JP5557464B2 - 多段圧延機の張力制御方法及び多段圧延機の張力制御装置 - Google Patents

多段圧延機の張力制御方法及び多段圧延機の張力制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の圧延スタンドを備えた多段圧延装置で圧延材を熱間連続圧延する際に用いられ、操業安定性を向上させるとともに製品精度を向上させることが可能な張力制御方法及び張力制御装置に関する。
従来から、薄鋼板や薄アルミ板等の圧延材は、複数の圧延スタンドを有する多段圧延装置(連続圧延装置)により製造されている。多段圧延装置における熱間圧延や冷間圧延における最終製品の評価基準のひとつとして板厚および板幅があるが、この板厚や板幅は、圧延中に材料にかかる張力の影響を受けるため、張力を目標値に制御することが重要である。特に、熱間圧延における圧延材料は加熱処理されて高温になり、圧延材料の変形抵抗が小さくなっているので、大きな張力がかかると材料が破断する可能性もあるので、制御量を張力とすることに大きな意義がある。
なお、制御量を張力とした場合、制御操作量としては、ロール速度、ルーパ角度又はロールギャップ量などがある。このような圧延装置における張力制御に関して、以下の技術がある。
特許第3041155号公報(特許文献1)は、圧延スタンド間に設置されたルーパの高さを計測し、ルーパ高さと目標高さとの差に基づいてロール速度制御装置を操作し、スタンド間の圧延材張力と目標張力との差に基づいてルーパ電流制御装置を操作し、ルーパ制御系の共振周波数、減衰係数を複数の計測値から推定し、推定値に応じてロール速度制御装置の設定値に変更を加え、共振周波数、減衰係数を適正値に修正し、圧延設備を安定化する、ルーパ制御装置が開示されている。
さらに、特許第3451919号公報(特許文献2)は、不特定の原因により発生する当該スタンド入側板厚変動を、板厚計あるいは前段スタンドにおけるゲージメータ板厚計算値により検出し、入側板厚変動による当該スタンドの後進率(=後方張力)変動を演算し、その変動を抑制するための出側板厚変化量を演算し、その演算結果に応じて、圧下操作あるいは出側板厚目標値変更を行ない、入側板厚起因の張力変動の発生を抑制する、熱間連続圧延装置におけるスタンド間張力制御方法が開示されている。
特許第3041155号公報 特許第3451919号公報
上述した特許文献1に開示されたルーパ制御装置では、圧延材先端部の通過後の定常部のみを想定しており、張力制御系、ルーパ高さ制御系の安定化のみが重視され、定常部での安定化はできるが、圧延材の先端部や後端部での張力変動及び板厚変動を抑制することは困難であるなどの問題点がある。
さらに、特許文献2に開示された張力制御方法では、張力変動が引きおこす板厚変動発生を未然に抑制するのみで板厚偏差を抑制できないものとなっている。また、この技術は、圧延材の定常部での微少な張力変動を想定しており、圧延材の非定常部(先端部や後端部)での大きな張力変動には対処が困難なものとなっている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、多段圧延装置において、制御操作量としてロール速度、ルーパ角度又はロールギャップ量を調整することにより、圧延スタンド間張力が好ましい時間変化で目標張力値になるように制御して、操業安定性を向上させるとともに製品精度を向上させる、張力制御方法及び張力制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る多段圧延機の張力制御方法は、多段圧延装置に備えられた圧延スタンドで圧延される圧延材の張力を制御する方法であって、前記圧延材の張力の時間変化を規定した目標軌道データを予め作成する目標軌道算出ステップと、前記圧延材の張力実績値と前記目標軌道データとの偏差に基づいて、前記圧延材の張力を制御する張力制御ステップとを含むことを特徴とする。
通常の張力制御方法として、制御目標値として目標張力値が設定されて、PI制御が行なわれることがあるが、この場合、圧延材の先端部が噛み込んだときに急激に張力測定値が上昇し制御操作量が大きく変化して制御性が著しく悪化する(たとえば大きくオーバーシュートする)ことがある。本発明の張力制御方法によると、圧延材の張力(圧延スタンド間張力)の時間変化を規定した目標軌道データ(張力についての好ましい時間変化を示すデータ)を予め演算しておいて、目標張力値に代えて目標軌道データを用いる。そして、張力実績値と目標軌道データとの偏差に基づいて、圧延材の張力を制御する。このため、張力値が大きくオーバーシュートするような不安定な制御が回避されて張力が安定してコントロールされる。ひいては、操業安定性(通板安定性)が向上し、製品精度を向上させることができる。
なお、前記張力制御ステップは、前記圧延材の張力実績値と張力目標値との偏差が小さい場合には、当該偏差に基づいて圧延材の張力を制御し、前記圧延材の張力実績値と張力目標値との偏差が大きい場合には、張力実績値と前記目標軌道データとの偏差に基づいて、圧延材の張力を制御するとよい。
こうすることで、必要なとき(圧延材の張力実績値と張力目標値との偏差が大きい場合)のみ、本発明の技術を適用することができ、例えば、制御装置の計算負荷を低減できる。
好ましくは、前記張力制御ステップは、制御操作量である圧延スタンドのロール速度、ロールギャップ量及びルーパ角度のいずれか1つを操作することで圧延材の張力を制御するとよい。
さらに好ましくは、前記目標軌道算出ステップは、前記目標軌道データを前記制御操作量の変化量に制約条件を適用した上で算出するとよい。
前記制約条件は、圧延スタンドの特性値又は圧延材の張力値に基づいて設定されるとよい。
また、本発明に係る多段圧延機の張力制御装置は、多段圧延装置に備えられた圧延スタンドで圧延される圧延材の張力を制御する装置であって、前記圧延材の張力の時間変化を規定した目標軌道データを予め作成する目標軌道算出部と、前記圧延材の張力実績値と前記目標軌道データとの偏差に基づいて、前記圧延材の張力を制御する張力制御部と、を含むことを特徴とする。
なお、本発明に係る多段圧延機の張力制御方法の最も好ましい形態は、多段圧延装置に備えられた圧延スタンドで圧延される圧延材の張力を制御する方法であって、前記圧延材の目標張力値に基づいて、前記目標張力値に到るまでの前記圧延材の張力の時間変化を予め規定した目標軌道データを作成する目標軌道算出ステップと、前記目標軌道データと前記圧延材の張力実績値との偏差に基づいて、前記圧延材の張力を制御する張力制御ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る多段圧延機の張力制御装置の最も好ましい形態は、多段圧延装置に備えられた圧延スタンドで圧延される圧延材の張力を制御する装置であって、前記圧延材の目標張力値に基づいて、前記目標張力値に到るまでの前記圧延材の張力の時間変化を予め規定した目標軌道データを作成する目標軌道算出部と、前記圧延材の張力実績値と前記目標軌道データとの偏差に基づいて、前記圧延材の張力を制御する張力制御部と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る多段圧延機の張力制御方法及び多段圧延機の張力制御装置を用いることにより、圧延スタンド間張力を好ましい時間変化で目標張力値になるように制御して、操業安定性を向上させるとともに製品精度を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る多段圧延装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る多段圧延装置の一部を拡大した図である。 制御部で行われる処理を示すフローチャートである。 本発明の張力制御方法を用いたシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態の多段圧延装置(熱間連続圧延装置)を模式的に示した図であり、図2は、多段圧延装置の一部を示した図である。
図1,図2に示す通り、多段圧延装置1は、複数の圧延スタンド2(図2には上流側の第i番目の圧延スタンド2と下流側の第(i+1)番目の圧延スタンド2とを記載)と、コイル巻き取り機3と、圧延スタンド間張力(単に張力と呼ぶこともある)を適正にすべく圧延ロール4Aの速度を制御する制御部11を備える。この多段圧延装置1においては、圧延材6は、複数の圧延スタンド2を通ることで、所望の板厚、板幅、板クラウンの製品板へと圧延され、コイル巻き取り機3で巻き取られ次工程へと搬送される。
圧延スタンド2の圧延ロール4A(ワークロール)は、電動機7で駆動されているが、この電動機7は、目標軌道算出部8からの指令に基づき動作するロール速度制御部5により自由に回転速度を調整できるようになっている。又、上下の圧延ロール4Aの間隔は、油圧又は電動機7で駆動される圧下装置(図示せず)によって、自在にギャップを調整できる構造になっている。
上下の圧延ロール4Aはそれぞれバックアップロール4Bを備える。最終の圧延スタンド2出側には、圧延材6の板厚を検出する板厚検出器(図示せず)が設けられる。また、各圧延スタンド2間の張力を検出するルーパ9が設けられる。
制御部11には、ロール速度制御部5と目標軌道算出部8と軌道テーブル記憶部10が備えられている。
ロール速度制御部5は、ルーパ9で計測された圧延スタンド間張力と目標軌道算出部8の出力とに基づいて、前段(上流側のi番目の圧延スタンド2)のロール速度(制御操作量)を操作して、圧延スタンド間張力(制御量)を制御するものとなっている。
目標軌道算出部8は、ルーパ9から入力された張力計測値や板厚や板幅などの製品情報に基づいて、目標軌道データ(目標とする張力の時間変化曲線)を作成し、ロール速度制御部5に送るようになっている。また、軌道テーブル記憶部10に目標軌道データを書込んだり、軌道テーブル記憶部10から過去に算出した目標軌道データを読出したりすることができるようになっている。
要約すれば、本実施形態の大きな特徴は、ロール速度制御部5が、張力を目標軌道算出部8が算出した目標軌道データに沿って変化させるべくロール速度を調整している点にある。
図3は、制御部11において実行される張力制御処理を示したフローチャートである。このフローチャートを参照して、本実施形態に係る張力制御方法を説明する。なお、本実施形態に係るロール速度制御部5においては、PI制御によるフィードバック制御が実行されるものとする。
ステップ1(以下、ステップをSと記載する)にて、目標軌道算出部8は、オフライン計算によって目標軌道データを計算する。目標軌道データは、以下の式(1)により表わされる。
Figure 0005557464
以下に、この目標軌道データの算出方法について説明するが、この算出方法に限定されるものではない。オペレータが任意に設定してもよい。
まず、圧延スタンド2の特性とロール速度制御部5の特性とが、式(2)で表わされるとする。
Figure 0005557464
ここで制約条件(拘束条件)として、ロール速度指令値の制約を採用し、これが式(3)で示される場合を考える。
Figure 0005557464
なお、βは設備仕様あるいは制御仕様から決まる定数であり、事前に操業者が決定する数値である。
このような拘束システムに対して、式(3)の制約が満足されるように、この張力制御系を安定化させる制御操作量(ロール速度とルーパトルク)を演算する方法として、リファレンスガバナ設計手法を適用することにより、式(1)の目標軌道データを演算できる。
さらに、一般的な状況を想定して、ロール速度指令値の変化率に対する制約がある場合を考える。この制約を式(4)に示す。
Figure 0005557464
ここで、Mサンプリング時間先までに張力値を目標張力に整定させることを制御目的とすると、次の式(5)を満足させることにより、上式の変化率に対する制約(式(4))を満足させることができる。
Figure 0005557464
ここで、操作量の初期値は、たとえば、圧延の設定計算におけるパススケジュール値を用いる。操作量に関する制約式として、式(3)の代わりに式(5)を用いたリファレンスガバナ設計手法により目標軌道データを演算する。これにより、変化率の制約を満足する目標軌道データを得ることができる。
一方で、変化率の制約としては、圧延スタンド2のハードウェア面の制約だけではなく、圧延状態に注目したものであってもよい。
たとえば、通板性を良好な状態で確保するとの観点からスタンド間張力への制約を考え、以下の式(6)を適用する。
Figure 0005557464
制御操作量に関する制約式として、式(7)を用いて、リファレンスガバナ設計手法により目標軌道データを演算してもよい。
Figure 0005557464
得られる目標軌道データに追従するように制御を行なうことで、式(6)を満足し、通板性の制約を満足するものとなる。なお、この演算は、張力偏差の値に応じて、更には圧延材6品種・寸法などに応じて行なわれる。
S2にて、目標軌道算出部8は、S1にて得られた目標軌道データの値を、軌道テーブル記憶部10の軌道格納テーブルに格納する。なお、この際には、圧延材6品種、寸法又は張力偏差に対応したテーブルへ格納して目標軌道テーブルを更新する。以上述べたS1が目標軌道算出ステップである。
S3にて、ロール速度制御部5は、対象スタンド間(ここでは上流側の第iスタンドと下流側の第(i+1)スタンドとの間)において、圧延材6の先端部が後段スタンド(下流側の第(i+1)スタンド)へ噛み混んだ後に計測されたスタンド間張力値(張力計測値)を取得して、張力計測値と目標張力値との偏差(張力偏差値)を、以下の式(8)に従って算出する。S3以降はオンライン計算される。
Figure 0005557464
S4にて、ロール速度制御部5は、S3にて算出された張力偏差値を用いて、式(9)に従い、S2にて軌道テーブル記憶部10に記憶した目標軌道データを参照するか否かを判定する。これは、張力偏差値が低い場合には制御操作量も大きな値とはならないため、本実施形態に係る目標軌道データを参照して制御操作量を演算する必要がないことを考慮したものである。
Figure 0005557464
なお、式(9)におけるαは、圧延スタンド2の特性等を考慮して予め定められる閾値である。S4にて張力偏差値が閾値αよりも大きいと(S4にてYES)、処理はS5Aへ移される。もしそうでないと(S4にてNO)、処理はS5Bへ移される。
S5Aにて、目標軌道算出部8は、軌道テーブル記憶部10に記憶した目標軌道データを参照する。目標軌道データは式(10)で表わされ、サンプリング時間先までの目標軌道データが与えられていることを表している。
Figure 0005557464
ここで、式(11)が成立するので、参照された目標軌道データの最終値が張力目標値に合致していることがわかる。
Figure 0005557464
S5Bにて、目標軌道算出部8は、目標軌道データを目標張力値(一定値)とする。このときの目標軌道データは、式(12)で表すことができる。
Figure 0005557464
S6にて、ロール速度制御部5は、PI制御で適用される演算式を用いて、式(13)に示すように制御演算量を算出する。
Figure 0005557464
S7にて、ロール速度制御部5は、S6にて算出された制御演算量を、ロール速度制御部5の前回速度指令値を加算して、ロール速度を式(14)に示すように変更する。
Figure 0005557464
以上述べたS3〜S7が張力制御ステップである。
S8にて、ロール速度制御部5は、圧延終了であるか否かを判定する。このとき、目標軌道データ算出部1は、圧延終了を圧延材6の尾端部が該当する圧延スタンド2を通過したか否かにより判定する。圧延が終了したと判定されると(S8にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S8にてNO)、処理はS6へ戻されて、繰返して制御操作量を演算する。
以上のような構造及びフローチャートを備えた目標軌道算出部8による張力制御動作について従来技術と比較して説明する。
図4に従来技術による制御動作の結果(点線)と、本実施形態に係る制御動作の結果(実線)とを併せて記載する。
まず、従来技術では、圧延材6の先端部の噛み込み時にルーパ9が立ち上がる際には急激に張力測定値が上昇し、それに応じて張力制御装置によりロール速度指令値を低下させている。その際に、ロール速度の急激な変化により、大きくスタンド間マスフローが乱れるために、板厚偏差も大きく変化し、変化が大きな場合には目標張力値を下回り、それに応じて板厚制御系によりロールギャップが修正され、さらにマスフロー乱れを誘発する結果となる。このため、板厚偏差がしばらく目標板厚を挟んで振動的に変動した後に、目標板厚へ追従する結果となっている。
一方、本実施形態に係る目標軌道算出部8においては、圧延材6の先端部の通板時に目標張力値と先端部での張力測定値とから目標軌道データ(一点鎖線)が計算される。目標軌道データは先端部張力値から目標張力値に向かって伸びる、緩やかな曲線により描かれていることがわかる。
この目標軌道データへ張力値が追従するように制御を行なうため、上述した従来技術と比較すると、圧延材6の先端部での急激な張力変化が抑制されて、緩やかに変化するよう制御されることで目標軌道データに追従していることが確認できる。また、このとき張力値と目標軌道データとの偏差が従来技術と比較して小さいため、圧延材6の先端部でのロール速度指令値の急激な変更がなく、緩やかに変更されていることが確認できる。これらの影響により、板厚偏差およびロールギャップ修正量も緩やかに変化することで、従来技術に見られた板厚偏差の急激な変化は発生していない。
以上のように、本実施形態に係る張力制御方法及び装置によると、圧延材6の先端部が上流部の圧延スタンド2のロールに噛み込んだ時に、計測された張力値と目標張力値との張力偏差が大きいと、目標軌道データを参照して制御操作量が算出されるので、大きくオーバーシュートするような不安定な制御が回避されて張力が安定する。これにより、スタンド間張力が好ましい時間変化で目標張力値になるように制御されて、操業安定性(通板安定性)を向上させるとともに、製品精度を向上させることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、制御操作量はロール速度に限定されるものではなく、ルーパ角度又はロールギャップ量であっても構わない。
1 多段圧延装置
2 圧延スタンド
3 コイル巻き取り機
4A 圧延ロール
4B バックアップロール
5 ロール速度制御部
6 圧延材
7 電動機
8 目標軌道算出部
9 ルーパ
10 軌道テーブル記憶部
11 制御部

Claims (6)

  1. 多段圧延装置に備えられた圧延スタンドで圧延される圧延材の張力を制御する方法であって、
    前記圧延材の目標張力値に基づいて、前記目標張力値に到るまでの前記圧延材の張力の時間変化を予め規定した目標軌道データを作成する目標軌道算出ステップと、
    前記目標軌道データと前記圧延材の張力実績値との偏差に基づいて、前記圧延材の張力を制御する張力制御ステップとを含むことを特徴とする多段圧延機の張力制御方法。
  2. 前記張力制御ステップは、前記圧延材の張力実績値と張力目標値との偏差が小さい場合には、当該偏差に基づいて圧延材の張力を制御し、前記圧延材の張力実績値と張力目標値との偏差が大きい場合には、張力実績値と前記目標軌道データとの偏差に基づいて、圧延材の張力を制御することを特徴とする請求項1に記載の多段圧延機の張力制御方法。
  3. 前記張力制御ステップは、制御操作量である圧延スタンドのロール速度、ロールギャップ量及びルーパ角度のいずれか1つを操作することで圧延材の張力を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の多段圧延機の張力制御方法。
  4. 前記目標軌道算出ステップは、前記目標軌道データを前記制御操作量の変化量に制約条件を適用した上で算出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多段圧延機の張力制御方法。
  5. 前記制約条件は、圧延スタンドの特性値又は圧延材の張力値に基づいて設定されることを特徴とする請求項4に記載の多段圧延機の張力制御方法。
  6. 多段圧延装置に備えられた圧延スタンドで圧延される圧延材の張力を制御する装置であって、
    前記圧延材の目標張力値に基づいて、前記目標張力値に到るまでの前記圧延材の張力の時間変化を予め規定した目標軌道データを作成する目標軌道算出部と、前記圧延材の張力実績値と前記目標軌道データとの偏差に基づいて、前記圧延材の張力を制御する張力制御部と、を含むことを特徴とする多段圧延機の張力制御装置。
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