基を表す。R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
(ii)更に、液状芳香族ポリアミンを含有する上記(i)に記載の2液型硬化性組成物。
(iii)更に、塩基性触媒を含有する上記(i)または(ii)に記載の2液型硬化性組成物。
(iv)前記塩基性触媒が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである上記(iii)に記載の2液型硬化性組成物。
(v)前記塩基性触媒がイミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合物である上記(iii)に記載の2液型硬化性組成物。
(vi)前記イミダゾール化合物が1−メチルイミダゾールであり、前記モルホリン化合物がジモルホリノジエチルエーテルである上記(v)に記載の2液型硬化性組成物。
(vii)上記(i)〜(vi)のいずれかに記載の2液型硬化性組成物と、
有機骨材および/または無機骨材と
を含有する現場施工型弾性舗装材用組成物。
(viii)上記(vii)に記載の現場施工型弾性舗装材用組成物を固化させてなる弾性舗装材。
本発明の2液型硬化性組成物は、硬化速度と可使時間とのバランスに優れ、かつ、基盤との接着性に優れる。したがって、本発明の2液型硬化性組成物を樹脂バインダーとして用いた本発明の現場施工型弾性舗装材用組成物は、施工時の作業性に優れる。また、本発明の現場施工型弾性舗装材用組成物を固化させてなる弾性舗装材は、基盤との接着性が高く、耐久性に優れる。
以下に、本発明を詳細に説明する。初めに、本発明の2液型硬化性組成物について説明する。
本発明の2液型硬化性組成物は、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する第1液と、上記式(1)で表されるケトンおよび/または上記式(2)で表されるケトンと、ポリアミンとから得られる、ケチミン結合を有するケチミンを含有する第2液とを有する。
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、上述したように、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有する。このようなウレタンプレポリマーを用いることにより、本発明の弾性舗装材の強度が優れたものになる。
芳香環は、特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環が好適に挙げられる。
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、製造方法を特に限定されないが、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、ヒドロキシ基の量に対するイソシアネート基の量が過剰になるように反応させて得ることができる。
芳香環に直接結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートが挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げられる。
具体的には、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加して得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイドが好適に例示される。
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールから選ばれる少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸その他の低分子カルボン酸またはオリゴマー酸から選ばれる少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体が好適に例示される。
その他のポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが好適に例示される。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを得る際のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合の割合は、通常、ポリオール化合物のヒドロキシ基1当量あたり、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が1.2〜10当量であるのが好ましく、1.5〜5当量であるのがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造は、所定量比の両化合物を混合し、通常、30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱かくはんすることによって行うことができる。
本発明においては、ウレタンプレポリマーを2種以上併用することもできる。
また、本発明の目的を損わない範囲で、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しないウレタンプレポリマーを少量併用することもできる。そのようなウレタンプレポリマーは、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しないポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、ヒドロキシ基の量に対するイソシアネート基の量が過剰になるように反応させて得ることができる。
芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しないポリイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネート;これらの変性品が挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられるケチミンは、下記式(1)で表されるケトンおよび/または下記式(2)で表されるケトンと、ポリアミンとから得られ、ケチミン結合(N=C)を有する。
Figure 2006111855
式中、R1は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R2はメチル基またはエチル基を表す。R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
上記式(1)で表されるケトンは、ケチミン化された際にケチミン結合を構成する炭素原子(ケチミン炭素原子)の隣の炭素原子の一方が、2個または3個の置換基を有しており、いわば分岐炭素原子となっている。上記式(1)で表されるケトンは、このようにケチミン炭素原子が、嵩高い基とメチル基とを有するため、ケチミンを後述する使用量で用いたときに、硬化性と可使時間とがいずれも好適範囲になる。
また、上記式(2)で表されるケトンは、ケチミン炭素原子の両隣の炭素原子が、いずれも分岐炭素原子ではないが、いずれも炭素原子数1〜6のアルキル基と結合している。上記式(2)で表されるケトンは、このようにケチミン炭素原子が2個の炭素原子数2〜7のアルキル基を有するため、ケチミンを後述する使用量で用いたときに、硬化性と可使時間とがいずれも好適範囲になる。
これに対し、ケチミン炭素原子に分岐炭素原子でない炭素原子と、メチル基とが結合している場合(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン)には、反応性が高すぎるため可使時間が短くなり、実用的でない。
上記式(1)で表されるケトンとしては、例えば、メチルt−ブチルケトン(MTBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルシクロヘキシルケトンが挙げられる。
上記式(2)で表されるケトンとしては、例えば、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトンが挙げられる。
ポリアミンは、特に限定されず、例えば、メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、デュポン・ジャパン社製のMPMD、メタキシリレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、3−ブトキシイソプロピルアミン等の主鎖にエーテル結合を有するモノアミンや、サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン等の脂環式ポリアミン;三井化学社製のNBDAに代表されるノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、ポリプロピレングリコール(PPG)を骨格に持つサンテクノケミカル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD400等が具体例として挙げられる。
中でも、アミノ基が芳香環に直結しないポリアミン、即ち、脂肪族ポリアミンが、加水分解後のアミンの活性が高く、硬化が速い点で好ましい。例えば、メタキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、PPG骨格のポリアミン(サンテクノケミカル社のジェファーミンシリーズ)、ポリアミドアミンが挙げられる。中でも、ノルボルナン骨格のジアミンが好適に例示される。
上述したケトンとポリアミンとを適宜組み合わせて、ケチミンを得ることができる。好適なケチミンとしては、ノルボルナンジアミンとメチルイソプロピルケトンとから得られる下記式(3)で表されるケチミン、メタキシリレンジアミンとメチルイソプロピルケトンとから得られる下記式(4)で表されるケチミン、メタキシリレンジアミンとジエチルケトンとから得られる下記式(5)で表されるケチミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとメチルイソプロピルケトンとから得られるケチミンが挙げられる。
Figure 2006111855
ケチミンは、例えば、ケトンとポリアミンとを無溶媒下、または、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒存在下、加熱還流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら反応させることにより得ることができる。
本発明の2液型硬化性組成物は、上述したケチミンを含有することにより、優れた硬化性を発揮する。ここで、ケチミンは、加水分解によりアミンを生じてイソシアネート基と反応するという硬化剤としての機能を発揮するとともに、イソシアネート基と水との反応の触媒としての機能を発揮すると考えられる。
本発明の2液型硬化性組成物は、上述した特定のウレタンプレポリマーを含有する第1液と、上述した特定のケチミンを含有する第2液とを有する。
本発明の2液型硬化性組成物において、第1液と第2液との混合比は、第1液に含有されるウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)に対する第2液に含有されるケチミンのケチミン結合(N=C)のモル比(N=C/NCO)が、0.01〜0.5となる割合である。
混合比が上記範囲であると、空気中の湿気によるイソシアネート基同士の反応と、空気中の湿気によるケチミンの加水分解反応およびそれにより生成するアミンによるイソシアネート基との反応とのバランスが好適になり、トレードオフの関係にある硬化速度と可使時間とをいずれも実用的な範囲にすることができる。また、接着強度も優れたものになる。
第1液および第2液は、本発明の効果を損なわない範囲で、それぞれ他の成分を含有することができる。
例えば、液状芳香族ポリアミンを含有するのが好ましい態様の一つである。液状芳香族ポリアミンを含有することにより、作業性を損なうことなく、樹脂硬化物の強度を高め、更に、基盤との接着性を更に高めることができる。
液状芳香族ポリアミンは、室温で液状であり、芳香環にアミノ基が直接結合した化合物であれば、特に限定されない。例えば、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、ジアミノジエチルジフェニルメタンが挙げられる。市販品としては、例えば、エピキュアW(ジャパンエポキシレジン社製)、エタキュア300(アルベマール社製)カヤハードA−A(日本化薬社製)、アデカハードナーEH−549L(旭電化工業社製)が挙げられる。中でも、DETDA、エタキュア300が、低粘度であり、作業性に優れる点で好ましい。
液状芳香族ポリアミンの含有量は、ウレタンプレポリマーに添加した後の増粘が大きくなく、作業性に優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であるのが好ましく、0.3〜5質量部であるのがより好ましい。
また、塩基性触媒を含有するのが好ましい態様の一つである。塩基性触媒を含有することにより、硬化速度および硬化後の強度がより優れたものになる。
塩基性触媒としては、例えば、下記式(6)で表される1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール、トリエチルアミン、トリブチルアミン;これらの誘導体(例えば、カルボン酸との塩)が挙げられる。中でも、DBUが好ましい。
Figure 2006111855
また、塩基性触媒として、イミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合物も好適に用いられる。イミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合物は、硬化速度が特に優れる点で好適である。中でも、低温(例えば、15℃)での硬化速度に優れる。
イミダゾール化合物としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ブトキシ−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−フェニルイミダゾール、1−オクチル−2−メチルイミダゾール、1−フェニル−2−フェニルイミダゾールが挙げられる。中でも、1−メチルイミダゾールが好ましい。
モルホリン化合物としては、例えば、モルホリン、下記式(7)で表されるジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、4,4′−オキシジメチレンジモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルモルホリンが挙げられる。中でも、ジモルホリノジエチルエーテルが好ましい。
Figure 2006111855
イミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合物は、上記イミダゾール化合物の1種以上と上記モルホリン化合物の1種以上とを混合して得られる。中でも、1−メチルイミダゾールおよびジモルホリノジエチルエーテルの混合物が好ましい。
イミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合比は、イミダゾール化合物/モルホリン化合物が、質量比で、5/4〜1/6であるのが好ましい。
塩基性触媒の含有量は、発泡を抑制しながら、硬化速度を向上させる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.01〜5質量部であるのが好ましく、0.05〜1.0質量部であるのがより好ましい。
また、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物を含有することができる。このエポキシ基を有する化合物を含むことにより基盤との接着性が更に高められるとともに、耐候性および機械的強度を向上させることができ、耐久性に優れた舗装路面が得られる。
分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が好適に挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、トリスグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミン)、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ビニルシクロヘキセンジエポキシド等)が挙げられる。これらは、1種単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。
中でも、接着性に優れる点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物の含有量は、得られる組成物の硬化速度、硬化後の組成物の硬さ、圧縮・引張強度等により適宜決定することができる。例えば、歩道用としては、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、0.5〜50質量部であるのが好ましく、1〜30質量部であるのがより好ましい。また、車道用としては、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、1〜80質量部であるのが好ましく、5〜50質量部であるのがより好ましい。
また、本発明の2液型硬化性組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤を含有すると、湿潤面に対する接着性が優れたものになる。
シランカップリング剤は、特に限定されないが、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、メルカプトシランもしくはこれらの混合物、反応物もしくは縮合物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物であるのが好ましい。
アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランが挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシランが挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
中でも、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、特に、湿潤面への接着性を向上させる効果に優れ、また、汎用化合物であることから好適に用いられる。
シランカップリング剤の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対し0.1〜20質量部であるのが好ましく、0.5〜10質量部であるのがより好ましい。上記範囲であると、湿潤面に対する接着性が更に向上する。
また、本発明の2液型硬化性組成物は、炭酸カルシウムを含有することができる。特に、表面処理炭酸カルシウムを含有することにより、所望の粘度を得ることができるとともに、良好な初期チクソトロピー性(揺変性)を得ることができる。
表面処理炭酸カルシウムとしては、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理された表面処理炭酸カルシウムが挙げられる。具体的には、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとして、カルファイン200(丸尾カルシウム社製)、ホワイトン305(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)、白艶華CCR(白石工業社製)、変性脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとして、ライトンA−4(重質炭酸カルシウム、備北粉化工業社製)、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムとして、シーレッツ200(丸尾カルシウム社製)、スノーライトSS(重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製)等が好適に用いられる。中でも、脂肪酸、変性脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等で表面処理されたものが、特に好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭酸カルシウムの含有量は、適切な初期チクソトロピー性および作業性を得るために、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、30〜200質量部であるのが好ましく、50〜150質量部であるのがより好ましい。
本発明の2液型硬化性組成物は、上述した以外にも、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム以外の充填剤、可塑剤、軟化剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤が挙げられる。
炭酸カルシウム以外の充填剤としては、各種形状のものを使用することができる。例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
可塑剤または軟化剤としては、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジペンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等の石油系軟化剤が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤としては、例えば、乾式シリカ、ホワイトカーボン、水素添加ひまし油、炭酸カルシウム、テフロン(登録商標)が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
上記のような各成分から本発明の2液型硬化性組成物を製造する方法は、特に限定されないが、好ましくは上記各成分を、減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練し、均一に分散させて、第1液および第2液を得る方法が好ましい。
また、硬化速度を更に向上させる目的で、施工時に、アミン系硬化剤、酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、ポリチオール系硬化剤、水等の従来公知の硬化剤を混合して用いてもよい。
つぎに、本発明の現場施工型弾性舗装材用組成物について説明する。
本発明の現場施工型弾性舗装材組成物は、上述した本発明の2液型硬化性組成物と、有機骨材および/または無機骨材とを含有する。
有機骨材としては、例えば、ゴム、合成樹脂、木片、コルク等のチップが挙げられる。
ゴムチップとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、ポリウレタンゴム、EPDM等のチップが挙げられるが、経済性の点からは、産業廃棄物としての廃タイヤを粉砕したものが好適である。
ゴム粉砕物の形状としては、粒状またはある長さをもつひじき状のものが好ましい。この場合、粒径は1mm以上が好ましく、2〜6mmのものがより好ましい。あまり微細なものは基盤に入り込み空隙づまりを起こしてしまうため、排水性の点で好ましくない。逆に、粒径が大きいものは多孔構造を形成し弾性を与えるのに有効であるので、適当量混ざったものを使用するのが好ましい。
合成樹脂チップは、ゴムチップ以外の各種合成樹脂材料から得られる粒状物を含む概念である。具体的には、例えば、自動車のバンパー、ゴルフボール等の粉砕品が挙げられる。
無機骨材としては、例えば、山砂利、川砂利等の天然石、寒水石、ケイ砂、人工石、スラグ、セラミックス、金属粉等の粒状物が挙げられる。中でも、コストの点で、ケイ砂の粒状物が好ましい。無機骨材は、完成した舗装の強度、耐摩耗性の向上、表面に露出して防滑性の向上を図るためのものである。粒径は0.5mm以上であるのが好ましく、1mm以上であるのがより好ましく、2〜10mmであるのが更に好ましい。粒径5mm以下の細粒骨材が、無機骨材の10体積%以上含有されているのが好ましい。
本発明の現場施工型弾性舗装材組成物は、有機骨材および無機骨材の少なくとも1種を含有する。中でも、ゴムチップ、ケイ砂、これらの混合物が好ましい。
有機骨材および無機骨材を混合して用いる場合には、その混合比率は各種用途に合わせて適宜変更することができる。
例えば、歩道に用いる場合には、有機骨材/無機骨材の体積比は、10/0〜5/5であるのが好ましい。上記範囲であると、衝撃吸収性が十分であり、歩行者等の転倒時の安全性に優れている。特に、転倒時の衝撃に対する安全性を重視する場合は、10/0〜7/3であるのが好ましく、10/0〜8/2であるのがより好ましい。
また、各種競技場用舗装材として用いる場合には、その競技に応じて混合比を選択することができる。有機骨材/無機骨材の体積比は、例えば、陸上競技場用としては10/0〜6/4、ジョギング走路用としては10/0〜6/4、テニスコート用としては10/0〜7/3、サッカー場用としては9/1〜5/5、その他多目的グラウンド用としては10/0〜5/5であるのがそれぞれ好ましい。
また、車道に用いる場合には、有機骨材/無機骨材の体積比は、9/1〜6/4であるのが好ましい。上記範囲であると、湿潤時にタイヤが滑りやすいなどの車両の操縦安定性に問題がなく、騒音低減効果が十分に期待できるからである。中でも、高速道路等の耐摩耗性が特に要求される用途には、有機骨材/無機骨材の体積比は、8/2〜6/4であるのが好ましく、7/3〜6/4であるのがより好ましい。
本発明の現場施工型弾性舗装材組成物における本発明の2液型硬化性組成物に対する有機骨材および/または無機骨材の量比は、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、歩道用としては9/1〜6/4であるのが好ましく、9/1〜7/3であるのがより好ましい。
陸上競技場用としては9/1〜6/4、ジョギング走路用としては9/1〜6/4、テニスコート用としては9/1〜7/3、サッカー場用としては9/1〜5/5、その他多目的グラウンド用としては9/1〜5/5であるのがそれぞれ好ましい。
車道用としては、9/1〜6/4であるのが好ましく、8/2〜6/4であるのがより好ましい。中でも、高速道路に用いる場合には、8/2〜6/4が好ましい。
舗装を着色させる場合には、本発明の2液型硬化性組成物に顔料を混合することにより着色させることができる。この場合、顔料は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、1.5〜8質量部の割合で混合するのが好ましい。
また、有機骨材および/または無機骨材として、有色材料を用いることによっても着色させることができる。例えば、EPDM等のゴム、合成樹脂、人工石等のカラーチップが挙げられる。
本発明の現場施工型弾性舗装材組成物は、基盤との接着性に優れており、樹脂バインダーの硬化速度と可使時間とのバランスが優れているため、施工時の作業効率がよい。
更に、本発明の弾性舗装材について説明する。
本発明の弾性舗装材は、本発明の現場施工型弾性舗装材用組成物を固化させてなる。具体的には、本発明の現場施工型弾性舗装材組成物を、基盤上に塗布し、固化させる。以下に施工方法について具体的に説明する。
まず、有機骨材および/または無機骨材をミキサー等で混合しているところへ、本発明の2液型硬化性組成物を添加して混合させ、本発明の現場施工型弾性舗装材組成物を得る。なお、本発明の2液型硬化性組成物の調製時において、第1液および第2液の一方または両方に、有機骨材および/または無機骨材を含有させておいてもよい。
添加方法は、本発明の2液型硬化性組成物を有機骨材および/または無機骨材に均一に付着させることができる方法であれば特に限定されない。例えば、スプレー法、滴下法が挙げられる。
ついで、得られた本発明の現場施工型弾性舗装材組成物を、アスファルト、コンクリート等の基盤面に、スムーサー、フィニッシャー等を用いて所定の厚さ(例えば、歩道の場合、1〜2cm程度、車道の場合、2〜3cm程度、競技場用の場合、1〜3cm程度)で設け、常温で固化させて弾性舗装材を形成させる。
必要に応じて、本発明の現場施工型弾性舗装材組成物を設ける前に、基盤にプライマー処理を行うこともできる。プライマー処理に用いられるプライマーとしては、例えば、TMXDI系プレポリマー、MDI系プレポリマー、TDI系プレポリマーが好適に挙げられる。
基盤は、特に限定されず、例えば、コンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、木板、合成樹脂等の公知の硬質基盤または軟質基盤;砕石層、栗石層等のいわゆる路盤層が挙げられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.硬化性組成物の調製
(実施例1〜14および比較例1〜5)
下記の原料を第1表〜第3表に示される質量比で混合し、各種の硬化性組成物を調製した。なお、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)に対するケチミンのケチミン結合(N=C)のモル比(N=C/NCO)を第1表〜第3表に示す。
・ウレタンプレポリマーA:数平均分子量2,000の2官能PPG(エクセノール2020、旭硝子社製)と、MDIとをNCO/OH=5.0となるような割合で、70℃で24時間反応させて得られたウレタンプレポリマー、イソシアネート基含有量10質量%
・ウレタンプレポリマーB:数平均分子量2,000の2官能PPG(エクセノール2020、旭硝子社製)と、IPDIとをNCO/OH=5.0となるような割合で、スズ触媒存在下、70℃で24時間反応させて得られたウレタンプレポリマー、イソシアネート基含有量10質量%
・ケチミンA:上記式(3)で表されるケチミン(ノルボルナンジアミン(NBDA、三井化学社製)100gおよびメチルイソプロピルケトン(MIPK)167gを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応を続け、その後、トルエンおよび過剰MIPKを蒸留により除去して得られた。)
・ケチミンB:上記式(4)で表されるケチミン(メタキシリレンジアミン(MXDA、三菱ガス化学社製)100gおよびメチルイソプロピルケトン(MIPK)190gを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応を続け、その後、トルエンおよび過剰MIPKを蒸留により除去して得られた。)
・ケチミンC:上記式(5)で表されるケチミン(メタキシリレンジアミン(MXDA、三菱ガス化学社製)100gおよびジエチルケトン190gを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応を続け、その後、トルエンおよびジエチルケトンを蒸留により除去して得られた。)
・ケチミンD:エピキュアH3、ジャパンエポキシレジン社製、ジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとを反応させ、骨格に残ったイミノ基をアダクトしたケチミン
・DETDA:下記式(8)で表されるジアミンおよび下記式(9)で表されるジアミンの混合物、エピキュアW、ジャパンエポキシレジン社製
・DBU:上記式(6)で表される1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
Figure 2006111855
・組成物A〜C:上記ケチミンAと、混合物A(1−メチルイミダゾール/ジモルホリノジエチルエーテル混合物(質量比3/4))またはDABCO(DABCO(R)33−LV、三共エアプロダクツ社製)とを第4表に示される質量比で混合して得た組成物
2.硬化性組成物の性状
上記で得られた硬化性組成物を、室温下、密閉容器中で調製後24時間放置した。放置前後において、E型粘度計を用いて粘度を測定し、放置後の粘度の値と放置前の粘度の値の比により、安定性を評価した。結果を第1表〜第3表に示す。
3.弾性舗装材用組成物の調製および評価
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた硬化性組成物に、調製直後に、ゴムチップ(800H、ミサワ東洋社製、粒径0.5〜3mm)を第1表に示す割合(質量比)で混合し、弾性舗装材用組成物を得た。混合は、実験室用にモルタルミキサーを小型化した混合機を用いて行った。
縦15cm×横10cm×厚さ5cmのコンクリート板に、まず、ウレタン系プライマー(第一工業製薬社製)を塗布し乾燥させた後、各試験で用いるウレタンプレポリマーの酢酸エチル希釈品(固形分20質量%)を厚さ5mmとなるように塗布し、ついで、上記で得られた弾性舗装材用組成物を厚さが3cmとなるように塗布し、20℃、50%RHの条件下で、12時間放置し、硬化させた。その後、コンクリート板と硬化した弾性舗装材用組成物とをつかみ、垂直引張試験を行い、接着強度を測定した。
また、実施例6〜8および比較例1で得られた硬化性組成物について、硬化温度を15℃、硬化時間を8時間とした以外は、上記と同様にして接着強度を測定した。
なお、硬化時には、発泡の有無を観察した。
結果を第1表および第2表に示す。ここで、接着強度は、0.6MPa以上であると、舗装路面を車両が通行しても問題が生じないとされる。
また、実施例9〜14で得られた硬化性組成物に、調製直後に、ゴムチップ(800H、ミサワ東洋社製、粒径0.5〜3mm)およびケイ砂(瓢屋社製、粒径0.6〜1.2mm)を第3表に示す割合(質量比)で混合し、弾性舗装材用組成物を得た。混合は、実験室用にモルタルミキサーを小型化した混合機を用いて行った。
ついで、縦15cm×横10cm×厚さ5cmのコンクリート板に、まず、ウレタン系プライマー(第一工業製薬社製)を塗布し乾燥させた後、各試験で用いるウレタンプレポリマーの酢酸エチル希釈品(固形分20質量%)を厚さ5mmとなるように塗布し、ついで、上記で得られた弾性舗装材用組成物を厚さが3cmとなるように塗布し、15℃、50%RHの条件下で、放置し、硬化させた。その後、経時的に、コンクリート板と硬化した弾性舗装材用組成物とをつかんで垂直引張試験を行い、接着強度が0.6MPa以上に達した時間(0.6MPa発現時間)を測定した。
なお、硬化時には、発泡の有無を観察した。
また、実施例9〜14で得られた硬化性組成物を用いて、上述した方法により、弾性舗装材用組成物を調製した後、15℃、50%RHの条件下で、10分間放置した。弾性舗装材用組成物をヘラを使用し手でかくはんして、作業性を官能評価した。
結果を第3表に示す。なお、作業性は、硬化があまり進んでおらず、かくはんが容易であったものを○、硬化がある程度進んでいるが、かくはんが可能であったものを△で示した。
Figure 2006111855
Figure 2006111855
Figure 2006111855
Figure 2006111855
第1表〜第3表から明らかなように、本発明の2液型硬化性組成物(実施例1〜14)は、混合後の安定性に優れ、かつ、接着強度に優れる。中でも、DBUを用いた場合(実施例6〜8)は、接着強度に特に優れている。また、第3表から、イミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合物を用いた場合(実施例9〜11)は、DABCOを用いた場合(実施例12および13)および塩基性触媒を用いなかった場合(実施例14)に比べて、硬化速度が特に優れることが分かる。
これに対し、ケチミンを含有しない場合(比較例1および5)、イソシアネート基に対するケチミン基の量が多すぎる場合(比較例3)およびウレタンプレポリマーが芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しない場合(比較例4)は、接着強度に劣る。また、上記式(6)で表されるケチミンを用いた場合(比較例2)は、混合後の安定性に劣る。なお、ケチミンを含有せずDBUを含有する場合(比較例5)は、硬化時に発泡が見られた。

Claims (8)

  1. 芳香環に直接結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する第1液と、
    下記式(1)で表されるケトンおよび/または下記式(2)で表されるケトンと、ポリアミンとから得られる、ケチミン結合を有するケチミンを含有する第2液と
    を有し、
    前記ウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基に対する前記ケチミンの前記ケチミン結合のモル比が、0.01〜0.5である2液型硬化性組成物。
    Figure 2006111855

    (式中、R1は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R2はメチル基またはエチル基を表す。R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
  2. 更に、液状芳香族ポリアミンを含有する請求項1に記載の2液型硬化性組成物。
  3. 更に、塩基性触媒を含有する請求項1または2に記載の2液型硬化性組成物。
  4. 前記塩基性触媒が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである請求項3に記載の2液型硬化性組成物。
  5. 前記塩基性触媒がイミダゾール化合物およびモルホリン化合物の混合物である請求項3に記載の2液型硬化性組成物。
  6. 前記イミダゾール化合物が1−メチルイミダゾールであり、前記モルホリン化合物がジモルホリノジエチルエーテルである請求項5に記載の2液型硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の2液型硬化性組成物と、
    有機骨材および/または無機骨材と
    を含有する現場施工型弾性舗装材用組成物。
  8. 請求項7に記載の現場施工型弾性舗装材用組成物を固化させてなる弾性舗装材。
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