JP4788170B2 - 2液型複層ガラス二次シール材用組成物およびそれを用いた複層ガラス - Google Patents
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Description
複素ガラスの二次シール材としては、ポリサルファイド系重合体、シリコーン系重合体、ウレタン系重合体、ホットメルト系シール材等が用いられている。これらの重合体の中でも、接着性や耐水性に優れる点からウレタン系重合体が好んで使用されている。
(1)ポリイソシアネート化合物(A)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とイミノシランとを反応させてなるシランカップリング剤(B)とを含有する硬化剤と、
ポリブタジエンポリオール(C)を含有する基剤とからなる2液型複層ガラス二次シール材用組成物。
(2)上記(1)に記載の2液型複層ガラス二次シール材用組成物を二次シール材として用いた複層ガラス。
本発明の2液型ウレタン接着剤組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、ポリイソシアネート化合物(A)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とイミノシランとを反応させてなるシランカップリング剤(B)とを含有する硬化剤と、ポリブタジエンポリオール(C)を含有する基剤とからなる2液型複層ガラス二次シール材用組成物である。
本発明の組成物に用いられるポリイソシアネート化合物(A)は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のTDI;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ノルボルナン骨格を有するジイソシアネート(NBDI)、および、これらの変成品等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、TDIおよびMDIが好ましい。これらのポリイソシアネートは汎用であるので、安価かつ入手が容易である。
多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
アミン類としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
アルカノールアミン類としては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
多価フェノール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン、ビスフェノール類等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるシランカップリング剤(B)は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とイミノシランとを反応させてなる化合物である。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ基含有化合物である。反応条件は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
また、上記イミノシランは市販品を用いてもよく製造してもよい。製造条件は特に限定されず、公知の方法、条件で行うことができる。市販品としては、例えば、DYNASILAN1189(テグサジャパン社製)、A−Link15(日本ユニカー社製)、A−1170(日本ユニカー社製)、Y−9669(日本ユニカー社製)、GENIOSIL(XL924、XL926、XL972、XL973、いずれもワッカー社製)等が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂とイミノシランとを混合する割合は、特に限定されないが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が有するエポキシ基の数(X)に対するイミノシランの有するイミノ基の数(Y)の比(Y/X)は、1/4〜1/1であることが好ましく、1/2〜1/1であることが、接着性および貯蔵安定性の点からより好ましい。
本発明の組成物に用いられるポリブタジエンポリオール(C)は、末端にヒドロキシ基を有するブタジエン重合体およびブタジエンと他のモノマー成分との共重合体であれば特に限定されない。
ブタジエンと共重合させるモノマー成分としては、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、更に、硬化触媒を含有するのが好ましい。本発明の組成物に用いられる硬化触媒は、ポリイソシアネート化合物(A)の硬化を促進する触媒であれば特に限定されない。具体的には、例えば、第三級アミン化合物、金属せっけん化合物や金属アルキレート、金属キレート等の金属触媒が挙げられる。
上記金属せっけん化合物としては、具体的には、例えば、スズや亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、コバルト、カルシウム、セリウム、鉄等の有機酸塩を用いることができる。上記金属アルキレートとしては、チタンやジルコニウムのアルコキシド、具体的には、テトラプロポキシチタンやテトラブトキシチタン等、およびこれらの縮合物を用いることができる。
上記金属キレートとしては、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、鉄、コバルト等のキレート、具体的には、アルミニウムアセチルアセトナート等を用いることができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、第三級アミン化合物が好ましい。また、ビスマス有機酸塩およびカルシウム有機酸塩を併用するのも好ましい。
より具体的には、有機カルボン酸ビスマスとしては、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、ネオドデカン酸等のビスマス塩が挙げられる。これらの中でも、オクチル酸ビスマス、2−エチルヘキシル酸ビスマスおよびネオデカン酸ビスマスが好ましい。
樹脂酸ビスマスとしては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸,d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸等の脂環族系有機酸のビスマス塩、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸等の芳香族系有機酸のビスマス塩等が挙げられる。これらの中でも、アビエチン酸ビスマスが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、有機カルボン酸カルシウムとしては、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、ネオドデカン酸等のカルシウム塩が挙げられる。これらの中でも、オクチル酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウムおよびネオデカン酸カルシウムが好ましい。
樹脂酸カルシウムとしては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸,d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸等の脂環族系有機酸のカルシウム塩、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸等の芳香族系有機酸のカルシウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アビエチン酸カルシウムが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物に用いられる基剤(B剤)も同様に、上記ポリブタジエンポリオール(C)と必要により用いられる硬化触媒および各種添加剤を十分に撹拌して得ることができる。
本発明の組成物は、上記硬化剤と上記基材とを混合して使用することができる。
以下、本発明の複層ガラスについて説明する。
本発明の複層ガラスは、上述した本発明の組成物を二次シール材として用いた複層ガラスである。本発明の複層ガラスの好適な態様の一例は、スペーサを介して2枚以上のガラス板が対向して配置され、2枚のガラス板、上記スペーサ、および、上記ガラス板と上記スペーサとの間の一部または全部に設けられる一次シール材により中空層が形成されてなる複層ガラスであって、上記スペーサ外周面と上記一次シール材と上記2枚のガラス板周縁部の内面とにより形成される空隙を本発明の組成物でシールする複層ガラスである。
本発明の複層ガラス10は、二次シール材1を設けられるように、内部に乾燥剤(吸湿材)2を有するスペーサ3をガラス板5の周縁部近傍に設けて、スペーサ3とガラス板5の間に一次シール材7を設けてスペーサ3の外周面と、一次シール材7と、2枚のガラス板5周縁部の内面とにより形成される空隙を本発明の組成物でシール(充填)してなる複層ガラスである。
本発明の複層ガラスにおいて、空気層を形成するガラス板5の間隔は、特に限定されないが、例えば、約6mmまたは約12mmであるのが好ましい。
<実施例1〜4および比較例1〜2>
下記第1表の各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し、第1表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物を用いて、下記の方法によりアルミニウム接着性を評価した。
アルミニウム板の表面に上記各組成物を厚さ5mmとなるように塗布し、20℃、65%RHで24時間放置した後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、接着界面の状態を目視により観察し、接着性を評価した。
第1表中、接着性においては、剥離の状態をCF(凝集破壊)、AF(界面剥離)で示した。
・液状MDI:PAPI135、三菱化成ダウ社製
・可塑剤(ジイソノニルフタレート):DINP、J−plus社製
・カーボンブラック:MA600、三菱化学社製
・第三級アミン/DINP(1/9)混合液:2−メチルトリエチレンジアミン(Methyl−DABCO、エアープロダクツジャパン社製)と、ジイソノニルフタレート(DINP、J−plus社製)とを質量比1/9で混合した混合液
・ビスマス触媒:U660、日東化成社製
・カルシウム触媒:Ca−5B、日本化学産業社製
・シランカップリング剤2(イミノシラン):A1170、日本ユニカー社製
・ポリブタジエンポリオール:R45HT、出光興産社製
・炭酸カルシウム1:白艶華CCR、白石工業社製
・炭酸カルシウム2:ライトンA4、備北粉化工業社製
・シランカップリング剤3(エポキシシラン):A187、日本ユニカー社製
・老化防止剤1:チヌビン327、日本チバガイギー社製
・老化防止剤2:イルガノックス1010、日本チバガイギー社製
2 乾燥剤(吸湿材)
3 スペーサ
5 ガラス板
7 一次シール材
10 複層ガラス
Claims (2)
- ポリイソシアネート化合物(A)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とイミノシランとを反応させてなるシランカップリング剤(B)とを含有する硬化剤と、
ポリブタジエンポリオール(C)を含有する基剤とからなる2液型複層ガラス二次シール材用組成物。 - 請求項1に記載の2液型複層ガラス二次シール材用組成物を二次シール材として用いた複層ガラス。
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