JPH09133593A - 圧延材の張力変化量の測定方法および測定装置 - Google Patents

圧延材の張力変化量の測定方法および測定装置

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JPH09133593A
JPH09133593A JP7289821A JP28982195A JPH09133593A JP H09133593 A JPH09133593 A JP H09133593A JP 7289821 A JP7289821 A JP 7289821A JP 28982195 A JP28982195 A JP 28982195A JP H09133593 A JPH09133593 A JP H09133593A
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rolling
tension
roll
stand
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JP7289821A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Okamura
義英 岡村
Ikuya Hoshino
郁弥 星野
Junichiro Ueno
順一郎 上野
Kazuhiro Miyaji
和博 宮地
Takayuki Fujimoto
隆行 藤本
Katsuaki Masaki
克明 正木
Michihisa Nonaka
道央 野中
Kiminori Sakano
公則 坂野
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延速度の加減速の過渡状態においても圧延
材のスタンド間張力を高精度に測定することが出来る方
法を提供すること。 【解決手段】 圧延スタンド14における圧延荷重変化
量:ΔPとロール駆動用電動機の電機子電流変化量:Δ
Iおよびロール回転速度変化量:Δωをそれぞれ検出
し、これらの検出値から、圧延スタンド14における圧
延ロール12,12の回転運動モデルを用いて、スタン
ド間張力変化量の推定値:ΔTest と圧延スタンドにお
けるロール回転速度変化量の推定値:Δωest をそれぞ
れ求めると共に、ロール回転速度変化量の推定値:Δω
est とロール回転速度変化量の実際の検出値:Δωとの
差に基づいて、該スタンド間張力変化量の推定値:ΔT
est を修正するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、鉄鋼や非鉄金属の帯材,厚板
材,形材,線材等の圧延加工に用いられる圧延機に関連
する技術に関するものであり、特に、タンデム型圧延機
における圧延材の張力変化量測定方法と張力変化量測定
装置および圧延材の張力制御方法と張力制御装置に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】鉄鋼や非鉄金属を圧延加工するに際して
は、圧延材の張力が変動すると、圧延材の形状や寸法の
精度が悪化するだけでなく、圧延ロールに大きな水平力
が加わり、場合によっては設備破損という大きな問題を
招来する結果となる。そのために、従来から、圧延機に
おいては、圧延材の張力制御が行われており、かかる張
力制御方法の一つとして、圧延スタンドのロール駆動機
構における発生トルク変動から圧延材の張力変動を検出
して圧延スタンドのロール回転速度を調節する、所謂フ
リーテンション制御(FTC)が知られている。
【0003】このようなフリーテンション制御は、特
に、熱間粗圧延機等のようにルーパ制御が困難な場合に
好適に採用されており、例えば、電動機によって駆動さ
れる圧延ロールを有する圧延スタンドを備えたタンデム
型の圧延機において、圧延荷重とロール駆動用電動機の
電機子電流,ロール駆動用電動機の端子電圧,ロール駆
動用電動機の回転速度をそれぞれ検出し、それら各検出
値の物理的関係式に基づいて負荷トルク変動や圧延材の
張力変動を演算し、目標張力が得られるように圧延スタ
ンドにおけるロール駆動用電動機の回転速度を補正,制
御することによって実施される。
【0004】ところが、このような従来のフリーテンシ
ョン制御では、圧延速度の加減速時において、ロール駆
動用電動機の電機子電流に対し、圧延材の張力変動によ
る負荷トルクに対応する負荷トルク電流の他に基準ロー
ル回転速度の変化に伴う加減速電流が加わるために、圧
延材の張力変動を正確に検出することができないという
問題があった。そこで、例えば特公昭61−47384
号公報においては、無負荷状態(圧延材の張力変動によ
る負荷のない状態)下でのロール駆動用電動機の制御特
性を模擬する回路を構成し、かかる模擬回路にロール駆
動用電動機の回転速度と電機子電流および端子電圧の検
出値を入力して加減速電流を演算し、この加減速電流の
演算値と実際の電機子電流の検出値との差をとることに
より、圧延材の張力変動による負荷トルク電流のみを推
定,検出して圧延材の張力変動量を求めるようにした検
出装置が提案されている。このような検出装置によれ
ば、圧延速度が加減速された場合の圧延材の張力変動量
の検出精度が向上されて、圧延材の張力制御精度が向上
されることとなる。
【0005】しかしながら、かくの如き模擬回路を備え
た検出装置について、本発明者らが更なる検討を加えた
ところ、圧延速度の加減速に起因して負荷トルクが増減
している過渡状態では、推定される負荷トルク電流に誤
差が生じ易く、そのために圧延材の張力変動量の検出精
度延いては圧延材の張力制御精度が悪化する場合があ
り、要求される張力制御精度を安定して確保することが
できなくなるおそれのあることが明らかとなったのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、圧延速度の加減速の過渡状態においても圧
延材の張力変動量を高精度に測定することが出来る、圧
延材の張力変化量の測定方法および測定装置を提供する
ことにある。
【0007】また、本発明は、圧延速度の加減速の過渡
状態においても圧延材の張力を目標値となるように高精
度に安定して制御することの出来る、圧延材の張力制御
方法および張力制御装置を提供することも、目的とす
る。
【0008】
【解決手段】本発明は、このような課題を解決すべく、
本発明者らが従来技術の問題点について鋭意検討した結
果、従来技術(前記特公昭61−47384号公報に記
載の技術)の問題点であった圧延速度の加減速の過渡状
態における負荷トルク電流の推定誤差が、圧延材の張力
変化による圧延ロールの負荷トルク変化からロール回転
速度(ロール周速度)変化への動特性が考慮されていな
いことに起因するとの、新たな見解を得たことに基づい
て為されたものである。
【0009】そして、圧延材の張力変化量の測定方法に
関する本発明の特徴とするところは、電動機によって駆
動される圧延ロールを有する圧延スタンドを備えたタン
デム型の圧延機において、該圧延スタンドとその上流側
または下流側に位置する隣接圧延スタンドとの間におけ
る圧延材のスタンド間張力変化量を測定するに際して、
圧延スタンドにおける圧延荷重変化量とロール駆動用電
動機の電機子電流変化量およびロール回転速度変化量を
それぞれ検出し、これらの検出値から、かかる圧延スタ
ンドにおける圧延ロールの回転運動モデルを用いて、ス
タンド間張力変化量と圧延スタンドにおけるロール回転
速度変化量をそれぞれ推定すると共に、ロール回転速度
変化量の推定値とロール回転速度変化量の検出値との差
に基づいて、該スタンド間張力変化量の推定値を修正す
るようにしたことにある。
【0010】また、圧延材の張力制御方法に関する本発
明の特徴とするところは、上述の如き本発明に従う圧延
材の張力変化量の測定方法によって得られたスタンド間
張力変化量を用いて、スタンド間張力変化量を補うよう
に、圧延スタンドおよび隣接圧延スタンドの少なくとも
一方におけるロール回転速度を調節することにより、圧
延材のスタンド間張力を目標値に制御するようにしたこ
とにある。
【0011】さらに、圧延材の張力変化量の測定装置に
関する本発明の特徴とするところは、電動機によって駆
動される圧延ロールを有する圧延スタンドを備えたタン
デム型の圧延機において、該圧延スタンドとその上流側
または下流側に位置する隣接圧延スタンドとの間におけ
る圧延材のスタンド間張力変化量を測定する張力変化量
測定装置であって、(a)圧延スタンドにおける圧延荷
重変化量とロール駆動用電動機の電機子電流変化量およ
びロール回転速度変化量をそれぞれ検出する検出手段
と、(b)圧延スタンドにおける圧延ロールの回転運動
モデルに基づいて、かかる検出手段による各検出値から
スタンド間張力変化量と圧延スタンドにおけるロール回
転速度変化量をそれぞれ推定すると共に、ロール回転速
度変化量の推定値とロール回転速度変化量の検出値との
差に基づいて該スタンド間張力変化量の推定値を修正す
る推定手段とを、含んで構成したことにある。
【0012】なお、かくの如き本発明に係る圧延材の張
力変化量の測定装置において、好ましくは、推定手段
が、実質的に前記圧延スタンドにおける圧延ロールの回
転運動モデルに基づいて得られた下式:
【数2】 (但し、Δωest は圧延ロールのロール回転速度変化量
の推定値であり、ΔTes t は圧延材のスタンド間張力変
化量の推定値であり、Rは圧延ロールのロール半径であ
り、Jは圧延ロールの慣性モーメントであり、Kは変換
係数であり、ΔIはロール駆動用電動機の電機子電流で
あり、aは係数であり、ΔPは圧延荷重の変化量であ
り、ki (i=1,2)は推定値の推定速度を調節する
パラメータであり、Δωは圧延ロールのロール回転速度
変化量の実際の検出値である。)に従って前記スタンド
間張力変化量を推定するように構成される。
【0013】また、圧延材の張力制御装置に関する本発
明の特徴とするところは、(A)上述の如き本発明に従
う構造とされた圧延材の張力変化量の測定装置と、
(B)該圧延材の張力変化量の測定装置によって得られ
た圧延材の張力変化量に基づいて、圧延スタンドおよび
隣接圧延スタンドの少なくとも一方におけるロール回転
速度の修正量を演算し、かかる圧延スタンドのロール回
転速度を調節することにより、圧延材のスタンド間張力
を目標値に制御するロール回転速度調節手段とを、含ん
で構成したことにある。
【0014】更にまた、かくの如き圧延材の張力制御装
置に関する本発明は、複数の圧延スタンドを備えた各種
のタンデム型圧延機に対して、何れも有利に適用され得
るものであり、例えば、板幅制御を行う垂直圧延スタン
ド(エッジャ)と板厚制御を行う水平圧延スタンドを備
え、それら両スタンド間における圧延材の張力を制御す
る場合にも適用可能である。そして、特に、そのような
場合には、前記圧延材の張力変化量の測定装置(A)に
より、上流側に配設された垂直圧延スタンドにおける圧
延ロールの回転運動モデルに基づいてスタンド間張力変
化量を推定すると共に、前記ロール回転速度調節手段
(B)により、水平圧延スタンドにおけるロール回転速
度が調節されるように構成することが望ましい。
【0015】そして、本発明に係る圧延材の張力変化量
の測定方法および測定装置においては、単なる物理的関
係式でなく、圧延ロールの回転運動モデルを用い、加減
速時のロール回転速度変化も考慮してスタンド間張力変
化量が推定されるのであり、それ故、加減速の過渡状態
においても高精度な圧延材の張力変化量の測定が可能と
なるのである。
【0016】しかも、スタンド間張力変化量の推定値
は、圧延ロールの回転運動モデルを用いて推定されたロ
ール回転速度変化量の推定誤差に基づいて修正されるこ
とから、圧延材の張力変化量の測定精度がより高度に維
持され得るのである。
【0017】加えて、本発明に係る圧延材の張力変化量
の測定方法および測定装置においては、圧延荷重変化量
とロール駆動用電動機の電機子電流変化量およびロール
回転速度変化量の3つの検出値に基づいて、目的とする
圧延材の張力変化量の推定値が得られるところから、従
来手法および装置に比して検出値が少なくて済み、処理
や装置構造の簡略化も図られ得るのである。
【0018】また、本発明に係る圧延材の張力制御方法
および張力制御装置においては、本発明に係る張力変化
量の測定方法および測定装置に従って得られた圧延材の
張力変化量の推定値に基づいて、圧延材のスタンド間張
力が制御されることから、かかるスタンド間張力が、圧
延速度の加減速の過渡状態においても、目標値に高精度
に維持され得るのである。
【0019】
【発明の実施の形態・実施例】以下、本発明を更に具体
的に明らかにするために、本発明の実施例について、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0020】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た圧延材の張力制御装置を備えたタンデム型圧延機の要
部概略構成が示されている。このタンデム型圧延機は、
圧延ロール12,12が板幅方向両側に配設された垂直
圧延スタンド14と、圧延ロール16,16が板厚方向
両側に配設された水平圧延スタンド18を備えており、
圧延材20が、垂直圧延スタンド14によって圧延され
た後に水平圧延スタンド18によって圧延されることに
より、板幅と板厚が同時に制御されるようになってい
る。
【0021】また、垂直圧延スタンド14の圧延ロール
12,12はロール駆動用電動機22によって、水平圧
延スタンド18の圧延ロール16,16はロール駆動用
電動機24によって、それぞれ駆動されるようになって
いると共に、各ロール駆動用電動機22,24がロール
回転速度制御装置26,28によって速度制御されるよ
うになっている。そして、これら垂直圧延スタンド14
および水平圧延スタンド18における圧延ロール12,
12および14,14のロール回転速度基準値は、圧延
ライン速度を設定する主速度設定器30による設定値に
基づいて、両圧延スタンド14,18の相対的速度比を
設定する速度比設定器32,34によって与えられるよ
うになっている。更に、垂直圧延スタンド14および水
平圧延スタンド18には、ロール回転速度検出器36,
38がそれぞれ設けられており、このロール回転速度検
出器36,38で検出された実際のロール回転速度が、
加算器40,42において、速度比設定器32,34に
て与えられるロール回転速度基準値と比較され、それら
の差が零となるように、垂直圧延スタンド14および水
平圧延スタンド18におけるロール回転速度がフィード
バック制御されるようになっている。
【0022】そして、本実施例では、このようなタンデ
ム型圧延機に対して、両スタンド14,16間における
圧延材20の張力が目標値となるように制御する張力制
御装置44が設けられている。この張力制御装置44
は、垂直圧延スタンド14における圧延ロールの回転運
動モデルを用いて圧延材20のスタンド間張力の変化量
を推定する張力変化量測定装置46と、得られたスタン
ド間張力変化量に基づいて、目標張力を得るための水平
圧延スタンド18におけるロール回転速度の修正量を演
算し、水平圧延スタンド18におけるロール回転速度を
修正するロール回転速度調節装置48を含んで構成され
ている。
【0023】より詳細には、張力変化量測定装置46
は、例えば以下の如く構成される。
【0024】先ず、垂直圧延スタンド14における圧延
ロール12,12の回転運動モデルは、下記(数3)の
ように表すことが出来る。但し、簡単にするために、ロ
ストルク分は無視することとする。
【数3】 なお、(数3)中、Jは圧延ロール12,12の慣性モ
ーメント,ωは圧延ロール12,12のロール回転速
度,GM はロール駆動用電動機22の発生トルク,GL
は負荷トルクである。
【0025】また、垂直圧延スタンド14におけるロー
ル駆動用電動機22の電機子電流をIとすると、ロール
駆動用電動機22の発生トルク:GM は、変換係数:K
を用いて、下記(数4)の如く表すことができる。 GM =K・I ・・・(数4)
【0026】さらに、垂直圧延スタンド14における圧
延荷重をPとすると、垂直圧延スタンド14における負
荷トルクGL は、下記(数5)のように表すことができ
る。 GL =a・P−R・T ・・・(数5) なお、式中、aは係数,Rは圧延ロール12の半径,T
はスタンド間張力である。
【0027】いま、圧延材20が水平圧延スタンド18
に噛込んだ時点からの負荷変化量より、スタンド間張力
変化量を推定することを考える。即ち、前記(数3),
(数4),(数5)において負荷変化分を考えると、そ
れぞれ、下記(数6),(数7),(数8)のように表
すことができる。なお、本実施例では、圧延材20が垂
直圧延スタンド12に噛込んでから水平圧延スタンド1
8に噛込むまでの間を基準時としていることから、推定
されるスタンド間張力変化量は、圧延材20が水平圧延
スタンド18に噛込まれた以降におけるスタンド間張力
変化量を示すこととなる。
【0028】
【数6】 ΔGM = K・ΔI ・・・(数7) ΔGL =a・ΔP−R・ΔT ・・・(数8)
【0029】そして、上記(数7)と(数8)を、(数
6)に代入することによって、下記(数9)が得られ
る。
【0030】
【数9】
【0031】この(数9)が、負荷の変化分を考えた場
合の垂直圧延スタンド14における圧延ロール12,1
2の回転運動モデルを表すものである。従って、この
(数9)を用いることにより、垂直圧延スタンド14に
おける圧延ロール12,12のロール回転速度変化量の
推定値:Δωest (添字「est 」は、推定値を表す)お
よびスタンド間張力変化量の推定値:ΔTest は、下記
(数10),(数11)によって推定することが出来
る。
【0032】
【数10】
【数11】 (数10)中、ki (i =1,2)は、各推定値:Δω
est ,ΔTest の推定速度を調節するパラメータであ
る。
【0033】すなわち、本実施例では、この(数10)
に従って張力変化量測定装置46が構成されているので
あり、この(数10)をブロック図で構成したものが、
図2に示されている。
【0034】従って、このような張力変化量測定装置4
6においては、圧延ロール12,12のロール回転速
度:ω,ロール駆動用電動機22の電機子電流:I,垂
直圧延スタンド14における圧延荷重:Pの各負荷変化
量(圧延材20が垂直圧延スタンド12に噛込んでから
水平圧延スタンド18に噛込むまでの基準時からの負荷
変化量):Δω,ΔI,ΔPを、それぞれ検出して入力
すれば、これらの検出値から、圧延材20におけるスタ
ンド間張力変化量の推定値:ΔTest を求めることが出
来るのである。
【0035】なお、圧延ロール12,12のロール回転
速度の負荷変化量:Δωは、ロール回転速度検出器36
にて検出されたロール回転速度:ωを、その基準時のロ
ックオン値(固定値):ωL と加算器50で比較して、
両者の差をとることによって求められる。また、ロール
駆動用電動機22の電機子電流の負荷変化量:ΔIは、
電流検出器52にて検出された電機子電流:Iを、その
基準時のロックオン値:IL と加算器54で比較して、
両者の差をとることによって求められる。更に、垂直圧
延スタンド14における圧延荷重の負荷変化量:ΔP
は、荷重検出器56にて検出された圧延荷重:Pを、そ
の基準時のロックオン値:PL と加算器58で比較し
て、両者の差をとることによって求められる。なお、各
ロックオン値(ωL ,IL ,PL )は、例えば垂直圧延
スタンド12への噛込みから水平圧延スタンド18に噛
込むまでの平均的な値とすることができる。また、圧延
材の変形抵抗に比べて張力変化が十分に小さいと考えら
れる場合には、張力変化による圧延荷重変化量が無視で
きるものとして、ΔP=0に設定することも可能であ
る。
【0036】そして、本実施例では、このようにして張
力変化量測定装置46により推定的に測定されたスタン
ド間張力変化量(本実施例では、圧延材20が垂直圧延
スタンド12に噛込んでから水平圧延スタンド18に噛
込むまでのスタンド間張力(零)を基準値としているか
ら、圧延材20が水平圧延スタンド18に噛込んだ以降
のスタンド間張力変化に等しい):ΔTest を、加算器
60に入力して、圧延材のスタンド間張力の目標値:T
des と比較し、その張力偏差:eに基づいて、ロール回
転速度修正器62により、張力偏差:eを零とするため
の水平圧延スタンド18のロール回転速度修正量を算出
し、このロール回転速度修正量を加算器42に入力し
て、速度比設定器34からロール回転速度制御装置28
に入力されるロール回転速度基準値を修正することによ
って、水平圧延スタンド18の圧延ロール16,16の
ロール回転速度を調節せしめて圧延材20のスタンド間
張力が目標値に制御されるようになっている。
【0037】なお、ロール回転速度修正器62は、水平
圧延スタンド18における圧延ロール16,16のロー
ル回転速度と圧延材のスタンド間張力の関係に基づい
て、スタンド間張力が目標値となるように、偏差:eの
大きさに応じてロール回転速度修正量を求めて、水平圧
延スタンド18の圧延ロール16,16のロール回転速
度を加減するものであれば良く、そこにおいては、例え
ばPI制御等の従来から公知の制御方法が有利に採用さ
れ得る。
【0038】また、このことから明らかなように、本実
施例では、スタンド間張力変化量:ΔTest を目標値:
des と比較して偏差:eを求める加算器60と、得ら
れた偏差:eに基づいて水平圧延スタンド18のロール
回転速度を修正するロール回転速度修正器62とを含ん
で、圧延材20のスタンド間張力を目標値に制御するロ
ール回転数調節装置48が構成されている。
【0039】従って、上述の如き張力変化量測定装置4
6とロール回転速度調節装置48を含んで構成された張
力制御装置44によれば、張力変化量測定装置46によ
って圧延材のスタンド間張力が推定的に測定されると共
に、この測定値に基づいて、張力制御装置44により水
平圧延スタンド18のロール回転速度が修正されること
により、圧延材20のスタンド間張力が目標値となるよ
うに制御されることとなる。
【0040】そこにおいて、張力変化量測定装置46に
おいては、その構成を示す(数10)から明らかなよう
に、圧延速度の加減速時におけるロール回転速度変化も
考慮されていることから、この(数10)に基づいて推
定されるスタンド間張力変化量:ΔTは、圧延速度の加
減速の過渡状態においても優れた推定精度が安定して確
保されるのである。
【0041】しかも、張力変化量測定装置46において
は、(数10)の右辺第4項に示されるように、ロール
回転速度変化量の推定値:Δωest と実際のロール回転
速度変化量の検出値:Δωとの差:〔Δω−Δωest
に基づいて、スタンド間張力変化量の推定値:ΔTest
を修正する機能を有していることから、(数10)に基
づいて推定されるスタンド間張力変化量:ΔTest の推
定精度が、一層有利に確保されるのである。
【0042】そして、それ故、かかる張力変化量測定装
置46によるスタンド間張力変化量:ΔTest の測定値
を用いて、ロール回転速度調節装置48により目標値:
de s と比較し、その偏差:eに応じて水平圧延スタン
ド18のロール回転速度を調節することにより、スタン
ド間張力を精度良く且つ圧延速度の加減速の過渡状態に
おいても安定して制御することが可能となるのである。
【0043】また、本実施例では、張力変化量測定装置
46の入力信号:Δω,ΔI,ΔPが、垂直圧延スタン
ド14において、圧延材20が垂直圧延スタンド12に
噛込んでから水平圧延スタンド18に噛込まれるまでの
間を基準時として、該基準時における各値(ロックオン
値)と水平圧延スタンド18に噛込んだ以降での検出値
の差分によって求められることから、基準値としてのロ
ックオン値が明確で且つ容易に検出可能であると共に、
スタンド間張力をより一層容易に測定(推定)すること
が出来るといった利点もある。
【0044】しかも、本実施例では、垂直圧延スタンド
14よりも一般にモータパワーに余裕のある水平圧延ス
タンド18のロール回転速度を調節することによって、
スタンド間張力の制御が行われることから、垂直圧延ス
タンド14のロール回転速度を調節する場合に比して、
スタンド間張力の制御可能域が大きく確保されて、より
大きな信頼性が確保されるといった利点もある。
【0045】因みに、本発明の効果を検証するために、
上述の如き本実施例構成の張力変化量測定装置46と、
特公昭61−47384号公報に記載の模擬回路を備え
た従来構造の検出装置とにおいて、それぞれ、100tf
の張力ステップ状外乱があった場合のスタンド間張力推
定値の推定精度を比較したシミュレーション結果を、図
3において、実施例および比較例として示す。なお、シ
ミュレーション条件は、下記の通りである。但し、張力
変化は材料の変形抵抗に比べて小さいと考えられるた
め、本例では、張力変化による圧延荷重変化量は無視で
きるとしてΔP=0とした。 R:0.48m J:67.7kNm K=φ:0.21kNm/A k1 :14 k2 :14250
【0046】図3中の(b)に示されるように、従来構
造の検出装置によって求められたスタンド間張力推定値
は、破線で示された外乱のスタンド間張力変化に対し
て、振動的な誤差を内在していることが認められる。こ
れに対して、図3中の(a)に示されるように、本発明
に従う張力変化量測定装置は、外乱付加直後から、スタ
ンド間張力を精度良く推定していることが明らかに認め
られる。
【0047】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0048】例えば、前記実施例では、垂直圧延スタン
ド14と水平圧延スタンド18の間の圧延材張力を推定
し、制御する場合について説明したが、その他、水平圧
延スタンド間の圧延材張力を推定し、制御する場合等に
も、本発明は、同様に適用可能である。
【0049】また、前記実施例では、圧延材20の送り
方向での上流側に配置された圧延スタンドの回転運動モ
デルを用いてスタンド間張力変化量を推定し、得られた
推定値に基づいて、下流側に配置された圧延スタンドの
圧延速度を調節することによりスタンド間張力を制御す
るようになっていたが、その他、上流側に配置された圧
延スタンドの回転運動モデルを用いて得られたスタンド
間張力変化量推定値に基づいて、上流側圧延スタンドの
圧延速度のみ、または上流側圧延スタンドと下流側圧延
スタンドの両方の圧延速度を調節してスタンド間張力を
制御したり、或いは下流側圧延スタンドの回転運動モデ
ルを用いてスタンド間張力変化量を推定したりすること
も可能である。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に係る圧延材の張力変化量の測定方法および測定装置に
おいては、圧延速度の加減速の過渡状態でも高精度な圧
延材のスタンド間張力変化量の測定が可能となるのであ
り、また、このような測定方法乃至は測定装置を利用し
た、本発明に係る圧延材の張力制御方法および張力制御
装置においては、圧延材のスタンド間張力を目標値に高
精度に維持することが可能となり、それによって製品品
質の向上や設備破損防止などの効果が達成されるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての張力制御装置を備え
たタンデム型圧延機の要部概略図である。
【図2】図1に示されたタンデム型圧延機に採用される
張力変化量測定装置の具体的構成例を示すブロック図で
ある。
【図3】本実施例としての張力変化量測定装置と従来構
造の検出装置とにおけるスタンド間張力推定値の推定精
度を比較したシミュレーション結果をそれぞれ示すグラ
フである。
【符号の説明】 14 垂直圧延スタンド 18 水平圧延スタンド 20 圧延材 22,24 ロール駆動用電動機 26,28 ロール回転速度制御装置 36,38 ロール回転速度検出器 44 張力制御装置 46 張力変化量測定装置 48 ロール回転速度調節装置 52 電流検出器 56 荷重検出器 62 ロール回転速度修正器
フロントページの続き (72)発明者 宮地 和博 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 藤本 隆行 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 正木 克明 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 野中 道央 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 坂野 公則 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機によって駆動される圧延ロールを
    有する圧延スタンドを備えたタンデム型の圧延機におい
    て、該圧延スタンドとその上流側または下流側に位置す
    る隣接圧延スタンドとの間における圧延材のスタンド間
    張力変化量を測定するに際して、 前記圧延スタンドにおける圧延荷重変化量とロール駆動
    用電動機の電機子電流変化量およびロール回転速度変化
    量をそれぞれ検出し、これらの検出値から、かかる圧延
    スタンドにおける圧延ロールの回転運動モデルを用い
    て、前記スタンド間張力変化量と該圧延スタンドにおけ
    るロール回転速度変化量をそれぞれ推定すると共に、該
    ロール回転速度変化量の推定値と前記ロール回転速度変
    化量の検出値との差に基づいて該スタンド間張力変化量
    の推定値を修正することを特徴とする圧延材の張力変化
    量の測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法で得られたスタン
    ド間張力変化量を用い、該スタンド間張力変化量を補う
    ように、前記圧延スタンドおよび前記隣接圧延スタンド
    の少なくとも一方におけるロール回転速度を調節するこ
    とにより、圧延材のスタンド間張力を目標値に制御する
    ことを特徴とする圧延材の張力制御方法。
  3. 【請求項3】 電動機によって駆動される圧延ロールを
    有する圧延スタンドを備えたタンデム型の圧延機におい
    て、該圧延スタンドとその上流側または下流側に位置す
    る隣接圧延スタンドとの間における圧延材のスタンド間
    張力変化量を測定する装置であって、 前記圧延スタンドにおける圧延荷重変化量とロール駆動
    用電動機の電機子電流変化量およびロール回転速度変化
    量をそれぞれ検出する検出手段と、 前記圧延スタンドにおける圧延ロールの回転運動モデル
    に基づいて、かかる検出手段による各検出値から前記ス
    タンド間張力変化量と該圧延スタンドにおけるロール回
    転速度変化量をそれぞれ推定すると共に、該ロール回転
    速度変化量の推定値と前記ロール回転速度変化量の検出
    値との差に基づいて該スタンド間張力変化量の推定値を
    修正する推定手段とを、有することを特徴とする圧延材
    の張力変化量の測定装置。
  4. 【請求項4】 前記推定手段が、実質的に前記圧延スタ
    ンドにおける圧延ロールの回転運動モデルに基づいて得
    られた下式: 【数1】 (但し、Δωest は圧延ロールのロール回転速度変化量
    の推定値であり、ΔTes t は圧延材のスタンド間張力変
    化量の推定値であり、Rは圧延ロールのロール半径であ
    り、Jは圧延ロールの慣性モーメントであり、Kは変換
    係数であり、ΔIはロール駆動用電動機の電機子電流で
    あり、aは係数であり、ΔPは圧延荷重の変化量であ
    り、ki (i=1,2)は推定値の推定速度を調節する
    パラメータであり、Δωは圧延ロールのロール回転速度
    変化量の実際の検出値である。)に従って前記スタンド
    間張力変化量を推定するように構成されている請求項3
    に記載の圧延材の張力変化量の測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の圧延材の張力変化量の
    測定装置と、 該測定装置によって得られた圧延材の張力変化量に基づ
    いて、前記圧延スタンドおよび前記隣接圧延スタンドの
    少なくとも一方におけるロール回転速度の修正量を演算
    し、かかる圧延スタンドのロール回転速度を調節するこ
    とにより、前記圧延材のスタンド間張力を目標値に制御
    するロール回転速度調節手段とを、有することを特徴と
    する圧延材の張力制御装置。
  6. 【請求項6】 電動機によって駆動される圧延ロールを
    有する前記圧延スタンドが垂直圧延スタンドとされると
    共に、前記隣接圧延スタンドが該垂直圧延スタンドの下
    流側に配設された水平圧延スタンドとされて、前記圧延
    材の張力変化量の測定装置により、該垂直圧延スタンド
    における圧延ロールの回転運動モデルに基づいて前記ス
    タンド間張力変化量が推定されると共に、前記ロール回
    転速度調節手段によって、前記水平圧延スタンドにおけ
    るロール回転速度が調節される請求項5に記載の圧延材
    の張力制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014087824A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Kobe Steel Ltd 条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法及び条鋼圧延の圧延機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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