JP6578867B2 - 圧延機のスリップ防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属等を圧延するプロセスに係わり、被圧延材とワークロール間のスリップを防止するための、圧延機のスリップ防止装置に関する。
一般に圧延では、与えられた圧下率配分と張力などにより圧延理論に基づいた変形抵抗モデル、圧延荷重モデル、圧延トルクモデル、先進率モデル、摩擦係数モデルなどのモデル式により、圧延荷重、圧延トルク、張力、圧延速度などが設備制約内、かつ先進率が予め決められた閾値より大きくなるように、圧延機の入側板厚、出側板厚、張力、圧延荷重、圧延トルクなどのパススケジュールを計算し、圧延機にロールギャップ、ロール速度、張力目標値を設定する。
しかし、上記のモデルには予測誤差があり、設定したロールギャップ、ロール速度、張力目標値が適切でない場合は、実際の圧延で被圧延材とワークロール間のスリップが発生するなどの問題が生じることがある。
そこで、モデルの予測誤差を小さくする手段として、一般的にモデル学習が行われているが、モデルの予測誤差に起因するスリップを完全には防止できていない。スリップは、ロールバイト内の摩擦係数の低下が要因の一つである。
実操業において、スリップの発生頻度は、潤滑剤の濃度を高く設定しすぎた場合や潤滑剤の流量を多くしすぎた場合に増加する。また、圧延本数が多くなるにつれて、ワークロールの粗度が低下することによっても増加する。スリップが発生すると、張力、板厚が変動し、最悪の場合は板破断する。板破断すれば長時間のライン停止に繋がり、生産性が低下する。そのため、スリップを防止することは、製品品質の確保、生産性向上の観点から非常に重要である。
例えば、特許第3831006号公報では、スリップが発生したときでもワークロールと圧延機出側の材料速度の測定値とから実績先進率を計算し、実績先進率がある閾値以下となった場合に、スリップが発生したと検知する。スリップの発生を検知した場合、張力の目標値をダイナミックに変更し、先進率を閾値以上にすることで、スリップを防止している。また、次に同じ鋼種、サイズを圧延したときにスリップしないようにするため、先進率と圧延荷重を含む実績データを用いて先進率モデルを学習する。さらに、先進率モデルを、圧延速度で区分された学習テーブルを用いて学習することで、圧延速度の変化による先進率モデルの誤差を小さくしている。これにより、圧延速度が変化した場合の先進率モデルの予測精度が向上し、スリップを防止している。
特許第3831006号公報
前述のように先進率モデルの学習を、圧延速度で区分された学習テーブルを用いて実施することで先進率モデルの予測精度は向上する。そのため、次に同じ鋼種、サイズの被圧延を圧延する場合にスリップの発生を抑制できるが、以下に示すような問題がある。
先進率モデルを含む圧延モデル自体には予測誤差があり、学習が進んでもある一定の誤差が残る。そのため、十分にモデル学習が進んでも、スリップを防止するロールギャップ、ロール速度、張力目標値の初期値の設定が適切でない場合があり、モデルの予測誤差に起因したスリップが発生することがある。
また、圧延本数の増加でワークロール粗度が低下することで発生するスリップに対しても、ワークロール粗度の低下による摩擦係数の低下を予測する摩擦係数モデルに予測誤差があるため、圧延本数の増加に伴うスリップを完全には防止できない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、モデルの予測誤差により発生するスリップを効果的に防止するための圧延機のスリップ防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、
被圧延材を圧延する一対のワークロールと、
前記ワークロールの入側における前記被圧延材の張力を測定する張力計と、
前記ワークロールの出側における前記被圧延材の搬送速度を測定する速度計と、
前記ワークロールのワークロール周速度を測定するロール速度検出器と、
前記張力計で測定される張力が張力目標値と一致するように、前記ワークロールのロールギャップまたはワークロール周速度を制御する張力制御手段と、
を備える圧延機のスリップ防止装置であって、
前記速度計により測定された搬送速度と、前記ロール速度検出器により測定されたワークロール周速度とから先進率を算出する先進率算出手段と、
前記先進率算出手段により算出された先進率が閾値よりも低い場合に、当該先進率と当該閾値との差に予め設定した張力変更ゲインを乗じて算出した張力目標値変更量に応じて、前記張力目標値を更新する張力目標値更新手段と、
前記張力目標値更新手段により更新された張力目標値を用いた前記張力制御手段による制御によって前記先進率算出手段により算出された先進率が前記閾値以上となるまでの間に、前記張力目標値更新手段により算出された張力目標値変更量の積算値を記憶する積算値記憶手段と、
少なくとも前記被圧延材の鋼種、サイズ、およびワークロール周速度を含む圧延条件に対応する張力学習値を予め定めた張力学習テーブルを記憶する張力学習値保存手段と、
前記張力目標値更新手段により更新された張力目標値を用いた前記張力制御手段による制御によって前記先進率算出手段により算出された先進率が前記閾値以上となった場合に、前記積算値に基づいて新たな張力学習値を算出し、前記被圧延材の鋼種、サイズ、および前記制御後に前記ロール速度検出器により測定されたワークロール周速度に対応する前記張力学習テーブル中の張力学習値を、前記新たな張力学習値で更新する張力学習値更新手段と、
前記被圧延材の次に圧延される材である次被圧延材について、更新された前記張力学習テーブルから前記次被圧延材の圧延条件に対応する張力学習値を取得し、取得した張力学習値に基づいて前記張力制御手段が用いる張力目標値を含む圧延スケジュールを決定する圧延スケジュール決定手段と、を備え
前記新たな張力学習値は、前記新たな張力学習値をZ NEW 、現在の張力学習値をZ OLD 、前記積算値をZ CAL 、ゲインをαとして、関係式:Z NEW =αZ OLD +(1−α)Z CAL を用いて算出されること、を特徴とする。

好ましくは、圧延機のスリップ防止装置は、圧延条件毎の張力目標値を予め記憶した張力目標値記憶手段をさらに備え、
前記圧延スケジュール決定手段は、
前記張力学習テーブルの前記次被圧延材の圧延条件に対応する張力学習値と前記張力目標値記憶手段に記憶された前記次被圧延材の圧延条件に対応する張力目標値との和が上限値よりも大きい場合に、前記上限値を新たな張力目標値とし、前記和が前記上限値よりも小さい下限値よりも小さい場合に、前記下限値を新たな張力目標値とする張力目標値設定手段と、
前記和が前記上限値よりも大きい場合に、前記和と前記上限値との差に影響係数を乗じて前記ワークロールの入側又は出側の板厚変更量を算出し、前記和が前記下限値よりも小さい場合に、前記和と前記下限値との差に前記影響係数を乗じて前記ワークロールの入側又は出側の板厚変更量を算出する板厚変更量算出手段と、
前記張力目標値設定手段により設定された新たな張力目標値と前記板厚変更量算出手段により算出された板厚変更量とに基づいて、前記次被圧延材の圧延に用いられる張力目標値とロールギャップとを含む圧延スケジュールを計算する圧延スケジュール計算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、スリップを防止できる張力そのものを学習することができる。そのため、モデルの予測誤差により発生するスリップを効果的に防止することができる。さらに、本発明によれば、スリップを防止する張力目標値が高すぎる、または低すぎる場合には、製品品質を確保できる張力目標値を設定し、スリップを防止できる板厚スケジュールを設定する。そのため、張力のみでスリップを防止したときに発生する被圧延材の表面、形状の品質低下を防止できる。さらに、張力が高くなりすぎることで発生頻度が増大する板破断を防止でき、板破断によるライン停止を防ぐことで生産性の低下を防止できる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を示す構成図である。 張力学習テーブル15の一例を示す図である。 張力制御の結果を用いて張力学習値を更新するために、タンデム冷間圧延機および制御装置20が実行する制御ルーチンのフローチャートである。 図3の学習フローチャートにより更新された張力学習テーブル15中の張力学習値を用いた設定計算を実現するために、制御装置20が実行する制御ルーチンのフローチャートである。 制御装置20のハードウェア構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
(圧延機)
本発明の実施の形態1では、本発明をタンデム冷間圧延機に適用する場合について説明する。実施の形態1について、図1、図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を示す構成図である。図1に示すタンデム冷間圧延機は、第1圧延機1と第2圧延機2を備える。ここでは、第1圧延機1がタンデム冷間圧延機の最初(上流)に、第2圧延機2がタンデム冷間圧延機の最後(下流)に配置されているものとして説明するが、タンデム冷間圧延機は3つ以上の圧延機で構成されていてもよい。
第1圧延機1は、被圧延材3を圧延する一対のワークロールを備える。第2圧延機2は被圧延材3を圧延する一対のワークロールを備える。第1圧延機1および第2圧延機2は、被圧延材3を方向4に圧延する。
第2圧延機2の入側には、ワークロールの入側における被圧延材3の張力を測定する張力計10が設けられている。第2圧延機2の出側には、ワークロールの出側における被圧延材3の搬送速度を測定する速度計5が設けられている。第2圧延機2のワークロールのワークロール周速度はロール速度検出器6で測定される。また、第1圧延機1の上流にはブライドルロール(図示省略)が設けられ、ブライドルロールのトルクから第1圧延機1の入側における被圧延材3の張力を算出可能である。
タンデム冷間圧延機は、張力計10で測定される張力が張力目標値と一致するように、第2圧延機2のワークロールのロールギャップまたは第1圧延機1のワークロールのワークロール周速度を制御する張力制御装置9を備える。具体的には、張力制御装置9は、張力計10で測定された実績張力を入力し、第1圧延機1のワークロールを制御するロール速度制御装置11、第2圧延機2のワークロールのロールギャップを制御する圧下装置12を操作する。
また、タンデム冷間圧延機は、制御装置20に接続する。制御装置20は、上位計算機30に接続し、タンデム冷間圧延機に圧延される各被圧延材(母材)の鋼種、板厚、板幅などの圧延条件に関する情報を上位計算機30から取得する。
上述した張力制御装置9、ロール速度制御装置11、圧下装置12に設定される張力目標値、ロール速度、ロールギャップの初期値は、制御装置20が備えるパススケジュール計算手段19により被圧延材3の圧延開始前に算出される。パススケジュール計算手段19は、与えられた圧下率配分と張力などにより圧延理論に基づいた変形抵抗モデル、圧延荷重モデル、圧延トルクモデル、先進率モデル、摩擦係数モデルなどのモデル式により、圧延荷重、圧延トルク、張力、圧延速度などが設備制約内、かつ先進率が予め設定された閾値より大きくなるように、各圧延機の入側板厚、出側板厚、張力、圧延荷重、圧延トルクなどのパススケジュール(各圧延機の圧延スケジュール)を計算する。パススケジュールには、各圧延機のロールギャップ、ロール速度、張力目標値の初期値が含まれる。
(スリップ防止装置)
また、制御装置20は、パススケジュール計算手段19の他、先進率監視手段7、張力目標値ダイナミック変更手段8、張力学習手段13、張力学習値保存手段14、張力学習テーブル15、張力目標値計算手段16、張力目標値テーブル17、板厚スケジュール修正手段18を備える。以下、各手段の機能について説明する。
速度計5により測定された搬送速度と、ロール速度検出器6により測定されたワークロール周速度は、先進率監視手段7に伝送され、先進率監視手段7は、式(1)により実績先進率を計算する。
Figure 0006578867
ここで、
Strip:圧延機の出側の被圧延材の搬送速度 [m/min]
Roll:ワークロール周速度 [m/min]
である。
第2圧延機2のワークロールと被圧延材3との間でスリップが発生すると、第2圧延機2の出側の被圧延材3の搬送速度が、第2圧延機2のワークロール周速度より遅くなる。そのため、スリップが発生した場合は、式(1)で計算される先進率が負となる。
先進率監視手段7は、式(1)で計算される先進率が予め設定された閾値より低いかどうか監視する。例えば閾値を0にすると、スリップが発生する前にスリップの発生を予知できる。式(1)で計算される先進率が予め設定された閾値より低い場合は、先進率監視手段7は、張力目標値ダイナミック変更手段8にワークロール周速度と、式(1)で計算される先進率と閾値との差を伝送する。
張力目標値ダイナミック変更手段8は、先進率と閾値との差に予め設定した張力変更ゲインを乗じて張力目標値変更量を算出し、張力制御装置9に伝送する。また、張力目標値ダイナミック変更手段8は、スリップが解消されるまで、張力目標値変更量を算出する度に張力目標値変更量を積算する。積算された張力目標値変更量は、張力目標値変更量積算値として記憶される。
張力制御装置9は、現在設定されている張力目標値と張力目標値ダイナミック変更手段8から受信した張力目標値変更量との和を新たな張力目標値として、張力計10で測定された実績張力が新たな張力目標値と一致するように、圧延機のワークロールのロールギャップまたはワークロール周速度を制御する。具体的には、第1圧延機1のロール速度制御装置11、または第2圧延機2の圧下装置12を操作することで張力を制御する。ここで、張力制御装置9が操作する第1圧延機1のロール速度制御装置11、または第2圧延機2の圧下装置12は予め決められた圧延速度によって切替えられる。
張力制御装置9が第2圧延機2の入側張力を制御することで、第2圧延機2の出側の被圧延材3の搬送速度が変化し、先進率監視手段7で先進率の変化が検知される。このとき、先進率が予め設定された閾値以上になっていれば、先進率監視手段7はスリップが解消されたと判断する。
スリップが解消されたと判断された場合、張力目標値ダイナミック変更手段8は、張力目標値変更量積算値と、スリップが解消されたと判断されたときのワークロール周速度とを張力学習手段13に伝送する。
張力学習手段13は、張力目標値ダイナミック変更手段8から受信したワークロール周速度を含む被圧延材3の圧延条件に対応する張力学習値を張力学習値保存手段14から受信する。張力学習手段13は、張力学習値保存手段14から受信した張力学習値と、張力目標値ダイナミック変更手段8から受信した張力目標値変更量積算値とに基づいて、新しい張力学習値を計算する。一例として、新しい張力学習値ZNEWは、現在の張力学習値をZOLD、張力目標値変更量積算値をZCAL、ゲインをαとして、関係式:ZNEW=αZOLD+(1−α)ZCALを用いて算出することができる。また、張力学習手段13は、ワークロール交換後から何本圧延したかをカウントし、ワークロール周速度と新しい張力学習値と共に張力学習値保存手段14に伝送する。
張力学習値保存手段14は、少なくとも前記被圧延材の鋼種、サイズ、およびワークロール周速度を含む圧延条件に対応する張力学習値を予め定めた張力学習テーブルを備える。張力学習値保存手段14は、現在の圧延条件に応じた張力学習テーブル15中の張力学習値を、張力学習手段13から受信した新しい張力学習値で更新する。
図2は、張力学習テーブル15の一例を示す図である。張力学習テーブル15は、鋼種、サイズ(板厚、板幅)、圧延本数、圧延機の数、高速/低速で定まる圧延条件で区分され、圧力条件毎に張力学習値が記憶されている。ワークロールは、製品の表面品質の低下を防ぐため、ある程度の本数を圧延すると交換される。ワークロールの交換周期は経験的に決められている。圧延本数が増加することでワークロール粗度が低下し、交換周期を超えて圧延した場合、スリップの発生頻度が急増する。そのため、張力学習テーブル15の圧延本数は、ワークロールの交換周期より余裕をもった区分数とすべきである。例えば、ワークロールの交換周期が100コイル圧延した後であるとすると、圧延本数の区分は150コイルまで対応できるようにすべきである。本発明は、スリップが発生した時に圧延機の入側張力を変更し、スリップが改善された時の張力を学習する。そのため、圧延機の数は、圧延機の入側張力の学習区分に対応する。また、スリップが解消されたと判断されたときのワークロール周速度に対して、予め決められたワークロール周速度の閾値から、高速、低速を判断し、ワークロール周速度が低速の場合は低速の学習テーブルへ、高速の場合は高速の学習テーブルへ学習値を格納する。
[次回の設定計算における処理]
次に同じ鋼種、サイズの被圧延材を圧延する場合は、張力目標値計算手段16は、張力学習値保存手段14から該当する張力学習テーブルの低速テーブルと高速テーブルの張力学習値を受信する。張力目標値テーブル17には、各圧延条件に対応する張力目標値が予め記憶されており、張力目標値計算手段16は、張力目標値テーブル17から圧延条件に応じた張力目標値を取得する。張力目標値計算手段16は、張力学習値と張力目標値との和が予め決められた上下限値内かどうか比較する。張力学習値と張力目標値との和が予め決められた上下限値内であれば、張力学習値と張力目標値との和を新たな張力目標値とする。もし、張力学習値と張力目標値との和が予め決められた上下限値を超えていれば、新たな張力目標値を張力の上限値、または下限値に置換え、さらに、張力学習値と張力目標値との和と上限値、または下限値との差を計算する。張力目標値計算手段16の張力の上下限値は、設備制約内で、制御範囲を確保できるように設定されるべきで、表面性状や形状の品質確保、板破断防止の観点から決められる。
板厚スケジュール修正手段18は、張力学習値と張力目標値との和が予め決められた上下限値内でない場合、張力目標値計算手段16で計算された張力学習値と張力目標値との和と上限値、または下限値との差から、式(2)、式(3)、式(4)により第2圧延機2の入側板厚変更量を計算する。
Figure 0006578867
Figure 0006578867
Figure 0006578867
ここで、
ΔH :入側板厚変更量 [mm]
∂H/∂P:圧延荷重の入側板厚への影響係数 [mm/kN]
∂P/∂t:入側張力の圧延荷重への影響係数 [kN/MPa]
diff :張力学習値と予めテーブルに設定されている張力目標値との和と、張力目標値の上限値、または下限値との差 [MPa]
ΔH :影響係数を計算するための入側板厚微小変更値 [mm]
P :圧延荷重 [kN]
Δt :影響係数を計算するための入側張力微小変更値 [MPa]
である。なお、Pを算出するための圧延荷重モデルについては後述する。
また、スリップが発生した圧延機が、被圧延材3を最初に圧延する第1圧延機1であれば、入側板厚は母材板厚であるため変更できない。そのため、最初に圧延する第1圧延機1でスリップが発生した場合は、式(2)、式(3)の代わりに、式(5)、式(6)によりスリップが発生した第1圧延機1の出側板厚変更量を計算する。
Figure 0006578867
Figure 0006578867
ここで、
Δh :出側板厚変更量 [mm]
∂h/∂P:圧延荷重の出側板厚への影響係数 [mm/kN]
∂P/∂t:入側張力の圧延荷重への影響係数 [kN/MPa]
diff :張力学習値と予めテーブルに設定されている張力目標値との和と、張力目標値の上限値、または下限値との差 [MPa]
Δh :影響係数を計算するための出側板厚微小変更値 [mm]
P :圧延荷重 [kN]
である。
なお、上述した式(3)、式(4)、式(6)で用いる圧延荷重Pは、次の関数を用いた圧延荷重モデルで表現することができる。
Figure 0006578867
ここで、
P :荷重予測値[kN]
km:変形抵抗予測値[MPa]
:出側張力[MPa]
:入側張力[MPa]
W :被圧延材の幅方向の長さ[mm]
H :入側板厚[mm]
h :出側板厚[mm]
μ :摩擦係数[-]
:偏平ロール半径予測値[mm]
:ロール周速度[mpm]
R :ワークロール半径[mm]
である。
圧延荷重モデルは、変形抵抗予測値と偏平ロール半径予測値を含む。また、変形抵抗モデル式は偏平ロール半径予測値を含み、偏平ロール半径式は圧延荷重予測値を含む。そのため、圧延荷重は、各モデル式を用いて収束計算により求める。
パススケジュール計算手段19は、張力目標値計算手段16で決定された張力目標値と板厚スケジュール修正手段18で計算された圧延機の入側、または出側の板厚変更量から、各圧延機の圧延荷重、圧延トルク、張力、圧延速度などが設備制約内になるように、パススケジュールを再計算する。パススケジュール計算手段19は、決定したスリップを防止する各圧延機のロールギャップ、ロール速度、張力の初期値を各圧延機に設定する。
(学習フローチャート)
図3は、張力制御の結果を用いて張力学習値を更新するために、タンデム冷間圧延機および制御装置20が実行する制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、タンデム冷間圧延機に新たな被圧延材が搬送される度に実行される。
図3に示すルーチンでは、まず、パススケジュール計算手段19によって被圧延材毎に設定計算されたパススケジュールに応じて、各圧延機のロールギャップ、ロール速度、張力目標値の初期値が設定される(ステップS100)。
ステップS100の処理後、各圧延機による被圧延材の圧延が開始される。張力計10は、第2圧延機2のワークロール入側における被圧延材の張力を測定する(ステップS101)。ロール速度検出器6は、第2圧延機2のワークロール周速度を測定する(ステップS102)。速度計5は、被圧延材の搬送速度を測定する(ステップS103)。
次に、先進率監視手段7は、ステップS102で測定したワークロール周速度と、ステップS103で測定した搬送速度を、式(1)に代入して先進率fを算出する(ステップS104)。
ステップS104の処理後、先進率監視手段7は、先進率fが予め設定された閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS105)。先進率fが閾値よりも小さい場合、スリップが発生又は発生可能性が高い状態であると判断できる。例えば閾値を0に設定すると、スリップが発生する前にスリップの発生を予知できる。
先進率fが閾値よりも小さい場合、張力目標値ダイナミック変更手段8は、張力目標値変更量を算出する(ステップS106)。具体的には、ステップS105における先進率fと閾値との差に予め設定した張力変更ゲインを乗じて張力目標値変更量を算出する。また、張力目標値ダイナミック変更手段8は、先進率fが閾値以上となるまで(スリップが解消されるまで)の間、張力目標値変更量を算出する度に張力目標値変更量を積算する(ステップS106)。積算された張力目標値変更量は、張力目標値変更量積算値として記憶される。
ステップS106の処理後、張力制御装置9は、現在の張力目標値とステップS106で算出した張力目標値変更量との和を新たな張力目標値として、張力計10で測定される実績張力が新たな張力目標値と一致するように、圧延機のワークロールのロールギャップまたはワークロール周速度を制御する(ステップS107)。具体的には、張力制御装置9は、第1圧延機1のロール速度制御装置11、または第2圧延機2の圧下装置12を操作する。
ステップS107の処理後、被圧延材の圧延が終了していない場合には、ステップS101の処理に戻る。ステップS101〜ステップS103によって、ステップS107で更新された新たな張力目標値を用いた張力制御装置9による制御後における被圧延材の張力、ワークロール周速度、搬送速度が測定される。
先進率監視手段7は、上述した新たな張力目標値に基づく張力制御後の先進率fを算出し(ステップS104)、先進率fが予め設定された閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS105)。
先進率fが閾値以上になった場合には、上述したS107による張力制御によって、被圧延材とワークロール間のスリップ発生が十分に抑制されたと判断できる。この場合、ステップS109以降の処理により圧延条件に応じた張力学習値を更新する。なお、ステップS105において先進率fが閾値よりも小さい場合には、未だスリップが発生又は発生可能性が高い状態であると判断できる。この場合、ステップS106以降の処理を実行して新たな張力目標値を設定する。
ステップS105において先進率fが閾値以上と判定された場合、張力学習手段13は、上述したステップS106で張力目標値変更量が算出済みであるか否かを判定する(ステップS109)。
張力目標値変更量が算出済みである場合、張力学習テーブル15に記憶された張力学習値が更新される(ステップS110)。具体的には、まず、張力学習手段13は、現在の圧延条件に対応する張力学習値を張力学習値保存手段14から取得する。次に、張力学習手段13は、取得した張力学習値と、ステップS106で算出した張力目標値変更量積算値とに基づいて、新しい張力学習値を算出し、張力学習値保存手段14に伝送する。張力学習値保存手段14は、現在の圧延条件に応じた張力学習テーブル15中の張力学習値を、新しい張力学習値で更新する。
ステップS110の処理後、被圧延材の圧延が終了していない場合には、ステップS101の処理に戻る(ステップS108)。また、圧延が終了している場合には、本ルーチンは終了する(ステップS108)。
(設定計算フローチャート)
図4は、図3の学習フローチャートにより更新された張力学習テーブル15中の張力学習値を用いた設定計算を実現するために、制御装置20が実行する制御ルーチンのフローチャートである。ルーチンは、各被圧延材に関する設定計算時に実行される。
図4に示すルーチンでは、まず、制御装置20に接続された上位計算機30から、次にタンデム冷間圧延機に圧延される被圧延材(母材)の圧延条件(鋼種、サイズ(板厚、板幅)等)が取得される(ステップS200)。
次に、張力目標値計算手段16は、更新された張力学習テーブル15から圧延条件に応じた張力学習値を取得する(ステップS201)。また、張力目標値計算手段16は、予め記憶された張力目標値テーブル17から圧延条件に応じた張力目標値を取得する(ステップS201)。
次に、張力目標値計算手段16は、ステップS200で取得した張力学習値と張力目標値との和が上限値よりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。上限値は、設備制約内で、制御範囲を確保できるように設定されるべきで、表面性状や形状の品質確保、板破断防止の観点から決められる。
張力学習値と張力目標値との和が上限値よりも大きい場合、張力学習値と張力目標値との和を新たな張力目標値とすれば、張力の制御範囲を逸脱すると判断できる。そこで、張力学習値と張力目標値との和が上限値よりも大きい場合、張力目標値計算手段16は、上限値を新たな張力目標値とする(ステップS204)。
張力設定上の制約により、ステップS204において、新たな張力目標値は張力学習値と張力目標値との和よりも小さく設定されるため、本システムでは、張力目標値が小さく設定された分を板厚で調整する。具体的には、板厚スケジュール修正手段18は、張力学習値と張力目標値との和と上限値との差に影響係数を乗じて圧延機入側あるいは出側の板厚変更量を算出する(式(2)〜式(6))(ステップS205)。さらに、パススケジュール計算手段19は、ステップS204で設定された新たな張力目標値と、ステップS205で算出された板厚変更量とに基づいて、次被圧延材の圧延に用いられる張力目標値とロールギャップとを含む圧延スケジュールを計算する(ステップS206)。
また、上述したステップS202において、張力学習値と張力目標値との和が上限値以下である場合には、ステップS203の判定処理が実行される。ステップS203において、張力目標値計算手段16は、ステップS200で取得した張力学習値と張力目標値との和が下限値よりも小さいか否かを判定する。下限値は、上限値と同様に、設備制約内で、制御範囲を確保できるように設定される。
張力学習値と張力目標値との和が下限値よりも小さい場合、張力学習値と張力目標値との和を新たな張力目標値とすれば、張力の制御範囲を逸脱すると判断できる。そこで、張力学習値と張力目標値との和が下限値よりも小さい場合、張力目標値計算手段16は、下限値を新たな張力目標値とする(ステップS207)。
張力設定上の制約により、ステップS207において、新たな張力目標値は張力学習値と張力目標値との和よりも大きく設定されるため、本システムでは、張力目標値が大きく設定された分を板厚で調整する。具体的には、板厚スケジュール修正手段18は、張力学習値と張力目標値との和と上限値との差に影響係数を乗じて圧延機入側あるいは出側の板厚変更量を算出する(式(2)〜式(6))(ステップS208)。さらに、パススケジュール計算手段19は、ステップS207で設定された新たな張力目標値と、ステップS208で算出された板厚変更量とに基づいて、次被圧延材の圧延に用いられる張力目標値とロールギャップとを含む圧延スケジュールを計算する(ステップS206)。
また、上述したステップS202において、張力学習値と張力目標値との和が上限値以下である場合、かつ、上述したステップS203において、張力学習値と張力目標値との和が下限値以上である場合には、張力の制御範囲を逸脱することなく、張力学習値と張力目標値との和を新たな張力目標値として設定することができる。そのため、板厚スケジュール修正手段18による処理を要さずに、パススケジュール計算手段により圧延スケジュールを計算する(ステップS206)。
(効果)
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、スリップを防止する張力を、板厚、圧延本数、板幅、鋼種、圧延機の数、高速/低速などの圧延条件毎に学習することで、鋼種、サイズ毎にスリップを防止できる張力を学習できるとともに、圧延本数の増加に伴うワークロール粗度の低下が原因のスリップを防止できる。また、ワークロール周速度を高速、低速で学習できることから、速度増加に伴う摩擦係数の低下が原因のスリップも防止できる。さらに、スリップを防止できる張力値そのものを学習することにより、モデルの予測誤差により発生するスリップを効率的に防止できる。
また、スリップを防止する張力目標値が高すぎる、または低すぎる場合は、製品品質を確保できる新たな張力目標値を設定し、スリップを防止できる板厚スケジュールを設定する。そのため、張力のみでスリップを防止したときに発生する被圧延材の表面、形状の品質低下を防止できる。さらに、張力が高くなりすぎることで発生頻度が増大する板破断を防止でき、板破断によるライン停止を防ぐことで生産性の低下を防止できる。
(変形例)
ところで、上記の実施の形態の説明ではタンデム冷間圧延機を例に説明したが、本発明は張力計、速度計が設置された熱間圧延機、冷間圧延機等すべての圧延機を対象とすることができる。
(制御装置20のハードウェア構成例)
また、図1の符号7、8、13〜19に示す各部は、制御装置20が有する機能を示す。図5は、制御装置20のハードウェア構成を示す図である。制御装置20の各機能は、処理回路により実現される。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ91と少なくとも1つのメモリ92とを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア93を備える。
処理回路がプロセッサ91とメモリ92とを備える場合、制御装置20の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置20の各機能を実現する。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、メモリ92は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
処理回路が専用のハードウェア93を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものである。例えば、制御装置20の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、制御装置20の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
また、制御装置20の各機能について、一部を専用のハードウェア93で実現し、他部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア93、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置20の各機能を実現する。
尚、上述した実施の形態1においては、制御装置20が本発明における「スリップ防止装置」に、張力制御装置9が本発明における「張力制御手段」に、張力目標値テーブル17が本発明における「張力目標値記憶手段」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、制御装置20が、上記ステップS104の処理を実行することにより本発明における「先進率算出手段」が、上記ステップS105〜ステップS107の処理を実行することにより本発明における「張力目標値更新手段」が、上記ステップS106の処理を実行することにより本発明における「積算値記憶手段」が、上記ステップS109〜ステップS110の処理を実行することにより本発明における「張力学習値更新手段」が、上記ステップS202、ステップS204、ステップS203、ステップS207の処理を実行することにより本発明における「張力目標値設定手段」が、上記ステップS205、ステップS208の処理を実行することにより本発明における「板厚変更量算出手段」が、上記ステップS206の処理を実行することにより本発明における「圧延スケジュール決定手段」が、それぞれ実現されている。
1 第1圧延機
2 第2圧延機
3 被圧延材
4 方向
5 速度計
6 ロール速度検出器
7 先進率監視手段
8 張力目標値ダイナミック変更手段
9 張力制御装置
10 張力計
11 ロール速度制御装置
12 圧下装置
13 張力学習手段
14 張力学習値保存手段
15 張力学習テーブル
16 張力目標値計算手段
17 張力目標値テーブル
18 板厚スケジュール修正手段
19 パススケジュール計算手段
20 制御装置
30 上位計算機
91 プロセッサ
92 メモリ
93 ハードウェア

Claims (3)

  1. 被圧延材を圧延する一対のワークロールと、
    前記ワークロールの入側における前記被圧延材の張力を測定する張力計と、
    前記ワークロールの出側における前記被圧延材の搬送速度を測定する速度計と、
    前記ワークロールのワークロール周速度を測定するロール速度検出器と、
    前記張力計で測定される張力が張力目標値と一致するように、前記ワークロールのロールギャップまたはワークロール周速度を制御する張力制御手段と、
    を備える圧延機のスリップ防止装置であって、
    前記速度計により測定された搬送速度と、前記ロール速度検出器により測定されたワークロール周速度とから先進率を算出する先進率算出手段と、
    前記先進率算出手段により算出された先進率が閾値よりも低い場合に、当該先進率と当該閾値との差に予め設定した張力変更ゲインを乗じて算出した張力目標値変更量に応じて、前記張力目標値を更新する張力目標値更新手段と、
    前記張力目標値更新手段により更新された張力目標値を用いた前記張力制御手段による制御によって前記先進率算出手段により算出された先進率が前記閾値以上となるまでの間に、前記張力目標値更新手段により算出された張力目標値変更量の積算値を記憶する積算値記憶手段と、
    少なくとも前記被圧延材の鋼種、サイズ、およびワークロール周速度を含む圧延条件に対応する張力学習値を予め定めた張力学習テーブルを記憶する張力学習値保存手段と、
    前記張力目標値更新手段により更新された張力目標値を用いた前記張力制御手段による制御によって前記先進率算出手段により算出された先進率が前記閾値以上となった場合に、前記積算値に基づいて新たな張力学習値を算出し、前記被圧延材の鋼種、サイズ、および前記制御後に前記ロール速度検出器により測定されたワークロール周速度に対応する前記張力学習テーブル中の張力学習値を、前記新たな張力学習値で更新する張力学習値更新手段と、
    前記被圧延材の次に圧延される材である次被圧延材について、更新された前記張力学習テーブルから前記次被圧延材の圧延条件に対応する張力学習値を取得し、取得した張力学習値に基づいて前記張力制御手段が用いる張力目標値を含む圧延スケジュールを決定する圧延スケジュール決定手段と、を備え、
    前記新たな張力学習値は、前記新たな張力学習値をZ NEW 、現在の張力学習値をZ OLD 、前記積算値をZ CAL 、ゲインをαとして、関係式:Z NEW =αZ OLD +(1−α)Z CAL を用いて算出されること、
    を特徴とする圧延機のスリップ防止装置。
  2. 圧延条件毎の張力目標値を予め記憶した張力目標値記憶手段をさらに備え、
    前記圧延スケジュール決定手段は、
    前記張力学習テーブルの前記次被圧延材の圧延条件に対応する張力学習値と前記張力目標値記憶手段に記憶された前記次被圧延材の圧延条件に対応する張力目標値との和が上限値よりも大きい場合に、前記上限値を新たな張力目標値とし、前記和が前記上限値よりも小さい下限値よりも小さい場合に、前記下限値を新たな張力目標値とする張力目標値設定手段と、
    前記和が前記上限値よりも大きい場合に、前記和と前記上限値との差に影響係数を乗じて前記ワークロールの入側又は出側の板厚変更量を算出し、前記和が前記下限値よりも小さい場合に、前記和と前記下限値との差に前記影響係数を乗じて前記ワークロールの入側又は出側の板厚変更量を算出する板厚変更量算出手段と、
    前記張力目標値設定手段により設定された新たな張力目標値と前記板厚変更量算出手段により算出された板厚変更量とに基づいて、前記次被圧延材の圧延に用いられる張力目標値とロールギャップとを含む圧延スケジュールを計算する圧延スケジュール計算手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の圧延機のスリップ防止装置。
  3. 前記圧延条件は、前記ワークロールが圧延した被圧延材の本数を含むこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の圧延機のスリップ防止装置。
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