JPH09124968A - 二酸化チタン顔料、二酸化チタン顔料の製造方法および水性塗料組成物 - Google Patents
二酸化チタン顔料、二酸化チタン顔料の製造方法および水性塗料組成物Info
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- JPH09124968A JPH09124968A JP7308124A JP30812495A JPH09124968A JP H09124968 A JPH09124968 A JP H09124968A JP 7308124 A JP7308124 A JP 7308124A JP 30812495 A JP30812495 A JP 30812495A JP H09124968 A JPH09124968 A JP H09124968A
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Abstract
ことなく、塗膜の耐水性を高めることができるようにす
る。 【解決手段】 水性塗料に含有させる二酸化チタン顔料
が、下記の一般式(1)で示される有機リン酸エステル
化合物群から選択される少なくとも1種の有機リン酸エ
ステル化合物により表面処理されたものである。 【化1】
Description
成物、特に、二酸化チタン顔料およびそれを含む水性塗
料組成物に関する。
あたっては、従来から溶剤型塗料が主に用いられてい
る。しかし、溶剤型塗料は、造膜時に溶剤が揮散するた
め、環境保護などの観点から使用が控えられつつある。
従って、建築物などの塗装分野では、溶剤型塗料に代え
て、水性塗料の利用が進められている。
では溶剤型塗料に比べて優れているものの、親水性を有
する樹脂を配合することにより水性化を図っているた
め、一般に耐水性が良好な塗膜を形成するのが困難であ
る。このため、水性塗料について、耐水性に優れた塗膜
が形成できるような改良が要望されている。水性塗料に
よる塗膜の耐水性を高める手段としては、通常、水性塗
料に含まれる膜形成性成分、即ち樹脂成分を調整するこ
とが考えられる。しかし、このような手段によれば、耐
水性が良好な塗膜が形成できる場合があるものの、他の
塗膜特性、例えば光沢などの塗膜外観を損なう場合が多
い。換言すると、樹脂成分の調整では、塗膜の耐水性を
高めながら、同時に他の塗膜特性を維持するのは困難で
ある。
膜形成性成分以外の成分、例えば、各種顔料成分を改良
することにより、塗膜に種々の特性を付与する試みがな
されている。例えば、特開平4−277566号公報に
は、有機リン酸エステルにより表面処理した二酸化チタ
ン顔料を水性塗料に用いると、塗料中における二酸化チ
タン顔料の分散性が高まることが示されている。しか
し、当該公報に記載の技術によれば、塗膜外観などの改
善効果は期待できるが、塗膜の耐水性を改善することは
できない。
ことなく、塗膜の耐水性を高めることができる水性塗料
を提供することにある。本発明の他の目的は、上記水性
塗料用の特定の二酸化チタン顔料を提供することにあ
る。
一般式(1)で示される有機リン酸エステル化合物群か
ら選択された少なくとも1種の有機リン酸エステル化合
物により表面処理された二酸化チタン粒子を含んでい
る。
Rを、並びにYおよびZは、基O−(R’O)nRまたは
基OH(但し、ナトリウムもしくはカリウムなどのアル
カリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩を含む)を
それぞれ示している。
基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール基
を、R’は、エチレン基またはプロピレン基を、および
nは、0〜10の整数をそれぞれ示している。
の平均粒子径は、通常、0.15〜0.4μmである。
また、二酸化チタン粒子は、例えば、その重量の0.1
〜5重量%の一般式(1)で示される有機リン酸エステ
ル化合物により処理されている。その有機リン酸エステ
ル化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジノニル
フェニルエーテルリン酸、トリ(ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル)リン酸およびそれらの塩からなる群か
ら選択された少なくとも1種が挙げられる。
リン酸エステル化合物により表面処理される前に予めア
ルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、ス
ズ、セリウムからなる群から選択された少なくとも1種
の金属の含水酸化物または酸化物の被膜を有していても
よい。
は、二酸化チタン粒子を上記一般式(1)で示される有
機リン酸エステル化合物群から選択された少なくとも1
種の有機リン酸エステル化合物により表面処理する工程
を含んでいる。
子をアルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウ
ム、スズ、セリウムからなる群から選択された少なくと
も1種の金属の含水酸化物または酸化物により予め表面
処理する工程をさらに含んでいてもよい。
形成性成分と、上記一般式(1)で示される有機リン酸
エステル化合物群から選択された少なくとも1種の有機
リン酸エステル化合物により表面処理された二酸化チタ
ン粒子を含む二酸化チタン顔料と、を含んでいる。
されないが、例えば、アクリルエマルション、常温硬化
型アクリル樹脂、ポリエステル樹脂とメラミン−ホルム
アルデヒド樹脂との混合物、ウレタンディスパージョン
からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
子は、アナターゼ型結晶構造を有するもの、ルチル型結
晶構造を有するもの、或いはこれらの組合わせのいずれ
でもよい。このような二酸化チタン粒子の平均粒子径
は、通常、0.15〜0.4μmが好ましく、0.2〜
0.3μmがより好ましい。平均粒子径が0.15μm
未満の場合および0.4μmを超える場合は、隠蔽力や
着色力が不充分となり、塗料用二酸化チタン顔料として
好ましい粒径から逸脱する。
方法、例えば、硫酸法や塩素法などにより製造すること
ができる。このうち、硫酸法では、一般に、チタン含有
鉱石を硫酸で浸出して硫酸チタン溶液を得、この硫酸チ
タン溶液を加水分解して二酸化チタンの析出物を得る。
そして、この析出物を適当な添加物の存在下で仮焼して
所望の結晶構造を有するものを得、これを粉砕、分級し
て表面に種々の金属の含水酸化物または酸化物の被膜を
形成する。これにより得られたものを最終的に粉砕して
所望の粒径に調整すると、目的とする二酸化チタン粒子
が得られる。
ハロゲン化チタンを高温で気相酸化して粗二酸化チタン
を得る。そして、この粗二酸化チタンを粉砕、分級し、
表面に種々の金属の含水酸化物または酸化物の被膜を形
成する。これにより得られたものを最終的に粉砕して所
望の粒径に調整すると、目的とする二酸化チタン粒子が
得られる。
ニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズおよ
びセリウムなどの金属の含水酸化物または酸化物による
被膜を少なくとも1種有していてもよい。二酸化チタン
粒子がこのような被膜を有する場合は、本発明の二酸化
チタン顔料を含む水性塗料により形成される塗膜の耐水
性をより高めることができる。
化チタン粒子を特定の有機リン酸エステル化合物により
処理したものである。ここで、有機リン酸エステル化合
物による二酸化チタン粒子の処理とは、二酸化チタン粒
子の表面に有機リン酸エステル化合物を付着、担持また
は被覆させることを意味する。
合物は、下記の一般式(1)で示されるものである。
で示される基である。また、YおよびZは、O−(R’
O)nRで示される基またはOHで示される基(但し、
ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩またはアミン塩を含む)である。このよう
なX、YおよびZにおいて、Rは、炭素数が8〜24の
アルキル基、置換アルキル基、アリール基または置換ア
リール基である。また、R’はエチレン基またはプロピ
レン基である。さらに、nは0〜10の整数である。な
お、X、YおよびZは、いずれか2つまたは全てが同一
のものであってもよいし、全てが互いに異なるものであ
ってもよい。
が8未満の場合或いはnが10を超える場合は、二酸化
チタン顔料の疎水性が小さくなるので、水性塗料中での
分散性は高まるものの、当該水性塗料による塗膜の耐水
性が不十分になる。一方、Rの炭素数が24を超える場
合は、二酸化チタン顔料の疎水性が大きくなり、水性塗
料中での分散性が低下する。このため、そのような二酸
化チタン顔料を含む水性塗料は、塗膜外観、例えば、塗
膜の光沢が低下するおそれがある。以上を整理すると、
本発明では、Rの炭素数とnの範囲とを上述のように規
定しているために、水性塗料中における二酸化チタン顔
料の分散性を良好に維持して当該水性塗料が光沢などの
外観が良好な塗膜を形成するようにでき、同時に当該水
性塗料が耐水性の高い塗膜を形成するようにできること
になる。
ち好ましいもとしては、例えば、下記の一般式(2)〜
(5)で示されるものが挙げられる。
2 およびR3 は、上述のRと同様であり、互いに同一で
あってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、R
1'、R2'およびR3'は、上述のR’と同様であり、互い
に同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
さらに、M1 およびM2 は、上述のMと同様であり、互
いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよ
い。さらに、n1、n2およびn3は、上述のnと同様
であり、互いに同一であってもよいし、互いに異なって
いてもよい。
る有機リン酸エステル化合物の具体例としては、(2)
で示されるものとしてポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルリン酸およびそのナトリウム塩またはカリウ
ム塩、並びにポリオキシエチレンジノニルフェニルエー
テルリン酸およびそのナトリウム塩が、(3)で示され
るものとしてジ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル)リン酸およびそのナトリウム塩が、(4)で示
されるものとしてトリ(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル)リン酸およびそのナトリウム塩が、
(5)で示されるものとしてトリ−2−エチルヘキシル
リン酸がそれぞれ挙げられる。このうち、光沢の良好な
塗膜が得られる点、および水によるフクレが生じにくい
塗膜が形成できる点で、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジノニルフェ
ニルエーテルリン酸、トリ(ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル)リン酸およびこれらのナトリウム塩が特に
好ましい。
エステル化合物が2種以上併用されてもよい。
酸化チタン粒子がその重量の概ね0.1〜5重量%、好
ましくは0.3〜2重量%の上述の有機リン酸エステル
化合物により処理されている。有機リン酸エステル化合
物の使用量が0.1重量%未満の場合は、本発明が目的
とする効果が十分に達成されない。逆に、5重量%を超
えると、塗膜の外観を損なうおそれがある等、効果が十
分に達成されない。
について説明する。先ず、二酸化チタン粒子を用意す
る。この二酸化チタン粒子には、所望によりアルミニウ
ム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズおよびセ
リウムなどの金属の含水酸化物または酸化物を用いて表
面処理する。このような含水酸化物または酸化物による
表面処理方法としては、通常行なわれている種々の公知
の方法を採用することができ、例えば、二酸化チタンの
水性スラリー中に、上述の金属の水溶性化合物を添加し
た後に中和して、上述の金属の含水酸化物を二酸化チタ
ンの粒子表面上に沈殿させ、その後濾過、乾燥する方法
を採用することができる。
酸エステル化合物により処理する。これにより、目的と
する本発明の二酸化チタン顔料が得られる。処理方法と
しては、乾燥した二酸化チタン粒子と有機リン酸エステ
ル化合物とを混合する方法、二酸化チタン粒子に有機リ
ン酸エステル化合物を吹き付ける方法、有機リン酸エス
テル化合物中に二酸化チタン粒子を浸漬する方法、およ
び流体エネルギー粉砕機を用いる方法などが挙げられ
る。なお、二酸化チタン粒子と有機リン酸エステル化合
物とを混合する方法が採用される場合、混合装置として
は、例えば、ヘンシェルミキサー、V型混合機、スクリ
ューコンベヤー、パドルミキサーを用いることができ
る。また、流体エネルギー粉砕機を用いる場合、流体と
しては、圧縮空気や加熱蒸気を用いることができる。
述の二酸化チタン顔料とを必須成分として含んでいる。
は、所謂樹脂成分であり、水性塗料の分野で用いられて
いるものであれば、特に限定されずに種々のものを利用
することができる。具体的には、アクリルエマルショ
ン、酸−エポキシ系などの常温硬化型アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との
混合物およびウレタンディスパージョンなどが挙げられ
る。このうち、より耐水性の高い塗膜が形成できる点
で、酸−エポキシ系の常温硬化型アクリル樹脂エマルシ
ョンおよびウレタンディスパージョンが好ましい。
併用されてもよい。
二酸化チタン顔料の使用量は、通常、水性塗料組成物の
使用目的により任意に設定され得る。すなわち、水性塗
料組成物を用いて薄膜状の塗膜を形成する場合は、二酸
化チタン顔料による十分な隠蔽性を塗膜に付与するため
に二酸化チタン顔料の使用量を多く設定する必要があ
り、逆に、水性塗料組成物により厚膜状の塗膜を形成す
る場合は、二酸化チタン顔料の使用量が少なくても隠蔽
性の高い塗膜を形成することができるので、二酸化チタ
ン顔料の使用量を少なく設定することができる。なお、
二酸化チタン顔料の使用量は、通常、上述の膜形成性成
分100重量部に対して1重量部〜500重量部の範囲
に設定される。
成分以外の成分が含まれていてもよい。他の成分として
は、酸化鉄、フタロシアニンブルーなどの着色顔料、炭
酸カルシウムや硫酸バリウムなどの体質顔料、アルミ粉
やマイカフレークなどの光輝剤などが挙げられる。ま
た、水性塗料組成物は、増粘剤、消泡剤、可塑剤、造膜
助剤などの通常用いられる各種添加剤を含んでいてもよ
い。
特定の有機リン酸エステル化合物により処理した二酸化
チタン顔料を含んでいる。このため、この水性塗料組成
物は、膜形成性成分として特別なものを用いなくても二
酸化チタン顔料の分散性が良好であり、光沢などの外観
が良好な塗膜を形成することができる。また、この塗膜
は、上述のリン酸エステル化合物の作用により、耐水性
が良好である。
チル型二酸化チタン(ジルコニウム化合物をZrO2 と
して0.6重量%、アルミニウム化合物をAl2O3とし
て2.5重量%含有)粒子に下記の有機リン酸エステル
化合物を処理した。処理方法としては、乾式処理法を採
用した。すなわち、スチームを用いて温度を170℃に
保ちながら、ヘンシェルミキサーを用いて二酸化チタン
粒子と有機リン酸エステル化合物とを混合した。なお、
有機リン酸エステル化合物の使用量は、二酸化チタン粒
子の重量の1重量%に設定した。
機リン酸エステル化合物。
機リン酸エステル化合物と下記の式(8)で示される有
機リン酸エステル化合物との50:50混合物。
機リン酸エステル化合物と下記の式(10)で示される
有機リン酸エステル化合物との10:90混合物。
されるものを用いた点を除き、実施例1〜3と同様にし
て二酸化チタン顔料を得た。
散剤(エルフ アトケム ノースアメリカ インコーポ
レーテッド社製のSMA1440H)30重量部、イオ
ン交換水50重量部、アンモニア水(濃度=25%)1
重量部、消泡剤(サンノプコ社製のSNデフォーマー3
15)1重量部、エチレングリコール10重量部および
3%のヒドロキシエチルセルロース水溶液5重量部を配
合し、サンドグラインドミルを用いて混合、分散して顔
料ペーストを調製した。
ョン(ロームアンドハース社製のプライマールAC−6
1)600重量部、テキサノール20重量部および3%
ヒドロキシエチルセルロース水溶液10重量部を混合
し、水性塗料組成物を得た。
た点を除き、実施例4と同様にして水性塗料組成物を得
た。
る処理がされていないものを用いた点を除き、実施例4
と同様にして水性塗料組成物を得た。
温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器
にブチルセロソルブ60重量部を仕込み、125℃に昇
温した。これに、下記の組成の混合物を3時間かけて徐
々に滴下して反応させ、滴下終了後、125℃で30分
間維持した。その後、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート1重量部とブチルセロソルブ10重量
部との混合物を30分かけて滴下し、125℃に1時間
維持して反応を行った。
4重量部
ア水6重量部およびイオン交換水69重量部を加え、カ
ルボキシル基含有共重合体樹脂水溶液250重量部を得
た。この共重合体樹脂水溶液は、不揮発分濃度が40重
量%、平均分子量が15,000、固形分換算で酸価が
45mgKOH/gの透明な溶液であった。
還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応容器
に、イオン交換水80重量部とノニオン系乳化剤(花王
株式会社製のエマルゲン950)2重量部とを加えて7
0℃に加温した。そして、この状態で下記の組成を有す
る混合物からなる乳化液の5重量%と過硫酸カリウム
0.5重量部とをイオン交換水4重量部に溶解したもの
を添加した。
用いて滴下して反応させ、0.5時間の完結反応を行っ
た。冷却後、これにアンモニア水(濃度=25%)2重
量部を添加したところ、濃度が50重量%、pHが8.
5、エポキシ当量が2840、重量平均分子量が50,
000の共重合体樹脂水分散体が得られた。
水溶液250重量部、エチレングリコール10重量部、
イオン交換水50重量部、アンモニア水(濃度=25
%)1重量部、消泡剤(サンノプコ社製のSNデフォー
マー315)2重量部、実施例1で得られた二酸化チタ
ン顔料240重量部およびイオン交換水を配合し、サン
ドグラインドミルを用いて混合、分散して不揮発分濃度
が61重量%の顔料ペーストを調製した。
樹脂水分散体553重量部、テキサノール20重量部お
よび3%のヒドロキシエチルセルロース水溶液10重量
部を混合して水性塗料組成物を調製した。この塗料の顔
料重量濃度(PWC)は44重量%であった。
た点を除き、実施例6と同様にして水性塗料組成物を調
製した。
た点を除き、実施例6と同様にして水性塗料組成物を調
製した。
る処理がされていないものを用いた点を除き、実施例6
と同様にして水性塗料組成物を調製した。
応容器を用意し、これにヤシ油155重量部、トリメチ
ロールプロパン249重量部およびジブチルスズオキサ
イド1.7重量部を仕込み、乾燥窒素下で加熱を開始し
て原料を融解させた。そして、210℃まで徐々に昇温
し、エステル交換させて冷却した。次に、イソフタル酸
289重量部、アジピン酸64重量部およびネオペンチ
ルグリコール52重量部を加え、220℃まで徐々に昇
温して脱水エステル化反応を実施した。樹脂酸価が10
になるまで脱水エステル化した後、150℃まで冷却し
て無水トリメリット酸40重量部を加え、樹脂酸価が4
0になるまでさらに反応させた。さらに、140℃まで
冷却し、ε−カプロラクトンを加えて1時間反応させて
反応を終了させた。
族炭化水素溶剤(エッソ化学株式会社製のソルベッソ#
150)75重量部およびブチルセロソルブ75重量部
を加え、樹脂固形分が84重量%のポリエステル樹脂ワ
ニスを得た。得られたポリエステル樹脂は、水酸基価が
135、酸価が35、数平均分子量が2,910(ポリ
スチレン換算)であった。
00重量部にジメチルエタノールアミン4.7重量部
(カルボキシル基総量の1.0当量)を加えて混合した
ものに、イオン交換水105.3重量部を加えて水性ポ
リエステル樹脂ワニスを得た。この水性ポリエステル樹
脂ワニスは、良好な水分散性を示し、固形分が40重量
%であった。
0重量部、イオン交換水50重量部、消泡剤(サンノプ
コ社製のSNデフォーマー315)2重量部および実施
例2で得られた二酸化チタン顔料280重量部を配合
し、サンドグラインドミルを用いて混合、分散して顔料
ペーストを調製した。
リエステル樹脂ワニス100重量部とメラミン−ホルム
アルデヒド樹脂(三井サイテック社製のサイメル30
3:固形分=100重量%)60重量部とを配合し、固
形分重量比を70/30に設定した。さらに、消泡剤
(サンノプコ社製のSNデフォーマー315)2重量部
と触媒としてのp−トルエンスルホン酸3.7重量部と
を添加し、PWCが58重量%の水性塗料組成物を得
た。
る処理がされていないものを用いた点を除き、実施例8
と同様にして水性塗料組成物を調製した。
散剤(エルフ アトケム ノースアメリカ インコーポ
レーテッド社製のSMA1440H)25重量部、ポリ
ウレタン樹脂(ゼネカ社製のネオレッツR−960)2
00重量部、イオン交換水50重量部、アンモニア水
(濃度=25%)1重量部、消泡剤(サンノプコ社製の
SNデフォーマー315)1重量部および3%のヒドロ
キシエチルセルロース水溶液5重量部を配合し、サンド
グラインドミルを用いて混合、分散を行って顔料ペース
トを調製した。
(ゼネカ社製のネオレッツR−960)530重量部、
テキサノール10重量部、3%のヒドロキシエチルセル
ロース水溶液10重量部および水34重量部を混合して
PWCが52重量%の水性塗料組成物を得た。
る処理がされていないものを用いた点を除き、実施例9
と同様にして水性塗料組成物を調製した。
成物を用いて塗膜を形成し、その塗膜の光沢および耐温
水性を調べた。塗膜は、水性塗料組成物をJIS R
3202に規定するガラス板(縦10cm、横15c
m、厚さ0.2cm)上に150μmのフイルムアプリ
ケーターを用いて塗布し、室温で7日間乾燥(実施例
4,5,6,7,9および比較例2,3,4,6)もし
くは140℃で20分間熱風式乾燥機で乾燥させて(実
施例8および比較例5)試験片を作成することにより形
成した。試験方法は下記の通りである。結果を表1に示
す。
鏡面光沢度により、60度と20度の場合を測定した。
に浸漬して24時間後に取り出し、室温で24時間乾燥
した後の塗膜のフクレと60度光沢保持率とを評価し
た。評価の基準は次の通りである。
浸漬前の60度光沢値)×100により算出した値であ
る。
化チタン粒子を特定の有機リン酸エステル化合物により
処理して得られたものであるので、水性塗料に用いられ
ると、塗膜の外観特性を損なうことなく塗膜の耐水性を
高めることができる。
造方法によれば、水性塗料に用いられた際に、塗膜の外
観特性を損なうことなく塗膜の耐水性を高めることがで
きる二酸化チタン顔料を製造することができる。
上述の二酸化チタン顔料を含んでいるので、光沢などの
外観特性が良好であり、しかも耐水性が高い塗膜を形成
することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】下記の一般式(1)で示される有機リン酸
エステル化合物群から選択された少なくとも1種の有機
リン酸エステル化合物により表面処理された二酸化チタ
ン粒子を含む、二酸化チタン顔料。 【化1】 〔一般式(1)中、Xは、基O−(R’O)nRを、Yお
よびZは、基O−(R’O)nRまたは基OH(但し、ナ
トリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩またはアミン塩を含む)を、Rは、炭素数が
8〜24のアルキル基、置換アルキル基、アリール基ま
たは置換アリール基を、R’は、エチレン基またはプロ
ピレン基を、およびnは、0〜10の整数をそれぞれ示
す。〕 - 【請求項2】表面処理された前記二酸化チタン粒子の平
均粒子径が0.15〜0.4μmである、請求項1に記
載の二酸化チタン顔料。 - 【請求項3】前記二酸化チタン粒子が、その重量の0.
1〜5重量%の前記有機リン酸エステル化合物により処
理されている、請求項1または2に記載の二酸化チタン
顔料。 - 【請求項4】前記有機リン酸エステル化合物が、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸、ポリオキ
シエチレンジノニルフェニルエーテルリン酸、トリ(ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル)リン酸およびそれ
らの塩からなる群から選択された少なくとも1種であ
る、請求項1、2または3に記載の二酸化チタン顔料。 - 【請求項5】前記二酸化チタン粒子が、前記有機リン酸
エステル化合物により表面処理される前に予めアルミニ
ウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、セリ
ウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属の
含水酸化物または酸化物の被膜を有している、請求項
1、2、3または4に記載の二酸化チタン顔料。 - 【請求項6】二酸化チタン粒子を下記の一般式(1)で
示される有機リン酸エステル化合物群から選択された少
なくとも1種の有機リン酸エステル化合物により表面処
理する工程を含む、二酸化チタン顔料の製造方法。 【化2】 〔一般式(1)中、Xは、基O−(R’O)nRを、Yお
よびZは、基O−(R’O)nRまたは基OH(但し、ナ
トリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩またはアミン塩を含む)を、Rは、炭素数が
8〜24のアルキル基、置換アルキル基、アリール基ま
たは置換アリール基を、R’は、エチレン基またはプロ
ピレン基を、およびnは、0〜10の整数をそれぞれ示
す。〕 - 【請求項7】前記二酸化チタン粒子を、アルミニウム、
ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、セリウムか
らなる群から選択された少なくとも1種の金属の含水酸
化物または酸化物により予め表面処理する工程をさらに
含む、請求項6に記載の二酸化チタン顔料の製造方法。 - 【請求項8】水性の膜形成性成分と、 下記の一般式(1)で示される有機リン酸エステル化合
物群から選択された少なくとも1種の有機リン酸エステ
ル化合物により表面処理された二酸化チタン粒子を含む
二酸化チタン顔料と、を含む水性塗料組成物。 【化3】 〔一般式(1)中、Xは、基O−(R’O)nRを、Yお
よびZは、基O−(R’O)nRまたは基OH(但し、ナ
トリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩またはアミン塩を含む)を、Rは、炭素数が
8〜24のアルキル基、置換アルキル基、アリール基ま
たは置換アリール基を、R’は、エチレン基またはプロ
ピレン基を、およびnは、0〜10の整数をそれぞれ示
す。〕 - 【請求項9】前記水性の膜形成性成分が、アクリルエマ
ルション、常温硬化型アクリル樹脂、ポリエステル樹脂
とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との混合物およびウ
レタンディスパージョンからなる群から選ばれた少なく
とも1種である、請求項8に記載の水性塗料組成物。
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