JP4909560B2 - 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法 - Google Patents

1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4909560B2
JP4909560B2 JP2005301323A JP2005301323A JP4909560B2 JP 4909560 B2 JP4909560 B2 JP 4909560B2 JP 2005301323 A JP2005301323 A JP 2005301323A JP 2005301323 A JP2005301323 A JP 2005301323A JP 4909560 B2 JP4909560 B2 JP 4909560B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
urethane resin
composition
paint
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005301323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007106948A (ja
Inventor
隆信 帯刀
和憲 石川
浩之 細田
直人 梅崎
芳幸 朝比奈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Asahi Kasei Homes Corp
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Asahi Kasei Homes Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd, Asahi Kasei Homes Corp filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2005301323A priority Critical patent/JP4909560B2/ja
Publication of JP2007106948A publication Critical patent/JP2007106948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4909560B2 publication Critical patent/JP4909560B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Description

本発明は、1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法に関する。
1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物は、シーリング材、防水材、接着剤等に利用されている。特に、ウレタンシーリング材は、その表面に塗料を吹き付けられることが多く、塗料との密着性および低汚染性であることが要求されている。
一方、ウレタン系シーリング材組成物に乾性油を添加する技術は知られている(特許文献1〜4参照)が、塗料との密着性を向上させることを目的として乾性油を添加しているものはなかった。
特開2004−91603号公報 特開平8−176529号公報 特開2002−37846号公報 特開2000−178533号公報
本発明は、塗料に対する密着性に優れる1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。また、この1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を用いた塗装方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、ウレタンプレポリマーと、不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油を重合して得られる、25℃における粘度が9poise以上のワニスとを含有すると、塗料に対する密着性に優れる1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物となることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜()を提供することを目的とする。
(1)ウレタンプレポリマー(A)と、
不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油を重合して得られる、25℃における粘度が9poise以上のワニス(B)とを含有し、
前記ワニス(B)を前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.5〜20質量部含有する1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
(2)更に、イソシアネートアルキルエステルまたは脂肪酸エステルで表面処理された無機充填剤(C)を含有する上記(1)に記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
)シーリング材組成物である上記(1)または(2)に記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
)上記(1)〜()のいずれかに記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を硬化させた後、前記1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の表面に塗料を塗布する、1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の上に塗料を用いて塗装する方法。
)前記塗料がアクリルシリコーン系塗料である上記()に記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の上に塗料を用いて塗装する方法。
本発明の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物は、塗料に対する密着性に優れる。
また、本発明の塗装方法によれば、剥がれ難い塗装を形成できる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、ウレタンプレポリマー(A)と、不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油を重合して得られる、25℃における粘度が9poise以上のワニス(B)とを含有し、上記ワニス(B)を上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.5〜20質量部含有する1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物である。
<ウレタンプレポリマー(A)>
本発明の組成物に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、特に限定されず、例えば、ポリオール化合物とイソシアネート基含有化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを用いることができる。
上記ウレタンプレポリマー(A)に用いられるポリオール化合物は、炭化水素の複数個の水素をヒドロキシ基で置換したアルコール類である。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を、分子中に活性水素を2個以上有する活性水素含有化合物に付加重合させた生成物が挙げられる。
上記活性水素含有化合物としては、例えば、多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン類、多価フェノール類等が挙げられる。
多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
アミン類としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
アルカノールアミン類としては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
多価フェノール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン、ビスフェノール類等が挙げられる。
上記ポリオール化合物としては、具体的には、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリエーテル系ポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィン系ポリオール;アジペート系ポリオール;ラクトン系ポリオール;ヒマシ油等のポリエステル系ポリオール等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオール化合物は、重量平均分子量が500〜10000程度であるのが好ましく、2000〜6000程度であるのがより好ましい。
上記ウレタンプレポリマー(A)に用いられるイソシアネート基含有化合物としては、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられる種々のものを用いることができる。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のTDI;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ノルボルナン骨格を有するジイソシアネート(NBDI)、および、これらの変成品等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのイソシアネート基含有化合物の中でも、TDIおよびMDIが好ましい。これらのポリイソシアネートは汎用であるので、安価かつ入手が容易である。
上記ウレタンプレポリマー(A)の製造時におけるポリオール化合物とイソシアネート基含有化合物とを混合する割合は、ポリオール化合物のヒドロキシ基の数に対するイソシアネート基含有化合物のイソシアネート基の数の比(NCO/OH)が、1.0以上であるのが好ましく、1.5〜2.0であるのがより好ましい。
上記ウレタンプレポリマー(A)の製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様に行うことができ、通常、所定量比のイソシアネート基含有化合物およびポリオール化合物を混合し、常圧下、60〜100℃で、加熱撹拌することによって行うことができる。
<ワニス(B)>
本発明の組成物に用いられるワニス(B)は、不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油を重合して得られる、25℃における粘度が9poise以上のワニスである。
上記不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油としては、具体的には、例えば、アマニ油、荏胡麻油等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、アマニ油が、塗料密着性に優れる点から好ましい。
上記乾性油のヨウ素価は、170〜210が好ましく、170〜190がより好ましい。ヨウ素価がこの範囲であると、得られる組成物の塗料密着性により優れる。
上記ワニス(B)は、25℃における粘度が9poise以上であることから、重合されていない乾性油または粘度が低い(重合度が低い)ワニスを用いた場合に比べて、組成物の表面にワニス(B)がブリードアウトして膜を形成するのが速く、塗料密着性に優れる。塗料密着性により優れ、粘度が高くなり過ぎず作業性も維持できる点から、ワニス(B)の25℃における粘度は9〜130poiseが好ましく、9〜60poiseがより好ましい。
なお、本明細書における粘度はB型粘度計を用いて測定されたときの値を表す。
上記ワニス(B)は、上記不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油を重合して得ることができる。重合方法は特に限定されず、例えば、上記乾性油に熱を加えたり、光を照射することにより重合することができる。
上記ワニス(B)の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.5〜20質量部であ、0.5〜10質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。ワニス(B)の含有量がこの範囲であると、塗料密着性および貯蔵安定性に優れる。
上記ワニス(B)は、重合された乾性油であり、粘度およびその単量体のヨウ素価が上記範囲であるため、本発明の組成物の表面にブリードアウトして膜を形成するのが速く、塗料密着性に優れる。特に、本発明の組成物を屋外曝露した場合には、上記ワニス(B)が光によって更に重合されるため、より接着発現が速くなり、塗料密着性に優れる。
<無機充填剤(C)>
本発明の組成物は、更に、イソシアネートアルキルエステルまたは脂肪酸エステルで表面処理された無機充填剤(C)を含有するのが、貯蔵安定性に優れる点から好ましい。
表面処理に用いられるイソシアネートアルキルエステルとしては、イソシアネート化合物A−(N=C=O)nと、アルコールROHとを反応させて得られる、分子内にウレタン結合を有する化合物であり、具体的には、例えば、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 0004909560
ここで、Aはイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基である。Rはアルキル基である。ただしn=1の場合、RはC8以上のアルキル基、n=2または3の場合、Rは同一でも異なっていてもよく、Rのうち少なくともひとつはC8以上のアルキル基である。1分子中に炭素数8以上のアルキル基が全く存在しないと、シーラントの貯蔵安定性が悪くなるからである。nは1〜3の整数を示す。
上記イソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を1〜3個有する化合物であり、ウレタン樹脂等の合成に利用される公知のイソシアネート化合物がすべて利用可能である。
モノイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、フェニルイソシアネート、ステアリルイソシアネート等が挙げられる。ジイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート;キシレンジイソシアネート等のアリール脂肪族イソシアネート;上記各イソシアネートの変性イソシアネート等が挙げられる。トリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、上記ジイソシアネート化合物等と、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類との反応生成物、またはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物がイソシアヌレート環を作ることにより得られる1分子に3個のイソシアネート基を持つ化合物等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルコールとしては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ベンジルアルコール、アリルアルコール等の低級アルコールの他、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキサノール、ノニルアルコール、nーデシルアルコール、ウンデシルアルコール、n−トリデシルアルコール、ミスチルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。
上記脂肪酸エステルは、特に限定されないが、炭素数8以上の高級脂肪酸のエステルが好ましく、例えば、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルチミン酸ラウリル、トリステアリン酸グリセライド、トリパルミチン酸グリセライド等が挙げられる。中でも、トリパルミチン酸グリセライドが表面処理の熱安定性や揺変性の点で好ましい。
上記イソシアネートアルキルエステルまたは脂肪酸エステルで表面処理される無機充填剤は、特に限定されず、具体的には、例えば、シリカ、ケイソウ土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー、カーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、コスト、物性、貯蔵安定性および作業性の点から炭酸カルシウムが好ましい。
上記無機充填剤を表面処理する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の組成物は、更に、溶剤を含有するのが好ましい。
上記溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
反応遅延剤としては、具体的には、例えば、アルコール系等の化合物が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)等が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
上述した本発明の組成物は塗料に対する密着性に優れる。特に、上記ワニス(B)の含有量が特定の範囲である場合または上記無機充填剤(C)を含有する場合は、貯蔵安定性にも優れる。また、従来のウレタン樹脂組成物は屋外曝露した後の塗料密着性が低下する傾向があるのに対し、本発明の組成物は屋外曝露した後の塗料密着性が著しく向上するため、屋外での使用に特に適している。
本発明の組成物は、上述した優れた特性を活かして、シーリング材、防水材、接着剤等として好適に使用される。特に、本発明の組成物は塗料密着性に優れるので、シーリング材組成物として好適に使用される。
以下、本発明の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の上に塗料を用いて塗装する方法(以下、「本発明の塗装方法」という)について詳細に説明する。
本発明の塗装方法は、上述した本発明の組成物を硬化させた後、上記組成物の硬化物の表面に塗料を塗布する、1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の上に塗料を用いて塗装する方法である。
本発明の塗装方法において本発明の組成物を硬化させる方法は、特に限定されないが、通常、被塗布材に本発明の組成物を塗布した後、23℃、50%RH環境下、5時間以上放置して硬化することができる。特に、本発明の組成物は、光により上記ワニス(B)の重合反応が進行して組成物表面にブリードアウトして膜を作るのが速くなるため、屋外曝露して硬化させるのが好ましい。
本発明の組成物を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、コーキングガンによる押出等が挙げられる。
本発明の塗装方法においては、本発明の組成物を硬化させた後、上記組成物の硬化物の表面に塗料を塗布する。上記塗料は、特に限定されず用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、アクリルシリコーン系塗料、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、アクリルウレタン系塗料、シリコーン系塗料等が挙げられる。これらの中でも、本発明の組成物との密着性に優れるという点からアクリルシリコーン系塗料が好ましい。
上記塗料を塗布する範囲は上記組成物の硬化物の表面の一部または全部を含み、上記本発明の組成物が塗布されていない部分を含んでいてもよい。
上記塗料を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。
以下、本発明の塗装方法を具体例を挙げて説明する。
図1は、本発明の塗装方法により塗装された本発明の組成物の硬化物の一例を示す概略断面図である。
シーリング材として本発明の組成物を用いる場合の本発明の塗装方法の一例は、タイル、外壁用パネル等の建築材11の目地部に本発明の組成物(シーリング材)を充填し、硬化させた後、その硬化物13の表面および上記建築材11の表面に塗料15を塗布する、塗装方法である。
図2は、本発明の塗装方法により塗装された本発明の組成物の硬化物の他の一例を示す概略断面図である。
防水材として本発明の組成物を用いる場合の本発明の塗装方法の一例は、建物の屋上等のコンクリート21の全面または一部に本発明の組成物(防水材)を塗布して、硬化させた後、その硬化物23の表面に塗料25を塗布する、塗装方法である。図2に示すように、本発明の組成物および塗料を、建物の屋上のコンクリート21の水平面21aおよび垂直面21bに沿わすように塗布するのが防水性に優れる点から好ましいが、水平面21aのみに塗布してもよい。
上述した本発明の塗装方法は、塗料密着性に優れる本発明の組成物を用いるので、剥がれ難い塗装を形成できる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ウレタンプレポリマーの合成)
脱水した平均分子量3200のポリプロピレンジオール(エクセノール3020、旭硝子社製)1270gおよび平均分子量5000のポリプロピレントリオール(エクセノール5030、旭硝子社製)863gに、キシリレンジイソシアネート138gおよびジフェニルメタンジイソシアネート115gを投入し(NCO/OH=1.8)、触媒存在下、80℃で18時間反応させて、NCO%=1.44のウレタンプレポリマーを得た。
得られたウレタンプレポリマーを下記実施例および比較例で用いた。
(ワニス)
実施例および比較例に用いたワニスは、下記第1表に示すとおりである。
Figure 0004909560
(実施例1〜5および比較例1〜4)
下記第3表の各成分を、第3表に示す組成(質量部)で、高粘度用混合ミキサーを用いて混合し、第3表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物を用いて、下記の方法により粘度および塗料密着性を評価した。
結果を第3表に示す。
<粘度測定>
(初期粘度)
得られた各組成物を23℃で1日放置したものについて、B型粘度計を用いて、23℃、50%RH条件下で1rpmおよび10rpmの粘度を測定した。測定された粘度からチクソインデックス(1rpm/10rpm)を求めた。
(貯蔵促進後粘度)
得られた各組成物を23℃で1日放置した後、更に70℃で1日放置したものについて、上記と同様に粘度を測定し、チクソインデックスを求めた。
<塗料密着性>
幅70mm×長さ70mm×厚さ10mmのスレート板表面の幅50mm×長さ50mmの範囲にプライマー(No.40、横浜ゴム社製)を塗布し、23℃、50%RHで1時間放置した。次に、塗布されたプライマーの上に得られた各組成物を厚さ1mmになるように塗布し、第3表に示す条件で養生した。その後、塗布された組成物の硬化物の上に、第2表に示す塗装仕様で塗料を塗布し、乾燥させて試験体とした。
次に、アルミ製引張り治具の幅35mm×長さ35mmの面に2液型エポキシ樹脂接着剤(クイックメンダー、コニシ社製)を塗布し、上記試験体の塗料塗布面と接触させて23℃、50%RHで5時間養生させた。ここで、上記2液型エポキシ樹脂接着剤は、塗膜を侵さず十分な接着性を持つものである。
次に、試験体と接着しているアルミ製引張り治具の接着面(幅35mm×長さ35mm)に沿って切れ目を入れた。
その後、試験体をオートグラフ(AG5000E、島津製作所(株)製)に固定し、アルミ製引張り治具を、試験体の塗料塗布面に対して鉛直方向に3mm/分の速度で引張り、最大引張り荷重測定し、塗料密着性(N/cm2)を求めた。
なお、第3表中、「70<」は、70N/cm2に相当する力で引張ったときに塗料と得られた各組成物の硬化物との剥離ができなかったことを示す。
Figure 0004909560
Figure 0004909560
上記第3表に示す各成分は下記のとおりである。
・炭酸カルシウム1:シーレッツ200、丸尾カルシウム社製
・炭酸カルシウム2:Viscolite−MBP、白石工業社製
・キシレン:関東化学社製
第3表に示す結果から明らかなように、上記ワニス(B)を含有しない組成物(比較例1)は塗料密着性が低く、特に、屋外曝露した期間が長いほど密着性が低下していた。重合させていないアマニ油を用いた組成物(比較例2)は、低粘度で貯蔵安定性に優れていたが、塗料密着性は低かった。粘度が低い(重合度が低い)アマニ油を用いた組成物(比較例3)は、塗料密着性が十分ではなかった。重合桐油(単量体ヨウ素価が低い)を用いた組成物(比較例4)は、低粘度で貯蔵安定性に優れていたが、塗料密着性は低かった。
一方、実施例1〜5の組成物は、比較例1に比べて、初期粘度および貯蔵安定性は維持しつつ、塗料密着性が優れていた。特に、屋外曝露したときの塗料密着性は格段に優れていた。
図1は、本発明の塗装方法により塗装された本発明の組成物の硬化物の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の塗装方法により塗装された本発明の組成物の硬化物の他の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
11 建築材
13 本発明の組成物の硬化物(シーリング材)
15、25 塗料
21 コンクリート
21a 水平面
21b 垂直面
23 本発明の組成物の硬化物(防水材)

Claims (5)

  1. ウレタンプレポリマー(A)と、
    不飽和基を有するヨウ素価170超の乾性油を重合して得られる、25℃における粘度が9poise以上のワニス(B)とを含有し、
    前記ワニス(B)を前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.5〜20質量部含有する1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
  2. 更に、イソシアネートアルキルエステルまたは脂肪酸エステルで表面処理された無機充填剤(C)を含有する請求項1に記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
  3. シーリング材組成物である請求項1または2に記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を硬化させた後、前記1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の表面に塗料を塗布する、1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の上に塗料を用いて塗装する方法。
  5. 前記塗料がアクリルシリコーン系塗料である請求項に記載の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の硬化物の上に塗料を用いて塗装する方法。
JP2005301323A 2005-10-17 2005-10-17 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法 Active JP4909560B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005301323A JP4909560B2 (ja) 2005-10-17 2005-10-17 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005301323A JP4909560B2 (ja) 2005-10-17 2005-10-17 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007106948A JP2007106948A (ja) 2007-04-26
JP4909560B2 true JP4909560B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=38033061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005301323A Active JP4909560B2 (ja) 2005-10-17 2005-10-17 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4909560B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3943194B2 (ja) * 1997-07-02 2007-07-11 横浜ゴム株式会社 一液型湿気硬化性樹脂組成物
JP2000178533A (ja) * 1998-10-06 2000-06-27 Toray Thiokol Co Ltd シ―リング材組成物
JP2002037846A (ja) * 2000-07-24 2002-02-06 Asahi Kasei Corp 耐汚染性の優れたポリイソシアネート組成物
JP2005075894A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Auto Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物およびシーリング材組成物
JP4328222B2 (ja) * 2004-01-23 2009-09-09 オート化学工業株式会社 この上に更に上塗り塗装を行うための一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP4603285B2 (ja) * 2004-04-19 2010-12-22 オート化学工業株式会社 上塗り塗料付着性を向上させる方法および上塗り塗装仕様向けに適したウレタン系シーリング材組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007106948A (ja) 2007-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7073297B2 (ja) 一液湿気硬化型組成物
AU2011281625B2 (en) Sealant & adhesive using green prepolymer
JP2013535534A (ja) ポリウレタンシーラント及び接着剤のモジュラスの低下
JP5023446B2 (ja) 2液型ウレタン接着剤組成物ならびに構造用弾性接着剤およびその使用方法
US20040010093A1 (en) UV-resistant flocking adhesive for polymeric substrates
KR20120097495A (ko) 그린 강도 및 발사 용이도가 높은 폴리우레탄 제제
JP2005015644A (ja) 新規化合物およびそれを含有する硬化性樹脂組成物
CN107531865A (zh) 反应性聚氨基甲酸酯塑化剂和由其制备的粘合剂
CN105764949B (zh) 具有极少或无塑化剂的改进的聚氨基甲酸酯预聚物和其在车辆玻璃粘合剂中的用途
JP2006199882A (ja) 二成分系常温硬化型液状ウレタン組成物およびそれを含む接着材料
JP5192142B2 (ja) ポリウレタン系塗料用下地材
JP4909560B2 (ja) 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた塗装方法
JP2007023099A (ja) ノルボルネン系樹脂用1液型ウレタン接着剤組成物ならびにノルボルネン系樹脂用弾性接着剤およびその使用方法
JPWO2014196303A1 (ja) 接着剤組成物
JP2007031485A (ja) プライマー用前処理剤、複合型プライマーならびに構造用弾性接着剤およびその使用方法
JP2005336429A (ja) 2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物
JP4884070B2 (ja) 1液型湿気硬化型ウレタン樹脂組成物およびシーリング材
JP5720115B2 (ja) プライマー組成物
JP2007297532A (ja) 硬化型樹脂組成物およびシーリング材
JP4802532B2 (ja) 2液型複層ガラス二次シール材用組成物およびそれを用いた複層ガラス
JP5988881B2 (ja) 接着剤組成物
JP2005054122A (ja) ポリウレタン硬化性組成物及びポリウレタン用遅延剤組成物
EP2928937B1 (en) Nitrofunctional polyurethane dispersions for binder compositions
JP2007031566A (ja) プライマー用前処理剤、複合型プライマーならびに構造用弾性接着剤およびその使用方法
EP4013803B1 (en) Moisture-curable polyurethane composition with reduced surface tackiness

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120116

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4909560

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250