JPH09137148A - 一液型ウレタン接着剤の製造方法 - Google Patents

一液型ウレタン接着剤の製造方法

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JPH09137148A
JPH09137148A JP7298595A JP29859595A JPH09137148A JP H09137148 A JPH09137148 A JP H09137148A JP 7298595 A JP7298595 A JP 7298595A JP 29859595 A JP29859595 A JP 29859595A JP H09137148 A JPH09137148 A JP H09137148A
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JP
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coupling agent
adhesive
silane coupling
prepolymer
glycidyl
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JP7298595A
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Shinobu Moriya
忍 森谷
Yasushi Mitome
康司 三留
Eiji Kuwamoto
英治 桑本
Shinji Ogawa
伸二 小川
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリオールと過剰のポリイソシアネート
化合物を反応させて得られた一定温度の活性イソシアネ
ート基含有ウレタンプレポリマーと、可塑剤、充填剤及
び揺変剤とを、連続混練機に供給して混練し反応させ、
次いでアミノ系シランカップリング剤をまず加え一定時
間混合し反応させた後に、硬化促進剤、グリシジル系シ
ランカップリング剤を配合混合することを特徴とする一
液型ウレタン接着剤の製造方法。 【効果】 本発明の連続製造方式によれば、短時間でバ
ッチ方式と同等の貯蔵安定性、接着力を有する一液湿気
硬化型ウレタン接着剤を製造する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一液型ウレタン接着
剤の製造方法に関する。更に詳しくは製造時の粘度のバ
ラツキが極めて僅少で、塗布時の作業性、接着力及び長
期安定性に優れ、製品の品質を一定範囲に保ちながら短
時間に効率良く、連続的に製造することが可能な一液型
ウレタン接着剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タイル用接着剤はJIS A−5548
に規定されており、その中でタイプIグレードは、湿っ
た下地剤に適用される接着剤として用途区分されてい
る。更に詳しくは、1週間水中含浸した高含水率の下地
剤とタイルの接着について規格化している。従来よりこ
のタイプI接着剤としては例えば、二液型のエポキシ系
接着剤が用いられてきたが、二液混合の作業の煩雑さと
計量ミスによる硬化不良トラブル、ポットライフが短い
(二液配合物の使用可能時間)、低温硬化性不備、可と
う性不足や通常用いられるアミン系硬化剤による臭気及
び皮膚障害等の問題があった。
【0003】一液型ウレタン接着剤の製造方法は、活性
イソシアネート含有ウレタンプレポリマー(以下プレポ
リマーとする)と充填剤、可塑剤、触媒等の添加剤を釜
状の混合機に仕込みバッチ方式で行うことが多い。この
バッチ方式の製造法では小量生産、銘柄対応性に優れる
が、バッチ間の品質バラツキが大きい、セルフクリーニ
ング性が無いためロスが多く掃除が大変である、人手が
掛かる、生産性が悪く大量生産に向かない等問題が多
い。一方、連続製造方式では大量生産、省力化、密閉し
ていることによる粉塵防止、汚れ防止、品質のバラツキ
の減少、ロスの低減等が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点を解決
すべく接着剤として、特開平4−168185号には記
載のごとくプレポリマーにセメントを配合したタイル用
一液型ウレタン系接着剤が提案されているが、低温湿潤
面下地材との接着性には優れるものの貯蔵時の粘度安定
性、タイルとの密着性に問題があった。
【0005】また、月刊誌「接着」(1994年、38
巻12号)記載のごとく、変性シリコーン系接着剤に更
にエポキシ樹脂で変性した接着剤の提案がなされている
が、接着諸物性的には満足されるものの、汎用の建築資
材用接着剤と比較した場合には極めて高価なため、経済
面の問題を抱えている。これらの問題を解決するため、
アミノ系シランカップリング剤及びグリシジル系シラン
カップリング剤の併用の提案がなされているが、充填剤
中の水分除去が不完全の場合には、これらシランカップ
リング剤が加水分解を起こし期待した効果が得られない
場合があった。
【0006】本発明者らは釜状の反応釜にプレポリマー
に含水率が0.2重量%未満の充填剤と含水率2.0%
未満の揺変剤を仕込み、これらの水分を高温で反応せし
めた後、アミノ系シランカップリング剤を40℃前後で
所定時間撹拌混合し、プレポリマーと反応させ、次いで
可塑剤、硬化促進剤を順次仕込、最終工程でグリシジル
系シランカップリング剤を配合することで、製造時の粘
度のバラツキが希少で、且つ貯蔵時の粘度安定性に優れ
た接着剤が得られることを確認した。しかしながらこの
方法では、前述したようなバッチ方式で製造するので製
造するのに長時間を要し、壁あるいは撹拌機の付着物を
取り除くに労力を必要とし、製品ロスも多かった。本発
明は、塗布時の作業性、接着力及び長期安定性に優れた
一液型ウレタン接着剤を、連続方式で短時間に、生産性
良く製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、一液型ウレタ
ン接着剤を製造するに当たり、セルフクリーニング性を
有する連続混練機にプレポリマー、可塑剤、充填剤及び
揺変剤中を仕込んだ後に混練し、次いでアミノ系シラン
カップリング剤を混合し一定時間反応させた後に硬化促
進剤、グリシジル系シランカップリング剤を配合するこ
とによって、短時間で、生産性が良く、塗布時の作業
性、接着力及び長期貯蔵安定性に優れた一液型ウレタン
接着剤を得る方法を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、(1)ポリオールと過剰の
ポリイソシアネート化合物を反応させて得られた活性イ
ソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、可塑剤、
充填剤及び揺変剤とを、連続混練機に供給して混練し反
応させ、次いでアミノ系シランカップリング剤をまず加
え一定時間混合し反応させた後に、硬化促進剤、グリシ
ジル系シランカップリング剤を配合混合することを特徴
とする一液型ウレタン接着剤の製造方法、(2)アミノ
系シランカップリング剤を加えて滞留時間0.1〜40
分間混合し反応させた後に、グリシジル系カップリング
剤及び硬化促進剤を配合混合することを特徴とする
(1)の一液型ウレタン接着剤の製造方法、(3)反応
をセルフクリーニング性を有する連続混練機で行うこと
を特徴とする(1)又は(2)の一液型ウレタン接着剤
の製造方法に関するものである。以下に、本発明を詳し
く説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる典型的な製造
プロセスを図1に示したが、製造プロセスは特に図1に
限定されるものではない。製造ラインは、プレポリマー
供給ライン1、充填剤供給ライン2及び揺変剤供給ライ
ン3と、可塑剤供給ライン4、アミノ系シランカップリ
ング剤、硬化促進剤及びグリシジル系シランカップリン
グ剤供給ライン5〜7、連続混練機8A、8B及び混練
物の移送ライン9からなる。プレポリマー、充填剤、揺
変剤及び可塑剤はストレージ槽1A〜4Aのストレージ
槽よりギアポンプ、定量フィーダー及びプランジャーポ
ンプ1B〜4Bを通って、一定量に計量されて連続混練
機8Aに供給される。充填剤及び揺変剤の貯蔵・移送に
は乾燥エアーを用いる。プレポリマー及び可塑剤の貯蔵
は窒素雰囲気で行う。プレポリマー、充填剤、揺変剤及
び可塑剤を混練した後5Aに貯蔵されたアミノ系シラン
カプリング剤をプランジャーポンプを経て一定量連続混
練機8Bに供給し反応させた後、窒素雰囲気下のストレ
ージ槽で貯蔵された硬化促進剤及びグリシジル系シラン
カップリング剤等をプランジャーポンプ6B、7Bで供
給し、混合した後、脱気槽9Aで脱気処理を行う。
【0010】本発明で使用される連続混練機は、セルフ
クリーング性を有する噛み合い同方向回転型の二軸押出
機あるいは連続ニーダーである。セルフクリーニング性
を有さない場合には掃除のために運転を頻繁に停止させ
なくてはいけない等工程管理上好ましくないばかりでな
く、装置に付着した樹脂が製品中に混入する等品質面で
も悪影響を与える。二軸押出機はスクリューがバレル内
で回転することにより、フィード口より供給されたプレ
ポリマーや添加剤は、ダイスに向かって押し込まれ、そ
の時強い圧縮とともに剪断が作用し、また更にスクリュ
ーやバレル壁との摩擦によって、へら撫で作用が加わ
り、混練され、ダイスより排出される。連続ニーダーの
場合には、バレルの中の二本の撹拌軸に、スクリューと
パドルを組み込み、同一方向に等速で回転させる。バレ
ルの一端上部から供給された原料は、スクリューで混練
ゾーンに送り込まれ、ここでパドルにより混練されて、
均一分散、圧縮、引延し、剪断、粉砕作用を万遍なく与
えれた後、バレルの他端下部、側面または前方より連続
的に排出される。反応を通常のいわゆる撹拌槽で行った
場合には、反応時間とバッチ毎の釜洗浄に長時間を要
し、生産性が悪い。連続混練機は必要に応じて数台を連
結して使用してもかまわないが、経済面及び保守の観点
から三台以下が望ましい。
【0011】本発明で使用されるギアポンプ及びプラン
ジャーポンプは、定量性のあるものであれば何れでもか
まわない。また定量フィーダーは重力式フィーダー、往
復式フィーダー、振動式フィダー、エンドレスベルト式
フィダー、スクリュー式フィーダー、テーブル式フィー
ダー等が使用可能であるが、好ましくはスクリュー式及
びテーブル式フィーダーが定量性、安定性、制御性及び
経済性の観点から望ましい。プレポリマー及び添加剤は
アミノ系シランカップリング剤の反応を妨げない限り、
必要に応じてプレミックスし連続混練機に供給しても差
し支えない。
【0012】前記プレポリマーと可塑剤、充填剤及び揺
変剤は、連続混練機に仕込み、窒素気流下で50〜10
0℃の温度条件で反応させる。好ましくは60〜90℃
にて反応させる。50℃未満の場合は貯蔵安定性が得ら
れず、充填剤及び揺変剤中の水分と反応させるために長
時間を要し、混練機中での滞留時間を稼ぐために生産性
が著しく落ちるか、あるいは装置が大きくなり現実性が
ない。100℃を超えた場合には、NCO同士の反応に
よるアロハネート結合等の反応を起こし接着力の低下を
きたす。水分反応が不十分な場合には貯蔵中の粘度安定
性が得られないばかりか、アミノ系シランカップリング
剤及びグリシジル系シランカップリング剤の加水分解を
引き起こし目的とする接着性能が得られない。前記プレ
ポリマーは水分の反応時間を短縮する目的で100℃以
下に加温して連続混練機に供給してもかまわない。
【0013】本発明に用いるポリオールとしては、ポリ
エーテルポリオール例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール等のジオール類、
グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール
類、アンモニア、エチレンジアミン等のアミン類の1種
または2種以上の存在下にプロピレンオキサイド及び、
またはエチレンオキサイドを開重合させて得られるラン
ダムまたはブロック共重合体、ポリエステルポリオール
としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、
1、4ブタンジオール、オオペンチルグリコールの存在
下にアジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸を重縮合さ
せて得られる共重合体、ε−カプロラクタム、パレロラ
クトンの開環重合で得られるもの、ビスフェノールA、
ヒマシ油等の活性水素基2個以上を有する低分子活性水
素化合物が挙げられ、通常分量100〜7000、1分
子中のヒドロキシル基(OH)2〜4のものが使用でき
る。これらのうち、分子量500〜5000のポリオキ
シプロピレンジオール及びポリオキシプロピレントリオ
ールの単独もしくは併用がタイルとの密着性、短時間で
の接着力の立ち上がりを始め、耐温水性、アルカリ水中
浸漬強度、さらには経済面から望ましい。
【0014】本発明に用いるポリイソシアネート化合物
としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、リジンメチルエステルジイソシアネート等の脂
肪族ポリイソシアネート類、水添ジフェニルメタンイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレ
ンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類、
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシア
ネート等の芳香族イソシアネート類、及びこれらの混合
物が挙げられる。これらのうち毒性や価格面よりMDI
の使用が好ましい。
【0015】前記ポリオールと過剰のポリイソシアネー
ト化合物を反応させてプレポリマーが得られる。具体的
にはプレポリマーは、OHを2個以上を有するポリオー
ルとイソイアネート基(NCO)を2個以上有するポリ
イソシアネート化合物をイソシアネート基が過剰になる
ように、即ちNCO/OH等量比が1より大となるよう
にする。例えば2.0≦NCO/OH≦15.0の割合
にて、窒素叉はドライエアー気流中で70〜100℃の
温度条件下で数時間反応させることより製造され、通常
のNCO含有量は2〜25%(重量%、以下同様)の範
囲であり、好ましくは3〜10%の範囲である。同一分
子量を低く設定すると、プレポリマーの硬化物は柔軟性
を呈し、逆に多く設定すると硬質で脆くなる。
【0016】本発明で用いる充填剤は、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、ケイ砂、スレート粉、マイカ、生
石灰等の平均粒径1〜300μmの無機充填剤である。
充填剤中の水分量は特に限定されるものではないが、含
水率が0.2%の原石を焼成後直ちに防湿袋に包装した
もので含水率が0.2%未満の物、もしくは別途100
〜150℃にて乾燥機で含水率を0.2%未満に調整さ
れたものを用いるのが望ましい。含水率が0.2%を越
える物を用いた場合、プレポリマーと水分との反応によ
る尿素結合反応より、製造時に高粘度化し、接着剤取扱
時及び節目ゴテ等を用いた塗布時の接着剤の伸び、篭手
切れ性等の塗布作業性が著しく低下する問題が発生す
る。
【0017】前記充填剤のうち、経済面より重質炭酸カ
ルシウム(以下炭酸カルシウムとする)が好ましい。該
炭酸カルシウムは接着剤として作業面からの2種類以上
混合して使用しても差し支えない。該充填剤の配合量は
特に限定するものではないが、経済性、接着力から、プ
レポリマー100重量部に対して、30〜250重量
部、好ましくは100〜200重量部の範囲が良い。3
0重量部未満であると揺変性付与及び接着力向上効果に
欠け経済性にも欠ける。250重量部を越えると粘度の
上昇が著しく、接着剤取扱時及び塗布作業性に支障をき
たし、接着力も低下を示し問題となる。
【0018】本発明で用いる揺変剤は含水率2.0%未
満に調整されたシリカ粉、石綿粉等の無機揺変剤を始
め、含水率が2.0%未満である有機ベンナイト、変性
ポリエステルポリオール、ポリ塩化ビニル粉末、ヒマシ
油脂肪酸系等の有機揺変剤が挙げられる。中でも少量で
揺変性付与効果の大きいシリカ粉が望ましい。揺変剤の
配合量は特に限定しないが、プレポリマー100重量部
に対して0〜25重量部の範囲であり、好ましくは0.
1〜15重量部の範囲で用いれば良い。25重量部を超
えると製造時の粘度が高粘度化し、接着剤取扱時及び塗
布作業性に支障をきたし、またシリカ粉は高価なために
経済性にも欠ける。該揺変剤の含水率も特に限定される
ものではないが、含水率が2.0%を超える場合、前記
充填剤同様の粘度上の問題が発生し、接着剤取扱時及び
塗布作業性に支障をきたす。
【0019】本発明で用いる可塑剤は、ジメチルフタレ
ート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート等のフ
タル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチル
アジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート等のア
ジピン酸誘導体、ジオクチルアゼテート、ジイソオクチ
ルアゼレート等のアゼライン酸誘導体の他、イソフタル
酸誘導体、セバシン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマ
ル酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、
ステアリン酸誘導体、エポキシ誘導体、ポリエステル重
合型可塑剤、石油炭化水素系可塑剤等が挙げられる。
【0020】これらのうち、プレポリマーとの相溶性、
接着剤の低粘度高揺変性付与、低臭気、更には経済性等
の面からジオクチルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、石油炭化水素系可塑剤から選ばれた1種あるいは2
種以上の配合が好ましい。可塑剤の配合量は、接着剤と
して塗布に支障の無い粘度及び揺変性付与を目的として
用いるため特に限定するものではない。
【0021】本発明に用いる硬化促進剤は、一般にウレ
タン樹脂の硬化剤として用いられているジブチル錫ラウ
レート(DBTDL)、オクチル酸鉛等の有機金属塩
や、アミン系硬化促進剤が挙げられる。これらのうち、
貯蔵時の粘度安定性からDBTDLが最も望ましい。硬
化促進剤の量は特に限定するものでは無いが、四季を通
じて何れの気象条件下でも支障なく使用可能な配合量
は、プレポリマー100重量部に対して0.05〜0.
30重量部の範囲であり、好ましくは0.16〜0.2
4重量部の範囲である。0.05重量部未満の場合は冬
期の接着力立ち上がりが遅くなり、0.30重量部を超
えると夏期の可使時間、即ちタイル張り付け時間が極端
に短くなり、作業性に支障をきたす。
【0022】本発明のアミノ系シランカップリング剤と
しては、例えばビス(トリメトキシシリルプロピル)シ
ラン、γ−N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミンエチル)γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピル−メチルジエトキシシラン等
が挙げられ、これらのうち、タイル、特に磁気質タイル
との密着性よりトリメトキシシラン系が優れ、具体的に
はγ−アミノプロピルトリメトキシシランが望ましい。
【0023】アミノ系シランカップリング剤は、プレポ
リマーと充填剤、揺変剤及び可塑剤中の水分とを1〜3
0分程度反応させた後に、滞留時間0.1〜40分間プ
レポリマーと反応させる。好ましくは0.5〜5分間反
応させる。反応時間が0.1分より短い場合には出来上
がったコンパウンドの粘度が低く、作業性が悪い。反応
時間が40分以上の場合には、前述した水分反応の場合
と同様に装置内で滞留時間を稼ぐために生産量が著しく
低下するか、あるいは装置が大きくなりすぎて現実性が
ない。
【0024】本発明のグリシジル系シランカップリング
剤としてはγ−(β、4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン等が挙げられ、これらの温水浸漬劣化性、
熱劣化等からγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランが好ましい。
【0025】本発明のアミノ系及びグリシジル系シラン
カップリング剤の配合量は、プレポリマー100重量部
に対して各々0.05〜3.0重量部の範囲で用いる。
更に好ましくは0.5〜1.0重量部の範囲である。ア
ミノ系とグリシジル系シランカップリング剤の併用割合
は特に限定されるものではないが、好ましくはアミノ系
に対して、グリシジル系シランカップリング剤を重量比
で等量以上用いると良い。0.05重量部未満の場合、
湿潤した外壁材への接着剤の付着性及びタイルとの密着
性はもとより、低温時の硬化速度が遅く、3.0重量部
を超えるとアミノ系シランカップリング剤のアミノ基と
NCOの反応に基ずく接着剤の増粘と、高価なため経済
面で問題となる。
【0026】前記のごとく本発明は、アミノ系及びグリ
シジル系シランカップリング剤の併用が必須である。ア
ミノ系のみを単独で用いた場合、湿潤した外壁材への接
着剤の付着性、タイルとの密着性及び低温時の硬化速度
は向上するものの、温水浸漬劣化性、熱劣化等の低下が
著しい。一方、グリシジル系を単独で用いた場合、アミ
ノ系とは全く逆に温水浸漬劣化性、熱劣化性は優れるも
のの、湿潤した外壁剤への接着剤の付着性及びタイルと
の密着性、低温時の硬化速度に欠け、長時間の養生で接
着力の値は得られるものの、タイル界面から剥離する傾
向がまし問題となる。この相反する特性は両者の併用に
より克服される。
【0027】
【実施例】以下に本発明を更に具体的に説明するため、
製造例、実施例及び比較例をあげて説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものでない。また、特に
限定の無い限り部は重量部を意味する。 製造例 プレポリマーはポリオール(ジオール3000、MN5
000 三井東圧化学(株)製)及びイソシアネート
(コスモネートPH、LK 三井東圧化学(株)製)よ
り合成したNCO%が6%のものを用いた。
【0028】実施例1 プレポリマーと炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)
製、T重炭)、シリカ粉(日本アエロジル(株)製、ア
エロジル200)及びDOA(協和醗酵(株)製)とを
ギアポンプ、定量フィーダー(粉研パウテックス(株)
製、フンケンオートフィダー)及びプランジャーポンプ
を用いて連続混練機(栗本鉄工(株)製S2型KRCニ
ーダー)に投入し、85℃の温度で混練し反応させた。
処理時間は8分であった。混練物を連続的に2段目の連
続混練機に送りアミノ系シランカップリング剤(日本ユ
ニカー(株) A−1110)を投入し4分間混練し
た。次いで2段目の連続混練機の中間に位置する添加剤
供給口より硬化促進剤(日東化成(株)製 ネオスタン
−U100)及びグリシジル系シランカップリング剤
(信越シリコーン(株) KBM−403)をプランジ
ャーポンプを用いて投入し、更に4分連続混合して所定
の混合物を得た。処理時間の合計は16分であった。
【0029】比較例1 アミノ系シランカップリング剤と硬化促進剤とを同一の
投入口より添加して実施例1と同様に製造した。 比較例2 混練温度を30℃にして実施例1と同様に製造した。 比較例3 プレポリマーと炭酸カルシウム、シリカ粉及びDOA
を、連続混練機を使用せずプラネタリーミキサーに仕込
み、窒素雰囲気下で15分間均一に混練した。次い
で、、85℃に昇温し、同温度で1時間も反応させなけ
ればならなかった。反応終了後アミノ系シランカップリ
ング剤を投入し40分混合した後、硬化促進剤及びグリ
シジル系シランカップリング剤を配合し混合して混合物
を得た。
【0030】実施例及び比較例にて製造した本発明のタ
イル用接着剤をJIS A−5548に規定された下記
試験により評価した。 (1)接着強さ JIS A5548の接着強さ測定方法に準じ、1週間
水中浸漬した高含水率モルタルに、JIS G−310
1に規定された標準くし目ごてを用いて塗布し、各条件
で20分の待ち時間をとり、4×4cmに切断した磁器
質タイル((株)INAX製、商品名セラロング)を張
り合わせ各試験方法に則り、インテスコ引っ張り試験機
(3mm/min)にて接着強さを測定し、kg/cm
2 で表示すると共に、破壊状態を下記のごとく表示し
た。 A −接着剤の凝集破壊(モルタル及びタイルの密着性
良好) G −モルタル下地材の破壊(同上) AB−接着剤とタイルの界面剥離(タイルとの密着性に
欠ける)
【0031】標準強度:JIS A−5548の65%
RHにて1週間養生後測定した。 低温強度:(JIS A−5548規格の672時間を
下記に短縮) :タイル張り合わせ後、5℃90%RH以上の湿潤状態
にて48時間養生後測定。
【0032】(2)粘度 製造時:EH型回転粘度計にて5rpm/25℃の粘度
を測定した。 貯蔵安定性:50℃高温室に2週間放置後の初期粘度に
対する粘度上昇率で下記の如く表示した。 ○−粘度の上昇変化率 0〜20% △−粘度の上昇変化率 21〜40% ×−粘度の上昇変化率 41%以上 (3)タイルのずれ抵抗性 JIS A−5548のずれ抵抗性試験方法に準じ、2
0℃65%RHにて、欠く接着剤をスレート板にJIS
G−3101に規定された標準くし目ごてを用いて塗
布し、100mm各のタイルを張り合わせ質量5Kgの
重りを載せた後、直ちに試験体を垂直に建てズレ長さを
測定する。 (4)作業性 塗布時の作業性を下記の様に表示した。 ○ 塗り易い × 抵抗が大きく塗りにくい、あるいは粘度が低く液飛
びがする
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】表1から明らかなように本発明の連続製
造方式により、短時間でバッチ方式と同等の貯蔵安定
性、接着力を有する一液湿気硬化型ウレタン接着剤を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造プロセスの一例を示す図
【符号の説明】
1 プレポリマー供給ライン 2 充填剤供給ライン 3 揺変剤供給ライン 4 可塑剤供給ライン 5 アミノ系シランカップリング剤供給ライン 6 硬化促進剤供給ライン 7 グリシジル系シランカップリング剤供給ライン 1A ストレージ槽(プレポリマー) 2A ストレージ槽(充填剤) 3A ストレージ槽(揺変剤) 4A ストレージ槽(可塑剤) 5A ストレージ槽(アミノ系シランカップリング剤) 6A ストレージ槽(硬化促進剤) 7A ストレージ槽(グリシジル系シランカップリング
剤) 1〜7B 定量フィーダー、ギアポンプ、プランジャー
ポンプ 8A 連続混練機 8B 連続混練機 9A 脱気槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 伸二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオールと過剰のポリイソシアネート
    化合物を反応させて得られた活性イソシアネート基含有
    ウレタンプレポリマーと、可塑剤、充填剤及び揺変剤と
    を、連続混練機に供給して混練し反応させ、次いでアミ
    ノ系シランカップリング剤をまず加え一定時間混合し反
    応させた後に、硬化促進剤、グリシジル系シランカップ
    リング剤を配合混合することを特徴とする一液型ウレタ
    ン接着剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 アミノ系シランカップリング剤を加えて
    滞留時間0.1〜40分間混合し反応させた後に、グリ
    シジル系カップリング剤及び硬化促進剤を配合混合する
    ことを特徴とする請求項1記載の一液型ウレタン接着剤
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応をセルフクリーニング性を有する連
    続混練機で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の
    一液型ウレタン接着剤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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