JP2008127421A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)を硬化成分として含有する硬化性組成物である。また、この分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)と添加剤を含有する硬化性組成物である。
【選択図】なし
Description
この変性シリコーン樹脂を使用したシーリング材などの硬化性組成物の耐候性を改良する試みとして、例えば、加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を少なくとも1個有する、特定分子量分布と特定分子量のオキシプロピレン重合体と、ヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系の酸化防止剤とを含有する硬化性組成物(特許文献1参照。)或いは、特定分子量未満の有機系紫外線吸収剤と、特定分子量以上の有機系紫外線吸収剤とを含有する変性シリコーン系シーリング材(特許文献2参照。)などが提案されているが、耐候性の改善が不十分であり、より優れた耐候性を有する硬化性組成物が求められている。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(10)に示すものである。
(1) 分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)を硬化成分として含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
(2) 前記化合物(A)の架橋性シリル基が、ポリ(メタ)アクリル鎖部分に存在する、前記(1)の硬化性組成物。
(3) 前記化合物(A)のポリ(メタ)アクリル鎖が、ポリオキシアルキレン鎖の両側にそれぞれ存在する、前記(1)又は(2)の硬化性組成物。
(4) 前記化合物(A)の架橋性シリル基が、ポリ(メタ)アクリル鎖部分にウレタン結合を介して連結している、前記(1)〜(3)のいずれかの硬化性組成物。
(5) 前記化合物(A)のポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖が、ウレタン結合を介して連結している、前記(1)〜(4)のいずれかの硬化性組成物。
(6) 前記架橋性シリル基が、エトキシシリル基である、前記(1)〜(5)のいずれかの硬化性組成物。
(7) 更に添加剤を含有する、前記(1)〜(6)のいずれかの硬化性組成物。
(8) 前記添加剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である、前記(7)の硬化性組成物。
(9) 前記添加剤が、光硬化性化合物である、前記(7)の硬化性組成物。
(10) 前記添加剤が、艶消し剤である、前記(7)の硬化性組成物。
本発明における分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)は、分子中に存在する架橋性シリル基が大気中の水分(湿気)などの水により加水分解し、次いで縮合してシロキサン結合(−Si−O−Si−)を形成し架橋することにより硬化するものであり、本発明の硬化性組成物において硬化成分として働くものである。そして、化合物(A)の分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖の両方を有していることにより、ポリ(メタ)アクリル鎖に起因して硬化物に対して著しく優れた耐候性を付与すると共に、ポリ(メタ)アクリル鎖による粘度上昇と硬化後の伸び低下をポリオキシアルキレン鎖により防止し、得られる硬化性組成物の作業性を低下させることなく、硬化物に対して高強度で高伸びの優れたゴム弾性物性を維持する効果を与える。この効果は、分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖の両方を有することにより化合物(A)が均質となっているため、顕著に発現するものと推察される。前記の分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)の数平均分子量は、粘度を低めに抑えられ得られる硬化性組成物の作業性を良好にできる点で、1,000〜500,000、さらに5,000〜100,000が好ましい。
また、化合物(A)の1分子中に存在するポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分の量比(ポリ(メタ)アクリル鎖部分の質量/ポリオキシアルキレン鎖部分の質量)は、5/95〜95/5、さらに10/90〜80/20、特に20/80〜80/20であることが好ましい。5/95未満では(メタ)アクリル鎖部分の量が不足して耐候性を向上させることができず、95/5を超えると(メタ)アクリル鎖部分の量が多くなって得られる化合物(A)の粘度が高くなるため作業性が低下し好ましくない。なお、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の数値である。
また、化合物(A)の1分子中に、ポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分が存在すれば、どのように配置していてもよく、例えば、ポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分がそれぞれ1個配置している形態、1個のポリオキシアルキレン鎖部分の両側にポリ(メタ)アクリル鎖部分が2個配置している形態、1個のポリ(メタ)アクリル鎖部分の両側にポリオキシアルキレン鎖部分が2個配置している形態、或いはそれぞれ2個以上のポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分がランダムに並んでいる形態などが挙げられるが、これらのうち耐候性を向上させ、かつ粘度を低く抑えることができる点で、1個のポリオキシアルキレン鎖部分の両側にポリ(メタ)アクリル鎖部分がそれぞれ1個づつ配置している形態が好ましい。
また、ポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分とを連結する結合は、ポリメチレン結合、エステル結合、ウレタン結合、エーテル結合、アミド結合など各種挙げられるが、製造しやすく、硬化後の伸びなどのゴム弾性物性が優れている点で、ウレタン結合が好ましい。
また、ポリオキシアルキレン鎖部分は、ポリオキシエチレンやポリオキシプロピレンなどの各種ポリオキシアルキレンが単一の繰り返しでもよいし、ブロック共重合した形でもよいし、ランダムに共重合した形でもよいが、得られる化合物(A)の粘度を低く抑えられ、ゴム弾性物性も良好となる点で、ポリオキシプロピレン鎖が好ましい。
さらに、化合物(A)は、分子中に架橋性シリル基を有しており、この架橋性シリル基は、ポリ(メタ)アクリル鎖部分に存在している場合と、ポリオキシアルキレン鎖部分に存在している場合と、或いはまたポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分の両方に存在している場合があるが、耐候性が優れている点で、架橋性シリル基はポリ(メタ)アクリル鎖部分に存在していることが好ましい。
(1)重合性不飽和基含有ポリエーテル化合物と、架橋性シリル基含有ビニル系モノマーと、架橋性シリル基を有しないアクリレートモノマーとをラジカル重合する方法、
(2)水酸基及び架橋性シリル基を有するポリ(メタ)アクリル系樹脂と、水酸基含有ポリオキシアルキレン系化合物と、有機イソシアネート化合物とを逐次或いは同時にウレタン化反応する方法、
(3)イソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマー(好ましくは分子末端に複数のイソシアネート基を有するもの)と水酸基及び架橋性シリル基を有するポリ(メタ)アクリル系樹脂とをウレタン化反応する方法、
(4)イソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマー(好ましくは分子末端に複数のイソシアネート基を有するもの)と水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂を反応して得た、分子内に水酸基及びポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分を有する化合物に、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物をウレタン反応する方法。
などがあるが、前記(2)〜(4)のウレタン化反応を利用する方法が、化合物(A)の分子内におけるポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリエーテル鎖部分の量比と、架橋性シリル基の個数を制御し易く分子設計が容易な点、及び合成に特殊な装置を必要とせず、安価に製造することができるという点で好ましく、さらに前記(4)の方法がポリ(メタ)アクリレート鎖部分に確実に架橋性シリル基を連結させて含有させることができ、かつポリオキシアルキレン鎖部分の両側にポリ(メタ)アクリル鎖部分をウレタン結合を介して連結することができ、耐候性が優れている化合物(A)が得られる点で好ましい。
前記(4)の方法をさらに具体的に説明すると、まず活性水素含有ポリオキシアルキレン系化合物と、有機イソシアネート化合物とを活性水素(基)に対しイソシアネート基過剰の条件(h)で反応して、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成し、これに水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂をイソシアネート基に対し水酸基過剰の条件(i)で反応し、分子内に水酸基及びポリ(メタ)アクリル鎖部分とポリオキシアルキレン鎖部分を有する化合物を合成し、さらにこれに架橋性シリル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基が残存する水酸基に対してほぼ当量となる条件(j)でウレタン化反応し、前記化合物(A)を合成することができる。
前記条件(h)としては、NCO/OHの当量比が1.3〜5.0/1.0、さらに1.5〜2.5/1.0が好ましい。NCO/OHの当量比が1.3/1.0未満では粘度が高くなり過ぎ、5.0/1.0を超えると得られる硬化性組成物が脆くなるため好ましくない。
また、前記条件(i)としては、NCO/OHの当量比が0.2〜0.8/1.0、さらに0.3〜0.7/1.0が好ましい。NCO/OHの当量比が0.2/1.0未満では水酸基の含有量が多くなり粘度が上昇し、0.8/1.0を超えると水酸基の含有量が少なくなり架橋性シリル基の導入量を多くすることができず好ましくない。
また、前記条件(j)としては、架橋性シリル基の導入量を適切なものとする点で、NCO/OHの当量比が0.2〜2.0/1.0、さらに0.4〜1.1/1.0が好ましい。
これらの反応は、イソシアネート基あるいは架橋性シリル基が湿気と反応し、化合物(A)の粘度が上昇するのを防止するため、反応容器中で窒素ガスを流すなどして湿気を遮断した状態で、好ましくは50〜120℃の温度で反応させて前記の化合物(A)を合成する。
このウレタン化反応の際には、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができ、また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
高分子量の水酸基含有ポリオキシアルキレン系化合物は、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものであり、開始剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低分子モノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、シュークローズ等の低分子ポリオール類、ビスフェノールA等の多価フェノール類、エチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類などが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
すなわち、高分子量の水酸基含有ポリオキシアルキレン系化合物は、具体的には例えば、ポリオキシエチレンポリオールまたはモノオール、ポリオキシプロピレンポリオールまたはモノオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−ランダムあるいはブロック共重合のポリオールまたはモノオール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシブチレン)−ランダムあるいはブロック共重合のポリオールまたはモノオールなどを挙げることができる。
これらは単独或いは2種以上を混合して使用できるが、これらのうち得られる前記化合物(A)の粘度を低いものとすることができ、硬化物の伸びを高めることができる点で、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンモノオールが好ましく、特にポリオキシプロピレンジオールが好ましい。
なお、高分子量の水酸基含有ポリオキシアルキレン系化合物は、硬化物の高い伸びなどの点から、数平均分子量が1,000〜50,000、さらに5,000〜30,000のものが好ましく、また、1分子当り平均の水酸基の数は1〜8、さらに2〜4、特に2が好ましく、さらに、総不飽和度が0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下で、分子量分布(数平均分子量に対する重量平均分子量の比)が、1.6以下、さらに1.2以下の狭いものが好ましい。
なお、本明細書において数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数値を示す。
前記場合によりイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーの変性用として使用する低分子量の活性水素含有化合物としては、それぞれ数平均分子量が1,000未満の低分子量の、前記高分子量の水酸基含有ポリオキシアルキレン系化合物として例示したものと同様な水酸基含有ポリオキシアルキレン系化合物、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等のポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール類、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクタデシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルコール類などが挙げられれる。
前記有機ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性ポリイソシアネートも使用できる。更に、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどのポリイソシアネートも使用できる。これらは単独でも或いは2種以上混合しても使用できる。これらの有機ポリイソシアネートのうち、得られる前記化合物(A)の粘度を低いものとすることができ、硬化物の耐候性を高めることができる点で、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートが好ましく、さらに脂環式ポリイソシアネートが好ましく、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。
また、前記場合によりイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーの変性用として使用する有機モノイソシアネートとしては、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネートなどが挙げられる。
000mPa・sをそれぞれ超えると、得られる前記化合物(A)の粘度が増大し、硬化性組成物の作業性が悪くなる。
なお、本明細書において、平均水酸基官能数は以下の式(i)により計算した値である。
(式中、OHVは化合物の水酸基価(mgKOH/g)、Mnは化合物の数平均分子量を示す。)
これらは単独或いは2種以上を混合して使用できる。
これらのうち、その他のエチレン性不飽和化合物としては、得られる水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂の粘度を低くでき、耐候性が良好となる点から、アルコール性水酸基を有しないモノ(メタ)アクリレート類が好ましく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
融点30℃以上のアミンとしては、具体的には、第1級アミンのモノアミンとして、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミンなどが挙げられ、ジアミンとして、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサンなどが挙げられる。第2級アミンとしては、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミンなどのモノアミン、N,N′−ジラウリルプロピルアミン、N,N′−ジステアリルブチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルエチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルプロピルアミン、N−ラウリル−N′−ステアリルブチルアミンなどのジアミンが挙げられる。第1級、第2級混合ポリアミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、N−ステアリルプロピレンジアミンなどが挙げられる。第3級アミンとしては、ジメチルベヘニルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、メチルジラウリルアミンなどが挙げられる。また、前述のヒンダードアミン系光安定剤として例示した化合物のうち、融点30℃以上の化合物も挙げられる。
これらのうちで、表面汚染防止効果と艶消し効果の大きな点で、第1級アミンが好ましく、特にステアリルアミンが好ましい。
このケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類、プロピオフェノン、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類、アセト酢酸エチル等のβ−ジカルボニル化合物などが挙げられ、アルデヒド類としては、例えば、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒドなどが挙げられる。
前記と同様の点と、加水分解して生成するものが安全性の高いケトンであるという点で、第1級アミンのケチミン化合物が好ましく、更にステアリルアミンのケチミン化合物が好ましく、特にステアリルアミンと4−メチル−2−ペンタノンから得られるケチミン化合物が好ましい。
これらのうち、ポリ(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、更には前記の化合物(A)の合成に使用されるポリ(メタ)アクリル系ポリオールの合成で例示した重合方法により、同じく例示したエチレン性不飽和化合物のうち水酸基を含有しない化合物を重合して得られる水酸基を含有しないポリ(メタ)アクリル系樹脂で、重量平均分子量が10,000以下、更に1,000〜6,000、Tgが−20℃以下、さらに−90〜−30℃、25℃における粘度が8,000mPa・s以下、さらに200〜6,000mPa・sのものが、硬化性組成物の耐候性を悪化させずに粘度を下げる効果があるため特に好ましい。
可塑剤は、前記化合物(A)100質量部に対して、0〜100質量部、特に5〜50質量部配合するのが好ましい。
硬化促進触媒は、前記化合物(A)100質量部に対して、0.001〜5質量部、特に0.01〜2質量部配合するのが好ましい。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシラン系カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
これらのうち、揺変性付与効果が高い点で脂肪酸表面処理炭酸カルシウムが好ましい。
表面の艶を消すとともに凹凸を付与するものとしては、粒状物やバルーンなどが挙げられ、粒状物としては前記充填剤として挙げたものと同様のもので、粒径が50μm以上の大きなものが挙げられる。
バルーンは中空の物質であり、その形状は球状だけでなく、立方状、直方状、金平糖状など各種あり、また硬化性組成物に対する凹凸付与効果を消失させない程度にバルーンを少し破壊したものも挙げられるが、硬化性組成物の作業性の良さから球状が好ましい。具体的に例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリエチレンバルーン、サランバルーン等の有機系バルーン、或いは無機系化合物と有機系化合物を混合したり積層したりした複合化バルーンなどが挙げられる。
また、これらのバルーンをコーティングしたり表面処理したりしたものも使用でき、例えば、無機系バルーンを前記シランカップリング剤などで表面処理したもの、有機系バルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングしたものなども挙げられる。
これらのうち、意匠性付与効果の大きさの点から、粒状物及び/又はバルーンが好ましく、更に粒状無機系充填剤及び/又は無機系バルーンが好ましく、特に粗粒重質炭酸カルシウム及び/又はセラミックバルーンが好ましい。
粒状物及び/又はバルーンの粒径は、意匠性付与効果の大きさの点から50μm以上、更には100〜1,000μmが好ましい。
本発明の硬化性組成物の製造方法としては、特に限定はされないが、例えば、前記の分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)と、必要に応じ選択した耐候性付与剤、艶消し剤、硬化促進触媒、充填剤、揺変性付与剤などの添加剤を、ステンレス製や鉄製などで湿気を遮断できる攪拌、混合装置に仕込み、常圧下、減圧下、加圧下あるいは窒素ガス気流下などの各種の条件下に、パッチ式あるいは連続式に攪拌、混合して製造することができる。前記攪拌、混合装置としては、プラネタリーミキサー、ニーダー、アジター、ナウタミキサー、ラインミキサーなど各種挙げられる。
製造した硬化性組成物は、湿気により増粘、硬化するものであるため、内容物の貯蔵安定性を保つため湿気を遮断できる容器に詰め、密封して貯蔵するのが好ましい。前記容器としては湿気を遮断できる容器であれば何でもよいが、例えばドラム缶、金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器、紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種の容器が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、硬化後、柔軟なゴム弾性物性を有するにもかかわらず、耐候性に非常に優れ、硬化物表面の塵埃付着汚染がなく、かつ接着性、耐水性に優れているため建築、土木、電気、自動車などの分野における、塗料、接着剤など各種用途に使用できるが、特に防水を目的として、建築物の屋上や床に塗布施工する建築用あるいは土木用の塗膜防水材、あるいは建築物の外壁や土木構築物などの目地に充填して使用する建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
ここにおいて、硬化性組成物の例として1液湿気硬化性シーリング材組成物を示したが、これに限定されるものではない。
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレンジオール(三井化学ポリウレタン社製、PPG−Diol−3000、数平均分子量3,000)を120g仕込み、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(デグサジャパン社製、VESTANAT(登録商標)IPDI、分子量222.3)を18.7g加え(イソシアネート基/水酸基の当量比=2.1)、さらに反応触媒として予めオクチル酸第一錫1gをトルエン9gに溶解して調製しておいたオクチル酸第一錫の10%トルエン溶液を0.2g加えた後、加温して70〜80℃で2時間反応し、イソシアネート基含有量が理論値(2.66質量%)以下になった時点(滴定による実測のイソシアネート基含有量2.58質量%)を反応終点とし、室温まで冷却し中間体のイソシアネート基含有ポリオキシプロピレンウレタンプレポリマーを得た。
次いで、攪拌しながら、この中に水酸基含有ポリアクリル系樹脂(東亞合成社製、UH−2000、重量平均分子量11,500、数平均分子量4,300、水酸基価20.5mgKOH/g)を514g仕込み、さらに反応触媒としてオクチル酸第一錫の10%トルエン溶液を0.2g加えた後、加温して70〜80℃で2時間反応を行い、FTIRによりイソシアネート基の吸収ピークの消失を確認した時点で室温まで冷却し、反応を終了させ水酸基を含有した分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖を有する中間体を得た。
さらに攪拌しながら、この中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(ジーイー東芝シリコーン社製、商品名SILQUEST A−1310、分子量247.3)を17.4gと反応触媒としてオクチル酸第一錫の10%トルエン溶液を0.2g加えた後、加温して70〜80℃で5時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させ、分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−1を得た。
得られた化合物AES−1は、常温で半透明で粘稠な液体であった。
合成例1と同様な加温反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製、プレミノール−S4008、数平均分子量8,000)を320g仕込み、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(デグサジャパン社製、VESTANAT(登録商標)IPDI、分子量222.3)を18.7g加え(イソシアネート基/水酸基の当量比=2.1)、さらに反応触媒としてオクチル酸第一錫の10%トルエン溶液0.2gを加えた後、加温して70〜80℃で2時間反応し、イソシアネート基含有量が理論値(1.09質量%)以下になった時点(滴定による実測のイソシアネート基含有量1.02質量%)を反応終点とし、室温まで冷却し中間体のイソシアネート基含有ポリオキシプロピレンプレポリマーを得た。
次いで、攪拌しながら、この中に水酸基含有ポリアクリル系樹脂(東亞合成社製、UH−2000、重量平均分子量11,500、数平均分子量4,300、水酸基価20.5mgKOH/g)を535g仕込み、さらに反応触媒としてオクチル酸第一錫の10%トルエン溶液0.2gを加えた後、加温して70〜80℃で2時間反応を行い、FTIRによりイソシアネート基の吸収ピークの消失を確認した時点で室温まで冷却し、反応を終了させ分子内に水酸基およびポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖を有する中間体を得た。
さらに攪拌しながら、この中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(ジーイー東芝シリコーン社製、SILQUEST A−1310、分子量247.3)を18.1gと反応触媒としてオクチル酸第一錫の10%トルエン溶液0.2gを加えた後、加温して70〜80℃で5時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基の吸収ピークの消失を確認した時点で室温まで冷却し、反応を終了させ分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−2を得た。
得られた化合物AES−2は、常温で半透明で粘稠な液体であった。
合成例3
加熱装置及びエステル管付き攪拌容器に、加熱溶解したステアリルアミン(花王社製ファーミン80、アミン価207mgKOH/g)を200g入れた後、攪拌しながら4−メチル−2−ペンタノン(分子量100.2)を81g加えた。この中に更にトルエン52gを加えたのち加温して110〜150℃で3時間攪拌を続けて、還流しながらエステル管により副生する水12.5gを除いた。次いで減圧して、過剰の4−メチル−2−ペンタノン及びトルエンを除去して、ステアリルアミンのケチミン化合物を得た。このケチミン化合物は常温で半透明の液体であった。
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素ガスを流しながら、合成例1で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−1を100g仕込み、攪拌しながら、それぞれ予め100〜110℃の乾燥機で乾燥し、水分含有量を0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム40g、酸化チタン10gおよび脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、カルファイン500)74gを順次仕込み、内容物が均一になるまで混合した。次いでヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CHIMASSORB944LD、分子量2000〜3100、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}])を0.5g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイコーポレーション社製、トミノックスTT、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を1.5g、変性エタノール3g、ナフテン系混合溶剤(エクソンモービル社製、エクソールD40)20g、ビニルトリメトキシシラン3g、アミノシランカップリング剤(チッソ社製、サイラエースS310、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)0.8g及び錫キレート触媒(旭硝子社製、EXCESTAR C−501)0.5gを順次添加し、さらに均一になるまで混合した。次いで50〜100hPaで減圧脱泡し、カートリッジ容器に充填、密封して1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例1において、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CHIMASSORB944LD)1.0gを使用した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例1において、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CHIMASSORB944LD)を2.5g使用し、さらに可塑剤として水酸基を有しないポリアクリル系樹脂(東亞合成社製、ARUFON UP−1000、重量平均分子量3,000、Tg−77℃、粘度1,000)を14g添加した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例1において、合成例1で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−1を使用しないで、代わりに合成例2で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−2を100g使用し、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CHIMASSORB944LD)を2.5g使用し、さらに光硬化性化合物としてのポリエステルアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM−8060)を0.3g添加した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例1において、合成例1で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−1を使用しないで、代わりに合成例2で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−2を100g使用し、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CHIMASSORB944LD)を2.5g使用し、さらに合成例3で得たステアリルアミンのケチミン化合物を2g添加した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例1において、合成例1で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−1を使用しないで、代わりに合成例2で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−2を100g使用し、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CHIMASSORB944LD)を2.5g使用し、さらに光硬化性化合物としてのポリエステルアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM−8060)を0.3gと、合成例3で得たステアリルアミンのケチミン化合物を2g添加した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例1において、合成例1で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−1を使用しないで、代わりに架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂(カネカ社製、MSポリマーS203)を100g使用した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
実施例4において、合成例2で得た分子内にポリアクリル鎖とポリオキシプロピレン鎖及びトリエトキシシリル基を有する化合物AES−2を使用しないで、代わりに架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂(カネカ社製、MSポリマーS203)を100g使用した以外は同様にして、1液湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
得られた1液湿気硬化性シーリング材組成物は、常温で白色ペースト状物であった。
前記実施例1〜6と比較例1、2で調製した1液湿気硬化性シーリング材組成物を用いて、以下の試験を行った。
(1)スランプ
JIS A1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の4.1スランプ試験により、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(2)タックフリー
JIS A 1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の4.19タックフリー試験によりタックフリー(時間)を測定した。
(3)硬化物表面の光沢
下記耐候性試験の際に作製した、試験体を切り出す前の硬化後のシートの表面を目視で観察し、表面に艶が認められるものを光沢ありとし、表面に光沢がなく艶のないものを光沢なしとした。
(4)引張接着性
JIS A1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の4.21引張接着性試験により、養生後の試験体について引張り試験をし、50%引張応力M50(N/cm2)、最大引張応力Tmax(N/cm2)、最大荷重時の伸びEmax(%)を求めた。
なお、試験体はモルタル板を被着体とし、プライマー(OP2531、オート化学工業社製)で処理しシーリング材組成物を打設、養生して作製した。
(5)耐候性
シーリング材組成物を離型紙の上にシート状に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させて、厚み3mmのシートを作製し、これから幅50mm×長さ100mmの短冊状に切り出したものを試験体とした。試験体をJIS K6266(1996、確認2001)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの耐候性試験方法」の5.オープンフレームカーボンアーク灯式耐候性試験により、サンシャインウエザオメーターを用いて、SA法(ブラックパネル温度63℃、102分間の照射後、18分間の照射及び水噴霧)の条件で光照射を行った。
照射1000時間後、照射2000時間後、照射3000時間後の試験片表面の外観変化を目視により観察し、試験片表面にクラッキング(き裂)がないか又は少ないものを○、試験片表面にクラッキングが多数あるものを×と評価した。
これらの結果と1液湿気硬化性シーリング材組成物の組成をまとめて表1に示す。
Claims (10)
- 分子内にポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖及び架橋性シリル基を有する化合物(A)を硬化成分として含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
- 前記化合物(A)の架橋性シリル基が、ポリ(メタ)アクリル鎖部分に存在する、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(A)のポリ(メタ)アクリル鎖が、ポリオキシアルキレン鎖の両側にそれぞれ存在する、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(A)の架橋性シリル基が、ポリ(メタ)アクリル鎖部分にウレタン結合を介して連結している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(A)のポリ(メタ)アクリル鎖とポリオキシアルキレン鎖が、ウレタン結合を介して連結している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記架橋性シリル基が、エトキシシリル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 更に添加剤を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記添加剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である、請求項7に記載の硬化性組成物。
- 前記添加剤が、光硬化性化合物である、請求項7に記載の硬化性組成物。
- 前記添加剤が、艶消し剤である、請求項7に記載の硬化性組成物。
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