JP2010024286A - 潜在性硬化剤およびそれを用いた硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができる硬化性樹脂組成物およびそれに用いる潜在性硬化剤の提供。
【解決手段】下記式(1)または(2)で表される潜在性硬化剤。
Figure 2010024286

(式中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、潜在性硬化剤およびそれを用いた硬化性樹脂組成物に関し、より詳しくは、オキサゾリジン化合物およびそれを用いた2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物に関する。
ウレタンプレポリマーを硬化成分とするポリウレタン樹脂は、空気中の水分により硬化させる1液湿気硬化型のものと、ポリオールなどのイソシアネートと反応する硬化剤成分と混合して硬化させる2液硬化型のものに分類されて使われている。
このうち2液型のものは、1液型のものに比べて発泡しにくい点や、短時間で硬化させることができるなどの点から、コーティング材、シーリング材、防水材、床材、接着剤などに利用されている。
しかしながら、従来の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物では、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスが取りにくいことや、発泡を抑制するために鉛系などのイソシアネートとポリオールとの反応を促進することのできる有害性の高い金属系触媒を使用しなければならないなどの問題があった。
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、「ポリイソシアネート、活性水素を有する化合物及びN−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンとを反応させて得られる末端遊離イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とする主剤と、硬化成分として水を主成分とし、オキサゾリジン環開環促進剤を0.1〜20重量%含む硬化剤からなる二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。」が提案されている。
また、本出願人によっても、「ウレタンプレポリマーを含有する基材と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、前記基材および/または前記硬化剤に、有機酸ビスマスと、オキサゾリジン化合物とを含有する2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。」が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−19734号公報 特開2006−282963号公報
しかしながら、本発明者は、特許文献1に記載のオキサゾリジン環開環促進剤や特許文献2に記載のオキサゾリジン化合物では、その種類によっては加水分解によりベンズアルデヒド等が系外(大気中)に揮発する場合があるため、環境対策の観点から、その改善が必要であることを明らかとした。
そこで、本発明は、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができる硬化性樹脂組成物およびそれに用いる潜在性硬化剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の構造式で表されるオキサゾリジン系の潜在性硬化剤を用いることにより、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができる硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(i)〜(vi)を提供するものである。
(i)下記式(1)または(2)で表される潜在性硬化剤。
Figure 2010024286
式中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。
(ii)シンナムアルデヒド誘導体と、モノエタノールアミンまたはジエタノールアミンとの反応生成物である上記(i)に記載の潜在性硬化剤。
(iii)上記シンナムアルデヒド誘導体の沸点が、200℃以上である上記(ii)に記載の潜在性硬化剤。
(iv)上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の潜在性硬化剤と樹脂とを含有する硬化性樹脂組成物。
(v)ウレタンプレポリマーを含有する基材成分と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤成分とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
上記基材成分および/または上記硬化剤成分に、上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の潜在性硬化剤を含有する2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(vi)下記式(1)で表される化合物。
Figure 2010024286
式中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。R3は、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。
以下に説明するように、本発明によれば、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができる硬化性樹脂組成物およびそれに用いる潜在性硬化剤を提供することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、各種シーリング材ならびに目地材、接着剤、塗料、防水材および床材等にも好適に用いることができるため有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の潜在性硬化剤は、下記式(1)または(2)で表される潜在性硬化剤である。
このような構造式で表されるオキサゾリジン化合物を潜在性硬化剤として用いることにより、得られる本発明の硬化性樹脂組成物(特に、2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物)は、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができる。
これは、大気中の湿気(水)をオキサゾリジン化合物がトラップすることにより脱二酸化炭素反応による発泡が抑制され、湿気によるオキサゾリジン環の開環により生じるアミノ基および水酸基が硬化反応にも寄与することができ、同時に生じるシンナムアルデヒド誘導体が沸点が高く系内に残存するためであると考えられる。
Figure 2010024286
上記式(1)中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基等の分岐状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。
2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。具体的には、例えば、上記R1で例示したもののうち炭素数が6以下のもの;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
3は、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。具体的には、例えば、水素原子、フェニル基の他、上記R1で例示したもののうち、炭素数が6以下のものが挙げられる。
上記式(1)で表される化合物としては、下記式(1a)等で表される化合物が好適に例示される。
Figure 2010024286
上記式(2)中、n、R1およびR2については、上記式(1)で説明したものと同様である。
4は、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。具体的には、例えば、水素原子、フェニル基の他、上記R1で例示したもののうち、炭素数が6以下のものが挙げられる。
上記式(2)で表される化合物としては、下記式(2a)、(2b)等で表される化合物が好適に例示される。
Figure 2010024286
上記式(1)および(2)でオキサゾリジン化合物は、シンナムアルデヒド誘導体と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等とを、トルエン等の水を共沸により除去できる溶媒を用いて反応させることにより合成することができる。
ここで、上記シンナムアルデヒド誘導体としては、具体的には、例えば、シンナムアルデヒド(沸点:251℃)、α−メチルシンナムアルデヒド(沸点:260℃)、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(沸点:290℃)、p−イソプロピル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(沸点:270℃)、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(沸点:305℃)、α−ペンチルシンナムアルデヒド(沸点:288℃)、2−メトキシシンナムアルデヒド(沸点:300℃)等が挙げられる。
本発明においては、このようなシンナムアルデヒド誘導体のうち、沸点が200℃以上のものが好ましい。
沸点が200℃以上であれば、得られるオキサゾリジン化合物(潜在性硬化剤)を含有する硬化性樹脂組成物の系外への揮発成分をより確実に低減することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述した本発明の潜在性硬化剤と樹脂とを含有する組成物である。
このような樹脂としては、具体的には、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ウレタン樹脂であるのが、オキサゾリジン化合物のオキサゾリジン環の開環により生じるアミノ基および水酸基が硬化反応にも寄与することができる理由から好ましい。
このような樹脂の含有量は、その種類により異なるため特に限定されないが、上記潜在性硬化剤のオキサゾリジン環の開環により生じるアミノ基等の活性水素基と、それと反応する樹脂の官能基との当量比(活性水素基/官能基)が、0.03〜0.6となるように配合するのが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述した本発明の潜在性硬化剤を含有しており、系外への揮発成分を低減することができるため、1液型の樹脂組成物や2液型の樹脂組成物のいずれのタイプにも好適に用いることができる。
本発明の2液硬化型ポリウレタン樹脂材組成物(以下、単に「本発明の樹脂組成物」という。)は、ウレタンプレポリマーを含有する基材成分と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤成分とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
上記基材成分および/または上記硬化剤成分に、上述した本発明の潜在性硬化剤を含有する樹脂組成物である。
次に、基材成分および硬化剤成分について詳述する。
<基材成分>
本発明の樹脂組成物に用いられる基材成分は、ウレタンプレポリマーを含有するものであれば特に限定されない。
上記ウレタンプレポリマーは、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、ヒドロキシ基(OH基)に対してイソシアネート基(NCO基)が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物等を用いることができる。
また、上記ウレタンプレポリマーは、0.5〜5質量%のNCO基を分子末端に含有することができる。
(ポリイソシアネート化合物)
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
このようなポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ポリオール化合物)
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリオール化合物は、水酸基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、これらの混合ポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよびペンタエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびポリオキシテトラメチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種を付加させて得られるポリオール等が挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオールが好適に例示される。
ポリエステルポリオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンおよびその他の低分子ポリオールからなる群から選択される少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、その他の脂肪族カルボン酸およびオリゴマー酸からなる群から選択される少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体;等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールのような低分子量のポリオール;等が挙げられる。
このようなポリオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオールであるのが、得られるウレタンプレポリマーの粘度が適当となり、また、このウレタンプレポリマーを用いて得られる本発明の樹脂組成物からなる硬化物の伸びと強度が適当となるという理由から好ましい。
また、本発明においては、ウレタンプレポリマーを製造する際のポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との量は、NCO基/OH基(当量比)が、1.2〜2.5となるのが好ましく、1.5〜2.2となるのがより好ましい。当量比がこのような範囲である場合、得られるウレタンプレポリマーの粘度が適当となり、ウレタンプレポリマー中の未反応のポリイソシアネート化合物の残存量を低減することができる。
本発明においては、ウレタンプレポリマーの製造方法は特に限定されず、例えば、上述の当量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、50〜130℃で加熱かくはんすることによって製造することができる。また、必要に応じて、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス、アミンのようなウレタン化触媒を用いることができる。
このようなウレタンプレポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<硬化剤成分>
本発明の樹脂組成物に用いられる硬化剤成分は、活性水素基を2個以上有する化合物を含有するものであれば特に限定されない。
ここで、活性水素基を2個以上有する化合物は、水酸基、メルカプト基およびアミノ基(イミノ基も含む、以下同様。)からなる群より選択される置換基を分子内に2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、水酸基を2個以上有するポリオール化合物、メルカプト基を2個以上有するポリチオール化合物、アミノ基を2個以上有するポリアミン化合物が挙げられ、ポリオール化合物であるのが好ましい。
上記ポリオール化合物としては、具体的には、例えば、上述したウレタンプレポリマーの生成で用いるポリオール化合物が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)であることが好ましい。
上記ポリチオール化合物としては、具体的には、例えば、メタンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、4,4′−チオビスベンゼンチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、チオール基末端ポリマー(例えば、ポリサルファイドポリマー(チオコールLP、東レ・ファインケミカル社製)など)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリアミン化合物としては、具体的には、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンテトラミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′,N′′−トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記活性水素基を2個以上有する化合物は、活性水素基と、上記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基との当量比(活性水素基/イソシアネート基)が、0.3〜1.3となるように配合するのが好ましく、0.3〜1.0となるように配合するのがより好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられる硬化剤成分は、本発明の潜在性硬化剤以外に、本発明の樹脂組成物の硬化性の観点から必要に応じて有機酸金属塩を含有することができる。
このような有機金属塩としては、具体的には、例えば、有機酸ビスマス;オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、ドデカン酸、ネオドデカン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸などの有機カルボン酸;d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸などの脂環族系有機酸;安息香酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸などの脂肪族系有機酸;等の金属(例えば、錫、チタン、ジルコニウム、カルシウム、亜鉛、鉄、コバルト等)塩が挙げられる。
本発明においては、上記有機酸金属塩の含有量は、上記ウレタンプレポリマーと必要に応じて含有してもよい上記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、金属量換算で0.01〜2質量部であるのが好ましく、0.02〜1質量部であるのがより好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、本発明の潜在性硬化剤は、上述した基材成分および/または硬化剤成分に配合するものである。
ここで、潜在性硬化剤であるオキサゾリジン環の開環により生じるアミノ基等の活性水素基と、上記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基との当量比(活性水素基/イソシアネート基)が、0.03〜0.6となるように配合するのが好ましい。
また、潜在性硬化剤であるオキサゾリジン環の開環により生じるアミノ基等の活性水素基と、上述した活性水素基を2個以上有する化合物の活性水素基との合計に対する上記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の当量比(活性水素基/イソシアネート基)が、0.3〜1.3となるように配合するのが好ましい。
本発明の潜在性硬化剤を基材成分および/または硬化剤成分に含有する本発明の樹脂組成物は、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができる。
これは、大気中の湿気(水)をオキサゾリジン化合物がトラップすることにより脱二酸化炭素反応による発泡が抑制され、湿気によるオキサゾリジン環の開環により生じるアミノ基および水酸基が硬化反応にも寄与することができ、同時に生じるシンナムアルデヒド誘導体が系内に残存するためであると考えられる。
本発明の樹脂組成物に用いられる基材成分および/または硬化剤成分は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、硬化触媒、チクソトロピー性付与剤、シランカップリング剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、乾性油、接着性付与剤、分散剤、脱水剤、紫外線吸収剤、溶剤等を含有することができる。
可塑剤としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸およびこれらの誘導体;ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系、パラフィン系、ナフテン系および芳香族系のプロセスオイル;等が挙げられる。
これらのうち、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤等のエステル系可塑剤が好ましい。
充填剤としては、各種形状の有機または無機のもの、例えば、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ(ホワイトカーボン)、クレー・タルク類、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、生石灰、炭酸塩類(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、胡粉)、アルミナ水和物(例えば、含水水酸化アルミニウム)、ケイソウ土、硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸バリウム)、マイカ、硫酸アルミナ、リトポン、アスベスト、グラファイト、二硫化モリブデン、軽石粉、ガラス粉、ケイ砂、ゼオライト;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物などによる表面処理物;ガラスバルーン;樹脂バルーン;等が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、トリメトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
顔料としては、無機顔料および有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、具体的には、例えば、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)などの酸化物;黄鉛、モリブデートオレンジなどのクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化亜鉛などの硫化物;硫酸バリウムなどの硫酸塩;塩酸塩;群青などのケイ酸塩;炭酸カルシウムなどの炭酸塩;マンガンバイオレットなどのリン酸塩;黄色酸化鉄などの水酸化物;カーボンブラックなどの炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉;チタン被覆雲母;等が挙げられる。
有機顔料としては、具体的には、例えば、モノアゾレーキ系(例えば、レーキレッドC、パーマネンレッド2B、ブリリアントカーミン6B)、モノアゾ系(例えば、トルイジンレッド、ナフトールレッド、ファストエローG、ベンズイミダロンボルドー、ベンズイミダゾロンブラウン)、ジスアゾ系(例えば、ジスアゾエローAAA、ジスアゾエローHR、ピラゾロンレッド)、縮合アゾ系(例えば、縮合アゾエロー、縮合アゾレッド、縮合アゾブラウン)、金属錯塩アゾ系(例えば、ニッケルアゾエロー)などのアゾ系顔料;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、臭素化銅フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;塩基性染料レーキ(例えば、ローダミン6レーキ)などの染付顔料;アンスラキノン系(例えば、フラバンスロンエロー、ジアンスラキノリルレッド、インダンスレンブルー)、チオインジゴ系(例えば、チオインジゴボルドー)、ペリノン系(例えば、ペリノンオレンジ)、ペリレン系(例えば、ペリレンスカーレット、ペリレンレッド、ペリレンマルーン)、キナクリドン系(例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンスカーレット)、ジオキサジン系(例えば、ジオキサジンバイオレット)、イソインドリノン系(例えば、イソインドリノンエロー)、キノフタロン系(例えば、キノフタロンエロー)、イソインドリン系(例えば、イソインドリンエロー)、ピロール系(例えば、ピロールレッド)などの縮合多環顔料;銅アゾメチンエローなどの金属錯塩アゾメチン;アニリンブラック;昼光蛍光顔料;等が挙げられる。
染料としては、具体的には、例えば、直接染料、建染染料、硫化染料、ナフトール染料、酸性染料、分散染料等が挙げられる。
老化防止剤は、具体的には、例えば、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤は、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)などのヒンダードフェノール系化合物;亜リン酸トリフェニル:等が挙げられる。
帯電防止剤は、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩、アミンなどのイオン性化合物;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物;等が挙げられる。
難燃剤は、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
乾性油としては、具体的には、例えば、アマニ油、大豆油、脱水ヒマシ油、桐油等が挙げられる。
接着性付与剤は、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、各種シランカップリング剤等が挙げられる。
分散剤は、具体的には、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、リノール酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;ステアリン酸エチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、アジピン酸ジオクチル、ステアリン酸モノグリセライドなどの脂肪酸エステル;等が挙げられる。
脱水剤は、具体的には、例えば、メチルステアロキシポリシロキサン等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、フォルムアミジン系紫外線吸収剤、トリアジン環系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
溶剤としては、具体的には、例えば、ヘキサン、トルエンなどの炭化水素系;テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素系;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系;酢酸エチルなどのエステル系;等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上記基材成分および上記硬化剤成分を混合し、ロール、ニーダー、押出し機、万能攪拌機等を用いて室温下または加熱下(40〜60℃、例えば40℃)で十分に混合し、均一に分散(混練)させることにより使用時に製造することができる。
なお、可塑剤等の各種添加剤は、上記基材成分および上記硬化剤成分の混合時に配合することもできる。
本発明は、下記式(1)で表される化合物を提供するものである。
Figure 2010024286
式中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。R3は、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。
上記式(1)中、n、R1、R2およびR3については、上述した本発明の潜在性硬化剤として説明したものと同様である。
ここで、上記式(1)で表される化合物は、上述した本発明の潜在性硬化剤においても説明したように、シンナムアルデヒド誘導体と、モノエタノールアミンまたはジエタノールアミンとを反応させることにより得られる。
なかでも、後述する実施例においても示すように、α−メチルシンナムアルデヒドとジエタノールアミンとの反応生成物である下記式(1a)で表される化合物であるのが好ましい。
Figure 2010024286
上記式(1)で表される化合物は、上述したように、硬化性樹脂組成物の潜在性硬化剤として好適に使用することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
トルエン200g中、沸点が260℃のα−メチルシンナムアルデヒド87.7g(0.6mol)とジエタノールアミン63.06g(0.6mol)とを135℃で加熱還流させ、脱離してくる水を共沸により除きならが4時間反応させた。
反応後、110℃下で減圧することでトルエンを除去し、下記式(1a)で表される化合物を134.2g(収率95.9%)を得た。1H−NMR(400MHz、重クロロホルム)の分析結果を以下に示す。
Figure 2010024286
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム)δ(ppm):1.91(3H,CH3);2.49、2.62、2.90、3.39(4H,CH2−N);3.68(2H,CH2−OH);4.06(2H,CH2−O);4.39(1H,N−CH−O);6.58(1H,H−vinyl);7.24〜7.37(5H,Ph)
(実施例2)
トルエン300g中、沸点が290℃のp−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド204.3g(1mol)とジエタノールアミン105.1g(1mol)とを135℃で加熱還流させ、脱離してくる水を共沸により除きならが2時間反応させた。
反応後、110℃下で減圧することでトルエンを除去し、下記式(2a)で表される化合物を290.3g(収率99.6%)を得た。1H−NMR(400MHz、重クロロホルム)の分析結果を以下に示す。
Figure 2010024286
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム)δ(ppm):0.92(3H,CH3);1.31(9H,CH3);1.91(1H,CH);2.37(2H,CH2Ph);2.45〜3.01、3.23(4H,CH2−N);3.68(2H,CH2−OH);3.90(2H,CH2−O);4.12(1H,N−CH−O);7.11〜7.27(4H,Ph)
(実施例3)
トルエン250g中、沸点が270℃のp−イソプロピル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド190.28g(1mol)とジエタノールアミン105.1g(1mol)とを135℃で加熱還流させ、脱離してくる水を共沸により除きならが2時間反応させた。
反応後、100℃下で減圧することでトルエンを除去し、下記式(2b)で表される化合物を272.5g(収率98.2%)を得た。1H−NMR(400MHz、重クロロホルム)の分析結果を以下に示す。
Figure 2010024286
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム)δ(ppm):0.92(3H,CH3);1.32(6H,CH3);1.91(1H,CH);2.37(2H,CH2Ph);2.45(1H,CHPh);2.51〜3.05、3.26(4H,CH2−N);3.68(2H,CH2−OH);3.90(2H,CH2−O);4.08(1H,N−CH−O);7.11〜7.32(4H,Ph)
<ウレタンプレポリマー1の製造>
数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオール(水酸基価56.1)1000gと、数平均分子量5000のポリオキシプロピレントリオール(水酸基価33.7)1000gとの混合物であるポリエーテルポリオール(平均水素基価44.9)に、フタル酸エステル系可塑剤(商品名:DIDP、新日本理化社製)952gを加え、さらにMDIをNCO/OH=1.9の割合となるように380.3gを反応させたもの。最終NCO%は1.82%であった。
<潜在性硬化剤の製造>
・潜在性硬化剤1:実施例1で調製した化合物(1a)
・潜在性硬化剤2:実施例2で調製した化合物(2a)
・潜在性硬化剤3:実施例3で調製した化合物(2b)
・潜在性硬化剤4:トルエン250g中、沸点が179℃のp−ベンズアルデヒド(1mol)とジエタノールアミン(1mol)とを135℃で加熱還流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら2時間反応させて得られたオキサゾリジン化合物
・潜在性硬化剤5:トルエン250g中、沸点が118℃の2−メチルペンタナールとジエタノールアミンとを135℃で加熱還流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら2時間反応させて得られたオキサゾリジン化合物
(実施例4〜6および比較例1〜3)
得られたウレタンプレポリマー1と潜在性硬化剤1〜5のいずれかとを含有する基材成分と、下記表1に示される配合の硬化剤成分とを、下記表1に示す質量比で混合して各樹脂組成物を得た。
得られた各基材成分の貯蔵安定性(作業性)、ならびに、各基材成分および各硬化剤成分の混合後の硬化性および耐発泡性を以下に示す測定方法により測定し、評価した。その結果を下記表1に示す。
また、使用した潜在性硬化剤の加水分解により生ずるアルデヒド化合物について、その沸点およびアルデヒド法規制の有無を下記表1に示す。
<貯蔵安定性(作業性)>
得られた各基材成分の調製直後の20℃、55%RH(相対湿度)における、回転速度1rpmでの粘度(初期粘度)を、BS型粘度計にてNo.7ローターを用いて測定した。
また、得られた各基材成分の70℃で1日間養生後の粘度(養生後粘度)を同様の方法により測定した。
そして、初期粘度および養生後粘度から、増粘率(養生後/調製直後×100)を算出した。
その結果、増粘率が130%以下であれば、基材成分としての貯蔵安定性(作業性)に優れていると評価できる。
<硬化性>
得られた各樹脂組成物を、JIS A1439:2004「建築用シーリング材の試験方法」に記載のタックフリー試験に準じて、タックフリータイム(分)を測定した。
<耐発泡性>
得られた各樹脂組成物50gを、円筒形紙コップ(直径:50mm、容量:100ml)に泡を巻き込まないように充填し、40℃、90%RH(相対湿度)の恒温恒湿器中に3日間放置して硬化させた。
硬化後、硬化物を恒温恒湿器から取り出して、発泡状態を目視により観察した。
発泡状態の確認は、硬化物を垂直方向にカットし、内部に存在する気泡の有無を確認することにより行い、発泡が多数認められるものを「×」と評価し、発泡が認められないか、極めて少ないものを「○」と評価した。
Figure 2010024286
上記表1に示す結果より、実施例1〜3で得られた潜在性硬化剤を含有する2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物(実施例4〜6)は、基材成分の貯蔵安定性(作業性)と、基材成分および硬化剤成分の混合後の硬化性とのバランスに優れ、耐発泡性も良好で、系外への揮発成分を低減することができることが分かった。
これに対し、従来公知のオキサゾリジン化合物を潜在性硬化剤として含有する2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物(比較例1および2)は、実施例4〜6に比べても貯蔵安定性(作業性)と硬化性とのバランスに劣り、比較例1については、アルデヒド法規制のあるアルデヒドの系外への揮発成分が多いことが分かった。
また、オキサゾリジン化合物を含有しない2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物(比較例3)は、硬化性に劣り、発泡性に劣ることが分かった。

Claims (6)

  1. 下記式(1)または(2)で表される潜在性硬化剤。
    Figure 2010024286

    (式中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。)
  2. シンナムアルデヒド誘導体と、モノエタノールアミンまたはジエタノールアミンとの反応生成物である請求項1に記載の潜在性硬化剤。
  3. 前記シンナムアルデヒド誘導体の沸点が、200℃以上である請求項2に記載の潜在性硬化剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の潜在性硬化剤と樹脂とを含有する硬化性樹脂組成物。
  5. ウレタンプレポリマーを含有する基材成分と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤成分とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
    前記基材成分および/または前記硬化剤成分に、請求項1〜3のいずれかに記載の潜在性硬化剤を含有する2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  6. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2010024286

    (式中、nは0〜2の整数を表し、R1は、水酸基または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基であり、nが2の場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜6の分岐していてもよく、水酸基を有していてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基である。R3は、水素原子、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基またはフェニル基である。)
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