JP4238621B2 - 圧延鋼板の蛇行制御方法及び製造方法 - Google Patents

圧延鋼板の蛇行制御方法及び製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板を圧延する際に、鋼板が蛇行することを防止する圧延鋼板の蛇行制御方法及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板を圧延する際、圧延鋼板が圧延機の幅方向中心位置からはずれる、いわゆる蛇行を生じる場合がある。蛇行が生じると、圧延鋼板がサイドガイドに当たって折れ込んだ状態になって圧延される絞り込み現象が発生する場合がある。絞り込みが発生すると圧延ロールに傷が付くため、ロール交換作業が必要となり、生産性が低下する。また、圧延ロールに生じた傷は研磨することによって除去することはできるが、ロールの寿命が短くなり、これによって生産コストが上昇する。
【0003】
このような鋼板の蛇行を防止する制御方法として、特許文献1には、制御ゲインαを圧延荷重の設定値Ptoと圧延機の平行剛性値M1とから決定する絞込みの防止方法が開示されており、該方法によれば、荷重差をフィードバックすることにより制御が行われる。また、特許文献2には、尾端部が直前のスタンドを抜けてからの時間、又は抜けてからの距離に応じて制御ゲインを決定する蛇行制御方法が開示されている。また、特許文献3には、駆動側及び操作側の圧延荷重差の和に対する閾値を設け、それを基準に制御ゲインを変更する絞込み防止方法が開示されている。
【0004】
特許文献4には、圧延機の入側における圧延鋼板の蛇行量を測定し、圧下位置の幅方向差であるレベリング量を操作するフィードフォワード制御技術が開示されている。フィードフォワード制御においては、蛇行量測定値からレベリング量を決定するゲイン設定の良否がその制御効果を大きく左右する。例えば、制御ゲインが大きすぎると過補償となり、レベリング操作によって測定値とは逆方向に蛇行することになる。逆に、制御ゲインが小さすぎると、測定された方向への蛇行を十分に抑制できない。そこで特許文献4では、制御ゲインを圧延鋼板の板幅、板材質に応じて変更することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−85323号公報
【特許文献2】
特開平9−38710号公報
【特許文献3】
特開平8−267117号公報
【特許文献4】
特公平6−13127号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同じ板幅、板材質であってもレベリング操作による制御効果は一定とは限らず、制御精度がばらつくという問題があった。そこで、本発明は、フィードフォワード方式の蛇行制御において、ゲイン設定を適切にすることにより蛇行制御精度を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号及び、数式中に使用される数量を代表する文字を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】
速度vで並進する圧延鋼板の時刻tにおける回転角速度をω(t)とすると、初期蛇行量が0である圧延鋼板の圧延機から距離x(下流方向を正とする)の位置での蛇行量は、並進運動と回転運動の合成式
【数1】
y(x,t)=−x∫ ω(t)dt+v∫ ω(t)dtdt (1)
で表される。これより、圧延機入側に距離L(>0)離れて設置された蛇行計位置での蛇行量y(t)、圧延機直下位置での蛇行量y(t)は、それぞれ
【数2】
Figure 0004238621
【数3】
(t)=y(0,t)=v∫ ω(t)dtdt (3)
で表される。また、フィードフォワード蛇行制御では、一般に、蛇行計に隣接する下流圧延機のレベリングS(t)を蛇行計位置での蛇行量測定値y(t)に応じて
【数4】
S(t)=−k・y(t) (4)
と操作する。このとき圧延鋼板の回転速度ωは
【数5】
ω(t)=p・S(t)+q・y(t)+d(t) (5)
のように変化し、これが(2)、(3)式で示されるように2重積分されることによって蛇行量が変化する。ここで、p(>0)はレベリング操作から回転角速度への影響係数であり、レベリング操作による角速度変更効果を表す量である。また、q(>0)は圧延機直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響係数であり、蛇行によって圧延機左右の非対称圧下が大きくなり、角速度がさらに大きくなるという蛇行の自己増幅作用の程度を表す量である。さらにdは圧延機の左右剛性差などによる外乱である。
【0009】
(1)〜(5)式をラプラス変換して整理すると、外乱dから、被制御量である圧延機位置の蛇行量yまでの応答特性は
【数6】
(s)=G(s)・d(s)
G(s)=(Ls+v)/(s+Lpks+v(pk−q)) (6)
と表される。ただし、sはラプラス演算子である。蛇行量yが安定であるためにはG(s)のsに関する分母多項式の係数行列が全て正であること、すなわち
【数7】
q/p<k (7)
が必要十分条件であることがわかる。また、実際にはレベリングを操作する際の圧下装置の遅れや蛇行の検出遅れなどがあるため、kを大きくしすぎると制御系は不安定になりやすい。また、kが大きいとレベリング操作量が相対的に大きくなり、レベリング量が圧下装置の操作上下限範囲を超過するという問題もあるため、制御ゲインkをq/pの大きさに応じて
【数8】
k=α・q/p (8)
のように設定することが重要である。ここでαは1より大きい値であり、圧下装置の応答遅れや操作上下限範囲、蛇行計の検出遅れなどを考慮して定める。
【0010】
かくして本発明の第一の態様は、圧延機(F5)入側に設けた蛇行計(20)により蛇行量(y)を検出し、前記蛇行量に制御ゲイン(k)を乗じた量にレベリング量(S)を変更する、圧延鋼板(90)の蛇行制御方法において、圧延機直下の蛇行量(y)から前記圧延鋼板の回転角速度への影響係数(p)と、レベリング操作から前記圧延鋼板の回転角速度への影響係数(q)の比率(q/p)を計算し、計算された前記影響係数の比率に応じて前記制御ゲインを決定することを特徴とする圧延鋼板の蛇行制御方法が提供される。
【0011】
上記、圧延機直下の蛇行量から前記圧延鋼板の回転角速度への影響係数と、レベリング操作から前記圧延鋼板の回転角速度への影響係数の比率であるq/pに影響を与える圧延条件の因子を検討した結果、圧延荷重、圧延機出側の板クラウンの影響が大きいことを見出した。また、板速度の影響についても検討した。以下各項目毎に詳細に説明する。
【0012】
<圧延荷重>
図2は板幅1000mm、板厚1.98mmの圧延鋼板を板厚1.47mmに圧延する際の圧延荷重Fとp、q、q/pの関係を計算したグラフである。圧延荷重が高いほど圧延鋼板が蛇行したときの非対称性が強くなるため回転角速度への影響qは大きくなるが、逆に、レベリング操作による回転角速度抑制効果pは小さくなり、その結果、q/pは大きくなる。したがって、圧延荷重が高い場合は制御ゲインkを大きくし、低い場合は制御ゲインkを小さくすれば圧延荷重によらず良好な制御精度が得られる。実際には圧延荷重は圧延鋼板の変形抵抗変動などによって圧延中に変化するため、圧延荷重を測定し、測定された圧延荷重に応じて、制御ゲインを変更することが好ましい。
【0013】
かくして、本発明の第二の態様は、圧延機(F5)入側に設けた蛇行計(20)により蛇行量(y)を検出し、前記蛇行量に制御ゲイン(k)を乗じた量にレベリング量(S)を変更する、圧延鋼板(90)の蛇行制御方法において、前記制御ゲインを圧延荷重(F)に応じて決定することを特徴とする圧延鋼板の蛇行制御方法が提供される。さらに上記第二の態様において、前記圧延荷重は、実測値または設定値であってもよい。
【0014】
<板クラウン>
図3は板幅1000mm、板厚1.98mmの圧延鋼板を板厚1.47mmに圧延する際の圧延機出側板クラウンC(板幅中央部の板厚−板両端25mm位置の板厚の平均値)とp、q、q/pの関係を計算したグラフである。板クラウンが大きい場合は、板端部の上下ロール間のギャップは板中央部のギャップより狭くなっていることが拘束力として働いて圧延鋼板は蛇行・回転しにくいのでqは小さいが、板クラウンが小さくなると板端部と板中央部のギャップ差が小さくなり、qが大きくなる。一方、レベリング操作による回転角速度抑制効果pはほぼ一定であるため、板クラウンが小さいほどq/pは大きくなる。したがって、板クラウンが小さい場合は制御ゲインkを大きくし、大きい場合は制御ゲインkを小さくすれば板クラウンによらず良好な制御精度が得られる。実際には板クラウンは圧延中に変化するため、板クラウンを測定し、測定された板クラウンに応じて、制御ゲインを変更することが望ましい。また、よく知られているように、板クラウンが大きいときは板端の圧下量が相対的に板中央よりも大きいので端伸び形状になり、板クラウンが小さいときは逆に中伸び形状になるので、板クラウンの代わりに板形状で代用して、中伸び形状の場合は制御ゲインkを大きくし、端伸び形状の場合は制御ゲインkを小さくするようにしてもよい。
【0015】
かくして、本発明の第三の態様は、圧延機(F5)入側に設けた蛇行計(20)により蛇行量(y)を検出し、前記蛇行量に制御ゲイン(k)を乗じた量にレベリング量(S)を変更する、圧延鋼板(90)の蛇行制御方法において、前記制御ゲインを圧延機出側の板クラウン(C)または板形状に応じて決定することを特徴とする圧延鋼板の蛇行制御方法が提供される。また、上記第三の態様において、前記板クラウンまたは板形状は、測定値または推定値であることとしても良い。
【0016】
<板速度>
図4は板幅1000mm、板厚1.98mmの圧延鋼板を板厚1.47mmに圧延する際の圧延機入側の板速度vとp、q、q/pの関係を計算したグラフである。p、qともにvに比例するためvはq/pとは無関係である。しかし、外乱dから、被制御量である圧延機位置の蛇行量yまでの伝達関数の固有振動数は(6)式より、
【数9】
ω=(v(pk−q))1/2 (9)
であり、p、qはともにvに比例するので、固有振動数はvに比例する。したがって、板速度vが速くなると外乱dの影響が圧延鋼板の回転角速度ω、ひいては蛇行量yに伝わりやすくなる。これを防止するには、板速度が速い場合は制御ゲインkを大きくし、遅い場合は制御ゲインkを小さくすれば板速度によらず良好な制御精度が得られる。実際には圧延中の加減速によって板速度が変化するため、板速度を測定し、測定された板速度に応じて、制御ゲインを変更することが望ましい。この際、板速度の測定には計測器が必要であるが、板速度の代わりにロール速度で代用することもできる。
【0017】
かくして、本発明の第四の態様は、圧延機(F5)入側に設けた蛇行計(20)により蛇行量(y)を検出し、前記蛇行量に制御ゲイン(k)を乗じた量にレベリング量(S)を変更する、圧延鋼板(90)の蛇行制御方法において、前記制御ゲインを前記圧延機入側の板速度(v)に応じて決定することを特徴とする圧延鋼板の蛇行制御方法が提供される。
【0018】
以上をまとめると、制御ゲインkを例えば次式のように決定するようにすることで良好な制御精度を得ることができる。
【数10】
k=α・q/p (10)
【数11】
q/p=a+a・ΔF−a・ΔC (11)
【数12】
α=b+b・Δv (12)
ここで、
は基準圧延荷重、基準板クラウン、基準板速度でのq/p値、
ΔFは基準圧延荷重からの圧延荷重変化、
ΔCは基準板クラウンからの板クラウン変化、
Δvは基準板速度からの板速度変化、
は基準板速度でのαの値、
、a、b、は制御ゲイン変更の度合いを表すパラメータ
である。
【0019】
しかして、本発明の第五の態様は、上記本発明の第一の態様から第五の態様にかかる蛇行制御方法により蛇行を制御しつつ圧延を行う鋼板の製造方法である。
【0020】
かかる製造方法により鋼板を製造すれば、蛇行制御精度が向上した圧延条件において鋼板が製造されるので、製造中に絞込みの発生が抑制され、生産性が向上し、生産コストを低下することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面及び数式に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る圧延ラインを示す模式図である。図中、90は圧延鋼板であり、図の左から右に走行されながら、上下一対のワークロール1a〜7aと、それらを支持するバックアップロール1b〜7bとを夫々備える圧延スタンドF1〜F7によってタンデム圧延される。圧延スタンドF5にはレベリング量演算装置10が配されており、バックアップロール5bの平行度を調節することにより、間接的にワークロール5aの平行度を調節する。また、圧延スタンドF5の入側には蛇行計20が備えられており、圧延鋼板90の蛇行量を側定してレベリング装置80に出力する。さらに圧延スタンドF5には荷重計30、圧延スタンドF5の入側には板速計40、圧延スタンドF5の出側には板クラウン計50が備えられ、それぞれ、圧延荷重、板速度、板クラウンが測定される。測定された圧延荷重、板速度、板クラウンは制御ゲイン演算装置70に与えられ、制御ゲイン演算装置70はこれらの測定値と、セットアップ計算機60から与えられるパラメータに基づいて蛇行制御の制御ゲインを演算してレベリング量演算装置80に出力する。レベリング量演算装置80は蛇行計20から与えられた圧延鋼板90の蛇行量と制御ゲイン演算装置70から与えられた制御ゲインを用いて蛇行を制御するために必要な圧延スタンドF5のレベリング量を演算してレベリング装置10に出力し、レベリング装置10はその指示に従って圧延スタンドF5のレベリング量を変更することにより圧延鋼板90の蛇行が制御される。
【0022】
すなわち、上記圧延ラインを1つの制御系とみた場合、センサとして機能し、各種情報を得る情報入力手段としては、蛇行計20、荷重計30、板速計40、及び板クラウン計50がある。また、これら情報入力手段からの情報を受けて、必要に応じてテーブル等を参照しつつ所定の演算を行い、さらにこれらの演算結果によりアクチュエーターへの指令を発する、本制御の中心的役割をになう制御手段として、セットアップ計算装置60、制御ゲイン演算装置70、及びレベリング量演算装置80がある。さらに制御手段からの指令を受けて制御のための動作を実行するアクチュエーターとしては、レベリング装置10がある。
【0023】
以上のように構成された圧延ラインで蛇行制御する場合の動作手順を、図7のフローチャートを参照しつつ具体的に説明する。まず、圧延を開始する前にセットアップ計算機60は、圧延鋼板90を圧延する際の圧延スタンドF5の基準圧延荷重F、圧延スタンドF5出側の基準板クラウンCを予測し、その条件下における圧延スタンドF5直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響係数qと圧延スタンドF5のレベリング操作から回転角速度への影響係数pの比率a、aに対する圧延荷重の影響係数a、aに対する板クラウンの影響係数acを求める。この際、特許文献4に開示されているように圧延鋼板90の板幅や材質の影響があるので、それらに応じたテーブルを用意しておき、該当するテーブル値を参照して求める。さらにセットアップ計算機60は、圧延スタンドF5の入側における圧延鋼板90の板速度vを予測し、圧延荷重がF、板クラウンがC、板速度がvのときの適切な蛇行制御ゲインkとaの比率b、bに対する板速度の影響係数bを求める。求められたF、C、v、a、a、a、b、b、は制御ゲインを演算する際に用いるパラメータとして制御ゲイン演算装置70に出力される(ステップS1)。しかる後に圧延鋼板90の圧延を開始する(ステップS2)。
【0024】
圧延中は、蛇行計20によって測定された蛇行量yがレベリング量演算装置80に時々刻々与えられ、荷重計30によって測定された圧延荷重Fと、板速計40によって測定された板速度vと、板クラウン計50によって測定された板クラウンCが制御ゲイン演算装置70に時々刻々与えられる(ステップS3)。制御ゲイン演算装置70は、セットアップ計算機60から与えられたパラメータを用いて、圧延荷重F、板クラウンCの条件下での圧延スタンドF5直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響孫数qと圧延スタンドF5のレベリング操作から回転角速度への影響係数pの比率を
【数13】
q/p=a+a・(F−F)−a・(C−C) (13)
と計算し、また板速度vの条件下での制御ゲインkとq/pの適切な比率を
【数14】
α=b+b・(v−v) (14)
と計算し、最終的に蛇行制御ゲインを
【数15】
k=α・q/p (15)
と計算して、レベリング量演算装置80に出力する。
【0025】
レベリング量演算装置80は、蛇行計20によって測定された蛇行量yと制御ゲイン演算装置70から与えられた制御ゲインkを用いて、蛇行を制御するために必要なレベリング量を
【数16】
S=−k・y (16)
と計算し、レベリング装置10に出力する(ステップS4)。
【0026】
レベリング装置10は、レベリング量演算装置80から与えられるレベリング量Sを達成するように圧延スタンドF5のロールの平行度を調整する。この際、圧延鋼板90が作業側へ寄った場合は作業側のロールギャップを閉めて、駆動側のロールギャップを開く方向に、また、圧延鋼板90が駆動側へ寄った場合は駆動側のロールギャップを閉めて、作業側のロールギャップを開く方向にする(ステップS5)。
【0027】
次いで圧延終了か否かが判断され(ステップS6)、肯定判断された場合には処理は終了する(ステップS7)。ステップS6において否定判断された場合には、処理はステップS3に戻される。以降ステップS3〜S6の処理が、圧延が終了するまで繰り返される。
【実施例】
本発明と従来技術との蛇行制御効果を図5に示す圧延ラインを用いて比較した結果について説明する。図中90は圧延鋼板であり、圧延スタンドF1〜F7を用いて熱間圧延される。圧延スタンドF5の入側に設置された蛇行計20によって圧延鋼板90の蛇行量を検出し、圧延スタンドF5のレベリング装置10を操作することによる蛇行制御効果を圧延スタンドF5の直後に設置した蛇行計25によって確認した。
【0028】
制御ゲインを演算するために必要な圧延スタンドF5の入側板速度は板速計で測定せずに、圧延スタンドF4のワークロール4aのロール速度の測定値で代用した。また、圧延スタンドF5は圧延荷重に応じてワークロール5aのロールベンド力を操作することによるクラウン制御を実施しているため、F5スタンドの板クラウンは基準値に制御できているとみなせるので、a=0とし、圧延スタンドF5出側での板クラウンの測定は実施していない。また、本発明の方法では圧延荷重や板速度等に応じて制御ゲインを変更するが、従来方法では圧延荷重や板速度によらない一定の制御ゲインを用いて、それぞれの蛇行制御効果を確認した。その他の構成は図1と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0029】
図6は本発明方法及び従来方法を実施した場合において、1つの圧延鋼板の圧延中に蛇行計25によって測定された蛇行量の最大値を1月間に亘って調査した結果のヒストグラムである。本発明方法の方が従来方法に比べて蛇行が抑制されていることが確認できる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明により、フィードフォワード蛇行制御の制御ゲイン設定が適切にできるので、蛇行制御精度が向上し、絞り込みによるロール傷が減少するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧延ラインを示す模式図である。
【図2】圧延荷重と、レベリング操作から回転角速度への影響係数、圧延機直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響係数との関係を示すグラフである。
【図3】圧延機出側板クラウンと、レベリング操作から回転角速度への影響係数、圧延機直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響係数との関係を示すグラフである。
【図4】圧延機入側板速度と、レベリング操作から回転角速度への影響係数、圧延機直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響係数との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の蛇行制御方法の効果を確認するために用いた圧延ラインを示す模式図である。
【図6】本発明方法及び従来方法を実施した場合の蛇行量を比較して示すグラフである。
【図7】蛇行制御の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
F 圧延荷重
k 制御ゲイン
p レベリング操作から回転角速度への影響係数
q 圧延機直下の蛇行量から圧延鋼板の回転角速度への影響係数
S レベリング量
v 板速度
yc 圧延機直下位置での蛇行量
ys 蛇行計位置での蛇行量
F1〜F7 圧延スタンド
1a〜7a ワークロール
1b〜7b バックアップロール
10 レベリング装置
20 蛇行計
25 蛇行計
30 荷重計
40 板速計
50 板クラウン計
60 セットアップ計算機
70 制御ゲイン演算装置
80 レベリング量演算装置
90 圧延鋼板

Claims (2)

  1. 圧延機入側に設けた蛇行計により蛇行量を検出し、前記蛇行量に制御ゲインを乗じた量にレベリング量を変更する、圧延鋼板の蛇行制御方法において、圧延機直下の蛇行量から前記圧延鋼板の回転角速度への影響係数と、レベリング操作から前記圧延鋼板の回転角速度への影響係数の比率を計算し、計算された前記影響係数の比率に応じて前記制御ゲインを決定することを特徴とする圧延鋼板の蛇行制御方法。
  2. 請求項1に記載の蛇行制御方法により、蛇行を制御しつつ圧延を行う鋼板の製造方法。
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