JP2014087824A - 条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法及び条鋼圧延の圧延機 - Google Patents

条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法及び条鋼圧延の圧延機 Download PDF

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Abstract

【課題】条鋼圧延において圧延材を圧延する圧延スタンドを駆動させるモータのモータ電流によって安定的にスタンド間張力を求めることができるようにする。
【解決手段】本発明の条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法及び条鋼圧延の圧延機においては、モータで駆動される圧延スタンド9を複数有する圧延機1によって圧延スタンド間の張力を測定しながら条鋼圧延を行うに際し、圧延スタンド9のモータ電流の変化量である差電流と圧延モデルとを用いて、圧延スタンド間の張力を求める。
【選択図】図4

Description

本発明は、条鋼を圧延する条鋼圧延において精確にスタンド張力を推定する推定方法、及びこの推定方法を採用可能な条鋼圧延の圧延機に関する。
従来より、線材、棒鋼、型鋼などの条鋼(条鋼材)を製造する条鋼圧延では、条鋼の元となる圧延材を圧延する圧延スタンドの間の張力(スタンド間張力という)を測定しながら、圧延材の圧延を行っている。このような条鋼圧延において、スタンド間張力を求める技術として、特許文献1〜5に示すものがある。
特許文献1では、各スタンドにおける条材(圧延材)の最後端の通過を検出し、最後端が通過したi番目のスタンドと次のi+1番目のスタンドに最後端が存在する間に、条材の幅寸法変動値を求めて、この幅寸法変動値と、条材の幅の影響係数とから張力を求めている。即ち、特許文献1では、圧延材の尻抜け時において、当該圧延材の幅寸法の変化からスタンド間張力を推定している。
特許文献2では、圧延スタンドの荷重、トルクの変化量から圧延モデルを用いて、圧延材の先端、圧延材の中央、圧延材の尾端の各時刻におけるスタンド間張力を推定している。特許文献3では、圧延材が尻抜け時の圧延スタンドの荷重、圧延スタンドのトルク、圧延材の幅寸法からスタンド間張力を推定している。
また、特許文献4では、張力による電磁特性の変化を検出してスタンド間張力を推定している。
また、特許文献5では、圧延スタンドの圧延荷重、駆動電動機の電圧及び電流から圧延トルクの変化を求めると共に、圧延材が圧延スタンドに噛み込んだときの圧延トルクの変化に基づいてスタンド間張力を推定している。
つまり、特許文献1〜5には、圧延材が尻抜けしたときの圧延材の幅寸法からスタンド間張力を推定する方法(特許文献1)と、圧延荷重、圧延トルクを基に圧延モデル等を用いてスタンド間張力を推定する方法(特許文献2、3、5)と、張力による電気的な性質の変化によりスタンド間張力を推定する方法(特許文献4)が開示されている。
特公平5−41334号公報 特許第2510090号公報 特公平8−4813号公報 特開平6−94547号公報 特公平4−8124号公報
鋼板の圧延では、一定量の圧延材を圧延すると、ロールの摩耗、肌荒れ等の理由により、圧延ロールが交換される。一方、条鋼圧延を製造する圧延ラインでは、鋼板などを圧延するような圧延ラインとは異なり、圧延材のサイズ、形状に応じて、圧延ロールだけでなく圧延スタンドの交換が頻繁に行われている。このため、圧延スタンドの交換等に伴って圧延荷重を測定するロードセルの取り外し、再取り付け、調整(校正)を繰り返し行わなければならない。ロードセルによる測定を精確なものとするためには、ロードセルの取り付け後の調整や校正を、毎回確実に行う必要が生じてくる。このようなことから、条鋼圧延ラインにおいては、ロードセルを用いて圧延荷重を測定し、得られた圧延荷重からスタンド間張力を求めることは難しいのが実情である。また、同様の理由により、ロードセルによる計測値から圧延トルクを精確に算出し、得られた圧延トルクからスタンド間張力を求めることも難しいのが実情である。
つまり、特許文献2、3、5には、圧延荷重や圧延トルクを用いてスタンド間張力を求めることが開示されているが、これらの技術を用いてスタンド間張力を求めることは、実際の現場では困難を極めることが多い。
一方、特許文献1には、圧延材が尻抜けしたときの圧延材の幅寸法に基づいて張力を推定する残差張力推定方法の技術が開示されている。しかしながら、実際の条鋼圧延における上流側の圧延スタンドでは、尻抜け時の張力の変化が圧延材の幅寸法の変化に大きな影響を及ぼさず、特許文献1の技術のように、圧延材の幅寸法に基づいて上流側のスタンド間張力を求めることは難しい。
また、特許文献4には、電磁特性の変化によってスタンド間張力を求めることが開示されているものの、圧延材には温度ムラ(例えば、スキッドに接した部分が他部分より低温となっているなど)が存在することがあり、この温度ムラの影響により電磁特性が変化することから、特許文献4の技術を用いても安定してスタンド間張力を求めることができない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、安定的にスタンド間張力を求めることができる条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法及び条鋼圧延の圧延機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、モータで駆動される圧延スタンドを複数有する圧延機によって前記圧延スタンド間の張力を測定しながら条鋼圧延を行うに際し、前記圧延スタンドのモータ電流の変化量である差電流と圧延モデルとを用いて、圧延スタンド間の張力を求めることを特徴とする。好ましくは、モータ電流の差電流に加え、モータ電圧、モータ回転数と圧延モデルを用いて圧延スタンド間の張力を求めてもよい。
i番目の圧延スタンドと、i番目の圧延スタンドの下流側に位置するi+1番目の圧延スタンドとの間における圧延スタンド間の張力を求めるに際し、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込む前におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流と、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ後におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流との差電流を求め、前記差電流と圧延モデルとを用いて、前記圧延スタンド間の張力を求めることが好ましい。
i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ時点から数秒間遡った区間で安定したi番目の圧延スタンドのモータ電流と、圧延材が噛み込んだ時点から数秒間進んだ区間で安定したi番目の圧延スタンドのモータ電流とに基づき、前記差電流を求めるとよい。好ましくは、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ時点から0.1秒〜数秒間遡った区間で安定したi番目の圧延スタンドのモータ電流と、圧延材が噛み込んだ時点から0.1秒〜数秒間進んだ区間で安定したi番目の圧延スタンドのモータ電流とに基づき、差電流を求めるとよい。
前記差電流と、下記の圧延モデルとを用いて前記圧延スタンド間の張力を求めることが好ましい。
前記差電流を求める周期を0.5秒以下にするとよい。好ましくは、各圧延スタンドのモータ電流、モータ電圧、モータ回転数を検出し、差電流、張力を演算する周期を0.5秒以下にするとよい。
また、前記モータ電流を基に変形抵抗を推定し、推定した変形抵抗に基づいて前記スタンド間の張力を求めることが好ましい。
本発明における課題解決のための他の技術的手段は、モータで駆動される圧延スタンドを複数有し且つ前記圧延スタンド間の張力を測定しながら条鋼圧延を行う圧延機であって、前記圧延スタンドのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段によって検出したモータ電流を基に、当該圧延スタンドのモータ電流の変化量である差電流を算出すると共に、算出した差電流と圧延モデルとを用いて、前記圧延スタンド間の張力を求める張力演算手段と、を備えていることを特徴とする。
前記複数の圧延スタンドとして、i番目の圧延スタンドと、i番目の圧延スタンドの下流側に位置するi+1番目の圧延スタンドとを有し、前記電流検出手段は、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込む前におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流と、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ後におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流とを検出するように構成され、前記張力演算手段は、検出した前記モータ電流から差電流を求めると共に、求めた差電流と圧延モデルとを用いて、i番目の圧延スタンドとi+1番目の圧延スタンドとの間の張力を求めることが好ましい。
本発明によれば、圧延スタンドを複数有する圧延機によって条鋼圧延を行うときに、圧延スタンドを駆動させるモータのモータ電流によってメンテナンスコストをかけず極めて安価に安定的にスタンド間張力を求めることができる。
条鋼線材の圧延ラインの概要図である。 圧延材の噛み込み状況とモータ電流との関係を示す図である。 モータ電流の時間推移を示した図である。 圧延スタンド間の差電流の検出と張力の演算結果を示した図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、棒鋼、線材、型鋼などの条鋼(条鋼材)を圧延する圧延機(圧延ライン)の概要を示している。
圧延機1は、加熱炉2から移送された圧延材(素材)3を条鋼に圧延するものであって、粗圧延機4、中間圧延機5、仕上げ圧延機(ブロックミル)6、ピンチロール7、巻き取り機(レイングヘッド)8、若しくは、切断装置(コールドシャー)と冷却床とを備えている。加熱炉2の下流側には粗圧延機4が配置されており、粗圧延機4から下流側に向けて順に中間圧延機5、仕上げ圧延機6、ピンチロール7、巻き取り機8が配置されている。
各圧延機4、5、6は、複数の圧延スタンド9を備えている。各圧延スタンド9は圧延ロール10を備えていて、この圧延ロール10には、当該圧延ロール10を回転駆動するモータ(図示略)が設けられている。各圧延ロール10を回転駆動するモータの電流(モータ電流という)は、電流計等から構成された電流検出手段12によって検出可能であり、検出されたモータ電流は、プロコンから構成された制御装置11に入力されるようになっている。
この制御装置11は、モータ電流、モータ電圧、モータ回転数などからスタンド間張力を求める張力演算手段13を備えており、張力演算手段13によって求めたスタンド間張力によって、各圧延ロール10を駆動するモータや圧延ロール10のギャップ等を制御できるようになっている。
このような圧延機1を用いて、圧延材3を条鋼圧延にするには、まず、ビレット等の圧延材3を加熱炉2にて加熱し、その後、加熱した圧延材3を、粗圧延機4、中間圧延機5、仕上げ圧延機6の順に導入して、圧延ロール10に設けたカリバーによって、圧延材3の断面を角状、オーバル、丸状の順に変形し、圧延材3を所望の断面形状にする。仕上げ圧延機6によって条鋼となった圧延材は、巻き取り機8に巻き取られる。この条鋼圧延では、圧延材3が圧延スタンド9に噛み込んだとき、当該圧延スタンド9と、この圧延スタンド9の1つ前(1つ上流側)との間におけるスタンド間張力を求めて、スタンド間張力に基づいて条鋼圧延の制御を行う。
以下、制御装置11に備えられた張力演算手段13で行われる張力推定方法について、詳しく説明する。
図2は、圧延材3の噛み込みとモータ電流との関係を示したものである。
図2(a)に示すように、圧延材3がi番目の圧延スタンド9に噛み込む前では、i番目の圧延スタンド9のモータ電流は零に近く非常に小さい。図2(b)に示すように、圧延材3がi番目の圧延スタンド9に噛み込んだ時点では、i番目の圧延スタンド9のモータ電流は急激に大きくなる。そして、図2(c)に示すように、圧延材3が次の圧延スタンド9であるi+1番目の圧延スタンド9に噛み込み、i番目の圧延スタンド9とi+1番目の圧延スタンド9との間にスタンド間張力が発生すると、例えば、i番目の圧延スタンド9のモータ電流さらに大きくなる。
このように、スタンド間張力とモータ電流とは関連性があることから、本発明では、張力演算手段13においてスタンド間張力を求めるに際しては、各圧延スタンドを駆動させるそれぞれのモータ電流を用いることとしている。
圧延スタンド間張力を求めるには、まず、図2(b)、(c)に示すように、圧延材3がi番目の圧延スタンド9に噛み込み後、i+1番目の圧延スタンド9に噛み込む前までのi番目の圧延スタンド9におけるモータ電流を電流検出手段12によって検出し、このモータ電流を逐次記憶する。説明の便宜上、圧延材3が「i番目の圧延スタンド9に噛み込んだ後であって、i+1番目の圧延スタンド9に噛み込む前」に検出したモータ電流のことを「前モータ電流」という。
次に、図2(c)に示すように、圧延材3がi+1番目の圧延スタンド9に噛み込んだ後、i番目の圧延スタンド9のモータ電流を同様に電流検出手段12によって検出し、このモータ電流を逐次記憶する。説明の便宜上、圧延材3が「i番目の圧延スタンド9に噛み込んだ後であって、i+1番目の圧延スタンド9にも噛み込んだ後」に検出したモータ電流のことを「後モータ電流」という。
そして、制御装置11に設けた張力演算手段13によって、前モータ電流と、後モータ電流との差である差電流を求める。そして、求めた差電流を圧延モデルに適用して、i番目の圧延スタンド9とi+1番目の圧延スタンド9とのスタンド張力を求める。
以下、図3を用いて、3台の圧延スタンドを例にとり、スタンド間張力の算出について詳しく説明する。
図3(a)は、1番目の圧延スタンド9のモータ電流の変化を示したものであり、図3(b)は、2番目の圧延スタンド9のモータ電流の変化を示したものであり、図3(c)は、3番目の圧延スタンド9のモータ電流の変化を示したものである。説明の便宜上、1番目の圧延スタンド9を第1圧延スタンド、2番目の圧延スタンド9を第2圧延スタンド、3番目の圧延スタンド9を第3圧延スタンドという。
圧延材3の圧延が始まると、第1〜第3圧延スタンド9におけるモータ電流がそれぞれ電流検出手段12によって測定され、各モータ電流は制御装置11に入力される。各モータ電流が予め定められた閾値を超えると、圧延開始とされる。例えば、図3(a)に示すように、第1圧延スタンド9では、ポイントAにてモータ電流が急激に上昇して閾値を超えるため、制御装置11では、ポイントAで第1圧延スタンド9の圧延が開始されたと検出される。同様に、ポイントBで第2圧延スタンド9の圧延開始が検出され、ポイントCで第3圧延スタンド9の圧延開始が検出される。
次に、張力演算手段13は、モータ電流の差電流を求める処理に移行する。
まず、図3(a)に示すように、第1圧延スタンド9の圧延開始後、第2圧延スタンド9が圧延開始となるまで、第1圧延スタンド9における前モータ電流を、サンプリング時間毎に順次記憶する。そして、第2圧延スタンド9が圧延開始となった(圧延材3が第2圧延スタンド9に噛み込んだポイントB)後、圧延材3が第3圧延スタンド9に噛み込むまで、第1圧延スタンド9における後モータ電流をサンプリング時間毎に順次記憶する。
つまり、第2圧延スタンド9に圧延材3が噛み込むポイントBを中心として、その前後のモータ電流、即ち、第1圧延スタンド9の前モータ電流と、第1圧延スタンド9の後モータ電流とを記憶する。
第1圧延スタンド9の前モータ電流と、後モータ電流との記憶が終了すると、張力演算手段13は、第1圧延スタンド9における前モータ電流のデータを呼び出し、ポイントBから数秒間(例えば、2秒間)遡ったデータ中で安定している前モータ電流を、差電流を計算するための第1電流値Ibとする。また、張力演算手段13は、同様に、第1圧延スタンド9の後モータ電流を呼び出し、ポイントBから数秒間(例えば、2秒間)進んだデータ中で安定している後モータ電流を、差電流を計算するための第2電流Iaとする。言い換えれば、前モータ電流のうち、ポイントBから数秒間過去に遡った区間で安定している電流値を、第1電流値Ibとして採用し、後モータ電流のうち、ポイントBから数秒間進んだ区間で安定している電流値を、第2電流値Iaとして採用している。
そして、第2電流値Iaから第1電流値Ibを引くことによって第1圧延スタンド9の差電流を求める(差電流=Ia−Ib)。
圧延材3が圧延スタンド9に噛み込んだとき、大きな電流変動(インパクト)が生じるが、上述したように、差電流を求めるにあたっては、ポイントBから前後の数秒間(例えば、2秒間)のモータ電流を用いているため、大きな電流変動(インパクト)を除いた部分での差電流を求めることができる。
なお、差電流を求めるにあたって、採用する第1電流値Ibや第2電流値Iaは、圧延速度が遅い場合には、モータ電流において0.5〜1秒程度の平均値としてもよく、圧延速度が早い場合には、モータ電流において0.1〜0.5秒程度の平均値としてもよい。このようなことから、各圧延スタンド9において、差電流を求める周期は0.5秒以下にすることが好ましい。
以上のように、第1圧延スタンド9と第2圧延スタンド9との間のスタンド間張力を求めるにあたっては、まず、圧延材3が第2圧延スタンド9に噛み込む前後における、第1圧延スタンド9の差電流(=Ia−Ib)を求めることとしている。同様に、第2圧延スタンド9と第3圧延スタンド9との間のスタンド間張力を求めるにあたっても、圧延材3が第3圧延スタンド9に噛み込む前後における第2圧延スタンド9の差電流を求めることとしている。
そして、スタンド間張力Δσは、得られた差電流ΔAを基に式(1)により算出される。
式(1)で用いるモータトルクGは、式(2)により計算するとよい。
式(2)の計算に用いる変形抵抗kfmは、本実施形態の場合、張力が作用していな状態のロール回転数N、モータ負荷(モータ電流A×モータ電圧V)の実績値から当業者常法の変形抵抗モデル(例えば、式(3)〜式(5))を使って推定する。すなわち、モータ電流Aを基に変形抵抗kfmを推定し、推定した変形抵抗kfmに基づいてスタンド間の張力を求めることとなる。
さて、上記した式(1)の導出方法は、以下の通りである。
まず、モータに作用するトルクG、電圧V、電流Aの関係は、式(6)のように表される。
この式(6)を変形すると式(7)、式(8)のようになる。
式(7)、式(8)を用いれば、スタンド間張力が作用したときの差電流(電流変化量)を求めることによって、スタンド間張力を求めることができる。ただし、σFは前方張力、σは後方張力である。
ここで、圧延スタンドにおいて前方張力が発生しても後方張力は一定に保たれる(圧延材3が噛み込んだとしても既に噛み込んでいるスタンド間張力に影響を与えない、即ち、Δρ=0)、スタンド間張力の発生によって圧延荷重が変化してもロールギャップ(ロール隙間)は、変わらない「即ち、Δh=0」と仮定すると、スタンド間張力を求める式(7)及び式(8)は、式(1)に変形することができる。
このようにして得られた式(1)を用い、差電流ΔAから前方張力Δσを計算することで、スタンド間張力を求めることができる。
図4は、圧延スタンド間の差電流の検出と張力の演算結果を示す図である。
図4では、i番目の圧延スタンドを「#1スタンド」で表し、i+1番目の圧延スタンドを「#1+1スタンド」で表すこととする。
図4に示すように、圧延材3がi番目の圧延スタンド9に噛み込むと、i番目の圧延スタンド9のモータ電流は急激に上昇する。そして、圧延材3がi+1番目の圧延スタンド9に噛み込むと、i番目の圧延スタンド9のモータ電流はやや上昇する。そして、20秒を超えた時点で、差電流を検出してスタンド間張力を求めると、スタンド間張力は0.5kg/mmとなる。また、圧延材3が尻抜けして1回目の圧延(1パス)が終了後、2回目の圧延(2パス)において、圧延材3がi番目の圧延スタンド9に噛み込むと(次材が#1スタンド噛み込み)、75秒付近で次材を圧延したときのスタンド間張力(0.15kg/mm)を求めることができる。
以上述べたように、隣接する圧延スタンドのモータ電流の差と圧延モデルとを用いて、圧延スタンド間の張力を求めることで、安定的且つ精確にスタンド間張力を求めることができるようになる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 圧延機(圧延ライン)
2 加熱炉
3 圧延材
4 粗圧延機
5 中間圧延機
6 仕上げ圧延機
7 ピンチロール
8 巻き取り機
9 圧延スタンド
10 圧延ロール
11 電流検出手段
12 制御装置
13 張力演算手段

Claims (8)

  1. モータで駆動される圧延スタンドを複数有する圧延機によって前記圧延スタンド間の張力を測定しながら条鋼圧延を行うに際し、
    前記圧延スタンドのモータ電流の変化量である差電流と圧延モデルとを用いて、圧延スタンド間の張力を求めることを特徴とする条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法。
  2. i番目の圧延スタンドと、i番目の圧延スタンドの下流側に位置するi+1番目の圧延スタンドとの間における圧延スタンド間の張力を求めるに際し、
    i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込む前におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流と、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ後におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流との差電流を求め、
    前記差電流と圧延モデルとを用いて、前記圧延スタンド間の張力を求めることを特徴とする請求項1に記載の条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法。
  3. i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ時点から数秒間遡った区間で安定したi番目の圧延スタンドのモータ電流と、圧延材が噛み込んだ時点から数秒間進んだ区間で安定したi番目の圧延スタンドのモータ電流とに基づき、前記差電流を求めることを特徴とする請求項2に記載の条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法。
  4. 前記差電流と、下記の圧延モデルとを用いて前記圧延スタンド間の張力を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法。
  5. 前記差電流を求める周期を0.5秒以下にすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法。
  6. 前記モータ電流を基に変形抵抗を推定し、推定した変形抵抗に基づいて前記スタンド間の張力を求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の条鋼圧延におけるスタンド張力の推定方法。
  7. モータで駆動される圧延スタンドを複数有し且つ前記圧延スタンド間の張力を測定しながら条鋼圧延を行う圧延機であって、
    前記圧延スタンドのモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって検出したモータ電流を基に、当該圧延スタンドのモータ電流の変化量である差電流を算出すると共に、算出した差電流と圧延モデルとを用いて、前記圧延スタンド間の張力を求める張力演算手段と、
    を備えていることを特徴とする条鋼圧延の圧延機。
  8. 前記複数の圧延スタンドとして、i番目の圧延スタンドと、i番目の圧延スタンドの下流側に位置するi+1番目の圧延スタンドとを有し、
    前記電流検出手段は、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込む前におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流と、i+1番目の圧延スタンドに圧延材が噛み込んだ後におけるi番目の圧延スタンドのモータ電流とを検出するように構成され、
    前記張力演算手段は、検出した前記モータ電流から差電流を求めると共に、求めた差電流と圧延モデルとを用いて、i番目の圧延スタンドとi+1番目の圧延スタンドとの間の張力を求めるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の条鋼圧延の圧延機。
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