JP5326581B2 - 防水シートの施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防水シートの施工方法に関し、さらに詳しくは、防水シートを建築物の平場、立上がり部又はシート接合部に貼り付けるときに使用する2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤について構成剤の数を少なくするようにした防水シートの施工方法に関する。
屋上用の防水シートの施工方法としては、主に新築向けに普及している密着工法と、主に改修向けに普及している機械固定工法とがある。密着工法は、シートの全面に接着剤を塗布することによりコンクリート、ALC等からなる下地に貼り付ける施工方法であり、平場(水平面)と立上がり(垂直面)とで接着剤に要求される特性が異なる。すなわち、平場用接着剤は、粘度が低く被塗布面の面積が広い場合に効率よく塗布することが求められ、立上がり部用接着剤は、塗布した接着剤が垂れ落ちないこと及びシートを下地の形状に保持するための仮固定力を有することが要求される。また、機械固定工法は、シートをビス止め又はホットメルトによるスポット止めをしておいてシート同士を繋ぎ合せたシート接合部だけに接着剤を塗布して貼り付ける施工方法であり、この場合にはシートがめくれないようにする仮固定力と施工後の止水性が要求される。
屋上用の防水シートとしては、加硫ゴムシート(例えばEPDM製シート)が使用され、このような加硫ゴムシートを接着する接着剤には、上述した平場用、立上がり部用及びシート接合用の3つの適用部位のそれぞれに要求される特性を満たすことが必要である。
従来、3つの適用部位に適用可能な加硫ゴムシート用の接着剤として、クロロプレン系接着剤が使用されてきた。塗布後、数分で仮固定力を発現できるクロロプレン系接着剤はこの点において非常に優れた接着剤であるが、シート/下地或いはシート/シートの両面に塗布しなければならず、しかも下地にはプライマー処理が必要であり施工性が劣ること、最終接着力が必ずしも十分に得られないこと、止水性が劣ること、溶剤としてトルエンを多量に含むため環境保全の観点からは使用すべきではないこと、等の多くの問題点があった。
クロロプレン系接着剤に代わる接着剤として、可使時間と硬化性とのバランスがとりやすいことから2液反応型接着剤を使用することが考えられる(例えば特許文献1、2を参照)。しかし、3つの適用部位に要求されるそれぞれの特性のすべてを1つの2液反応型接着剤により満たすことは従来の技術では困難であるため、適用部位毎に適切に設計された接着剤が用いられているのが現状である。したがって、3つの適用部位毎にそれぞれ異なる主剤と硬化剤とを設計した3種類の2液反応型接着剤を使用するか、クロロプレン系接着剤と併用して限られた部位にのみ使用することを余儀なくされていた。しかしながら、接着剤の生産性の観点からすると、主剤3種類及び硬化剤3種類からなる合計6種類もの構成剤を生産管理するのはコスト高になり、また現場での接着施工作業の観点からも繁雑になることは避けられなかった。
特開平11−279516号公報 特開平4−309582号公報
本発明の目的は、防水シートを建築物の平場、立上がり部又はシート接合部の貼り付けに2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を使用する場合、その接着剤の構成剤の数を従来の6種類から可及的に低減可能にした防水シートの施工方法を提供することにある。
上記目的を達成する第1の本発明の防水シートの施工方法は、2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を防水シートに塗布し、該防水シートを建築物の平場、立上がり部又はシート接合部に貼り付ける防水シートの施工方法であって、前記接着剤を、1種の主剤Xと3種の硬化剤A,B及びCとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、前記主剤Xがイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーで構成され、前記硬化剤A,B及びCが、それぞれ前記主剤Xのウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部、テルペンフェノール樹脂を10〜50重量部配合することを共通にすると共に、前記硬化剤Aを、更にフュームドシリカを3〜15重量部、チクソ性付与剤を1〜10重量部、ロジン樹脂を前記テルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合して構成し、かつ前記硬化剤Cを、更に板状フィラーを5〜30重量部、ロジン樹脂を前記テルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合して構成し、前記4種類の構成剤の中から、前記立上がり部に対しては前記主剤Xと硬化剤Aとを選択混合した接着剤1を適用し、前記平場に対しては前記主剤Xと硬化剤Bとを選択混合した接着剤2を適用し、前記シート接合部に対しては前記主剤Xと硬化剤Cとを選択混合した接着剤3を適用することを特徴とする。
前記接着剤1,2及び3は、前記アミン若しくは変性アミンの当量が、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の当量及びエポキシ樹脂のエポキシ基の当量の合計に対する当量比で、0.1〜1.3になるようにするとよい。
上記目的を達成する第2の本発明の防水シートの施工方法は、2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を防水シートに塗布し、該防水シートを建築物の平場、立上がり部又はシート接合部に貼り付ける防水シートの施工方法であって、前記接着剤を、主剤Y、硬化剤Dと2種の添加剤a及びbとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、前記主剤Yが、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、テルペンフェノール樹脂とロジン樹脂の合計を20〜60重量部配合し、前記硬化剤Dが、前記主剤Yのウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部を配合し、前記添加剤aが有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、該有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラー以外の無機フィラーを50〜300重量部配合し、前記添加剤bが有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、該有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラーを30〜300重量部配合して構成し、前記4種類の構成剤の中から、前記立上がり部に対しては前記主剤Yと硬化剤Dとを選択混合した接着剤4を適用し、前記平場に対しては前記主剤Y、硬化剤D及び添加剤aを選択混合した接着剤5を適用し、前記シート接合部に対しては前記主剤Y、硬化剤D及び添加剤bを選択混合した接着剤6を適用することを特徴とする。
前記接着剤4,5及び6は、前記アミン若しくは変性アミンの当量が、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の当量及びエポキシ樹脂のエポキシ基の当量の合計に対する当量比で、0.1〜1.3になるようにするとよい。
第1の本発明の防水シートの施工方法は、防水シートを建築物の平場、立上がり部及びシート接合部の3つの部位に貼り付けるときに使用する2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を、1種の主剤Xと3種の硬化剤A,B及びCとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、主剤Xと硬化剤Aとを選択混合した接着剤1を立上がり部に適用し、主剤Xと硬化剤Bとを選択混合した接着剤2を平場に適用し、主剤Xと硬化剤Cとを選択混合した接着剤3をシート接合部に適用するようにしたので、構成剤の数を従来の6種類から4種類へ減らすことができる。また、主剤Xがイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーで構成し、硬化剤A,B及びCを、それぞれ前記ウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部、テルペンフェノール樹脂を10〜50重量部配合することを共通にするようにしたので、主剤Xと硬化剤Bとを選択混合した平場用接着剤2は、粘度が低く被塗布面の面積が広い場合に効率よく塗布することができる。硬化剤Aは、上述の配合に加え更にフュームドシリカを3〜15重量部、チクソ性付与剤を1〜10重量部、ロジン樹脂をテルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合するようにしたので、主剤Xと硬化剤Aとを選択混合した立上がり部用接着剤1は、垂直面に塗布した接着剤が垂れ落ちないようにすると共に、シートを下地の形状に保持するための仮固定力を確保することができる。また、硬化剤Cは、上述の配合に加え更に板状フィラーを5〜30重量部、ロジン樹脂をテルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合したので、主剤Xと硬化剤Cとを選択混合したシート接合部用接着剤3は、シートがめくれないようにする仮固定力と施工後の止水性を確保することができる。
第2の本発明の防水シートの施工方法は、防水シートを建築物の平場、立上がり部及びシート接合部の3つの部位に貼り付けるときに使用する2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を、主剤Y、硬化剤Dと2種の添加剤a及びbとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、主剤Yと硬化剤Dとを選択混合した接着剤4を立上がり部に適用し、主剤Y、硬化剤D及び添加剤aを選択混合した接着剤5を平場に適用し、主剤Y、硬化剤D及び添加剤bを選択混合した接着剤6をシート接合部に適用するようにしたので、主剤、硬化剤及び添加剤からなる構成剤の数を従来の6種類から4種類へ減らすことができる。また、主剤Yが、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、テルペンフェノール樹脂とロジン樹脂の合計を20〜60重量部配合し、硬化剤Dが、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部を配合するようにしたので、主剤Yと硬化剤Dとを選択混合した立上がり部用接着剤4は、垂直面に塗布した接着剤が垂れ落ちないようにすると共に、シートを下地の形状に保持するための仮固定力を確保することができる。また、添加剤aは有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラー以外の無機フィラーを50〜300重量部配合するようにしたので、主剤Y、硬化剤D及び添加剤aを選択混合した平場用接着剤5は、粘度が低く被塗布面の面積が広い場合に効率よく塗布することができる。添加剤bは有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、該有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラーを30〜300重量部配合したので、主剤Y、硬化剤D及び添加剤bを選択混合したシート接合部用接着剤6は、シートがめくれないようにする仮固定力と施工後の止水性を確保することができる。
本発明の防水シートの施工方法は、防水シートに2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を使用することにより、建築物の平場、立上がり部及びシート接合部のいずれの適用部位に対しても優れた接着力が得られるように防水シートを貼り付ける施工方法である。2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤における可使時間と硬化性を調整することにより、3つの適用部位毎に最適な接着剤を使用することができる。また、2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤は、クロロプレン系接着剤のようにトルエンを溶剤として多量に配合することがないため環境保全の観点から優れた接着剤であり、しかも最終接着力が高く、接着後の止水性に優れるという利点がある。また、クロロプレン系接着剤のようにシート/下地或いはシート/シートの両面に塗布する必要がなく、接合面となる防水シートの片面だけに塗布すればよいので作業性が優れる。しかもエポキシ樹脂を含むためにコンクリート、ALC等の下地に対する接着性が良好でプライマー処理が不要であるため作業性をより高くすることができる。
また、本発明の防水シートの施工方法は、以下に詳細を説明する構成からなる2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を使用することにより、主剤、硬化剤及び添加剤からなる構成剤の数を削減し、生産管理を容易にし現場における作業の繁雑性を軽減するものである。
第1の本発明の防水シートの施工方法において使用する2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤は、1種の主剤Xと3種の硬化剤A,B及びCとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、この主剤Xと硬化剤A,B及びCとを選択混合することにより接着剤1,2及び3を構成する。接着剤1は主剤Xと硬化剤Aとを選択混合し立上がり部に適用する。接着剤2は主剤Xと硬化剤Bとを選択混合し平場に適用する。また、接着剤3は主剤Xと硬化剤Cとを選択混合しシート接合部に適用する。このため、防水シート施工時に使用する接着剤における主剤及び硬化剤の数を6種から4種へ減らすことができる。
平場用接着剤2は、主剤Xと硬化剤Bとを選択混合したものであり、主剤Xはイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーで構成する。また、硬化剤Bは、主剤Xのウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部、テルペンフェノール樹脂を10〜50重量部配合する。第1の本発明において、この硬化剤Bの配合は、硬化剤A及びCが共通して有するベース配合となる。
主剤Xと硬化剤Bとを選択混合した接着剤2は、粘度が低く被塗布面の面積が広い場合に効率よく塗布することができるため平場用接着剤として優れている。また、テルペンフェノール樹脂を配合することにより、加硫ゴムシートと下地との密着性をより高くすることができる。
主剤Xを構成するイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとしては、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、ヒドロキシ基(OH基)に対して過剰のイソシアネート基(NCO基))を反応させて得られる反応生成物である。
ポリイソシアネート化合物は、分子内にNCO基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、HXDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、HTDI(水添TDI)などの脂環式ポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物のカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、分子内にNCO基を1個のみ有するモノイソシアネート化合物も、ジイソシアネート化合物等と混合することにより用いることができる。
また、ポリオール化合物は、OH基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格などは特に限定されず、その具体例としては、低分子多価アルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオール等が挙げられる。低分子多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール、(1,3−または1,4−)ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの低分子ポリオール;ソルビトールなどの糖類;等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールとしては、通常、上記低分子多価アルコール類から導かれるものが用いられるが、芳香族ジオール類、アミン類、アルカノールアミン類から導かれるものも好適に用いることができる。芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン(m−ジヒドロキシベンゼン)、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;ビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの;等が挙げられる。アミン類としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられ、アルカノールアミン類としては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、アクリルポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオール;等が挙げられる。
これらのうち、トリレンジイソシアネート(TDI)と、各種ポリオール化合物(好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)とを反応させて得られるウレタンプレポリマー(以下、「TDIプレポリマー」ということがある。)が好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2000〜100000であるのが好ましく、3000〜30000であるのがより好ましい。ウレタンプレポリマーの重量平均分子量がこの範囲であると、得られる接着剤の作業性が良好となり、非溶剤化の達成がより容易になる。
エポキシ樹脂を混合することで下地および加硫ゴムシートへの密着性を一層高くすることができる。エポキシ樹脂の配合量は、主剤Xのウレタンプレポリマー100重量部に対し3〜30重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。エポキシ樹脂の配合量が3重量部未満であると、加硫ゴムシートの密着性を十分に高くすることができない。また、エポキシ樹脂の配合量が30重量部を超えるとエポキシ樹脂の硬く脆い物性が支配的になり、下地、防水シートの伸縮に追随できない。
本発明で使用するエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物からなる樹脂である。エポキシ当量は、好ましくは90〜2000であるとよい。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェニル基を有するエポキシ化合物やポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、更にナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型等の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;イマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)等のグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、液状のエポキシ樹脂が、得られる接着剤の作業性が良好になるため好ましい。具体的には、ビスフェニル基を有するエポキシ化合物が好ましく、なかでもビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、EP4100(旭電化工業)、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)、エピコート806(ジャパンエポキシレジン社製)、エピコート154(ジャパンエポキシレジン社製)等の市販品を用いることができる。
テルペンフェノール樹脂は、粘着による仮固定力を発現させるとともに上述したように加硫ゴムシートと下地との密着性をより高くする。テルペンフェノール樹脂の配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し10〜50重量部であり、好ましくは30〜50重量部である。テルペンフェノール樹脂の配合量が10重量部未満であると、加硫ゴムシートの密着性を十分に高くすることができない。また、テルペンフェノール樹脂の配合量が50重量部を超えるとプレポリマーとの相溶性が悪く混合できなくなる。
本発明で使用するテルペンフェノール樹脂としては、ヤスハラケミカル社製YSポリスターなどが挙げられる。
アミン若しくは変性アミンは、ウレタンプレポリマーを硬化させる作用を行なう。アミン若しくは変性アミンの配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し0.1〜20重量部であり、好ましくは1〜10重量部である。また、アミン若しくは変性アミンの当量が、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の当量及びエポキシ樹脂のエポキシ基の当量の合計に対する当量比で、好ましくは0.1〜1.3、より好ましくは0.5〜1.0になるようにするとよい。アミン若しくは変性アミンの当量比が、0.1より小さいと硬化が不十分になる。また、アミン若しくは変性アミンの当量比が、1.3より大きいと硬化が不十分になる。また、余剰アミンが残留し安全衛生上好ましくない。
本発明で使用するアミンとしては、例えば脂肪族ポリアミン(脂環式ポリアミンを含む。)、芳香族ポリアミンが挙げられる。なかでも、防水材としての作業性、硬化物物性に優れるという観点から、芳香族ポリアミンが好ましい。脂肪族ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ヘキサメチレンジアミンカルバメートのような脂肪族ジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンのような3官能以上の脂肪族アミンが挙げられる。
芳香族ポリアミンは、芳香環に2個以上のアミノ基及び/又はイミノ基が結合しているものであれば特に制限されない。例えば、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン、メチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンが挙げられる。
また、本発明で使用する変性アミンとしては、例えばダイマー酸変性アミン、ケチミン、エポキシアダクトアミン、マイケル付加アミン等が挙げられる。
第1の本発明の防水シートの施工方法に使用する立上がり部用接着剤1は、主剤Xと硬化剤Aとを選択混合してなり、硬化剤Aは、上述した硬化剤のベース配合に加え、主剤Xのウレタンプレポリマー100重量部に対し、更にフュームドシリカを3〜15重量部、チクソ性付与剤を1〜10重量部、ロジン樹脂をテルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合する。
主剤Xと硬化剤Aとを選択混合した接着剤1は、垂直面に塗布した接着剤が垂れ落ちないようにすると共に、シートを下地の形状に保持するための仮固定力を確保することができるため立上がり部用接着剤として優れている。
フュームドシリカは、チクソ性を向上し垂直面に塗布した接着剤が垂れ落ちないようにする作用を行なう。フュームドシリカの配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部である。フュームドシリカの配合量が3重量部未満であるとチクソ性を十分に向上することができない。
チクソ性付与剤は、チクソ性を向上し垂直面に接着剤が垂れ落ちないようにする作用を行なう。チクソ性付与剤の配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。チクソ性付与剤の配合量が1重量部未満であるとチクソ性を十分に向上することができない。
本発明で使用するチクソ性付与剤は、特に制限されるものではないが、アマイド系ワックスが好ましい。アマイド系ワックスとしては、例えば楠本化成社製ディスパロン6700、同6500等が挙げられる。
ロジン樹脂は、テルペンフェノール樹脂と共に粘着性を発現し、シートを下地の形状に保持するための仮固定力を確保する作用を行なう。ロジン樹脂の配合量は、テルペンフェノール樹脂との合計で、ウレタンプレポリマー100重量部に対し20〜60重量部配合、好ましくは30〜50重量部にする。ロジン樹脂とテルペンフェノール樹脂の合計が20重量部未満であると、粘着性を十分に発現することができない。また、ロジン樹脂とテルペンフェノール樹脂の合計が60重量部を超えると、ウレタンプレポリマーに相溶しなくなる。
本発明で使用するロジン樹脂としては、荒川化学工業社製ロジンエステル系樹脂が挙げられる。
第1の本発明の防水シートの施工方法に使用するシート接合部用接着剤3は、主剤Xと硬化剤Cとを選択混合してなり、硬化剤Cは、上述の硬化剤のベース配合に加え、主剤Xのウレタンプレポリマー100重量部に対し、更に板状フィラーを5〜30重量部、ロジン樹脂をテルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合する。主剤Xと硬化剤Cとを選択混合して構成された接着剤3は、シートがめくれないようにする仮固定力と施工後の止水性を確保するためシート接合部用接着剤として優れている。
板状フィラーは、施工後の止水性を確保する作用を行なう。板状フィラーの配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し5〜30重量部である。板状フィラーの配合量が5重量部未満であると止水性を十分に向上することができない。
本発明で使用する板状フィラーとしては、マイカ、タルク、カオリン、クレイが挙げられる。
また、ロジン樹脂は、テルペンフェノール樹脂と共に粘着性を発現し、シートがめくれないようにする仮固定力を確保する作用を行なう。ロジン樹脂の配合量は、テルペンフェノール樹脂との合計で、ウレタンプレポリマー100重量部に対し20〜60重量部配合、好ましくは30〜50重量部にする。ロジン樹脂とテルペンフェノール樹脂の合計が20重量部未満であると、粘着性を十分に発現することができない。また、ロジン樹脂とテルペンフェノール樹脂の合計が60重量部を超えると、ウレタンプレポリマーに相溶しなくなる。ロジン樹脂としては、上述した硬化剤Aと同じ種類のものを使用することができる。
第2の本発明の防水シートの施工方法において使用する2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤は、主剤Y、硬化剤Dと2種の添加剤a及びbとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、1種の主剤Yと1種の硬化剤D、又はこれらに添加剤a若しくはbを選択混合することにより接着剤4、接着剤5及び接着剤6を構成する。接着剤4は主剤Yと硬化剤Dとを選択混合し立上がり部に適用する。接着剤5は主剤Y、硬化剤D及び添加剤aを選択混合し平場に適用する。また、接着剤6は主剤Y、硬化剤D及び添加剤bを選択混合しシート接合部に適用する。このため、防水シート施工時に使用する接着剤における主剤、硬化剤及び添加剤からなる構成剤の数を6種から4種へ減らすことができる。
立上がり部用接着剤4は、主剤Yと硬化剤Dとを選択混合してなり、主剤Yはイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、テルペンフェノール樹脂とロジン樹脂の合計を20〜60重量部配合する。また、硬化剤Dは、主剤Yのウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部を配合する。この主剤Yと硬化剤Dとは、接着剤5及び6においても共通して使用する。また、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、アミン及び変性アミンは、第1の発明で使用する主剤X及び硬化剤A〜Cのものと同じ種類のものを使用することができる。
第2の発明において、主剤Yと硬化剤Dとを選択混合して構成された接着剤4は、垂直面に塗布した接着剤が垂れ落ちないようにすると共に、シートを下地の形状に保持するための仮固定力を確保することができるため立上がり部用接着剤として優れている。
テルペンフェノール樹脂及びロジン樹脂は、粘着性を発現しシートを下地の形状に保持するための仮固定力を確保する作用を行なう。テルペンフェノール樹脂及びロジン樹脂の配合量の合計は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し20〜60重量部配合、好ましくは30〜50重量部にする。テルペンフェノール樹脂及びロジン樹脂の合計が20重量部未満であると、粘着性を十分に発現することができない。また、テルペンフェノール樹脂及びロジン樹脂の合計が60重量部を超えると、ウレタンプレポリマーに相溶しなくなる。
エポキシ樹脂は、加硫ゴムシートと下地との密着性を一層高くする作用を行なう。エポキシ樹脂の配合量は、主剤Yのウレタンプレポリマー100重量部に対し3〜30重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。エポキシ樹脂の配合量が3重量部未満であると、加硫ゴムシートの密着性を十分に高くすることができない。また、エポキシ樹脂の配合量が30重量部を超えるとエポキシ樹脂の硬く脆い物性が支配的になり、下地、防水シートの伸縮に追随できない。
アミン及び変性アミンは、ウレタンプレポリマーを硬化させる作用を行なう。アミン若しくは変性アミンの配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し0.1〜20重量部であり、好ましくは1〜10重量部である。アミン若しくは変性アミンの配合量が0.1重量部未満であると、硬化が不十分になる。また、アミン若しくは変性アミンの配合量が20重量部を超えると硬化が不十分になる上に、余剰アミンが残留し安全衛生上好ましくない。
第2の本発明の防水シートの施工方法に使用する平場用接着剤5は、上述した主剤Y、硬化剤D及び添加剤aを選択混合して構成される。添加剤aは有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、この有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラー以外の無機フィラーを50〜300重量部配合する。平場用接着剤5は、粘度が低く被塗布面の面積が広い場合に効率よく塗布することができるため平場用接着剤として優れている。
添加剤aが有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含んでいるため、混練性を改善すると共に、接着剤5の粘度を低くすることができる。有機溶剤及び/又は可塑剤の配合量は、混練性を改善し接着剤5の粘度が適正化されるように調整することができる。
本発明で使用する有機溶剤及び可塑剤としては、常温での粘度が10Pa・s以下のものが好ましく、このような有機溶剤、可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、エポキシ化植物油が挙げられる。
板状フィラー以外の無機フィラーは、混練時の溶剤・可塑剤の飛散を防止する作用を行なう。板状フィラー以外の無機フィラーの配合量は、有機溶剤及び可塑剤の合計100重量部に対し、50〜300重量部、好ましくは100〜200重量部である。
本発明で使用する板状フィラー以外の無機フィラーとしては、通常使用可能な無機フィラーであればよく、例えば炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ(ホワイトカーボン)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、生石灰、炭酸塩類(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、胡粉)、アルミナ水和物(例えば、含水水酸化アルミニウム)、ケイソウ土、硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸バリウム)、硫酸アルミナ、リトポン、グラファイト、二硫化モリブデン、軽石粉、ガラス粉、ケイ砂、ゼオライト;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物などによる表面処理物;ガラスバルーン;樹脂バルーン;等が挙げられる。
第2の本発明の防水シートの施工方法に使用するシート接合部用接着剤6は、上述した主剤Y、硬化剤D及び添加剤bを選択混合して構成される。添加剤bは有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、この有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラーを30〜300重量部配合する。板状フィラーは、上述したものと同じ種類のものを使用することができる。この接着剤6は、シートがめくれないようにする仮固定力と施工後の止水性を確保するためシート接合部用接着剤として優れている。
板状フィラーは、施工後の止水性を確保する作用を行なう。板状フィラーの配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し5〜30重量部である。板状フィラーの配合量が5重量部未満であると止水性を十分に向上することができない。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す4種類ずつの構成剤からなる2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤、及びクロロプレン系接着剤を使用して、表2に示すように選択混合した接着剤を使用して、下記に示す施工方法により建築物の平場、立上がり部又はシート接合部に防水シートを貼り付け、被着体を得た(実施例1〜6及び比較例)。
得られた被着体の最終接着強度を下記に示す試験方法により評価した。
防水シートの施工方法
(1)平場への防水シートの施工
被着体として縦1m、横1m、厚さ0.5cmのスレート板を用意し、被接着面が水平になるように配置した。EPDM製防水シートに、接着剤を0.2kg/mとなるように塗布し、これを上記のスレート板に貼り合わせ、接着体を得た。得られた接着体は23℃、55%RHの条件下で7日間養生して硬化させた。
(2)立上がり部への防水シートの施工
スレート板を被接着面が垂直になるように配置したこと以外は、上記(1)の施工方法と同様にして7種類の接着体(実施例1〜6、比較例)を得た。。
(3)シート接合部への防水シートの施工
縦0.5m、横0.5m、厚さ1.5cmのEPDM製防水シートを2枚用意し、片方のEPDM製防水シートの端部に10cmの幅で接着剤を塗布し、端部同士を貼り合わせ、接着体を得た。得られた接着体は23℃、55%RHの条件下で7日間養生して硬化させた。
最終接着強度
硬化後の接着体について、防水シートを幅25mmで切り込みを入れ、JIS K6854−3のT形剥離試験方法に準拠し、引張り速度100mm/分の条件での剥離力(単位:N/25mm)を測定しその平均値を求め、この値を最終接着強度とし、その結果を表2に示した。
また、表1に示した4種類ずつの構成剤からなる2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤、及びクロロプレン系接着剤のレベリング性、防水シートに塗布したときの反り返り、平場及び入角に接着した防水シートの浮きを、それぞれ下記に示す試験方法により評価した。
レベリング性
各接着剤のレベリング性を、100mlのポリエチカップに接着剤20mlを入れ、ポリエチカップを90°傾けたときに、10秒以内で接着剤が流れ出すものをレベリング性「あり」、流れ出さないものを「なし」として評価した。得られた結果を表2に示した。
シートの反り返り
各接着剤を塗布したときのEPDM製防水シートの反り返りを、目視にて明らかな反り返りがあるかどうかで評価した。得られた結果を表2に示した。
防水シートの浮き
平場接合部に接着した防水シートの浮き
被着体として縦20cm、横15cm、厚さ0.5cmのスレート板を2枚用意し、水平に配置した2枚のスレート板の端部同士が上下に重なり合うように接合し、平場の被着体を作成した。EPDM製防水シートに、接着剤を0.2kg/mとなるように塗布し、これを上記平場被着体のスレート板接合部を覆うように貼り合わせ、接着体を得た。得られた接着体は23℃、55%RHの条件下で24時間養生した後、上側スレート板の端部から防水シートが下側スレート板に密着するまでの水平距離を、平場接合部の防水シートの浮き[mm]として測定した。
入角接合部に接着した防水シートの浮き
被着体として縦20cm、横15cm、厚さ0.5cmのスレート板を2枚用意し、一方のスレート板を水平に置き、その片端に他方のスレート板が垂直に配置するように端部同士を接合し、入角の被着体を作成した。EPDM製防水シートに、接着剤を0.2kg/mとなるように塗布し、これを上記入角被着体のスレート板の垂直接合部を覆うように、防水シートの端部が15cm以上の立上がりを有するように貼り合わせ、接着体を得た。得られた接着体は23℃、55%RHの条件下で24時間養生した後、垂直に配置したスレート板に貼り付けた防水シートの表面から、防水シートが水平に配置したスレート板に密着するまでの水平距離を、入角接合部の防水シートの浮き[mm]として測定した。
Figure 0005326581
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
TDIプレポリマー:ポリプロピレンエーテルトリオール(旭硝子社製G−3000、数平均分子量Mn3000)800gとポリプロピレンエーテルジオール(旭硝子社製D−2000、数平均分子量Mn2000)800gとからなるポリオール化合物を、トリレンジイソシアネート(TDI、三井化学ポリウレタン社製コスモネートT−80)とのNCO/OHモル比が2.0となるように混合し、窒素気流中、80℃で8時間撹拌しながら反応させ、TDIプレポリマーを得た。
変性アミン:ヘキサメチレンジアミン(HMDA、和光純薬社製)580gと、メチルイソプロピルケトン(MIPK)645gとを、トルエン1065gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応させて、MIPK−HMDA−MIPKからなる変性アミン(ケチミン)を得た。
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成社製YD−128
ロジン樹脂:荒川化学工業社製KE359
テルペンフェノール樹脂:ヤスハラケミカル社製YSポリスター T−160
エポキシシラン:信越化学社製KBM−403
炭酸カルシウム:丸尾カルシウム社製カルファイン200
フュームドシリカ:日本アエロジル社製R−972
マイカ:コープケミカル社製MK−100
有機溶剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイソブチレート(TXIB)
チクソ性付与剤:脂肪酸アマイド、楠本化成社製ディスパロン#6500
分散剤:ビックケミー・ジャパン社製BYK−185
Figure 0005326581
なお、表2において使用した接着剤の種類を下記に示す。
クロロプレン系接着剤:横浜ゴム社製A−862−B、固形分28重量%含有

Claims (4)

  1. 2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を防水シートに塗布し、該防水シートを建築物の平場、立上がり部又はシート接合部に貼り付ける防水シートの施工方法であって、前記接着剤を、1種の主剤Xと3種の硬化剤A,B及びCとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、前記主剤Xがイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーで構成され、前記硬化剤A,B及びCが、それぞれ前記主剤Xのウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部、テルペンフェノール樹脂を10〜50重量部配合することを共通にすると共に、前記硬化剤Aを、更にフュームドシリカを3〜15重量部、チクソ性付与剤を1〜10重量部、ロジン樹脂を前記テルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合して構成し、かつ前記硬化剤Cを、更に板状フィラーを5〜30重量部、ロジン樹脂を前記テルペンフェノール樹脂との合計で20〜60重量部配合して構成し、前記4種類の構成剤の中から、前記立上がり部に対しては前記主剤Xと硬化剤Aとを選択混合した接着剤1を適用し、前記平場に対しては前記主剤Xと硬化剤Bとを選択混合した接着剤2を適用し、前記シート接合部に対しては前記主剤Xと硬化剤Cとを選択混合した接着剤3を適用する防水シートの施工方法。
  2. 前記接着剤1,2及び3が、前記アミン若しくは変性アミンの当量が、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の当量及びエポキシ樹脂のエポキシ基の当量の合計に対する当量比で、0.1〜1.3になるようにした請求項1に記載の防水シートの施工方法。
  3. 2液反応型ウレタン・エポキシ系接着剤を防水シートに塗布し、該防水シートを建築物の平場、立上がり部又はシート接合部に貼り付ける防水シートの施工方法であって、前記接着剤を、主剤Y、硬化剤Dと2種の添加剤a及びbとの互いに独立した4種類の構成剤から構成し、前記主剤Yが、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、テルペンフェノール樹脂とロジン樹脂の合計を20〜60重量部配合し、前記硬化剤Dが、前記主剤Yのウレタンプレポリマー100重量部に対し、エポキシ樹脂を3〜30重量部、アミン若しくは変性アミンを0.1〜20重量部を配合し、前記添加剤aが有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、該有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラー以外の無機フィラーを50〜300重量部配合し、前記添加剤bが有機溶剤、可塑剤から選ばれる少なくとも1つを含み、該有機溶剤、可塑剤の合計100重量部に対し、板状フィラーを30〜300重量部配合して構成し、前記4種類の構成剤の中から、前記立上がり部に対しては前記主剤Yと硬化剤Dとを選択混合した接着剤4を適用し、前記平場に対しては前記主剤Y、硬化剤D及び添加剤aを選択混合した接着剤5を適用し、前記シート接合部に対しては前記主剤Y、硬化剤D及び添加剤bを選択混合した接着剤6を適用する防水シートの施工方法。
  4. 前記接着剤4,5及び6が、前記アミン若しくは変性アミンの当量が、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の当量及びエポキシ樹脂のエポキシ基の当量の合計に対する当量比で、0.1〜1.3になるようにした請求項3に記載の防水シートの施工方法。
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