JP5939807B2 - タンデム圧延機における板厚制御方法及び板厚制御装置 - Google Patents
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Description
ところが、圧延材の先端部や尾端部においては、圧延材が無張力状態であったり圧延速度が大きく変化する非定常状態であり、板厚の制御には、定常部とは異なった制御が必要とされている。特に、圧延材の尾端部は、従来、板厚制御が積極的に行われていない部分であり、この部分の板厚制御を確実に行うことで、製品精度を向上させ製品歩留まりなどを上げることができる。
特許文献1は、仕上げスタンド出側板厚計で実測した板厚偏差を記憶装置に記憶し、圧延材尾端が第(n−1)スタンド抜け時に発生する第nスタンド直下での板厚増加量に対し、記憶装置に記憶された実測板厚偏差を板厚増加量補正演算装置に入力させることにより、増加補正量を求める。この補正量で補正された板厚増加量を尾端用圧下位置指令演算装置に入力し、圧下位置指令を求め自動圧下位置制御装置を使い尾端板厚制御を行う技術を開示する。
板厚の制御であれば、i番目の圧延スタンドにおいて尻抜けが発生した瞬間に、i+2番目の圧延スタンドのロールギャップを狭めるといった操作を行い、i+2番目の圧延スタンドの出側板厚の変動を抑制することも考えられる。しかし、その場合、i+1番目の圧延スタンド〜i+2番目の圧延スタンドの間の張力の低下を更に助長するため、圧延材の撓みに起因するループ発生などによるトラブルが発生しやすい。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、タンデム圧延機において、板厚制御を確実に行えると共に操業安定性を向上させ得る板厚制御方法及び板厚制御装置を提供することを目的とする。
本発明のタンデム圧延機の板厚制御方法は、タンデム圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の尾端の板厚を制御する板厚制御方法であって、i番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜け発生を検知可能としておき、前記i番目の圧延スタンドでの尾端のスタンド抜けが検知されたときに、i+1番目の圧延スタンドでの圧延ロールの周速度を下げ、i+2番目の圧延スタンドの出側板厚の変動を抑制するものであり、前記i番目の圧延スタンドでの圧延材の尾端のスタンド抜け発生の前後において、i+1番目の圧延スタンドでの出側板速度が同じ速度となるように、前記i+1番目の圧延スタンドでの圧延ロールの周速度が変更されることを特徴とする。
好ましくは、i−1番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜けタイミングと、前記i−1番目の圧延スタンドの出側板速度から、前記i番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜け発生を検知するとよい。
図1は、本実施形態のタンデム圧延機1(連続圧延機)を模式的に示した図である。
図1に示す通り、タンデム圧延機1は、複数の圧延スタンド2と、コイル巻き取り機3と、各圧延スタンド2のギャップ量を制御する板厚制御部4を備える。
このタンデム圧延機1においては、圧延材Wは、複数の圧延スタンド2を通ることで、所望の板厚、板幅、板クラウンの製品板へと圧延され、コイル巻き取り機3で巻き取られ次の工程へと搬送される。
本実施形態のタンデム圧延機1に備えられた板厚制御部4は、従来からの板厚制御系に加え、圧延材Wの尾端部に対して板厚制御(本願発明の板厚制御)を行うものとなっている。
まず、図2のS1(ステップ1)にて、所定の圧延スタンド2、例えば、図1のi圧延スタンドでの圧延材Wの尾端抜けタイミングを検出する。例えば、尾端抜けのタイミングは、i圧延スタンドの荷重計7の値Piを用いて、式(1)を用いて検出する。
次に、S2では、S1で得られた尾端抜けタイミングを例えば時刻tとし、時刻tにおいて、i圧延スタンドの1つ下流側の圧延スタンドである、i+1圧延スタンドでの先進率変動量Δfi+1を式(2)を基に算出するようにする。その後、S3において、i+1圧延スタンドでの圧延ロール5の速度変更量を式(3)で算出する。
なお、板厚測定結果をフィードバックしてi+2スタンドのギャップ等を操作する従来の板厚制御を、上記の本制御方法と同時に使うことは可能であり好ましい。
以上の処理を行うことにより、i番目の圧延スタンドの尻抜け時におけるi+2番目の圧延スタンドの出側板厚の増加を確実に防ぐことができ、板厚が製品公差外であって破棄すべき圧延材長さを短くできて、ロスの少ない圧延材Wの製造ができるようになる。
図3には、タンデム圧延機1により圧延材Wを圧延した結果として、従来の板厚制御を適用した際の尾端部の板厚偏差と、本発明の板厚制御を適用した際の尾端部の板厚偏差が示されている。
板厚偏差に注目すると、i圧延スタンドでの尾端抜けの際に、従来の圧延では、板厚偏差が公差範囲を逸脱しオフゲージとなる。同様に、i+1圧延スタンドでの尾端抜けの際には、板厚偏差が公差範囲を大きく逸脱する。それ故、オフゲージ長は、図3(a)から15m程度(長手方向20m〜35mの範囲)であることがわかる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容
易に想定することが可能な値を採用している。
2 圧延スタンド
3 コイル巻き取り機
4 板厚制御部
5 圧延ロール
6 バックアップロール
7 荷重計
8 板厚検出計
W 圧延材
Claims (4)
- タンデム圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の尾端の板厚を制御する板厚制御方法であって、
i番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜け発生を検知可能としておき、前記i番目の圧延スタンドでの尾端のスタンド抜けが検知されたときに、i+1番目の圧延スタンドでの圧延ロールの周速度を下げ、i+2番目の圧延スタンドの出側板厚の変動を抑制するものであり、
前記i番目の圧延スタンドでの圧延材の尾端のスタンド抜け発生の前後において、i+1番目の圧延スタンドでの出側板速度が同じ速度となるように、前記i+1番目の圧延スタンドでの圧延ロールの周速度が変更されることを特徴とするタンデム圧延機の板厚制御方法。 - 前記i番目の圧延スタンドに荷重検出器を設けておき、
前記荷重検出器の荷重変化を基に、前記i番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜け発生を検知することを特徴とする請求項1に記載のタンデム圧延機の板厚制御方法。 - i−1番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜けタイミングと、前記i−1番目の圧延スタンドの出側板速度から、前記i番目の圧延スタンドにおける圧延材の尾端のスタンド抜け発生を検知することを特徴とする請求項1に記載のタンデム圧延機の板厚制御方法。
- 複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機に備えられた制御装置であって、
請求項1〜3のいずれかに記載された板厚制御方法を行うプロコンを備えたことを特徴とするタンデム圧延機の板厚制御装置。
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JP2012012037A JP5939807B2 (ja) | 2012-01-24 | 2012-01-24 | タンデム圧延機における板厚制御方法及び板厚制御装置 |
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