JP4432227B2 - 一液湿気硬化性ウレタン組成物 - Google Patents

一液湿気硬化性ウレタン組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一液湿気硬化性ウレタン組成物に関し、詳しくは、貯蔵安定性及び速硬化性に優れる白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一液湿気硬化性のウレタン組成物には、潜在性硬化剤として3級アミン触媒が配合されており、微量水分により硬化させている。この3級アミン触媒は、自動車用のウィンドウシーラント、ダイレクトグレージング剤などの一定量以上のカーボンブラックを含有する場合には、微量水分により速硬化性を発揮するため好適に用いられている。しかしながら、この3級アミン触媒を建築あるいは自動車用シーリング剤などの用途、すなわちカーボンブラックを多く含まない白色系のシーリング剤に用いると、貯蔵後に使用した場合に、硬化物の表面上に粒状の析出物が現れ、外観が著しく損われるという問題があった。
【0003】
一般に、白色系のシーリング剤には、表面処理済み沈降性炭酸カルシウムやシリカなどが用いられている。例えば、特開平8−199061号公報では、特定粒径の表面処理炭酸カルシウムと2級ジアミンを発生しうる特定構造の化合物とを配合する湿気硬化型の組成物が開示されている。また、特開平10−245221号公報では、特定構造の表面処理剤で、表面処理済みあるいは未処理の炭酸カルシウムをコーティングする方法が開示されている。
これらの技術で使用される炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)は、水系で沈殿させて製造されているため、水分を微量に含んでいる。そのため、表面処理を施さずに使用すると、その微量水分により貯蔵安定性が保持できない。従って、通常、沈降性炭酸カルシウムを使用する場合には、脂肪酸エステル等で表面処理を施して用いている。この表面処理層は、また、静電気的な力でウレタンプレポリマーと反発する効果も有しており、この性質によりチクソ性を付与することもできる。しかし、表面処理済み沈降性炭酸カルシウムを使用すると、貯蔵安定性、チクソ性は保持されるものの、貯蔵中に表面処理層である脂肪酸エステルが溶出し、その後凝集し、シーラント表面上に粒状の析出物として現れ、その結果上述の外観が損なわれるという問題が生じる。また、3級アミン触媒と併用するとチクソ性が損われるという問題もあり、白色系のシーリング剤には、3級アミン触媒の使用は困難であった。
一方、水分を含まない重質炭酸カルシウムを、表面処理を施さないで使用することも考えられるが、これではチクソ性が付与できず、実質的に、白色系の速硬化性シーリング剤は実用化されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、一液湿気硬化性ウレタン組成物に関し、より詳しくは、建築あるいは自動車用シーリング剤に好適な、貯蔵安定性、チクソ性に優れる白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ウレタンプレポリマー100重量部、重質炭酸カルシウム30〜300重量部、粉体状の脂肪酸の金属塩5〜35重量部及び3級アミン触媒0.1〜1.0重量部を含むことを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物であって、前記ウレタンプレポリマーに前記粉体状の脂肪酸の金属塩を混合する前に、該粉体状の脂肪酸の金属塩を可塑剤中で膨潤させることを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物を提供する。
また本発明は、ウレタンプレポリマー100質量部、重質炭酸カルシウム30〜300質量部、粉体状の脂肪酸の金属塩5〜35質量部、3級アミン触媒0.1〜1.0質量部および可塑剤50〜200質量部を含むことを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物の製造方法であって、該ウレタンプレポリマーに該粉体状の脂肪酸の金属塩を混合する前に、該粉体状の脂肪酸の金属塩を該可塑剤中で膨潤させ、および該ウレタンプレポリマー中に、3級アミン触媒を混合する前に、該可塑剤中で膨潤させた該粉体状の脂肪酸の金属塩と重質炭酸カルシウムとをそれぞれ同時にまたは別々に混合し、分散させることを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一液湿気硬化性ウレタン組成物及びその製造方法について説明する。
本発明の第一の態様は、ウレタンプレポリマー100重量部、重質炭酸カルシウム30〜300重量部、粉体状の脂肪酸の金属塩5〜35重量部及び3級アミン触媒0.1〜1.0重量部を含むことを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)である。
【0007】
本発明の組成物に配合されるウレタンプレポリマーは、通常の一液型ウレタン組成物に使用されるものであればよく、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(すなわち、OH基に対して過剰のNCO基)との反応生成物である。
ウレタンプレポリマーを生成するポリオール化合物としては、通常の一液型ウレタン組成物に使用されるものが使用可能である。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール及びこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
【0008】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド;等が好適に例示される。具体例としては、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレントリオール等が挙げられる。
【0009】
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸あるいはその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体等が好適に例示される。
【0010】
その他のポリオールとしては、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールも好適に例示される。
特に、本発明に用いるポリオールとしては、数平均分子量1000〜15000、特に1000〜10000のポリエーテルポリオールが好ましい。上述の範囲のポリエーテルポリオールは、ガラス転移温度、硬化後の組成物のシーラントとしての物性の点で好ましい。
【0011】
ウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物としては、通常の一液型ポリウレタン組成物に使用されるものが使用可能である。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート及びこれらの水素添加化合物;
エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;
キシリレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの水素添加化合物;等が好適に例示され、これらの1種あるいは2種以上の組み合わせとして使用される。
【0012】
本発明に用いるウレタンプレポリマーは、上述のポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造することができる。ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合の量比は、ポリオール化合物中の水酸基1個あたりのポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)として、1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.4である。この範囲であれば、ウレタンプレポリマーの粘度が適当となるので好ましい。
また、このウレタンプレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法で行うことができ、例えば、上述の量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を、50〜100℃で加熱撹拌することによって行うことができる。また必要に応じて、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもできる。
【0013】
このようにして得られるウレタンプレポリマーは、イソシアネート基数が1分子あたり平均で2.0以上が好ましく、2.2以上がより好ましく、重量%の割合にすると0.4%以上が好ましく、0.5%以上であることがより好ましい。平均分子量は2000〜20000が好ましく、2000〜15000がより好ましい。この範囲であると、得られる本発明の組成物の粘度、接着性、硬化後のシーラントとしての特性(例えば、硬度、モジュラス)の点で好ましい。
【0014】
本発明の組成物に配合する重質炭酸カルシウムとしては、特に限定されず、公知の重質炭酸カルシウムを使用できるが、特に、平均粒径が1.0〜3.2μmの重質炭酸カルシウムであることが好ましい。重質炭酸カルシウムの平均粒径が1.0μm未満では湿分不在化での貯蔵安定性が悪くなり、また、3.2μmを超えるとシーラントの外観に平滑性を損なうことがあって好ましくない。
本発明では重質炭酸カルシウムを配合することにより、貯蔵中に表面処理層が溶出して硬化物の外観を損う問題もなく、しかも表面処理済みの沈降性炭酸カルシウムを使用する場合に比べて安価であるため、製造原料単価を低くおさえることができ、同時に深部硬化性も付与できる。
重質炭酸カルシウムの配合量は、上記ウレタンプレポリマー100重量部あたり、30〜300重量部であり、好ましくは70〜250重量部配合する。30重量部未満では深部硬化性が不十分であり、300重量部を超えるとヘラ修正等の作業性や、粘度が高くなる点で問題がある。
【0015】
本発明の組成物に配合する脂肪酸の金属塩としては、公知の粉体状の脂肪酸金属塩が使用できる。具体的には、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ナフテン酸等の脂肪酸の金属塩が挙げられる。金属塩中の金属としては、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、コバルト、鉛、銅、ニッケル、マンガン等が挙げられる。本発明の脂肪酸の金属塩としては、これらのうちでも特に、ステアリン酸リチウムが好ましい。
上記脂肪酸の金属塩は粉体状の成分であるが、本発明において所望のチクソ性を付与するには、平均粒径75μm以下、特に5〜20μmの粉体状であることが好ましい。
本発明に用いる脂肪酸の金属塩の配合量は、上記ウレタンプレポリマー100重量部あたり5〜35重量部、好ましくは10〜30重量部、より好ましくは15〜25重量部である。5重量部未満では十分なチクソ性が付与できず、その結果加工性が悪くなり、35重量部を超えると貯蔵安定性が保持できない。
【0016】
本発明において、上記脂肪酸の金属塩を組成物中に添加する際は、可塑剤中で膨潤させてから混合するのが好ましい。
本発明において、可塑剤は上記脂肪酸の金属塩よりも沸点が高いことが好ましく、使用する脂肪酸の金属塩の種類により適宜選択すればよい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル又はこれらの混合物等が挙げられる。これらのうちでも、DINA、DINPまたはDOPが好ましく、配合量は、ウレタンプレポリマー100重量部あたり50〜200重量部であると、作業性が優れるので好ましい。
このように脂肪酸の金属塩を上記可塑剤中に膨潤させると、ゲル状の物質となる。本発明では、この状態で上記ウレタンプレポリマー中に添加することで、少量でも十分にチクソ性が付与でき、以下に述べる3級アミン触媒との併用も容易となるため好ましい。
【0017】
本発明の組成物に配合する3級アミン触媒は、それ自体公知の触媒であってよく、モノアミン、ジアミン、トリアミン、ポリアミン、環状アミン、アルコールアミン、エーテルアミンなどが挙げられる。具体的には、N−メチルモルホリン、N, N, N',N' −テトラメチルエチレンジアミン、N, N, N',N' −テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N, N' −ジメチルベンジルアミン、N, N' −ジメチルシクロヘキシルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,4−ジアザ−(2,2,2)−ビシクロオクタン、テトラメチルグアニジン, N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルアミノエタノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン (DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン (DABCO) 、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル (BL−19) 、又はこれらの混合物が挙げられる。これらのうちでも、少量の配合量で硬化速度を調整できる点で、特にビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル (BL−19) が好ましい。
【0018】
本発明に用いる3級アミン触媒の配合量は、上記ウレタンプレポリマー100重量部あたり0.1〜1.0重量部であり、好ましくは0.2〜0.5重量部の範囲である。配合量が0.1重量部未満であると本発明の目的である速硬化性が十分でなく、1.0重量部を超えると貯蔵安定性が保持できず、得られる硬化物の物性が低下する原因となる。
【0019】
本発明の目的は、白色系の速硬化性一液湿気型ウレタン組成物を提供することであるが、本発明おいて「白色系」とは、カーボンブラックの組成物中の配合量がウレタンプレポリマー100重量部あたり5重量部以下、好ましくは3重量部以下の組成物をいう。従って、本発明の組成物に配合するカーボンブラックの量はこの範囲内とする。
【0020】
本発明の組成物は、以上の化合物の他に、カーボンブラック以外の充填剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料もしくは染料、接着付与剤、難燃剤、帯電防止剤、脱水剤、分散剤、溶剤等を含んでいてもよい。
カーボンブラック以外の充填剤としては、炭酸マグネシウム、シリカ、クレー、タルク等が用いられる。可塑剤としては、上記で例示したものが挙げられる。
【0021】
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。
老化防止剤としては、ビンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。
顔料には、無機顔料と有機顔料があり、無機顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0022】
接着付与剤としては、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。
難燃剤としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、臭素リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノエチルホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン活性剤、脂肪酸アルキロールアミド等の非イオン活性剤や両性活性剤等が挙げられる。脱水剤とては、アシロキシシリル基含有ポリシロキサン等が挙げられる。
【0023】
次に、本発明の第二の態様について説明する。本発明の第二の態様は、前記ウレタンプレポリマー中に3級アミン触媒を混合する前に、粉体状の脂肪酸の金属塩と重質炭酸カルシウムとをそれぞれ同時に又は別々に混合し、分散させる、白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物の製造方法である。
本発明においては、粉体状の脂肪酸の金属塩は、ウレタンプレポリマー中に添加する前に可塑剤中で粉体状の脂肪酸の金属塩を膨潤させるのが好ましく、特に金属塩を融点に達するまで加熱し、粉体形状が完全になくなるまで融解するのが好ましい。このように、粉体状の脂肪酸の金属塩を可塑剤中で融解すると、ゲル状の物質となる。脂肪酸の金属塩をこのように処理することで、少量でも本発明の組成物にチクソ性が十分に付与できる。本発明方法では、脂肪酸金属塩を、3級アミン触媒を混合する前にウレタンプレポリマー中に添加し、混合する。
本発明の組成物に配合する重質炭酸カルシウムは、上記ゲル状の脂肪酸の金属塩と同時にでも、別々に添加するのでもよい。このようにして、ウレタン組成物を混合し、均一になるまで分散させた後、本発明の3級アミン触媒、その他の成分等を添加し、混合する。
【0024】
このようにして得られる本発明の組成物は、脂肪酸の金属塩を添加することにより、表面処理済みの沈降性炭酸カルシウムを用いなくとも、チクソ性を付与することができる。その結果、上記沈降性炭酸カルシウムに代えて重質炭酸カルシウムを使用でき、従来の表面処理層が原因であった貯蔵安定性の問題が改善される。また、この重質炭酸カルシウムは、上記沈降性炭酸カルシウムと比較して安価であるため、製造原料単価が安くなり製品単価も低くなる。さらに、脂肪酸の金属塩を使用することにより、3級アミン触媒との併用も可能となるため、速硬化性の白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物が実現できる。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(ウレタンプレポリマーの調製)
ポリオキシプロピレンジオール(平均分子量2000)500g、ポリオキシプロピレントリオール(平均分子量5000)750g及び4,4−ジイソシアネートフェニルメタン(分子量250)214gを混合し(このときのNCO/OH=1.8)、さらに、ジオクチルフタレート1460gを加えて、N2 気流中、80℃で撹拌、反応させて、イソシアネート基を1.1%含有するウレタンプレポリマーを合成した。
【0026】
(実施例1)
可塑剤100重量部にステアリン酸リチウム20重量部を添加し、210℃以上に加熱し、該ステアリン酸リチウムの粉体が目視にて観察されなくなるまで混合し、ゲル状物質を得た。該ゲル状物質は、上述のウレタンプレポリマー100重量部中に添加し、混練して均一に分散させた。これに、重質炭酸カルシウム100重量部を添加し、混合し、続いて3級アミン触媒0.3重量部を添加し、均一になるまで混合してウレタン組成物を得た。
【0027】
得られたウレタン組成物について、貯蔵安定性、チクソ性を以下の方法で測定し、評価した。
(1)貯蔵安定性
混練終了後、20℃で1日保存した後、BS型粘度計(No.7ローター使用)にて粘度〔PS〕を測定した。その後70℃で1日保存後、20℃に戻し、再度粘度を測定し、初期粘度との比をとり、初期粘度に対し何倍になったかを算出した。初期粘度に対する比が、○は1.0〜1.3倍であったことを示し、×は1.3〜2.0倍であったことを示し、××はゲル化したため測定できなかったことを示す。
(2)チクソ性
JIS A 5758で規定された治具を用いて、60℃の条件下で、スランプ試験により評価した。液垂れの長さが、○は0〜0.5mm未満、×は0.5mm以上であったことを示す。結果を表1に示す。
【0028】
(比較例1)
実施例1において、ステアリン酸リチウムに代えて、シリカ10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタン組成物を得た。
(比較例2)
実施例1において、重質炭酸カルシウムに代えて、表面処理済み沈降性炭酸カルシウム120重量部を用い、ステアリン酸リチウムを添加しないこと以外には、実施例1と同様にしてウレタン組成物を得た。
【0029】
(比較例3)
実施例1において、ステアリン酸リチウムを添加しないこと以外には、実施例1と同様にしてウレタン組成物を得た。
【0030】
【表1】
Figure 0004432227
【0031】
ステアリン酸リチウムに代えて、シリカを用いると(比較例1)、貯蔵安定性が保持できない。また、ステアリン酸リチウム、シリカのどちらをも添加しないとチクソ性が得られなくなる(比較例3)。さらに、表面処理済み炭酸カルシウムと3級アミン触媒とを併用すると、チクソ性は得られても、貯蔵安定性が悪くなる(比較例2)。それに比べて、実施例1では貯蔵安定性、チクソ性ともに優れている。
【0032】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明の白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物は、脂肪酸の金属塩を添加することにより、チクソ性を付与することができる。従って、貯蔵安定性が懸念される表面処理済み沈降性炭酸カルシウムの使用を避け、安価な重質炭酸カルシウムを使用でき、製品コストの節約も図れる。
また、脂肪酸の金属塩を使用することにより3級アミン触媒との併用も可能となるため、白色系の速硬化性一液湿気硬化性ウレタン組成物が実現できる。

Claims (2)

  1. ウレタンプレポリマー100質量部、重質炭酸カルシウム30〜300質量部、粉体状の脂肪酸の金属塩5〜35質量部、3級アミン触媒0.1〜1.0質量部および可塑剤50〜200質量部を含むことを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物であって、該ウレタンプレポリマーに粉体状の脂肪酸の金属塩を混合する前に、該粉体状の脂肪酸の金属塩を可塑剤中で膨潤させることを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物。
  2. ウレタンプレポリマー100質量部、重質炭酸カルシウム30〜300質量部、粉体状の脂肪酸の金属塩5〜35質量部、3級アミン触媒0.1〜1.0質量部および可塑剤50〜200質量部を含むことを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物の製造方法であって、該ウレタンプレポリマーに該粉体状の脂肪酸の金属塩を混合する前に、該粉体状の脂肪酸の金属塩を該可塑剤中で膨潤させ、および該ウレタンプレポリマー中に、3級アミン触媒を混合する前に、該可塑剤中で膨潤させた該粉体状の脂肪酸の金属塩と重質炭酸カルシウムとをそれぞれ同時にまたは別々に混合し、分散させることを特徴とする白色系の一液湿気硬化性ウレタン組成物の製造方法。
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