JP4720259B2 - 2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、このポリウレタン組成物では、モルタル等の被着体に打設した後に硬化物表面にべたつき(表面タック)が残りやすく、組成物内、特に被着体との界面付近に発泡(以下、「内部発泡」ともいう。)が生ずる問題があった。また、貯蔵後の硬化剤を使用した際の物性(例えば、モジュラス、硬度等)の低下(以下、「貯蔵後の物性の低下」ともいう。)がみられるという問題もあった。
(1)ウレタンプレポリマーを含有する基材と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
上記基材および/または上記硬化剤に、有機酸ビスマスと、オキサゾリジン化合物とを含有し、
上記オキサゾリジン化合物が、オキサゾリジン環とイソシアネート基とを有する化合物であり、
上記オキサゾリジン環とイソシアネート基とを有する化合物が、オキサゾリジン環および水酸基を有する化合物と、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物との反応生成物であり、
上記オキサゾリジン環および水酸基を有する化合物が、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジンであり、
上記ポリイソシアネート化合物が、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)からなる群より選択される少なくとも1種であり、
上記オキサゾリジン化合物の含有量が、上記ウレタンプレポリマーと上記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、0.3〜10質量部である2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(2)更に、上記有機酸ビスマス以外の有機酸金属塩を、上記硬化剤に含有する上記(1)に記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(3)上記有機酸金属塩を構成する金属が、メンデレーエフ周期表の1〜3族の金属のいずれかである上記(2)に記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(4)上記金属が、カリウム、カルシウムおよびセリウムからなる群より選択される少なくとも1種である上記(3)に記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(5)上記有機酸ビスマスの含有量が、上記ウレタンプレポリマーと上記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、ビスマス量換算で0.01〜1質量部である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(6)上記有機酸金属塩の含有量が、上記ウレタンプレポリマーと上記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、金属量換算で0.01〜2質量部である上記(2)〜(5)のいずれかに記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
本発明の2液硬化型ポリウレタン樹脂材組成物(以下、単に「本発明の樹脂組成物」という。)は、ウレタンプレポリマーを含有する基材と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
上記基材および/または上記硬化剤に、有機酸ビスマスと、オキサゾリジン化合物とを含有する2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物である。
次に、基材および硬化剤ならびに有機酸ビスマスおよびオキサゾリジン化合物について詳述する。
本発明の樹脂組成物に用いられる基材は、ウレタンプレポリマーを含有するものであれば特に限定されない。
また、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であるのが、比較的安価である理由から好ましい。
更に、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であるのが、反応性が高い理由から好ましい。
本発明においては、このような理由から好適に例示される各種ポリイソシアネート化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのポリオール化合物のうち、少なくともポリエーテルポリオールを用いる場合、すなわち、ポリエーテル骨格を有するポリオールがウレタンプレポリマーに含まれる場合には、得られるウレタンプレポリマーの粘度が低く、作業性に優れ、該ウレタンプレポリマーを基材として有するポリウレタン樹脂組成物の硬化物の耐水性が向上する等の理由から好ましい。
ここで、上記ポリイソシアネート化合物と上記ポリオール化合物との反応は、該ポリイソシアネート化合物と該ポリオール化合物とを、NCO基/OH基が、1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.2となる当量比で混合させて行われる。当量比がこの範囲であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が適当となり、該ウレタンプレポリマーを基材として有する本発明の樹脂組成物の耐発泡性も良好となる。また、このウレタンプレポリマーの生成は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法で行うことができ、例えば、上述の当量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、50〜100℃で加熱攪拌することによって行うことができる。また、必要に応じて、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもできる。
本発明の樹脂組成物に用いられる硬化剤は、活性水素基を2個以上有する化合物を含有するものであれば特に限定されない。
これらのうち、ポリプロピレングリコール(PPG)であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられる有機酸ビスマスは、上述した基材および/または硬化剤に含有するものであり、その具体例としては、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような有機酸ビスマスを含有することにより、本発明の樹脂組成物は、環境や人体への悪影響が懸念される鉛化合物を用いることなく、可使時間が適当を保持でき、また、耐発泡性に優れるものとなる。
本発明の樹脂組成物に用いられるオキサゾリジン化合物は、上述した基材および/または硬化剤に含有するものである。
オキサゾリジン化合物を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、打設後の表面タックおよび内部発泡の発生を抑制し、貯蔵後の物性の低下を低減することができる。これは、湿気(水)によるオキサゾリジン環の開環が、結果として有機酸ビスマスの失活を防ぐことになり、オキサゾリジン環の開裂により生じるアミノ基および水酸基が硬化反応にも寄与することができるためであると考えられる。
また、本発明におけるこのようなイソシアネートオキサゾリジン化合物は、オキサゾリジン環および水酸基を有する化合物と、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物との反応生成物である。また、このオキサゾリジン環および水酸基を有する化合物が、加水分解速度と貯蔵安定性のバランスがウレタン系シーリング材に好適に用いられる程度となる理由から、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジンであり、このポリイソシアネート化合物が、キシリレンジイソシアネート(XDI)であるのが反応性の高さと安全性の観点から好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびトリレンジイソシアネート(TDI)であるのが入手しやすく安価である理由から好ましい。
このようなN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとしては、具体的には、例えば、2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、「ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)」とする。)、3−(2−ヒドロキシエチル)−2−(1−メチルブチル)オキサゾリジン(以下、「ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(2)」とする。)、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、「ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(3)」とする。)、2−(p−メトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、「ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(4)」とする。)、2−(2−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルオキサゾリジン(以下、「ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(5)」とする。)等が挙げられる。
これらのうち、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(2)および(3)であるのが、加水分解速度と貯蔵安定性のバランスに優れる理由から好ましい。
式1で表される化合物の具体例を以下に示す、カーボネートオキサゾリジン(1)等が挙げられる。
具体的には、下記エステルオキサゾリジン(1)が挙げられる。更に、下記エステルオキサゾリジン(2)で示されるバイエル社製のハードナーOZ等の市販品を使用することもできる。
このようなオキサゾリジン化合物は、下記式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンと、ポリイソシアネート化合物とを反応することによって、1分子中に3個以上のオキサゾリジン環を有する化合物として合成することができる。
上記式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、相当するアルデヒドまたはケトンとN−ヒドロキシアルキルアミンより、公知の方法により合成することができる。
ケトンとしては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が好適に例示される。
反応時間は、6〜24時間とすることが望ましく、特に8〜12時間とすることが望ましい。反応時間をこの範囲とした理由は、6時間未満では反応が不完全だからであり、24時間を超えると反応混合物が着色するからである。また、反応は通常の雰囲気で行うことが好ましい。反応終了後に、過剰のアルデヒドまたはケトンを減圧下で留去して、上記式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンを得ることができる。
このようなN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとしては、具体的には、例えば、上記で例示したヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)〜(4)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このようなポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、上記で例示した上記ウレタンプレポリマーを生成する各種ポリイソシアネート化合物のうち、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H 6 XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H 12 MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)からなる群より選択される少なくとも1種を用いる。
R12およびR13は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数5〜7の脂環式アルキル基または炭素数6〜10のアリール基である。
R14は炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基またはウレタン結合を含む炭素数2〜6のアルキレン基もしくはウレタン結合を含むアリール基であり、ウレタン結合を有する炭素数1〜5のアルキル基もしくはアリール基であることが好ましい。
nは、2〜4の整数であり、2または3であることが好ましい。特に、nが2または3であると、引張強度と引張伸び率のバランスがとれた硬化物が得られる。
なお、予め、N−ヒドロキシエチルオキサゾリジンが入手できている場合は、上記の工程(b)のみで、イソシアネートオキサゾリジン化合物を得ることができる。
また、上記工程(b)における反応は、N−ヒドロキシエチルオキサゾリジンと有機ポリイソシアネートとを混合し、60〜90℃で、5〜10時間行われる。また、必要に応じて、反応の途中で温度を変化させてもよい。
このような有機ポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;キシレンジイソシアネートなどの芳香族脂肪族ポリイソシアネート;およびこれらのカルボジイミド変性またはイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられ、これらの1種または2種以上の組み合わせとして使用される。
上記オキサゾリジンシリルエーテルは、例えば、上述したN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンと、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランまたは水酸基を有するオキサゾリジンとハロゲン化シリル化合物との反応により合成することができる。
このうち、アルコキシシランとの反応は、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシドあるいは2価の錫化合物(Sn2+)を触媒として40〜160℃で、特に好ましくは80〜140℃で行う。触媒は、そのまま添加しても、あるいはキシレン等の有機溶媒の溶液中に溶かして使用してもよい。このような触媒の使用量は、オキサゾリジン100質量部に対して、0.01〜5質量部、特に0.1〜2質量部であるのが、反応時間、生成物の純度の点で好ましい。
R19は、水素原子、炭素原子数1〜12個を有するアルキル基、アルコキシアルキル基、脂環基、アルコキシ基、アクリロキシアルキル基、アミノアルキル基またはメルカプトアルキル基、;ビニル基、フェニル基、アミノ基等が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、メタアクリロキシプロピル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシプロピル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、フェニル基、アミノ基、メルカプトプロピル基が例示される。nが、2以上の場合、R19基は、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。
R21は水素原子またはメチル基であるのが好ましい。
R22、R23は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。更に、炭素原子数3〜12であるのが好ましく、具体的には、イソプロピル基、イソペンチル基、フェニル基、例えばメトキシフェニル基などのアルコキシフェニル基が挙げられ、中でもR22、R23の内の一方が、水素原子であるのが、貯蔵安定性、硬化性の点で好ましい。
また、R25およびR26は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
これらの好ましい具体例を以下に示す。
このような有機酸金属塩を更に含有することにより、得られる本発明の樹脂組成物が表面硬化性や深部硬化性に優れ、また、上記有機酸ビスマスの添加量を少なくすることができるため有機酸ビスマスを多量に添加した場合に発生しうる硬化物の高モジュラス化を抑制することができる等の理由から好ましい。
したがって、上記有機金属塩としては、具体的には、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カリウム、2−エチルヘキシル酸セリウム等が好適に例示される。
これらのうち、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤等のエステル系可塑剤が好ましい。
アジピン酸系可塑剤としては、例えば、ジオクチルアジぺート(DOA)、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシルアジぺート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。これらのうち、ジイソノニルアジペートが好ましい。
その他の可塑剤としては、例えば、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、リン酸トリクレジル、トリブチルトリメリテート(TBTM)、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油;分子量500〜10,000のブチルアクリレート等のアクリルオリゴマーが挙げられる。
具体的には、表面処理されていない重質炭酸カルシウムとしては、ホワイトンSSB赤(白石工業社製)、スーパーS(丸尾カルシウム社製)等が挙げられ、表面処理された重質炭酸カルシウムとしては、ライトンA−4(備北粉化工業社製)、スノーライト(丸尾カルシウム社製)等が挙げられる。また、表面処理されていない沈降炭酸カルシウムとしては、白艶華A、Brilliant-1500(ともに白石工業社製)等が挙げられ、表面処理された沈降炭酸カルシウムとしては、ビスコライトMBP(白石工業社製)、カルファイン200(丸尾カルシウム社製)等が挙げられる。
具体的には、上記SAFとしてはシースト9(東海カーボン社製)、ISAFとしてはショウブラックN220(昭和キャボット社製)、HAFとしてはシースト3(東海カーボン社製)、FEFとしてはHTC#100(中部カーボン社製)等が例示される。また、GPFとしては旭#55(旭カーボン社製)、シースト5(東海カーボン社製)、SRFとしては旭#50(旭カーボン社製)、三菱#5(三菱化学社製)、FTとしては旭サーマル(旭カーボン社製)、HTC#20(中部カーボン社製)、MTとしては旭#15(旭カーボン社製)等が例示される。
クレーとしては、具体的には、例えば、ろう石クレー、カオリン質クレー(カオリナイト、ハロイサイト)、パイロフィライト質クレー、セリサイト質クレー、焼成クレー等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、トリメトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
無機顔料としては、具体的には、例えば、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)などの酸化物;黄鉛、モリブデートオレンジなどのクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化亜鉛などの硫化物;硫酸バリウムなどの硫酸塩;塩酸塩;群青などのケイ酸塩;炭酸カルシウムなどの炭酸塩;マンガンバイオレットなどのリン酸塩;黄色酸化鉄などの水酸化物;カーボンブラックなどの炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉;チタン被覆雲母;等が挙げられる。
老化防止剤は、具体的には、例えば、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤は、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)などのヒンダードフェノール系化合物;亜リン酸トリフェニル:等が挙げられる。
帯電防止剤は、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩、アミンなどのイオン性化合物;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物;等が挙げられる。
難燃剤は、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
分散剤は、具体的には、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、リノール酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;ステアリン酸エチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、アジピン酸ジオクチル、ステアリン酸モノグリセライドなどの脂肪酸エステル;等が挙げられる。
脱水剤は、具体的には、例えば、メチルスアテアロキシポリシロキサン等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、フォルムアミジン系紫外線吸収剤、トリアジン環系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
溶剤としては、具体的には、例えば、ヘキサン、トルエンなどの炭化水素系;テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素系;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系;酢酸エチルなどのエステル系;等が挙げられる。
<ウレタンプレポリマー1(基材1)の製造>
数平均分子量4000の3官能型ポリプロピレングリコール(PPG)(エクセノール4030、旭硝子社製)900gを反応容器に入れ、110℃、20mmHg以下で4時間減圧脱水した。
このポリオールを80℃に冷却し、116gのトリレンジイソシアネート(コスモネート T−80、三井武田ケミカル社製)をかくはんしながら加えることで、末端イソシアネート基2.7%、粘度16.7Pa・s(20℃)、平均分子量約4600のウレタンプレポリマー1(NCO/OH=1.95)を得た。なお、上記粘度はE型回転粘度計で測定した。
基材1として得られたウレタンプレポリマー1と、下記表1に示される配合の硬化剤とを、下記表1に示す質量比で混合して各樹脂組成物を得た。
なお、以下、参考例1〜3をそれぞれ実施例1〜3という。
・PPG1:エクセノール3020(旭硝子社社)
・PPG2:エクセノール5030(旭硝子社社)
・可塑剤:DINA(ダイヤ サイザー、三菱化成ビニル社製)
・表面処理沈降炭酸カルシウム:ビスコライトMBP(白石工業社製)
・重質炭酸カルシウム:ライトンA−4(備北粉化工業社製)
・二酸化チタン:タイペークCR−90(石原産業社製)
・オクチル酸ビスマス:ネオスタンU660(ビスマス量:3質量%、日東化成社製)
・オクチル酸カルシウム:プキャットCa5B(カルシウム量:5質量%、日本化学産業社製)
・オクチル酸カリウム:プキャット15G(カリウム量:15質量%、日本化学産業社製)
・オキサゾリジン化合物1:3−(2−ヒドロキシエチル)−2−(1−メチルブチル)オキサゾリジンと、XDIとを、NCO/OH=1.0となる当量比で反応させて得られる反応生成物
・ミネラルスピリット(溶剤):Aソルベント(新日本石油社製)
得られた各樹脂組成物の35℃、70%RH(相対湿度)における、回転速度1rpm、2rpmおよび10rpmでの粘度を、BS型粘度計にてNo.7ローターを用いて測定した。チクソインデックス(TI)を、1rpmでの粘度と10rpmでの粘度との比(TI 1/10)、および、2rpmでの粘度と10rpmでの粘度との比(TI 2/10)から求めた。なお、粘度の測定は、15分の混練を行い混練が終了した直後(混練直後)、混練終了後30分、60分、90分および120分を経過した時点で測定した。
また、同様の測定を、上記表1に示される配合の硬化剤を60℃、3日間貯蔵した後に、基材であるウレタンプレポリマー1と混練して得られた樹脂組成物についても行った。
これらの結果を下記表2に示す。
(1)JIS A1439:2004に記載された方法に従って、得られた樹脂組成物からH型試験片を作製した。H型試験片は、予めプライマー(プライマーNo.30、横浜ゴム社製)を塗布し、15〜30分間風乾させておいた50mm×50mm×3mmのサイズのアルミニウム板2枚を用い、この2枚のアルミニウム板の間に19mm×50mm×12mmのサイズのスペーサーを2個挟むことによって生じる12mm×50mm×12mmの空間に、得られた樹脂組成物を空気の入らないように充填することで作製した。得られたH型試験片は、23℃、50%RH下で3日間、50℃下で4日間硬化養生させた。
このH型試験片を用い、引張速度50mm/分での引張試験をJIS A1439:2004に準じて行い、50%モジュラス(M50)[N/cm2]、150%モジュラス(M150)[N/cm2]、破断強度(TB)[N/cm2]および破断伸び(EB)[%]を室温にて測定した。
また、上記引張試験により破断(はく離)した際の破断面を観察し、破断状況をCF(凝集破壊)、TCF(薄層凝集破壊)で示した。なお、数値は破壊した面積の塗布面積に対する割合(%)を示す。
更に、上記引張試験後の試験体に残った硬化物をアルミニウム板の接着面と平行にナイフカットし、カット面(面積:1.2×5.0cm2)に発泡が見られないときを○、1〜10個程度の気泡が見られたときを△、それ以上の気泡が見られたときを×と評価した。
これらの結果を下記表3に示す。
このISO型試験片を用い、上記(1)と同様の引張試験を行い、50%モジュラス(M50)[N/cm2]、150%モジュラス(M150)[N/cm2]、破断強度(TB)[N/cm2]および破断伸び(EB)[%]を室温にて測定した。
また、上記引張試験により破断(はく離)した際の破断面を観察し、破断状況をCF(凝集破壊)、TCF(薄層凝集破壊)で示した。なお、数値は破壊した面積の塗布面積に対する割合(%)を示す。
更に、上記引張試験後の試験体に残った硬化物をアルミニウム板の接着面と平行にナイフカットし、カット面(面積:1.2×5.0cm2)に発泡が見られないときを○、1〜10個程度の気泡が見られたときを△、それ以上の気泡が見られたときを×と評価した。
これらの結果を下記表3に示す。
耐発泡性は、得られた各樹脂組成物を、湿潤モルタル(サイズ:25mm×50mm×50mm)の25mm×50mmの部分(面)に、厚さ5mmとなるように打設し、35℃、70%RHのオーブン中で硬化させた後の発泡状態を確認することにより行った。
ここで、湿潤モルタルとは、上記サイズのモルタルを24時間以上水に浸し、水分をもった状態のモルタルのことをいい、各樹脂組成物の打設は、打設面表面に残った水を拭い取った後に行った。
また、発泡状態の確認は、樹脂組成物の打設表面、モルタルとの界面および硬化した樹脂組成物の内部において発泡が見られるか否かを目視により行い、3mm以上の発泡が認められたり、1mm以上の発泡が密に認められたものを「×」と評価し、3mm以下の発泡が疎に認められたものを「△」と評価し、発泡が認められなかったものを「○」と評価した。これらの結果を下記表4に示す。
上記耐発泡性の評価に用いた湿潤モルタルにおいて、各樹脂組成物を打設し、硬化した後の表面タックの残存度合いを、表面を指で触り確認した。指をモルタル表面に押付けた後、引き上げた時にモルタルが持ち上がったものを「強」評価し、持ち上がることはないが粘着感を感じたものを「中」と評価し、粘着感を殆ど感じなかったものを「弱」と評価した。その結果を下記表4に示す。
数平均分子量4000の3官能型ポリプロピレングリコール(PPG)(エクセノール4030、旭硝子社製)900gを反応容器に入れ、110℃、20mmHg以下で4時間減圧脱水した。
このポリオールを80℃に冷却し、トリレンジイソシアネート(コスモネート T−80、三井武田ケミカル社製)124gをかくはんしながら加えた。80℃で約24時間かくはんした時のNCO%は3.12%であった。その後、かくはんしながら2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン17.0gを添加し、更に2時間かくはんすることで、2分子の2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジンと1分子のトリレンジイソシアネートとの反応物と、平均分子量約4500のウレタンプレポリマー2との混合物(粘度:15.2Pa・s)を基材2として得た。なお、上記粘度はE型回転粘度計で測定した。
数平均分子量4000の3官能型ポリプロピレングリコール(PPG)(エクセノール4030、旭硝子社製)900gを反応容器に入れ、110℃、20mmHg以下で4時間減圧脱水した。
このポリオールを80℃に冷却し、トリレンジイソシアネート(コスモネート T−80、三井武田ケミカル社製)118gをかくはんしながら加えた。80℃で約24時間かくはんした時のNCO%は3.12%であった。その後、かくはんしながら2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン16.9gを添加し、更に2時間かくはんすることで、2分子の2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジンと1分子のトリレンジイソシアネートとの反応物と、平均分子量約4700のウレタンプレポリマー3との混合物(粘度:15.2Pa・s)を基材3として得た。なお、上記粘度はE型回転粘度計で測定した。
基材1〜3と、下記表5に示される配合の硬化剤とを、下記表5に示す質量比で混合して各樹脂組成物を得た。
5℃下において測定した以外は、上述した方法と同様の方法により粘度およびチクソインデックスを測定した。
また、増粘率として、60分後の1rpmでの粘度または120分後の1rpmでの粘度と混練直後の1rpmでの粘度との比を計算し、TI保持率として、60分後のTI(TI 1/10)または120分後のTI(TI 1/10)と混練直後のTI(TI 1/10)との比を計算した。
これらの結果を下記表6に示す。
押出し性は、得られた各樹脂組成物の混練直後、混練後30分、60分、90分および120分経過後のそれぞれについて、押出し時間(秒)を測定することにより行った。
押出し時間は、JIS A1439:2004に記載のポリエチレン製カートリッジおよびプランジャーを用いて行った。具体的には、各樹脂組成物をシリンダーの内径約40mmのシーリング用カートリッジ(開口径約13.5mm)に充填し、プランジャー設置後直ちに100kPaの空気圧をかけて組成物を押し出し始めてから、シーリング材組成物のほぼ全量を押し出すのにかかった時間(試料の流出が急激に減少するまでの時間)[秒]を測定することにより行った。
この結果、押し出し時間が4秒未満であれば、使用現場での作業性に優れているといえる。この結果を下記表6に示す。
実施例1〜3の評価方法と同様の方法により耐発泡性を評価した。その結果を下記表7に示す。
実施例1〜3の評価方法と同様の方法により表面タックを評価した。その結果を下記表7に示す。
得られた各樹脂組成物について、日本ゴム協会標準規格(SRIS)0101に準じてアスカーC硬度を測定した。
アスカーC硬度は、混練後、5℃下または20℃下、65%RHで1〜6日間硬化させた後の硬度を、それぞれ測定した。その結果を下記表8に示す。
また、上記表6および8に示す結果より、実施例4〜7で得られた樹脂組成物は、低温時においても、良好な作業性を確保しつつ、硬化性に優れていることが分かる。
Claims (6)
- ウレタンプレポリマーを含有する基材と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
前記基材および/または前記硬化剤に、有機酸ビスマスと、オキサゾリジン化合物とを含有し、
前記オキサゾリジン化合物が、オキサゾリジン環とイソシアネート基とを有する化合物であり、
前記オキサゾリジン環とイソシアネート基とを有する化合物が、オキサゾリジン環および水酸基を有する化合物と、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物との反応生成物であり、
前記オキサゾリジン環および水酸基を有する化合物が、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジンであり、
前記ポリイソシアネート化合物が、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H 6 XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H 12 MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記オキサゾリジン化合物の含有量が、前記ウレタンプレポリマーと前記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、0.3〜10質量部である2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 - 更に、前記有機酸ビスマス以外の有機酸金属塩を、前記硬化剤に含有する請求項1に記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記有機酸金属塩を構成する金属が、メンデレーエフ周期表の1〜3族の金属のいずれかである請求項2に記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記金属が、カリウム、カルシウムおよびセリウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記有機酸ビスマスの含有量が、前記ウレタンプレポリマーと前記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、ビスマス量換算で0.01〜1質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記有機酸金属塩の含有量が、前記ウレタンプレポリマーと前記活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、金属量換算で0.01〜2質量部である請求項2〜5のいずれかに記載の2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
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