JP3597294B2 - 新規潜在性硬化剤およびそのポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1液型の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物に関する。詳しくは、貯蔵安定性に優れ、かつ硬化性も良好な1液型の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンは常温で湿気により硬化可能であり、弾性あるいは接着性等の特性に優れているため、シーリング材、防水材、接着剤、プライマー等に使用されている。このようなポリウレタン組成物としては、ポリオール系化合物とイソシアネート系化合物とからなる1液型と2液型の組成物が広く知られ利用されている。
湿気硬化型潜在性硬化剤として、オキサゾリジン系、ケチミン系、エナミン系化合物等が知られているが、オキサゾリジン系は特に硬化性、貯蔵安定性のバランスのとれた硬化剤であり、硬化物の性能も比較的良好である。そこで、オキサゾリジン化合物はこれまでポリウレタン組成物の硬化剤として利用され、硬化性、貯蔵性などが検討されてきた。
しかし、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーは、イソシアネート基と水分が反応する際に炭酸ガスを副生し、これが一定以上の量で発生したとき、硬化物中に気泡を生ずる。このような問題を克服するための方法として、例えば特公昭62−9155号公報、特公平4−27962号公報、特開平4−226522号公報、特公平5−8730号公報等に、ケチミン、アルジミンまたはエナミンをウレタンプレポリマー中に添加する方法が記載されている。これらの方法は、発泡抑制に対しては顕著な効果があるが、これらの方法に用いる化合物は基本的にはイソシアネート基と反応するため、長期保存中には組成物の粘度が上昇し貯蔵安定性に問題が出てくる。
【0003】
そこで、硬化時に発泡せず、硬化良好で貯蔵安定性に優れているポリウレタン組成物が検討されてきたが、硬化性、貯蔵安定性の双方を十分に満足させるのは難しく、そのためこれまで、硬化性に優れ、かつ貯蔵安定性も良好な速硬化ウレタン樹脂はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、貯蔵安定性に優れるとともに、硬化性にも優れ、かつ貯蔵時、硬化時における組成物の発泡を抑制された、ポリウレタン組成物の1分子中にオキサゾリジン環を多数有する湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、これらの目的を達成するために、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)と、オキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)とを含有するポリウレタン樹脂組成物が、貯蔵安定性に優れ、硬化が良好で、かつ発泡を起こさないことを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、a)分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、b)下記式(2)で表されるオキサゾリジン環を少なくとも1個含むシリルエーテル化合物とを含有する湿気硬化性ポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【0006】
【化10】
Figure 0003597294
(R6〜R11は、下記式(3)で表されるSiと結合するオキサゾリジン環を有する基、水素基、置換若しくは非置換のアルキル基(置換基は、アルコキシル基、アクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基のいずれか)、脂環基、アルコキシ基、ビニル基、フェニル基、またはアシルオキシ基のいずれかを表す。R6〜R11は、少なくとも1つが下記式(3)で表されるSiと結合するオキサゾリジン環を有する基である限り、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。n≧1である。)
【化11】
Figure 0003597294
(R2は、炭素数2〜3の2価の置換基であり、R3は、水素基またはメチル基、R4、R5は、水素基または炭素数1〜20の炭化水素基で、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。)
【0010】
〔1〕以下、本発明のポリウレタン樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明は、一液型湿気硬化性のポリウレタン樹脂組成物(以下、ウレタン組成物とする)であって、基本的に、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)およびオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)を含有する化合物であり、オキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)はモノマーもしくはポリマーである。
【0011】
{A}本発明のウレタン組成物に配合されるウレタンプレポリマー(a)は、通常の1液型ウレタン組成物に使用されるものであればよく、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(すなわち、OH基に対して過剰のNCO基)との反応生成物であって、0.5〜10重量%のイソシアネート基を分子末端に含有する。
【0012】
このようなウレタンプレポリマー(a)を生成するポリイソシアネート化合物としては、通常の1液型ウレタン組成物に使用されるものであればいかなるものでもよい。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;
キシリレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネート;
上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性またはイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が好適に例示され、これらの1種あるいは2種以上の組み合わせとして使用される。ポリイソシアネートの平均官能基数は、2〜6、特に2〜3であるのが、ウレタンプレポリマーの粘度の点で好ましい。
【0013】
他方、本発明に用いるウレタンプレポリマーに利用されるポリオールとは、通常の1液型ウレタン組成物に使用されるものであればよく、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオールおよびこれらの混合ポリオールである。
【0014】
具体的には、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得られるポリオール;
ポリオキシテトラメチレンオキサイド;等が好適に例示される。具体例としては、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。
【0015】
また、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸あるいはその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体等が好適に例示される。
【0016】
さらに、その他のポリオールとしては、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールも好適に例示される。
【0017】
特に、本発明に用いるポリオールは、数平均分子量400〜10000、特に1000〜8000のものを用いるのが、プレポリマーの粘度、硬化物の物性の点で好ましい。
【0018】
本発明に用いるウレタンプレポリマー(a)は、上述のポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造することができる。このような末端にイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマー(a)を得る際の、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合割合は、通常、ポリオール化合物1当量(OH当量)当たり、ポリイソシアネート化合物1.2〜5当量(NCO当量)、好ましくは1.5〜3当量である。
得られるウレタンプレポリマー(a)中のイソシアネート基の含有率は、ウレタンプレポリマー中、0.3〜20重量%、特に0.5〜10重量%であるのが好ましい。
また、このウレタンプレポリマー(a)の製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法で行うことができ、特に、上述の量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物、さらに必要に応じてその他の添加物を混合し、通常30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱撹拌することによって行われる。
【0019】
{B}本発明のウレタン組成物に配合されるオキサゾリジン環を少なくとも1個含むシリルエーテル化合物(b)即ちオキサゾリジンシリルエーテル化合物は、水酸基をもつオキサゾリジンとアルコキシシランが、脱アルコールした反応生成物であって、1分子中にオキサゾリジンシリルエーテルが1〜50基存在しうるモノマーもしくはポリマーである。
【0024】
このようなオキサゾリジンシリルエーテル化合物は、下記式(2)で示される化合物である。式(2)で示される化合物の具体例は、(0032)の項で例示する。
【化16】
Figure 0003597294
【0025】
(R6〜R11は、下記式(3)で表されるSiと結合するオキサゾリジン環を有する基、水素基、置換若しくは非置換のアルキル基(置換基は、アルコキシル基、アクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基のいずれか)、脂環基、アルコキシ基、ビニル基、フェニル基、またはアシルオキシ基のいずれかを表す。R6〜R11は、少なくとも1つが下記式(3)で表されるSiと結合するオキサゾリジン環を有する基である限り、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。n≧1である。)
【0026】
上述のSiと結合するオキサゾリジン環を有する基として下記式(3)で示される化合物が好ましい。
【化17】
Figure 0003597294
(Rは、炭素数2〜3の2価の置換基であり、Rは、水素基またはメチル基、R、Rは、水素基または炭素数1〜20の炭化水素基で、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。)
【0027】
{C}オキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)は、例えば、(i)水酸基を含有するオキサゾリジンとアルコキシシランとの反応により得られるか、あるいは(ii)水酸基を有するオキサゾリジンとアシルオキシシリル化合物との反応等によって合成することができる。
この内アルコキシシランは、通常市販されているアルコキシシラン、あるいはシランカップリング剤と呼ばれるものを使用しうるが、さらに、下記式(11)の化合物であってもよい。
【化18】
Figure 0003597294
【0028】
式中、nは1以上の整数、
12〜R15は、水素原子、炭素原子数1〜12個を有するアルキル基、アルコキシアルキル基、脂環基、アルコキシ基、アクリロキシアルキル基、アミノアルキル基またはメルカプトアルキル基、アシルオキシ基;ビニル基、フェニル基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、メタアクリロキシプロピル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシプロピル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、フェニル基、メルカプトプロピル基、ステアロイルオキシ基が例示される。1分子内でR12〜R15は、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。
12〜R15は、さらに炭素原子数1〜6のアルキル基、特にメチル基、エチル基であるのが好ましい。
【0029】
このようなアルコキシシランの具体例は、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノ−プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、およびこれらの縮合物等が好適に例示される。中でも、沸点が80℃以上のアルコキシシランであるのが、収率の点で好ましい。例えば、日本ユニカー(株)製のA189のような市販品を使用することができる。
【0030】
また、さらに具体例として、下記式(12)〜(15)で示される化合物が挙げられる。
【化19】
Figure 0003597294
上記式(12)、(13)の例として、例えば、三菱化学(株)製のMS51,MS56等の市販品を挙げることができる。
【化20】
Figure 0003597294
【0031】
さらに、上記式(14)、(15)に、下記式(16)〜(21)が共重合したような下記式(22)、(23)が具体例として挙げられる。
【化21】
Figure 0003597294
【0032】
【化22】
Figure 0003597294
【0033】
さらに、下記のような環状アルコキシシロキサンが、具体例として挙げられる。
【化23】
Figure 0003597294
【0034】
オキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)の製造に用いる水酸基を有するオキサゾリジンは、オキサゾリジン環の窒素原子上に置換された基の末端に水酸基を有するものであればよいが、下記式(24)で表されるヒドロキシアルキルオキサゾリジンであるのが好ましい。
【化24】
Figure 0003597294
(式中、R〜Rは、式(3)と同じである。)
【0035】
は、好ましくは炭素数2または3のアルキル基、特に好ましくはエチル基、イソプロピル基であるのが好ましい。Rは水素原子またはメチル基であるのが好ましい。R,Rは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20、特に好ましくは3〜7であるのが好ましく、具体的には、イソプロピル基、イソペンチル基、フェニル基、例えばメトキシフェニル基などのアルコキシフェニル基が挙げられ、中でもR,Rのうち一方が水素原子であるのが、ヒドロキシアルキルオキサゾリジンの精製及び貯蔵安定性および硬化性の点で好ましい。
【0036】
ヒドロキシアルキルオキサゾリジンの具体例としては、
下記式(13)〜(17)で示される2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(p−メトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(2、4−ジメチルフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシプロピル)−5−メチルオキサゾリジン等が例示される。
【0037】
【化25】
Figure 0003597294
【0038】
これらのヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、例えば、アルカノールアミンとケトンまたはアルデヒドとの脱水縮合反応による方法等、通常の方法により得られる。
【0039】
本発明の(b)オキサゾリジンシリルエーテル化合物を得る際の、オキサゾリジンとアルコキシシランとの混合割合は、通常、アリコキシシラン1当量(OR当量)当たり、オキサゾリジン化合物0.2〜1.5当量、好ましくは0.5〜1.1当量である。
オキサゾリジンシリルエーテル化合物の製造は、オキサゾリジン化合物とアルコキシシランに触媒を添加し、発生するアルコールを常圧または減圧下で除きながら、2〜6時間、40℃〜160℃の温度で、特に好ましくは80〜140℃で行う。
触媒は、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシド、またはジオクチル酸錫等の2価の錫化合物等をそのままの形で無溶媒で使用しても、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤などの適当な溶媒に溶解して使用してもよい。有機溶媒中で反応を行うと、反応中に副生するエタノール等のアルコールと有機溶媒とを共沸させて副生物であるアルコールを反応系から除くことができる。
触媒の使用量は、水酸基を有するオキサゾリジン100重量部あたり、0.01〜5重量部、特に0.1〜2重量部であるのが反応時間、生成物の純度の点で好ましい。
【0040】
{D}本発明のウレタン組成物は、前述のウレタンプレポリマー(a)とオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)とを反応させて製造することができる。このようなウレタン組成物を得る際の、ウレタンプレポリマー(a)とオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)との混合割合は、オキサゾリジン化合物中のシリルエーテル基とウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の(Si−O)/NCO比が1/1〜1/30、特に1/2〜1/20の範囲となるよう決められる。オキサゾリジンシリルエーテル(b)がこの範囲よりも多いと硬化が不十分となり、この範囲より少ないと発泡抑制が不十分である。
【0041】
本発明のウレタン組成物の製造方法には特に限定はなく、公知の一液型湿気硬化性ウレタン樹脂組成物と同様の製造方法が各種利用可能である。
たとえば、前述のウレタンプレポリマー(a)とオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)、さらには必要に応じて配合される添加剤を適当量、混合ミキサー等の撹拌装置に充填して、減圧下で十分混練し、均一に分散して組成物とする方法が好適に例示される。
【0042】
本発明のウレタン組成物には、必須成分であるウレタンプレポリマー(a)とオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、チキソトロピー付与剤、帯電防止剤、接着付与剤、難燃剤、脱水剤等の公知の各種添加剤を配合してもよい。
顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料や、各種無機顔料が挙げられる。
チキソトロピー付与剤としては、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等を挙げることができる。
【0043】
帯電防止剤としては一般に、第4級アンモニウム塩やアミンなどのイオン性化合物、あるいはポリエチレングリコールやエチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物を挙げることができる。
接着付与剤としては、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素、リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート等が挙げられる。
脱水剤としては、メチルスアテアロキシポリシロキサン等が挙げられる。
【0044】
また本発明のウレタン組成物には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、充填剤、可塑剤、染料、老化防止剤、酸化防止剤、分散剤、溶剤等の添加剤を配合してもよい。
【0045】
充填剤としては、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、シリカ、ケイ藻土あるいはこれらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物などが挙げられる。充填剤の添加量は、ウレタンプレポリマー(a)100重量部に対して、10〜150重量部であるのが、物性等の点で好ましい。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレートなどのフタル酸エステル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル、リン酸トリオクチル等が挙げられる。可塑剤の添加量は、ウレタンプレポリマー(a)100重量部に対して、5〜150重量部、特に10〜100重量部であるのが、組成物の粘度の点で好ましい。
染料としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、べんがら等が挙げられる。老化防止剤としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン(TMDQ),N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)等が挙げられる。
溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール、エチルエーテル、ガソリン、キシレン、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル、ミネラルスピリッツ等が挙げられる。
【0055】
以上、本発明のオキサゾリジンシリルエーテルを含有するウレタン樹脂組成物について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良、変更を行った場合も本発明に包含される。
【0056】
【実施例】
以下に、実施例を例示してさらに本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものではない。
はじめに、実施例に用いたウレタンプレポリマー(a)、およびオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)の合成方法を示す。
[ウレタンプレポリマー(a)の合成]
数平均分子量3000のポリプロピレングリコール850g、数平均分子量3000のポリプロピレントリオール150gおよびジオクチルフタレート300gを混合し、さらにジフェニルメタンジイソシアネート134gを加えて、80℃で10時間、撹拌しながら反応させて、イソシアネート基の含有率1.01%のウレタンプレポリマー(a)を合成した。
【0057】
[オキサゾリジンシリルエーテル(b)の合成]
【0059】
(2)SD−OZ
3−(2−ヒドロキシエチル)−2−(1−メチルブチル)オキサゾリジン87.5g、メチルエトキシオポリシロキサン(エトキシ基含量9.3meq/g)50g、テトライソプロポキシチタンの1%イソプロピルアルコール溶液1.0gの混合物を、上記のMS−OZと同じ方法により合成した。生成物は、下記式(35)で表される構造式を示す。
【0060】
【化31】
Figure 0003597294
【0061】
[ウレタン樹脂組成物の製造]
得られたウレタンプレポリマー(a)と上述のオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)とを下記表1に示される量比で混合し、その他の硬化助剤等を加えて十分に混練し、実施例の各ウレタン組成物を得た。比較例1および2には、本願発明のオキサゾリジンシリルエーテル化合物(b)のかわりに、ハードナ−OZ(バイエル社製、オキサゾリジン化合物)を用いた以外は、実施例1〜3と同様にしてウレタン組成物を得た。
【0062】
得られた各ウレタン組成物について、混練直後および70℃で一日放置後の粘度をB型粘度計によって測定した。
また、ウレタン組成物をガラス板上に塗布し、20℃、相対湿度65%の条件下で、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムがウレタン組成物に付着しなくなるまでの時間を計測し、タックフリータイムを測定した。
結果を、下記表1に示す。
貯蔵安定性については、ウレタン組成物の粘度変化が1.2倍以内で有る場合を○として、表中に示した。
【0063】
Figure 0003597294
【0064】
表1の注2)
【化32】
Figure 0003597294
【0065】
本発明の湿気硬化剤を使用すると、タックフリータイムも短く貯蔵安定性も良好である。これに比べて、従来のオキサゾリジン化合物を使用すると、した比較例1から分かるように、タックフリータイムが極めて長い。
硬化助剤としてTI−Clにかえて、従来よりウレタン組成物に潜在性硬化剤として使用されているDOTLを添加すると、比較例2から分かるように、硬化は速くはなるが、貯蔵安定性は低下し、速硬化ウレタン樹脂としての満足な物性を有しない。
【0066】
【発明の効果】
本発明のオキサゾリジンシリルエーテル化合物は硬化性が高く、湿気硬化剤として優れており、この新規なオキサゾリジンシリルエーテル化合物を添加することによりなる本発明の湿気硬化型ウレタン組成物は、硬化性を損なうことなく、貯蔵安定性に優れる。

Claims (1)

  1. (a)分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、
    (b)下記式(2)で表されるオキサゾリジン環を少なくとも1個含むシリルエーテル化合物と
    を含有することを特徴とする湿気硬化性ポリウレタン樹脂組成物。
    Figure 0003597294
    (R6〜R11は、下記式(3)で表されるSiと結合するオキサゾリジン環を有する基、水素基、置換若しくは非置換のアルキル基(置換基は、アルコキシル基、アクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基のいずれか)、脂環基、アルコキシ基、ビニル基、フェニル基、またはアシルオキシ基のいずれかを表す。R6〜R11は、少なくとも1つが下記式(3)で表されるSiと結合するオキサゾリジン環を有する基である限り、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。n≧1である。)
    Figure 0003597294
    (R2は、炭素数2〜3の2価の置換基であり、R3は、水素基またはメチル基、R4、R5は、水素基または炭素数1〜20の炭化水素基で、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。)
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