JP4532033B2 - 硬化性組成物及びシーリング材組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中などの水分により硬化してゴム状弾性体となる、作業性、接着性、耐久性などに優れた硬化性組成物及びシーリング材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建築物用、土木用、自動車用などの防水シーリング材、接着剤、塗料などの硬化性組成物に使用される湿気硬化型の樹脂成分として、一般に変成シリコーン樹脂とよばれている主鎖ポリエーテルで分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂やポリウレタン樹脂などが、作業性や接着性などに優れている点から、広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、建築物、土木、自動車などの分野においては長期に渡って性能を維持する、いわゆる超長寿命化のニーズが高まり、これらに使用されるシーリング材、接着剤、塗料などに対しても、接着性及び耐熱性、耐水性、耐候性などの耐久性のさらなる向上が求められている。変成シリコーン樹脂を含有するシーリング材、接着剤、塗料などにおいては、作業性は良いのであるが、硬化後の伸びや強度がまだ不十分で、耐水性、耐候性、耐熱性などの耐久性に劣るという欠点を有し、さらには変成シリコーン樹脂の合成には特殊な装置を必要とし、製造が困難で高価であるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、上記従来公知技術の問題点を解決して、製造し易く、かつ保存安定性の良い、大気中などの水分により硬化して高い引張り強度と低モジュラスで大きな伸びを有するゴム状弾性体となる、接着性、耐候性、耐熱性並びに特に耐水性などの耐久性に優れた一液湿気硬化型の硬化性組成物及びシーリング材組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、次の(1)〜(9)である。
(1) ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有する硬化性組成物であって、前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記硬化性組成物。
【0006】
(2) ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有する硬化性組成物であって、前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記硬化性組成物。
【0007】
(3) 架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン樹脂を硬化成分として更に含有する、前記(1)又は(2)の硬化性組成物。
【0008】
(4) 第1級及び/又は第2級アミン、或いは水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物を更に含有する、前記(1)〜(3)のいずれかの硬化性組成物。
【0009】
(5) 添加剤を更に含有する、前記(1)〜(4)のいずれかの硬化性組成物。
【0010】
(6) 前記添加剤が、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、揺変剤及び/又は保存安定性改良剤である、前記(5)の硬化性組成物。
【0011】
(7) ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有するシーリング材組成物であって、前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記シーリング材組成物。
【0012】
(8) ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有するシーリング材組成物であって、前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記シーリング材組成物。
【0013】
(9) 架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン樹脂を硬化成分として更に含有する、前記(7)又は(8)のシーリング材組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における硬化成分としての架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系(以下、「アクリル及び/又はメタクリル系」を(メタ)アクリル系という。)樹脂は、ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂とを、好適には、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.8〜1.2/1.0、更に好適には0.9〜1.0/1.0となる範囲で反応させて得られるものである。
このポリオキシアルキレン系イソシアネートは、ポリオキシアルキレンモノオールと、有機ポリイソシアネートと、場合により更にポリオキシアルキレンポリオールとを、イソシアネート基過剰の条件で、好適にはイソシアネート基/水酸基の当量比が1.4〜4.0/1.0、更に好適には1.2〜2.0/1.0となる範囲で反応させて得ることができる。ポリオキシアルキレン系イソシアネートの合成において、ポリオキシアルキレンポリオールを併用する場合、ポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとは、逐次に反応させてもよく、同時に反応させてもよい。具体的には、まず、ポリオキシアルキレンモノオール、ポリオキシアルキレンポリオール又はこれらの一部と、有機ポリイソシアネートとを、水酸基に対しイソシアネート基過剰の条件で反応させてイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系樹脂を合成しておき、次いで、この樹脂と残りのポリオキシアルキレンモノオール、ポリオキシアルキレンポリオール又はこれらの一部とを、水酸基に対しイソシアネート基過剰の条件で反応させるのが好適である。このうち、ポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとを同時に反応させるのが、工程を簡略化できるので更に好ましい。
前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で、好適には、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1〜0.9/1.0、更に好適には0.3〜0.7/1.0となる範囲で反応させて得ることができる。
なお、本発明に関連する架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られる架橋性シリル基及びイソシアネート基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂と、ポリオキシアルキレンモノオールと、場合によりポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとを水酸基過剰の条件で反応させて得られる水酸基含有ポリオキシアルキレン系樹脂とを反応させて得ることができるが、前述した反応工程で得られる樹脂のほうが低粘度になるため好ましい。
これらの反応の際には、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができ、また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0015】
前記ポリオキシアルキレンモノオールとしては、具体的には、活性水素を1個含有するアルキル化合物などを開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンエポキシドを開環付加重合させた、分子内に水酸基を1個含有する高分子量のポリオキシアルキレンモノオールが挙げられる。ポリオキシアルキレンモノオールの数平均分子量は500〜30,000、更には1,000〜10,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満では硬化物のゴム状弾性が低下し、30,000を超えると硬化性組成物の作業性が悪くなる。
また、多価ヒドロキシ化合物を脂肪酸でエステル化した脂肪酸エステルモノオールに前記モノエポキシドを付加重合させた、ポリ(オキシアルキレン)脂肪酸エステルモノオールも挙げられるが、これらのうちポリオキシアルキレンモノオールが好ましく、ポリオキシプロピレンモノオールが更に好ましい。
【0016】
ポリオキシアルキレンモノオールの製造における開始剤としては、水酸基を1個含有するアルキル化合物などが挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、フェノール、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちでは、メタノール、エタノール等の、炭素数5以下の化合物が好ましい。
また、ポリ(オキシアルキレン)脂肪酸エステルモノオールの製造に用いられる脂肪酸としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、カプロン酸、グリコール酸、乳酸、メトキシ酢酸、これらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうちでは、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸等の、炭素数5以下の化合物が好ましい。
【0017】
前記有機ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートが挙げられる。また、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性ポリイソシアネートも使用できる。更に、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどのポリイソシアネートも使用できる。これらの有機ポリイソシアネートのうち、低粘度と生成樹脂の耐候性が高い点などから、脂環式ポリイソシアネートが好ましく、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。
これらは単独でも或いは2種以上混合しても使用できる。
【0018】
前記ポリオキシアルキレンポリオールとしては、アルキレンオキシドを開環付加重合させたものや、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどが挙げられる。
開始剤としては、分子内に2個以上の活性水素を含有する、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、シュークローズ等の低分子アルコール類、ビスフェノールA等の多価フェノール類、エチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類などが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
すなわち、ポリオキシアルキレンポリオールは、具体的には例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−グリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシブチレン)−グリコールを挙げることができ、このうちポリオキシプロピレングリコールが特に好ましい。また、これらの各種ポリオールと、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のポリイソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたものも挙げられる。
これらはいずれも単独或いは2種以上を混合して使用できる。
ポリオキシアルキレンポリオールは、硬化物の高い伸びなどの点から、数平均分子量が1,000〜30,000、更に8,000〜30,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均の水酸基の数は1〜8、特に2〜4が好ましく、更に、総不飽和度が0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下の分子量分布の狭いものが好ましい。
【0019】
前記水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体は、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を少なくとも含有するエチレン性不飽和化合物を重合開始剤の存在下又は不存在下に、そして溶剤の存在下又は不存在下において、バッチ式又は連続重合等の公知のラジカル重合の方法により、好ましくは150〜350℃、更に好ましくは210〜250℃で高温連続重合反応して得られるものが、反応生成物の分子量分布が狭く低粘度になるため好適である。水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体は水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を単独で重合して得られるものであってもよく、この2種以上を共重合して得られるものであってもよく、更に、これらそれぞれの1種又は2種以上とこれら以外のエチレン性不飽和化合物とを共重合して得られるものであってもよい。これらのうち、水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体の水酸基の含有量を調節することが容易で、硬化樹脂の物性を選択しやすい点から、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体の1種又は2種以上とこれら以外のエチレン性不飽和化合物の1種又は2種以上とを共重合して得られるものが好ましい。この共重合の際、それぞれ1種又は2種以上の水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を、水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体1分子当たり平均水酸基官能数が1.1〜10個含有するように使用するのが好ましく、更に好ましくは1.2〜6個、特に好ましくは1.5〜3個含有するように使用するのが好ましい。平均水酸基官能数が10個を超えると、硬化後の物性が硬くなり過ぎてゴム状弾性がなくなる。このうち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000〜30,000、更に1,000〜15,000、Tgが0℃以下、更に−70〜−20℃、特に−70〜−30℃、25℃における粘度が100, 000mPa・s以下、特に50, 000mPa・s以下の水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体が好ましい。数平均分子量30, 000、Tg0℃、25℃における粘度100, 000mPa・sをそれぞれ超えると、硬化性組成物の作業性が悪くなる。
【0020】
水酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基との反応性の良さ、および得られる架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂の粘度の低さから、アルコール性水酸基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましく、具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート等の多価アルコールのモノ又は水酸基残存ポリアクリレート類、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等の多価アルコールのモノ又は水酸基残存ポリメタクリレート類、シクロヘキセンオキシドとアクリル酸との付加物等のエポキシドとアクリル酸との付加物、シクロヘキセンオキシドとメタクリル酸との付加物等のエポキシドとメタクリル酸との付加物などが挙げられる。
その他のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、クロルスチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ベンジル、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、エトキシ化フェノールアクリレート、エトキシ化パラクミルフェノールアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、プロポキシ化ノニルフェノールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、イソボルニルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、アクリル酸ダイマー、ポリエステルポリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンジアクリレート、ジンクジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ジンクメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。これらのうち、エチレン性不飽和化合物としては、耐候性と共に硬化後の特性などの点から、アクリル酸エステル系化合物のモノマー、メタクリル酸エステル系化合物のモノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル等の(メタ)アクリル系化合物が好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが更に好ましい。
これらは単独或いは2種以上を混合して使用できる。
【0021】
前記架橋性シリル基含有イソシアネート化合物は、分子内に1個以上のイソシアネート基と1個以上の架橋性シリル基を少なくとも含有すればよいが、反応の制御のしやすさ、硬化後のゴム弾性が良好な点から、分子内に1個のイソシアネート基と1個の架橋性シリル基を含有する化合物が好ましい。架橋性シリル基は、製造しやすく架橋しやすい次の一般式で示されるものが好ましい。
【0022】
【化1】
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基が最も好ましい。aは0、1又は2の整数であり、0又は1が最も好ましい。)
【0023】
架橋性シリル基含有イソシアネート化合物としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラン、イソシアネートトリメトキシシラン、ジイソシアネートジメトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましい。
これらは単独で或いは2種以上混合して使用できる。
【0024】
本発明における架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂としては、ポリオキシアルキレン重合体に公知の方法で架橋性シリル基を導入した樹脂が挙げられ、具体的には例えば、架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン樹脂、架橋性シリル基含有ポリオキシエチレン樹脂、架橋性シリル基含有ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)ランダム共重合樹脂又はブロック共重合樹脂、架橋性シリル基含有ポリオキシテトラメチレン樹脂、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン樹脂が最も好ましい。
この架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂は、具体的には、前記水酸基含有ポリオキシアルキレン重合体と、前記架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と、場合により更に他の有機イソシアネートとを、反応させて好適に得ることができる。更に具体的には、水酸基含有ポリオキシアルキレン重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と場合により更に他の有機イソシアネートとは、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1以上/1.0、更には0.5〜1.5/1.0、特に0.5〜1.0/1.0の範囲で反応させるのが好ましい。イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1/1.0を下まわると、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂に架橋基が少なく、水酸基が多く残るため、硬化物のゴム弾性が小さく、特に耐水性が悪くなる。
この反応の際にも、前記公知のウレタン化触媒や有機溶媒を用いることができる。
【0025】
本発明の硬化性組成物において、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂/架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂の存在割合は、10重量部/90重量部〜100重量部/0重量部、更に20重量部/80重量部〜100重量部/0重量部、特に50重量部/50重量部〜100重量部/0重量部であることが好ましい。
【0026】
本発明における第1級及び/又は第2級アミンは、第1級アミンとしては、モノアミンとして、ブチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリンなどを挙げることができ、ジアミンとして、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロへキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミンなどを挙げることができ、ポリアミンとして、トリ(メチルアミノ)へキサンなどを挙げることができる。第2級アミンとしては、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミンなどのモノアミン、N,N′−ジラウリルプロピルアミン、N,N′−ジステアリルブチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルエチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルプロピルアミン、N−ラウリル−N′−ステアリルブチルアミンなどのジアミンを挙げることができる。その他のアミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、N−ステアリルプロピレンジアミンなどを挙げることができる。第1級、第2級混合ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチルアミノプロピルアミンなどを挙げることができる。これらのうちで、特に第1級アミンのステアリルアミンとヘキサメチレンジアミンが好ましい。融点が35℃未満のものは、耐熱性、特に夏期の高温で軟化しやすく、融点が100℃を越えるものはシーリング材表面が固く、脆くなりやすく、シーリング材の基本特性である弾性を損ねやすいので、第1級及び/又は第2級アミンは融点が35℃以上、特に40〜100℃のものが好ましい。
第1級及び/又は第2級アミンは、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂との合計100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部使用するのが好ましい。
第1級及び/又は第2級アミンは融点が35℃以上のもの或いは分子内に1個以上の窒素原子と2個以上の窒素原子結合活性水素を含有するものが、本発明のシーリング材の硬化物の表面光沢度を低下させ、表面艶消し能力が大きいため、表面艶消しをした外壁材のシーリングに使用すると、シーリングの目地が目立たず、外壁材の特徴的美観を損なわないので好ましい。
第1級及び/又は第2級アミンを使用すると、シーリング材硬化後の表面の粘着をなくし、埃などの付着による汚染を防止する効果がある。
【0027】
本発明における水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物は、具体的には、原料入手の容易性、貯蔵安定性、水との反応性などの点から、第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物を好適に例示することができる。これらのケチミン化合物、エナミン化合物、アルジミン化合物はそれぞれ、ケトン類あるいはアルデヒド類と前記第1級及び/又は第2級アミンとの脱水反応により得ることができる。
このケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類、プロピオフェノン、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類、アセト酢酸エチル等のβ−ジカルボニル化合物等が挙げられ、アルデヒド類としては、例えば、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記と同様の点から、このうち4−メチル−2−ペンタノンが好ましい。
第1級及び/又は第2級アミンは融点が35℃以上のもの或いは分子内に1個以上の窒素原子と2個以上の窒素原子結合活性水素を含有するものが、本発明のシーリング材の硬化物の表面光沢度を低下させ、表面艶消し能力が大きいため、表面艶消しをした外壁材のシーリングに使用すると、シーリングの目地が目立たず、外壁材の特徴的美観を損なわないので好ましい。
水と反応して生成する第1級及び/又は第2級アミンが架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂との合計100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部となる量使用するのが好ましい。
水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物を使用すると、シーリング材硬化後の表面の粘着をなくし、埃などの付着による汚染を防止する効果がある。
【0028】
次に、本発明の硬化性組成物における添加剤について説明する。
本発明における添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、揺変剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤等が挙げられる。
【0029】
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げて作業性を改善するために使用され、酸化防止剤、紫外線吸収剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができる。
【0030】
可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン、前記の架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂の合成に使用されるポリオキシアルキレンポリオールをエーテル化又はエステル化などした水酸基を含有しないポリオキシアルキレン類、中でもシュークロースなどの糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールをエーテル化又はエステル化などした水酸基を含有しない糖類系ポリオキシアルキレン類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、中でも前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂の合成に使用される水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体で例示した重合方法により、同じく例示したエチレン性不飽和化合物のうち水酸基を含有しない化合物を重合して得られる水酸基を含有しないポリ(メタ)アクリル系樹脂で、数平均分子量が500〜2,000、Tgが−70〜−20℃、好ましくは−70〜−30℃、25℃における粘度が5,000mPa・s以下のポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水素添加ポリブテン等のオリゴマー類などのイソシアネート基と反応しない可塑剤や、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ系可塑剤、2塩基酸と2価アルコールからのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤、ポリオキシプロピレングリコール等の水酸基含有のポリエーテル類等のイソシアネート基と反応する可塑剤が挙げられる。可塑剤は、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂との合計100重量部に対して10〜300重量部、特に30〜150重量部配合するのが好ましい。
【0031】
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N.N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物が挙げられる。また、旭電化工業社製、商品名アデカスタブLA−63P、LA−68LDなどの高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤も挙げられる。
【0032】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
【0033】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0034】
酸化防止剤、紫外線吸収剤はそれぞれ、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂との合計100重量部に対して、0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部配合するのが好ましい。
【0035】
架橋触媒は、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と場合により更に架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂を架橋(硬化)させるための触媒であり、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられるが、このうち架橋速度にすぐれた有機錫化合物が好ましい。この有機錫化合物は具体的には、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート等であるが、このうち架橋速度が高く、毒性及び輝発性の比較的低い液体である点から、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが最も好ましい。
架橋触媒は、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂との合計100重量部に対して、0.01〜10重量部、特に0.1〜5重量部配合するのが好ましい。
【0036】
充填剤、カップリング剤、揺変剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤等は、接着性向上、補強、だれ防止等のために必要に応じて、本発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
【0037】
充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、スレート粉、マイカ、カオリン、ゼオライト、珪藻土、脂肪酸処理炭酸カルシウム等が挙げられ、粒径0.01〜100μmのものが好ましく、このうち脂肪酸処理炭酸カルシウムが更に好ましい。
また、硬化性組成物及びシーリング材組成物の比重を軽くしたり、硬化表面にざらつき感を与えて意匠性を付与する充填剤として、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーンなどの無機系材質の各種バルーン(微小中空体)或いはフェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、サランなどの有機系材質の各種バルーンで粒径が50〜400μmのものが挙げられる。
【0038】
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などのものを挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤が接着性に優れているので好ましい。
シラン系カップリング剤としては、具体的には、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物を挙げることができる。
【0039】
揺変剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉、前記脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられる。
【0040】
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応する、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0041】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0042】
充填剤、カップリング剤、揺変剤、保存安定性改良剤、及び着色剤の合計の配合量は、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂と架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂との合計100重量部に対して0〜500重量部、特に50〜300重量部の範囲が好ましい。
【0043】
本発明の硬化性組成物において、前記各成分はそれぞれ1種類又は2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
本発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤で架橋性シリル基とイソシアネート基に反応しないものであればどのようなものでも、単独或いは2種以上を混合して使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
【0045】
なお、本発明の硬化性組成物は作業性の点から1液湿気硬化型として使用するのが好ましいが、本発明の硬化性組成物を主剤とし、水などの硬化剤を混合して硬化させる2液硬化型としても使用できる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。
ここにおいて、硬化性組成物の例として硬化性組成物とシーリング材組成物を示したが、これに限定されるものではない。
【0047】
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、ポリオキシプロピレンモノオール(数平均分子量2,970、旭硝子社製PML−1003)を1000g(OH当量:0.34)仕込み、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(ダイセル・ヒュルス社製IPDI、分子量222.3)74.9g(NCO当量:0.67)(R値(NCO当量/OH当量)=2.0)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌を行い、イソシアネート基含有量が理論値(1.32質量%)以下となった時点で(滴定による実測イソシアネート基含有量は1.31質量%)、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたポリオキシプロピレン系イソシアネートは、粘度1,850mPa・s/25℃の常温で透明の液体であった。この樹脂をOI−1と称する。
【0048】
合成例2
合成例1と同様な加温反応容器に、ポリオキシプロピレンモノオール(数平均分子量2,970、旭硝子社製PML−1003)を804.3g(OH当量:0.27)と、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量16,000、総不飽度0.02meq/g、旭硝子社製PML−4016)を138.5g(OH当量:0.017)仕込み、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(ダイセル・ヒュルス社製IPDI、分子量222.3)64.1g(NCO当量:0.58)(R値(NCO当量/OH当量)=2.0)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌を行い、イソシアネート基含有量が理論値(1.21質量%)以下となった時点で(滴定による実測イソシアネート基含有量は1.16質量%)、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたポリオキシプロピレン系イソシアネートは、粘度4,400mPa・s/25℃の常温で透明の液体であった。この樹脂をOI−2と称する。
【0049】
合成例3
合成例1と同様な加温反応容器に、水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系重合体(数平均分子量4,930、重量平均分子量13,000、水酸基価20.5mgKOH/g、平均水酸基数1.8個、東亞合成化学工業社製UH−2000)を800g(OH当量:0.29)仕込み、攪拌しながら3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製Y−5187、分子量205.4)30g(NCO当量:0.146)(R値(NCO当量/OH当量)=0.5)とジブチル錫ジラウレート0.08gを加えたのち、加温して70〜80℃で3時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたトリメトキシシリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、常温で透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00質量%、粘度14,000mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をA−1と称する。
【0050】
合成例4
合成例1と同様な加温反応容器に、ポリオキシプロピレン系イソシアネートOI−1を360.8g(NCO当量:0.113)仕込み、攪拌しながらトリメトキシシリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1を639.2g(OH当量:0.111)(R値(NCO当量/OH当量)=1.0)とジブチル錫ジラウレートを1.0g加えたのち、加温して70〜80℃で6時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、常温で透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00質量%、粘度21,300mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をOA−1と称する。
【0051】
合成例5
合成例1と同様な加温反応容器に、ポリオキシプロピレン系イソシアネートOI−2を364.5g(NCO当量:0.101)仕込み、攪拌しながらトリメトキシシリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1を636.4g(OH当量:0.11)(R値(NCO当量/OH当量)=0.92)とジブチル錫ジラウレートを1.0g加えたのち、加温して70〜80℃で3時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、常温で透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00質量%、粘度31,000mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をOA−2と称する。
【0052】
合成例6
合成例1と同様な加温反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量16,000、総不飽度0.02meq/g、旭硝子社製PML−4016)を800g(OH当量:0.1)仕込み、攪拌しながら3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製Y−5187、分子量205.4)を16.4g(NCO当量:0.08)(R値(NCO当量/OH当量)=0.8)とジブチル錫ジラウレートを0.08g加えたのち、加温して70〜80℃で1時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂は、常温で透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00質量%、粘度16,500mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をO−1と称する。
【0053】
合成例7
加熱装置及びエステル管付き攪拌容器に、加熱溶解したステアリルアミン(花王社製ファーミン80、アミン価207)を500g入れた後、攪拌しながら4−メチル−2−ペンタノン(分子量100.2)を203g加えた。この中に更にトルエン130gを加えたのち加温して110〜150℃で3時間攪拌を続けて、エステル管により水29.9gを脱水した。次いで減圧して、過剰の4−メチル−2−ペンタノン及びトルエンを除去して、ステアリルアミンのケチミン化合物を得た。このケチミン化合物は常温で半透明の液体であった。
【0054】
実施例1
混練容器に、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200gとジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220)0.2gを仕込み、攪拌、混合して硬化性組成物を調製した。
【0055】
実施例2
実施例1において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1の代わりに、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−2を使用した以外は同様にして、硬化性組成物を調製した。
【0056】
実施例3
加熱、冷却装置付き混練容器に、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)4g、ヒンダードアミン系酸化防止剤:下記化学式(A)で示される化合物(旭電化工業社製アデカスタLA−63P)2.5g、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN 327)2.5gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。その後110℃で1時間滅圧脱水を行い、冷却後、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220)0.2gを仕込み、攪拌、混合して硬化性組成物を調製した。
【0057】
【化2】
【0058】
実施例4
実施例3において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1の代わりに、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−2を使用した以外は同様にして、硬化性材組成物を調製した。
【0059】
比較例1
実施例1において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1の代わりに、トリメトキシシリル基(及び水酸基)含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1を使用した以外は同様にして、硬化性組成物を調製した。
【0060】
比較例2
実施例3において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1の代わりに、トリメトキシシリル基(及び水酸基)含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1を使用した以外は同様にして、硬化性組成物を調製した。
【0061】
〔性能試験〕
前記実施例1〜4と比較例1、2で調製した硬化性組成物を用いて、以下の試験を行った。
(1)耐候性
硬化性組成物をシート状にし、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させて、厚み5mmのシートを作製し、JIS K6266:1996に準じてサンシャインウエザオメーターを用いて、照射100時間後、照射500時間後、照射1000時間後、照射2000時間後、照射3000時間後、照射5000時間後の試験片表面の状態を目視により観察した。
試験片表面にヘアクラックがないか又は少ないものを○、試験片表面にヘアクラックが多数あるものを×と評価した。
(2)引張試験
硬化性組成物をシート状にし、23℃、50%相対湿度で14日間養生させて、厚み3mmのシートを作製し、JIS K 6301(1995)、3.引張試験に準じて、ダンベル状試験片を用いて養生後の引張試験をした。
引張強さ(TB )は3.0N/cm2 以上のものを○、3.0N/cm2 未満のものを×として評価し、伸び(EB )は100%以上のものを○、100%未満のものを×と評価した。
これらの結果と硬化性組成物の組成をまとめて表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例5
加熱、冷却装置付き混練容器に、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)4g、ヒンダードアミン系酸化防止剤:前記化学式(A)で示される化合物(旭電化工業社製アデカスタブLA−63P)2.5g、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN 327)2.5g、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製N−2)200g、脂肪酸アマイド(花王社製脂肪酸アマイドS)4.5gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。その後110℃で1時間滅圧脱水を行い、冷却後、ビニルトリメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS210)6g、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220)0.2g及びN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS310)2gを仕込み、攪拌、混合してシーリング材組成物を調製した。
【0064】
実施例6
実施例5において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1の代わりに、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−2を使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0065】
実施例7
実施例5において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200gの代わりに、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1を133.3gとトリメトキキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂O−1を66.7g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0066】
比較例3
実施例5において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200gの代わりに、トリメトキシシリル基(及び水酸基)含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1を200g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0067】
比較例4
実施例5において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200gの代わりに、トリメトキシシリル基(及び水酸基)含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1を133.3gとトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂O−1を66.7g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0068】
実施例8
実施例5において、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1 200gの代わりに、トリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂OA−1を133.3gとトリメトキキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂O−1を66.7g使用し、更にステアリルアミン(花王社製ファーミン80、アミン価207)を3g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0069】
実施例9
実施例8において、ステアリルアミン3gの代わりに、ステアリルアミンのケチミン化合物4gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0070】
〔性能試験〕
前記実施例5〜7と比較例3、4で調製したシーリング材組成物を用いて、以下の試験(1)〜(3)及び(6)を行い、前記実施例8、9で調製したシーリング材組成物を用いて、以下の試験(1)〜(6)を行った。
(1)耐候性
シーリング材組成物をシート状にし、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させて、厚み5mmのシートを作製し、JIS K6266:1996に準じてサンシャインウエザオメーターを用いて、照射100時間後、照射500時間後、照射1000時間後、照射2000時間後、照射3000時間後、照射5000時間後の試験片表面の状態を目視により観察した。
試験片表面にヘアクラックがないか又は少ないものを○、試験片表面にヘアクラックが多数あるものを×と評価した。
(2)押出し性
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して測定した(測定温度23℃)。
(3)スランプ
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(4)汚染性
厚さ5mmのスレート板を使用し、深さ5mm、幅25mm、長さ150mmの目地を作製し、その目地にシーリング材組成物を打設し、余分のシーリング材をヘラでかきとり、表面を平らにしたものを、23℃、50%相対湿度で3日間養生硬化し試験体を作製した。
養生硬化後の試験体を屋外に1ケ月間暴露した後、表面に黒色珪砂(粒径70〜110μm)をふりかけ、直ちに試験体を裏返し、底面を手で軽く叩き余分の黒色珪砂を落とした。表面に付着して残った黒色珪砂(汚れ)の状態を目視により観察し、養生後の汚染性を判定した。
判定基準
○:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂の付着がなくきれいな状態
×:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂が多量に付着し黒く汚れた状態
(5)表面光沢度
シーリング材組成物をシート状に硬化させ、23℃、50%相対湿度で7日間養生硬化させて、厚み5mmのシートを作製した。
このシートの表面の艶を60度鏡面光沢度計を使用して測定した。なお、表面光沢度の数値が小さいほど光の反射率が低く、表面の艶が消えていることを示す。
(6)引張接着性
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.21引張接着性試験」に準拠し、養生硬化後、養生硬化後23℃の水に7日間浸漬処理後、養生硬化後80℃で14日間加熱処理後それぞれの試験体に付いて引張り試験した。
なお、試験体は、スレートをプライマー(OP2531、オート化学工業社製)で処理しシーリング材組成物を打設、養生硬化して作製した。
モジュラスは、50%引張応力(M50)の値が4.0N/cm2 以上のものを○、4.0N/cm2 未満のものを×と評価した。
伸びは、引張試験において、Emaxが200%以上のものを○、200%未満のものを×と評価した。
これらの結果とシーリング材組成物の組成をまとめて表2及び3に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明における架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン−ポリ(メタ)アクリル系樹脂は硬化後、低モジュラスで伸びが大きく且つ引張り強度などが高いため、これを含有する硬化性組成物は保存安定性と作業性に優れており、更に、硬化後の接着性などが優れている。また、本発明の硬化性組成物は、前記特性に加えて耐候性や耐熱性並びに特に耐水性などの耐久性に優れているため、最近の建築物、土木、自動車などの超長寿命化、高性能化に十分適応することができる。そのため、本発明の硬化性組成物は、建築用、土木用、自動車用などの接着剤、防水材、シーリング材、特に建築物外壁目地用、土木目地用、自動車目地用などの超長寿命化、高性能のシーリング材に適している。
Claims (9)
- ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有する硬化性組成物であって、
前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記硬化性組成物。 - ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有する硬化性組成物であって、
前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記硬化性組成物。 - 架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン樹脂を硬化成分として更に含有する、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 第1級及び/又は第2級アミン、或いは水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 添加剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記添加剤が、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、揺変剤及び/又は保存安定性改良剤である、請求項5に記載の硬化性組成物。
- ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有するシーリング材組成物であって、
前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記シーリング材組成物。 - ポリオキシアルキレン系イソシアネートと、架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂とを反応させて得られる、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン−ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂を硬化成分として含有するシーリング材組成物であって、
前記ポリオキシアルキレン系イソシアネートがポリオキシアルキレンモノオールとポリオキシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものであり、かつ、前記架橋性シリル基及び水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が水酸基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを水酸基過剰の条件で反応させて得られるものであること、を特徴とする前記シーリング材組成物。 - 架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン樹脂を硬化成分として更に含有する、請求項7又は8に記載のシーリング材組成物。
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