JP2749763B2 - ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
ポリウレタン樹脂組成物Info
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Description
リウレタン樹脂組成物に関する。詳しくは、貯蔵安定性
に優れ、かつ硬化性も良好な1液型湿気硬化性ポリウレ
タン樹脂組成物に関する。
物がシーリング剤、接着剤、プライマー、塗料、防水
剤、床剤等として広く利用されている。このようなポリ
ウレタン樹脂組成物は、ポリオール系化合物とイソシア
ネート系化合物とからなる2液型の樹脂組成物と、空気
中の湿気等によって硬化する1液型の樹脂組成物とが知
られているが、近年では、現地施工における組成物の混
合調整が不要で取り扱いが容易である等の点で、1液型
湿気硬化性ポリウレタン樹脂組成物の利用が拡大してい
る。
(以下、1液型ウレタン組成物とする)は、通常は施工
後の硬化に時間がかかる。そこで、1液型ウレタン組成
物を短時間に硬化させたい場合には、有機金属化合物や
アミン化合物等が硬化触媒として添加される。しかしな
がら、このような硬化触媒が添加された1液型ウレタン
組成物は、硬化時間は短縮されるものの、貯蔵安定性が
低下してしまうという問題点がある。
よび硬化性が共に良好な1液型ウレタン組成物を実現す
るために、貯蔵安定性の低下が少ない硬化触媒を配合し
た1液型ウレタン組成物や、貯蔵安定性を改良するため
の添加剤を配合した1液型ウレタン組成物等が各種提案
されている。
は、硬化促進用触媒として所定のSn化合物を添加配合
してなる湿気硬化型ウレタンシーリング剤が開示されて
いる。また、特開平4−59811号公報には、硬化触
媒として0.05〜5重量%のビス(ジメチルモルホリ
ノ)エチルエーテルを配合してなる1液型ウレタン組成
物が開示されている。さらに、特開平4−149270
号公報には、貯蔵安定性改良のための添加剤として、ア
ルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化カルシウムを
添加してなる1液型ウレタン組成物が開示されている。
の従来の1液型ウレタン組成物は、必ずしも満足な貯蔵
安定性を与えるものではない。
な影響を与える要因の一つとして、組成物に配合される
フィラー等に吸着している水分が挙げられる。つまり、
この水分の存在によって貯蔵中に硬化反応が進行してし
まうため、良好な貯蔵安定性を得ることができない。従
って、この水分の問題を解決しなければ、優れた貯蔵安
定性を得ることは根本的に不可能であるが、前記各公報
に代表される従来の1液型ウレタン組成物では、この問
題を何ら解決してはおらず、十分に優れた貯蔵安定性を
実現しているとはいえない。
解決することにあり、フィラー等に吸着している水分に
起因する貯蔵安定性低下の問題を解決し、貯蔵安定性に
優れ、しかも短時間で硬化する良好な硬化性を有する一
液型湿気硬化性のポリウレタン樹脂組成物を提供するこ
とにある。
に、本発明は、末端イソシアネート基を有するウレタン
プレポリマー100重量部、塩基性フィラー5〜300
重量部、及び一般式
6の炭化水素基であり、R2 はそれぞれ同種もしくは異
種の炭素数1〜30の炭化水素基であり、nは19以上
の整数である。)で示されるポリシロキサン0.1〜3
0重量部を含有するポリウレタン樹脂組成物を提供す
る。
ついて詳細に説明する。本発明は、一液型湿気硬化性の
ポリウレタン樹脂組成物(以下、ウレタン組成物とす
る)であって、基本的に、末端イソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマー、塩基性フィラー、および所定
の化学式で示されるポリシロキサンを含有するものであ
る。
タンプレポリマーは、通常の1液型ポリウレタン樹脂組
成物と同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネ
ート化合物(すなわち、OH基に対して過剰のNCO
基)との反応生成物であって、一般に、0.5〜5重量
%のイソシアネート基を分子末端に含有する。
るポリイソシアネート化合物としては、通常の1液型ポ
リウレタン樹脂組成物と同様のものが各種例示され、具
体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香
族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネー
ト等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシ
アネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジ
イソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネー
ト;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ま
たはイソシアヌレート変性ポリイソシアネート; 等が
好適に例示され、これらの1種あるいは2種以上の組み
合わせとして使用される。
は、通常の1液型ポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他
のポリオール、およびこれらの混合ポリオールである。
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセ
リン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,
5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェ
ニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタ
ン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種ま
たは2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の
1種または2種以上を付加して得られるポリオール;ポ
リオキシテトラメチレンオキサイド; 等が好適に例示
される。
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリ
メチロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオー
ルの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子カ
ルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合
重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環
重合体;等が好適に例示される。
リカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオー
ル、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリ
ルポリオール等や、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジ
オール等の低分子ポリオールも好適に例示される。
リイソシアネート化合物とよりなる末端イソシアネート
基含有ウレタンプレポリマーを得る際の、ポリオール化
合物とポリイソシアネート化合物との混合割合は、通
常、ポリオール化合物1当量(OH当量)当たり、ポリ
イソシアネート化合物1.2〜5当量(NCO当量)、
好ましくは1.5〜3当量である。また、このウレタン
プレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポリマーと
同様に、所定量比の両化合物を混合し、通常30〜12
0℃、好ましくは50〜100℃で加熱撹拌することに
よって行われる。
性フィラーとしては、通常の1液型ポリウレタン樹脂組
成物に配合されるものが各種利用可能であり、具体的に
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイ
カ、セメント等が好適に例示される。
ような塩基性フィラーの配合量は前記ウレタンプレポリ
マー100重量部に対して5〜300重量部である。塩
基性フィラーの配合量が5重量部未満では、硬化物の物
性向上や増量剤としての塩基性フィラーの添加効果を得
ることができず、逆に300重量部を超えて配合される
と、モジュラス、伸び、強度等の点で、満足のいく物性
を持つ硬化物が得られない等の不都合を生じる。
塩基性フィラーの配合量は、好ましくはウレタンプレポ
リマー100重量部に対して50〜200重量部程度で
ある。塩基性フィラーの配合量を上記範囲とすることに
より、硬化物の伸び、モジュラス、強度等の点で好まし
い結果を得る。
レタンプレポリマーおよび塩基性フィラーに加え、一般
式
6の炭化水素基であり、R2 はそれぞれ同種もしくは異
種の炭素数1〜30の炭化水素基であり、nは19以上
の整数である。)で示されるポリ(アシロキシアルキ
ル)シロキサンを含有する。
マーのイソシアネート基よりも容易に加水分解してカル
ボン酸とシラノールになる。そのため、ウレタン組成物
に上記ポリシロキサンを配合することにより、硬化時間
に悪影響を与えることがなく、フィラー等に吸着した水
分によるウレタンプレポリマーの硬化反応を阻止するこ
とができ、貯蔵安定性に優れたウレタン組成物を実現す
ることができる。
て、R1 は炭素数1〜6の炭化水素基である。なお、上
記ポリシロキサンにおいて、R1 は同じであってもよ
く、また互いに異なるものであってもよい。R1 として
は、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基等が
例示される。
おいて、R2 は炭素数1〜30の炭化水素基である。な
お、上記ポリシロキサンにおいて、R2 は同じであって
もよく、また互いに異なるものであってもよい。R2 と
しては、具体的には、メチル基、プロピル基、ブチル
基、ステアリル基、オクチル基、ラウリル基、パルミチ
ル基、エイコシル基、ヘキサコシル基、フェニル基、ベ
ンジル基等、ポリシロキサンの合成に利用される後述の
カルボン酸が有する炭化水素基が各種例示される。
ステアリル基、パルミチル基、ラウリル基、オクチル
基、エイコシル基、フェニル基、ベンジル基等、炭素数
6〜21の炭化水素基は好ましい。
て、nは19以上の整数である。好ましくは、nは19
〜500程度である。この範囲とすることにより、合成
が容易である等の点で好ましい結果を得る。
おいて、各くり返し単位は、ランダムに配列されていて
も、ブロック的に配列されていても、あるいは、両者の
混合であってもよいのはもちろんである。
ム、ロジウム、ニッケル、白金等の第VIII族の遷移金属
を触媒として、相当する構造を有するアシロキシアルキ
ル基が水素であるポリハイドロジェンシロキサンとカル
ボン酸とを反応させることにより合成することができ
る。
ポリ(メチルハイドロジェン)シロキサン、ポリ(フェ
ニルハイドロジェン)シロキサン、およびそれらとポリ
メチルシロキサンとの共重合体等の、1種または2種以
上の組み合わせが好適に例示される。
カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、
ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の直鎖飽
和脂肪酸;カプロレイン酸、オレイン酸、セトレイン
酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和
脂肪酸;安息香酸、フェニル酢酸、3−フェノキシウン
デカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
等の芳香族カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ナジッ
ク酸、等の脂環式カルボン酸;等や、その他のカルボン
酸の1種または2種以上の組み合わせが例示される。
うなポリシロキサンの配合量は、前述のウレタンプレポ
リマー100重量部に対して0.1〜30重量部であ
る。ポリシロキサンの配合量が0.1重量部未満では、
ポリシロキサン配合の効果を得ることができず、良好な
貯蔵安定性を得ることができない。逆に、ポリシロキサ
ンが30重量部を超えて配合されると、ウレタン組成物
の硬化時間が長くなり、実用上問題を生じてしまう。
前述のウレタンプレポリマー100重量部に対して0.
5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部であ
る。ポリシロキサンの配合量を上記範囲とすることによ
り、貯蔵安定性、硬化性等の点で好ましい結果を得る。
の成分より構成されるが、必要に応じて、周知の一液型
ウレタン組成物に添加される各種の添加剤、すなわちジ
オクチルフタレート等の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料や染料等の着色剤、二酸化チタンやカーボン
ブラックやクレイ等の充填剤、有機金属化合物やアミン
等の硬化触媒(硬化促進剤)等を添加してもよい。な
お、これらの添加剤の配合量は、本発明のウレタン組成
物の用途に応じて、常識的な範囲で適宜決定すればよ
い。
方法には特に限定はなく、通常の一液型ウレタン組成物
と同様でよい。一例として、各成分を減圧下で十分に混
練し、均一に分散させる方法が例示される。
レタン樹脂組成物について詳細に説明したが、本発明は
上記の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において、各種の変更や改良を行ってもよい。
をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例
に限定されないのはもちろんである。
0g、数平均分子量3000のポリプロピレントリオー
ル150g、およびジオクチルフタレート300gを混
合し、さらにジフェニルメタンジイソシアネート124
gを加えて、80℃で10時間、撹拌・反応して、イソ
シアネート基含有0.7%のウレタンプレポリマーを合
成した。
後、KF99(信越化学工業社製)100gおよび5%
塩化白金酸イソプロピル溶液10mlを加え、90℃で
6時間反応することにより、下記式で示されるポリシロ
キサンを合成した。
リシロキサンに、さらに、塩基性フィラー(炭酸カルシ
ウム)を添加・混練して、下記表1に示されるウレタン
組成物を製造した。
直後および70℃で一日放置後の粘度をB型粘度計によ
って測定した。また、ウレタン組成物をガラス板上に塗
布し、20℃、相対湿度65%の条件下で、ポリエチレ
ンテレフタレートがウレタン組成物に付着しなくなるま
での時間を計測し、タックフリータイムを測定した。結
果を下記表1に示す。
タン組成物は、良好な硬化時間(タックフリータイム)
を保持しつつも、70℃下での放置後の粘度上昇も少な
く、優れた貯蔵安定性を実現している。以上の結果よ
り、本発明の効果は明らかである。
液型湿気硬化性のポリウレタン樹脂組成物は、良好な硬
化性を確保しつつも、フィラー等に吸着した水分による
硬化を防止して優れた貯蔵安定性を発揮する。従って、
このような本発明のポリウレタン樹脂組成物は、シーリ
ング剤、接着剤、プライマー、塗料、防水剤、床剤等に
使用するのに極めて適している。
Claims (1)
- 【請求項1】末端イソシアネート基を有するウレタンプ
レポリマー100重量部、 塩基性フィラー5〜300重量部、及び一般式 【化1】 (式中、R1 はそれぞれ同種もしくは異種の炭素数1〜
6の炭化水素基であり、R2 はそれぞれ同種もしくは異
種の炭素数1〜30の炭化水素基であり、nは19以上
の整数である。)で示されるポリシロキサン0.1〜3
0重量部を含有するポリウレタン樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5213145A JP2749763B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | ポリウレタン樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5213145A JP2749763B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | ポリウレタン樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0762227A JPH0762227A (ja) | 1995-03-07 |
JP2749763B2 true JP2749763B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=16634329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5213145A Expired - Lifetime JP2749763B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | ポリウレタン樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2749763B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2719081B2 (ja) * | 1992-09-03 | 1998-02-25 | 横浜ゴム株式会社 | 一液型揺変性ポリウレタン組成物 |
JP3276424B2 (ja) * | 1992-11-18 | 2002-04-22 | 横浜ゴム株式会社 | ポリウレタン樹脂組成物 |
-
1993
- 1993-08-27 JP JP5213145A patent/JP2749763B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0762227A (ja) | 1995-03-07 |
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