JPH08218054A - 貯蔵安定性に優れた一液型ウレタン系接着剤の製造方法 - Google Patents

貯蔵安定性に優れた一液型ウレタン系接着剤の製造方法

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JPH08218054A
JPH08218054A JP2176795A JP2176795A JPH08218054A JP H08218054 A JPH08218054 A JP H08218054A JP 2176795 A JP2176795 A JP 2176795A JP 2176795 A JP2176795 A JP 2176795A JP H08218054 A JPH08218054 A JP H08218054A
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adhesive
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silane coupling
coupling agent
water content
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JP2176795A
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Masao Kishi
岸  正夫
Yoshiro Fuseya
善郎 布施谷
Tomio Tsuchida
富雄 土田
Katsura Nagata
桂 永田
Kousuke Suewaka
耕介 末若
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリオールと過剰のポリイソシアネート化合物
を反応させて得られた活性イソシアネート基含有ウレタ
ンプレポリマー、含水率0.2重量%未満の充填剤、及
び含水率2.0重量%未満の揺変剤を気密性を有する撹
拌混合釜中で混合し、充填剤及び揺変剤中の水分を反応
させた後、アミノ系シランカップリング剤を加え活性イ
ソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応させ、
次いで、可塑剤、硬化促進剤及びグリシジル系シランカ
ップリング剤を配合し、真空脱泡することを特徴とする
貯蔵安定性に優れた一液ウレタン系接着剤の製造方法。 【効果】従来の二液型エポキシ系接着剤、セメント配合
一液硬化型ウレタンやエポキシ樹脂配合変性シリコーン
系接着剤のような混合不良や皮膚かぶれ等の問題がな
く、貯蔵安定性や低温湿潤下地面への塗布性に優れ、低
温時にタイルを張り合わせても充分な接着力立ち上がり
を示し、垂直面にタイルを張り合わせた場合のタイルの
ずれ抵抗性を有し、JIS Aー5548規格に適合
し、経済性の面でも極めて有用な一液ウレタン系接着剤
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタイル用一液型ウレタン
系接着剤に関する。更に詳しくは製造時の粘度のバラツ
キが極めて僅少で且つ、経時による貯蔵安定性(粘度上
昇)に優れ、低温湿潤状態のモルタル、石綿スレート
(フレキブシルボード)、窯業系サイディング材、ケイ
カル板、合板等の下地材と磁器質、陶器質及び石器質等
のタイルを張り合わせるのに使用され、これら下地材面
への良好な塗布性を有し、低温時にタイルを張り合わせ
てもタイルとの密着性に優れ、且つ短時間で充分な接着
力立ち上がりを示し、標準強度、温水中浸漬強度、アル
カリ水中浸漬強度等の接着諸物性に優れたタイル用一液
ウレタン系接着剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タイル用接着剤はJIS A−5548
に規格されており、その中でタイプIグレードは、湿っ
た下地材に適用される接着剤として用途区分されてい
る。更に詳しくは、1週間水中浸浸した高含水率の下地
材とタイルの接着について規格化している。従来よりこ
のタイプI用接着剤としては例えば、二液型のエポキシ
系接着剤が用いられてきたが、二液混合の作業の煩雑さ
と計量ミスによる硬化不良トラブル、ポットライフが短
かい(二液配合物の使用可能時間)、低温硬化性不備、
可撓性不足や通常用いられるアミン系硬化剤による臭気
及び皮膚障害、等々の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
べく接着剤として、特開平4−168185号の明細書
に記載のごとく活性イソシアネート基含有ウレタンプレ
ポリマー(以下NCO含有プレポリマーと略称する)に
セメントを配合したタイル用一液型ウレタン系接着剤が
提案されているが、低温湿潤面下地材との接着性には優
れるものの貯蔵時の粘度安定性、タイルとの密着性に問
題があった。
【0004】また、月刊誌「接着」(1994年、38
巻12号)に記載のごとく、変性シリコーン系接着剤に
更にエポキシ樹脂で変性した接着剤の提案がなされてい
るが、接着諸物性的には満足されるものの、汎用の建築
資材用接着剤と比較した場合極めて高価のため、経済性
面の問題を抱えている。これら問題を解決するため、ア
ミノ系シランカップリング剤及びグリシジル系シランカ
ップリング剤の併用の提案がなされているが、充填剤中
の水分除去が不完全の場合、これらシランカップリング
剤が加水分解を起こし期待した効果が得られない問題が
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
を解決するべく、JIS A−5548規格に適合する
タイプ1の新規なタイル用接着剤を開発するために鋭意
検討した結果、NCO含有プレポリマーに含水率が0.
2重量%未満の充填剤と含水率2.0重量%未満の揺変
剤を仕込み、これら水分を高温で反応させしめた後、ア
ミノ系シランカップリング剤を40℃前後で所定時間撹
拌混合し、活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリ
マーと反応させる。次いで可塑剤、硬化促進剤を順次仕
込み、最終工程でグリシジル系シランカップリング剤を
配合することで、製造時の粘度のバラツキが僅少で、且
つ貯蔵時の粘度安定性に優れた接着剤が得られることを
見い出し、この接着剤は低温湿潤下地面への塗布性に優
れ、低温時にタイルを張り合わせても充分なタイルとの
密着性と短時間で充分な、接着力立ち上がりを有し、前
記の接着諸物性にも優れる事を見い出し本発明を完成さ
せるに至った。
【0006】即ち本発明は1.〜4.の通りである。 1.ポリオールと過剰のポリイソシアネート化合物を反
応させて得られた活性イソシアネート基含有ウレタンプ
レポリマー、含水率0.2重量%未満の充填剤、及び含
水率2.0重量%未満の揺変剤を気密性を有する撹拌混
合釜中で混合し、充填剤及び揺変剤中の水分を反応させ
た後、アミノ系シランカップリング剤を加え活性イソシ
アネート基含有ウレタンプレポリマーと反応させ、次い
で、可塑剤、硬化促進剤及びグリシジル系シランカップ
リング剤を配合し、真空脱泡することを特徴とする貯蔵
安定性に優れた一液ウレタン系接着剤の製造方法。 2.活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと
充填剤及び揺変剤中の水分を窒素気流中で70〜100
℃の温度条件下で30〜120分間反応させることを特
徴とする1.記載の貯蔵安定性に優れた一液ウレタン系
接着剤の製造方法。 3.活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと
充填剤及び揺変剤中の水分を反応させた後、20〜50
℃の温度に降温し、同温度でアミノ系シランカップリン
グ剤を配合し、10〜60分間活性イソシアネート基含
有ウレタンプレポリマーと反応させることを特徴とする
1.記載の貯蔵安定性に優れた一液ウレタン系接着剤の
製造方法。 4.活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー1
00重量部に対し、アミノ系シランカップリング剤及び
グリシジル系シランカップリング剤を、それぞれ0.0
5〜3.0重量部配合することを特徴とする1.記載の
貯蔵安定性に優れた一液ウレタン系接着剤の製造方法。
【0007】本発明に用いるポリオールとしては、ポリ
エーテルポリオール例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール等のジオール類、
グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール
類、アンモニア、エチレンジアミン等のアミン類の1種
または2種以上の存在下にプロピレンオキサイド及び、
又はエチレンオキサイドを開環重合させて得られるラン
ダムまたはブロック共重合体、ポリエステルポリオール
としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、
1、4ブタンジオール、オオペンチルグリコールの存在
下にアジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸等を重縮合
させて得られる共重合体、ε−カプロラクトン、パレロ
ラクトンの開環重合で得られるもの、ビスフェノール
A、ヒマシ油等の活性水素基2個以上を有する低分子活
性水素化合物が挙げられ、通常分子量100〜700
0、1分子中のヒドロキシル基(0H)2〜4のものが
使用できる。これらの内分子量分子量500〜5000
のポリオキシプロピレンジオール及びポリオキシプロピ
レントリオールの単独もしくは併用がタイルとの密着
性、短時間での接着力の立ち上がりを始め、耐温水性、
アルカリ水中浸漬強度、更には経済性面から好ましい。
【0008】本発明に用いるポリイソシアネート化合物
としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、リジンメチルエステルジイソシアネート等の脂
肪族ポリイソシアネート類、水添ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリ
レンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート
類、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ト
リレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソ
シアネート等の芳香族イソシアネート類、及びこれらの
混合物が挙げられる。これらのうち毒性や価格面よりM
DIの使用が好ましい。
【0009】前記ポリオールと過剰のポリイソシアネー
ト化合物を反応させてNCO含有プレポリマーが得られ
る。具体的にはNCO含有プレポリマーは、OHを2個
以上を有するポリオールとイソシアネート基(NCO)
を2個以上有するポリイソシアネート化合物をイソシア
ネート基が過剰となるように、即ちNCO/OH等量比
が1より大となるようにする。例えば2.0≦NCO/
OH≦15.0の割合にて、窒素又はドライエアー気流
中で70〜100℃の温度条件下で数時間反応させるこ
とにより製造され、通常のNCO含有量は2〜25%
(重量%、以下同様)の範囲であり、好ましくは3〜1
0%の範囲である。同一分子量ポリオールを用いてNC
O含有量を低く設定すると、NCO含有プレポリマーの
硬化物は柔軟性を呈し、逆に多く設定すると硬質で脆く
なる。
【0010】本発明で用いる含水率が0.2重量%の充
填剤は、原石を焼成後直ちに防湿袋に包装したもので含
水率が0.2%未満のもの、もしくは別途100〜15
0℃乾燥機等で含水率を0.2%未満に調整された、例
えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、ケイ砂、スレー
ト粉、マイカ、生石灰等の平均粒径1〜300μの無機
充填剤を意味する。含水率が0.2%を超えるものを用
いた場合、NCO含有プレポリマーと水分との反応によ
る尿素結合反応より、製造時の粘度が高粘度化し、接着
剤取扱い時及び櫛目ゴテ等を用いた塗布時の接着剤の伸
び、コテ切れ性等の塗布作業性が顕しく低下する問題が
発生する。
【0011】前記充填剤のうち、経済性面より重質炭酸
カルシウム(以下炭酸カルシウムと略称する)が好まし
い。本炭酸カルシウムは接着剤として作業性面からの適
性粘度から比較的平均粒子径の大きなもの1種、もしく
は粒径の異なるものを二種以上の配合が好ましい。本充
填剤の配合量は特に限定するものではないが、経済性、
接着力から、NCO含有プレポリマー100重量部に対
して、30〜250重量%、好ましくは100〜200
重量%の範囲が良い。30重量%未満であると揺変性付
与及び接着力向上効果に欠け経済性にも欠ける。250
重量%を超えると粘度の上昇が著しく、接着剤取扱時及
び塗布作業性に支障をきたし、接着力も低下を示し問題
となる。
【0012】本発明で用いる揺変剤は、含水率2.0%
未満に調整されたシリカ粉、石綿粉等の無機揺変剤を始
め、含水率が2.0重量%未満である有機ベントナイ
ト、変性ポリエステルポリオール、ポリ塩化ビニル粉
末、ヒマシ油脂肪酸系等の有機揺変剤が挙げられる。中
でも少量で揺変性付与効果の大きいシリカ粉が好まし
い。揺変剤の配合量は特に限定しないが、NCO含有プ
レポリマー100重量部に対して0〜25重量%の範囲
であり、好ましくは0.1〜15重量%の範囲で用いれ
ば良い。25重量%を超えると製造時の粘度が高粘度化
し、接着剤取扱い時及び塗布作業性に支障をきたし、ま
たシリカ粉は高価なため経済性にも欠ける。本揺変剤の
含水率が2.0重量%を超える場合、前記充填剤同様の
粘度上の問題が発生し、接着剤取扱時及び塗布作業性に
支障をきたす。
【0013】前記NCO含有プレポリマーと充填剤及び
揺変剤は、気密性を有する撹拌混合釜に仕込み、窒素気
流下で70〜100℃の温度条件で30〜120分間反
応させる。好ましくは80〜90℃にて45〜80分間
反応させる。70℃未満の場合、充填剤及び揺変剤中の
水分反応に120分以上を要し生産性に欠け、100℃
を超えると、NCO同士の反応によるアルファネート結
合等の副反応を起こし接着力低下をきたす。また反応時
間が30分未満の場合は充填剤及び揺変剤中の水分反応
が不充分で、貯蔵中の粘度安定性が得られないばかり
か、後述するアミノ系シランカップリング剤及びグリシ
ジル系シランカップリング剤の加水分解を引き起こし目
的とする接着性能が得られない。120分を超えた場合
は接着性能上問題はないものの、実際には60分前後で
水分反応は完結するため、それ以上の時間を掛けること
は意味がなく生産性に問題を生ずる。
【0014】本発明に用いるアミノ系シランカップリン
グ剤としては、例えばビス(トリメトキシシリルプロピ
ル)シラン、γ−N−フェニルアミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミンエチル)γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピル−メチルジエトキシシ
ラン等が挙げられ、これらの内低温接着時のタイルと密
着性よりトリメトキシシラン系が優れ、具体的にはγ−
アミノプロピルトリメトキシシランが低温時の接着に於
いてタイルとの密着性及び、短時間での接着力の立ち上
がり面より好ましい。
【0015】アミノ系シランカップリング剤の配合量
は、NCO含有プレポリマー100重量部に対して各々
0.05〜3.0重量%の範囲であり、好ましくは0.
5〜1.0重量%の範囲である。0.05重量%未満の
場合、低温接着時のタイルとの密着性及び短時間での接
着力立ち上がりが低下し、3.0重量%を超えるとアミ
ノ系シランカップリング剤のアミノ基とNCOの反応に
基ずく製造時の高粘度化、貯蔵時の粘度安定性及び経済
性から問題となる。
【0016】アミノ系シランカップリング剤は、NCO
含有プレポリマーと充填剤及び揺変剤中の水分反応後、
20〜50℃の温度に降温し、本温度条件下で10〜6
0分間NCO含有プレポリマーと反応させる。好ましく
は40℃前後で30分間反応させると良い。反応温度が
20℃未満では反応完結に時間を要し生産性に欠け、5
0℃を超えると配合時に火傷その他の危険性があり好ま
しくない。また反応時間が10分未満の場合は未反応の
アミノ系シランカップリング剤が、後述する可塑剤中に
含まれる若干量の水分と反応で加水分解を起こし、タイ
ルとの密着性の低下につながる。60分を超えると生産
性上問題となる。
【0017】本発明に用いる可塑剤としてはジメチルフ
タレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート等
のフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジオク
チルアジペートジイソデシルアジペート等のアジピン酸
誘導体、ジオクチルアゼレート、ジイソオクチルアゼレ
ート、等のアゼライン酸誘導体の他、イソフタル酸誘導
体、セバシン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘
導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、ステア
リン酸誘導体、エポキシ誘導体、ポリエステル重合型可
塑剤、石油炭化水素系可塑剤等が挙げられる。
【0018】これらのうち、N0O含有プレポリマーと
の相溶性、接着剤の低粘度高揺変性付与、低臭気、更に
は経済性等の面からジオクチルフタレート、ジオクチル
アジペート、石油炭化水素系可塑剤から選ばれた1種も
しくは2種以上の配合が好ましい。可塑剤の配合量は、
接着剤として塗布に支障のない粘度及び揺変性付与を目
的として用いるため特に限定するものではない。
【0019】本発明に用いる硬化促進剤は、一般にウレ
タン樹脂の硬化剤として用いられているジブチル錫ジラ
ウレート(DBTDL)、オクチル酸鉛等の有機金属塩
や、アミン系硬化促進剤が挙げられる。これらのうち、
貯蔵時の粘度安定性からDBTDLが最も好ましい。硬
化促進剤の量は特に限定するものではないが、四季を通
じいずれの気象条件下でも支障なく使用可能な配合量
は、NCO含有プレポリマー100重量部に対して0.
05〜0.20重量%の範囲であり、好ましくは0.0
8〜0.12重量%の範囲である。0.05重量%未満
の場合は冬季の接着力立ち上がりが遅くなり、0.20
重量%を超えると夏期の可使時間、即ちタイル張り付け
可能時間が極端に短くなり、作業性に支障をきたす。
【0020】本発明のグリシジル系シランカップリング
剤としてはγ−(β、4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン等が挙げられ、これらの内、耐温水性、耐
熱性、アルカリ水中浸漬強度面よりγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0021】グリシジル系シランカップリング剤の配合
量は、アミノ系シランカップリング剤と等量用い、NC
O含有プレポリマー100重量部に対して各々0.05
〜3.0重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜1.
0重量%の範囲である。0.05重量%未満の場合、耐
温水性、耐熱性、アルカリ水中浸漬強度の向上が認めら
れず、3.0重量%を超えて用いても接着物性の更なる
向上は見られず無意味で、高価な薬剤につき経済性面に
も問題を生ずる。
【0022】本発明は、前記アミノ系シランカップリン
グ剤とグリシジル系シランカップリング剤の併用が必須
である。ちなみにアミノ系シランカップリング剤のみを
単独で用いた場合、低温湿潤下地面にタイルを接着時の
密着性、接着力には優れるもの耐温水性、耐熱性、アル
カリ水中浸漬強度の低下が著しい。一方、グリシジル系
シランカップリング剤を単独で用いた場合はアミノ系と
は全く逆に、耐温水性、耐熱性、アルカリ水中浸漬強度
は優れるものの、低温湿潤下地面にタイルを接着時の密
着性に欠け、接着力の値は得られるもののタイル界面か
ら剥離する傾向が増し問題となる。この相反する特性は
両者の併用により克服される。
【0023】以上の構成から成る本発明の貯蔵安定性に
優れた一液型ウレタン系接着剤は、モルタル、石綿スレ
ート(フレキブシルボード)、窯業系サイディング材、
ケイカル板、合板等の下地材と磁器質、陶器質及び石器
質等のタイルを張り合わせるのに使用され、その他合板
同士、ハードボード等の木質板と木材及びプラスチッ
ク、金属板とタイル等の接着剤としても使用できる。本
発明の接着剤は、前記の二液型エポキシ系接着剤、セメ
ント配合一液硬化型ウレタンやエポキシ樹脂配合変性シ
リコーン系接着剤のごとく、混合不良や皮膚かぶれ等の
問題がなく、貯蔵安定性を始めとし、低温湿潤下地面へ
の塗布性に優れ、低温時にタイルを張り合わせても充分
な接着力立ち上がりを示し、耐温水性、アルカリ水中浸
漬強度、耐熱性等JIS Aー5548規格に充分適合
し、経済性面でも極めて有用な一液ウレタン系接着剤で
ある。
【0024】
【実施例】以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて
本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。また、特に限定のない限り部は重量
部を意味する。 製造例 気密性を有する撹拌機及びコンデンサー付き反応釜を窒
素置換し4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート
(三井東圧化学(株)製、商品名コスモネートPH−
B、NCO%33.6、純度99.5%以上の白色固
体)300部を仕込み、次いでポリオキシプロピレンジ
オール(三井東圧化学(株)製、商品名ジオール300
0、OH価38±2、粘度530±100cps/25
℃、分子量MW3000)と、ポリプロピレントリオー
ル(三井東圧化学(株)製、商品名トリオール500
0、OH価34±3、粘度650±100cps/25
℃、分子量MW5000)を各々350部を仕込み、8
5℃にて2時間反応せしめた後、40℃以下冷却し本発
明に用いる残存NCO%約8%粘度50ps(EH型回
転粘度計、10rpm/25℃)のNCO含有プレポリ
マーを得た。
【0025】実施例1〜6及び比較例1〜6 プラネタリーミキサーに表1及び表2に掲載した所定量
のNCO含有プレポリマーと充填剤及び揺変剤を仕込
み、窒素気流下で表1及び表2に示した反応条件で反応
させた。次いでアミノ系シランカップリング剤を仕込
み、表1及び表2に示した反応条件で反応後、粘度調整
用の可塑剤を仕込み30分間撹拌混合し、所定の粘度範
囲であることを確認し、硬化促進剤、グリシジル系シラ
ンカップリング剤の順で仕込み15分混合後、700m
mHg以上で15分間真空脱泡を行ない本発明のタイル
用一液ウレタン系接着剤を調整した。本接着剤の粘度は
300〜500ポイズ(EH型粘度計No3コーン10
rpm/25℃)、揺変性(1rpm/10rpm粘度
比)5〜10であった。
【0026】実施例及び比較例にて製造した本発明のタ
イル用接着剤をJIS A−5548に規定された下記
試験に供し、その評価結果を表1及び表2に示した。 1) 接着強さ(JIS A−5548に準じた評価) JIS A−5548の接着強さ測定方法に準じ、1週
間水中浸漬した高含水率モルタルに、JIS G−31
01に規定された標準くし目ごてを用いて塗布し、各条
件で20分間の待ち時間をとり、4×4cmに切断した
磁器質タイル((株)INAX製、商品名セラロング)
を張り合わせ各試験方法に則り、インテスコ引張試験機
(3mm/min)にて接着強さを測定し、kg/cm
2 で表示すると共に、破壊状態を下記のごとく表示し
た。 A −接着剤の凝集破壊(モルタル及びタイルとの密着
性良好) G −モルタル下地材の破壊(同上) AB−接着剤とタイルの界面剥離(タイルとの密着性に
欠ける)
【0027】標準強度:JIS A−5548の65%
RHにて1週間養生後測定した。 温水:JIS A−5548の接着強さ測定方法に準
じ、タイル張り合わせ後5℃1週間養生後、50℃温水
浸漬24時間浸漬後測定した。 アルカリ水中:JIS A−5548の接着強さ測定方
法に準じ、20℃65%RHにて1週間養生後、水酸化
カルシウム飽和水溶液浸漬48時間後測定した。 低温硬化性(JIS A−5548規格の672時間を
下記に短縮):タイル張り合わせ後、5℃90%RH以
上の湿潤状態にて48時間養生後測定。 熱劣化:JIS A−5548の65%RHにて1週間
養生品を、60±2℃乾燥機に672時間放置後測定し
た。
【0028】2)粘度 製造時:真空脱泡後、EH型回転粘度計にて10rpm
/25℃の粘度を測定した。 貯蔵安定性:50℃恒温室に2週間放置後の初期粘度に
対する粘度上昇率で下記のごとく表示した。 ○−粘度の上昇変化率0〜20% △− 〃 21〜40% ×− 〃 41%以上 3)タイルのずれ抵抗性 JIS A−5548のずれ抵抗性試験方法に準じ、2
0℃65%RHにて、各接着剤をスレート板にJIS
G−3101に規定された標準くし目ごてを用いて塗布
し、100mm角のタイルを張り合わせ質量5kgのお
もりを載せた後、直ちにに試験体を垂直に立てずれ長さ
を測定する。
【0029】4)磁器質タイルとの密着性 JIS A−5548の接着強さ測定方法に準じ、5℃
の水に1週間浸漬した高含水率モルタルに、JIS G
−3101に規定された標準くし目ごてを用い、5℃雰
囲気に1日放置した接着剤塗布し、同じく5℃に1日放
置した4×4cmに裁断した、前記接着強さで用いたタ
イルを張り合わせ、5℃、95%RHにて2日養生後、
インテスコ引張試験機(3mm/min)にて接着力を
測定し、測定後の接着剤の剥離状態を観察し下記のごと
く表示した。 ○ タイルの総面積の70%以上に接着剤が付着。 △ 〃 30〜69%のに接着剤が付
着。 × 〃 30%未満の接着剤付着。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】表1及び表2から明らかなごとく、本発
明の貯蔵安定性に優れた一液型ウレタン系接着剤は、従
来の二液型エポキシ系接着剤、セメント配合一液硬化型
ウレタンやエポキシ樹脂配合変性シリコーン系接着剤の
ごとく、混合不良や皮膚かぶれ等の問題がなく、貯蔵安
定性を始めとし、低温湿潤下地面への塗布性に優れ、低
温時にタイルを張り合わせても充分な接着力立ち上がり
を示し、垂直面にタイルを張り合わせた場合のタイルの
ずれ抵抗性を有し、耐温水性、アルカリ水中浸漬強度、
耐熱性等、JIS Aー5548規格に充分適合し、経
済性面でも極めて有用な一液ウレタン系接着剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 桂 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 末若 耕介 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオールと過剰のポリイソシアネート化
    合物を反応させて得られた活性イソシアネート基含有ウ
    レタンプレポリマー、含水率0.2重量%未満の充填
    剤、及び含水率2.0重量%未満の揺変剤を気密性を有
    する撹拌混合釜中で混合し、充填剤及び揺変剤中の水分
    を反応させた後、アミノ系シランカップリング剤を加え
    活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応
    させ、次いで、可塑剤、硬化促進剤及びグリシジル系シ
    ランカップリング剤を配合し、真空脱泡することを特徴
    とする貯蔵安定性に優れた一液ウレタン系接着剤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】活性イソシアネート基含有ウレタンプレポ
    リマーと充填剤及び揺変剤中の水分を窒素気流中で70
    〜100℃の温度条件下で30〜120分間反応させる
    ことを特徴とする請求項1記載の貯蔵安定性に優れた一
    液ウレタン系接着剤の製造方法。
  3. 【請求項3】活性イソシアネート基含有ウレタンプレポ
    リマーと充填剤及び揺変剤中の水分を反応させた後、2
    0〜50℃の温度に降温し、同温度でアミノ系シランカ
    ップリング剤を配合し、10〜60分間活性イソシアネ
    ート基含有ウレタンプレポリマーと反応させることを特
    徴とする請求項1記載の貯蔵安定性に優れた一液ウレタ
    ン系接着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】活性イソシアネート基含有ウレタンプレポ
    リマー100重量部に対し、アミノ系シランカップリン
    グ剤及びグリシジル系シランカップリング剤を、それぞ
    れ0.05〜3.0重量部配合することを特徴とする請
    求項1記載の貯蔵安定性に優れた一液ウレタン系接着剤
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010235652A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Serasutaa Toryo Kk 無溶剤型硬化性樹脂組成物
WO2021089709A1 (en) * 2019-11-07 2021-05-14 Bostik Sa Two-component adhesive composition
JP2022516133A (ja) * 2019-01-04 2022-02-24 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 湿気硬化性接着剤組成物

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