JP2002037847A - 一液型硬化性樹脂組成物 - Google Patents

一液型硬化性樹脂組成物

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JP2002037847A
JP2002037847A JP2000225201A JP2000225201A JP2002037847A JP 2002037847 A JP2002037847 A JP 2002037847A JP 2000225201 A JP2000225201 A JP 2000225201A JP 2000225201 A JP2000225201 A JP 2000225201A JP 2002037847 A JP2002037847 A JP 2002037847A
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JP
Japan
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group
carbon
resin composition
compound
curable resin
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Application number
JP2000225201A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化性および貯蔵安定性に優れる一液型硬化性
樹脂組成物の提供。 【解決手段】イソシアネート基含有化合物とポリオール
とを反応させて得られるウレタンプレポリマーと、下記
式(1)で表されるオキサゾリジン化合物 【化1】 (式(1)中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素原
子または炭素数1〜15の1価炭化水素基を表し、R3
は水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基を表
し、R4 は2価有機基を表す。)とポリイソシアネート
化合物とを反応させて得られるポリオキサゾリジン化合
物とを含有し、イソシアネート基含有化合物およびオキ
サゾリジン化合物の少なくとも一方が反応部位の近くに
立体障害基を有する一液型硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性および貯蔵
安定性に優れる一液型硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】以前より、各種のウレタン樹脂組成物
が、建築用シーラント、目地材、接着剤、塗料、防水
材、床材等として広く使用されている。このようなウレ
タン樹脂組成物として、最近では、現地施工における樹
脂組成物の混合調整が不要で取扱いが容易であるなどの
理由から、湿気硬化性の一液型ウレタン樹脂組成物の利
用が拡大している。湿気硬化性の一液型ウレタン樹脂組
成物の架橋硬化反応は施工場所の表面から始まり、内部
へと進行する。このため、完全に硬化するまでには3日
から1週間という長時間を要する。そこで、スタナスオ
クトエイト、ジブチルチンジラウレート等の錫または鉛
の有機金属化合物や、トリエチルアミン、トリエチレン
ジアミン、N−メチルモルフォリン等の第三級アミン
を、単独でまたは組み合わせて使用することにより、硬
化するまでの時間を短縮する試みが行われてきた。しか
し、このような硬化触媒が添加された一液型ウレタン樹
脂組成物は、硬化時間は短縮されるものの、貯蔵安定性
が低下するという問題を有していた。
【0003】このような問題点を解決し、硬化性および
貯蔵安定性のいずれもが良好な一液型ウレタン樹脂組成
物を実現するために、貯蔵安定性の低下が少ない硬化触
媒を配合した一液型ウレタン樹脂組成物や、貯蔵安定性
を改善するための添加剤を配合した一液型ウレタン樹脂
組成物が、種々提案されている。例えば、ウレタンプレ
ポリマーにオキサゾリジン化合物を適当量配合したシー
ラント用一液型ウレタン樹脂組成物が提案されている。
この一液型ウレタン樹脂組成物では、シーラントの硬化
反応速度は向上するが、やはり貯蔵安定性が低下してし
まう。したがって、硬化性および貯蔵安定性に優れる一
液型ウレタン樹脂組成物が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化性およ
び貯蔵安定性に優れる一液型硬化性樹脂組成物を提供す
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、ウレタンプレポリマ
ーとその潜在性硬化剤としてオキサゾリジン化合物とを
用いる一液型硬化性樹脂組成物において、ウレタンプレ
ポリマーのイソシアネート基付近およびオキサゾリジン
化合物の窒素原子付近の少なくとも一方に、立体障害基
を導入することにより、優れた硬化性を維持したまま、
貯蔵安定性を向上させることができることを見出し、本
発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、下記I〜IXを提供す
る。
【0007】I イソシアネート基含有化合物とポリオ
ールとを反応させて得られるウレタンプレポリマーと、
下記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
【0008】
【化5】
【0009】(式(1)中、R1 およびR2 はそれぞれ
独立に水素原子または炭素数1〜15の1価炭化水素基
を表し、R3 は水素原子または炭素数1〜6の1価炭化
水素基を表し、R4 は2価有機基を表す。)とポリイソ
シアネート化合物とを反応させて得られるポリオキサゾ
リジン化合物とを含有し、下記(a)および(b)の少
なくとも一方を満たす一液型硬化性樹脂組成物。 (a):イソシアネート基含有化合物において、イソシ
アネート基が結合している原子が、第二級炭素原子また
は第三級炭素原子であること。 (b):式(1)で表されるオキサゾリジン化合物にお
いて、R1 が、1位の炭素が分岐炭素または環員炭素で
ある炭素数1〜15の1価炭化水素基であり、R2 が、
炭素数1〜15の1価炭化水素基であること。
【0010】II Iに記載の一液型硬化性樹脂組成物
であって、前記R1 が、下記式(2)で表される基また
は1位の炭素が環員炭素である炭素数1〜15の1価炭
化水素基であり、R2 が、炭素数1〜15の1価炭化水
素基である一液型硬化性樹脂組成物。
【0011】
【化6】
【0012】(式(2)中、R5 およびR6 はそれぞれ
独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R7
は水素原子または炭素数1〜10の1価炭化水素基を表
す。ただし、R5 、R6 およびR7 のうち水素原子であ
るのは1個以下である。)
【0013】III イソシアネート基含有化合物とポ
リオールとを反応させて得られるウレタンプレポリマー
と、Iに記載の式(1)で表されるオキサゾリジン化合
物(式(1)中、R1 、R2 、R3 およびR4 はIにお
ける意味と同じ意味を表す。)とを反応させて得られ、
かつ、下記(c)および(d)の少なくとも一方を満た
すオキサゾリジン変性ウレタンプレポリマー。 (c):イソシアネート基含有化合物において、イソシ
アネート基が結合している原子が、第二級炭素原子また
は第三級炭素原子であること。 (d):式(1)で表されるオキサゾリジン化合物にお
いて、R1 が、1位の炭素が分岐炭素または環員炭素で
ある炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R2 が、
炭素数1〜10の1価炭化水素基であること。
【0014】IIIに記載のオキサゾリジン変性ウレタ
ンプレポリマーは、前記R1 が、上記式(2)で表され
る基(式(2)中、R5 、R6 およびR7 はIIにおけ
る意味と同じ意味を表す。)または1位の炭素が環員炭
素である炭素数1〜15の1価炭化水素基であり、R2
が、炭素数1〜15の1価炭化水素基であるのが好まし
い。
【0015】IV IIIに記載のオキサゾリジン変性
ウレタンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組成
物。
【0016】V (a)および(b)のうち少なくとも
(a)を満たすIまたはIIに記載の一液型硬化性樹脂
組成物であって、(c)および(d)のうち少なくとも
(c)を満たすIIIに記載のオキサゾリジン変性ウレ
タンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組成物。
【0017】VI (a)および(b)のうち少なくと
も(b)を満たすIまたはIIに記載の一液型硬化性樹
脂組成物であって、(c)および(d)のうち少なくと
も(d)を満たすIIIに記載のオキサゾリジン変性ウ
レタンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組成
物。
【0018】VII 更に、ケトンまたはアルデヒドと
アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有し、
ケチミン炭素またはケチミン窒素の少なくとも一方のα
位に分岐炭素または環員炭素が結合した構造のケチミン
化合物を含有するI、II、IV、VおよびVIのいず
れかに記載の一液型硬化性樹脂組成物。
【0019】VIII 前記ケトンまたはアルデヒド
が、下記式(3)で表されるVIIに記載の一液型硬化
性樹脂組成物。
【0020】
【化7】
【0021】(式(3)中、R8 は、下記式(4)で表
される基または1位の炭素が環員炭素である炭素数1〜
15の1価炭化水素基を表し、R9 は、炭素数1〜15
の1価炭化水素基を表す。
【0022】
【化8】
【0023】(式(4)中、R10およびR11はそれぞれ
独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R12
は水素原子または炭素数1〜10の1価炭化水素基を表
す。ただし、R10、R11およびR12のうち水素原子であ
るのは1個以下である。))
【0024】IX 更に、分子内にエポキシ基を少なく
とも2個有する化合物を含有するI、II、IV、V、
VI、VIIおよびVIIIのいずれかに記載の一液型
硬化性樹脂組成物。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第一の態様の一液型硬化
性樹脂組成物は、イソシアネート基含有化合物とポリオ
ールとを反応させて得られるウレタンプレポリマーと、
上記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物とポリイ
ソシアネート化合物とを反応させて得られるポリオキサ
ゾリジン化合物とを含有する。
【0026】初めに、イソシアネート基含有化合物とポ
リオールとを反応させて得られるウレタンプレポリマー
について説明する。本発明の第一の態様に用いられるイ
ソシアネート基含有化合物は、特に限定されず、通常の
一液型ウレタン樹脂組成物に用いられるものを用いるこ
とができる。例えば、芳香族ポリイソシアネートその他
のポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、芳香
族ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4
´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、トリジンジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トリス(イソシアネートフェニール)チオホスフェ
ート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート
が例示される。
【0027】芳香族ポリイソシアネート以外のポリイソ
シアネートとしては、エチレンジイソシアネート、プロ
ピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ノルボ
ルナンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソ
シアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネ
ート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネー
ト、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、下記式(5)で表さ
れるリジンジイソシアネート等のリジンジイソシアネー
ト、下記式(6)で表されるリジントリイソシアネート
等のリジントリイソシアネート、上述した各芳香族ポリ
イソシアネートの水素添加化合物、前記各ポリイソシア
ネートのカルボジイミド変性またはイソシアヌレート変
性ポリイソシアネートが例示される。
【0028】
【化9】
【0029】(式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基
を表す。) これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。イソシアネート基含有化合物の平均官能基数は、
2〜6であるのが好ましく、2〜3であるのがより好ま
しい。上記範囲であると、ウレタンプレポリマーの粘度
が好適となる。モノイソシアネート化合物は、通常、イ
ソシアネート基数が2以上のポリイソシアネートと混合
して用いられる。ポリイソシアネートは、単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。また、ジイソシア
ネートとトリイソシアネートとを混合して用いるのは、
好適な一態様である。本発明の第一の態様に用いられる
イソシアネート基含有化合物は、いわゆるイソシアネー
ト単量体であってもよく、ポリイソシアネート単量体
と、低分子ポリオール等のポリオールとから導かれるウ
レタンプレポリマーであってもよい。
【0030】本発明の第一の態様に用いられるポリオー
ルは、特に限定されず、通常の一液型ウレタン樹脂組成
物に用いられるものを用いることができる。例えば、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その
他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げ
られる。具体的には、ポリエーテルポリオールは、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5
−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニル
プロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコール;エチレンジア
ミン、芳香族ジアミンなどのジアミン類;ソルビトール
等の糖類等の1種または2種以上に、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または
2種以上を付加して得られるポリオールが挙げられる。
より具体的には、例えば、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレントリオールが挙げられる。また、テトラヒドロフ
ランの開環重合によって得られるポリテトラメチレング
リコールが挙げられる。
【0031】ポリエステルポリオールは、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または
2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸そ
の他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2
種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラ
クトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
【0032】上記以外のポリオールとしては、ポリマー
ポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジ
エンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオ
ール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘ
キサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0033】本発明の第一の態様に用いられるポリオー
ルは、数平均分子量が500〜100000であるのが
好ましく、1000〜10000であるのがより好まし
い。上記範囲であると、プレポリマーの粘度および硬化
物の物性が良好となる。
【0034】本発明の第一の態様に用いられるウレタン
プレポリマーは、上述のポリオールと過剰のイソシアネ
ート基含有化合物とを反応させて製造することができ
る。ポリオールとイソシアネート基含有化合物との混合
比は、ポリオール中のヒドロキシル基の当量に対するイ
ソシアネート基含有化合物中のイソシアネート基の当量
の比(NCO/OH)が、NCO/OH=1.2〜5.
0であるのが好ましく、1.5〜3.0であるのがより
好ましい。上記範囲であると、硬化物の物性に優れ、か
つ、発泡を抑制することができる。
【0035】また、本発明の第一の態様に用いられるウ
レタンプレポリマーの製造方法は、通常のウレタンプレ
ポリマーと同様の方法を用いることができる。例えば、
上述の量比のポリオールとイソシアネート基含有化合物
を、50〜100℃で加熱かくはんする方法を用いるこ
とができる。また、必要に応じて、有機錫化合物、有機
ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもで
きる。更に、粘度調整のため、可塑剤や溶剤を用いるこ
ともできる。
【0036】本発明の第一の態様に用いられるウレタン
プレポリマーは、イソシアネート基含有量が0.5〜1
5質量%であるのが好ましく、0.8〜10質量%であ
るのがより好ましい。
【0037】つぎに、上記式(1)で表されるオキサゾ
リジン化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させ
て得られるポリオキサゾリジン化合物について説明す
る。本発明に用いられる上記式(1)で表されるオキサ
ゾリジン化合物において、式(1)中、R1 およびR2
はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜15の1価
炭化水素基を表す。
【0038】R1 およびR2 の表す炭素数1〜15の1
価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチ
ルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプ
ロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペ
ンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル
基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチ
ル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブ
チル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチル
ブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、
1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリ
メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル
基、1−エチル−2−メチルプロピル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基、前記アルキ
ル基のそれぞれに対応するアルケニル基、アルカジエニ
ル基、アルキニル基等の不飽和結合を有する基等の1価
鎖式炭化水素基;
【0039】シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、
シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデ
シル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基
等のシクロアルキル基、前記シクロアルキル基の水素原
子の1個以上をアルキル基、アルケニル基等で置換した
基、更にこれらのそれぞれに対応する不飽和結合を有す
る基等の1価脂環族炭化水素基;フェニル基、o−トリ
ル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル
基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、o−ク
メニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、メシチル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基、フ
ェネチル基、スチリル基、シンナミル基等の1価芳香族
炭化水素基が挙げられる。
【0040】R3 は水素原子または炭素数1〜6の1価
炭化水素基を表す。R3 の表す炭素数1〜6の1価炭化
水素基としては、R1 の表す炭素数1〜15の1価炭化
水素基として上述したもののうち炭素数1〜6のものが
挙げられる。
【0041】R4 は2価有機基を表す。2価有機基は、
特に限定されず、例えば、飽和または不飽和の2価炭化
水素基(脂肪族、脂環族および芳香族のいずれであって
もよく、N、S、O、P等の原子を含んでいてもよ
い。)が挙げられる。特に、エチレンである場合、原料
のアミノアルコールが汎用品として知られており好まし
い。
【0042】本発明の第一の態様に用いられるポリイソ
シアネート化合物は、上述したイソシアネート基含有化
合物と同様のものを用いることができる。
【0043】本発明の第一の態様に用いられるポリオキ
サゾリジン化合物は、上述の上記式(1)で表されるオ
キサゾリジン化合物とポリイソシアネート化合物とを反
応させて製造することができる。具体的には、例えば、
上記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物とポリイ
ソシアネート化合物とをモル比でNCO/OH=1〜2
となるよう混合し、常温または50〜100℃で、好ま
しくは50〜100℃で、1〜20時間程度かくはんす
ることで製造することができる。必要に応じて、上述し
たウレタン化触媒を用いることができる。上記式(1)
で表されるオキサゾリジン化合物とポリイソシアネート
化合物とは、下記式の反応機構で反応する。
【0044】
【化10】
【0045】本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、上述のようにして得られたウレタンプレポリマ
ーとポリオキサゾリジン化合物とを含有する。ウレタン
プレポリマーとポリオキサゾリジン化合物との量比は、
モル比で(イソシアネート基)/(オキサゾリジン)=
0.5〜10となるのが好ましく、0.8〜5となるの
がより好ましい。
【0046】本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、上述のようにして得られたウレタンプレポリマ
ーとポリオキサゾリジン化合物とを含有するだけでな
く、更に、下記(a)および(b)の少なくとも一方を
満たす。
【0047】(a)の条件は、「イソシアネート基含有
化合物において、イソシアネート基が結合している原子
が、第二級炭素原子または第三級炭素原子であること」
である。(a)の条件を満たすイソシアネート基含有化
合物においては、イソシアネート基が結合している原子
に嵩高い基が結合しているので、イソシアネート基の受
ける立体障害によって反応性が低くなり、本発明の第一
の態様の一液型硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が優れた
ものとなる。
【0048】(a)の条件を満たすイソシアネート基含
有化合物は、分子内のすべてのイソシアネート基が第二
級炭素原子または第三級炭素原子に結合した構造を有し
ている。この第二級炭素原子または第三級炭素原子に結
合するイソシアネート基以外の基は特に限定されない。
イソシアネート基以外の基は、その炭素数、嵩高さ等を
特に限定されず、O、S、Nなどのヘテロ原子を含んで
いてもよい有機基である。また、第三級炭素原子に結合
する2つの基は、同一であっても異なっていてもよい。
上記有機基としては、具体的には、アルキル基、脂環
基、芳香環基、アラルキル基、アルキルアリール基等の
炭化水素基;O、S、Nから選ばれるヘテロ原子を有す
る基(例えば、エーテル、カルボニル、アミド、尿素基
(カルバミド基)、ウレタン結合等を含む有機基)が例
示される。また、イソシアネート基が結合している原子
が、第三級炭素原子であるのが好ましく、該原子に結合
するイソシアネート基以外の基が、2つともメチル基で
あるのがより好ましい。
【0049】イソシアネート単量体としては、例えば、
m−またはp−イソプロペニル−α,α−ジメチルベン
ゾルイソシアネート(TMI、三井サイテック社製)等
のモノイソシアネート;下記式(7)で表されるm−ま
たはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(T
MXDI)、イソホロンジイソシアネート等のジイソシ
アネートが挙げられる。
【0050】
【化11】
【0051】ウレタンプレポリマーとしては、上述した
ポリオールと上述したイソシアネートとを反応させて得
られるウレタンプレポリマーのほか、例えば、下記式
(8)で表される1,1,1−トリメチロールプロパン
(TMP)とテトラメチルキシレンジイソシアネート
(TMXDI)とから導かれるTMXDI・TMP付加
体が挙げられる。
【0052】
【化12】
【0053】上記のような付加体は、例えば、サイセン
3160(三井サイテック社製)等の商品名で市販され
ているものを用いることもできる。また、このような付
加体は、OH:NCO完全付加体である必要はなく、未
反応原料を含んでいてもよい。
【0054】これらは、単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。また、(a)の条件においては、本
発明の目的を損なわない範囲で、イソシアネート基が立
体障害を受けない基を有するイソシアネート基含有化合
物を併用することができるが、このようなイソシアネー
ト基含有化合物は、貯蔵安定性を低下させるので、その
使用量は、(a)の条件を満たすイソシアネート基含有
化合物に対して10モル%未満とすることが好ましい。
【0055】(b)の条件は、「式(1)で表されるオ
キサゾリジン化合物において、R1が、1位の炭素が分
岐炭素または環員炭素である炭素数1〜15の1価炭化
水素基であり、R2 が、炭素数1〜15の1価炭化水素
基であること」である。(b)の条件を満たすオキサゾ
リジン化合物においては、複素環の窒素原子と酸素原子
との間の炭素原子に嵩高い基が結合しているので、複素
環の窒素原子の受ける立体障害によって、窒素原子の塩
基性が大幅に弱まっており、反応性が低くなっている。
その結果、(b)の条件を満たす本発明の第一の態様の
一液型硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れる。
【0056】(b)の条件を満たす式(1)で表される
オキサゾリジン化合物において、R 1 は、1位の炭素が
分岐炭素または環員炭素である炭素数1〜15の1価炭
化水素基であれば特に限定されないが、R1 が、1位の
炭素が分岐炭素である炭素数1〜15の1価炭化水素基
の中では、上記式(2)で表される基であるのが好まし
い。式(2)中、R5 およびR6 はそれぞれ独立に水素
原子、メチル基またはエチル基を表し、R7 は水素原子
または炭素数1〜10の1価炭化水素基を表すが、
5 、R6 およびR7 のうち水素原子であるのが1個以
下であることを要する。R5 、R6 およびR7 のうち水
素原子が1個以下であると、R2 が炭素数1〜15の1
価炭化水素基であることを条件に、複素環の窒素原子に
立体障害による影響を及ぼすことができる。R7 の表す
炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、R1 の表す
炭素数1〜15の1価炭化水素基として上述したものの
うち炭素数1〜10のものが挙げられる。
【0057】(b)の条件を満たすR1 が、式(2)で
表される場合の好適な具体例としては、イソプロピル基
(R5 、R6 およびR7 のうちいずれか1個が水素原子
であり、他の2個がメチル基であるもの)が挙げられ
る。R1 が、1位の炭素が分岐炭素または環員炭素であ
る炭素数1〜15の1価炭化水素基である場合には、R
2 が炭素数1〜15の1価炭化水素基であることを条件
に、複素環の窒素原子に立体障害による影響を及ぼすこ
とができる。また、(b)の条件においては、本発明の
目的を損なわない範囲で、複素環の窒素原子が立体障害
を受けない基を有するオキサゾリジン化合物を併用する
ことができる。
【0058】R1 の表す1位の炭素が環員炭素である炭
素数1〜15の1価炭化水素基としては、炭素数1〜1
5の1価脂環族炭化水素基または1価芳香族炭化水素基
であって、遊離原子価が環員炭素にあるものであれば、
特に限定されないが、シクロヘキシル基、メチルシクロ
ヘキシル基、フェニル基が好ましい。
【0059】本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、上述したウレタンプレポリマーおよびポリオキ
サゾリジン化合物のほかに、本発明の目的を損なわない
範囲で、その他の添加剤、例えば、充填剤、可塑剤、チ
クソトロピー付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防
止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶
剤、脱水剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、紫外
線吸収剤を含有することができる。
【0060】充填剤は、各種形状の有機または無機のも
の、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、クレー・タ
ルク類、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウ
ム、酸化マグネシウム、生石灰、炭酸塩類(例えば、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、胡粉)、
アルミナ水和物(例えば、含水水酸化アルミニウム)、
ケイソウ土、硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸バリウ
ム)、マイカ、硫酸アルミナ、リトポン、アスベスト、
グラファイト、二硫化モリブデン、軽石粉、ガラス粉、
ケイ砂、ゼオライト、カーボンブラック;これらの脂肪
酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソ
シアネート化合物等による表面処理物;塩化ビニルペー
ストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バル
ーンが挙げられる。
【0061】炭酸カルシウムは、例えば、重質炭酸カル
シウム、沈降製炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)
が挙げられる。クレーは、例えば、ろう石クレー、カオ
リン質クレー(カオリナイト、ハロイサイト)、パイロ
フィライト質クレー、セリサイト質クレー、焼成クレー
が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、SAF、
ISAF、HAF、XcF、FEF、GPF、SRF、
FT、MTが挙げられる。シリカは、例えば、ヒューム
ドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融
シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸
アルミニウム、含水ケイ酸カルシウムが挙げられる。
【0062】可塑剤は、例えば、テトラヒドロフタル
酸、アゼライン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル
酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸およびこれらの
誘導体、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系、パ
ラフィン系、ナフテン系および芳香族系のプロセスオイ
ルが挙げられる。具体的には、ジオクチルフタレート
(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリ
ルフタレート(DLP)、ブチルベンジルフタレート
(BBP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジ
イソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルアジぺ
ート(DOA)、ジイソノニルアジペート(DIN
A)、ジイソデシルアジぺート、ジメチルフタレート、
ジエチルフタレート、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジ
イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペ
ンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセ
チルリシノール酸メチル、トリオクチルフォスフェー
ト、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス
(ジクロロプロピル)フォスフェート、リン酸トリクレ
ジル、トリブチルトリメリテート(TBTM)、トリオ
クチルトリメリテート(TOTM)、アジピン酸プロピ
レングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリ
コールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、
エポキシ化大豆油が例示される。
【0063】チクソトロピー付与剤は、例えば、エアロ
ジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成
社製)が挙げられる。
【0064】顔料は、無機顔料および有機顔料が挙げら
れる。無機顔料は、例えば、亜鉛華、酸化チタン、弁
柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエ
ロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリ
ーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム
系ブラック、銅−鉄系ブラック)等の酸化物;黄鉛、モ
リブデートオレンジ等のクロム酸塩;紺青等のフェロシ
アン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化
亜鉛等の硫化物;硫酸バリウム等の硫酸塩;塩酸塩;群
青等の珪酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩;マンガンバ
イオレット等の燐酸塩;黄色酸化鉄等の水酸化物;カー
ボンブラック等の炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉等
の金属粉;チタン被覆雲母が挙げられる。
【0065】有機顔料は、例えば、モノアゾレーキ系
(例えば、レーキレッドC、パーマネンレッド2B、ブ
リリアントカーミン6B)、モノアゾ系(例えば、トル
イジンレッド、ナフトールレッド、ファストエローG、
ベンズイミダロンボルドー、ベンズイミダゾロンブラウ
ン)、ジスアゾ系(例えば、ジスアゾエローAAA、ジ
スアゾエローHR、ピラゾロンレッド)、縮合アゾ系
(例えば、縮合アゾエロー、縮合アゾレッド、縮合アゾ
ブラウン)、金属錯塩アゾ系(例えば、ニッケルアゾエ
ロー)等のアゾ系顔料;銅フタロシアニンブルー、銅フ
タロシアニングリーン、臭素化銅フタロシアニングリー
ン等のフタロシアニン系顔料;塩基性染料レーキ(例え
ば、ローダミン6レーキ)等の染付顔料;アンスラキノ
ン系(例えば、フラバンスロンエロー、ジアンスラキノ
リルレッド、インダンスレンブルー)、チオインジゴ系
(例えば、チオインジゴボルドー)、ペリノン系(例え
ば、ペリノンオレンジ)、ペリレン系(例えば、ペリレ
ンスカーレット、ペリレンレッド、ペリレンマルー
ン)、キナクリドン系(例えば、キナクリドンレッド、
キナクリドンマゼンタ、キナクリドンスカーレット)、
ジオキサジン系(例えば、ジオキサジンバイオレッ
ト)、イソインドリノン系(例えば、イソインドリノン
エロー)、キノフタロン系(例えば、キノフタロンエロ
ー)、イソインドリン系(例えば、イソインドリンエロ
ー)、ピロール系(例えば、ピロールレッド)等の縮合
多環顔料;銅アゾメチンエロー等の金属錯塩アゾメチ
ン;アニリンブラック;昼光蛍光顔料が挙げられる。
【0066】染料は、例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸
化クロム、弁柄が挙げられる。老化防止剤は、例えば、
N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DP
PD)、N,N´−ジナフチル−p−フェニレンジアミ
ン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフ
チルアミン(PAN)、ヒンダードフェノール系化合物
が挙げられる。酸化防止剤は、例えば、ブチルヒドロキ
シトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール
(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、
亜リン酸トリフェニルが挙げられる。帯電防止剤は、例
えば、第四級アンモニウム塩、アミン等のイオン性化合
物;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親
水性化合物が挙げられる。難燃剤は、例えば、クロロア
ルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭
素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエ
チルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート、ネオペ
ンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル
が挙げられる。
【0067】接着性付与剤は、例えば、テルペン樹脂、
フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹
脂、キシレン樹脂が挙げられる。溶剤は、例えば、アセ
トン、メタノール、エタノール、エチルエーテル、ガソ
リン、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、ベン
ゼン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、ミネラルスピリッツが挙げられる。脱水剤は、例え
ば、メチルスアテアロキシポリシロキサンが挙げられ
る。硬化促進剤は、例えば、ジオクチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、オクチル
酸鉛、オクチル酸亜鉛、有機ビスマス化合物等の金属系
触媒;トリエチレンジアミン、モルフォリン系アミン等
のアミン系触媒が挙げられる。シランカップリング剤
は、例えば、エポキシシラン、ビニルシラン、アミノシ
ラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシランが挙
げられる。
【0068】本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、上述したように、イソシアネート基含有化合物
とポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリ
マーと、上記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポ
リオキサゾリジン化合物とを含有し、かつ、ウレタンプ
レポリマーの原料となるイソシアネート基含有化合物お
よびポリオキサゾリジン化合物の原料となるオキサゾリ
ジン化合物の一方または両方が、立体障害性の基を有し
ているため、反応性が低く、貯蔵安定性に優れる。
【0069】本発明の第二の態様のオキサゾリジン変性
ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有化合物
とポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリ
マーと、上記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
とを反応させて得られるオキサゾリジン変性ウレタンプ
レポリマーである。また、本発明の第三の態様の一液型
硬化性樹脂組成物は、本発明の第二の態様のオキサゾリ
ジン変性ウレタンプレポリマーを含有する一液型硬化性
樹脂組成物である。本発明の第二の態様に用いられるウ
レタンプレポリマーおよびオキサゾリジン化合物は、本
発明の第一の態様に用いられるものと同様である。
【0070】本発明の第二の態様のオキサゾリジン変性
ウレタンプレポリマーは、上記ウレタンプレポリマーと
オキサゾリジン化合物とを反応させて得られる。具体的
には、例えば、上記ウレタンプレポリマーと上記式
(1)で表されるオキサゾリジン化合物とをモル比でN
CO/OH=0.01〜0.99となるよう混合し、常
温または50〜100℃で、好ましくは50〜100℃
で、1〜20時間程度かくはんすることで製造すること
ができる。必要に応じて、上述したウレタン化触媒を用
いることができる。ウレタンプレポリマーと上記式
(1)で表されるオキサゾリジン化合物とは、下記式の
反応機構で反応する。
【0071】
【化13】
【0072】本発明の第二の態様のオキサゾリジン変性
ウレタンプレポリマーは、更に、下記(c)および
(d)の少なくとも一方を満たす。
【0073】(c)の条件は、「イソシアネート基含有
化合物において、イソシアネート基が結合している原子
が、第二級炭素原子または第三級炭素原子であること」
である。(c)の条件は、本発明の第一の態様の(a)
の条件と同一であり、その好適な態様、効果等も同様で
ある。(c)の条件を満たすイソシアネート基含有化合
物においては、イソシアネート基が結合している原子に
嵩高い基が結合しているので、イソシアネート基の受け
る立体障害によって反応性が低くなり、本発明の第二の
態様のオキサゾリジン変性ウレタンプレポリマー、およ
びこれを含有する本発明の第三の態様の一液型硬化性樹
脂組成物の貯蔵安定性が優れたものとなる。
【0074】(d)の条件は、「式(1)で表されるオ
キサゾリジン化合物において、R1が、1位の炭素が分
岐炭素または環員炭素である炭素数1〜15の1価炭化
水素基であり、R2 が、炭素数1〜15の1価炭化水素
基であること」である。(d)の条件は、本発明の第一
の態様の(b)の条件と同一であり、その好適な態様、
効果等も同様である。(d)の条件を満たすオキサゾリ
ジン化合物においては、複素環の窒素原子と酸素原子と
の間の炭素原子に嵩高い基が結合しているので、複素環
の窒素原子の受ける立体障害によって、窒素原子の塩基
性が大幅に弱まっており、反応性が低くなっている。そ
の結果、(d)の条件を満たす本発明の第二の態様のオ
キサゾリジン変性ウレタンプレポリマー、およびこれを
含有する本発明の第三の態様の一液型硬化性樹脂組成物
は、貯蔵安定性に優れる。
【0075】本発明の第三の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、上述したオキサゾリジン変性ウレタンプレポリ
マーのほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、その
他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤
は、本発明の第一の態様に用いられるものと同様であ
る。
【0076】本発明の第三の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、上述したように、イソシアネート基含有化合物
とポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリ
マーと、上記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
とを反応させて得られる本発明の第二の態様のオキサゾ
リジン変性ウレタンプレポリマーを含有し、かつ、イソ
シアネート基含有化合物およびオキサゾリジン化合物の
一方または両方が、立体障害性の基を有しているため、
反応性が低く、貯蔵安定性に優れる。
【0077】本発明の第二の態様のオキサゾリジン変性
ウレタンプレポリマーは、一定の条件を満たせば、第一
の態様の一液型硬化性樹脂組成物に含有させることもで
きる。即ち、本発明の第四の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、(a)および(b)のうち少なくとも(a)を
満たす本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂組成物で
あって、(c)および(d)のうち少なくとも(c)を
満たす本発明の第二の態様のオキサゾリジン変性ウレタ
ンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組成物であ
る。また、本発明の第五の態様の一液型硬化性樹脂組成
物は、(a)および(b)のうち少なくとも(b)を満
たす本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂組成物であ
って、(c)および(d)のうち少なくとも(d)を満
たす本発明の第二の態様のオキサゾリジン変性ウレタン
プレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組成物であ
る。本発明の第四および第五の態様の一液型硬化性樹脂
組成物におけるオキサゾリジン変性ウレタンプレポリマ
ーの含有量は、特に限定されない。
【0078】本発明の第四の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、含有成分において、イソシアネート基が結合し
ている原子に嵩高い基が結合しているので、イソシアネ
ート基の受ける立体障害によって反応性が低くなり、貯
蔵安定性に優れる。なお、本発明の第四の態様の一液型
硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲
で、上記の条件(a)および(c)を満たさない含有成
分を併用することができる。
【0079】本発明の第五の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、含有成分において、オキサゾリジンの複素環の
窒素原子と酸素原子との間の炭素原子に嵩高い基が結合
しているので、複素環の窒素原子の受ける立体障害によ
って、窒素原子の塩基性が大幅に弱まっており、反応性
が低くなっている。その結果、本発明の第五の態様の一
液型硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れる。なお、
本発明の第五の態様の一液型硬化性樹脂組成物は、本発
明の目的を損なわない範囲で、上記の条件(b)および
(d)を満たさない含有成分を併用することができる。
【0080】本発明の第六の態様の一液型硬化性樹脂組
成物は、更に、ケトンまたはアルデヒドとアミンとから
導かれるケチミン(C=N)結合を有し、ケチミン炭素
またはケチミン窒素の少なくとも一方のα位に分岐炭素
または環員炭素が結合した構造のケチミン化合物を含有
する本発明の第一、第三、第四および第五のいずれかの
態様の一液型硬化性樹脂組成物である。本発明において
は、ケトンまたはアルデヒドとアミンとから導かれるケ
チミン(C=N)結合を有する化合物をケチミン化合物
と称し、したがって、本明細書において、「ケチミン化
合物」の語は、−HC=N結合を有するアルジミン化合
物も含む意味で用いられる。
【0081】本発明の第六の態様に用いられるケチミン
化合物は、ケトンまたはアルデヒドとアミンとから導か
れるケチミン(C=N)結合を有し、ケチミン炭素また
はケチミン窒素の少なくとも一方のα位に分岐炭素また
は環員炭素が結合した構造を有する。したがって、この
ようなケチミン化合物を潜在性硬化剤として併用するこ
とにより、本発明の組成物を貯蔵安定性、硬化性を良好
に維持したまま、硬化速度を高めることができる。
【0082】本発明の第六の態様の一液型硬化性樹脂組
成物に用いられるケチミン化合物の製造方法は、特に限
定されないが、例えば、上記式(3)で表されるケトン
またはアルデヒドと、ポリアミンとを反応させて得るこ
とができる。上記式(3)で表されるケトンまたはアル
デヒドにおいて、式(3)中、R8は、上記式(4)で
表される基または1位の炭素が環員炭素である炭素数1
〜15の1価炭化水素基を表し、R9 は、水素原子また
は炭素数1〜15の1価炭化水素基を表す。式(4)
中、R10およびR11はそれぞれ独立に水素原子、メチル
基またはエチル基を表し、R12は水素原子または炭素数
1〜10の1価炭化水素基を表す。ただし、R10、R11
およびR12のうち水素原子であるのは1個以下である。
12の表す炭素数1〜10の1価炭化水素基は、上述し
たR7 の表す炭素数1〜10の1価炭化水素基と同様で
ある。R8 の表す1位の炭素が環員炭素である炭素数1
〜15の1価炭化水素基は、上述したR1 の表す1位の
炭素が環員炭素である炭素数1〜15の1価炭化水素基
と同様である。R9 の表す炭素数1〜15の1価炭化水
素基は、上述したR2 の表す炭素数1〜15の1価炭化
水素基と同様である。
【0083】本発明の第六の態様に好適に用いられるケ
トンまたはアルデヒドとしては、具体的にはメチルイソ
プロピルケトン、メチルt−ブチルケトン、メチルシク
ロヘキシルケトン、メチルシクロヘキサノン、ピバルア
ルデヒド、イソブチルアルデヒド、シクロヘキサンカル
ボクスアルデヒドが例示される。
【0084】本発明の第六の態様の一液型硬化性樹脂組
成物に用いられるポリアミンは、特に限定されないが、
硬化速度が速いという点で脂肪族系ポリアミンが好まし
い。例えば、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレ
ンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−ア
ミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端の
プロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレ
ングリコール(PPG)(例えば、サンテクノケミカル
社製ジェファーミンD230、ジェファーミンD40
0)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,
2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メ
チルイミノビスプロピルアミン、H2 N(CH2 CH2
O)2 (CH2 2 NH2 (例えば、サンテクノケミカ
ル社製のジェファーミンEDR148)等のアミン窒素
にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、
1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(例えば、デュ
ポン・ジャパン社製のMPMD)、メタキシリレンジア
ミン(MXDA)、ポリアミドアミン(例えば、三和化
学社製のX2000)、イソホロンジアミン、1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサン(例えば、三菱ガス化
学社製の1,3BAC)、1−シクロヘキシルアミノ−
3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−
トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格
のジメチレンアミン(例えば、三井化学社製のNBD
A)が挙げられる。
【0085】中でも、1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン(1,3BAC)、ノルボルナン骨格のジメチ
レンジアミン(NBDA)、メタキシリレンジアミン
(MXDA)、H2 N(CH2 CH2 O)2 (CH2
2 NH2 (例えば、ジェファーミンEDR148)、ポ
リアミドアミンが好ましい。
【0086】上記ケチミン化合物としては、上記ケチミ
ン化合物の併用により本発明の組成物の貯蔵安定性およ
び硬化性を高める観点から、例えば、メチルイソプロピ
ルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケトン
(MTBK)と、ポリエーテル骨格のジアミン(例え
ば、ジェファーミンEDR148)とから得られるも
の、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチ
ルt−ブチルケトン(MTBK)と、1,3−ビスアミ
ノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)とから得られ
るもの、メチルイソプロピルケトン(MIPK)または
メチルt−ブチルケトン(MTBK)と、ノルボルナン
骨格のジメチレンジアミン(例えば、NBDA)とから
得られるもの、メチルイソプロピルケトン(MIPK)
またはメチルt−ブチルケトン(MTBK)と、メタキ
シリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの、メ
チルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルt−
ブチルケトン(MTBK)と、ポリアミドアミン(例え
ば、X2000)とから得られるものが挙げられる。こ
れらの中でも、特にMIPKまたはMTBKと、NBD
Aとから得られるもの、MIPKと1,3BACとから
得られるものは、優れた硬化性を発現する。また、MI
PKまたはMTBKと、X2000とから得られるもの
は、湿潤面に対し優れた接着性を発現する。
【0087】また、アルジミン化合物としては、ピバル
アルデヒド、イソブチルアルデヒドまたはシクロヘキサ
ンカルボクスアルデヒドと、ノルボルナン骨格のジメチ
レンアミン(例えば、NBDA)、1,3−ビスアミノ
メチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ジェファーミ
ンEDR148またはメタキシリレンジアミン(MXD
A)とから得られるものが好ましい。
【0088】上記のケチミン化合物は、ケトンもしくは
アルデヒドとポリアミンとを無溶媒下、または、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の溶媒存在下、加熱還流さ
せ、脱離してくる水を共沸により除きながら反応させる
ことにより得ることができる。
【0089】本発明の第六の態様の一液型硬化性樹脂組
成物におけるケチミン化合物の含有量は、特に限定され
ないが、全潜在性硬化剤中の0.1〜99mol%であ
るのが好ましい。
【0090】本発明の第七の態様は、更に、分子内にエ
ポキシ基を少なくとも2個有する化合物を含有する本発
明の第一、第三、第四、第五および第六のいずれかの態
様の一液型硬化性樹脂組成物である。分子内にエポキシ
基を少なくとも2個有する化合物は、例えば、ビスフェ
ノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびそ
の誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂;ウレタン変性エポキシ化合物等の
グリシジルエステル型エポキシ化合物等のポリエステル
構造を有するポリエポキシ化合物;主鎖が−(R−
x )−を繰り返し単位として含み分子末端にエポキシ
基を有する化合物で、前記Rが酸素原子を主鎖に含みま
たは含まない炭素数2〜8のアルキレン基であり、xが
1〜3であるポリスルフィド構造を有するポリエポキシ
化合物が挙げられる。必要により、フェノールグリシジ
ルエーテル等の単官能のエポキシ化合物を併用してもよ
い。これらのうち、ビスフェノールAのグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂が好ましい。
【0091】また、本発明の一液型硬化性樹脂組成物の
貯蔵安定性を更に向上させるため、本発明で用いられる
ポリエポキシ化合物の骨格に含まれるヒドロキシル基が
10mol%以下であることが好ましく、0mol%〜
8mol%であることがさらに好ましい。この範囲であ
ると、本発明の一液型硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が
さらに向上する。ここで、ポリエポキシ化合物の骨格に
含まれるヒドロキシル基とは、ポリエポキシ化合物合成
の際、エポキシ環が開くことにより生成するヒドロキシ
ル基の他、原料であるポリオールが未反応のまま残るこ
とにより存在するヒドロキシル基の両者を意味する。な
お、本発明において、「ポリエポキシ化合物の骨格に含
まれるヒドロキシル基が10mol%以下である」に
は、ポリエポキシ化合物の骨格がヒドロキシル基を含ま
ない場合も含まれるものとする。
【0092】本発明の第七の態様の一液型硬化性樹脂組
成物におけるエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されな
いが、ウレタンプレポリマー、オキサゾリジン変性ウレ
タンプレポリマーおよびエポキシ樹脂のうち、0.1〜
99.9質量%であるのが好ましい。
【0093】エポキシ樹脂を含有することにより、本発
明の一液型硬化性樹脂組成物の硬化物物性を向上させ、
更に、接着性を向上させることができる。本発明におい
ては、エポキシ樹脂とともに、シリコーン、変性シリコ
ーン等のポリマーを用いてもよい。
【0094】本発明の各一液型硬化性樹脂組成物の製造
方法は、特に限定されないが、好ましくは、上記各成分
を、減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合
ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練し、均一
に分散させて得る。得られた一液型硬化性樹脂組成物
は、密閉容器中で貯蔵され、使用時に空気中の湿気によ
り常温で硬化物を得ることができる。
【0095】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.樹脂組成物の調製 (実施例1〜5ならびに比較例1および2)以下に示さ
れる材料を第1表に示す質量比でブレンドして、各樹脂
組成物を得た。 (1)ウレタンプレポリマー TMXDIウレタンプレポリマー:分子量約5000
の3官能PPG(エクセノール5030、旭硝子社製)
1000gにTMXDI(サイテック社製)143gお
よび触媒としてジブチルスズアセテート0.02gを混
合した後、80℃で10時間かくはんし、イソシアネー
ト基含有量が2.1質量%のTMXDIウレタンプレポ
リマーを得た。 オキサゾリジン変性ウレタンプレポリマー ジエタノールアミンと2−メチルペンタナールとから合
成される分子量187のヒドロキシル基含有オキサゾリ
ジン29.6gを上記で得られたTMXDIウレタン
プレポリマー1000gに加え、80℃で10時間かく
はんし、イソシアネート基含有量が0.7質量%のオキ
サゾリジン変性ウレタンプレポリマーを得た。 XDIウレタンプレポリマー TMXDI143gの代わりにXDI110gを用いた
以外は、上記と同様の方法により、イソシアネート基
含有量が2.2質量%のXDIウレタンプレポリマーを
得た。
【0096】(2)ポリオキサゾリジン化合物 ポリオキサゾリジン化合物1 ジエタノールアミンと2−メチルペンタナールとから合
成される分子量187のヒドロキシル基含有オキサゾリ
ジン2molとTMXDI1molとを混合し、80℃
で10時間かくはんし、分子量664のポリオキサゾリ
ジン化合物1を得た。 ポリオキサゾリジン化合物2 ジエタノールアミンとMIPKを用いて合成される分子
量173のヒドロキシル基含有オキサゾリジン2mol
とTMXDI1molとを混合し、80℃で10時間か
くはんし、分子量636のポリオキサゾリジン化合物2
を得た。 (3)ケチミン化合物 下記式(9)で表されるケチミン化合物 (4)エポキシ樹脂 EP4100E、旭電化工業社製、エポキシ当量190 (5)可塑剤 ジオクチルフタレート(DOP)
【0097】
【化14】
【0098】2.樹脂組成物の物性評価 得られた樹脂組成物について、貯蔵安定性および硬化性
を評価した。 (1)貯蔵安定性 得られた樹脂組成物の調製直後の粘度を測定し、ついで
樹脂組成物を密閉容器に封入し、70℃で1日貯蔵した
後、粘度を測定し、貯蔵後の粘度を調製直後の粘度で除
して、粘度変化を算出した。単位は[倍]である。粘度
の測定は、E型粘度計3度コーンを使用して、20℃に
て測定した。 (2)硬化性 20℃、相対湿度55%の恒温室において、樹脂組成物
の表面にポリエチレンシートで触れ、シートに樹脂組成
物が付着しなくなるまでの表面硬化時間(タックフリー
タイム)を測定した。単位は[h]である。
【0099】結果を第1表に示す。第1表から明らかな
ように、本発明の一液型硬化性樹脂組成物(実施例1〜
5)は、貯蔵安定性および硬化性に優れることが分か
る。これに対して、ウレタンプレポリマーの原料となる
イソシアネート基含有化合物およびポリオキサゾリジン
化合物の原料となるオキサゾリジン化合物のいずれも
が、立体障害性の基を有していない場合(比較例1およ
び2)には、貯蔵安定性に劣る。
【0100】
【表1】
【0101】
【発明の効果】本発明の第一の態様の一液型硬化性樹脂
組成物は、含有するウレタンプレポリマーの原料となる
イソシアネート基含有化合物および含有するポリオキサ
ゾリジン化合物の原料となるオキサゾリジン化合物の少
なくとも一方が、立体障害性の基を有しているため、貯
蔵安定性に優れる。本発明の第二の態様のオキサゾリジ
ン変性ウレタンプレポリマーは、原料となるウレタンプ
レポリマーの原料となるイソシアネート基含有化合物お
よびオキサゾリジン化合物の少なくとも一方が、立体障
害性の基を有しているため、貯蔵安定性に優れる。本発
明の第三の態様の一液型硬化性樹脂組成物も同様であ
る。本発明の第四および第五の一液型硬化性樹脂組成物
も同様に、貯蔵安定性に優れる。本発明の第六の態様の
一液型硬化性樹脂組成物によれば、含有するケチミン化
合物がケチミン炭素またはケチミン窒素の少なくとも一
方のα位に立体障害性の基を有するため、貯蔵安定性を
維持したまま、硬化性を更に優れたものとすることがで
きる。本発明の第七の態様の一液型硬化性樹脂組成物に
よれば、エポキシ樹脂を含有するため、更に硬化速度を
速くし、接着性を向上させることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA06 CA02 CA04 CB01 CB03 CB07 CC03 CC07 CC15 CC29 CC33 CC37 CC44 CC52 CC62 CC65 DA01 DB04 DC02 DC50 DF01 DF02 DF11 DF12 DF16 DF20 DF21 DF22 DG03 DG04 DG05 DG06 DG14 DG18 DG23 DK05 DK06 DP18 DP19 HA01 HA02 HA07 HA08 HA11 HB05 HB11 HC03 HC05 HC07 HC12 HC13 HC17 HC46 HC47 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA32 JA42 KA01 KB02 KB04 KC17 KC23 KD11 KD12 KE02 MA14 QB12 RA07 RA08 RA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート基含有化合物とポリオール
    とを反応させて得られるウレタンプレポリマーと、 下記式(1)で表されるオキサゾリジン化合物 【化1】 (式(1)中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素原
    子または炭素数1〜15の1価炭化水素基を表し、R3
    は水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基を表
    し、R4 は2価有機基を表す。)とポリイソシアネート
    化合物とを反応させて得られるポリオキサゾリジン化合
    物とを含有し、下記(a)および(b)の少なくとも一
    方を満たす一液型硬化性樹脂組成物。 (a):イソシアネート基含有化合物において、イソシ
    アネート基が結合している原子が、第二級炭素原子また
    は第三級炭素原子であること。 (b):式(1)で表されるオキサゾリジン化合物にお
    いて、R1 が、1位の炭素が分岐炭素または環員炭素で
    ある炭素数1〜15の1価炭化水素基であり、R2 が、
    炭素数1〜15の1価炭化水素基であること。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一液型硬化性樹脂組成物
    であって、前記R1 が、下記式(2)で表される基また
    は1位の炭素が環員炭素である炭素数1〜15の1価炭
    化水素基であり、R2 が、炭素数1〜15の1価炭化水
    素基である一液型硬化性樹脂組成物。 【化2】 (式(2)中、R5 およびR6 はそれぞれ独立に水素原
    子、メチル基またはエチル基を表し、R7 は水素原子ま
    たは炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。ただし、
    5 、R6 およびR7 のうち水素原子であるのは1個以
    下である。)
  3. 【請求項3】イソシアネート基含有化合物とポリオール
    とを反応させて得られるウレタンプレポリマーと、請求
    項1に記載の式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
    (式(1)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は請求項1
    における意味と同じ意味を表す。)とを反応させて得ら
    れ、かつ、下記(c)および(d)の少なくとも一方を
    満たすオキサゾリジン変性ウレタンプレポリマー。 (c):イソシアネート基含有化合物において、イソシ
    アネート基が結合している原子が、第二級炭素原子また
    は第三級炭素原子であること。 (d):式(1)で表されるオキサゾリジン化合物にお
    いて、R1 が、1位の炭素が分岐炭素または環員炭素で
    ある炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R2 が、
    炭素数1〜10の1価炭化水素基であること。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のオキサゾリジン変性ウレ
    タンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(a)および(b)のうち少なくとも
    (a)を満たす請求項1または2に記載の一液型硬化性
    樹脂組成物であって、(c)および(d)のうち少なく
    とも(c)を満たす請求項3に記載のオキサゾリジン変
    性ウレタンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】(a)および(b)のうち少なくとも
    (b)を満たす請求項1または2に記載の一液型硬化性
    樹脂組成物であって、(c)および(d)のうち少なく
    とも(d)を満たす請求項3に記載のオキサゾリジン変
    性ウレタンプレポリマーを含有する一液型硬化性樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】更に、ケトンまたはアルデヒドとアミンと
    から導かれるケチミン(C=N)結合を有し、ケチミン
    炭素またはケチミン窒素の少なくとも一方のα位に分岐
    炭素または環員炭素が結合した構造のケチミン化合物を
    含有する請求項1、2、4、5および6のいずれかに記
    載の一液型硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記ケトンまたはアルデヒドが、下記式
    (3)で表される請求項7に記載の一液型硬化性樹脂組
    成物。 【化3】 (式(3)中、R8 は、下記式(4)で表される基また
    は1位の炭素が環員炭素である炭素数1〜15の1価炭
    化水素基を表し、R9 は、炭素数1〜15の1価炭化水
    素基を表す。 【化4】 (式(4)中、R10およびR11はそれぞれ独立に水素原
    子、メチル基またはエチル基を表し、R12は水素原子ま
    たは炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。ただし、
    10、R11およびR12のうち水素原子であるのは1個以
    下である。))
  9. 【請求項9】更に、分子内にエポキシ基を少なくとも2
    個有する化合物を含有する請求項1、2、4、5、6、
    7および8のいずれかに記載の一液型硬化性樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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