JP3853254B2 - ポリエーテル系可塑剤およびその樹脂組成物 - Google Patents

ポリエーテル系可塑剤およびその樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水材、シーラント、接着剤等に用いられる樹脂組成物に好適に用いられるポリエーテル系可塑剤およびそれを用いた室温硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、防水材、シーラント、接着剤等に用いられる樹脂組成物の可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル(DOA)等のアジペート類、およびリン酸エステル類などのエステル系の可塑剤、さらに特開昭63−251458号公報に記載されているようなウレタン系の可塑剤が知られている。しかし、近年、上記エステル系およびウレタン系の可塑剤は、ブリードによる塗装性不良や低温での可塑効果の低下などの問題を有しており、特に、フタル酸エステル類は、いわゆる環境ホルモンとしてリストアップされるなど環境上問題視されているため、これに代わる可塑剤が望まれている。
【0003】
また、ウレタン樹脂の有するイソシアネート基は、水酸基を有する化合物と反応するので、1液ウレタン樹脂組成物に用いられる可塑剤には、水酸基を有しないことが求められている。
従来より、ポリエーテルを原料とする可塑剤として、ポリプロピレンジオールの両末端の水酸基をエーテルで封鎖したポリプロピレングリコールジエーテルが知られている。しかし、1液ウレタン樹脂組成物に使用できるように水酸基を完全に封鎖するには反応時間が長くなること、合成に2ステップを要しコストが高くなり、精製にコストがかかること等の問題がある。特開平6−49156号公報には、市販のポリエーテルポリオールにアセタールやオルトエステルを反応させ、水酸基を封鎖して低粘度のポリエーテルポリオールを得る手法が記載されているが、可塑剤としては粘度が高く、利用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温押出し性および塗装性に優れたポリエーテル系可塑剤、および該可塑剤を含有する室温硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(4)に記載の特定の構造を有する可塑剤および該可塑剤を含有する室温硬化性樹脂組成物を提供する。
【0006】
(1)下記式(1)で表される構造を有する可塑剤。
【化2】
Figure 0003853254
(式中、R1は分子量2000〜20000のポリエーテルポリオール残基であり、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基であり、nは2または3の整数である。)
【0007】
(2)樹脂と上記(1)に記載の可塑剤とを含有する室温硬化性樹脂組成物。
【0008】
(3)上記樹脂が、ウレタン樹脂であることを特徴とする上記(2)に記載の室温硬化性樹脂組成物。
【0009】
(4)上記樹脂が、変成シリコーン樹脂であることを特徴とする上記(2)に記載の室温硬化性樹脂組成物。
【0010】
(5)上記可塑剤の含有量が、上記樹脂100重量部に対して、0.5〜40重量%であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載の室温硬化性樹脂組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の第1の態様は、下記式(1)で表される構造を有する可塑剤である。
【0012】
【化3】
Figure 0003853254
【0013】
式中、R1は分子量2000〜20000、好ましくは2000〜15000、より好ましくは2000〜12000のポリエーテルポリオール残基であり、具体例には、例えば、後述するポリエーテルポリオールから水酸基の一部または全部を除去して得られるポリエーテルポリオール残基が挙げられる。
2はそれぞれ独立に、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく例示される。本発明においては、全てのR2が炭素数1〜10のアルキル基であるので、シリルエーテル結合(O−Si結合)の加水分解速度が速くなり過ぎないため好ましい。なお、R2がアルコキシ基であると、上記加水分解速度が速くなり、該加水分解により生成する水酸基が、該水酸基同士もしくはイソシアネート基と反応するため、作業性の低下や硬化不良を引き起こす。
また、nは1〜4の整数であり、1〜3の整数であることが原料を入手しやすいといった理由から好ましい。
【0014】
上記ポリエーテルポリオールは、通常のウレタンプレポリマーの製造に用いられるポリオール化合物として例示されるものを用いることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド等が好適に例示される。
また、上述したポリエーテルポリオールの数平均分子量は、2000〜20000であることが好ましく、2000〜15000であることがより好ましく、2000〜12000であることがさらに好ましい。数平均分子量が上記範囲であると、後述する本発明の第2の態様に係る室温硬化性樹脂組成物の低温での作業性が良好となり、さらに塗装表面においてブリードしないことから好ましい。
【0016】
また、本発明の第1の態様に係る可塑剤は、上記ポリエーテルポリオールとトリアルキルシリル基含有化合物とを、水酸基1当量あたりのトリアルキルシリル基当量が0. 8〜1. 5、好ましくは0. 9〜1. 2となるように、触媒存在下において反応させて得られる反応物であることが好ましい。
ここで、上記トリアルキルシリル基含有化合物としては、具体的には、トリメチルシリルクロライド、1, 1, 1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、トリエチルシリルクロライドなどが例示される。これらのうち、トリメチルシリルクロライド、1, 1, 1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いることが、製造の簡便性の理由から好ましい。
【0017】
上記触媒としては、具体的には、例えば、サッカリン、トリエチルアミン等が挙げられ、上記トリアルキルシリル基含有化合物として用いられる化合物の種類によって、好適に用いられる触媒は異なる。
上記トリアルキルシリル基含有化合物としてトリメチルシリルクロライドを用いた場合には、触媒としてトリエチルアミンを用いることが好ましく、同様に、1, 1, 1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いた場合には、サッカリンを用いることが好ましい。
【0018】
本発明の第1の態様である可塑剤は、上述したように、上記ポリエーテルポリオールと上記トリアルキルシリル基含有化合物とを、水酸基1当量あたりのトリアルキルシリル基当量が0.8〜1.5、好ましくは0.9〜1.2となるように、触媒存在下において反応させて得られる反応物であることが好ましく、該反応は50〜120℃、特に60〜100℃で、2〜12時間、生成するアンモニアを留去させて行うことが好ましい。
上記反応により、上記ポリエーテルポリオールにおける水酸基が、トリアルキルシリル基で封鎖された可塑剤が得られる。
また、上記反応物からなる可塑剤は、上述したように、水酸基が封鎖された構造となるため、後述するウレタン樹脂組成物に用いた場合において、組成物の硬化の前後を問わず、ウレタンプレポリマーと反応せず、粘度の上昇を伴わない可塑剤となるため好ましい。
【0019】
したがって、本発明の第1の態様に係る可塑剤としては、具体的には、下記式(2)で表される化合物、即ちオキシプロピレンジオールと1, 1, 1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンとの反応物が好適に例示される。
【0020】
【化4】
Figure 0003853254
【0021】
式中、R3 はポリオール化合物の開始剤として用いた、ジオール化合物の水酸基を除去して得られるジオール残基を表す。mは重合度を表し、それぞれ独立に3〜150の整数を表す。
【0022】
本発明の第1の態様に係る可塑剤は、粘度が低く、また、環境に悪影響を及ぼすものではないので、いずれも防水材、シーラント、接着剤等の可塑剤として好適に用いられる。また、上記可塑剤は、上記特性に加え、ポリエーテルポリオールの水酸基が封鎖されており、ウレタン樹脂との相溶性がよく塗装性に優れ、比較的安価に製造することができるため、ウレタン樹脂の可塑剤として好適に用いられる。
【0023】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る可塑剤を含有する室温硬化性樹脂組成物である。具体的には、該可塑剤とウレタン樹脂とを含有するウレタン樹脂組成物、該可塑剤と変成シリコーン樹脂とを含有する変成シリコーン樹脂組成物、該可塑剤とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物、該可塑剤と変性ポリスルフィド樹脂とを含有する変性ポリスルフィド樹脂組成物などが挙げられる。
また、第1の態様に係る可塑剤の含有量は、上記各樹脂の100重量部に対して、0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜30重量%である。上記可塑剤の含有量がこの範囲であれば、作業性および硬化後の物性に優れる理由から好ましい。
【0024】
ここで、上記ウレタン樹脂は、ウレタンプレポリマーを主成分として含有する樹脂である。
ウレタンプレポリマーは、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、OH基に対して過剰のNCO基)を反応させて得られる反応生成物であって、一般に、0.5〜5重量%のイソシアネート基を分子末端に含有する。
【0025】
このようなウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物としては、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物の製造に用いられる各種のものが使用できる。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6 XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
上記ウレタンプレポリマーを生成するポリオール化合物は、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールを用いることができる。これらのポリオール化合物のうち、少なくともポリエーテルポリオールを用いる場合、即ち、ポリエーテル骨格を有するポリオールがウレタンプレポリマーに含まれる場合には、塗装表面においてブリードが起こりにくくなるため好ましい。
【0027】
ここで、ポリエーテルポリオールとしては、第1の態様に用いられたものが用いることができ、ポリエステルポリオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
【0028】
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0029】
このようなポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを用いて生成される分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得る際のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合割合は、通常、ポリオール化合物の有するOH基1当量あたりのポリイソシアネート化合物のNCO基の当量(以下、NCO/OHという)が、1. 2〜5となる割合が好ましく、1.4〜4となる割合がより好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様に、所定量比の両化合物を混合し、通常30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱攪拌することによって行われる。
【0030】
また、上記変成シリコーン樹脂は、分子内に平均1個以上の加水分解性ケイ素含有基を有する未硬化のオリゴマー(以下、変成シリコーンという)を主成分として含有する樹脂であり、建築物等の外壁材のシールに好適に使用されている。ここで、分子内の加水分解性ケイ素含有基の平均値は、加水分解性ケイ素含有基化合物の分子量の合計を加水分解性ケイ素含有基の当量の合計で割った値である。
【0031】
上記加水分解性ケイ素含有基は、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こすケイ素含有基のことであり、具体的には、例えば、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。これらのうち、取扱いが容易であるという理由から、アルコキシシリル基であることが好ましい。
【0032】
また、上記変成シリコーンは、上述したように分子内に平均1個以上の上記加水分解性ケイ素含有基を有する未硬化のオリゴマーであって、上記加水分解性ケイ素含有基を分子内の末端に存在していても、側鎖に存在していてもよく、また、両方に存在していてもよい。
【0033】
上記変成シリコーンの主鎖としては、具体的には、例えば、アルキレンオキシド重合体等のポリエーテル、ポリエステル、エーテル・エステルブロック共重合体、ビニル系重合体、ビニル共重合体、ジエン系重合体、飽和炭化水素が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、塗装表面においてブリードが起こりにくくなる理由から、変成シリコーンの主鎖としてポリエーテルを骨格に有するものが好ましい。
また、変成シリコーン樹脂の耐候性向上のために、アルコキシシリル基を有するアクレート系の樹脂を上記変成シリコーンにブレンドまたはグラフトさせたものを使用することが好ましい。
【0034】
したがって、上記変成シリコーンとしては、分子内の末端および/または側鎖にアルコキシリル基を有し、主鎖としてポリエーテル骨格を有するものであることが好ましく、具体的には、例えば、鐘淵化学工業社製のMSポリマー、EPION;旭硝子社製のエクセスターが挙げられる。
【0035】
本発明の室温硬化性樹脂組成物に含有する上記各樹脂は、必要に応じて、充填剤、本発明の第1の態様に係る可塑剤(以下、本発明の可塑剤ともいう)以外の可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料または染料、チキソトロピー付与剤、帯電防止剤、接着付与剤、難燃剤、溶剤、シランカップリング剤、分散剤、紫外線吸収剤、脱水剤、硬化触媒等の公知の各種添加剤を配合してもよい。
【0036】
充填剤としては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム(例えば、表面処理炭酸カルシウム)、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、生石灰、カオリン、ゼオライト、ケイソウ土、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーンが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、充填剤の含有量は、樹脂がウレタンプレポリマーを主成分として含有するウレタン樹脂である場合、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、50〜200重量部であるのが好ましく、70〜180重量部であるのがより好ましい。上記範囲であると、物性的に優れる。
【0037】
本発明の可塑剤以外の可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル、リン酸トリオクチル、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。これらの可塑剤は、安価であり、1種以上を本発明の可塑剤のうち少なくとも1種と併用することができるが、環境に対する影響、塗装適性等を考えると、その含有量を少なくして、本発明の可塑剤の含有量を多くすることが好ましい。
【0038】
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシシアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニルが挙げられる。老化防止剤としては、具体的には、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)等が挙げられ、これらを複数組み合せて使用することが耐熱性の観点から好ましい。
顔料としては、具体的には、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、弁柄、リトボン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられ、染料としては、具体的には、例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、べんがら等が挙げられる。
チキソトロピー付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等を挙げることができる。帯電防止剤としては、一般に、第4級アンモニウム塩やアミンなどのイオン性化合物、あるいはポリエチレングリコールやエチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物を挙げることができる。接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素、リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート等が挙げられる。
脱水剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサンにパルミチン酸やステアリン酸などの高級脂肪酸を反応させたもの、具体的には、信越化学工業社製のKF−910が挙げられる。溶剤は、具体的には、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系炭化水素溶媒やミネラルスピリッツ等が挙げられる。
【0039】
本発明の室温硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、ロール、ニーダ―、押出し機、万能攪拌機等により混合し製造することができ、具体的には、上述の各原料(本発明の可塑剤、樹脂、および添加剤)を減圧下または不活性雰囲気下において攪拌機で十分混練し、均一に分散させて組成物とする方法などを用いることができる。
また、本発明の室温硬化性樹脂組成物の用途はシーリング材に特に限定されず、例えば、各種の接着剤、防水材等にも用いることができる。
【0040】
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、本発明の可塑剤を含有するので、作業性、貯蔵安定性等に優れる。中でも、ウレタン樹脂または変成シリコーン樹脂と、本発明の可塑剤とを含有する室温硬化性樹脂組成物は、ウレタン樹脂を形成するウレタンプレポリマーまたは変成シリコーン樹脂を形成する変成シリコーと、該可塑剤との親和性および相溶性が高く、また、硬化後の塗装性および低温での作業性に極めて優れるため有用である。
さらに、本発明の室温硬化性樹脂組成物は、従来から可塑剤として用いられているフタル酸エステルを全く用いないか、用いる場合でも使用量を減らすことができるので、環境性にも優れるため有用である。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
乾燥した数平均分子量1200のポリプロピレングリコールモノオール(商品名:ニューポールLB−285、三洋化成工業社製)1200gに、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(商品名:A−166、日本ユニカー社製)81gおよびサッカリン0.5gを加えた組成物を100℃で6時間反応させ、水酸基がメチルシリル基で封鎖された可塑剤を得た。該可塑剤をシリル化PPG1とする。
得られたシリル化PPG1のIRスペクトルを測定し、水酸基が完全に消失していることを確認した。また、シリル化PPG1の粘度は、155mPa・s(20℃)であった。
【0042】
(実施例
乾燥した数平均分子量10000のポリオキシプロピレントリオール(商品名:プレミノール3010、旭硝子社製)1000gに、1, 1, 1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(商品名:A−166、日本ユニカー社製)26gおよびサッカリン0. 5gを加えた組成物を100℃で12時間反応させ、水酸基がメチルシリル基で封鎖された可塑剤を得た。該可塑剤をシリル化PPG2とする。
得られたシリル化PPG2のIRスペクトルを測定し、水酸基が完全に消失していることを確認した。また、シリル化PPG2の粘度は、3400mPa・s(25℃)であった。
【0043】
参考例2、実施例および比較例1〜3)
下記表1に示す数値(質量比)で、化合物を配合し、組成物を製造した。得られた組成物について、低温押出し性および塗装性の評価を下記に示す方法により行った。
【0044】
(1)低温押出し性
組成物の低温押出し性をJIS−A1439−1997の「建築用シーリング材の試験方法」に準拠し、試験温度を5℃として測定した。ブランクに対して、押出し時間が5%以上10%未満短縮した組成物を△、10%以上短縮した組成物を○とした。
(2)塗装性
硬化後の各樹脂組成物にアクリルエマルジョン塗料(アロンコートST、東亞合成社製)を塗布して50℃で2週間放置した後、1ヶ月屋外暴露し、表面のべたつきおよび汚染性を評価した。塗装性の良好なものを○、不良のものを×として表した。
【0045】
【表1】
Figure 0003853254
【0046】
表1に示す結果より、実施例で得られた本発明の可塑剤を用いた樹脂組成物(実施例に示す組成物)は、該可塑剤中の水酸基が全てトリメチルシリル基で封鎖されているため、可塑剤の極性基同士の水素結合による粘度の上昇が抑えられ、比較例1〜3に示す組成物よりも低温押出し性が優れていることが分かった。
また、本発明の可塑剤を用いずに、参考例2と同量の可塑剤にフタル酸エステルのみを用いる場合(比較例1)には、環境上問題があるばかりでなく、塗装性にも劣ることが分かった。
【0047】
上記表1における各成分は、以下のものを使用した。
(1)樹脂
▲1▼ウレタンプレポリマー1
平均分子量5000のポリプロピレントリオール80重量部、平均分子量2000のポリプロピレンジオール20重量部を反応容器に入れ、MDIをNCO基/OH基=1.8となるように加えて、80℃で12時間攪拌し、反応させて得られる、末端活性NCO基含有ウレタンプレポリマー1を用いた。
【0048】
▲2▼変成シリコーンMSX911
変成シリコーンとして、変成シリコーン(鐘淵化学工業(株)社製のMSX911)を用いた。
【0049】
(2)可塑剤
▲1▼ジオクチルフタレート(DOP)
ジオクチルフタレートを用いた。
▲2▼ウレタン系
分子量500のポリプロピレンモノオール2モルとイソホロンジイソシアネート1モルとを、ビスマス触媒10ppm存在下で、イソシアネート基がなくなるまで反応させて得られた反応物を用いた。
▲3▼PPG
数平均分子量10000のポリオキシプロピレントリオール(商品名:プレミノール3010、旭硝子社製)を用いた。
【0050】
(3)炭酸カルシウム
炭酸カルシウムとして、脂肪酸エステル処理炭酸カルシウム(商品名:シーレッツ200、丸尾カルシウム社製)を用いた。
(4)ビニルシラン
ビニルシランとして、ビニルトリメトキシシラン(商品名:A171、日本ユニカー社製)を用いた。
(5)エポキシシラン
エポキシシランとして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A187、日本ユニカー社製)を用いた。
(6)錫触媒
錫触媒として、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(商品名:ネオスタンU−220、日東化成(株)社製)を用いた。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の第1の態様の可塑剤は、防水材、シーラント、接着剤等の可塑剤として好適に用いられ、特に1液ウレタンシーラントの可塑剤として好適に用いられる。
また、本発明の第1の態様の可塑剤を含有する本発明の第2の態様の室温硬化性樹脂組成物は、作業性、貯蔵安定性、硬化後の塗装性等に優れ、環境上の問題もないので、広汎な用途に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される構造を有する可塑剤。
    Figure 0003853254
    (式中、R1は分子量2000〜20000のポリエーテルポリオール残基であり、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基であり、nは2または3の整数である。)
  2. 樹脂と請求項1に記載の可塑剤とを含有する室温硬化性樹脂組成物。
  3. 上記樹脂が、ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の室温硬化性樹脂組成物。
  4. 上記樹脂が、変成シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の室温硬化性樹脂組成物。
  5. 上記可塑剤の含有量が、上記樹脂100重量部に対して、0.5〜40重量%であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の室温硬化性樹脂組成物。
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