JP2008179689A - ガラス用接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱線反射ガラスに対しても、耐候接着性に優れるガラス用接着剤組成物の提供。
【解決手段】ポリブタジエンポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体と、ラジカル発生剤とを含有するガラス用接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス用接着剤組成物に関する。
複層ガラスの二次シーリング材、自動車のウインドシーラント、自動車のパワーウインドウの製造のための接着剤等には、ガラスと強固に接着する組成物が用いられている。
例えば、複層ガラスには、通常、複数のガラス板間の周囲を封止するためにシーリング材が用いられており、その二次シーリング材としては、ポリサルファイド系重合体、シリコーン系重合体、ウレタン系重合体、飽和炭化水素系重合体、ホットメルト系シーリング材等が用いられている。
ウレタン系重合体については、例えば、特許文献1に、シーリング剤等に使用することを目的としたポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の製造方法として、一方の剤(A剤)及び他方の剤(B剤)の2剤からなり、2剤それぞれには少なくとも1種以上の高分子形成用の反応性物質を含有し、該反応性物質を使用して、(1)該A剤及びB剤を一定比率で、加熱された混合器に供給し、該混合器中で、該加熱温度では流動性を示しかつ常温に冷却すると固化する流動体(C)を高分子化により短時間で合成し、次いで吐出し固化体(D)を形成させ、(2)さらに、該固化体の架橋化を開始及び又は進行させることにより、樹脂硬化体を得ることを特徴とする樹脂硬化体の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、シーリング材等に使用することを目的とする、末端にイソシアネート基を少なくとも2個有するウレタンプレポリマーに3級アミン系触媒を添加してなることを特徴とする湿気硬化型ポリウレタン組成物が記載されている。
更に、特許文献3には、少なくとも2枚の透明板を、該透明板の間に配置された間隔保持材を介在させて接合するための多層透明板用シーラントにおいて、(A)少なくとも50重量%以上が数平均分子量500〜9000の水酸基含有ジエン系重合体および/またはその水酸化物からなる水酸基含有化合物、(B)該水酸基含有化合物(A)中に存在する水酸基に対するイソシアネート基のモル比が0.5〜4の範囲となる量のポリイソシアネート化合物、(C)前記水酸基含有化合物(A)100重量部に対して30〜300重量部の充填材および(D)前記水酸基含有化合物(A)100重量部に対して10〜200重量部の引火点40℃以上の粘度低下剤を配合してなる多層透明板用シーラントが記載されている。
飽和炭化水素系重合体については、例えば、特許文献4に、(A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、(B)シランカップリング剤、(C)空気中の酸素と反応することにより重合をおこす不飽和基を分子中に有する化合物および/または光重合性物質、を含有することを特徴とする硬化性組成物が記載されている。
また、特許文献5には、(A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体を用いる熱線反射ガラスのシールあるいは接着方法において、前記(A)成分の重合体及び(B)空気中の酸素と反応することにより重合し得る不飽和基を分子中に有する化合物を含有する硬化性組成物を用いることを特徴とする熱線反射ガラスのシールあるいは接着方法が記載されている。
更に、特許文献6には、(A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体と、(B)光重合性物質、を含有することを特徴とする熱線反射ガラス用シーリング材組成物が記載されている。
特開2004−277477号公報 特開平6−172706号公報 特許第2855196号公報 特開平10−152584号公報 特開平10−152668号公報 特開平10−158630号公報
これらの中でも、特許文献1および3に記載されているようなポリブタジエン系シーリング材は、各種ガラスに対し、優れた耐温水性および耐候性を示す。
しかしながら、本発明者が検討した結果、ポリブタジエン系シーリング材は、複層ガラスに用いられる熱線反射ガラス(表面に金属または金属酸化物の膜がコーティングされた板ガラス)に対する耐候接着性に劣ることが分かった。
したがって、本発明は、熱線反射ガラスに対しても、耐候接着性に優れるガラス用接着剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリブタジエンポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体と、ラジカル発生剤とを含有するガラス用接着剤組成物が、熱線反射ガラスに対する耐候接着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
(1)ポリブタジエンポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体と、ラジカル発生剤とを含有するガラス用接着剤組成物。
(2)前記加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体が、ポリアルコキシシロキサンである、上記(1)に記載のガラス用接着剤組成物。
(3)前記加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体の含有量が、前記ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.1〜50質量部である、上記(1)または(2)に記載のガラス用接着剤組成物。
(4)更に、ポリスルフィド化合物を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物。
(5)前記ポリスルフィド化合物が、ポリスルフィド系シランカップリング剤である、上記(4)に記載のガラス用接着剤組成物。
(6)前記ポリスルフィド化合物の含有量が、前記ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.1〜50質量部である、上記(4)または(5)に記載のガラス用接着剤組成物。
(7)更に、コロイダル炭酸カルシウムを脂肪酸で表面処理することにより得られる表面処理コロイダル炭酸カルシウムを含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物。
(8)更に、トリエチレンジアミン化合物を含有する、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物を二次シーリング材として用いた複層ガラス。
本発明のガラス用接着剤組成物は、熱線反射ガラスに対しても、耐候接着性に優れる。
以下に、本発明を詳細に説明する。初めに、本発明のガラス用接着剤組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)について説明する。
本発明の組成物は、ポリブタジエンポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体と、ラジカル発生剤とを含有するガラス用接着剤組成物である。
本発明に用いられるポリブタジエンポリオールは、ヒドロキシ基を2個以上有するポリブタジエンである。
ポリブタジエンとしては、例えば、ブタジエンホモポリマー、ブタジエンと他のモノマー成分との共重合体が挙げられる。ブタジエンと共重合させるモノマー成分としては、例えば、スチレン、アクリロニトリルが挙げられる。モノマー成分は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリブタジエンポリオールにおいては、ヒドロキシ基が結合する位置は特に限定されないが、ヒドロキシ基がポリブタジエンの末端に結合しているのが好ましい態様の一つである。
ポリブタジエンポリオールの数平均分子量は、粘度や作業性の点から、1000〜5000であるのが好ましく、2000〜3500であるのがより好ましい。
ポリブタジエンポリオールは、その製造について特に限定されず、例えば、従来公知の方法により製造できる。
また、ポリブタジエンポリオールは、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、R45HT、R15HT(いずれも出光石油化学社製)が挙げられる。
ポリブタジエンポリオールは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられるポリイソシアネート化合物は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のTDI;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ノルボルナン骨格を有するジイソシアネート(NBDI)およびこれらの変成品が挙げられる。
中でも、安価で入手が容易であるという点から、TDI、MDIが好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物は、取り扱い性の点から、液状であるのが好ましい。液状MDIが好ましい態様の一つとして挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物として、例えば、上述したポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを用いることもできる。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用できるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を、分子中に活性水素を2個以上有する活性水素含有化合物に付加重合させた生成物が挙げられる。
ポリオール化合物の製造の際に使用される活性水素含有化合物としては、例えば、多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン類、多価フェノール類が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
アルカノールアミン類としては、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミンが挙げられる。
多価フェノール類としては、例えば、レゾルシン、ビスフェノール類が挙げられる。
具体的なポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリエーテル系ポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィン系ポリオール;アジペート系ポリオール;ラクトン系ポリオール;ヒマシ油等のポリエステル系ポリオールが挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリオール化合物は、粘度と作業性の点から、その数平均分子量が500〜10000であるのが好ましく、2000〜6000であるのがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との割合は、ポリオール化合物のヒドロキシ基の数に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の数の比(NCO/OH)が、1.0以上であるのが好ましく、1.5〜5.0であるのがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造は、特に限定されない。例えば、上記のような量比のポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合し、常圧下、60〜100℃で、加熱かくはんすることによって行うことができる。
ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物におけるポリイソシアネート化合物の含有量は、耐候接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという点から、ポリブタジエンポリオールのヒドロキシ基の数に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の数の比(NCO/OH)が、0.7〜3.0となる量であるのが好ましく、1.0〜1.4となる量であるのがより好ましい。
本発明に用いられる加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体は、加水分解性ケイ素基含有化合物を重合させて得ることができる。
加水分解性ケイ素基含有化合物は、加水分解性ケイ素基を、分子内に少なくとも1個有する有機重合体である。
加水分解性ケイ素基は、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
Figure 2008179689
中でも、取扱いが容易である点で、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
加水分解性ケイ素基含有化合物としては、アルコキシシラン化合物が好ましい。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシランが挙げられる。
中でも、テトラアルコキシシランが好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがより好ましく、テトラエトキシシランが更に好ましい。
加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体は、上述した加水分解性ケイ素基含有化合物の1種以上を重合させて得ることができる。
中でも、テトラアルコキシシランを重合させて得られる、ポリ(テトラアルコキシシラン)が好ましい。ポリ(テトラアルコキシシラン)は、下記式(1)で表されるポリアルコキシシロキサンであるのが好ましい。
Figure 2008179689
(式中、Rは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。nは0以上の整数、好ましくは0〜30の整数、より好ましくは0〜20の整数を表す。)
上記式(1)で表されるポリアルコキシシロキサンとしては、例えば、上記式(1)中、すべてのRがメチル基である、ポリメトキシシロキサン、上記式(1)中、すべてのRがエチル基である、ポリエトキシシロキサンが挙げられる。中でも、ポリメトキシシロキサンが好ましい。
ポリメトキシシロキサンとしては、市販されているものを用いることができる。例えば、三菱化学社製のMS51(重合度約5)、三菱化学社製のMS56(重合度約11)、MS56S(重合度約16)およびMS57(重合度約13)が挙げられる。
ポリエトキシシロキサンとしては、市販されているものを用いることができる。例えば、旭化成ワッカーシリコーン社製のTES40が挙げられる。
加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物における加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体の含有量は、ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.1〜50質量部であるのが好ましく、3〜20質量部であるのがより好ましく、5〜10質量部であるのが更に好ましい。
上記範囲であると、得られる本発明の組成物の熱線反射ガラスに対する耐候接着性がより良好となる。
本発明に用いられるラジカル発生剤は、光または熱によりラジカルを発生させる、物質または2種以上の物質の併用系である。
本発明においては、特に限定されず、例えば、光によりラジカルを発生させる光ラジカル重合開始剤、熱によりラジカルを発生させる熱ラジカル重合開始剤等の従来公知のラジカル発生剤を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤としては、具体的には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のダロキュア1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア2959)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア369)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア784)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンとの混合物(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア500(モル比1:1))、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの混合物(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア1000(モル比1:4、液状))、ビスアシルフォスフィンオキサイドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの混合物(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア1700(モル比1:3))、ビスアシルフォスフィンオキサイドと1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとの混合物(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア1800(モル比1:3)およびイルガキュア1850(モル比1:1))が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、4,4′−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレリック酸n−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物が挙げられる。
ラジカル発生剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物は、上記ラジカル発生剤を含有するため、光や熱に晒されるとラジカルが発生し、ポリブタジエンポリオールの二重結合に付加し、ポリブタジエンポリオールの主鎖同士が架橋する。これにより、強度の低下を防止することができるので、耐候接着性が優れたものになる。
また、本発明の組成物を使用する通常の環境下では、強い光や高熱に急に晒されてラジカルが急激かつ大量に発生することは少なく、むしろラジカルは少しずつ発生するから、長期間にわたって優れた耐候接着性が持続する。
本発明の組成物は、更に、ポリスルフィド化合物を含有するのが好ましい態様の一つである。
ポリスルフィド化合物は、ポリスルフィドまたはそれを含む化合物であり、即ち、S−S結合を有する化合物である。
具体的には、ポリスルフィド(例えば、S8)、ポリスルフィド系シランカップリング剤が挙げられる。
ポリスルフィド系シランカップリング剤は、S−S結合と加水分解性ケイ素基とを含有する化合物である。加水分解性ケイ素基は、特に限定されず、上述したものが挙げられる。中でも、アルコキシシリル基が好ましい。
ポリスルフィド系シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、(C25O)3Si(CH23−Sx−(CH23Si(OC253(式中、xは2以上の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。
ポリスルフィド化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物におけるポリスルフィド化合物の含有量は、ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.1〜50質量部であるのが好ましく、1.5〜20質量部であるのがより好ましく、2.5〜10質量部であるのが更に好ましい。
上記範囲であると、得られる本発明の組成物の熱線反射ガラスに対する耐候接着性がより良好となる。
本発明の組成物は、更に、コロイダル炭酸カルシウムを脂肪酸で表面処理することにより得られる表面処理コロイダル炭酸カルシウムを含有するのが好ましい態様の一つである。
表面処理コロイダル炭酸カルシウムの製造の際に使用されるコロイダル炭酸カルシウムは、特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
また、表面処理コロイダル炭酸カルシウムの製造の際に使用される脂肪酸は、特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
表面処理コロイダル炭酸カルシウムの製造方法は特に限定されず、例えば、従来公知の方法を用いることができる。
表面処理コロイダル炭酸カルシウムとしては、市販品を使用することができる。例えば、丸尾カルシウム社製のカルファイン200M、白石工業社製の白艶華CCRが挙げられる。
表面処理コロイダル炭酸カルシウムは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物における表面処理コロイダル炭酸カルシウムの含有量は、耐候接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという点から、ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、100〜500質量部であるのが好ましく、200〜400質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、更に、トリエチレンジアミン化合物を含有するのが好ましい態様の一つである。
トリエチレンジアミン化合物は、トリエチレンジアミンおよびその誘導体である。
トリエチレンジアミンは下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2008179689
トリエチレンジアミンの誘導体としては、例えば、炭素原子数1〜8のアルキル基を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、下記式(3)で表される2−メチルトリエチレンジアミンが挙げられる。
Figure 2008179689
中でも、耐候接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという点から、上記式(3)で表される2−メチルトリエチレンジアミンが好ましい。
トリエチレンジアミン化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
トリエチレンジアミン化合物の含有量は、耐候接着性により優れ、本発明の組成物の硬化速度の調整と耐温水接着性に優れるという点から、ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.04〜0.16質量部であるのが好ましい。
本発明の組成物は、更に、ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤を含有することもできる。
ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤は特に限定されない。例えば、例えば、ビニルシラン化合物、(メタ)アクリルシラン化合物、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、酸無水物シラン化合物、イソシアネートシラン化合物が挙げられる。エポキシシラン化合物が好ましい態様の一つとして挙げられる。
エポキシシラン化合物は、エポキシ基を有するシランカップリング剤であれば特に限定されない。例えば、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、エポキシ基変性シリコーン樹脂、シリル基変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂とからなる共重合体が挙げられる。
中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤の含有量は、耐候接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという点から、ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.5〜10質量部であるのが好ましく、1〜5質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、更に、スズ触媒を含有するのが好ましい態様の一つである。
スズ触媒は、従来公知のものを用いることができる。例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナートが挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の組成物におけるスズ触媒の含有量は、ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.001〜0.1質量部であるのが好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、例えば、表面処理コロイダル炭酸カルシウム以外の充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む。)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤のような添加剤を含有することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;表面処理コロイダル炭酸カルシウム以外の表面処理炭酸カルシウム(例えば、重質炭酸カルシウムを表面処理して得られる表面処理重質炭酸カルシウム)、表面処理炭酸カルシウム以外の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)等が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物は、貯蔵安定性の点から、ポリブタジエンポリオールを含有する主剤とポリイソシアネート化合物を含有する硬化剤とからなる2液型であるのが好ましい。
加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
ラジカル発生剤は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
ポリスルフィド化合物は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
表面処理コロイダル炭酸カルシウムは、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
トリエチレンジアミン化合物は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
スズ触媒は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
必要に応じて使用できる添加剤は、硬化剤および主剤の一方または両方に配合することができる。
本発明の組成物は、その製造方法について特に限定されない。
例えば、本発明の組成物を2液型とする場合、ポリブタジエンポリオールを主剤に用い、ポリイソシアネート化合物を硬化剤に用いれば、他の成分については、主剤および/または硬化剤に用いることができる。具体的には、次のようにして調製することができる。
主剤は、例えば、ポリブタジエンポリオール、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体およびラジカル発生剤と、必要に応じて使用することができるポリスルフィド化合物、表面処理コロイダル炭酸カルシウム、トリエチレンジアミン化合物、スズ触媒、ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤、添加剤等とを、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分にかくはんして得ることができる。調製された主剤は、不活性ガスで内部を置換された容器に入れて保存することができる。
硬化剤も同様に、ポリイソシアネート化合物、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体およびラジカル発生剤と、必要に応じて使用することができるポリスルフィド化合物、表面処理コロイダル炭酸カルシウム、トリエチレンジアミン化合物、スズ触媒、ポリスルフィド系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤、添加剤等とを十分にかくはんして得ることができる。調製された硬化剤は、不活性ガスで内部を置換された容器に入れて保存することができる。
使用時に硬化剤と主剤とを混合して使用することができる。
本発明の組成物は、ガラス用の接着剤として用いることができる。例えば、建築用、自動車用、航空機用、列車用等のシーリング材および接着剤が挙げられる。具体的には、例えば、複層ガラスの二次シーリング材、自動車のウインドシーラント、自動車のパワーウインドウの製造のための接着剤として用いることができる。
本発明の組成物は、熱線反射ガラスのような金属または金属酸化物の膜を有するガラスに対して用いた場合であっても、耐候接着性および耐温水接着性に優れる。
つぎに、本発明の複層ガラスについて以下に説明する。
本発明の複層ガラスは、本発明の組成物を二次シーリング材として用いたものである。
本発明の複層ガラスの好適な態様の一例は、スペーサを介して2枚以上のガラス板が対向して配置され、2枚のガラス板、スペーサおよびガラス板とスペーサとの間の一部または全部が一次シーリング材によって封止され、更に、スペーサ外周面と一次シーリング材と2枚のガラス板周縁部の内面とにより形成される空隙を本発明の組成物で二次シーリングすることにより得ることができるものである。
図1は、本発明の複層ガラスの構成の一例を表す模式的な周縁部断面図である。
図1に示される複層ガラス10においては、スペーサ3を介して2枚のガラス板5が対向して配置され、2枚のガラス板5とスペーサ3との間が一次シーリング材7によって封止されている。このように一次シーリング材7で封止されることにより、2枚のガラス板5の間に中空層9が形成されている。更に、スペーサ3の外周面と一次シーリング材7と2枚のガラス板5の周縁部の内面とから形成される空隙が、本発明の組成物を充填し硬化させてなる二次シーリング材1によって封止されている。
スペーサ3は、図1に示されるように、その内部に乾燥剤(吸湿材)2を有することができる。
本発明の複層ガラスは、二次シーリング材として本発明の組成物を用いるものであれば、それ以外の構成、構造等について特に限定されない。例えば、スペーサ3と一次シーリング材7を一体化した樹脂組成物により構成されるスペーサ兼シーリング材を用いたものでもよい。また、一次シーリング材7とガラス板5との間に接着剤層(図示せず。)を設けてもよい。また、ガラス板5は2枚に限らず、3枚以上であってもよく、必要に応じて決めることができる。
本発明の複層ガラスに使用するガラスは、特に限定されない。例えば、本発明の複層ガラスにおいて、中空層9を形成するガラス板5の間隔は、特に限定されない。例えば、約6mmまたは約12mmであるのが好ましい態様として挙げられる。
本発明の複層ガラスに用いられるスペーサとしては、複層ガラスに用いられるスペーサを使用できる。例えば、中空構造の金属スペーサの中空部分に乾燥剤(吸湿剤)を充填したもの、樹脂製スペーサが挙げられる。
本発明の複層ガラスに用いられるガラス板は、特に限定されず、例えば、建材、車両に用いられるガラス板を使用することができる。具体的には例えば、ガラス、フロート板ガラス、型板ガラス、熱線反射ガラス、網入板ガラス、熱線吸収板ガラス、低放射ガラス(Low−Eガラス)、強化ガラス、有機ガラスが挙げられる。ガラスの厚さは、特に限定されない。
本発明の複層ガラスに用いられる一次シーリング材は、特に限定されない。例えば、ブチルゴム系ホットメルト、低透湿率材料が挙げられる。ガス透過性が低い点で、ブチルゴム系が好ましい。
本発明の複層ガラスは、その製造について特に限定されない。例えば、機械に固定された2枚の平行なガラス板の間に、スペーサを設置し、押出機に連結したノズル等で一次シーリング材を押出して接着を行った後、押出機により本発明の組成物を押出して二次シーリング材を設けて製造することができる。この際、ガラス板およびスペーサに、必要に応じてプライマーを塗布し、更に必要に応じて接着剤を塗布することもできる。
プライマーおよび接着剤の塗布方法は、アプリケータ等により手作業で塗布してもよく、自動でプライマーや接着剤を押し出すロボットによって塗布してもよい。また、ガラス、スペーサおよび一次シーリング材と本発明の組成物との間に接着剤が設けられるように、押出機を使用して本発明の組成物と接着剤とを直接ガラス板周縁部内に共押出しすることができる。
本発明の複層ガラスは、二次シーリング材として本発明の組成物を用いているので、自然光、熱等によって二次シーリング材が劣化しにくく、ガラスと二次シーリング材とのはく離が生じ難いため、耐候接着性に優れる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.ガラス用接着剤組成物の調製
下記第1表の各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第1表に示される各主剤成分および硬化剤(ポリイソシアネート化合物)をそれぞれ調製し、2液型のガラス用接着剤組成物を得た。
Figure 2008179689
第1表中の各成分は下記のとおりである。
<主剤成分>
・ポリブタジエンポリオール:ヒドロキシ基末端液状ポリブタジエン、Poly bd R−45HT、出光興産社製、粘度(JIS K2283)16Pa・s/10℃、5Pa・s/30℃および2Pa・s/50℃、ヒドロキシ基含有量0.83mol/kg、ヒドロキシ基価46.6mgKOH/g、数平均分子量2,800
・可塑剤:ジイソノニルフタレート、DINP、ジェイ・プラス社製
・表面処理コロイダル炭酸カルシウムA:カルファイン200M、丸尾カルシウム社製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム
・表面処理コロイダル炭酸カルシウムB:白艶華CCR、白石工業社製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム
・表面処理重質炭酸カルシウムA:スノーライトS、丸尾カルシウム社製、脂肪酸で表面処理された重質炭酸カルシウム
・表面処理重質炭酸カルシウムB:ライトン26A、白石工業社製、脂肪酸で表面処理された重質炭酸カルシウム
・カーボンブラック:MA600、三菱化学社製
・アミン触媒:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、BL−19、エアープロダクツジャパン社製
・スズ触媒:ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ、STANN BL、三共有機合成社製
・シランカップリング剤A:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、SILQUEST A187、OSiスペシャルティ社製
・ポリメトキシシロキサンA:Si(OCH34の重合体(重合度約11)、MS56、三菱化学社製
・ポリメトキシシロキサンB:Si(OCH34の重合体(重合度約5)、MS51、三菱化学社製
・ポリエトキシシロキサンA:Si(OC254の重合体、TES40、旭化成ワッカーシリコーン社製
・シランカップリング剤B:(C25O)3Si(CH23−Sx−(CH23Si(OC253(式中、xは平均4)で表される化合物、Si69、デグサ社製
・ラジカル発生剤:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
<硬化剤>
・ポリイソシアネート化合物:液状MDI、PAPI−135、ダウ・ケミカル日本社製
2.耐候性試験
以下の熱線反射ガラスを用いて、上記で得られたガラス用接着剤組成物の耐候性試験を行った。
熱線反射ガラスA:レフシャインSGY32、日本板硝子社製
熱線反射ガラスB:サンルックスSS20、旭硝子社製
具体的には、上記で得られたガラス用接着剤組成物の主剤と硬化剤とを混合させ、ついで、大きさ50mm×50mm、厚さ6mmの熱線反射ガラスの熱線反射処理面に、幅が10〜15mm程度、厚さが2mmとなるように塗布し、20℃で3日間養生した後に更に50℃で4日間養生(以下、「初期養生」という。)し、硬化させた。
硬化後のガラス用接着剤組成物に対し、熱線反射ガラスの熱線反射処理面の反対側からガラス越しに紫外線を照射した。紫外線の照射は、JIS R3209:1998に準じて、紫外線蛍光ランプ(FL40BL)を用いて、55℃、95%RHの条件下で、第1表に示される日数行った。
初期養生後および紫外線照射後、20℃、65%RHの条件下に24時間放置し、はく離試験を行い、破壊状況を目視で観察した。
結果を第1表に示す。表中、凝集破壊したものをCF、界面はく離したものをAFで示した。
第1表から明らかなように、本発明の組成物(実施例1〜3)は、ラジカル発生剤を含有しない場合(比較例1および参考例1)に比べ、熱線反射ガラスに対して、耐候接着性に優れる。
図1は、本発明の複層ガラスの構成の一例を表す模式的な周縁部断面図である。
符号の説明
1 二次シーリング材
2 乾燥剤(吸湿材)
3 スペーサ
5 ガラス板
7 一次シーリング材
9 中空層
10 複層ガラス

Claims (9)

  1. ポリブタジエンポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体と、ラジカル発生剤とを含有するガラス用接着剤組成物。
  2. 前記加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体が、ポリアルコキシシロキサンである、請求項1に記載のガラス用接着剤組成物。
  3. 前記加水分解性ケイ素基含有化合物の重合体の含有量が、前記ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.1〜50質量部である、請求項1または2に記載のガラス用接着剤組成物。
  4. 更に、ポリスルフィド化合物を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物。
  5. 前記ポリスルフィド化合物が、ポリスルフィド系シランカップリング剤である、請求項4に記載のガラス用接着剤組成物。
  6. 前記ポリスルフィド化合物の含有量が、前記ポリブタジエンポリオール100質量部に対して、0.1〜50質量部である、請求項4または5に記載のガラス用接着剤組成物。
  7. 更に、コロイダル炭酸カルシウムを脂肪酸で表面処理することにより得られる表面処理コロイダル炭酸カルシウムを含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物。
  8. 更に、トリエチレンジアミン化合物を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のガラス用接着剤組成物を二次シーリング材として用いた複層ガラス。
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