JP4904711B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、使用する硬化剤の活性水素を化学的にブロッキングして湿気潜在性とすれば、硬化剤をイソシアネート化合物とともに同一容器中に充填して1液型として保存し、使用することができることが知られている。このような1液型の湿気硬化性ポリウレタン組成物は、主剤と硬化剤とを作業時に混合する2液型に比べて作業性が格段に向上するため、有用性が高い。
このようなイソシアネート化合物とケチミン化合物とを用いた硬化性樹脂組成物が、種々提案されている。例えば、特許文献1には、分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に、第二級炭素または第三級炭素が結合した構造のイソシアネート化合物(A)と、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有し、ケチミン炭素または窒素の少なくとも一方のα位に、分岐炭素原子または環員炭素原子が結合した構造のケチミン化合物(B)と、ウレタン化合物で表面処理された炭酸カルシウム(C)と、式−CONH−Si≡で表される官能基を有するN−シリルアミド化合物(E)とを含有する一液型湿気硬化性樹脂組成物が記載されている。
そこで、本発明は、接着性に優れる硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、2官能以上のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物を用いると、難接着材料に対する接着性が貯蔵後においても優れたものになることを見出し、本発明を完成させた。
(i)分子内のすべてのイソシアネート基に第二級炭素原子または第三級炭素原子が結合した構造のイソシアネート化合物(A)と、
ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン結合を有し、ケチミン炭素または窒素の少なくとも一方のα位に、分岐炭素原子または環員炭素原子が結合した構造のケチミン化合物(B)と、
ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物(C)と
を含有し、
前記化合物(C)の含有量が、前記イソシアネート化合物(A)100質量部に対して、1〜30質量部である、硬化性樹脂組成物。
(ii)更に、エポキシ樹脂(D)を含有する上記(i)に記載の硬化性樹脂組成物。
(iii)更に、下記式(1)で表される官能基を有するN−シリルアミド化合物(E)を含有する上記(i)または(ii)に記載の硬化性樹脂組成物。
−CONH−Si≡ (1)
(iv)更に、ウレタン化合物で表面処理された炭酸カルシウム(F)を含有する上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(v)更に、下記式(2)で表されるシリルエステル基を少なくとも一つ有するシリルエステル化合物(G)を含有する上記(i)〜(iv)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
−Si−(OCOR1)k (2)
(式(2)中、R1は水素原子または炭素原子数1〜25のアルキル基を表し、kは1〜3の整数を表す。)
本発明の硬化性樹脂組成物は、分子内のすべてのイソシアネート基に第二級炭素原子または第三級炭素原子が結合した構造のイソシアネート化合物(A)と、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン結合を有し、ケチミン炭素または窒素の少なくとも一方のα位に、分岐炭素原子または環員炭素原子が結合した構造のケチミン化合物(B)と、2官能以上のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物(C)とを含有する。
イソシアネート化合物(A)は、分子内のすべてのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素原子または第三級炭素原子が結合した構造のイソシアネート化合物である。第二級炭素原子または第三級炭素原子に結合するNCO基以外の基は特に限定されず、O、S、N等のヘテロ原子を含んでいてもよい。第二級炭素原子または第三級炭素原子に結合する二つまたは三つの基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
このようなイソシアネート化合物(A)としては、具体的には、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。2種以上の混合物であってもよい。
また、上記式(3)中、pが1であるモノイソシアネート化合物は、通常、pが2以上の整数であるポリイソシアネート化合物と混合して用いられる。
また、ウレタンプレポリマーの合成に用いられる活性水素含有化合物としては、例えば、ポリオールが好適に挙げられる。ポリオールは、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格等を特に限定されない。具体的には、例えば、低分子多価アルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリマーポリオール等の一般的にポリオールとして用いられるものを広く用いることができる。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオールが挙げられる。
ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、例えば、ビスフェノールA(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。縮合系ポリエステルポリオールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
上述したポリオールは2種以上併用することができる。
イソシアネート化合物(A)以外の一般的なイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。このような一般的なイソシアネート化合物は、貯蔵安定性を低下させるので、その使用量は、上記イソシアネート化合物(A)に対して10モル%未満とするのが好ましい。
本発明においては、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有する化合物をケチミン化合物という。したがって、本発明においては、「ケチミン化合物」は、−HC=N結合を有するアルジミン化合物も含む。
ケチミン化合物(B)としては、具体的には、例えば、上述した嵩高い基が結合したケチミン結合を分子内に2個以上有するケチミンが好適に挙げられる。
これらのうち、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ジェファーミンEDR148、ポリアミドアミンを用いることが好ましい。
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、ジェファーミンEDR148とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、ノルボルナンジアミン(NBDA)とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、メタキシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、ポリアミドアミン(X2000)とから得られるもの等が好適に例示される。
これらのうち、MIPKまたはMTBKと、NBDAとから得られるもの、MIPKと1,3BACとから得られるものが、優れた硬化性を発現する理由から好ましく、MIPKまたはMTBKと、X2000とから得られるものが、湿潤面に対し優れた接着性を発現するため好ましく用いられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物が後述するエポキシ樹脂(D)を含有する場合は、イソシアネート化合物(A)のイソシアネート基およびエポキシ樹脂(D)のエポキシ基の合計とケチミン化合物(B)のケチミン結合との量((NCO+エポキシ基)/C=N)が、当量比で、0.01〜4となる量であるのが好ましく、0.8〜2.0となる量であるのがより好ましい。
上記範囲であると、貯蔵安定性および速硬化性のいずれにも良好な硬化性樹脂組成物が得られる。
これに対し、本発明に用いられるケチミン化合物(B)は、ケチミン窒素の近傍またはケチミン窒素に、嵩高い基を有しており、ケチミン窒素は置換基で保護されている。即ち、立体障害により、その塩基性は大幅に弱められており、優れた貯蔵安定性を発現する。
更に、本発明に用いられるケチミン化合物(B)は、使用時には、空気中の湿気と接触することにより、容易に原料のアミンとケトンまたはアルデヒドに分解され、その際、生成した活性なアミンにより、優れた硬化性を発現する。
これに対して、本発明においては、上記のような特定構造のケチミン化合物(B)と、イソシアネート基に嵩高い基が結合したイソシアネート化合物(A)と、後述する特定の化合物(C)を組み合わせることによって、硬化性と貯蔵安定性とを極めて高いレベルで両立させることが可能である。
化合物(C)は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物である。
具体的には、例えば、ポリイソシアネート化合物とマロン酸エステルとを、所望の反応比となるような量比で混合させ、20〜100℃でかくはんすることにより、上記反応を行うことができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、エポキシ樹脂(D)を含有するのが好適な態様の一つである。エポキシ樹脂(D)を含有することにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、モルタル、金属等に対しても優れた接着性を発現することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(D)を含有しても、本発明の硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性がよく、速硬化性に優れる。
エポキシ樹脂(D)としては、具体的には、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびその誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。これらのうち、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が、汎用のエポキシ樹脂であることから好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、下記式(1)で表される官能基を有するN−シリルアミド化合物(E)を含有するのが好適な態様の一つである。
N−シリルアミド化合物(E)は、容易に加水分解し、アミド化合物(−CONH2基含有化合物)とシラノール化合物(HO−Si≡基含有化合物)とを生成する。そのため、N−シリルアミド化合物(E)を含有する硬化性樹脂組成物の水分を容易に除去することができ、貯蔵安定性の向上に寄与する。また、生成したアミド化合物はチクソ性を向上させる役割をする。
したがって、本発明の硬化性樹脂組成物においては、N−シリルアミド化合物(E)が含有されることにより、チクソ性が向上し、かつ、貯蔵後においても高いレベルのチクソ性が維持される。これにより、優れた作業性が得られる。
R2は炭素原子数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、これらのうち、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基であることが好ましい。
上記カルボン酸アミドとしては、具体的には、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などの直鎖飽和脂肪酸;カプロレイン酸、オレイン酸、セトレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸;安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族カルボン酸等から選ばれるカルボン酸のアミド誘導体、またはこれらの2種以上を組み合わせたものが挙げられる。
上記N−シリルアミド化合物(E)は、後述する炭酸カルシウム(F)を含有する硬化性樹脂組成物に含ませると、少量の添加でチクソ性を付与することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂(D)を含有する場合は、イソシアネート化合物(A)およびエポキシ樹脂(D)の合計100質量部に対して、0.5〜30質量部であるのが好ましく、1〜20質量部であるのがより好ましい。
N−シリルアミド(E)の含有量がこの範囲であると、物性に悪影響を与えることなく貯蔵安定性を改善することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更にウレタン化合物で表面処理された炭酸カルシウム(F)を含有するのが好適な態様の一つである。
従来、チクソ性付与のために、一液型硬化性組成物のウレタン一液型シーラント等に配合される炭酸カルシウムは、貯蔵安定性と濡れ性の観点から、脂肪酸や脂肪酸エステルで表面処理されることが行われていた。しかしながら、これらの表面処理された炭酸カルシウムを用いても、貯蔵安定性が良好でないという問題があった。
本発明では、ウレタン化合物で表面処理された炭酸カルシウム(F)を用いるのが好ましい。このような表面処理炭酸カルシウムを用いると、得られる本発明の硬化性樹脂組成物が貯蔵安定性に優れたものとなり、硬化性も良好となる。
上記イソシアネート化合物としては、芳香族系、脂肪族系、脂環系、もしくはこれらの2種以上を混合したものを用いることができる。
上記ポリオール化合物としては、第一級アルコール、第二級アルコール、フェノール等のアルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、炭素−炭素結合よりなる主鎖を有するポリマーポリオールなどの一般的にポリオールとして用いられるものを広く用いることができる。
モノイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、フェニルイソシアネート、ステアリルイソシアネートが挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4、4′ージフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート;キシレンジイソシアネート等のアリール脂肪族イソシアネート;上記各イソシアネートの変性イソシアネートが挙げられる。
テトライソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、上記ジイソシアネート化合物等と、ジアルコールとの反応により得られるジウレタンと、更に2分子のジイソシアネートとの反応により得られる1分子に4個のイソシアネート基を持つ化合物が挙げられる。
これらのイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネート化合物とアルコールの組み合わせとしては、特に、トリレンジイソシアネートとステアリルアルコールとの組み合わせが好ましい。
上述のイソシアネート化合物とカルボン酸の組み合わせとしては、特に、トリレンジイソシアネートとステアリン酸との組み合わせが好ましい。
上述の塩化カルボニルとアミンの組み合わせとしては、特に、m−フェニレンジアミンとクロロ炭酸オクダデシルとの組み合わせが好ましい。
上記金属塩中の金属としては、具体的には、例えば、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムが挙げられる。これらのうち、特に脂肪酸の金属塩を用いることが好ましい。
カルボン酸、スルホン酸またはこれらの金属塩の使用量は、特に制限はないが、炭酸カルシウムに対して、カルボン酸、スルホン酸またはこれらの金属塩0.5〜10質量%であるのが好ましく、1〜8質量%であるのがより好ましい。カルボン酸、スルホン酸またはこれらの金属塩の使用量がこの範囲であると、表面処理の効果が十分得られ、一液型湿気硬化性樹脂として十分な貯蔵安定性が得られるため好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂(D)を含有する場合は、イソシアネート化合物(A)およびエポキシ樹脂(D)の合計100質量部に対して、1〜500質量部であるのが好ましく、10〜300質量部であるのがより好ましい。
炭酸カルシウム(F)の含有量がこの範囲であると、適切な初期チクソ性および作業性を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に下記式(2)で表されるシリルエステル基を少なくとも一つ有する化合物(シリルエステル化合物(G))を含有するのが好適な態様の一つである。シリルエステル化合物(G)を含有すると、速硬化性が優れたものとなる。
R1は炭素原子数6〜17のアルキル基であるのが好ましい。この場合、本発明の硬化性樹脂組成物は、揺変性および打ち継ぎ性に優れる。
式(2)で表されるシリルエステル基のSi原子がシロキサン結合を形成している場合、Si原子に結合しうる基としては、炭素原子数1〜3の炭化水素基が好適に挙げられる。
式(2)で表されるシリルエステル基のSi原子がシロキサン結合を形成していない場合、Si原子に結合する(4−k)個の基としては、それぞれ独立に、炭素原子数1〜3の炭化水素基が好適に挙げられる。
シリルエステル化合物(G)が式(6)で表されるエーテル基を有すると、本発明の硬化性樹脂組成物は、揺変性が優れたものになる。即ち、揺変性が大きくなる。
更に、連鎖移動剤を用いずに150〜350℃の重合温度で重合され、数平均分子量が500〜5000のアクリル重合体を用いることができる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
上記各添加剤は適宜に組み合わせて併用してもよい。
得られた本発明の硬化性樹脂組成物は、密閉容器中で貯蔵され、使用時に空気中の湿気により常温で硬化物を得ることができる。
1.ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物の調製
第1表に示される各種のイソシアネート化合物と、第1表に示される各種のマロン酸エステルとを、第1表に示される量比(活性CH2/NCO)で混合し、その後、60℃、常圧の条件下で12時間かくはんして、化合物A〜Pを得た。
・IPDIイソシアヌレート:IPDIのイソシアヌレート体、官能基数3、デスモジュールZ4470、住化バイエルウレタン社製
・HDIイソシアヌレート:HDIのイソシアヌレート体、官能基数3、スミジュールN3300、住化バイエルウレタン社製
・TDIイソシアヌレート:TDIのイソシアヌレート体、官能基数3、スミジュールIL、住化バイエルウレタン社製
・HDIアダクト:HDIとTMPとから得られるアダクト体、官能基数3、デスモジュールHT、住化バイエルウレタンs社製
・HDIビウレット:HDIのビウレット体、官能基数2、スミジュールN3200、住化バイエルウレタン社製
・TDI−HDIコポリマー:下記式(16)で表される化合物、官能基数4、デスモジュールHL、住化バイエルウレタン社製
・ジエチルマロネート(DEM):ジエチルマロネートA、井上香料社製
・ジイソプロピルマロネート(DIPM):ジイソプロピルマロネート、井上香料社製
(実施例1〜23および比較例1〜6)
第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合させて硬化性樹脂組成物を得た。
得られた各硬化性樹脂組成物について、以下に示すように、貯蔵安定性、速硬化性および接着性の評価を行った。結果を第1表に示す。
(1)貯蔵安定性
BS型粘度計を用い、ロータ#7で、硬化性樹脂組成物の調製直後(初期)および60℃で3日間養生した後の粘度を測定し、貯蔵安定性を評価した。
硬化性樹脂組成物を23℃、50%RHの条件下に放置し、ポリエチレンフィルムで触ってタックがなくなるまでの時間(タックフリータイム)を測定した。
被着体として、ステンレスSUS304、アクリル塗装面、軟質PVCおよびABS樹脂をそれぞれ用いた。被着体に硬化性樹脂組成物をビード打ちし、23℃、50%RHの条件下に7日間放置した後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊の状態を目視により観察し、接着性を評価した。
表中、硬化性樹脂組成物が凝集破壊をしたものを○、凝集破壊および界面はく離のいずれをもしたものを△、界面はく離をしたものを×とした。なお、比較例4は、23℃、50%RHの条件下に7日間放置した際にゲル化したため、接着性の評価は行わなかった。
・TMXDIプレポリマー:3官能PPG(エクセノール5030、旭硝子社製、数平均分子量5,000)および2官能PPG(エクセノール3020、旭硝子社製、数平均分子量3,000)の混合物(3官能PPG:2官能PPG=3:1(質量比))と、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI、サイテック社製)とを、NCO/OH=2.0となる量比で混合させ、スズ触媒の存在下で、80℃で8時間、かくはんしながら反応させて得られたプレポリマー(イソシアネート基含有率2.1質量%)
・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YD−128、東都化成社製
・炭酸カルシウム:ViscoliteMBP、白石カルシウム社製、BET法による比表面積が18m2/gである沈降性炭酸カルシウム360gに、下記式(10)で表されるウレタン化合物を18g加え、ミキサーを用いて、室温で15分、110℃で1時間、乾式でかくはん処理して得られた、ウレタン化合物で表面処理された炭酸カルシウム
→CH3(CH2)16CONH−Si(CH3)3+1/2NH3
ステアリン酸アミド800gに、トルエン400gおよびサッカリン0.5gを加え、100℃に加熱して溶解させた。これにヘキサメチルジシラザン260gを滴下し、滴下終了後、130℃で4時間加熱した。その後、未反応のヘキサメチルジシラザンおよびトルエンを減圧留去し、N−トリメチルシリルステアリン酸アミドを得た。
得られたN−シリルアミド化合物(E)は、下記式(12)で表される構造を有していることが、IRスペクトル、1H−NMRスペクトルおよびMSスペクトルにより確認された。
・シリルエステル化合物2:下記式(14)で表されるシリルエステル化合物(式中、pは約30)
・シリルエステル化合物3:下記式(15)で表されるシリルエステル化合物(SZ6075、東レダウコーニング社製)
・ジエチルマロネート(DEM):上記と同様
・化合物A〜P:上記で得られた化合物A〜P
第2表から明らかなように、本発明の硬化性樹脂組成物(実施例1〜23)は、従来の硬化性樹脂組成物にIPDIイソシアヌレート、DEMまたはその両方を含有させた場合(比較例1〜3)に比べて、種々の被着体に対する貯蔵後の接着性が優れていた。
なお、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物の量が多すぎる場合(比較例4)は、貯蔵安定性に劣っていた。
Claims (5)
- 分子内のすべてのイソシアネート基に第二級炭素原子または第三級炭素原子が結合した構造のイソシアネート化合物(A)と、
ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン結合を有し、ケチミン炭素または窒素の少なくとも一方のα位に、分岐炭素原子または環員炭素原子が結合した構造のケチミン化合物(B)と、
ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部または全部とマロン酸エステルとを反応させてなる化合物(C)と
を含有し、
前記化合物(C)の含有量が、前記イソシアネート化合物(A)100質量部に対して、1〜30質量部である、硬化性樹脂組成物。 - 更に、エポキシ樹脂(D)を含有する請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 更に、下記式(1)で表される官能基を有するN−シリルアミド化合物(E)を含有する請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
−CONH−Si≡ (1) - 更に、ウレタン化合物で表面処理された炭酸カルシウム(F)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 更に、下記式(2)で表されるシリルエステル基を有するシリルエステル化合物(G)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
−Si−(OCOR1)k (2)
(式(2)中、R1は水素原子または炭素原子数1〜25のアルキル基を表し、kは1〜3の整数を表す。)
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