JP3943194B2 - 一液型湿気硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一液型湿気硬化性樹脂組成物の関する。詳しくは、貯蔵安定性に優れ、揺変性が良好で、かつ硬化性も良好な一液型湿気硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一液型湿気硬化性のウレタン樹脂組成物は、シーリング材、防水材、目地材、接着剤等として広く利用されている。
このような一液型湿気硬化性のポリウレタン樹脂組成物(以下、一液型ウレタン組成物という)は、通常は施工後の硬化に時間がかかる。
そこで、一液型ウレタン組成物を短時間に硬化させたい場合には、有機金属化合物やアミン化合物等が硬化触媒として添加される。しかしながら、このような硬化触媒が添加された一液型ウレタン組成物は、硬化時間は短縮されるものの、貯蔵安定性が低下してしまうという問題点がある。
【0003】
このような問題点を解決し、貯蔵安定性および硬化性が共に良好な一液型ウレタン組成物を実現するために、貯蔵安定性の低下が少ない硬化触媒を配合した一液型ウレタン組成物(特公平4−11564号公報、特開平4−59811号公報等)や、貯蔵安定性を改良するための添加剤を配合した一液型ウレタン組成物(特開平4−149270号公報等)が各種提案されている。
しかしながら、これらの従来の一液型ウレタン組成物は、必ずしも満足な貯蔵安定性を与えるものではない。
【0004】
一方、一液型ウレタン組成物をシーリング材、目地材として用いる場合、高い揺変性(チクソ性、耐スランプ性)が要求される。
そのために通常コロイド状シリカが添加されるが、コロイド状シリカの添加のみでは充分な揺変性が得られないので、種々の他の添加剤が併用されるが(特公昭45−41110号、特公昭47−7632号、特公昭51−11656号、特公昭53−5899号、特公平3−15669号の各公報等)、それに伴い貯蔵中における増粘、硬化時の接着界面における発砲及びクラックの発生などの諸問題が存在していた。
【0005】
このような問題に対し、本発明者らは、すでにウレタンプレポリマーにアルキルエステル基を有するポリシロキサン化合物と塩基性フィラーまたは特別な表面処理を施した塩基性フィラーを含む特開平7−62227号公報、特開平6−80755号公報による方法を提案した。この方法により、上記問題を相当程度解決しているが、揺変性の点で必ずしも充分とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬化性が良好で、かつ貯蔵安定性にも優れ、さらに揺変性が良好な一液型湿気硬化性樹脂組成物を提供することである。
【0007】
本発明は、以下(1)〜(7)を提供する。
(1) 分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、塩基性フィラーとしての、比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウムを下記式(1);
【化4】
(式中、Aはイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いて得られる残基、kは1〜4の整数、Rは炭化水素基、ただしk=1の場合は炭素数8以上のアルキル基、k=2〜4の場合はRは同一でも異なっていてもよく、Rのうち少なくともひとつは炭素数8以上のアルキル基である。)で示される化合物により表面処理することによって得られる表面処理された炭酸カルシウム20〜150重量部と、下記式(2)および(3);
【化5】
(式中、R1はメチル基、エチル基またはフェニル基;R2は炭素数2または3の2価の炭化水素基;R3は炭素数2〜4の2価の炭化水素基;R4は1価の炭化水素基;R5は同種もしくは異種の環を有してもよい炭素数5以上の炭化水素基を表す。rは1以上の整数である。)で示されるシロキサン単位をそれぞれ少なくとも1つ有するアシルオキシポリシロキサン誘導体1重量部〜30重量部未満とを含有し、
前記表面処理において、前記式(1)で表される化合物の量が、前記比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウム100重量部に対して、1〜20質量部である一液型湿気硬化性樹脂組成物。
(2) 前記比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウムが、コロイダル沈降性炭酸カルシウムである上記(1)に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
(3) 前記式(1)で表される化合物が、イソシアネート化合物A−(N=C=O) k (式中、Aはイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基であり、kは1〜4の整数を示す。)とアルコールROH(Rはアルキル基を示す。)とを反応させることによって得られるものである上記(1)または(2)に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
(4) 前記式(1)で表される化合物が、トリレンジイソシアネートと、ステアリルアルコールまたはn−ドデシルアルコールとを反応させたもの、およびイソホロンジイソシアネートとステアリルアルコールとを反応させたもののいずれかである上記(1)または(2)に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
(5) 前記式(1)で表される化合物の量が、前記比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウム100重量部に対して、3〜10重量部である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
(6) 前記アシルオキシポリシロキサン誘導体が、式(6)で表されるものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載のいずれかに記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
【化6】
(式中、m、nは1以上の整数であり、前記mの繰り返し単位数を有するシロキサン単位が、全シロキサン単位に対し0.5〜10モル%であり、前記nの繰り返し単位数を有するシロキサン単位が、全シロキサン単位に対し40モル%以上であり、p+q=rであり、p、qは0または1以上の整数であり、rは1以上の整数である。)
(7) 前記アシルオキシポリシロキサン誘導体の量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、2〜20重量部である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のいずれかに記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明は、一液型湿気硬化性樹脂組成物(以下、本発明の組成物と記す)であって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、塩基性フィラー、および、特定の化学構造を持つアシルオキシポリシロキサン誘導体を含有するものである。
【0011】
本発明の組成物に配合されるウレタンプレポリマーは、通常の一液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(すなわち、OH基に対して過剰のNCO基)を反応させて得られる反応生成物であって、一般に、0.5〜5重量%のイソシアネート基を分子末端に含有する。
【0012】
このようなウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物としては、通常の一液型のポリウレタン樹脂組成物の製造に用いられる各種のものが使用できる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;
キシリレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネート;
上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性またはイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が好適に例示される。これらは、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
上記ウレタンプレポリマーを生成するポリオールとしては、通常の一液型のポリウレタン樹脂組成物と同様に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールを用いることができる。
【0014】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上に、2個以上の活性水素を有する化合物の1種または2種以上を付加重合させた生成物を挙げることができる。
2個以上の活性水素を有する化合物としては、多価アルコール、アミン類、アルカノールアミン類等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等が;
アミン類としては、エチレンジアミン、プロパノールアミン等が;
アルカノールアミン類としては、エタノールアミン、プロパノールアミン等;が挙げられる。
【0015】
また、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体;等を挙げることが出来る。
【0016】
さらに、その他のポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールを挙げることが出来る。
【0017】
このような、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを用いて生成される分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得る際の、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合割合は、ポリオール化合物1当量(OH当量)当たり、ポリイソシアネート化合物1.2〜5当量(NCO当量)、好ましくは1.5〜3当量である。
また、このウレタンプレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様に、所定量比の両化合物を混合し、通常30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱撹拌することによって行われる。
【0018】
本発明の組成物に配合される塩基性フィラーは、式(1);
【化5】
(式中、Aはイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いて得られる残基、kは1〜4の整数、Rは炭化水素基、ただしk=1の場合は炭素数8以上のアルキル基、k=2〜4の場合はRは同一でも異なっていてもよく、Rのうち少なくともひとつは炭素数8以上のアルキル基である。)で示される化合物、および/または、高級脂肪酸エステルにより表面処理された塩基性フィラーである。
式(1)で示される化合物、および/または、高級脂肪酸エステルにより表面処理される塩基性フィラーとしては、通常の一液型ポリウレタン樹脂組成物に配合されるものが各種利用可能であり、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、セメント等が好適に例示される。
【0019】
なお、上記炭酸カルシウムとしては、BET法による比表面積が3m2 /g以上の炭酸カルシウム、特にコロイダル沈降性炭酸カルシウムが良い。重質炭酸カルシウムでは、本発明で規定する表面処理剤で処理しなくても十分貯蔵安定性が得られる反面、十分なチクソ性が得られないため作業性に問題が生じる。
また上述の炭酸カルシウムは、既に脂肪酸、あるいは樹脂酸等で表面処理してあってもよいし、無処理のものでもよい。
【0020】
塩基性フィラーの表面処理に用いられる式(1)で示される化合物は、イソシアネート化合物A−(N=C=O)k と、アルコールROHとを反応させて得られる、分子内にウレタン結合を有する化合物である。Aはイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基を、Rはアルキル基を、kは1〜4の整数を示す。
【0021】
上記式(1)の化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物、A−(N=C=O)k とは、分子内にイソシアネート基を1〜4個有する化合物で、ウレタン樹脂等の合成に利用される公知のイソシアネート化合物がすべて利用可能である。
具体的には、モノイソシアネート化合物としては例えばフェニルイソシアネート、ステアリルイソシアネート等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、パラフェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、これらトリレンジイソシアネートの混合物、4、4´ージフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート;キシレンジイソシアネート等のアリール脂肪族イソシアネート;上記各イソシアネートの変性イソシアネート;等が例示される。
トリイソシアネート化合物としては、具体的には、上記ジイソシアネート化合物等と、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類との反応生成物、あるいはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物がイソシアヌレート環を作ることにより得られる一分子に3個のイソシアネート基を持つ化合物等が挙げられる。
これらのイソシアネート化合物は、単独でも2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記式(1)の化合物合成に用いられるアルコールROHとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ベンジルアルコール、アリルアルコール等の低級アルコールの他、n−オクチルアルコール、2ーエチルヘキサノール、ノニルアルコール、nーデシルアルコール、ウンデシルアルコール、nートリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、nーヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。
上記式(1)中のRはアルキル基であるが、ただしk=1の場合は炭素数8以上のアルキル基、k=2〜4の場合はRは同一でも異なっていてもよくRのうち少なくともひとつは炭素数8以上のアルキル基である必要がある。1分子中に炭素数8以上のアルキル基が全く存在しないと、シーラントの貯蔵安定性が悪くなるからである。
【0023】
塩基性フィラーの表面処理に用いられる高級脂肪酸エステルとは、高級脂肪酸をアルコールでエステル化したもの、特にグリセリン、エチレングリコール等の多価アルコールを、炭素数8以上の脂肪酸でエステル化したものが好ましい。具体的には、グリセリントリステアレート、グリセリントリパルミテート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジパルミテート等が例示される。
【0024】
塩基性フィラーの表面処理においては、塩基性フィラー100重量部に対し、式(1)の化合物、および/または、高級脂肪酸エステルを1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部を用いる。
表面処理方法は、水スラリー中、含水ケーキ中、あるいは溶剤中で塩基性フィラーと式(1)の化合物、および/または、高級脂肪酸とをミキサー等で撹拌する湿式か、あるいは炭酸カルシウムと、式(1)の化合物、および/または、高級脂肪酸エステルとを乾式で良く撹拌した後、加熱する等の方法があるが、いずれの方法でも良い。また、式(1)の化合物で処理した塩基性フィラーと高級脂肪酸エステルで処理した塩基性フィラーを混合して使用してもよい。
【0025】
本発明の組成物においては、式(1)で示される化合物、および/または、高級脂肪酸エステルで表面処理された塩基性フィラーの配合量は、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して20〜150重量部である。
塩基性フィラーの配合量が20重量部未満では、硬化物の物性向上や増量材としての塩基性フィラーの添加効果を得ることができず、逆に150重量部を超えて配合されると、モジュラス、伸び、強度等の点で、満足のいく物性を持つ硬化物が得られない等の不都合を生じる。
さらに好ましい配合量は、本発明の組成物が用いられる用途に必要な物性によって異なり、例えば、本発明の組成物をシーリング材として用いる場合、好ましい配合量は、50〜130重量部であり、接着剤として用いる場合は、60〜150重量部であり、また、防水材として用いる場合、20〜120重量部である。
【0026】
本発明の組成物は、上述のウレタンプレポリマーおよび表面処理された塩基性フィラーに加え、下記式(2)および(3)で示されるシロキサン単位をそれぞれ少なくとも1つ有するアシルオキシポリシロキサン誘導体(以下、本発明のアシルオキシポリシロキサン誘導体とも記す)を含有する。
【化6】
【0027】
式中、R1 は、メチル基、エチル基またはフェニル基である。より好ましくはメチル基、フェニル基である。
R2 は、炭素数2または3の2価の炭化水素基を表す。具体的には、エチレン基、プロピレン基が例示されるが、中でもプロピレン基が好ましい。
R3 は、炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。具体的には、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、1,1−ジメチルエチレン基が例示されるが、中でもエチレン基、イソプロピレン基が好ましい。rが2以上である場合、R3 は同一であっても異なっていてもよい。
R4 は1価の炭化水素基を表すが、好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などの飽和炭化水素基;フェニル基、ベンジル基などの芳香族炭化水素基などを挙げることができる。R5 は、同種もしくは異種の環を有してもよい炭素数5以上の炭化水素基を表す。好ましくは、炭素数9〜21の炭化水素基である。
rは1以上の整数であるが、5以上であるのが好ましく、さらには10〜100であるのが好ましい。
【0028】
式(2)および(3)で示されるシロキサン単位において、各繰り返し単位は、分子内部、分子末端のいずれかまたは両方に含まれていてもよい。また、ランダムに配列されていても、ブロック的に配列されていても、あるいは、両者の混合であってもよい。
本発明のアシルオキシポリシロキサン誘導体は、式(2)および(3)以外に下記式(4)のシロキサン単位をその配列に含んでいてもよい。アシルオキシポリシロキサン誘導体は、式(2)、および(3)により示されるシロキサン単位と、式(5)により示される末端基からなるものが好ましい。式(2)および(3)とともに、式(4)に示される繰り返し単位をも含む場合、繰り返し単位の配列は、ランダムに配列されていても、ブロック的に配列されていても、あるいは、両者の混合であってもよい。
式(4)および(5)中、R1 は前記と同一の意味を表す。
R6 は、メチル基、フェニル基、スチレン残基、エポキシ基含有アルキル等の1価の炭化水素基を表す。
【0029】
【化7】
【0030】
式(2)および(3)で示されるシロキサン単位において、式(2)のシロキサン単位が全シロキサン単位に対して10モル%以下であるのが好ましく、更には0.5〜10モル%であるのが好ましい。10モル%以下であると、揺変性の点で好ましい。
また、式(3)のシロキサン単位が、全シロキサン単位に対して、40モル%以上であるのが好ましく、更には60モル%以上であるのが好ましい。40モル%以上であると、貯蔵安定性の点で好ましい。
式(4)は特に必要ないが、下記式が好適に例示される。
【化8】
【0031】
上記のシロキサン単位を含む本発明のアシルオキシポリシロキサン誘導体の重合度は、5〜1000、好ましくは10〜100の範囲にあると、作業性の点から好ましい。
【0032】
上述した本発明のアシルオキシポリシロキサン誘導体の具体例として、下記式(6)で表されるアシルオキシポリシロキサン誘導体を示すことが出来る。
式中、mは式(2)に該当するシロキサン単位の繰り返し単位数を示す。
nは式(3)に該当するシロキサン単位の繰り返し単位数を示す。nは1以上の整数であり、好ましくは10〜100である。
上記アシルオキシポリシロキサン誘導体において、式(2)に該当するシロキサン単位は全シロキサン単位に対し0.5〜10モル%である。
また、式(3)に該当するシロキサン単位は全シロキサン単位に対し40モル%以上である。
p+q=rであり、p、qは0または1以上の整数であり、rは1以上の整数であり、5以上であるのが好ましく、さらに好ましくは10〜100である。
【0033】
【化9】
【0034】
本発明の組成物においては、アシルオキシポリシロキサン誘導体の含有量は、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対し、1重量部〜30重量部未満、より、好ましくは、2〜20重量部である。この範囲であれば、本発明の組成物が表面タックの低減が大きく良好な硬化性を示し、かつ、優れた貯蔵安定性をも示すからである。また、このようなアシルオキシポリシロキサン誘導体は、融点が室温以上である場合は、トルエン、キシレン等に分散させて使用するとさらに好ましい。
【0035】
このようなアシルオキシポリシロキサン誘導体は、パラジウム、ロジウム、ニッケル、白金等の第VIII族の遷移金属を触媒として、Si−H基含有ポリシロキサンとアルケニルエーテルを反応させた後、カルボン酸を反応させること、あるいは、両方を同時に反応させることにより製造することができる。以下、本発明の組成物に含有されるアシルオキシポリシロキサン誘導体の製造法について説明する。
【0036】
式(2)で示されるエーテル基含有シロキサン単位は、下記式(7)に示されるアルキルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサンと、下記式(8)に示されるアルケニルエーテルとの反応により合成される。
式(7)および(8)中、R1 〜R4 は、式(2)および(3)について前述したものと同じであり、R2'は無いかまたはメチレン基を示す。
【0037】
【化10】
【0038】
アルキルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサンとしては、各種のシリコーン製造または販売元より市販されており、これらを使用することができる。例えば、下記式に示されるポリシロキサンの1種または2種以上の組み合わせが好適に例示される。
【0039】
【化11】
【0040】
アルケニルエーテルとしては、下記式に示されるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、あるいはこれらの共重合体が好適に例示される。特にエチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体で分子量が500以上のものが揺変性発現の点で好ましい。
【0041】
【化12】
【0042】
他方、式(3)で示されるアルキルアシルオキシシロキサン単位は、前述と同様のアルキルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサンとカルボン酸との反応により合成される。
カルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の直鎖飽和脂肪酸;
カプロレイン酸、オレイン酸、セトレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸;
安息香酸、フェニル酢酸、3−フェノキシウンデカン酸等の芳香族カルボン酸;
テトラヒドロフタル酸、ナジック酸等の脂環式カルボン酸;
等や、その他のカルボン酸の1種または2種以上の組み合わせが例示される。
中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、またはこれらの混合物が揺変性と貯蔵安定性とのバランスの点で好ましい。
上述の式(2)および(3)の合成反応は、前述の如く、いずれも白金等のVIII族の遷移金属を触媒として行うことができる。
【0043】
式(2)および(3)で示されるシロキサン単位を含む本発明のアシルオキシポリシロキサン誘導体の製造法としては、まず、アルキルハイドロジェンポリシロキサンとアルケニルエーテルを混合し、白金等のVIII族の遷移金属を触媒として、反応させる。アルキルハイドロジェンポリシロキサンとアルケニルエーテルが溶けないときは、トルエン、キシレン等の炭化水素系の溶媒を用いると、速やかに反応が進行する。
反応温度は60〜120℃、特に80〜110℃が好ましい。
ついで、カルボン酸を反応させる。触媒は特に追加する必要はない。
反応温度は80〜110℃で反応させる。特に反応初期では、反応温度を低く、反応後期では高くすることが、安全性、効率の点で好ましい。
この反応は、アルキルハイドロジェンポリシロキサンとアルケニルエーテルを反応させてからカルボン酸を反応させてもよいし、また、アルキルハイドロジェンポリシロキサンにアルケニルエーテルとカルボン酸を同時に反応させてもよい。好ましくは、まず、アルキルハイドロジェンポリシロキサンにアルケニルエーテルを反応させ、ついでカルボン酸を反応させるのがよい。
【0044】
本発明の組成物は、上記必須の成分に加え、各種の添加剤、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、二酸化チタンやカーボンブラック、クレイ等の硬化促進剤等を添加してもよい。これらの添加剤の配合量は、本発明の組成物の用途に応じて、適宜決定すればよい。
【0045】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定はなく、通常の一液型湿気硬化性のウレタン樹脂組成物の製造方法によればよい。例えば、各成分を減圧下で十分に混練し、均一に分散させる方法が例示される。
【0046】
本発明の組成物は、上記必須の成分を含有するので、製造後の表面タックの減少が良好で、優れた硬化性を示す。
また、本発明の組成物が含有する塩基性フィラーは、式(1)で示される化合物、および/または、高級脂肪酸エステルで表面処理されているので、表面に水分が吸着しにくく、本発明の組成物がフィラーに吸着する水分により硬化するということが起こらない。そのため、本発明の組成物は、優れた貯蔵安定性を示す。
また、本発明の組成物が含有する前記アシルオキシポリシロキサン誘導体の式(3)で示されるシロキサン単位は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基よりも容易に加水分解してカルボン酸を遊離する。そのため、上記アシルオキシポリシロキサン誘導体を含有する本発明の組成物は、硬化時間に悪影響を受けることなく、添加剤等に吸着した水分によるウレタンプレポリマーの硬化反応が阻止され、優れた貯蔵安定性を示す。
また、アシルオキシポリシロキサン誘導体が含有する式(2)で示されるシロキサン単位は、ポリエーテル部分がウレタンプレポリマーにある程度相溶する。このため、上記アシルオキシポリシロキサン誘導体を含有する本発明の組成物は、高い揺変性を有する。
さらに、本発明のアシルオキシポリシロキサン誘導体は、式(2)とともに式(3)のシロキサン単位を有するのでブリードしにくく、このため、上記アシルオキシポリシロキサン誘導体を含有する本発明の組成物は、良好な塗装性を有する。
また、本発明によれば、従来、一液型湿気硬化性の樹脂組成物への配合に問題のあったコロイダル沈降性炭酸カルシウムを、その表面を式(1)で示される化合物で表面処理することにより、コロイダル沈降性炭酸カルシウムの種類を問わずに一液型湿気硬化性の樹脂組成物に使用可能とすることができ、このような炭酸カルシウムを含む本発明の組成物は優れた揺変性を有する。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されない。
ウレタンプレポリマーの合成
数平均分子量3000のポリプロピレングリコール(エクセノール3020;旭硝子社製)850g、数平均分子量3000のポリプロピレントリオール(エクセノール3030;旭硝子社製)150g、及びジオクチルフタレート300gを混合し、さらにジフェニルメタンジイソシアネート135gを加えて、80℃で10時間、撹拌、反応させて、イソシアネート基を1.05%含有するウレタンプレポリマーを合成した。
【0048】
アシルオキシポリシロキサン誘導体の合成
1.ポリシロキサンAの合成
メチルハイドロジェンポリシロキサン(KF99、信越化学社製)50g、乾燥したアルケニル基含有ポリエーテル(ユニセーフPKA5015、日本油脂社製)20g、トルエン71gに、2.5%塩化白金酸六水和物イソプロピルアルコール溶液100μlを添加し、90℃で2時間反応させた。
ついで、乾燥したステアリン酸214g、トルエン71gを加え、85℃で2時間、90℃で2時間、さらに110℃で2時間反応させ、ポリシロキサンAを得た。
【0049】
2.ポリシロキサンB〜Fの合成
ポリシロキサンAと同様の方法で、下記の表1に示すアルケニル基含有ポリエーテル(ユニセーフPKA5016、ユニセーフPKA5017、ユニオックスPKA5010、日本油脂社製)を使用してポリシロキサンB〜Fを合成した。
【0050】
配合量の単位はグラムである。
*1:信越化学社製、メチルハイドロジェンポリシロキサン
*2:日本油脂社製、アルケニル基含有ポリエーテル(プロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合体)
*3:日本油脂社製、アルケニル基含有ポリエーテル(エチレンオキシド重合体)
*4:新日本理化社製、雪印#5000
【0051】
(実施例1〜9、比較例1〜2)
一液型湿気硬化性樹脂組成物の合成
塩基性フィラー(炭酸カルシウムG、H、炭酸マグネシウム、タルク)を、下記表2に示す配合で予めポリシロキサンA〜Fでそれぞれ表面処理し、この表面処理された塩基性フィラーと、上記で合成したウレタンプレポリマー、さらにジオクチルフタレート(DOP)、キシレンを添加、混練して、表2に示す各種の組成物を製造した。
【0052】
得られた組成物について、貯蔵安定性(粘度の経時変化)と硬化性(タックフリータイム)を、以下の方法により測定評価した。
1.粘度
混練直後、および、70℃で1日保存後の粘度をB型粘度計により測定した。単位は、〔Pa・s〕である。
2.タックフリータイム(T.F.T〕
組成物をガラス板上に塗布し、20℃、相対湿度55%の条件下で、ポリエチレンテレフタレートが組成物に付着しなくなるまでの時間を計測し、タックフリータイムを測定した。
3.揺変性
上記1.に記載した粘度の測定において、1〔rpm〕と10〔rpm〕とで測定して得られた粘度の比(1〔rpm〕における粘度/10〔rpm〕における粘度)を求めた。表中、○は粘度の比が5以上を、×は5未満であったことを示す。
4.塗装性
実施例で得られた本発明の組成物に塗料を塗布したところ、塗料を弾くことなく良好な塗装性を示した。
結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表中、配合量の単位はグラムである。
炭酸カルシウムは、以下に示すものを用いた。
炭酸カルシウムG:下記式で示される化合物により湿式処理した炭酸カルシウム
【化13】
炭酸カルシウムH:脂肪酸エステル処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、シーレッツ200)
【0055】
次に、特に、表面処理した炭酸カルシウムを用いた本発明の組成物についての実施例を示す。
表面処理した炭酸カルシウムの生成
表面処理剤の合成
▲1▼表面処理剤1の合成
ステアリルアルコール(カルコール8098;花王社製)50gを60℃で撹拌しながら、これにトリレンジイソシアネート(コロネートT80;三井東圧化学社製)16.2gを添加し110℃で2時間反応させ、目的物を得た。
▲2▼表面処理剤2の合成
ステアリルアルコール(カルコール8098;花王社製)50gを60℃で撹拌しながら、イソホロンジイソシアネート19.5gを添加し80℃で20時間反応させ、融点51℃の目的物を得た。
▲3▼表面処理剤3の合成
nードデシルアルコール(関東化学社製)50gを60℃で撹拌しながら、トリレンジイソシアネート(コロネートT80;三井東圧化学社製)23.3gを添加し100℃で2時間反応させ、目的物を得た。
【0056】
表面処理した炭酸カルシウムの生成
▲1▼炭酸カルシウム1
BET法による比表面積18m2 /gの炭酸カルシウム(カルファイン200;丸尾カルシウム社製)を用いた。
▲2▼炭酸カルシウム2
炭酸カルシウム1、360gに、粉砕した上記表面処理剤1を18g(炭酸カルシウム100重量部に対して表面処理剤5重量部に相当)加え、常温で良く撹拌した後110℃で一晩放置し、目的とする表面処理炭酸カルシウム378gを得た。
▲3▼炭酸カルシウム3
表面処理剤に、粉砕した上記表面処理剤1を9g(炭酸カルシウム100重量部に対して表面処理剤2.5重量部に相当)用いた以外は、上記炭酸カルシウム2と同様にして目的とする炭酸カルシウム369gを得た。
▲4▼炭酸カルシウム4
表面処理剤に、粉砕した上記表面処理剤1を120g(炭酸カルシウム100重量部に対して表面処理剤33重量部に相当)用いた以外は、上記炭酸カルシウム2と同様にして目的とする炭酸カルシウム480gを得た。
▲5▼炭酸カルシウム5
表面処理剤に、粉砕した上記表面処理剤2を18g用いた以外は、上記炭酸カルシウム2と同様にして、目的とする炭酸カルシウム378gを得た。
▲6▼炭酸カルシウム6
表面処理剤に、粉砕した上記表面処理剤3を18g用いた以外は、上記炭酸カルシウム2と同様にして目的とする炭酸カルシウム378gを得た。
▲6▼炭酸カルシウム7
表面処理剤に、粉砕したステアリルステアレートを18g用いた以外は、上記炭酸カルシウム2と同様にして目的とする炭酸カルシウム378gを得た。
【0057】
(一液型湿気硬化性樹脂組成物の合成、実施例10〜19および比較例3〜5)(実施例10)
上述のようにして得られたウレタンプレポリマー100重量部に、表面処理済の炭酸カルシウム2を120重量部 ポリシロキサンAを3重量部、ジオクチルフタレート(DOP)を50重量部、キシレンを10重量部加え、万能攪拌機で混練し、一液型湿気硬化性樹脂組成物を得た。
【0058】
(実施例11)
炭酸カルシウム2の代わりに、炭酸カルシウム3を用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
(実施例12)
炭酸カルシウム2の代わりに、炭酸カルシウム5を用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
(実施例13)
炭酸カルシウム2の代わりに、炭酸カルシウム6を用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
(実施例14)
炭酸カルシウム2の代わりに、炭酸カルシウム7を用い、キシレンを50重量部用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
【0059】
(実施例15)
上述のようにして得られたウレタンプレポリマー100重量部に、炭酸カルシウム2を120重量部、ポリシロキサンBを1重量部、ジオクチルフタレート(DOP)を50重量部、キシレンを10重量部加え、万能攪拌機で混練し、一液型湿気硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例16)
ポリシロキサンBの代わりに、ポリシロキサンCを3重量部用いた以外は、実施例15と同様の方法で行った。
(実施例17)
ポリシロキサンBの代わりに、ポリシロキサンDを15重量部用いた以外は、実施例15と同様の方法で行った。
(実施例18)
ポリシロキサンBの代わりに、ポリシロキサンEを3重量部用いた以外は、実施例15と同様の方法で行った。
(実施例19)
ポリシロキサンBの代わりに、ポリシロキサンFを3重量部用いた以外は、実施例15と同様の方法で行った。
【0060】
(比較例3)
炭酸カルシウム2のかわりに炭酸カルシウム4を用い、キシレンを50重量部用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
(比較例4)
ポリシロキサンAを0.1重量部用い、キシレンを50重量部用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
(比較例5)
ポリシロキサンAを30重量部用い、キシレンを50重量部用いた以外は、実施例10と同様の方法で行った。
【0061】
実施例および比較例で得られた組成物の特性について、以下の方法で測定評価した。
1.粘度
混練終了後、20℃で1日保存した後、BS型粘度計(No.7ローター使用)にて粘度を測定した。その後70℃で1日保存後、20℃に戻し、再度粘度を測定した。
2.タックフリータイム(T.F.T)
実施例1〜9、比較例1〜2におけるタックフリータイムの測定と同様の方法で測定評価した。
3.外観
混練した組成物を20℃において湿気硬化させ、1週間後、外観を評価した。硬化物表面に析出物がない場合を○、ある場合を×とした。
4.揺変性
実施例1〜9、比較例1〜2における揺変性の測定と同様の方法で測定評価した。
結果を表3に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【0064】
【発明の効果】
本発明の組成物は、良好な硬化性を確保しつつも、優れた貯蔵安定性をしめし揺変性、塗装性も良好である。従って、本発明の組成物は、シーリング材、防水材、接着剤、プライマー、床材等として好適に用いることが出来る。
Claims (7)
- 分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、塩基性フィラーとしての、比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウムを下記式(1);
前記表面処理において、前記式(1)で表される化合物の量が、前記比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウム100重量部に対して、1〜20質量部である一液型湿気硬化性樹脂組成物。 - 前記比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウムが、コロイダル沈降性炭酸カルシウムである請求項1に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表される化合物が、イソシアネート化合物A−(N=C=O) k (式中、Aはイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基であり、kは1〜4の整数を示す。)とアルコールROH(Rはアルキル基を示す。)とを反応させることによって得られるものである請求項1または2に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表される化合物が、トリレンジイソシアネートと、ステアリルアルコールまたはn−ドデシルアルコールとを反応させたもの、およびイソホロンジイソシアネートとステアリルアルコールとを反応させたもののいずれかである請求項1または2に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表される化合物の量が、前記比表面積が3m 2 /g以上の炭酸カルシウム100重量部に対して、3〜10重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
- 前記アシルオキシポリシロキサン誘導体の量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、2〜20重量部である請求項1〜6のいずれかに記載のいずれかに記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
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