JP4802532B2 - 2液型複層ガラス二次シール材用組成物およびそれを用いた複層ガラス - Google Patents
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Description
複素ガラスの二次シール材としては、ポリサルファイド系重合体、シリコーン系重合体、ウレタン系重合体、ホットメルト系シール材等が用いられている。これらの重合体の中でも、接着性や耐水性に優れる点からウレタン系重合体が好んで使用されている。
(1)ポリイソシアネート化合物(A)と、アミノシラン(B)とを含有する硬化剤と、
ポリブタジエンポリオール(C)と、アミノ基と反応し得る官能基と加水分解性ケイ素含有基とを有するシラン化合物(D)および/または前記シラン化合物(D)とアミノシランとを反応させて得られるシラン化合物(D′)とを含有する基剤と
からなり、
前記ポリイソシアネート化合物(A)が有するイソシアネート基の数(X)に対する前記アミノシラン(B)の有するアミノ基および/またはイミノ基の活性水素の数(Y)の比(Y/X)が、0.001〜0.05である、2液型複層ガラス二次シール材用組成物。
(2)上記(1)に記載の2液型複層ガラス二次シール材用組成物を二次シール材として用いた複層ガラス。
本発明の2液型複層ガラス二次シール材用組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、ポリイソシアネート化合物(A)と、アミノシラン(B)とを含有する硬化剤と、ポリブタジエンポリオール(C)と、アミノ基と反応し得る官能基と加水分解性ケイ素含有基とを有するシラン化合物(D)および/または上記シラン化合物(D)とアミノシランとを反応させて得られるシラン化合物(D′)とを含有する基剤とからなる組成物である。
本発明の組成物に用いられるポリイソシアネート化合物(A)は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のTDI;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ノルボルナン骨格を有するジイソシアネート(NBDI)、および、これらの変成品等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、TDIおよびMDIが好ましい。これらのポリイソシアネートは汎用であるので、安価かつ入手が容易である。
多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
アミン類としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
アルカノールアミン類としては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
多価フェノール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン、ビスフェノール類等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物の硬化剤に含有されるアミノシラン(B)は、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基(イミノ基)と、加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物である。
上記加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
本発明の組成物に用いられるポリブタジエンポリオール(C)は、末端にヒドロキシ基を有するブタジエン重合体およびブタジエンと他のモノマー成分との共重合体であれば特に限定されない。
ブタジエンと共重合させるモノマー成分としては、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物に用いられるシラン化合物(D)は、アミノ基と反応し得る官能基と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物である。
ここで、上記アミノ基と反応し得る官能基は、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基(イミノ基)と反応し得る官能基を意味する。具体的には、例えば、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。また、上記加水分解性ケイ素含有基としては、上記アミノシラン(B)が有する加水分解性ケイ素含有基と同様のものが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、エポキシシランが接着性(特にガラスに対する接着性)を付与する効果が高い点から好ましい。
上記アミノシランとしては、上述したアミノシラン(B)と同様のものが挙げられる。
シラン化合物(D)とアミノシランとを混合する割合は、特に限定されないが、シラン化合物(D)の有するアミノ基と反応し得る官能基の数(P)に対するアミノシランの有するアミノ基および/またはイミノ基の活性水素の数(Q)の比(Q/P)は、1/5〜1/1であることが好ましく、1/3〜1/1であることがより好ましい。この範囲であれば、接着性および貯蔵安定性に優れる。
上記シラン化合物(D)および/または上記シラン化合物(D′)の含有量は、上記シラン化合物(D)と上記シラン化合物(D′)との合計が、上記ポリブタジエンポリオール(C)100質量部に対して、0.5〜20質量部であるのが好ましく、1〜5質量部であるのがより好ましい。この範囲であると、得られる組成物が、優れた接着性(特にガラスに対する接着性)を有する。
本発明の組成物は、更に、硬化触媒を含有するのが好ましい。本発明の組成物に用いられる硬化触媒は、ポリイソシアネート化合物(A)の硬化を促進する触媒であれば特に限定されない。具体的には、例えば、第三級アミン化合物、金属せっけん化合物や金属アルキレート、金属キレート等の金属触媒が挙げられる。
上記金属せっけん化合物としては、具体的には、例えば、スズや亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、コバルト、カルシウム、セリウム、鉄等の有機酸塩を用いることができる。上記金属アルキレートとしては、チタンやジルコニウムのアルコキシド、具体的には、テトラプロポキシチタンやテトラブトキシチタン等、およびこれらの縮合物を用いることができる。
上記金属キレートとしては、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、鉄、コバルト等のキレート、具体的には、アルミニウムアセチルアセトナート等を用いることができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、発泡性という点からビスマス有機酸塩およびカルシウム有機酸塩を併用するのが好ましい。
より具体的には、有機カルボン酸ビスマスとしては、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、ネオドデカン酸等のビスマス塩が挙げられる。これらの中でも、オクチル酸ビスマス、2−エチルヘキシル酸ビスマスおよびネオデカン酸ビスマスが好ましい。
樹脂酸ビスマスとしては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸,d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸等の脂環族系有機酸のビスマス塩、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸等の芳香族系有機酸のビスマス塩等が挙げられる。これらの中でも、アビエチン酸ビスマスが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、有機カルボン酸カルシウムとしては、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、ネオドデカン酸等のカルシウム塩が挙げられる。これらの中でも、オクチル酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウムおよびネオデカン酸カルシウムが好ましい。
樹脂酸カルシウムとしては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸,d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸等の脂環族系有機酸のカルシウム塩、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸等の芳香族系有機酸のカルシウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アビエチン酸カルシウムが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物に用いられる基剤(B剤)も同様に、上記ポリブタジエンポリオール(C)、上記シラン化合物(D)および/に撹または上記シラン化合物(D′)ならびに必要により用いられる硬化触媒および各種添加剤を十分拌して得ることができる。
本発明の組成物は、上記硬化剤と上記基材とを混合して使用することができる。
<複層ガラス>
以下、本発明の複層ガラスについて説明する。
本発明の複層ガラスは、上述した本発明の組成物を二次シール材として用いた複層ガラスである。本発明の複層ガラスの好適な態様の一例は、スペーサを介して2枚以上のガラス板が対向して配置され、2枚のガラス板、上記スペーサ、および、上記ガラス板と上記スペーサとの間の一部または全部に設けられる一次シール材により中空層が形成されてなる複層ガラスであって、上記スペーサ外周面と上記一次シール材と上記2枚のガラス板周縁部の内面とにより形成される空隙を本発明の組成物でシールする複層ガラスである。
本発明の複層ガラス10は、二次シール材1を設けられるように、内部に乾燥剤(吸湿材)2を有するスペーサ3をガラス板5の周縁部近傍に設けて、スペーサ3とガラス板5の間に一次シール材7を設けてスペーサ3の外周面と、一次シール材7と、2枚のガラス板5周縁部の内面とにより形成される空隙を本発明の組成物でシール(充填)してなる複層ガラスである。
本発明の複層ガラスにおいて、空気層を形成するガラス板5の間隔は、特に限定されないが、例えば、約6mmまたは約12mmであるのが好ましい。
<実施例1〜5および比較例1〜4>
下記第1表の各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し、第1表に示される各複層ガラス二次シール材用組成物を得た。
得られた各組成物を用いて、下記の方法により接着性を評価した。
図2は、本発明の接着性試験に用いる試験体の斜視図である。図3は、本発明の接着性試験に用いる試験体の断面図である。以下、図2および図3に示す試験体の作製方法を説明する。
スズ面の一方の端部に幅2mmのテフロン製テープ11が貼られたフロートガラス13(50×50×5mm)と、非スズ面の一方の端部に幅2mmのテフロン製テープ11が貼られたフロートガラス15(50×50×5mm)とを、試験体作製用スペーサ(図示せず)を介してテフロン製テープ11を貼った面が内側になるように対向させ、50×12×12mmのスペースを作り、離型材(図示せず)の上に置いた。そのスペースに得られた各複層ガラス二次シール材用組成物17を充填した後、離型材を取り除いて、20℃、65%RH環境下で24時間養生し、スペーサを取り除いて試験体を得た。
作製した試験体を引張装置により上下方向(図3の矢印方向)に10%引張り、その状態のまま20℃、65%RH環境下で24時間放置した後、目視で試験体の破壊状態を観察した。
シール材の凝集破壊および界面剥離を生じなかったものを「○」、スズ面での界面剥離を生じたものを「AF」とした。
結果を第1表に示す。
・液状MDI:PAPI135、三菱化成ダウ社製
・可塑剤(ジイソノニルフタレート):DINP、J−plus社製
・カーボンブラック:MA600、三菱化学社製
・第三級アミン/DINP(1/9)混合液:2−メチルエチルトリエチレンジアミン(Methyl−DABCO、エアープロダクツジャパン社製)と、ジイソノニルフタレート(DINP、J−plus社製)とを質量比1/9で混合した混合液
・アミノシラン1(上記式(3)で表される化合物):A1170、日本ユニカー社製
・アミノシラン2(上記式(1)で表される化合物):A−Link15、日本ユニカー社製
・シランカップリング剤3(上記式(4)で表される化合物):Y11637、日本ユニカー社製
・炭酸カルシウム1:白艶華CCR、白石工業社製
・炭酸カルシウム2:ライトンA4、備北粉化工業社製
・エポキシシラン:A187、日本ユニカー社製
・エポキシシラン/アミノシラン反応物(上記式(5)で表される化合物):エポキシシラン(A187、日本ユニカー社製)30gと、アミノシラン(A−Link15、日本ユニカー社製)10gとを混合し、80℃で8時間撹拌し反応させて得られる無色透明液体
・イソシアネートシラン/アミノシラン反応物(上記式(6)で表される化合物):アミノシラン(A1170、日本ユニカー社製)16.6gと、イソシアネートシラン(Y5187、日本ユニカー社製)10gとを混合し、80℃で8時間撹拌し反応させて得られる無色透明液体
・老化防止剤1:チヌビン327、日本チバガイギー社製
・老化防止剤2:サノールLS−765、三共社製
一方、実施例1〜5の組成物は、界面剥離や凝集破壊を生じず、比較的短時間のうちに優れた接着性を発揮した。
2 乾燥剤(吸湿材)
3 スペーサ
5 ガラス板
7 一次シール材
10 複層ガラス
11 テフロン製テープ
13、15 フロートガラス
17 複層ガラス二次シール材用組成物
Claims (2)
- ポリイソシアネート化合物(A)と、アミノシラン(B)とを含有する硬化剤と、
ポリブタジエンポリオール(C)と、アミノ基と反応し得る官能基と加水分解性ケイ素含有基とを有するシラン化合物(D)および/または前記シラン化合物(D)とアミノシランとを反応させて得られるシラン化合物(D′)とを含有する基剤と
からなり、
前記ポリイソシアネート化合物(A)が有するイソシアネート基の数(X)に対する前記アミノシラン(B)の有するアミノ基および/またはイミノ基の活性水素の数(Y)の比(Y/X)が、0.001〜0.05である、2液型複層ガラス二次シール材用組成物。 - 請求項1に記載の2液型複層ガラス二次シール材用組成物を二次シール材として用いた複層ガラス。
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