JP5610990B2 - 多段圧延機の圧延方法及び多段圧延機の制御装置 - Google Patents
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特許文献1では、圧延材の尾端部が通過する際に最尾端位置が圧延スタンドを通過する時の通過スタンドの1つ下流のスタンドでの圧延材の位置を記憶し、その位置が板厚計に到達する時点を後段ロール速度などを利用して推定し、推定結果をもとに板厚計の計測データを記憶し、この操作をスタンド毎に行い、記憶された計測データをもとに板厚増加量を演算し、演算された結果を次の圧延材の板厚制御に用いている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、圧延材の尾端部の圧延を行うに際して、通板安定性を実現できる荷重上限値を求め、この荷重上限値を超えないように尾端部の圧延を行うことにより、圧延材の通材安定性に優れた多段圧延機の圧延方法及び多段圧延機の制御装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、複数の圧延スタンドを備えた多段圧延機にて圧延材を圧延する方法において、前記圧延材を圧延したときの圧延実績値を記憶し、この圧延実績値に基づいて通板安定性を実現できる荷重上限値を予め求めておき、この荷重上限値を超えないように前記圧延材の尾端部の圧延を行う点にある。
前記圧延実績値から圧延ロールのロール撓み量を求め、求めたロール撓み量を用いて前記荷重上限値を求めることが好ましい。
本発明の他の技術的手段は、圧延材を圧延する圧延スタンドを備えた多段圧延機を制御する制御装置において、前記圧延材を圧延したときの圧延実績値を記憶するデータベースと、このデータベースに記憶された圧延実績値を用いて通板安定性を実現できる荷重上限値を求めると共に、前記荷重上限値を超えないように尾端部の圧延を行えるよう圧延条件を算出する演算部と、前記演算部が算出した圧延条件圧延スタンドに適用する制御部とを備えている点にある。
なお、本発明に係る多段圧延機の圧延方法の最も好ましい形態は、複数の圧延スタンドを備えた多段圧延機にて圧延材を圧延する方法において、前記圧延材を圧延したときの圧延実績値を記憶し、記憶した圧延実績値のうち、圧延トラブルなく圧延材の通板が行われた圧延実績値から圧延ロールの撓み量を求め、求めた圧延ロールの撓み量の最大値から通板安定性を実現できる荷重上限値を予め求めておき、この荷重上限値を超えないように前記圧延材の尾端部の圧延を行うものであって、前記圧延材の尾端部の圧延を行うに際しては、前記尾端部の圧延開始時の圧延実績値をロックオンしておき、ロックオンした圧延実績値と現状の圧延実績値とを基に前記荷重上限値を超えないような板厚変化量を求め、この板厚変化量を当該尾端部の圧延を行う圧延スタンドに適用して圧延を行うことを特徴とする。
なお、本発明に係る多段圧延機の制御装置の最も好ましい形態は、圧延材を圧延する圧延スタンドを備えた多段圧延機を制御する制御装置において、前記圧延材を圧延したときの圧延実績値を記憶するデータベースと、このデータベースに記憶された圧延実績値のうち、圧延トラブルなく圧延材の通板が行われた圧延実績値から圧延ロールの撓み量を求め、求めた圧延ロールの撓み量の最大値から通板安定性を実現できる荷重上限値を求めると共に、前記荷重上限値を超えないように尾端部の圧延を行えるよう圧延条件を算出する演算部と、前記演算部が算出した圧延条件を圧延スタンドに適用する制御部とを備えており、前記演算部が、前記圧延材の尾端部の圧延を行うに際しては、前記尾端部の圧延開始時の圧延実績値をロックオンしておき、ロックオンした圧延実績値と現状の圧延実績値とを基に前記荷重上限値を超えないような板厚変化量を求めるものとされ、前記制御部が、求めた板厚変化量を当該尾端部の圧延を行う圧延スタンドに適用するものとされていることを特徴とする。
図1は、本実施形態の多段圧延機(熱間連続圧延機)を模式的に示した図である。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
圧延スタンド2は、圧延材8を圧下するための一対の圧延ロール5と、この圧延ロール5をバックアップするバックアップロール6とを備えている。また、各圧延スタンド2には、圧延荷重(圧下荷重)を測定する荷重計7(例えば、ロードセル)が設けられている。各圧延スタンド2の圧延荷重は板厚制御系10(制御部)を有する制御装置4に送られ、制御装置4では板厚計による圧延材の実績値、ゲージメータ式による計算値或いは荷重計の偏差に応じて圧延スタンド2のギャップ操作量を演算して、そのギャップ操作量に基づいて圧延スタンド2を制御する。
圧延ロール5で圧延されて、所望の板厚、板幅、板クラウンとなり、コイル巻き取り機3で巻き取られ次工程へと搬送される。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明では、圧延材8の尾端部8aの圧延を行うに際して、圧延スタンド2の設備的な荷重の上限値(圧延荷重の設備上限値)を求めて圧延を行うのではなく、圧延材8の通板安定性が良い荷重の上限値(以降、荷重上限値という)を予め求め、この荷重上限値を超えないように圧延材8の圧延を行うことを特徴としている。なお、圧延材8の尾端部8aの圧延を行うときは、荷重上限値は設備上限値よりも小さく(荷重上限値<設備上限値)なる。
制御装置4は、制御部(板厚制御系)10と、データベース11と、演算部12とを備えている。データベース11は、過去の圧延実績を記憶するものであって、例えば、過去の圧延荷重の実績データ、圧延ロールの熱膨張のデータ、圧延ロールの摩耗データ、圧延材の板厚、板幅、強度など様々な圧延実績が保存されている。
図2は、制御装置4にて実行される処理を示したフローチャートである。このフローチャートを参照して、制御装置4の動作と、本発明の多段圧延機の圧延方法を説明する。
さらに、通板安定性は、ロール撓み量に影響されることからことから、ロール撓み量によって通板性が悪くならない荷重上限値を求めることとして説明を行う。
まず、データベース11に、式(1)に示すように、形状悪化をしなかったときの圧延荷重の実績データ、圧延ロールの熱膨張のデータ、圧延ロールの摩耗データなどの圧延実績値を保存(格納)する(S1)。
次に、圧延材8を多段圧延機に通す前における圧延材8の板厚、板幅、強度などの圧延条件もデータベース11に格納する(S2)。具体的には、各圧延スタンド毎の圧延材8の板厚、板幅、強度などの圧延条件を収集しておく。
次に、本発明では、各圧延スタンドに圧延材8を導入することによって圧延を行うが、圧延材8の尾端部8aの圧延では、まず、圧延材8の尾端部8aの制御を開始するタイミングを決定する。図3(a)、(b)に示すように、例えば、i番目の圧延スタンドで圧延材8の尾端部8aの圧延を行うには、1つ前(1つ上流側)のi−1番目の圧延スタンドから圧延材8の尾端部8aが抜けた瞬間や圧延材8がi−1番目の圧延スタンドから抜ける直前を開始タイミングとする。
なお、どの時点にて圧延材8の尾端部8aの制御を行うか、即ち、尾端部8aの制御を開始する残りの長さの判断基準(閾値)は、実績データから決定することが好ましい。
ックオン値である。
を用いてチューニング率を決定する(S8)。
なお、上述したように、荷重上限値を超えないように圧延材8の尾端部8aの圧延を行った場合でも、最終圧延後の圧延材8の板厚を確保することは必要であることから、上流側の圧延スタンド2において圧延を行う際に予め圧延材8の板厚を小さくしておき、最終圧延時に圧延材8の板厚が目標値に達するように制御することが好ましい。
図4に示すように、従来手法では、板厚変化量に注目すると上流側の圧延スタンドにて尾端部8aが抜けた際に、圧延状態が急激に変化するため板厚偏差が増加してしまう。各圧延スタンドから尾端部8aが抜ける度に圧延状態が急激に変化するため、最終の圧延スタンド出側の板厚においては、尾端部8aの開始時点から最尾端部8aにかけて徐々に(階段状に)板厚偏差が増加してしまう。具体的には、従来手法では、板厚偏差が1.00から1.08程度になる。
詳しくは、圧延材8の尾端部8aの圧延を行うに際し、尾端部8aの圧延開始時の圧延実績値をロックオンしておき、ロックオンした圧延実績値と現状の圧延実績値とを基に前記荷重上限値を超えないような板厚変化量を求め、この板厚変化量を当該尾端部8aの圧延を行う圧延スタンドに適用して行っているため、上述した効果に加え、圧延材8の尾端部8aの制御が行いやすい。
2 圧延スタンド
3 コイル巻き取り機
4 制御装置
5 圧延ロール
6 バックアップロール
7 荷重計
8 圧延材
8a 圧延材の尾端部
10 制御部
11 データベース
12 演算部
Claims (3)
- 複数の圧延スタンドを備えた多段圧延機にて圧延材を圧延する方法において、
前記圧延材を圧延したときの圧延実績値を記憶し、記憶した圧延実績値のうち、圧延トラブルなく圧延材の通板が行われた圧延実績値から圧延ロールの撓み量を求め、求めた圧延ロールの撓み量の最大値から通板安定性を実現できる荷重上限値を予め求めておき、この荷重上限値を超えないように前記圧延材の尾端部の圧延を行うものであって、
前記圧延材の尾端部の圧延を行うに際しては、前記尾端部の圧延開始時の圧延実績値をロックオンしておき、ロックオンした圧延実績値と現状の圧延実績値とを基に前記荷重上限値を超えないような板厚変化量を求め、この板厚変化量を当該尾端部の圧延を行う圧延スタンドに適用して圧延を行う
ことを特徴とする多段圧延機の圧延方法。 - 前記荷重上限値を超えない圧延スタンドのチューニング率を求め、このチューニング率を調整することで圧延材の尾端部の圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の多段圧延機の圧延方法。
- 圧延材を圧延する圧延スタンドを備えた多段圧延機を制御する制御装置において、
前記圧延材を圧延したときの圧延実績値を記憶するデータベースと、
このデータベースに記憶された圧延実績値のうち、圧延トラブルなく圧延材の通板が行われた圧延実績値から圧延ロールの撓み量を求め、求めた圧延ロールの撓み量の最大値から通板安定性を実現できる荷重上限値を求めると共に、前記荷重上限値を超えないように尾端部の圧延を行えるよう圧延条件を算出する演算部と、
前記演算部が算出した圧延条件を圧延スタンドに適用する制御部とを備えており、
前記演算部が、前記圧延材の尾端部の圧延を行うに際しては、前記尾端部の圧延開始時の圧延実績値をロックオンしておき、ロックオンした圧延実績値と現状の圧延実績値とを基に前記荷重上限値を超えないような板厚変化量を求めるものとされ、
前記制御部が、求めた板厚変化量を当該尾端部の圧延を行う圧延スタンドに適用するものとされている
ことを特徴とする多段圧延機の制御装置。
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JP2010248498A JP5610990B2 (ja) | 2010-11-05 | 2010-11-05 | 多段圧延機の圧延方法及び多段圧延機の制御装置 |
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