JPH11269244A - ウレタンプレポリマー組成物および1液型ウレタンシーラント - Google Patents

ウレタンプレポリマー組成物および1液型ウレタンシーラント

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JPH11269244A
JPH11269244A JP10073767A JP7376798A JPH11269244A JP H11269244 A JPH11269244 A JP H11269244A JP 10073767 A JP10073767 A JP 10073767A JP 7376798 A JP7376798 A JP 7376798A JP H11269244 A JPH11269244 A JP H11269244A
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明洋 井坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化性に優れ、さらに貯蔵安定性にも優れるウ
レタンプレポリマー組成物およびそれを含有する1液型
ウレタンシーラントの提供。 【解決手段】末端イソシアネート基を有するウレタンプ
レポリマーと、オキサゾリジン化合物と、pKa値が1
6.0以下のC−H結合を有する炭化水素化合物を前記
ウレタンプレポリマー100重量部に対し0.01〜1
0重量部含有するウレタンプレポリマー組成物、およ
び、このウレタンプレポリマー組成物を含有する1液型
ウレタンシーラントにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潜在性硬化剤を含
有するウレタンプレポリマーや、潜在性硬化剤を含有す
るウレタンプレポリマーを含有するシーラントの貯蔵安
定性を向上させるウレタンプレポリマー組成物と、この
ウレタンプレポリマー組成物を含有する1液型ウレタン
シーラントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種のウレタン樹脂組成物
が、建築用シーラント、目地材、接着剤、塗料、防水
材、床材等として広く使用されている。このようなウレ
タン樹脂組成物として、最近では、現地施工における樹
脂組成物の混合調整が不要で取扱いが容易であるなどの
理由から、湿気硬化性の1液型ウレタン樹脂組成物の利
用が拡大している。湿気硬化性の1液型ウレタン樹脂組
成物(以下、1液型ウレタン組成物と記す)の架橋硬化
反応は施工場所の表面から始まり、内部へと進行する。
このため、完全に硬化するまでには3日から1週間とい
う長時間を要した。そこで、従来は、スタナスオクトエ
イト、ジブチルチンジラウレートなどの錫あるいは鉛の
有機金属化合物、またはトリエチルアミンあるいはトリ
エチレンジアミン、N−メチルモルフォリンなどの3級
アミンを、単独あるいは組み合わせて使用し、硬化する
までの時間の短縮が図られてきた。しかし、このような
硬化触媒が添加された1液型ウレタン組成物は、硬化時
間は短縮されるものの、貯蔵安定性が低下するという問
題を持っていた。
【0003】このような問題点を解決し、硬化性、貯蔵
安定性が共に良好な1液型ウレタン組成物を実現するた
めに、貯蔵安定性の低下が少ない硬化触媒を配合した1
液型ウレタン組成物や、貯蔵安定性を改善するための添
加剤を配合した1液型ウレタン組成物が、各種提案され
ている。例えば、ウレタンプレポリマーにオキサゾリジ
ン化合物を適当量配合したシーラント用1液型ウレタン
組成物が提案されている。この1液型ウレタン組成物で
は、シーラントの硬化反応速度は向上するが、貯蔵安定
性が低下してしまう。このように、硬化性、貯蔵安定性
が両立し、共に良好な1液型ウレタン組成物はいまだ見
出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
性に優れ、さらに貯蔵安定性にも優れるウレタンプレポ
リマー組成物およびそれを含有する1液型ウレタンシー
ラントを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 1)末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ーと、 2)オキサゾリジン化合物と、 3)pKa値が16.0以下のC−H結合を有する炭化
水素化合物を前記ウレタンプレポリマー100重量部に
対し0.01〜10重量部含有するウレタンプレポリマ
ー組成物を提供する。
【0006】前記pKa値が16.0以下のC−H結合
を有する炭化水素化合物が、ジアルキルマロネート、ア
セト酢酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、および、シク
ロペンタジエンからなる群より選択される少なくとも1
つの化合物であるのが好ましい。
【0007】また、本発明は、前記ウレタンプレポリマ
ー組成物よりなる1液型ウレタンシーラントを提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明のウレタンプレポリマー組成物は、ウレタ
ンプレポリマー、オキサゾリジン化合物に加え、pKa
値が16.0以下のC−H結合を有する炭化水素化合物
から選ばれる化合物を含有することを特徴とする組成物
である。
【0009】本発明に用いられる、末端イソシアネート
基を有するウレタンプレポリマーとは、水の存在により
イソシアネート基部分がウレタン結合を形成しながら、
架橋、硬化して高分子となる化合物で、ポリヒドロキシ
ル化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物で
ある。本発明に用いる上記ウレタンプレポリマーは、ポ
リヒドロキシル化合物の一種であるポリオールとポリイ
ソシアナートから生成されるウレタンプレポリマーであ
ればいかなるものでもよく、特に限定されない。
【0010】ポリオールとは、炭化水素の複数個の水素
を水酸基で置換したアルコール類の総称であり、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオ
キサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素
を有する化合物に付加重合させた生成物である。ここ
で、2個以上の活性水素を有する化合物としては、例え
ば、多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン
類、多価フェノール類等が挙げられる。多価アルコール
類としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール等が、また、アミン類としては、エ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が、アルカ
ノールアミン類としては、エタノールアミン、プロパノ
ールアミン等が、そして多価フェノール類としては、レ
ゾルシン、ビスフェノール類等を挙げることができる。
【0011】具体的には、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチ
レングリコール等のポリエーテル系ポリオール、ポリブ
タジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポ
リオレフィン系ポリオール、その他アジペート系ポリオ
ール、ラクトン系ポリオール、ヒマシ油等のポリエステ
ル系ポリオール等が好ましく、必要に応じてこれらのポ
リオールを併用することも可能である。これらの化合物
は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよ
いが、重量平均分子量は100〜10000程度のもの
が好ましく、500〜7000程度のものがさらに好ま
しい。
【0012】ポリイソシアネート化合物としては、通常
のポリウレタン樹脂の製造に用いられる種々のものが使
用可能である。具体的には、2,4−トリレンジイソシ
アナートまたは2,6−トリレンジイソシアナート、ジ
フェニルメタン−4,4’−ジイソシアナートおよびこ
れらの変性品、1,5−ナフタレンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられ
る。これらのポリイソシアナート化合物は、単独でも2
種以上を併用してもよい。
【0013】末端イソシアネート基を有するウレタンプ
レポリマー製造の際のポリヒドロキシル化合物とポリイ
ソシアネート化合物の量比は、ポリイソシアネート化合
物中のイソシアネート基1個あたり、ポリヒドロキシル
化合物中のヒドロキシル基が1個以下となる量比とする
が、好ましくは0.50〜0.95個である。また、ウ
レタンプレポリマーの製造条件は、通常のウレタンプレ
ポリマーの製造条件でよい。すなわち、前述のヒドロキ
シル化合物とポリイソシアネート化合物を反応温度50
〜100℃程度で、常圧下で反応させればよい。
【0014】本発明で用いるオキサゾリジン化合物は、
加水分解により第2アミンを生成するオキサゾリジン環
を有する化合物であれば特に限定されないが、好ましく
は、下記式(1)または(2)で表される化合物を用い
る。
【0015】
【化1】
【0016】式(1)中、R1 は、q個のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネートから、イソシアネート
基を除去することによって得られる基を表し、イソシア
ネート化合物の骨格となる化合物であることが好まし
い。R2 は、炭素数2〜6のアルキレン基またはウレタ
ン結合を含む炭素数2〜6のアルキレン基であり、ウレ
タン結合を有する炭素数1〜5のアルキレン基、または
アリール基であることが好ましい。R3 は炭素数2〜6
のアルキレン基であるが、より好ましくは、炭素数2の
アルキレン基である。R4 およびR5 は、それぞれ独立
に水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数5〜7
の脂環式アルキル基、または炭素数6〜10のアリール
基である。qは1〜4の整数であり、2または3である
ことが好ましい。式(2)中、R2 、R3 、R4 、R5
は、式(1)のR2 、R3 、R4 、R5と同義である。
本発明に用いるオキサゾリジン化合物として、式(1)
で表される化合物、あるいは、式(2)で表される化合
物を単独で用いてもよいし、両方を併用してもよい。
【0017】オキサゾリジン化合物は、水により加水分
解し第2アミンを生成し、第2アミンは、イソシアネー
ト基と反応してウレア結合を形成する架橋反応を起こ
す。このため、オキサゾリジン化合物は、ウレタンシー
ラントの潜在性硬化剤として機能する。
【0018】オキサゾリジン化合物の製造方法として
は、例えば、式(2)で表されるオキサゾリジン化合物
は、アルカノールアミンとケトンまたはアルデヒドとの
脱水縮合反応による方法等の通常の方法により製造する
ことができる。式(1)で表されるオキサゾリジン化合
物は、例えば、式(2)で表されるオキサゾリジン化合
物とポリイソシアネート化合物との付加反応等により製
造することができる。オキサゾリジン化合物の配合量
は、例えば、式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
を用いる場合は、前記ウレタンプレポリマーのNCO当
量に対し0.1〜2当量であるのが好ましい。0.1当
量未満では硬化速度が遅く、2当量超では貯蔵安定性が
悪くなるからである。より好ましくは、0.2〜0.8
当量である。式(2)で表されるオキサゾリジン化合物
を用いる場合の配合量は、前記ウレタンプレポリマーの
NCO当量に対し0.05〜0.5当量であるのが好ま
しい。0.05当量未満では硬化速度が遅く、0.5当
量超では化学量論的に不適である。より好ましくは、
0.2〜0.4当量である。
【0019】本発明のウレタンプレポリマー組成物は、
オキサゾリジン化合物を加えたウレタンプレポリマー
に、さらに、pKa値が16.0以下のC−H結合を有
する炭化水素化合物を含有することを特徴とする。pK
a値が16.0より大きくては、酸性度が不十分であ
り、オキサゾリジン化合物の3級アミンとの相互作用が
弱く、十分な貯蔵安定性が得られない。C−H結合を有
する炭化水素化合物のpKa値は、16〜8であると好
ましい。上記炭化水素化合物としては、特に、ジアルキ
ルマロネート、アセト酢酸エステル、脂肪族ニトロ化合
物、および、シクロペンタジエン(CPD)からなる群
より選択される少なくとも1つの化合物を含有するのが
好ましい。これらの化学構造式を以下に示す。
【化2】
【0020】式(3)中、R6 は、炭素数1〜20のア
ルキル基であり、炭素数1〜4のアルキル基であること
が好ましい。式(3)で表される化合物の具体例として
は、ジエチルマロネート等が例示される。式(4)中、
7 は炭素数1〜20のアルキル基であり、炭素数1〜
4のアルキル基であることが好ましい。式(4)で表さ
れる化合物の具体例としては、アセト酢酸メチル等が例
示される。式(5)中、R8 は炭素数1〜20のアルキ
ル基であり、炭素数1〜4のアルキル基であることが好
ましい。式(5)で表される化合物の具体例としては、
ニトロエタン等が例示される。
【0021】ジアルキルマロネート、アセト酢酸エステ
ル、脂肪族ニトロ化合物、および、シクロペンタジエン
は、潜在性硬化剤としてウレタンプレポリマーに配合さ
れるオキサゾリジン化合物の安定剤として働く。すなわ
ち、ジアルキルマロネート、アセト酢酸エステル、脂肪
族ニトロ化合物、および、シクロペンタジエンは、前記
オキサゾリジン化合物とともにウレタンプレポリマーに
配合されると、分子内に有する弱い酸性水素が、オキサ
ゾリジン化合物の3級アミンと相互作用し、この相互作
用によりオキサゾリジン化合物とウレタンプレポリマー
のイソシアネート基との反応を抑制すると考えられる。
このようなオキサゾリジン化合物の作用を安定化する上
記特定化合物の作用により、上記特定化合物を配合し
た、オキサゾリジン化合物を加えたウレタンプレポリマ
ーの貯蔵安定性を向上させることができる。
【0022】ジアルキルマロネート、アセト酢酸エステ
ル、脂肪族ニトロ化合物、および、シクロペンタジエン
のそれぞれ単独、もしくはこれらを組み合わせた合計の
配合量は、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対
し、0.01〜10重量部であり、0.1〜2.0重量
部が好ましい。この範囲内であれば、得られるウレタン
プレポリマー組成物の貯蔵安定性が優れたものとなるか
らである。
【0023】本発明のウレタンプレポリマー組成物は、
上記必須の化合物を、減圧下または不活性雰囲気下で十
分混練し均一に分散させて製造することができる。この
ようにして得られる本発明のウレタンプレポリマー組成
物は、上記構成を採ることにより、一液型のウレタンプ
レポリマー組成物として貯蔵することが可能で、容器か
ら出した際の硬化速度に優れるとともに、容器中に貯蔵
中、安定に保存でき貯蔵安定性に優れる。また、これを
用いてシーラントとすれば、1液型ウレタンシーラント
の貯蔵安定性が高い。
【0024】本発明の1液型ウレタンシーラント(以
下、本発明のシーラントと記す)は、上記ウレタンプレ
ポリマー組成物を主成分として含有するシーラントであ
る。本発明のシーラントは、上記ウレタンプレポリマー
組成物を含有ので、硬化性に優れ、貯蔵安定性に優れ
る。本発明のシーラントは、本発明の目的を損なわない
範囲で、シリルエステル化合物、充填剤、可塑剤、酸化
防止剤、顔料、シランカップリング剤、分散剤、溶剤等
を含有することができる。
【0025】ここで、シリルエステル化合物とは、カル
ボン酸とシラノールから製造される、分子末端に−Si
−(OCOR)n を有するシリルエステル化合物をさ
す。式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、nは1
〜3の整数を表す。このようなシリルエステル化合物と
して例えば下記式(7)、(8)で表される化合物を示
すことができる。下記式中、pは約30である。
【化3】 上記シリルエステル化合物の中で、Rが炭素数10〜2
0の炭化水素基であるシリルエステル化合物を、本発明
のシーラントの製造過程において、好ましくは、化合物
配合の初期の段階、例えば、ウレタンプレポリマー合成
後、他の化合物を配合する前等に添加すると、脱水剤と
して機能する。すなわち、本発明のシーラントの製造過
程で、種々の化合物を配合していく配合の初期の段階に
おいて、配合系内にごく微量存在する水分により、配合
された上記長い炭素鎖をもつシリルエステル化合物のエ
ステル結合は加水分解され、これにより、系内の水分が
除去される。このことにより、シーラントの貯蔵安定性
が向上する。このとき生じるカルボン酸は、炭素数10
〜20の、炭素鎖の長いカルボン酸である。炭素鎖の長
いカルボン酸は酸性度が低く、長期の貯蔵中にオキサゾ
リジン化合物やイソシアネート基との反応を引き起こす
ことがないため、貯蔵安定性に悪影響を与えない。ま
た、炭素鎖の長いカルボン酸は、シーラント中に配合さ
れる充填剤、例えば、炭酸カルシウムフィラー等の表面
に結合し、揺変性付与剤として機能し、シーラントに良
好なチクソ性を与える。このような炭素数10〜20の
長い炭素鎖を有するシリルエステル化合物の配合量は、
前記ウレタンプレポリマー組成物100重量部に対し
て、0.1〜20重量部が好ましく、1〜10重量部が
より好ましい。上記範囲であると、貯蔵安定性の観点か
ら好ましいからである。
【0026】また、上記シリルエステル化合物の中で、
Rが炭素数1〜9の炭化水素基であるシリルエステル化
合物を、本発明のシーラントの製造過程において、好ま
しくは、上記長い炭素鎖をもつシリルエステル化合物に
より配合系内の水分が十分に除去された後に添加する
と、加水分解することなくエステルの状態で配合系内に
存在して、シーラント使用時に空気中の水分により加水
分解する。このとき生じるカルボン酸は、炭素数1〜9
の、炭素鎖の短いカルボン酸である。炭素鎖の短いカル
ボン酸は酸性度が高く、オキサゾリジン化合物やイソシ
アネート基を活性化し加水分解・硬化反応を促進する。
従って、このような炭素鎖の短いシリルエステル化合物
は、シーラントの貯蔵安定性になんら悪影響を与えるこ
となく、速硬化性を与える潜在性速硬化触媒として機能
する。上記炭素数1〜9の炭素鎖の短いシリルエステル
化合物式の配合量は、前記ウレタンプレポリマー組成物
100重量部に対して、0.01〜10重量部が好まし
く、0.1〜5重量部がより好ましい。上記範囲である
と、速硬化性の観点から好ましいからである。
【0027】充填剤としては、表面処理炭酸カルシウ
ム、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、
生石灰、カオリン、ゼオライト、ケイソウ土、塩化ビニ
ルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹
脂バルーン等が挙げられる。これらの充填剤は、単独
で、または混合して使用することができる。充填剤の配
合量は、前記ウレタンプレポリマー組成物100重量部
に対して、50〜200重量部が好ましく、100〜1
80重量部がより好ましい。上記範囲であると、速硬化
性の観点から好ましいからである。
【0028】可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
ラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタ
レート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシ
ルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス
(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプ
ロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコ
ールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリ
エステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化
大豆油等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で、あ
るいは混合して使用することができる。
【0029】酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシト
ルエン(BHT)、ブチルヒドロキシシアニソール(B
HA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リ
ン酸トリフェニル等を挙げることができる。顔料として
は、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、弁柄、リトボン、
鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸
塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン
顔料等の有機顔料等が挙げられる。溶剤としては、キシ
レン、トルエン等の芳香族系炭化水素溶媒を挙げること
ができる。
【0030】本発明のシーラントの製造方法としては、
上記化合物を、好ましくは、上記シリルエステル化合物
の配合のタイミングに従って、減圧下または不活性雰囲
気下に十分混練し、均一に分散させて組成物とする方法
を示すことができる。このようにして得られる本発明の
シーラントは、硬化性に優れるばかりでなく、貯蔵安定
性にも優れ、硬化性と貯蔵安定性を両立することができ
る。このため、本発明のシーラントは、建築用に用いる
1液型シーラントとして好適である。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0032】(ウレタンプレポリマーとオキサゾリジン
化合物の混合物の調整)水酸基を3個有する平均分子量
6000のポリオキシプロピレントリオール(旭硝子
(株)製)500重量部と、平均分子量3000のポリ
オキシプロピレンジオール740重量部と、フタル酸ジ
オクチル536重量部を反応容器に入れて、110℃、
10mmHgの条件で、24時間脱水処理した。つい
で、100重量部の2,4−トリレンジイソシアネート
と2,6−トリレンジイソシアネートの混合物(混合
比、2,4−TDI:2,6−TDI=80:20)を
添加して、窒素雰囲気下80℃で6時間撹拌し、NCO
基含量が1.06重量%になったことを確認した。反応
液に下記式で表されるオキサゾリジン化合物を37重量
部添加し、窒素雰囲気下60℃にて2時間撹拌してウレ
タンプレポリマーとオキサゾリジン化合物の混合物(表
中、PPG・TDI・PHOウレタンプレポリマーと記
す)を得た。
【化4】
【0033】ウレタンプレポリマー組成物の調整と評価 得られたウレタンプレポリマーとオキサゾリジン化合物
の混合物(PPG・TDI・PHOウレタンプレポリマ
ー)と、ジエチルマロネート、アセト酢酸エチル、ニト
ロエタン、あるいは、シクロペンタジエンを下記表1に
記載の配合比で混合し、ウレタンプレポリマー組成物を
得た。
【0034】1液型ウレタンシーラントの調整と評価 得られたウレタンプレポリマー組成物と、表面処理炭酸
カルシウム(丸尾カルシウム(株)製)と、前記式
(7)で表されるシリルエステル化合物A、前記式
(8)で表されるシリルエステル化合物Bを下記表1に
記載の配合比で混合し、シーラントを得た。
【0035】(実施例1〜11、比較例1〜2)上述の
ようにして得られたウレタンプレポリマー組成物につい
て、粘度変化率を測定して貯蔵安定性を評価した。貯蔵
安定性の合格範囲は、1.00〜1.50とした。ま
た、上述のようにして得られたシーラントについて、貯
蔵安定性を評価するとともに、硬化時間の変化率を測定
して硬化性を評価した。シーラントの貯蔵安定性の合格
範囲は、0.75〜1.25、硬化性の合格範囲は、
0.65〜1.00とした。
【0036】
【表1】
【0037】(1)ウレタンプレポリマー組成物の粘度
変化率(貯蔵安定性の評価) 東京計器社製のE型粘度計3°コーンを使用し、20
℃、1rpm/10rpmの条件で、初期粘度および貯
蔵後粘度を測定した。貯蔵後粘度は、組成物を80℃の
雰囲気下に24時間放置した後に測定した。貯蔵後粘度
の初期粘度に対する比を粘度変化率として求めた。 (2)1液型ウレタンシーラントの粘度変化率(貯蔵安
定性の評価) 東京計器社製のBS型粘度計No.7ローターを使用
し、20℃、1rpm/10rpmの条件で、初期粘度
および貯蔵後粘度を測定した。貯蔵後粘度は、組成物を
70℃の雰囲気下に24時間放置した後に測定した。貯
蔵後粘度の初期粘度に対する比を粘度変化率として求め
た。 (3)硬化時間変化率(硬化性の評価) 20℃、相対湿度60%の条件下で、初期硬化時間およ
び貯蔵後硬化時間を測定した。なお、シーラントをポリ
エチレンフィルムに付着させ、付着が起こらなくなるま
での時間を測定し、付着しなくなった時間を硬化時間と
した。貯蔵後硬化時間は、シーラントを70℃の雰囲気
下に24時間放置した後に測定した。貯蔵後硬化時間の
初期硬化時間に対する比を硬化時間変化率として求め
た。
【0038】
【発明の効果】本発明のウレタンプレポリマー組成物
は、硬化時間が短く、特に貯蔵安定性に優れる。そのた
め、このようなウレタンプレポリマー組成物を含有する
本発明の1液型ウレタンシーラントは、硬化性に優れ、
さらに貯蔵安定性に優れる。従って、本発明の1液型ウ
レタンシーラントは、打設後の硬化が速く、速やかに塗
料等を塗布することができ、長期貯蔵後であっても、良
好な作業性を有する建築用シーラントとして有用であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)末端イソシアネート基を有するウレタ
    ンプレポリマーと、 2)オキサゾリジン化合物と、 3)pKa値が16.0以下のC−H結合を有する炭化
    水素化合物を前記ウレタンプレポリマー100重量部に
    対し0.01〜10重量部含有するウレタンプレポリマ
    ー組成物。
  2. 【請求項2】前記pKa値が16.0以下のC−H結合
    を有する炭化水素化合物が、ジアルキルマロネート、ア
    セト酢酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、および、シク
    ロペンタジエンからなる群より選択される少なくとも1
    つの化合物である請求項1に記載のウレタンプレポリマ
    ー組成物。
  3. 【請求項3】前記ウレタンプレポリマー組成物よりなる
    1液型ウレタンシーラント。
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